JP2997451B1 - 小型アンテナ - Google Patents

小型アンテナ

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JP2997451B1
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Abstract

【要約】 【課題】 小型化すると共に、入力インピーダンスを高
く広帯域動作を可能とする。 【解決手段】 グランドプレーン12に平行にスパイラ
ル状の第1素子10aおよび第2素子10bを配置し、
その巻き始め端の間に直線導体11を接続する。直線導
体11の中心点Bには他端が給電点Sfdとされる垂直素
子15の一端が接続される。第1素子10aおよび第2
素子10bの所定の位置とされる接合点P,Qにはそれ
ぞれ第1短絡導体13および第2短絡導体14が接続さ
れてグランドプレーン12に短絡される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、伝送線路型アンテ
ナに関するものであり、特に移動体通信システムに好適
な小型かつ広帯域のアンテナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】移動体通信システムに適した低姿勢とさ
れたアンテナとして、伝送線路型アンテナが知られてい
る。伝送線路型アンテナは、グランドプレーン上にスト
リップ導体を平行に配した伝送線路を利用したアンテナ
であり、F型アンテナ又は逆F型アンテナが伝送線路型
アンテナの代表的なアンテナとされている。逆F型アン
テナは、ストリップ導体を矩形の導体板で置き換え、こ
の導体板の中心線上ではグランドプレーンに対する電圧
がゼロとされることから、導体板の中心線上で折り曲げ
て導体板をグランドプレーンに短絡している。これによ
り、半波長で動作するアンテナの長さを1/4波長と半
分の長さにすることができる。
【0003】さらに、折り曲げられた導体板の先端とグ
ランドプレーンの間には強い電界が発生し、導体板には
静電容量が等価的に挿入されたことになる。そこで、こ
の静電容量を補正するために、折り曲げて構成した短絡
板を切り取り一側だけ残した細い導体線とする。する
と、導体線には大きな電流が流れて強い磁界が発生す
る。このことから、導体板には大きいインダクタンスが
等価的に挿入されたことになる。この結果、等価的に挿
入された静電容量とインダクタンスによるリアクタンス
が互いに打ち消すようになるため、導体板の長さを短く
しても整合をとることが可能となる。このように、逆F
型アンテナは小型・低姿勢のアンテナとされるため、飛
翔体のアンテナや携帯電話機のアンテナとして用いられ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した逆Fアンテナ
でVHF帯のFM放送(76〜90MHz)または、V
HFテレビ放送(92〜222MHz)の地上波を受信
するアンテナを実現しようとすると、短辺が800mm
ないし1000mm程度の長方形のアンテナとなり、車
両等の移動体に搭載することが困難になるという問題点
があった。こうした問題点を解決するための方法が、IE
EE Transactions on Antennas and Propagation,Vol.A
P-13,No.3,May 1965,pp.379-383,R.C.Fenwick“A new c
lass of electrically small antennas" に記載されて
いる。このアンテナは、スパイラル状素子をグランドプ
レーン上に平行に配置し、スパイラル状素子の長さを1
/2波長とし、その巻き始め部を給電点とすると共に、
その他端部を接地することにより小型化を図ったアンテ
ナとされている。
【0005】しかしながら、スパイラル状素子を用いる
ことにより小型した上記アンテナは、入力インピーダン
スが約4Ωと非常に小さく、一般に給電ケーブルの特性
インピーダンスが50Ωあるいは75Ωとされているこ
とから効率の低いアンテナになるという問題点があっ
た。また、共振が鋭くVSWRが2以下の場合を使用可
能周波数帯域とすると、その周波数帯域が約0.2%と
非常に狭く、移動体通信のように広い周波数帯域が割り
当てられている通信システムに適用することができない
という問題点があった。そこで、本発明は小型化できる
と共に、広い周波数帯域で使用可能な小型アンテナを提
供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の小型アンテナは、グランドプレーンにほぼ
平行に配置されるほぼ同心とされたスパイラル状の複数
本の素子と、互いに接続された前記スパイラル状の複数
本の素子の巻き始め端に一端が接続され、他端が給電点
とされたグランドプレーンにほぼ垂直に配置される垂直
素子と、前記スパイラル状の複数本の素子の所定の位置
をそれぞれグランドプレーンに接地する複数本の短絡導
体とを備えている。
【0007】また、上記小型アンテナにおいて、前記複
数本の短絡導体により接地される前記スパイラル状の複
数本の素子の位置が、目的とする周波数にほぼ共振する
位置とされている。さらに、上記小型アンテナにおい
て、前記スパイラル状の複数本の素子が、2π/n(た
だし、n=2,3,4・・・)づつ角度をずらして配置
されたn本のスパイラル状の素子とされている。さら
に、上記小型アンテナにおいて、前記スパイラル状の複
数本の素子の巻き始め端と前記垂直素子とを接続する手
段が、直線導体とされている。
【0008】このような本発明によれば、グランドプレ
ーンにほぼ平行に配置される複数本のほぼ同心とされた
スパイラル状の素子を設けて給電するようにしたので、
小型化することができると共に、入力インピーダンスが
高く広帯域で使用可能なアンテナとすることができる。
また、グランドプレーンに対する複数本のスパイラル状
の素子の高さを低くすることができるので、低姿勢のア
ンテナとすることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の小型アンテナの実施の形
態の構成の一例を図1および図2に示す。ただし、図1
は本発明の小型アンテナの斜視図、図2(a)はその平
面図、図2(b)はその側面図である。これらの図に示
す本発明の小型アンテナ1は、2条のスパイラル状の素
子である第1素子10aと第2素子10bと、第1素子
10aの巻き始め部と第2素子10bの巻き始め部とを
接続する直線導体11とを備えている。この第1素子1
0a、第2素子10bおよび直線導体11とは、円形の
グランドプレーン12に所定高さでほぼ平行して配置さ
れている。また、直線導体11のほぼ中央が中心点Bと
されて、中心点Bにはグランドプレーン12にほぼ垂直
に配置されている垂直素子15の先端が接続されてい
る。なお、中心点Bはスパイラル状の第1素子10aお
よび第2素子10bの中心点であり、スパイラル上の第
1素子10aと第2素子10bとはほぼ同心に配置され
る。
【0010】また、第1素子10aの所定位置である接
合点Pにはグランドプレーン12にほぼ垂直に配置され
ている第1短絡導体13の一端が接続され、第1短絡導
体13の他端はグランドプレーン12の点PGの位置に
接続されている。さらに、第2素子10bの所定位置で
ある接合点Qにはグランドプレーン12にほぼ垂直に配
置されている第2短絡導体14の一端が接続され、第2
短絡導体14の他端はグランドプレーン12の点QG
位置に接続されている。なお、接合点Pと接合点Qは中
心点Bに対してほぼ点対称の位置とされている。垂直素
子15の他端はグランドプレーン12のほぼ中央に形成
された挿通孔12aに挿通されて、グランドプレーン1
2の下面に固着されている同軸ケーブル16の中心導体
に接続される。また、同軸ケーブル16のシールド導体
は、グランドプレーン12の下面にハンダ付け等により
電気的かつ機械的に接続される。
【0011】この垂直素子15の他端が給電点Sfdとさ
れ、第1素子10aおよび第2素子10bの先端が終端
点Sendとされる。さらにまた、スパイラル状の第1素
子10aおよび第2素子10bの巻き始め角はφstとさ
れると共に、その巻き終わり角がφendとされる。ただ
し、第2素子10bの巻き始め角φstおよび巻き終わり
角φendの基準となる角は、第1素子10aの基準とな
る角よりπラジアンだけ異なっている。さらに、第1素
子10a、第2素子10bとグランドプレーン12との
間隔である高さはHとされる。また、直線導体11の長
さは、中心点Bから第1素子10aの巻き始め端までが
長さesとされ、中心点Bから第2素子10bの巻き始
め端までの長さが同様にesとされて、直線導体11の
全長は2esとされる。ところで、第1素子10aおよ
び第2素子10bに巻き始め角をφstとして、直線導体
11を設けているのは、第1素子10aおよび第2素子
10bのワイヤー径がある程度の太さとされているの
で、巻き始め角を0°とすると、巻き始め部分の曲率が
大きく素子同士が接触してスパイラル状に巻回できない
からである。
【0012】さらに、スパイラル状の第1素子10aに
おける接合点Pの位置は、図3(a)に示すようにSfd
−B−P−PG−P’−B’−Sfdからなるグランドプ
レーン12によって作られるイメージを含めた閉回路が
目的とする周波数でほぼ共振する位置とされる。同様
に、スパイラル状の第2素子10bにおける接合点Qの
位置は、図3(b)に示すようにSfd−B−Q−QG
Q’−B’−Sfdからなるグランドプレーン12によっ
て作られるイメージを含めた閉回路が目的とする周波数
でほぼ共振する位置とされる。ここで、スパイラル状の
第1素子10aと第2素子10bとは同様の構成とされ
ているため、接合点Pと接合点Qとは中心点Bに対して
点対称の位置とされる。
【0013】このように構成された本発明の小型アンテ
ナ1においては、第1素子10aと第2素子10bが中
心点Bに対して対称に配置されたスパイラル状の素子と
されており、第1素子10aとそのグランドプレーン1
2に対するイメージが作る放射界は、第1素子10aの
高さHが低い場合ほぼ逆位相になる。そのため、第1素
子10aが作る放射界と、そのイメージが作る放射界と
が打ち消し合い放射パターンは形成されない。また、第
2素子10bも同様に作用するため、第2素子10bに
よる放射パターンは形成されない。結局のところ、垂直
素子15を流れる大きな電流および第1短絡導体13、
第2短絡導体14を流れる電流によって小型アンテナ1
の放射パターンが形成されるようになる。このため、本
発明の小型アンテナ1からはグランドプレーン12に対
して垂直な直線偏波が放射されるようになる。また、本
発明の小型アンテナ1の水平面内(図2に示すX−Y
面)の放射パターンはほぼ無指向性とされ、全方位に放
射されるようになる。さらに、本発明の小型アンテナ1
における使用可能な周波数帯域幅は中心周波数の約7パ
ーセントもの広帯域となる。
【0014】次に、図1および図2に示す構成の本発明
の小型アンテナ1において、各部の寸法の一例を示す
が、中心点Bからスパイラル状の第1素子10aあるい
は第2素子10bまでの半径rは、Archimedian スパイ
ラル関数により次式のように表される。 r=as・φw ・・・(1) ただし、(1)式においてasはスパイラル定数であ
り、φwは巻き始め角φstから巻き終わり角φendまでの
巻き角度を示している。
【0015】設計周波数の自由空間波長をλoとした時
に各部の寸法は、例えば、第1素子10a、第2素子1
0bとグランドプレーン12との間隔である高さHは、
約0.0613λoであり、第1素子10aおよび第2
素子10bのスパイラル定数asは約0.0064λo
〔/rad〕であり、第1素子10aおよび第2素子10b
の巻き始め角φstは約1.3413π〔rad〕であり、
その巻き終わり角φendは約5.453π〔rad〕であ
る。また、第1素子10aおよび第2素子10bのワイ
ヤー半径ρは、約0.003354λoであり、直線導
体11の全長2e sは約0.05395λoである。さ
らに、第1素子10aの巻き終わり端Sendと第2素子
10bの巻き終わり端Send間の距離であるスパイラル
の直径は約0.2139λoとなり、給電点Sfdから第
1素子10aの巻き終わり端Sendあるいは第2素子1
0bの巻き終わり端Sendまでのアンテナ素子長は約
0.948λoとなる。このような寸法とした本発明の
小型アンテナ1の入力インピーダンスは約50Ωとな
り、高い入力インピーダンスを得ることができる。
【0016】上記寸法とした際の本発明の小型アンテナ
1をモーメント法を用いて、任意の形状の導体を流れる
電流を積分方程式を使用して解析した結果を図4ないし
図8に示す。図4には、給電点Sfdより中心点Bを経て
接合点Pまでの第1素子10aの素子長Sfd−B−Pの
変化に対する50Ω系のVSWR特性を示している。こ
こでいう50Ω系とは同軸ケーブル16による給電系を
指している。図4を参照すると、素子長Sfd−B−Pが
0.6834λoのときにVSWRが最良値となる。こ
の際に、中心点Bから接合点Pまでの長さは、第1素子
10aとグランドプレーン12との間隔である高さHが
約0.0613λoとされていることから約0.622
1λoとなる。なお、給電点Sfdより中心点Bを経て接
合点Qまでの第2素子10bの素子長Sfd−B−Qも素
子長Sfd−B−Pと同様となる。
【0017】次に、素子長Sfd−B−Pが最適値である
0.6834λoとされた場合の第1素子10a上の電
流分布を図5に示す。第1素子10aと第2素子10b
との電流分布は対称とされるため、図5には給電点Sfd
から接合点pを経て第1素子10aの終端点であるS
endまでの電流分布だけを示している。図5において電
流Irは電流Iの実部成分であり、電流Iiは電流Iの
虚部成分である。図5に示すように電流Irは転換点T
tpで位相が反転している。また、接合点Pから第1素子
10aの終端点Sendまでの第1素子10aに流れる電
流はわずかであり、終端点Sendにおいて電流Iはゼロ
となる。これにより、第1素子10aは整合がとれた状
態となる。さらに、第1素子10aと第2素子10bに
流れる電流の源になる垂直素子15には大きな電流が流
れている。なお、中心点Bから転換点Ttpまでの長さは
約0.2719λoであり、給電点Sfdから転換点Ttp
までの長さは約0.3332λoとなる。
【0018】次に、素子長Sfd−B−Pおよび素子長S
fd−B−Qが最適値である0.6834λoとされた場
合の本発明の小型アンテナ1におけるVSWRの周波数
特性を図6に示す。図6を参照すると、VSWRが2.
0以下とされる周波数帯域幅は中心周波数foに対して
約7%になる。この周波数帯域幅は、従来のアンテナが
0.2%であることから極めて広帯域であることがわか
る。また、この周波数帯域内においてX方向(θ=90
°、φ=0°)の利得は約5dBとなる。
【0019】次に、素子長Sfd−B−Pおよび素子長S
fd−B−Qが最適値である0.6834λoとされた場
合の本発明の小型アンテナ1における放射パターンを図
7および図8(a)(b)に示す。図7は、φ角度に対
するθ=90°面(水平X−Y面)の放射パターンであ
り、グランドプレーン12に対して水平面の放射パター
ンとされる。この場合、垂直素子15および第1短絡導
体13および第2短絡導体14に流れる電流は同位相と
されて垂直素子15,第1短絡導体13,第2短絡導体
14からは放射されるが、スパイラル状の第1素子10
aと第2素子10bからの放射は−30dB以下と無視
できるほど小さくなる。
【0020】すなわち、実線で図示される放射パターン
は垂直素子15,第1短絡導体13,第2短絡導体14
から放射されるEθ成分であり、Eθ成分は水平X−Y
面の全方位にほぼ均等の強さで放射される。しかし、ス
パイラル状の第1素子10aと第2素子10bから放射
されるEφ成分は−30dB以下となるためヌル点近傍
の放射パターンとされ図示されていない。ここで、Eθ
成分はグランドプレーン12に対して垂直な成分である
から、グランドプレーン12が地表に対して水平に位置
される場合は垂直偏波となる。また、Eφ成分はグラン
ドプレーン12に対して水平な成分であるから、グラン
ドプレーン12が地表に対して水平に位置される場合は
水平偏波となる。このように、本発明の小型アンテナ1
におけるグランドプレーン12が地表に対して水平に位
置される場合は、本発明の小型アンテナ1は垂直偏波用
のアンテナとなり、グランドプレーン12が地表に対し
て垂直に位置される場合は、本発明の小型アンテナ1は
水平偏波用のアンテナとなる。
【0021】また、図8(a)はθ角度に対するφ=0
°面(水平X−Z面)の放射パターンであり、グランド
プレーン12に対して垂直面の放射パターンとされる。
ただし、上述したように実線で図示される放射パターン
はEθ成分であり、Eφ成分は−30dB以下となりヌ
ル点近傍の放射パターンとされるため図示されていな
い。図8(a)を参照すると、グランドプレーン12の
水平方向(θ=90°)の放射が最も大きくなってお
り、垂直方向(θ=0°)にはほとんど放射されていな
いことがわかる。さらに、図8(b)はθ角度に対する
φ=90°面(水平Y−Z面)の放射パターンであり、
グランドプレーン12に対して垂直面の放射パターンと
される。ただし、上述したように実線で図示される放射
パターンはEθ成分であり、Eφ成分は−30dB以下
となりヌル点近傍の放射パターンとなるので図示されて
いない。図8(b)を参照すると、グランドプレーン1
2の水平方向(θ=90°)の放射が最も大きくされて
おり、垂直方向(θ=0°)にはほとんど放射されてい
ないことがわかる。
【0022】以上の解析結果から見て、本発明の小型ア
ンテナ1において、放射パターンは垂直素子15および
第1短絡導体13および第2短絡導体14に流れる電流
によって形成されており、スパイラル状の第1素子10
aと第2素子10bを流れる電流は放射パターンの形成
にはほとんど寄与していないことがわかる。また、本発
明の小型アンテナ1の水平X−Y面の放射パターンはほ
ぼ全方位に均等とされており、50Ω系のVSWRが
2.0以下の周波数帯域幅は、中心周波数foに対して
約7%もの広帯域とされる。さらに、この7%の周波数
帯域における利得は約5dBと高利得とされる。
【0023】なお、本発明の小型アンテナにおける素子
数は2条のスパイラル状の素子数に限らず、2条以上の
複数の素子数とすることができる。この場合にも中心点
Bに対して対称になるよう複数状のスパイラル状の素子
を配置するようにすればよい。すなわち、素子数をn
(n=2,3,4・・・)とした時に、各素子を2π/
nづつ角度をずらせてほぼ同心として配置すればよい。
また、本発明の小型アンテナにおける上記で示した各部
の長さ等の数値は一例であり、本発明の小型アンテナは
この数値に限るものではない。すなわち、Sfd−B−P
−PG−P’−B’−Sfdからなるグランドプレーン1
2によって作られるイメージを含めた閉回路、および、
fd−B−Q−QG−Q’−B’−Sfdからなるランド
プレーン12によって作られるイメージを含めた閉回路
が、目的とする周波数でほぼ共振する長さとされればよ
い。さらに、スパイラル状の第1素子および第2素子の
グランドプレーンに対する高さHは高い方がアンテナ特
性は向上するが、低姿勢とするために約0.06λo程
度の高さが必要となる。ただし、第1素子および第2素
子とグランドプレーンとを所定の厚さの誘電体のそれぞ
れの面に形成するようにすると、より低姿勢とすること
が可能となる。
【0024】
【発明の効果】本発明は以上説明したように、グランド
プレーンにほぼ平行に配置される複数本のほぼ同心とさ
れたスパイラル状の素子を設けて給電するようにしたの
で、小型化することができると共に、入力インピーダン
スが高く広帯域で使用可能なアンテナとすることができ
る。また、グランドプレーンに対する複数本のスパイラ
ル状の素子の高さを低くすることができるので、低姿勢
のアンテナとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の小型アンテナの実施の形態における一
構成例を示す斜視図である。
【図2】本発明の小型アンテナの実施の形態における一
構成例を示す平面図及び側面図である。
【図3】本発明の小型アンテナの実施の形態における接
合点の決め方を説明するための図である。
【図4】本発明の実施の形態における小型アンテナの素
子長の変化に対するVSWR特性を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態における小型アンテナの電
流分布を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態における小型アンテナの周
波数に対するVSWR特性を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態における小型アンテナの水
平X−Y面の放射パターンを示す図である。
【図8】本発明の実施の形態における小型アンテナのX
−Z面およびY−Z面の放射パターンを示す図である。
【符号の説明】
1 小型アンテナ 10a 第1素子 10b 第2素子 11 直線導体 12 グランドプレーン 12a 挿通孔 13,14 短絡導体 15 垂直素子 16 同軸ケーブル P,Q 接合点 Send 終端点 Sfd 給電点 φend 巻き終わり角 φst 巻き始め角
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 平7−29916(JP,U) 特公 昭59−34001(JP,B2) IEEE Trans.Antenn as Propagat.,Vol. 45,pp.1506−1511,1997 1998信学総大B1−1−97「外励振角 形スパイラルアンテナ」 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01Q 9/27 H01Q 11/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グランドプレーンにほぼ平行に配置され
    るほぼ同心とされたスパイラル状の複数本の素子と、 互いに接続された前記スパイラル状の複数本の素子の巻
    き始め端に一端が接続され、他端が給電点とされたグラ
    ンドプレーンにほぼ垂直に配置される垂直素子と、 前記スパイラル状の複数本の素子の所定の位置をそれぞ
    れグランドプレーンに接地する複数本の短絡導体と、 を備えることを特徴とする小型アンテナ。
  2. 【請求項2】 前記複数本の短絡導体により接地される
    前記スパイラル状の複数本の素子の位置が、目的とする
    周波数にほぼ共振する位置とされていることを特徴とす
    る請求項1記載の小型アンテナ。
  3. 【請求項3】 前記スパイラル状の複数本の素子が、2
    π/n(ただし、n=2,3,4・・・)づつ角度をず
    らして配置されたn本のスパイラル状の素子とされてい
    ることを特徴とする請求項1記載の小型アンテナ。
  4. 【請求項4】 前記スパイラル状の複数本の素子の巻き
    始め端と前記垂直素子とを接続する手段が、直線導体と
    されていることを特徴とする請求項1記載の小型アンテ
    ナ。
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Cited By (1)

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