JP2997154B2 - 重量センサ - Google Patents

重量センサ

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JP2997154B2 JP5211639A JP21163993A JP2997154B2 JP 2997154 B2 JP2997154 B2 JP 2997154B2 JP 5211639 A JP5211639 A JP 5211639A JP 21163993 A JP21163993 A JP 21163993A JP 2997154 B2 JP2997154 B2 JP 2997154B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子レンジなどの調理
器に用いられる重量センサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の重量センサは、図8に示
すように、調理室2内に設置された秤量皿3としての調
理用の丸皿を、荷重伝達部4を介して、調理物5と調理
用の丸皿との全重量を重量検知部1で支える構成であっ
た。このような構成において、重量検知部1で検知した
調理物5の重量に応じ、制御部6は、マグネトロン7を
動作させる。マグネトロン7から放射された電波は、導
波管8を通して、調理室2内に導入され、調理物5を加
熱調理するように成っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
ような構成では、重量の大きいキャセロールなどの調理
物を、誤って調理用の丸皿上に落下させたり、あるい
は、重量検知部1の最大許容荷重以上の荷重を調理用の
丸皿上に印加させたりした場合、重量検知部1が誤動作
したり、破損したりして加熱調理が実施できなくなるな
どの課題があった。また、調理器の機種によって、最大
秤量が異なる重量センサが必要な場合、それぞれ最大秤
量の異なる重量検知部を必要としていたなどの問題点が
あった。
【0004】更に、重量検知部に静電容量型の重量検知
部を用いた場合、荷重と静電容量との関係が非線形の関
係にあるため、正確な重量を検出するのに校正用のメモ
リ等の複雑な回路構成を必要としたり、複雑な換算式が
必要であるなどの問題点があった。
【0005】本発明は、前記従来の問題点もしくは課題
を解消するもので、落下荷重などによる重量検知部への
衝撃荷重を抑制したり、あるいは、最大許容荷重以上の
荷重が重量検知部へ印加されないような簡単な構成の重
量センサを提供することを目的としている。また、同一
の重量検知部を用いて最大秤量の異なる重量センサを簡
単に実現できる構成を提供することをも目的としてい
る。
【0006】また、正確に重量の検出することをも目的
としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明の重量センサは、物体を載せる秤量皿と、前
記秤量皿を支える荷重伝達部と、前記荷重伝達部からの
荷重を重量検知部に加える板状のてこと、前記てこを支
持するV型溝を形成した両側面を有する凹型の底板と
備え、前記てこは幅広の板状に形成して凹型底板の両側
面間に位置させると共にその一端側の板両側部二箇所を
それぞれ前記凹型底板の両側面に形成したV型溝で支持
し、かつ他端側を板バネを介して前記重量検知部で支え
ることによりV型溝及び重量検知部の三箇所で支持し、
かつ前記荷重伝達部はV型溝と重量検知部との間のV型
溝の略垂直二等分線上に位置させた構成とした。
【0008】荷重伝達部を支える位置をV型溝と重量検
知部との間のV型溝間の略垂直二等分線上を移動させる
ことにより、同一の重量検知部を用いて最大秤量の異な
る重量センサを得る構成とした。
【0009】
【作用】本発明によれば、秤量皿としての調理皿に落下
荷重などの衝撃荷重が印加された場合、この衝撃荷重
は、板状のテコを通して、板バネを介して重量検知部に
伝達される。従って、板バネなどの弾性体の緩衝作用に
より、衝撃荷重の伝達に時間遅れが発生し、重量検知部
に伝達される衝撃荷重が抑制される結果となる。
【0010】また、前記板バネを介して荷重が伝達され
るため、過荷重が印加された場合、この板バネがたわ
み、ある一定の荷重を越えて荷重を重量検知部へ伝達し
ないようにできる。従って、過荷重により重量検知部が
破損することがない。
【0011】また、荷重伝達部を板状テコのどの位置で
支えるかによって、重量検知部へ伝達される荷重の比率
を調節することができるため、同一の重量検知部を用い
て、それぞれ最大秤量の異なる重量センサを簡単に構成
することができる。
【0012】
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0014】(実施例1)図1は、本発明に基づく加熱
調理器に搭載される重量センサの要部断面図であり、従
来例と同じ構成要素には同じ番号を付けた。9は重量伝
達部4を支える板状のテコ、10は重量検知部1を保持
する底板、11は板状テコ9に伝達された荷重を重量検
知器1に伝達する板バネを示す。なお、図1において重
量伝達部4を上下自在に保持する保持部は省略した。図
2は、図1の要部拡大一部破断斜視図を示し、9は重量
伝達部4を支える板状のテコを示し、その一端12は回
転自在に保持され、且つ、他端は板バネ11を介して重
量検知部1で支えられている。10は重量検知部1を保
持する凹型の底板を示す。なお、凹型の底板10は調理
室2の底面に固定される。回転自在に保持される一端1
2は、板状テコ9が前後左右に移動しないように、底板
10の両側面に設けられたV型溝13に保持されてい
る。このため、板状テコ9は、固定端12を回転中心と
して自由に回転することができる。なお、板状テコ9
は、板厚1mmの金属板で構成し、幅(W)を50m
m、全長(L)を75mmとした。また、重量伝達部4
を支える位置は、回転自在の固定端12から55mm
(Lw)とした。従って、重量伝達部4が伝達する荷重
をWt(kg)とすると、重量検知部1に伝達される荷
重WsはWs=(Lw/L)×Wtで示される。
【0015】従って、重量伝達部4が伝達する最大荷重
が10kgであれば、重量検知部1に伝達される荷重は
約7.3kgとなる。このように重量検知部1に印加さ
れる最大荷重は重量伝達部4を支える位置(Lw)によ
って変化するため、この距離を適当の選定することによ
り同一の重量検知部1を用い、最大秤量の異なる種々の
重量センサを簡単に実現することができる。
【0016】図3に、図1のA−A’の断面矢視図を示
す。板バネ11は、幅(Wb)20mm、長さ(Lb)
45mm、板厚(Tb)0.5mmのステンレスバネを
用いた。重量伝達部4を介して、伝達された荷重は、板
バネ11の固定部を通して、板バネ11に伝達され、重
量検知部1に伝達される。この時、重量検知部1の最大
荷重以上の過荷重が伝達されると、板バネ11がたわ
み、固定部の先端14が底板10に接触する。従って、
板バネ11のバネ定数を適当に選定することにより、あ
る一定荷重以上の荷重が重量検知部1に印加されないよ
うにできる。このため、重量検知部1が破損されること
がない。
【0017】また、この構成の重量センサでは板状のテ
コ9が左右に移動しても、重量伝達部4と重量検知部1
の相対的な位置関係が変化しないため、重量誤差が発生
しにくい。図4は、その結果を示し、横軸に板状テコの
左右ずれ(ΔX)(mm)を、縦軸に荷重(Wt)1k
gを秤量した時の誤差(ΔW)(g)を示す。板状テコ
9の左右ずれが1mm以内であれば、重量誤差が3g以
内であることを示す。なお、凹型の底板10の両側面に
設けたV型溝13に板状テコ9を設置するという簡単な
構成で左右の位置ずれ1mm以内は容易に実現できる。
電子レンジなどの調理器に用いる場合、1kg荷重にお
いて誤差が10g以下であれば実用上なんら問題がな
い。
【0018】(実施例2)つぎに、重量検知部1にダイ
アフラムを有する静電容量型の重量検知部を用いた時の
重量換算方法について説明する。図5に、ダイアフラム
を有する静電容量型の重量検知部の断面図を示す。上下
2枚のアルミナ基板(板厚0.6mm)15・16が、
円筒状の封着硝子(高さ50μm、内径24mm、外径
28mm)17で固着されている。アルミナ基板15、
16の内側に円形の電極(直径12mm)18、19が
形成されている。上基板15の中央部に砲弾型の荷重点
20が固定されている。板バネ11で荷重点20が押圧
されると、上基板15が変形し、電極18と電極19と
の間で構成される静電容量(Cw)が変化する。図6
に、荷重点に印加される荷重(Wk)と静電容量(C
w)との関係を破線21で示す。同図に見られるよう
に、荷重と静電容量との関係は非線形性が大きく、直線
とならない。このため、静電容量(Cw)から正確な重
量値を換算するのに複雑な回路構成が必要であった。ま
た、簡単に重量値が換算できないため、複雑な換算式を
用いたり、静電容量(Cw)と重量値(Wk)との換算
テーブルを必要とする場合もあった。また、静電容量値
のばらつきや、温度特性や湿度特性等の誤差要因のため
重量値がばらつき不正確でもあった。図7に、横軸を荷
重(Wt)とし、縦軸を静電容量値の対数値とした時の
図6で示した結果(Log(Cw))を破線22で示す。
この場合も、重量値(Wt)との関係は非線形の関係で
あり、直線関係から大幅にずれている。静電容量型重量
検知器1に直列に固定容量(Co)30pFを接続した
時の合成容量値(Cap)の対数変換値(Log(Ca
p))を、実線23で示す。実線23では、重量値(W
t)との関係は直線関係を示す。従って、合成容量値の
対数変換値(Log(Cap))を用いると簡単に重量値
(Wt)が算出できる。このため、回路構成が簡略化さ
れる。また、簡単な換算式で重量値を算出できる。従っ
て、換算重量値も正確になる。また、静電容量値のばら
つきがあった場合も前記の直線関係が平行移動するだけ
であるから、換算重量値への誤差の影響も小さくなる。
固定容量の静電容量値は、重量検知部1の静電容量値に
合わせて設定することができる。一般に、固定容量の静
電容量値は重量検知部の静電容量値の変化範囲内であれ
ば良い。即ち、固定容量の静電容量値(Co)の範囲は重
量検知部1の静電容量値の変化範囲の最低の静電容量値
をCminとし、最高の静電容量値をCmaxとすると、Cmi
n<Co<Cmaxで示される範囲が良い。
【0019】固定容量の静電容量値(Co)が上限値C
maxを越えると重量値(Wk)と合成容量値の対数値と
の関係が直線関係から著しくずれる。図7にCo=60
pFの場合を点線24で示す。また、固定容量の静電容
量値(Co)が下限値Cmin以下になると重量値(W
k)の変化に対する合成容量値(Cap)の変化が小さ
くなり検出感度が著しく低下することになる。図7にC
o=10pFの場合を点線25で示す。
【0020】
【発明の効果】以上のように本発明の重量センサによれ
ば、次の効果が得られる。
【0021】(1)調理皿上に印加された衝撃荷重は抑
制されて、重量検知部に伝達されるため、重量検知部が
破損したり、あるいは、重量センサが誤動作することが
なくなる。
【0022】(2)調理皿上に印加されるある一定値以
上の荷重は、重量検知部に伝達されないため、重量検知
部が破損したり、あるいは、重量センサが誤動作するこ
とがなくなる。また、てこは二箇所のV型溝と重量検知
部との三点で支持して当該V型溝と重量検知部との間の
V型溝間の略垂直二等分線上で荷重伝達部を受けるよう
にしているので、重量誤差が発生しにくく、検知精度が
向上すると共に、複数のてこ部材を用いなくても一つの
てこで検知精度を向上させることが出来るので、検知精
度を向上させつつ構成の簡素化も可能となる。更に幅広
の平板でてこを構成し、一端を重量検知部で支えると共
に、他端をV型溝で回転自在に支持する構成としたの
で、構成が簡単となり自動組立も可能となる。 更に加え
ててこは凹型底板の両側面間に位置させてそのV型溝で
支持しているので、左右への大きなズレを防止できて検
知精度を更に向上させることが出来る上に、凹型底板の
両側面を利用して支持しているので特別な支持部材を必
要とせず更なる構成の簡素化が可能となる。
【0023】(3)板バネ上で支える重量伝達部の位置
を適当に選定することにより同一の重量検知部を用い
て、最大秤量の異なる種々の重量センサを簡単に実現す
ることができる。
【0024】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の重量センサを調理器に装着
した構成図
【図2】同重量センサの要部拡大一部破断斜視図
【図3】図1のA−A’の断面矢視図
【図4】同重量センサの特性図
【図5】ダイアフラムを有する静電容量型の重量検知部
の断面図
【図6】ダイアフラムを有する静電容量型の重量検知部
の荷重特性図
【図7】ダイアフラムを有する静電容量型の重量検知部
の荷重特性図
【図8】従来の重量センサをもちいた調理器の断面図
【符号の説明】
1 重量検知部 2 調理室 3 秤量皿 4 重量伝達部 5 調理物 9 板状テコ 11 板バネ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−17426(JP,A) 特開 昭62−72623(JP,A) 特開 昭62−124422(JP,A) 特開 平2−78912(JP,A) 実開 昭64−17430(JP,U) 実開 昭60−76231(JP,U) 実開 平2−113131(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】物体を載せる秤量皿と、前記秤量皿を支え
    る荷重伝達部と、前記荷重伝達部からの荷重を重量検知
    部に加える板状のてこと、前記てこを支持するV型溝を
    形成した両側面を有する凹型の底板とを備え、前記てこ
    は幅広の板状に形成して凹型底板の両側面間に位置させ
    と共にその一端側の板両側部二箇所をそれぞれ前記凹
    型底板の両側面に形成したV型溝で支持し、かつ他端側
    を板バネを介して前記重量検知部で支えることによりV
    型溝及び重量検知部の三箇所で支持し、かつ前記荷重伝
    達部はV型溝と重量検知部との間のV型溝の略垂直二等
    分線上に位置させた重量センサ。
  2. 【請求項2】荷重伝達部を支える位置をV型溝と重量検
    知部との間のV型溝間の略垂直二等分線上を移動させる
    ことにより、同一の重量検知部を用いて最大秤量の異な
    る重量センサを構成してなる請求項1記載の重量セン
    サ。
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