JP2996621B2 - 洗濯機の風呂水用自吸式吸水ポンプ - Google Patents

洗濯機の風呂水用自吸式吸水ポンプ

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JP2996621B2
JP2996621B2 JP8150654A JP15065496A JP2996621B2 JP 2996621 B2 JP2996621 B2 JP 2996621B2 JP 8150654 A JP8150654 A JP 8150654A JP 15065496 A JP15065496 A JP 15065496A JP 2996621 B2 JP2996621 B2 JP 2996621B2
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  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸水ポンプ、更に
詳細には自吸式吸水ポンプの構造に関し、特に洗濯機に
内蔵される洗濯機の風呂水用自吸式吸水ポンプに関す
る。
【0002】
【従来の技術】自吸式吸水ポンプについては従来から種
々の構造がとられている。
【0003】なお、洗濯機に風呂水等を給水するための
吸水ポンプを内蔵し、このポンプを介して浴槽内の残り
湯を洗濯槽内に供給する先行技術としては、例えば特開
昭57−117894号,特開昭57−117895号、および特開平6
−23190号公報等を挙げることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】洗濯機にポンプを内蔵
する場合、運転開始時には、ポンプと浴槽間を連通する
吸水ホース内は空気で満たされており、この空気を完全
に排出するための自吸運転が必要となる。ホース内の空
気が完全に無くなるまでの時間(自吸時間)と定常運転
時の流量特性は、反比例の関係がある。
【0005】即ち、ランナーの吐出側に設けた気水分離
室からランナーの吸い込み側に還流させる水の量を多く
する程自吸時間は短縮できるが、この還流水は、定常運
転時においては、吐出水量を少なくすることになり、流
量特性を損なうものである。
【0006】それ故、この種ポンプとしては、自吸時間
と流量特性のバランスがとれたコンパクトで収納性のよ
いものが要求されている。
【0007】更に、洗濯機に風呂水吸水ポンプを内蔵す
るためには、耐湿性を考慮し、モータを密閉構造とする
必要があるため、モータの温度上昇が問題となる。ま
た、高湿環境の中で、万一モータの絶縁が低下しても、
使用者が感電しない構造が要求される。
【0008】なお、前掲の特開平6−23190号公報に呼び
水タンクを不要とした風呂水吸水ポンプ付の洗濯機が提
案されているが具体的構造の開示は無い。
【0009】上記要求に加え、洗濯機内蔵用風呂水吸水
ポンプは、小型化のために簡単な構図が求められる。さ
らに水道水の節水のため呼び水の量を出来るだけ少なく
しなければならない。
【0010】本発明の目的とするところは、洗濯機に内
蔵される吸水ポンプにあって、構造が簡単で、しかも少
ない呼び水で自吸できる洗濯機の風呂水用自吸式吸水ポ
ンプを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポンプケーシ
ングとポンプケーシングカバーを組み合わせて形成した
ポンプ本体ケースと、ボリュートで形成され、内部にポ
ンプランナーを備えるポンプランナー室と、ポンプラン
ナーの吸込側に連通する吸込室と、ポンプランナー室の
外周に設けられ、かつポンプランナー室より吐出される
排出水を受けるとともに気水分離機能を有する排出室と
を備える洗濯機の風呂水用自吸式吸水ポンプにあって、
前記吸込室を前記ポンプケーシングカバーに設けるとと
もに風呂水を導く給水ホースが接続され、かつ吸込室に
連通する吸水口を前記ポンプケーシングカバーに設け、
前記吸水口を開け締めする逆止弁を前記吸込室内に設
け、給水電磁弁の呼び水を導く呼び水ホースが接続され
る呼び水口および吐出管が接続される吐出口を前記排出
室に連通するように前記ポンプケーシングカバーに設け
たことを特徴とするものである。
【0012】これにより、ポンプランナーの吸込側に連
通する吸込室と吸水口がポンプケーシングカバーに設け
ているので、吸水口からポンプランナーの吸込側に至る
流路構成が複雑にならないのである。
【0013】また給水電磁弁より供給される水道水の呼
び水は、逆止弁で給水ホース側に流出するのが阻止され
るので、ポンプの内部を満たす程度の呼び水で足り、水
道水の節水になる。
【0014】さらに吐出口、呼び水口をポンプケーシン
グカバーの上側にまとめて設けているので、呼び水ホー
スと吐出管の接続がポンプケーシングカバーの同じとこ
ろでできるため、しやすいのである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、図面に示す一実
施例にもとづいて説明すると、図1において、1は洗濯
機のトップカバー、2は洗濯機の運転を制御するコント
ローラである。コントローラ2は、トップカバー1の前
方に内蔵され、タイマー機能を備えたマイクロコンピュ
ータ等で構成されている。
【0016】3は洗濯機の運転内容を作業者が外部から
指示するメンブレンスイッチである。
【0017】4は蓋で、支点5を軸にして上方に開き洗
濯物を槽内に投入する。
【0018】6は洗濯物投入口、7は洗濯兼脱水槽(以
下、洗濯槽と略称する)8と外槽9との間に洗濯物が落
下するのを防止するカバーで、外槽9の上部に設けられ
ている。
【0019】10は洗濯槽8の壁面に穿設された脱水孔
である。
【0020】11はバランスリングで、洗濯槽8の上端
に固着され、脱水運転時に洗濯槽8の振動を低減し、槽
8の回転を円滑に行う。
【0021】12は吊り棒で、外枠21の四隅部から下
方に延び、バネ13を介して外槽9を懸垂する。
【0022】14は撹拌翼で、洗濯槽8の底部中央に回
転可能に設置され、洗濯及び濯ぎ時には、短い周期で正
逆転する。
【0023】15は撹拌翼14及び洗濯槽8を駆動する
モータで、モータ15の動力をモータプーリ16,ベル
ト17,従動プーリ18,クラッチ・減速部19を介し
て、洗濯,濯ぎ時には撹拌翼14を、また脱水時には洗
濯槽8と撹拌翼14とを一緒に駆動する。
【0024】20は外枠21の下部に設けた脚部、22
は外槽9の底部に設けた排水孔で、排水孔22の下流側
には、コントローラ2からの指令で開閉する排水電磁弁
23と排水ホース24とを有する。
【0025】25はバックパネルであり、後述のポンプ
26,給水電磁弁31等がここに収納されている。
【0026】26は抗菌剤入りの合成樹脂でケーシング
を成形した風呂水吸水ポンプで、トップカバー1のバッ
クパネル部に内蔵されている。
【0027】27は抗菌剤入りの風呂水吸水ホースで、
その接続端はOリング28を介してポンプ26の上面に
設けた風呂水吸水口26aに着脱自在に装着される。
【0028】図2は、バックパネル25を取り除いてそ
の内部構造を示す図であり、1aはトップカバー1に設
けた、水道水を洗濯槽内に供給する注水口と風呂水供給
の吸水口とを共用化した水道水注水口兼風呂水注水口
で、この水道水注水口兼風呂水注水口1aからはソフナ
ーも投入される。
【0029】26bはポンプの吐出管、29は蓋スイッ
チ、30は水道水蛇口に接続したホース、31は水道水
を洗濯槽8内に供給する給水電磁弁である。給水電磁弁
31の吐出口31aから吐出された水の一部は、図3に
示すように呼び水供給口33の壁に当たり、呼び水ホー
ス34を介してポンプ26の気水分離室に導かれるよう
になっている。
【0030】図4は、吸水ポンプ26の内部構造を示す
もので、26aは、ケーシングカバー41と一体に形成
された吸水口であり、ホース27がここに接続される。
【0031】ケーシングカバー41には、逆止弁46を
収納する吸込室41dと仕切り壁41cとが一体に形成
されている。
【0032】ケーシング40には、モータ43を保持す
る円筒部40mと後述のポンプランナー室とメカニカル
シール48及びカップリング45を収納する室と気水分
離室の一部と冷却用水路40eとが一体に設けられてい
る。
【0033】更に、ケーシング40には、メカニカルシ
ールからの漏水を排出する水抜き穴40f,カップリン
グ45並びにモータ43の周辺に発生した蒸気を排出す
る蒸気抜き穴40g,40hが設けられている。
【0034】ケーシング40とケーシングカバー41の
間に吸い込み口を有する仕切り板44が挾み込れて固定
されている。
【0035】モータシャフト43aに絶縁材料からなる
カップリング45を介してランナーシャフト49が接続
される。カップリング45には、そのほぼ中央部に環状
の突起が形成されシール48から漏洩した水がシャフト
に沿ってモータ方向に移動するのをこの突起により防止
する。
【0036】47は、ケーシング40とケーシングカバ
ー41の接合面をシールするパッキングである。
【0037】図5は、ケーシングカバー41と仕切り板
44を取り外した状態の正面図であり、ケーシング40
と一体に形成された上ボリュート40a1 ,下ボリュー
ト40a2 によりランナー室が構成され、そこにランナ
ー42が設けられる。
【0038】40b1 及び40b2 は、それぞれ上ボリ
ュート及び下ボリュートの途中からランナーの方向に突
出した分離壁であり、ランナーの回転方向で分離壁40
1及び40b2 に近接した位置にボリュートの内外を
連通する戻り水穴40c1 及び40c2 が設けられる。
【0039】下ボリュート40a2 の上端は水平方向に
外側に向って延長された気泡防止リブ40dを構成して
いる。
【0040】ランナー42の吸い込み口を取り囲んでラ
ンナーの平面部42bよりも突出した環状の突起42a
が形成され、図4において、突起42aと仕切り板44
との間隙mは、1〜3mmとし、平面部42bと仕切り板
44との間隙は0.6〜1.2mmに設定している。
【0041】ランナー42がP方向に回転すると、ラン
ナー42で加圧された水は、上ボリュート及び下ボリュ
ートに沿って吐出室40iへ吐出され、吐出室の上部に
形成された気水分離室40kへ至る。
【0042】気水分離室40kには、図6に見られるよ
うに吐出ホース26bが接続される吐出口41aと呼び
水ホース34が接続される呼び水口41bが連通してい
る。
【0043】給水ホース27の先端を浴槽に挿入し、洗
濯機の電源スイッチを「入」にして、風呂水コーススタ
ートボタンを押すと、15秒間給水電磁弁31に通電さ
れ、水道水が給水される。
【0044】電磁弁31の吐出口31aからでた水は、
呼び水供給口33の壁に当たり、呼び水ホース34を通
してケーシングカバー41の呼び水口41bからポンプ
26の中へ呼び水として供給される。15秒経過すると
給水電磁弁31の通電が停止し、ポンプ26へ通電され
る。モータ43が回転すると、モータシャフト43a,
カップリング45,ランナーシャフト49を介して、ラ
ンナー42がP方向に回転する。
【0045】ランナー42の回転により吸込室41dは
負圧となり、逆止弁46を開いて吸水口26aに接続さ
れた吸水ホース27内の空気を吸い込み、空気と水の混
合したものを排出室40iへ送りだす。この時ランナー
42内に吸い込まれた空気は、分離壁40b1 及び40
2 ,戻り水穴40c1及び40c2,気泡防止リブ40
dの効果により、短時間で空気と水を分離する構造とし
ている。
【0046】自吸運転中ランナー42から吐出された水
には多量の空気を含んだ気水混合体となっているが、排
出室40iに至ると流速が比重の差によって空気は分離
室40kの上部に至り、水は排出室40iの下方に溜
る。ランナーの回転により分離壁40b1 及び40b2
の下流側の圧力が低下するので、排出室内の水が戻り水
穴40c1 及び40c2 を通ってボリュートの内側に流
れ込み、戻り水穴からボリュートの内側に流入した水
は、間隙m,nを通ってランナーの吸い込み側に至り空
気を一緒に巻き込んでランナーにより再び加圧されて排
出室に吐出される。
【0047】このような動作を繰り返すことにより、ホ
ース27内の空気をポンプの吐出側に移動させてホース
内が水で満たされると定常の給水運転に移行する。
【0048】上ボリュートから吐出された流体は、旋回
方向の成分を含み空気を排出室40iの下方に巻き込む恐
れがあるため一方のボリュートの上端を延長して気泡防
止リブ40dを構成し、空気の下方への巻き込みを少な
くしている。
【0049】また、自吸運転中気水分離した水の還流量
を多くする程自吸性能が良くなるが、定常運転時のポン
プ性能を低下させるので、両方の性能のバランスから間
隙m,nには、最適値が存在する。
【0050】本発明者等の実験結果によれば、間隙m
は、1〜3mm、間隙nは、0.6〜1.2mmに設定すると好
ましい性能が得られた。
【0051】気水分離室40kに連通して、冷却水路4
0eが設けられているため吸水された風呂水が冷却水路
40eを循環し、モータを冷却するとともに、モータの
騒音を吸収している。
【0052】吸込室41dと排出室40iを分離する仕
切り板44のリブ44aは、ケーシングカバー41の気
水分離室形成壁41cとはラビリンス構造で取り付けら
れている。
【0053】定常運転になると吸水された風呂水は、ラ
ンナー42を介して排出室40iに送られ、排出室40
iに送られた風呂水は、気水分離室40k,吐出ホース
26bを介して洗濯槽8内に供給される。
【0054】給水が完了すると、洗濯,濯ぎ動作が行わ
れるが、これは、従来の洗濯機と変わるところは無い。
【0055】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明は、ポンプ
ケーシングとポンプケーシングカバーを組み合わせて形
成したポンプ本体ケースと、ボリュートで形成され、内
部にポンプランナーを備えるポンプランナー室と、ポン
プランナーの吸込側に連通する吸込室と、ポンプランナ
ー室の外周に設けられ、かつポンプランナー室より吐出
される排出水を受けるとともに気水分離機能を有する排
出室とを備える洗濯機の風呂水用自吸式吸水ポンプにあ
って、前記吸込室を前記ポンプケーシングカバーに設け
るとともに風呂水を導く給水ホースが接続され、かつ吸
込室に連通する吸水口を前記ポンプケーシングカバーに
設け、前記吸水口を開け締めする逆止弁を前記吸込室内
に設け、給水電磁弁の呼び水を導く呼び水ホースが接続
される呼び水口および吐出管が接続される吐出口を前記
排出室に連通するように前記ポンプケーシングカバーに
設けたことを特徴とする洗濯機の風呂水用自吸式吸水ポ
ンプにある。
【0056】この構成によれば、次ぎのような良さが期
待できる。
【0057】(1).ポンプランナーの吸込側に連通す
る吸込室と吸水口がポンプケーシングカバーに設けてい
るので、吸水口からポンプランナーの吸込側に至る流路
構成が複雑にならないのである。
【0058】(2).給水電磁弁より供給される水道水
の呼び水は、逆止弁で給水ホース側に流出するのが阻止
されるので、ポンプの内部を満たす程度の呼び水で足
り、水道水の節水になる。
【0059】(3).吐出口、呼び水口をポンプケーシ
ングカバーの上側にまとめて設けているので、呼び水ホ
ースと吐出管の接続がポンプケーシングカバーの同じと
ころでできるため、しやすいのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明洗濯機の一実施例を示す全体的内部構造
説明図である。
【図2】図1に符号25で示すバックパネルを取り除い
てその内部構造を示した平面図である。
【図3】図2のX−X線に沿う断面図である。
【図4】風呂水吸水ポンプ26の内部構造を示す断面図
である。
【図5】ケーシングカバー仕切り板を除去して内部を示
す図である。
【図6】図5のY−Y線に沿う断面図である。
【符号の説明】
1…トップカバー、8…洗濯槽(洗濯兼脱水槽)、25
…バックパネル、26…風呂水吸水ポンプ、40…ケー
シング、40a1 ,40a2 …ボリュート、40b1
40b2 …分離壁、40c1,40c2 …戻り水穴、4
0e…冷却用通水路、40d…気泡防止リブ、40f…
水抜き穴、40g…蒸気抜き穴、40k…気水分離室、
41…ケーシングカバー、42…ランナー、43…モー
タ、44…仕切り板、45…カップリング。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鹿森 保 茨城県日立市東多賀町一丁目1番1号 株式会社 日立製作所 電化機器事業部 多賀本部内 (72)発明者 田中 信政 茨城県日立市東多賀町一丁目1番1号 株式会社 日立製作所 電化機器事業部 多賀本部内 (56)参考文献 特開 平4−91394(JP,A) 実開 昭47−13701(JP,U) 実開 昭54−56201(JP,U) 実開 昭57−144296(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04D 9/02 D06F 39/08 321

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポンプケーシングとポンプケーシングカ
    バーを組み合わせて形成したポンプ本体ケースと、ボリ
    ュートで形成され、内部にポンプランナーを備えるポン
    プランナー室と、ポンプランナーの吸込側に連通する吸
    込室と、ポンプランナー室の外周に設けられ、かつポン
    プランナー室より吐出される排出水を受けるとともに気
    水分離機能を有する排出室とを備える洗濯機の風呂水用
    自吸式吸水ポンプにあって、 前記吸込室を前記ポンプケーシングカバーに設けるとと
    もに風呂水を導く給水ホースが接続され、かつ吸込室に
    連通する吸水口を前記ポンプケーシングカバーに設け、 前記吸水口を開け締めする逆止弁を前記吸込室内に設
    け、 給水電磁弁の呼び水を導く呼び水ホースが接続される呼
    び水口および吐出管が接続される吐出口を前記排出室に
    連通するように前記ポンプケーシングカバーに設けたこ
    とを特徴とする洗濯機の風呂水用自吸式吸水ポンプ。
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