JP2998932B1 - 建物の外壁補修用アンカーピンとその製造法 - Google Patents

建物の外壁補修用アンカーピンとその製造法

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JP2998932B1 JP10350061A JP35006198A JP2998932B1 JP 2998932 B1 JP2998932 B1 JP 2998932B1 JP 10350061 A JP10350061 A JP 10350061A JP 35006198 A JP35006198 A JP 35006198A JP 2998932 B1 JP2998932 B1 JP 2998932B1
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照彦 和田
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株式会社ケー・エフ・シー
株式会社ケー・エフ・シー特販
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Abstract

【要約】 【課題】1ピースの金属板材から成る耐久強度と量産効
果に富むアンカーピンを提供する。 【解決手段】ほぼ長方形の金属板材から円筒型に捲き曲
げ立体化されたアンカーピン本体(10)の中空内部
へ、その先端側からの拡開用プラグ(11)を挿入セッ
トして成るアンカーピン(P)であって、そのアンカー
ピン本体(10)の先端部には継ぎ目(12)と向かい
合う1条の拡開用割溝(19)と、コンクリート躯体
(C)への喰い付き用となる波状の凹凸条(18)とを
設け、同じく基端部からはモルタル外壁(M)の浮き上
がり防止用又は/及び接着剤(B)の逆流防止用押えフ
ランジ(14)をほぼ直角の交叉角度(θ)に曲げ出し
て、その押えフランジ(14)に化粧用口金(17)を
かしめ付け一体化すると共に、上記アンカーピン本体
(10)の中間部には向かい合う接着剤用流出孔(20
a)(20b)(21a)(21b)(22a)(22
b)の少なくとも2個1組を開口分布させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は建物の外壁補修用ア
ンカーピンとその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、建物のモルタル外壁がそのコン
クリート躯体から経時的に浮き上がり膨張する如く撓み
変形したり(所謂はらみ現象)、更には剥げ落ちたりす
る危険を防ぐ外壁補修工事では、そのモルタル外壁をコ
ンクリート躯体へ機械的に固定するため、中空内部に拡
開用プラグを挿入セットしたほぼ円筒型の各種アンカー
ピンが使われている。
【0003】つまり、その使用上予じめモルタル外壁か
らコンクリート躯体に至るまで穿孔した下穴の内部へ、
先ずアンカーピンを埋め込み、その拡開用プラグを叩打
して、アンカーピンを先端側から拡開させることによ
り、コンクリート躯体への喰い付き固定状態に保つ。
【0004】次いで、上記アンカーピンの中空内部へ湿
潤硬化型エポキシ樹脂などの接着剤を注入し、その接着
剤を注入圧力により、アンカーピンの中空内部から下穴
との相互間隙や、モルタル外壁とコンクリート躯体との
相互間隙(外壁の浮き部)へ流出・波及させて、その接
着力と上記アンカーピンの喰い付き力との相乗作用によ
り、モルタル外壁の浮き上がり膨張や剥げ落ちなどを防
止するようになっている。
【0005】このような接着剤を注入できる各種アンカ
ーピンのうち、その金属板材からほぼ円筒型に仕上げた
製品としては、図35〜39に示すそれが唯一実用化さ
れているに過ぎない現状である。
【0006】この従来のアンカーピンは金属板材のプレ
ス加工により、半円筒型に弯曲された向かい合う一対の
同じ半割り体(1L)(1R)と、その両半割り体(1
L)(1R)の基端部における外周面と内周面とを被覆
する如く、ここに溶着一体化された合成樹脂材の接着剤
用注入口筒(2)とから成り、その注入口筒(2)を介
して両半割り体(1L)(1R)が全体的な円筒型に組
み立て固定されたものである。
【0007】しかも、上記注入口筒(2)の基端側は両
半割り体(1L)(1R)の基端側に順応する外広がり
な円錐型のフランジ部(2a)として、滑らかに弯曲さ
れている一方、同じく注入口筒(2)における内周面の
先端側が制止段差部(2b)として、アンカーピンの基
端側に向かう拡開用プラグ(3)の抜け落ちを防ぐよう
になっている。
【0008】(4)は両半割り体(1L)(1R)の先
端部に波付け加工されたコンクリート躯体(C)への喰
い付き用凹凸条、(5)は同じく両半割り体(1L)
(1R)の先端部に位置しつつ、その割り目に沿って一
定長さ(L)だけ切り除かれた拡開用凹欠、(6)は両
半割り体(1L)(1R)の残る中間部に開口分布され
た複数の接着剤用流出孔であり、その一対づつの向かい
合っていることは言うまでもない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記構成の
アンカーピンでは両半割り体(1L)(1R)が別個独
立の2ピースとして、合成樹脂材の接着剤用注入口筒
(2)により組み立て一体化された製品であるため、そ
の注入口筒(2)の一部を図38から明白なように、両
半割り体(1L)(1R)の基端部に向かい合って開口
する通孔(7)へ、差し込み溶着状態に固定維持したと
しても、両半割り体(1L)(1R)が拡開用プラグ
(3)の叩打により先端側から強制的に拡開されると、
その割れ目から注入口筒(2)にクラックが入りやす
く、アンカーピンとしての耐久強度を低下させることは
必至である。
【0010】又、上記注入口筒(2)の被着一体化され
た両半割り体(1L)(1R)の基端側は、フランジ部
(2a)として滑らかな外広がりの円錐型を呈してお
り、しかもそのフランジ部(2a)が図39の使用状態
から明白なように、モルタル外壁(M)の表面から下穴
(H)への没入状態に埋め込み固定されるようになって
いるため、接着剤(B)が注入圧力を受けて、その下穴
(H)に沿って基端側へ逆流・溢出することを、上記フ
ランジ部(2a)によって封止することは困難であり、
ましてモルタル外壁(M)が浮き上がり膨張する如く撓
み変形することを、そのフランジ部(2a)によって確
実に押え止めることは全く不可能である。
【0011】その対策としては、上記フランジ部(2
a)を注入口筒(2)の基端側から大きく、且つほぼ直
角に張り出すことが考えられるが、そうすると上記接着
剤(B)の注入圧力が強きに過ぎたり、或いはモルタル
外壁(M)が大きく撓み変形したりした場合、その引張
り力に対抗できない合成樹脂材の注入口筒(2)が、両
半割り体(1L)(1R)から抜けてしまうのである。
【0012】更に、アンカーピンの製造法としても、上
記両半割り体(1L)(1R)の板金プレス加工のみな
らず、その加工された向かい合う一対を引き続き正確に
組み合わせて、注入口筒(2)の成形金型へインサート
し、その金型に対する合成樹脂材の流し込みにより、注
入口筒(2)の成形硬化と同時に両半割り体(1L)
(1R)を固定一体化させなければならないので、その
製造工程の自動ライン化が不可能であって、この種多量
に使うアンカーピンの量産効果を発揮させることもでき
ない。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような課題
の抜本的な解決を企図しており、そのための構成上ほぼ
長方形の金属板材から円筒型に捲き曲げ立体化されるこ
とにより、その胴面に長手方向へ延在する1条の継ぎ目
を備えたアンカーピン本体の中空内部へ、その先端側か
らの拡開用プラグを挿入セットして成るアンカーピンで
あって、
【0014】上記アンカーピン本体における長手方向の
先端部には、建物のコンクリート躯体へ喰い付くことと
なる凹凸条を、その凹周条部が上記プラグの先端側に向
かう抜け止め用ストッパーとして機能し得る波状に賦形
すると共に、その賦形された長さ範囲よりも長い一定長
さの拡開用割溝を、上記継ぎ目と向かい合い平行する1
条として切り欠く一方、
【0015】同じくアンカーピン本体における長手方向
の基端部を、接着剤の逆流防止用又は/及びモルタル外
壁の浮き上がり防止用押えフランジとして、その胴面か
ら外向きのほぼ直角な交叉角度に曲げ出すと共に、その
押えフランジを包み込むようにかしめ付け一体化させた
化粧用口金の差し込み芯筒部を、アンカーピン本体へ差
し込むことにより、上記プラグの基端側に向かう抜け止
め用ストッパーとして機能させるように定め、
【0016】上記アンカーピン本体における先端部と基
端部との中間部には、向かい合う接着剤用流出孔の少な
くとも2個1組を開口分布させたことを特徴とし、
【0017】又、上記建物の外壁補修用アンカーピンの
製造法として、ほぼ長方形をなす金属板材の長手中心線
上には少なくとも1個の接着剤用流出孔と先端部が開放
する1条の拡開用割溝を、同じく金属板材の長手中心線
を挟む対称位置には別な少なくとも2個1組の接着剤用
流出孔を、上記金属板材の平行な長辺には更に別な少な
くとも1組の接着剤用流出孔となる対称な一対の凹欠を
各々切り抜き加工し、
【0018】上記金属板材における長手方向の先端部に
はコンクリート躯体への喰い付き用凹凸条を、上記拡開
用割溝と交叉するように波付け加工すると共に、
【0019】同じく金属板材における長手方向の基端部
をモルタル外壁の浮き上がり防止用又は/及び接着剤の
逆流防止用押えフランジとして、その金属板材からほぼ
直角な交叉角度に曲げ起し加工し、
【0020】その後上記金属板材を、その押えフランジ
が外向きに張り出すこととなるように、上記長手中心線
の廻りに捲き曲げ立体化して、その金属板材の長辺同志
が閉合する円筒型のアンカーピン本体を造形する一方、
【0021】上記アンカーピン本体の中空内部へ挿入可
能な差し込み芯筒部と、その芯筒部の存在方向へ連続的
に折り返されたカバー部とを備えたほぼ中空鋲型の化粧
用口金を、別な金属板材から段階的に絞り加工して、
【0022】上記アンカーピン本体の中空内部へその基
端側から拡開用プラグを挿入セットした後、そのアンカ
ーピン本体の基端部へ上記化粧用口金の差し込み芯筒部
を差し込んで、その口金のカバー部を上記押えフランジ
の包み込み状態にかしめ付け一体化することを特徴とす
るものである。
【0023】
【発明の実施の形態】図1〜10は本発明に係るアンカ
ーピン(P)の仕上がり製品を、又図27〜31はその
アンカーピン(P)の使用による建物の外壁補修作業工
程を各々示している。
【0024】本発明のアンカーピン(P)はアンカーピ
ン本体(10)とその中空内部へ挿入セットされた拡開
用プラグ(11)とから成り、そのアンカーピン本体
(10)が一定厚み(T1)(例えば約0.7mm)の
ステンレス鋼板(SUS304)やその他の発錆しない
金属板材に対するプレス加工のみによって、建物におけ
るモルタル外壁(M)の表面からコンクリート躯体
(C)の所要深さまで到達し得る一定長さ(L1)(例
えば約50mm)と外径(D1)(例えば約6mm)並
びに内径(d1)(例えば約4.6mm)を備えた基本
的な円筒型に捲き曲げ立体化されている。(12)はそ
のアンカーピン本体(10)における胴面の長手方向に
沿って延在することとなる1条の継ぎ目(金属板材から
の捲き曲げ閉合線)を示している。
【0025】但し、建物のモルタル外壁(M)には実際
上、その厚み(T)の厚薄変化があるため、これを貫通
するアンカーピン本体(10)の上記長さ(L1)とし
ても、その厚薄変化に応じた長短差のある各種が作成準
備され、取捨選択的に使用されることとなる。
【0026】この点、図32〜34は比較的に長いアン
カーピン(P)の第2実施形態を例示しているが、その
製造上アンカーピン本体(10)の長さ(L1)を長短
変化させるに当っては、図6と図32との対比から明白
な通り、アンカーピン本体(10)における後述する拡
開用割溝の切り込み奥端部から、そのアンカーピン本体
(10)の基端部に至るまでの長さ(L2)だけを、上
記モルタル外壁(M)の厚み(T)に応じて長短変化さ
せれば良い。
【0027】又、拡開用プラグ(11)は上記アンカー
ピン本体(10)の中空内部へ挿入セットされるものと
して、一定の長さ(L3)(例えば約14mm)と外径
(D2)(例えば約4.4mm)を備えているが、これ
をアンカーピン本体(10)と同様な発錆しない金属棒
材(ビレット)から単純な円柱型に造形して、その一端
部と他端部との区別なく、何れの方向からでも上記アン
カーピン本体(10)の中空内部へ挿入使用できるよう
に定めることが好ましい。その両端部に僅かな面取り加
工が施されることは、言うまでもない。
【0028】そうすれば、アンカーピン本体(10)へ
の挿入セット作業性に有利であるばかりでなく、アンカ
ーピン本体(10)に波付け加工される後述の凹凸条と
関係し合って、コンクリート躯体(C)に対するアンカ
ーピン(P)の引張強度が低下することを、効果的に防
止することもできるからである。
【0029】但し、後述する凹凸条の凹周条部が内向き
に大きく突出されて、その凹周条部での内径が小さく寸
法化される場合には、上記拡開用プラグ(11)をその
一端部が先細り円錐面となる弾丸型や楔型などに造形し
てもさしつかえない。上記引張強度の低下を招かないか
らである。
【0030】上記アンカーピン本体(10)における長
手方向の基端部は、接着剤(B)を注入できる注入口
(13)として開口されており、その位置からはモルタ
ル外壁(M)の浮き上がり膨張又は/及び接着剤(B)
の逆流・溢出を防止するための円形な押えフランジ(1
4)が、外向き連続的に曲げ出されている。
【0031】その押えフランジ(14)の外径(D3)
は例えば約8.2mmであり、上記アンカーピン本体
(10)の胴面とほぼ直角な交叉角度(θ)を保つよう
に設定されている。又、上記接着剤用注入口(13)の
開口縁部が好ましくは外広がりの円錐面として、接着剤
注入用ポンプ(15)のノズル(16)又はその接続ア
ダプター(図示省略)を円滑に受け入れることができる
ようになっている。
【0032】(17)は上記アンカーピン本体(10)
における長手方向の基端部へ、その押えフランジ(1
4)を包み込むようにかしめ付け一体化された化粧用口
金であり、これは一定厚み(T2)(例えば約0.4m
m)のステンレス鋼板(SUS304)やその他の発錆
しない金属板材から、予じめ図12に抽出するようなア
ンカーピン本体(10)への差し込み芯筒部(17a)
と、これから外向き連続的に折り返された押えフランジ
(14)へのカバー部(17b)とを備えた全体的なほ
ぼ中空鋲型に絞り加工されている。
【0033】しかも、その差し込み芯筒部(17a)の
内径(d2)が例えば約3.8mmとして、上記プラグ
(11)の外径(D2)よりも小寸法に設定されてい
る。同じく差し込み芯筒部(17a)の外径(D4)
は、上記アンカーピン本体(10)の内径(d1)とほ
ぼ等しい寸法である。
【0034】そして、上記アンカーピン本体(10)の
中空内部へ、その基端側から拡開用プラグ(11)を挿
入セットした後、上記化粧用口金(17)の差し込み芯
筒部(17a)を同じく基端側から、アンカーピン本体
(10)の接着剤用注入口(13)へ差し込み、その状
態のもとで上記口金(17)のカバー部(17b)が、
アンカーピン本体(10)の押えフランジ(14)を包
み込むようにかしめ付け固定されているのである。その
カバー部(17b)により包み込まれた全体的な厚み
(T3)は例えば約1.5mm、同じく外径(D5)は
例えば約9.0mmとなる。
【0035】その結果、上記化粧用口金(17)により
アンカーピン本体(10)の継ぎ目(12)から見苦し
く開くおそれを防止でき、そのアンカーピン本体(1
0)の接着剤用注入口(13)を、ここから接着剤
(B)が漏出しない安定状態に補強し得るほか、プラグ
(11)がアンカーピン本体(10)の基端側に向かっ
て抜け出すおそれの防止ストッパーとしても、上記口金
(17)を兼用機能させることができることになる。
【0036】他方、上記アンカーピン本体(10)にお
ける長手方向の先端部には、建物のコンクリート躯体
(C)へ喰い付くこととなる凹凸条(18)がその先端
面からの一定長さ範囲(L4)(例えば約12mm)分
だけ波付け加工されている。その波状に賦形された凹凸
条(18)における凸周条部(18a)での外径(D
6)は、アンカーピン本体(10)の外径(D1)とほ
ぼ等しく、例えば約6mmであるが、同じく凹周条部
(18b)での内径(d3)は例えば約3.4mmとし
て、上記拡開用プラグ(11)の外径(D2)よりも小
寸法に設定されており、プラグ(11)がアンカーピン
本体(10)の先端側から抜け出さぬようになってい
る。
【0037】(19)は上記凹凸条(18)の波状に賦
形された長さ範囲(L4)よりも長く、やはりアンカー
ピン本体(10)の先端面から一定長さ(L5)(例え
ば約20mm)分だけ切り込まれた拡開用割溝であり、
これは図7〜10から確認できるように、上記アンカー
ピン本体(10)の継ぎ目(12)と向かい合い平行す
る1条として延在している。
【0038】つまり、図11はほぼ長方形の金属板材か
ら成るアンカーピン本体(10)の展開状態を示してい
るが、その展開状態での長手中心線(Y−Y)上に沿っ
て拡開用割溝(19)が切り欠かれており、その長方形
な金属板材の両長辺が捲き曲げ閉合される継ぎ目(1
2)として、上記割溝(19)との平行線をなすわけで
ある。
【0039】その場合、図示の実施形態では上記凹凸条
(18)の凸周条部(18a)と凹周条部(18b)と
を、上記長手中心線(Y−Y)と直交するリング形態に
波付け加工しているが、その長手中心線(Y−Y)と斜
めに交叉する連続的な螺旋形態に波付け加工しても良
い。
【0040】上記アンカーピン本体(10)はその長手
方向に沿う1条の継ぎ目(12)を有し、その先端部に
はこれと向かい合い平行する1条の拡開用割溝(19)
が付与されているため、アンカーピン本体(10)の中
空内部に挿入セットされた拡開用プラグ(11)を、そ
の基端側から叩打すれば、上記アンカーピン本体(1
0)が先端側から図29のように拡開して、上記凹凸条
(18)の就中凸周条部(18a)が建物のコンクリー
ト躯体(C)に対する喰い付き摩擦力を発揮することと
なる。
【0041】(20a)(20b)(21a)(21
b)(22a)(22b)は上記アンカーピン本体(1
0)における先端部と基端部との中間部へ、向かい合う
2個一対づつの合計3組として開口分布された接着剤用
流出孔であるが、その開口組数はアンカーピン本体(1
0)の長さ(L1)に応じて、適当に増減することがで
き、少なくとも2個1組あれば足りる。
【0042】特に、その合計2組以上を開口分布させる
場合には、これをアンカーピン本体(10)の胴面へ放
射対称型として分布するように、その1組づつの開口方
向性に位相変化を与えることが好ましい。
【0043】つまり、合計3組を例示した図1〜12か
ら明白なように、向かい合う2個づつ2組の流出孔(2
0a)(20b)(21a)(21b)は、アンカーピ
ン本体(10)における展開状態での長手中心線(Y−
Y)を挟む対称位置に開口形成する一方、残る向かい合
う2個1組の流出孔(22a)(22b)は、上記長手
中心線(Y−Y)上と継ぎ目(12)(長方形な金属板
材の両長辺)の線上に開口形成することにより、その2
個1組づつを直交する方向性に保つのである。
【0044】上記2個1組づつの流出孔(20a)(2
0b)(21a)(21b)(22a)(22b)をア
ンカーピン本体(10)の長手方向に沿っても、その位
置ズレ状態に開口分布させることは勿論である。
【0045】そうすれば、上記アンカーピン本体(1
0)の基端部に開口する接着剤用注入口(13)から、
その中空内部へ注入された接着剤(B)を図30、31
のように、上記流出孔(20a)(20b)(21a)
(21b)(22a)(22b)から胴面の周囲へすば
やく、且つ各方向への万遍なく広範囲に流出・波及させ
ることができ、ますます有効となる。尚、その流出孔
(20a)(20b)(21a)(21b)(22a)
(22b)の各個は例えば約6mm×2mmの長方形又
は楕円形に開口形成することが望ましい。
【0046】本発明のアンカーピン本体(10)とその
基端部の化粧用口金(17)は、各々1ピースのステン
レス鋼板やその他の金属板材から成るため、その何れも
自動送り装置と多段連続型(順送り型)とを併用した自
動プレス加工により、極めて能率良く量産することがで
き、最後にアンカーピン本体(10)の基端部へ化粧用
口金(17)を上記の通り、その押えフランジ(14)
の包み込み状態にかしめ付け一体化すれば、図1〜10
のような本発明のアンカーピン(P)として仕上がるこ
とになる。
【0047】即ち、図13〜20は上記アンカーピン本
体(10)における一連の製造工程を示しており、これ
を製造するに当っては、一定の厚み(T1)と帯幅を備
えた長尺な金属板材(ブランク)(W1)を、図外のロ
ールフィードやその他の自動送り装置によって、直線ラ
インに沿い図13の矢印(A1)方向へ順送し、その間
歇的な停止のたび毎に、次のような第1〜12工程
(I)〜(XII)での諸加工を施すのである。
【0048】図13の符号(23)は第1工程(I)の
直前において、金属板材(W1)の左右両端部に打ち抜
き加工された位置決め用パイロット穴の一対であり、こ
の予備加工されたパイロット穴(23)へ、各加工金型
の工程用パンチ(図示省略)が抜き差し自在に差し込ま
れることによって、金属板材(W1)が自づと正しく位
置決め停止されると共に、そのパイロット穴(23)の
間隔ピッチ(F1)が金属板材(W1)の送りピッチと
して、間歇的に順送されることとなる。
【0049】先ず、第1工程(I)では図13から明白
なように、金属板材(W1)の左サイドへ第1加工金型
によって複数の予備抜き穴(24)を、その金属板材
(W1)の横断線上に並ぶ一列の連珠状態として切り抜
く。この予備抜き穴(24)は、追って凹凸条(18)
を円滑に波付け加工するための1次加工に相当し、その
波状に対応する輪郭形状と個数を備える。
【0050】次に、第2工程(II)ではやはり金属板材
(W1)の左サイドへ第2加工金型によって、上記凹凸
条(18)の予備抜き穴(24)と同一線上に並ぶ左右
一対の別な予備抜き穴(25)を打ち抜くと共に、同じ
く金属板材(W1)の右サイドへ好ましくは合計5個の
接着剤用流出孔(20a)(20b)(21a)(21
b)(22a)も開口分布させる。この第2工程(II)
での別な予備抜き穴(25)は、追って一定長さ(L
5)の拡開用割溝(19)を円滑に切り欠くための1次
加工に相当する。
【0051】又、上記接着剤用流出孔(20a)(20
b)(21a)(21b)(22a)の合計5個につい
ては、その2組4個の流出孔(20a)(20b)(2
1a)(21b)を向かい合う前後一対づつに並列させ
る一方、残る1個の流出孔(22a)は別な1組を形作
るものとして、上記凹凸条(18)の予備抜き穴(2
4)や拡開用割溝(19)の予備抜き穴(25)と同じ
線上へ開口させる。
【0052】引き続く第3工程(III)では、上記第2工
程(II)において開口された拡開用割溝(19)の予備
抜き穴(25)を活用しつつ、その左右一対の相互間を
第3加工金型により、上記連珠状態にある凹凸条(1
8)の予備抜き穴(24)をも言わば串刺す連通状態に
切り込んで、一定長さ(L5)だけ延在する1条の拡開
用割溝(19)を列設するのである。
【0053】次いで、第4工程(IV)ではアンカーピン
本体(10)の1次的な輪郭抜き(姿抜き)加工とし
て、金属板材(W1)の左サイドへ第4加工金型によ
り、平面視のほぼT字状切り欠き穴(26)を打ち抜き
開口させ、そのアンカーピン本体(10)の輪郭形状を
部分的な分離状態に保つ。
【0054】その際、T字状切り欠き穴(26)の向か
い合う平行な開口エッジを、上記第1工程(I)での連
珠状態に切り抜かれた凹凸条(18)の予備抜き穴(2
4)と対応するように、その一定長さ範囲(L4)だけ
部分的な波状として刻成しておく。尚、この第4工程
(IV)までは、各加工金型を左右一対の上記パイロット
穴(23)によって、両持ち状態に維持する。
【0055】そして、その後の第5工程(V)ではアン
カーピン本体(10)の2次的な輪郭抜き(姿抜き)加
工として、上記第4工程(IV)でのT字状切り欠き穴
(26)と合致連通する平面視のほぼU字状切り欠き穴
(27)を、その第5加工金型により金属板材(W1)
の右サイドへ打ち抜き開口させて、上記アンカーピン本
体(10)の輪郭形状を残余の部分においても分離状態
に保ち、その左端部の狭幅な支持脚(28)のみによ
り、未だ金属板材(W1)と連続したアンカーピン本体
(10)の粗製板(E)を形作るのである。
【0056】その場合、U字状切り欠き穴(27)の内
奥部を向かい合う前後一対の凹欠(22b)として、そ
の入口部よりも広幅に除去することにより、追って円筒
型に捲き曲げ立体化した時、その両凹欠(22b)が閉
合して、上記第2工程(II)で打ち抜かれた接着剤用流
出孔(22a)の1個と組をなす1個の接着剤用流出孔
が、区画形成されることとなるように準備しておく。
【0057】又、第5工程(V)での2次的な輪郭抜き
加工は、予じめ金属板材(W1)の右端部に開口形成さ
れていた上記パイロット穴(23)を除去する結果、そ
の第5加工金型としては金属板材(W1)の左端部に開
口するパイロット穴(23)のみでの言わば片持ち状態
となり、この状態は引き続き後工程でも同様であるが、
その第5〜8工程(V)〜(VIII)での諸加工を行なう
際、上記第2工程(II)において打ち抜き開口済みの接
着剤用流出孔(22a)を、金属板材(W1)の右端部
に開口するパイロット穴(23)として代替使用するこ
とにより、その第5〜8工程(V)〜(VIII)での各加
工金型を両持ち状態に維持しても良い。
【0058】尚、第5工程(V)での輪郭抜き加工時、
図13から示唆されるように、金属板材(W1)の右サ
イドエッジをその一定な帯幅の若干狭くなる段差状態に
切り欠いているが、これは万一金属板材(W1)に反り
癖や帯幅の寸法バラツキなどがあっても、後工程での押
えフランジ(14)を高精度に折り曲げ加工できるよう
に準備しておく趣旨であり、従って金属板材(W1)に
上記品質のバラツキなどが無ければ、その一定帯幅の狭
い段差状態に切り欠き加工する必要はない。
【0059】何れにしても、上記第5工程(V)により
形作られた粗製板(E)は、図11に示したアンカーピ
ン本体(10)の展開状態と対応する平面視のほぼ長方
形をなし、一定長さ(L1)を備えている。そして、そ
の長手中心線(Y−Y)上に延在する一定長さ(L5)
の拡開用割溝(19)が、上記長方形の両長辺と平行す
る状態にある。
【0060】上記第5工程(V)での輪郭抜き加工によ
り、金属板材(W1)の右サイドもアンカーピン本体
(10)の輪郭形状を備えた分離状態になるため、引き
続く第6工程(VI)ではその金属板材(W1)の右サイ
ドエッジを、第6加工金型により支障なくフランジング
加工することができる。
【0061】つまり、上記アンカーピン本体(10)の
粗製板(E)における長手方向の一端部を図14のよう
に、ほぼ直角な交叉角度(θ)だけ折り曲げることによ
って、モルタル外壁(M)の浮き上がり防止用又は/及
び接着剤(B)の逆流防止用となる押えフランジ(1
4)を形成するのである。この押えフランジ(14)は
後工程での捲き曲げ立体化により、その円筒型となるア
ンカーピン本体(10)から外向きに張り出す。
【0062】次に、第7工程(VII)では上記粗製板
(E)の波状に切り欠かれている一定長さ範囲(L4)
分を、第7加工金型により図15のような順応的に波付
け(エンボシング又はビーディング)加工して、建物の
コンクリート躯体(C)へ喰い付くこととなる凹凸条
(18)を賦形する。上記アンカーピン本体(10)の
粗製板(E)は第5工程(V)での輪郭抜き加工を経
て、その言わば隣り合う相互の分離状態にあり、又第1
工程(I)において凹凸条(18)の予備抜き穴(2
4)が切り抜かれてもいるため、その凹凸条(18)の
波付け加工を支障なく高精度に施すことができるのであ
る。
【0063】その後の第8工程(VIII)では、上記アン
カーピン本体(10)の粗製板(E)における平行な長
辺を図16から明白なように、その第8加工金型によっ
て上記押えフランジ(14)との逆方向へ若干曲げ起し
(所謂鼻曲げ)加工する。
【0064】そして、引き続き第9、10工程(IX)
(X)での第9、10加工金型により、上記アンカーピ
ン本体(10)の粗製板(E)を図17、18のような
U字型からC字型へ、順次段階的に捲き曲げ加工し、更
に第11工程(XI)での第11加工金型により、上記粗
製板(E)の平行な長辺同志が図19のような完全に閉
合する決め押し加工を行なって、目的の外径(D1)を
備えた円筒型に立体化するのである。
【0065】上記第8〜11工程(VIII)〜(XI)での
段階的な曲げ加工中には、予じめ加工済みの押えフラン
ジ(14)がバック展開しないように、その各工程の加
工金型によってバックアップされ、上記折り曲げ角度
(θ)のほぼ直角な状態を保つようになっていることは
勿論であり、その押えフランジ(14)はアンカーピン
本体(10)から外向きに張り出す結果となる。
【0066】最後の第12工程(XII)では、未だアンカ
ーピン本体(10)の粗製板(E)を金属板材(W1)
との僅かな連続状態に維持している狭幅な上記支持脚
(28)を、その第12加工金型により切り離して、上
記粗製板(E)を先の拡開用割溝(19)が寸断される
こととなる一定長さ(L1)に規定するのであり、そう
すれは茲に図12のような円筒型のアンカーピン本体
(10)として仕上がる。
【0067】尚、上記アンカーピン本体(10)の製造
法において、第8工程(VIII)から第12工程(XII)ま
での諸加工は、その記載順序での滑らかな段階的に行な
われるが、その第8工程(VIII)までの諸加工は順序を
変えて行なうこともあり得る。
【0068】つまり、例えば上記第1工程(I)と第2
工程(II)との加工順序、第3工程(III)と第4工程
(IV)との加工順序、第4工程(IV)と第5工程(V)
との加工順序、第6固定(V1)と第7工程(VII)との加
工順序を各々逆に行なったり、又第1、2工程(I)
(II)での諸加工を一挙同時に行なったり、第2、3工
程(II)(III)での諸加工を一挙同時に行なったり、更
には、第6、7工程(V1)(VII)での諸加工を一挙同時
に行なったりしても良い。
【0069】他方、図21〜26は上記化粧用口金(1
7)における一連の製造工程を示しており、これを製造
するに当っても、一定の厚み(T2)と帯幅を備えた長
尺な金属板材(ブランク)(W2)を、やはり自動送り
装置によって、直線ラインに沿い図21の矢印(A2)
方向へ順送し、その間歇的な停止のたび毎に、次のよう
な数工程での段階的な諸加工を行なう。
【0070】即ち、(29)は金属板材(W2)の左右
両端部に打ち抜き加工された一対の位置決め用パイロッ
ト穴であり、ここへ各加工金型の工程用パンチ(図示省
略)が抜き差し自在に差し込まれることによって、やは
り金属板材(W2)が自づと正確に位置決め停止され、
そのパイロット穴(29)の間隔ピッチ(F2)が上記
金属板材(W2)の送りピッチとして、間歇的に順送さ
れることとなる。
【0071】そこで、先ず第1工程(i)では金属板材
(W2)へ第1加工金型により、その金属板材(W2)
と未だ複数点での連続する円環状の第1印刻線(30)
を付与し、引き続き第2工程(ii)での第2加工金型に
よって、その周囲に大きな同芯円環状の第2印刻線(3
1)を施す。その第2印刻線(31)が未だ金属板材
(W2)と連続する複数点は、第1印刻線(30)のそ
れと位相変化した位置関係にある。
【0072】このような第1、2印刻線(30)(3
1)は、追って上記第1印刻線(30)の区画内部を円
滑に塑性変形させ、その絞り加工を受けるも破損しない
ように、その線上から切り離すための予備的な薄肉化に
相当する。
【0073】その後、第3〜5工程(iii)〜(v)での
第3〜5加工金型により、上記金属板材(W2)に施さ
れた第1印刻線(30)の区画内部を、滑らかな段階的
に絞り加工して、その金属板材(W2)から化粧用口金
(17)の差し込み芯筒部(17a)を、図22、23
のような徐々に細く且つ背高く曲げ起すのである。(3
2)は絞り加工時の引張り作用を受けて、上記第1、2
印刻線(30)(31)上に拡開する逃げ口を示唆して
いる。
【0074】次いで、第6工程(vi)での第6加工金型
により、未だ曲げ起し先端部の閉塞状態にある差し込み
芯筒部(17a)を図24のように突き切って、その一
定な内径(d2)の中空状態に開口させる。
【0075】引き続き、これを図25のように化粧用口
金(17)のカバー部(17b)が、未だ展開状態にあ
る円形として、その必要な大きさだけ金属板材(W2)
から抜き取り、そのカバー部(17b)を差し込み芯筒
部(17a)の存在方向へ曲げ起すように絞り加工し
て、図26のような化粧用口金(17)に仕上げる。図
21の符号(33)は金属板材(W2)に残ることとな
る上記カバー部(17b)の円形な抜き穴である。
【0076】そして、先の別途仕上がっている上記アン
カーピン本体(10)の中空内部へ、その基端側から拡
開用プラグ(11)を挿入セットした後、同じ基端側か
らアンカーピン本体(10)の接着剤用注入口(13)
へ上記化粧用口金(17)の差し込み芯筒部(17a)
を差し込んで、その口金(17)のカバー部(17b)
をアンカーピン本体(10)の上記押えフランジ(1
4)へ包み込む如くかしめ付け一体化することにより、
本発明のアンカーピン(P)として完成させるのであ
る。
【0077】上記アンカーピン本体(10)の製造法に
よれば、一定帯幅を備えた長尺な金属板材(W1)の左
右両端部に、一対の位置決め用パイロット穴(23)が
予備加工されているため、そのパイロット穴(23)の
案内により一定の間隔ピッチ(F1)づつ金属板材(W
1)を順送する過程において、上記T字状切り欠き穴
(26)又はU字状切り欠き穴(27)による部分的な
輪郭抜き(姿抜き)加工までの諸加工を、安定良く高精
度に行なうことができる。
【0078】そして、上記部分的な輪郭抜き加工によ
り、金属板材(W1)における左右何れか一方の片サイ
ドが切り離されるようになっているため、又その結果そ
の一方のパイロット穴(23)が除去されるとしても、
その後工程での各加工金型は他方のパイロット穴(2
3)により、最終工程まで片持ち状態に保たれるため、
上記金属板材(W1)における一方のサイドエッジを押
えフランジ(14)として、ほぼ直角な交叉角度(θ)
に支障なく折り曲げ加工することができるのである。
【0079】又、部分的な輪郭抜き加工としての上記T
字状切り欠き穴(26)とU字状切り欠き穴(27)
が、相互の合致連通する状態に打ち抜かれることによ
り、アンカーピン本体(10)としての全体的な展開輪
郭形状を備えた粗製板(E)が形作られるようになって
おり、しかもその粗製板(E)を引き続き順次段階的に
捲き曲げ立体化する各加工金型は、やはり上記パイロッ
ト穴(23)によって片持ち状態に保たれるため、その
段階的な捲き曲げ加工も支障なく円滑に行なえる。
【0080】その結果、上記金属板材(W1)の直線ラ
インに沿う順送過程での自動プレス加工のみによって、
高品質の円筒型アンカーピン本体(10)を極めて効率
良く製造でき、他方上記化粧用口金(17)もそのアン
カーピン本体(10)と同様にして、やはり自動プレス
加工のみにより効率良く製造し得るため、本発明に係る
アンカーピン(P)の量産効果を最大限に発揮させるこ
とができることとなる。
【0081】本発明の上記アンカーピン(P)は建物の
外壁補修用として、次の通り使用される。
【0082】即ち、その補修工事を行なうに当っては、
建物のモルタル外壁(M)に予じめマーキングした浮き
部へ、先ず図27のような穿孔用ドリルビット(34)
を使って、モルタル外壁(M)からコンクリート躯体
(C)まで到達する一定深さのアンカーピン埋め込み用
下穴(H)を開口させる。
【0083】そのドリルビット(34)は先端側の径小
な穿孔作用部(34a)と、基端側の径大な切屑排除部
(34b)との境界位置に、その切屑排除部(34b)
よりも更に径大となる複数の中間切刃(34c)が、放
射対称分布型に固着一体化された所謂2段ビットであ
り、振動型電気ドリルやハンマードリルなどの回転駆動
工具(35)に装着使用される。(34d)は上記穿孔
作用部(34a)に固着された先端切刃である。
【0084】そして、上記ドリルビット(34)の中間
切刃(34c)により、下穴(H)がモルタル外壁
(M)の表面に開口する縁部(入口部)を、アンカーピ
ン本体(10)の上記押えフランジ(14)と対応する
径大な段付き穴(36)として、一挙に穿孔できるよう
になっている。その穿孔状態は図28に示す通りであ
る。
【0085】次いで、その段付き穴(36)を備えた下
穴(H)へ、アンカーピン(P)を図29のように埋め
込むと共に、そのアンカーピン本体(10)の中空内部
に挿入セットされている拡開用プラグ(11)を、打ち
込み棒やハンマーなどの叩打工具(37)によって叩打
する。
【0086】その場合、アンカーピン本体(10)の中
空内部に挿入セットされている拡開用プラグ(11)
は、そのアンカーピン本体(10)における化粧用口金
(17)の差し込み芯筒部(17a)と凹凸条(18)
の凹周条部(18b)によって、基端側と先端側との何
れに向かっても抜け落ちない状態に封止されているた
め、その運搬上並びに工事現場での取扱い上大変便利で
あり、上記叩打作業の能率向上にも役立つ。
【0087】上記拡開用プラグ(11)を叩打すれば、
アンカーピン本体(10)が拡開用割溝(19)と継ぎ
目(12)により、その先端側から徐々に拡開変形し
て、上記凹凸条(18)の就中凸周条部(18a)がコ
ンクリート躯体(C)へ離脱不能に喰い付き固定するこ
とになる一方、同じくアンカーピン本体(10)の径大
な押えフランジ(14)が上記段付き穴(36)に正し
く係止して、そのアンカーピン本体(10)の胴面と下
穴(H)との相互間隙(S1)をモルタル外壁(M)の
表面から遮断することになる。
【0088】そこで、次に上記アンカーピン(P)の接
着剤用注入口(13)へ、図30のように接着剤注入用
ポンプ(15)のノズル(16)を直接に、又は図外の
接続アダプターを介して間接的に差し込みセットし、湿
潤硬化型のエポキシ樹脂やその他の接着剤(B)を、ア
ンカーピン本体(10)の中空内部へ加圧状態のもとに
注入する。
【0089】そうすれば、その注入された接着剤(B)
は図30、31のように、アンカーピン本体(10)の
胴面に開口分布された複数の接着剤用流出孔(20a)
(20b)(21a)(21b)(22a)(22b)
や拡開用割溝(19)、継ぎ目(12)を通じて、その
胴面と下穴(H)との相互間隙(S1)へ円滑にすばや
く廻り込み流出すると共に、更にモルタル外壁(M)と
コンクリート躯体(C)との相互間隙(浮き部)(S
2)にも広範囲に波及・浸透することとなる。
【0090】その結果、コンクリート躯体(C)へ先付
け固定されたアンカーピン(P)が、その接着剤(B)
によってますます強力に固定されることとなり、このよ
うなアンカーピン(P)の機械的な固定力と接着力との
相乗作用によって、モルタル外壁(M)がコンクリート
躯体(C)から浮き上がり膨張する如く撓み変形した
り、更には剥げ落ちたりするおそれなく、そのコンクリ
ート躯体(C)と著しく強固に結着一体化されるのであ
る。
【0091】その場合、上記接着剤(B)はその注入用
ポンプ(15)により、アンカーピン本体(10)の中
空内部へ加圧状態に注入されるため、その内圧を受けた
接着剤(B)が、アンカーピン本体(10)の胴面と下
穴(H)との相互間隙(S1)に沿って、モルタル外壁
(M)の表面へ逆流・溢出しようとし、又そのモルタル
外壁(M)を浮き上がり膨張状態に撓み変形させようと
する作用力が働く。
【0092】この点、本発明のアンカーピン本体(1
0)は1ピースの金属板材(W)から円筒型に捲き曲げ
立体化されており、しかもその基端側の接着剤用注入口
(13)から径大な押えフランジ(14)が、胴面とほ
ぼ直角の交叉角度(θ)を保つように曲げ出されている
ため、その押えフランジ(14)が上記作用力に正しく
対抗して、モルタル外壁(M)の表面に向かう接着剤
(B)の逆流・溢出とこれによる表面の汚損や、そのモ
ルタル外壁(M)の上記撓み変形するはらみ現象など
を、確実に押え止めることができるのである。
【0093】そして、このことには上記押えフランジ
(14)にかしめ付け固定された化粧用口金(17)も
効果的に働くこととなり、アンカーピン本体(10)の
接着剤用注入口(13)が不慮に開いて、上記接着剤
(B)の一早く漏出するおそれもなく、その接着剤用注
入口(13)の安定・堅牢な状態に補強維持されるので
ある。
【0094】上記接着剤(B)の注入後には、そのノズ
ル(16)をアンカーピン(P)の接着剤用注入口(1
3)から抜き出して、その注入口(13)を図31に示
唆する如く、上記接着剤(B)と親和性のあるエポキシ
モルタルなどのパテや化粧栓(38)によって、美麗な
閉塞状態に仕上げれば良い。
【0095】尚、接着剤(B)を注入する外壁補修工事
について説明したが、本発明のアンカーピン(P)はそ
のアンカーピン本体(10)の中空内部へ上記接着剤
(B)を注入することなく、そのままでの機械的な固定
力のみによって、モルタル外壁(M)の浮き上がり膨張
を防止するために、建物のコンクリート躯体(C)へ埋
込み使用されることもある。
【0096】図32〜34に示した第2実施形態のアン
カーピン(P)では、そのアンカーピン本体(10)の
胴面へ先端側から接着剤用逆流防止弁(39)を通し込
みセットし、これによって図34から明白な通り、アン
カーピン本体(10)の胴面と上記下穴(H)と相互間
隙(S1)に沿いモルタル外壁(M)の表面へ逆流・溢
出する接着剤(B)を、ますます効果的に密封すること
もできるようになっている。
【0097】そのための逆流防止弁(39)は、柔軟な
ブチルゴムや擬似粘土物などの塑性変形し得る材料か
ら、上記押えフランジ(14)の外径(D3)や化粧用
口金(17)の外径(D5)よりも大きなリング形態に
作成することが好ましく、これを押えフランジ(14)
により制止して、アンカーピン本体(10)から基端側
へ抜け出さぬ使用状態に保つのである。尚、その逆流防
止弁(39)はこれを弾性変形し得る材料から、同様な
リング形態に作成してもさしつかえない。
【0098】このような逆流防止弁(39)をアンカー
ピン(P)と併用する場合には、上記アンカーピン本体
(10)の先端面を凹凸条(18)の凹周条部(18
b)においてカットすることにより、その一定長さ(L
1)に寸法化することが望ましい。つまり、そのアンカ
ーピン本体(10)における先端面での外径(D7)を
残る胴面での外径(D1)よりも細く寸法化するのであ
り、そうすればこれよりも大きな内径(d4)の上記逆
流防止弁(39)を、アンカーピン本体(10)の先端
側からすばやく、且つ円滑に通し入れることができ、そ
のセット作業の利便性が昂まる。
【0099】尚、第2実施形態におけるその他の構成は
上記第1実施形態と実質的に同一であるため、その図3
2〜34に図1〜12との対応符号を記入するにとどめ
て、その詳細な説明を省略する。
【0100】
【発明の効果】以上のように、本発明ではほぼ長方形の
金属板材から円筒型に捲き曲げ立体化されることによ
り、その胴面に長手方向へ延在する1条の継ぎ目(1
2)を備えたアンカーピン本体(10)の中空内部へ、
その先端側からの拡開用プラグ(11)を挿入セットし
て成るアンカーピン(P)であって、
【0101】上記アンカーピン本体(10)における長
手方向の先端部には、建物のコンクリート躯体(C)へ
喰い付くこととなる凹凸条(18)を、その凹周条部
(18b)が上記プラグ(11)の先端側に向かう抜け
止め用ストッパーとして機能し得る波状に賦形すると共
に、その賦形された長さ範囲(L4)よりも長い一定長
さ(L5)の拡開用割溝(19)を、上記継ぎ目(1
2)と向かい合い平行する1条として切り欠く一方、
【0102】同じくアンカーピン本体(10)における
長手方向の基端部を、接着剤(B)の逆流防止用又は/
及びモルタル外壁(M)の浮き上がり防止用押えフラン
ジ(14)として、その胴面から外向きのほぼ直角な交
叉角度(θ)に曲げ出すと共に、その押えフランジ(1
4)を包み込むようにかしめ付け一体化させた化粧用口
金(17)の差し込み芯筒部(17a)を、アンカーピ
ン本体(10)へ差し込むことにより、上記プラグ(1
1)の基端側に向かう抜け止め用ストッパーとして機能
させるように定め、
【0103】上記アンカーピン本体(10)における先
端部と基端部との中間部には、向かい合う接着剤用流出
孔(20a)(20b)(21a)(21b)(22
a)(22b)の少なくとも2個1組を開口分布させて
あるため、図35〜39に基き説示した従来技術の課題
を完全に解決できる効果がある。
【0104】即ち、本発明の上記構成によれば、アンカ
ーピン(P)のアンカーピン本体(10)が1ピースの
金属板材から円筒型に捲き曲げ立体化されており、しか
もその長手方向の基端部はモルタル外壁(M)の浮き上
がり防止用又は/及び接着剤(B)の逆流防止用押えフ
ランジ(14)として、アンカーピン本体(10)の胴
面からほぼ直角な交叉角度(θ)を保つ外向きに曲げ出
されているため、そのアンカーピン本体(10)に注入
された接着剤(B)の内圧が働くも、その接着剤(B)
がモルタル外壁(M)の表面へ逆流・溢出したり、又そ
のモルタル外壁(M)が浮き上がり膨張したりするおそ
れなく、建物の外壁補修用として著しく有益である。
【0105】殊更、上記押えフランジ(14)に対して
は化粧用口金(17)のカバー部(17b)が、その包
み込み状態にかしめ付け一体化されているため、上記ア
ンカーピン本体(10)の基端部は安定・強固に保たれ
ることとなり、その結果その基端部がアンカーピン本体
(10)の継ぎ目(12)から不慮に開いて、商品価値
の低下や使用上の不安感を招いたり、又接着剤用注入口
(13)から接着剤(B)が一早く洩れ出たりするおそ
れは皆無となる。
【0106】しかも、上記化粧用口金(17)はアンカ
ーピン本体(10)における基端部の補強効果のみなら
ず、そのアンカーピン本体(10)の中空内部へ挿入さ
れた差し込み芯筒部(17a)が、拡開用プラグ(1
1)の基端側に向かう抜け止め用ストッパーとしての機
能も兼備するようになっているため、著しく合理的な設
計であると言え、補修現場への運搬や取扱い使用上の利
便性にも著しく優れる。
【0107】又、上記アンカーピン本体(10)は金属
板材から円筒型に捲き曲げ立体化された一体品として、
その長手方向に延在する1条の継ぎ目(12)を有する
ため、これと向かい合う平行する1条の拡開用割溝(1
9)を、アンカーピン本体(10)の先端部へ切り込め
ば足り、そのアンカーピン本体(10)を先端側から効
率良く拡開作用させることができる。
【0108】特に、請求項2の構成を採用するならば、
拡開用プラグ(11)としても単純な円柱型として、そ
の量産効果を最大限に発揮させ得るばかりでなく、これ
を一端部と他端部との区別なく、アンカーピン本体(1
0)の中空内部へ便利良く挿入セット作業することがで
き、更にはそのアンカーピン本体(10)の先端部に波
付け加工された凹凸条(18)との相関々係上、その凹
周条部(18b)での内径(d3)に万一寸法バラツキ
があったとしても、アンカーピン(P)における引張強
度の低下を効果的に防止できるのである。
【0109】請求項3の構成を採用するならば、上記ア
ンカーピン本体(10)の押えフランジ(14)のみな
らず、その胴面へ通し込みセットされる逆流防止弁(3
9)によって、接着剤(B)の逆流・溢出するおそれを
ますます効果的に防止し得るほか、その逆流防止弁(3
9)をアンカーピン本体(10)の細い先端面から、す
ばやく円滑に通し込み作業できる利便性もある。
【0110】更に、請求項4の製造法によれば、そのア
ンカーピン本体(10)におけるコンクリート躯体
(C)への喰い付き用凹凸条(18)や拡開用割溝(1
9)、少なくとも2個1組の接着剤用流出孔(20a)
(20b)(21a)(21b)(22a)(22
b)、押えフランジ(14)を悉く金属板材への自動プ
レス加工のみによって形成することができ、アンカーピ
ン(P)の量産効果を最大限に発揮させ得るのであり、
この種多量に使う建物の外壁補修用として著しく優れ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアンカーピンの第1実施形態を示
す平面図である。
【図2】図1の正面図である。
【図3】図2の背面図である。
【図4】図1の右側面図である。
【図5】図1の左側面図である。
【図6】図1の6−6線断面図である。
【図7】図2の7−7線断面図である。
【図8】図2の8−8線に沿う拡大断面図である。
【図9】図2の9−9線に沿う拡大断面図である。
【図10】図2の10−10線に沿う拡大断面図であ
る。
【図11】アンカーピン本体を展開して示す斜面図であ
る。
【図12】アンカーピン本体と化粧用口金との分解状態
を示す断面図である。
【図13】アンカーピン本体における一連の製造工程を
示す平面図である。
【図14】図13の14−14線に沿う拡大断面図であ
る。
【図15】図13の15−15線に沿う拡大断面図であ
る。
【図16】図13の16−16線に沿う拡大断面図であ
る。
【図17】図13の17−17線に沿う拡大断面図であ
る。
【図18】図13の18−18線に沿う拡大断面図であ
る。
【図19】図13の19−19線に沿う拡大断面図であ
る。
【図20】図13の一部を抽出して示す拡大平面図であ
る。
【図21】化粧用口金における一連の製造工程を示す平
面図である。
【図22】図21の22−22線に沿う拡大断面図であ
る。
【図23】図21の23−23線に沿う拡大断面図であ
る。
【図24】図21の24−24線に沿う拡大断面図であ
る。
【図25】図24から化粧用口金を抽出して示す断面図
である
【図26】図25に続く化粧用口金の仕上がり状態を示
す断面図である
【図27】アンカーピン埋め込み用下穴の穿孔作業状態
を示す断面図である。
【図28】その穿孔したアンカーピン埋め込み用下穴を
示す断面図である。
【図29】拡開用プラグの叩打作業状態を示す断面図で
ある。
【図30】アンカーピンに対する接着剤の注入作業状態
を示す断面図である。
【図31】アンカーピンによる外壁の補修完了状態を示
す断面図である。
【図32】本発明に係るアンカーピンの第2実施形態を
示す断面図である。
【図33】図32の拡大正面図である。
【図34】第2実施形態のアンカーピンによる外壁の補
修完了状態を示す断面図である。
【図35】アンカーピンの従来品を分解して示す斜面図
である。
【図36】図35の組立状態を示す平面図である。
【図37】図36の正面図である。
【図38】図36の38−38線断面図である。
【図39】従来品の使用状態を示す断面図である。
【符号の説明】
(10)・アンカーピン本体 (11)・拡開用プラグ (12)・継ぎ目 (14)・押えフランジ (17)・化粧用口金 (17a)・差し込み芯筒部 (17b)・カバー部 (18)・凹凸条 (18a)・凸周条部 (18b)・凹周条部 (19)・拡開用割溝 (20a)(20b)(21a)(21b)(22a)
(22b)・接着剤用流出孔 (39)・接着剤用逆流防止弁 (B)・接着剤 (C)・コンクリート躯体 (M)・モルタル外壁 (P)・アンカーピン (θ)・交叉角度 (Y−Y)・金属板材の長手中心線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04G 23/02 B21D 22/28 F16B 13/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ほぼ長方形の金属板材から円筒型に捲き曲
    げ立体化されることにより、その胴面に長手方向へ延在
    する1条の継ぎ目(12)を備えたアンカーピン本体
    (10)の中空内部へ、その先端側からの拡開用プラグ
    (11)を挿入セットして成るアンカーピン(P)であ
    って、 上記アンカーピン本体(10)における長手方向の先端
    部には、建物のコンクリート躯体(C)へ喰い付くこと
    となる凹凸条(18)を、その凹周条部(18b)が上
    記プラグ(11)の先端側に向かう抜け止め用ストッパ
    ーとして機能し得る波状に賦形すると共に、その賦形さ
    れた長さ範囲(L4)よりも長い一定長さ(L5)の拡
    開用割溝(19)を、上記継ぎ目(12)と向かい合い
    平行する1条として切り欠く一方、 同じくアンカーピン本体(10)における長手方向の基
    端部を、接着剤(B)の逆流防止用又は/及びモルタル
    外壁(M)の浮き上がり防止用押えフランジ(14)と
    して、その胴面から外向きのほぼ直角な交叉角度(θ)
    に曲げ出すと共に、その押えフランジ(14)を包み込
    むようにかしめ付け一体化させた化粧用口金(17)の
    差し込み芯筒部(17a)を、アンカーピン本体(1
    0)へ差し込むことにより、上記プラグ(11)の基端
    側に向かう抜け止め用ストッパーとして機能させるよう
    に定め、 上記アンカーピン本体(10)における先端部と基端部
    との中間部には、向かい合う接着剤用流出孔(20a)
    (20b)(21a)(21b)(22a)(22b)
    の少なくとも2個1組を開口分布させたことを特徴とす
    る建物の外壁補修用アンカーピン。
  2. 【請求項2】拡開用プラグ(11)を、その外径(D
    2)がアンカーピン本体(10)の凹凸条(18)にお
    ける凹周条部(18b)での内径(d3)及び化粧用口
    金(17)における差し込み芯筒部(17a)での内径
    (d2)よりも太い円柱型として造形することにより、
    その一端部と他端部との区別なく挿入使用できるように
    定めたことを特徴とする請求項1記載の建物の外壁補修
    用アンカーピン。
  3. 【請求項3】アンカーピン本体(10)の胴面へ、その
    基端部の押えフランジ(14)によって制止されるリン
    グ形態の接着剤用逆流防止弁(39)を通し込みセット
    すると共に、アンカーピン本体(10)の先端面を凹凸
    条(18)の凹周条部(18b)においてカットするこ
    とにより、その先端面での外径(D7)を上記逆流防止
    弁(39)の内径(d4)よりも細く寸法化したことを
    特徴とする請求項1記載の建物の外壁補修用アンカーピ
    ン。
  4. 【請求項4】ほぼ長方形をなす金属板材の長手中心線
    (Y−Y)上には少なくとも1個の接着剤用流出孔(2
    2a)と先端部が開放する1条の拡開用割溝(19)
    を、同じく金属板材の長手中心線(Y−Y)を挟む対称
    位置には別な少なくとも2個1組の接着剤用流出孔(2
    0a)(20b)(21a)(21b)を、上記金属板
    材の平行な長辺には更に別な少なくとも1組の接着剤用
    流出孔となる対称な一対の凹欠(22b)を各々切り抜
    き加工し、 上記金属板材における長手方向の先端部にはコンクリー
    ト躯体(C)への喰い付き用凹凸条(18)を、上記拡
    開用割溝(19)と交叉するように波付け加工すると共
    に、 同じく金属板材における長手方向の基端部をモルタル外
    壁(M)の浮き上がり防止用又は/及び接着剤(B)の
    逆流防止用押えフランジ(14)として、その金属板材
    からほぼ直角な交叉角度(θ)に曲げ起し加工し、 その後上記金属板材を、その押えフランジ(14)が外
    向きに張り出すこととなるように、上記長手中心線(Y
    −Y)の廻りに捲き曲げ立体化して、その金属板材の長
    辺同志が閉合する円筒型のアンカーピン本体(10)を
    造形する一方、 上記アンカーピン本体(10)の中空内部へ挿入可能な
    差し込み芯筒部(17a)と、その芯筒部(17a)の
    存在方向へ連続的に折り返されたカバー部(17b)と
    を備えたほぼ中空鋲型の化粧用口金(17)を、別な金
    属板材から段階的に絞り加工して、 上記アンカーピン本体(10)の中空内部へその基端側
    から拡開用プラグ(11)を挿入セットした後、そのア
    ンカーピン本体(10)の基端部へ上記化粧用口金(1
    7)の差し込み芯筒部(17a)を差し込んで、その口
    金(17)のカバー部(17b)を上記押えフランジ
    (14)の包み込み状態にかしめ付け一体化することを
    特徴とする建物の外壁補修用アンカーピンの製造法。
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