JP2998171B2 - 繊維強化熱可塑性樹脂成形品の成形方法 - Google Patents
繊維強化熱可塑性樹脂成形品の成形方法Info
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Description
関するものである。
るシート状物を成形用型にドレープさせたものをダイヤ
フラムを用いて成形する場合、オートクレーブを用いて
いる。
など本来昇温させる必要のない部分も昇温させるため、
それらの昇温、冷却に長時間を要し、その結果成形サイ
クルが長くなってしまう(生産性が小さい)という問題
がある。また同じ理由で昇温・冷却に多くのエネルギー
を消費する結果となっている。これらが原因でオートク
レーブを用いる成形は非常にコストが高くなっている。
来昇温させたくない部分の昇温を非常に小さくし、成形
サイクルを短くする方法として、前記型を断熱性のよい
材料を用いた断熱型にし、該型にドレープさせた前記シ
ート状物の外側に接触ないし非接触状態でヒーターを設
置し、該シート状物を加熱することが考えられる。しか
しこの場合、該シート状物の熱伝導率は小さいため全面
を均一に昇温することが困難であり、大きな温度むらが
発生するため、該シート状物を構成する熱可塑性樹脂を
溶融し、同じく該シート状物を構成する強化繊維中に該
熱可塑性樹脂を含浸させる操作を該シート状物全面にわ
たり行うことは困難であった。たとえば前記ヒーターと
してふく射ヒーターを用いた場合、型の凸の部分が過大
に昇温し、前記熱可塑性樹脂の熱劣化が発生するのに対
して、凹部が昇温せず該熱可塑性樹脂の溶融が全くでき
ないトラブルが容易に発生していた。
ト状物を成形用型の成形面に沿わせて配置した後、前記
熱可塑性樹脂を加熱溶融させて前記シート状物から繊維
強化熱可塑性樹脂成形品を成形するに際し、加熱ヒータ
ーと前記シート状物との間に前記成形品の形状に対応さ
せた金属製形状付与体とダイヤフラムとを介在させるこ
とを特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂成形品の成形方法
である。
は、第1図および第2図に示すように、金属製形状付与
体1をシート状物2とダイヤフラム3の間や、ヒーター
6とダイヤフラム3の間に介在させることを挙げること
ができる。
属製形状付与体1はヒーター6によってほぼ均一に加熱
昇温させられ、加熱昇温させられた該金属製形状付与体
によって、接触または非接触状態でシート状物2が加熱
されることになる。
まり成形品の形状と同じであることが望ましい。このこ
とにより、金属製形状付与体1がシート状物2を全面に
わたりより均一に加熱することが可能になる。特に金属
製形状付与体1をダイヤフラム3とシート状物2の間に
用いる場合、金属製形状付与体1の形状は型4つまり成
形品と同じにすることが、均一加熱性、成形品の寸法精
度を高める上で重要である。金属製形状付与体1をヒー
ター6とダイヤフラム3の間に用いる場合、金属製形状
付与体1はダイヤフラム3に接触させてもよいし、非接
触状態に保持してもよい。非接触状態で用いる場合、金
属製形状付与体のダイヤフラム側の面は2次的なふく射
加熱ヒーター面となるが、この面をふく射率が大きくな
るような処理、たとえばふく射率の大きいコーティング
剤でコーティングをしてもよい。
れるものではないが、容易に成形でき、熱伝導率が大き
いアルミニウム、銅およびそれぞれの合金などが挙げら
れる。特にアルミニウムは安価であり加工しやすいとい
う点から好ましい材料である。金属製形状付与体の成形
方法は特に限定されるものではないが、金属平板を昇温
し、軟化させた後、成形用型を用いて圧空あるいは真空
あるいは両者により成形することが挙げられる。この方
法による成形が困難な場合、複数の金属平板を用いて板
金加工的に型と実質的に同一形状に組立ててもよい。
ではないが加工性と温度の均一化の効果の両面から判断
して0.1mm〜5mmが好ましく、特に0.2mm〜1.0mmが好まし
い。
いが赤外・遠赤外ふく射ヒーター(第1図、第2図のヒ
ーター6は赤外・遠赤外ふく射ヒーターを想定してい
る)、熱風の循環およびふき付けあるいはドレープ性の
ある面状ヒーターを前記ダイヤフラムの上側あるいは前
記金属製形状付与体の上側にドレープさせることが挙げ
られる。赤外・遠赤外ふく射ヒーターを用いる場合、前
記金属製形状付与体のふく射の吸収性を高めるために該
金属製形状付与体の前記ヒーター側の面をふく射の吸収
性を大きくするように処理することが好ましい。たとえ
ばふく射の吸収率の高いコーティング剤でコーティング
することが挙げられる。
ものではないが、シリコンゴム、ポリエーテルエーテル
ケトン、液晶ポリマー、ポリイミド、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリフェニレンサルファイド、ポリテトラクロロエ
チレン、ポリエーテルサルホン、などが挙げられる。シ
リコンゴムのような柔軟性、伸縮性に富む材料でない場
合、事前に圧空ないし真空あるいは両者によって型形状
に成形しておくことが好ましい。
ではないが、例を挙げると断熱性がよく耐熱性のよい樹
脂およびセラミックが考えられる。前記シート状物を構
成する熱可塑性樹脂の融点が低ければ木材の使用も考え
られる。
は両者の併用のいずれでもよい。
ないが、例を挙げると繊維状の熱可塑性樹脂と強化繊維
の引き揃え糸あるいは混繊糸からなる織物、編物、組物
および不織布、繊維状の熱可塑性樹脂と強化繊維の混交
織、あるいは粉末状の熱可塑性樹脂を強化繊維に付着さ
せた糸からなる織物、編物、組物、および不織布が挙げ
られる。
香族ポリアミド繊維、セラミック繊維、などがある。熱
可塑性樹脂の例としてポリエーテルエーテルケトン、ポ
リフェニレンサルファイド、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステルエラス
トマー、共重合ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピ
レン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルイミドなど
が挙げられるが、これら熱可塑性樹脂は強化繊維と混繊
することができる点で繊維状が好ましい。
と金属は熱伝導性がよいため該金属成形体は全面にわた
りほぼ均一な温度になるので該金属成形体により型にド
レープさせたシート状物を全面にわたり均一に加熱でき
るようになる。これにより該シート状物を構成する熱可
塑性樹脂を一様に溶融させることができ、該熱可塑性樹
脂が全面にわたり強化繊維のまわりに十分に含浸した成
形品を成形することができる。
らこれに限定されるものではない。
状のポリエチレンテレフタレートを使用し、両者からな
る11000デニールの混繊糸を作った。ガラス繊維の含有
量は40重量%とした。該混繊糸からなる目付600g/m2の
平織物を製織し、これをシート状物とした。これを第1
図に示すような半球のめす型に2枚重ねてドレープさせ
た。成形用型は耐熱性がよく、断熱性のあるエポキシ樹
脂製であり、直径は120mmとした。表面にはフロン系の
離型剤をスプレーしておいた。ダイヤフラムとして厚さ
125mmのポリイミドフィルム(宇部興産(株)製ユーピ
レックス−R )を事前に前記型により真空で半球に成
形したものを用いた。金属製形状付与体として厚さ0.3m
mのアルミシートを300℃で圧空にて半球に成形したもの
を用いた。該金属製形状付与体は第1図に示す位置に設
置した。ヒーターは赤外ふく射ヒーターを用い第1図に
示すような位置に設置した。
で275℃近傍に10分間保持した。該シート状物の表面の
場所による温度分布は最低温度と最高温度の差で6℃以
内であった。成形品の品質をチェックするために半球を
細かく切断し、各部の断面を研磨した後その断面を観察
した。その結果ボイドがほとんど存在しない非常によい
含浸状態の成形品が得られたことがわかった。本半球成
形の昇温スタートから冷却終了までの時間は15分であっ
た。
のを同様に半球に成形した。ただし半球状の金属製形状
付与体の成形は多数のアルミニウムシートの小片をテフ
ロンテープで組立てることにより作成した。また成形条
件としてシート状物の裏面の温度を真空下で235℃近傍
に10分間保持した。該シート状物の裏面の場所による温
度分布は最低温度と最高温度の差で5℃以内であった。
成形品の含浸状態は実施例1と同様にボイドがほとんど
存在しない非常によいものであった。
レープされた曲面状のシート状物を均一に加熱すること
ができるため成形サイクルが非常に短くなり、かつ装置
が大幅に安価になる。また型、シート部分など本来昇温
させる必要のない部分の加熱、冷却をしなくてすむため
エネルギーの消費量を大幅に低減できる。
の設置状態の例を示す概略図(断面よりみた)である。 1……金属製形状付与体、2……シート状物 3……ダイヤフラム、4……成形用型 5……シール、6……ヒーター
Claims (1)
- 【請求項1】強化繊維と熱可塑性樹脂とを含有するシー
ト状物を非平板状の成形用型の成形面に沿わせて配置し
た後、前記熱可塑性樹脂を加熱溶融させて前記シート状
物から非平板状の繊維強化熱可塑性樹脂成形品を圧空及
び/または真空成形するに際し、加熱ヒーターと前記シ
ート状物との間に前記成形品の形状に対応させた金属製
形状付与体とダイヤフラムとを介在させることを特徴と
する繊維強化熱可塑性樹脂成形品の成形方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2106751A JP2998171B2 (ja) | 1990-04-23 | 1990-04-23 | 繊維強化熱可塑性樹脂成形品の成形方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2106751A JP2998171B2 (ja) | 1990-04-23 | 1990-04-23 | 繊維強化熱可塑性樹脂成形品の成形方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH045025A JPH045025A (ja) | 1992-01-09 |
JP2998171B2 true JP2998171B2 (ja) | 2000-01-11 |
Family
ID=14441620
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2106751A Expired - Lifetime JP2998171B2 (ja) | 1990-04-23 | 1990-04-23 | 繊維強化熱可塑性樹脂成形品の成形方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2998171B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017154384A (ja) * | 2016-03-02 | 2017-09-07 | 三豊化成株式会社 | 成形品の製造方法 |
JP6717105B2 (ja) * | 2016-08-08 | 2020-07-01 | 三菱ケミカル株式会社 | 繊維強化樹脂成形体の製造方法 |
-
1990
- 1990-04-23 JP JP2106751A patent/JP2998171B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH045025A (ja) | 1992-01-09 |
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