JP2997162B2 - 電子写真装置のドラムユニット - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、感光ドラムとクリーニ
ングブレードと廃トナーを廃トナー収容空間へ排出する
廃トナーローラとをドラムケース内に組込んだ電子写真
装置のドラムユニットに関する。

【０００２】

【従来の技術】図３に、電子写真装置の代表的な従来構
成を示す。図において、１は装置本体，１０Ｐはドラム
ユニット，３０は現像ユニットである。ドラムユニット
１０は、上部ケース１１Ｕと下部ケース１１Ｌとからな
るドラムケース１１を有している。このドラムケース１
１内には、感光ドラム１２と，この感光ドラム１２と所
定の位置関係をもって配設される構成部品〔この従来例
では、帯電器（帯電ブラシ１３），除電器（除電ランプ
１４），クリーニング装置１６Ｐ〕とが一体的に組込ま
れている。

【０００３】また、現像ユニット３０は、現像器本体３
１内にトナーカートリッジ３２から補給されたトナー
（例えば、１成分トナー）を現像ローラ３３に担持させ
て感光ドラム１２へ供給可能に形成されている。

【０００４】詳しくは、上記した感光ドラム１２は、図
３中時計回り方向に回転される。そして、感光ドラム１
２は、帯電ブラシ１３で周面が均一に帯電された後、図
示しない光学系から印字データに基づき照射されたレー
ザービームＢによって当該周面に静電潜像が形成され
る。感光ドラム１２に形成された静電潜像は、現像ユニ
ット３０の現像ローラ３３から供給されるトナーによっ
て現像された後、転写器１５で転写紙Ｐに転写される。
感光ドラム１２の周面上の転写残りトナーは、クリーニ
ング装置１６Ｐによって除去される。また、転写工程
後、感光ドラム１２の周面は次の帯電に備えて除電ラン
プ１４によって除電される。

【０００５】クリーニング装置１６Ｐは、感光ドラム１
２に残留付着する廃トナーを剥離するクリーニングブレ
ード１７と，剥離された廃トナーを廃トナー収容空間１
９へ排出する廃トナーローラ１８と，クリーニングブレ
ード１７で剥離された廃トナーを受けて廃トナー収容空
間１９内に収容するとともに剥離トナーが外部に落下・
飛散するのを防止するシール部材２２とを含み構成され
ている。廃トナー収容空間１９は、トナー飛散を防止す
るため密閉構造とされている。なお、図３中、２３は、
廃トナーローラ１８の廃トナー排出動作を補助するシー
ト部材２３である。

【０００６】上記したドラムユニット１０Ｐは、鮮明印
刷画像保証上の観点から、感光ドラム１２の寿命に合わ
せて他の構成部品（１１，１３，１４，１６）も一括し
て廃棄されるように基本設計されている。すなわち、廃
トナー収容空間１９の容量は感光ドラム１２の寿命がき
たときに満杯になるように選定され、帯電ブラシ１３，
除電ランプ１４およびクリーニングブレード１７等も一
括して交換するものとされている。

【０００７】ここにおいて、廃トナーローラ１８等をド
ラムケース１１に組込むには、図４に示す如く、ドラム
ケース１１を形成する下部ケース１１Ｌと上部ケース１
１Ｕとを溶着（この例では、超音波溶着）する前に、当
該下部ケース１１Ｌに廃トナーローラ１８を軸受２９ａ
およびトナーシール部材２９ｃを介して回転自在に組込
み、その後、上部ケース１１Ｕを下部ケース１１Ｌの上
部に溶着して当該下部ケース１１Ｌの上部開口部を塞い
で廃トナー収容空間１９を密閉している。なお、図４
中、２９ｂは、廃トナーローラ１８に動力を伝達するた
めの駆動ギヤで、当該ローラ１８の一端に装着される。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】ところで、現今の電子
写真装置においては、より一層の利用分野の拡大を図る
ために、小型化・コスト低減化が強く要求されている。
かかる要求に応じるためには、装置本体１内で相当程度
広い設置スペースを占めるドラムユニット１０Ｐも小型
化する必要がある。

【０００９】ここにおいて、ドラムユニット１０Ｐは、
廃トナー収容空間１９の容積を小さくすれば小型化が図
れるはずであるが、上記した従来構造では感光ドラム１
２の寿命に見合った容積を確保しなければならず、小型
化するのが困難である。

【００１０】本発明の目的は、上記事情に鑑み、小型化
およびコスト低減化を図ることができる電子写真装置の
ドラムユニットを提供することにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明に係る電子写真装
置のドラムユニットは、感光ドラムと，この感光ドラム
に残留付着する廃トナーを剥離するクリーニングブレー
ドと，剥離された廃トナーを廃トナー収容空間へ排出す
る廃トナーローラとをドラムケース内に組込んだ電子写
真装置のドラムユニットにおいて、前記廃トナーローラ
を前記ドラムケースに軸方向から挿入・引出し可能に装
着し、かつドラムケースから廃トナーローラを引出した
場合に当該廃トナーローラの挿入用空間を通し前記廃ト
ナー収容空間内に収容されていた廃トナーを外部に排出
可能に構成したことを特徴とする。

【００１２】

【作用】上記構成による本発明では、廃トナー収容空間
が廃トナーで満杯になる前に当該空間内の廃トナーを外
部に排出することができる。廃トナー収容空間内の廃ト
ナーを捨てる場合には、廃トナーローラを軸方向に移動
させてドラムケースから引出す。これにより、ドラムケ
ース内の廃トナーローラの挿入用空間は、空きスペース
となる。なお、この際、廃トナー収容空間内のトナーが
漏れ出ないように、ドラムケースの姿勢に注意する必要
がある。

【００１３】こうして、廃トナーローラがドラムケース
から引出されたところで、例えば真空掃除機を利用し
て、空きスペースとなった廃トナーローラの挿入用空間
を通して、廃トナー収容空間内の廃トナーを外部に排出
することができる。

【００１４】このように、廃トナー収容空間内の廃トナ
ーを捨てることができるので、廃トナー収容空間を感光
ドラムの寿命に見合った大容積とする必要がなく、容易
に小型化・コスト低減化を図ることができる。

【００１５】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。本電子写真装置のドラムユニット（１０）は、図
１および図２に示す如く、基本的構成が従来例（図３，
図４）と同一とされているが、廃トナーローラ１８をド
ラムケース１１に軸方向から引出し可能に装着して廃ト
ナーを外部に排出可能に構成されている。なお、従来例
（図３，図４）と共通する構成要素については同一の符
号を付し、その説明を簡略化もしくは省略する。

【００１６】本ドラムユニット１０は、廃トナーローラ
１８をドラムケース１１に軸方向から挿入・引出し可能
に装着し、かつドラムケース１１から廃トナーローラ１
８を引出した場合に当該廃トナーローラ１８の挿入用空
間２１を通し廃トナー収容空間１９内に収容されていた
廃トナーを外部に排出可能に構成されている。ここにお
いて、挿入用空間２１は、ドラムケース１１内に廃トナ
ーローラ１８を回転自在に収容するための空間を意味
し、ドラムケース１１に廃トナーローラ１８の挿入・引
出し用に形成された貫通穴２４を含み廃トナーローラ１
８に相応した大きさを有する収容空間２８より形成され
ている。

【００１７】かかる構成により、廃トナー収容空間１９
内の廃トナーを適時捨てることができ、当該廃トナー収
容空間１９を感光ドラム１２の寿命に左右されることな
く小容積とすることができる。

【００１８】本実施例においては、廃トナーローラ１８
は、上記貫通穴２４を通してドラムケース１１内の収容
空間２８へ差込まれ、その図１中左の軸部がブッシュ２
６Ｌを介してドラムケース１１に回転支持されるととも
に，その図中右の軸部が回り止め２５ａ付きのローラブ
ッシュ２５およびブッシュ２６Ｒを介して回転支持され
て、当該ドラムケース１１に組込まれる。

【００１９】こうして、廃トナーローラ１８がドラムケ
ース１１に組込まれると、上記した貫通穴２４は当該ロ
ーラ１８の右の軸部，ローラブッシュ２５およびブッシ
ュ２６Ｒによって完全に塞がれるので、当該貫通穴２４
から廃トナーが漏れ出るようになことはない。なお、本
実施例では、廃トナーローラ１８は、回転軸１８ａの外
周面に所定厚さのスポンジ１８ｂを被覆することにより
形成されている。また、図１中、２７は、廃トナーロー
ラ１８に動力を伝達するための駆動ギヤで、当該ローラ
１８の一端に装着される。

【００２０】次に、この実施例の作用について説明す
る。廃トナー収容空間１９が廃トナーで満杯になったら
当該廃トナーを捨てることができる。廃トナー収容空間
１９内の廃トナーを捨てる場合には、廃トナーローラ１
８を軸方向に移動させてドラムケース１１から引出す。
これにより、廃トナーローラ１８の挿入用空間２１は、
空きスペースとなる。なお、この際、廃トナー収容空間
１９内のトナーが漏れ出ないように、ドラムケース１１
の姿勢に注意する必要がある。

【００２１】こうして、廃トナーローラ１８がドラムケ
ース１１から引出されたところで、図示しない真空掃除
機を利用して、空きスペースとなった廃トナーローラ１
８の挿入用空間２１の貫通穴２４を通して、廃トナー収
容空間１９内の廃トナーを外部に排出することができ
る。

【００２２】このように、廃トナー収容空間１９内の廃
トナーを捨てることができるので、廃トナー収容空間１
９が小容積であっても、廃トナーの回収不能等の事態を
生じさせることなく円滑印字を確約することができる。

【００２３】しかして、この実施例によれば、廃トナー
ローラ１８をドラムケース１１に軸方向から挿入・引出
し可能に装着し、かつドラムケース１１から廃トナーロ
ーラ１８を引出した場合に当該廃トナーローラ１８の挿
入用空間２１の貫通穴２４を通し廃トナー収容空間１９
内に収容されていた廃トナーを外部に排出可能に構成し
たので、廃トナー収容空間１９を感光ドラム１２の寿命
に見合った大容積とする必要はなく、容易に小型化・コ
スト低減を図ることができる。したがって、ドラムユニ
ット１０を小型化・コスト低減化することができる。ま
た、ドラムユニット１０をリサイクルでき、資源の節約
が図れる。

【００２４】なお、上記実施例においては、ドラムケー
ス１１の側壁に貫通穿設された貫通穴２４を通して真空
掃除機で廃トナー収容空間１９内の廃トナーを吸引する
構成としたが、クリーニングブレード１７とシール部材
２２との間を押し広げ当該隙間を通して廃トナーを外部
排出するように構成してもよい。

【００２５】

【発明の効果】本発明によれば、廃トナーローラをドラ
ムケースに軸方向から挿入・引出し可能に装着し、かつ
ドラムケースから廃トナーローラを引出した場合に当該
廃トナーローラの挿入用空間を通し廃トナー収容空間内
に収容されていた廃トナーを外部に排出可能に構成した
ので、トナー収容空間を感光ドラムの寿命に見合った大
容積とする必要はなく、容易に小型化・コスト低減化を
図ることができる。また、リサイクルすることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を説明するための分解斜視図で
ある。

【図２】同じく、全体構成を説明するための図である。

【図３】電子写真装置の従来構成を説明するための図で
ある。

【図４】同じく、廃トナーローラをドラムケースに装着
する方法を説明するための分解斜視図である。

【符号の説明】

１０ ドラムユニット １１ ドラムケース １１Ｕ 上部ケース １１Ｌ 下部ケース １２ 感光ドラム １７ クリーニングブレード １８ 廃トナーローラ １９ 廃トナー収容空間 ２１ 挿入用空間 ２４ 貫通穴

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 感光ドラムと，この感光ドラムに残留付
   着する廃トナーを剥離するクリーニングブレードと，剥
   離された廃トナーを廃トナー収容空間へ排出する廃トナ
   ーローラとをドラムケース内に組込んだ電子写真装置の
   ドラムユニットにおいて、 前記廃トナーローラを前記ドラムケースに軸方向から挿
   入・引出し可能に装着し、かつドラムケースから廃トナ
   ーローラを引出した場合に当該廃トナーローラの挿入用
   空間を通し前記廃トナー収容空間内に収容されていた廃
   トナーを外部に排出可能に構成したことを特徴とする電
   子写真装置のドラムユニット。