JP2995952B2 - 可変容量型圧縮機のトルク算出装置 - Google Patents

可変容量型圧縮機のトルク算出装置

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JP2995952B2
JP2995952B2 JP3261956A JP26195691A JP2995952B2 JP 2995952 B2 JP2995952 B2 JP 2995952B2 JP 3261956 A JP3261956 A JP 3261956A JP 26195691 A JP26195691 A JP 26195691A JP 2995952 B2 JP2995952 B2 JP 2995952B2
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torque
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康司 山中
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    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60HARRANGEMENTS OF HEATING, COOLING, VENTILATING OR OTHER AIR-TREATING DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR PASSENGER OR GOODS SPACES OF VEHICLES
    • B60H1/00Heating, cooling or ventilating [HVAC] devices
    • B60H1/32Cooling devices
    • B60H1/3204Cooling devices using compression
    • B60H1/3205Control means therefor
    • B60H1/3216Control means therefor for improving a change in operation duty of a compressor in a vehicle

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  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Control Of Positive-Displacement Pumps (AREA)
  • Air-Conditioning For Vehicles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両に搭載の原動機等
の駆動源によりエンジンにより駆動される可変容量型圧
縮機によって熱交換器を通し冷媒を循環させる冷凍サイ
クルを備えたシステムに係り、特に、当該システムの可
変容量型圧縮機のトルクを算出するに適したトルク算出
装置に関する。
【0002】
【従来技術】従来、例えば、特開昭62ー41951号
公報に示されているようにアイドル回転速度制御装置に
おいては、冷凍サイクルの固定容量型圧縮機のトルクが
同圧縮機の低圧側冷媒圧力をほぼ一定にするように制御
されることを前提に、エンジンの負荷として作用する圧
縮機のトルクが同圧縮機の高圧側冷媒圧力にほぼ比例し
て変化することに着目して、エンジンのアイドル回転速
度制御にあたり、当該圧縮機の高圧側冷媒圧力をトルク
に相当するものとして検出して活用するようにしたもの
がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
構成において、圧縮機として可変容量型圧縮機を採用し
た場合、そのトルクは、同圧縮機の容量の変化によって
も変化する。しかし、上述の構成においては、エンジン
のアイドル回転速度の制御にあたり、圧縮機の高圧側冷
媒圧力を考慮しているものの、同圧縮機の容量までは考
慮していない。従って、圧縮機のトルクがアイドル回転
速度制御に適正に活用されているとはいえず、エンジン
のアイドル回転速度の制御精度が低下してしまう。その
結果、例えば、圧縮機の容量が小さいときにアイドル回
転速度が高いと、燃費の悪化を招き、一方、圧縮機の容
量が大きいときにアイドル回転速度が低いと、エンスト
や不快な振動を生じるという不具合がある。
【0004】また、可変容量型圧縮機の容量をも考慮し
てトルクを決定するようにしたとしても、圧縮機の本来
のトルクが外乱等の要因により実際の値とは大きく異な
る値となってエンジンの負荷として作用する場合には、
エンジンのアイドリング状態を良好には維持できないと
いう事態が生ずるおそれがある。そこで、本発明は、以
上のようなことに対処すべく、車両に搭載の原動機等の
駆動源により駆動される可変容量型圧縮機によって熱交
換器を通し冷媒を循環させる冷凍サイクルを備えたシス
テムにおいて、可変容量型圧縮機の高圧側冷媒圧力だけ
でなく同圧縮機の容量の変化をも考慮して、駆動源の負
荷として作用する当該圧縮機のトルクを、外乱等とはか
かわりなく、精度よく算出するようにしようとするもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題の解決にあた
り、本発明の構成上の特徴は、図1にて例示するごと
く、車両に搭載した原動機等の駆動源により駆動される
可変容量型圧縮機によって凝縮器を通し冷媒を循環させ
る冷凍サイクルを備えたシステムにおいて、前記駆動源
から前記凝縮器の入り口側に回り込む空気流の温度の影
響を受けない位置に配設されて車両の外気の温度を検出
する外気温検出手段1と、前記圧縮機からの冷媒の吐出
圧を決定する吐出圧決定手段2と、車両の走行開始後の
経過時間に応じ前記空気の温度の影響を減少させるよう
に前記検出外気温を補正し、また、車両の停止後の経過
時間に応じ前記空気の温度の影響を増大させるように前
記検出外気温を補正する外気温補正手段3と、この外気
温補正手段3の補正結果に応じ前記熱交換器の熱交換能
力を決定する熱交換能力決定手段4と、前記決定吐出圧
及び前記決定熱交換能力に応じ前記圧縮機のトルクを算
出するトルク算出手段5とを設けるようにしたことにあ
る。
【0006】
【作用】このように本発明を構成したことにより、前記
冷凍サイクルが、前記駆動源により駆動される前記圧縮
機の容量に応じ、前記熱交換器を通して冷媒を循環させ
ている状態において、吐出圧決定手段2が前記圧縮機か
らの冷媒の吐出圧を決定する。また、外気温補正手段3
が、車両の走行開始後の経過時間に応じ前記空気の温度
の影響を減少させるように前記検出外気温を補正し、ま
た、車両の停止後の経過時間に応じ前記空気の温度の影
響を増大させるように前記検出外気温を補正する。する
と、熱交換能力決定手段4が外気温補正手段3の補正結
果に応じ前記熱交換器の熱交換能力を決定し、かつ、ト
ルク算出手段5が前記決定吐出圧及び前記決定熱交換能
力に応じ前記圧縮機のトルクを算出する。
【0007】
【発明の効果】以上のように、前記トルクの算出が、前
記決定吐出圧のみならず、前記圧縮機の容量をも加味し
てなされるので、前記冷凍サイクルに可変容量型圧縮機
を採用した場合の同圧縮機のトルクが精度よく得られ
る。従って、前記算出トルクを活用すれば、前記駆動源
の作動等を精度よく制御できる。また、熱交換能力決定
手段3による熱交換能力の決定に先立ち、外気温補正手
段3が、車両の走行開始後にはその経過時間に応じ前記
空気の温度の影響を減少させるように前記検出外気温を
補正し、また、車両の停止後にはその経過時間に応じ前
記空気の温度の影響を増大させるように前記検出外気温
を補正する。従って、車両の停止後の前記駆動源の無負
荷運転により同駆動源から前記凝縮器の入り口側に回り
込む空気の温度が前記検出外気温よりも上昇しても、こ
れを考慮した前記補正検出外気温との関連で熱交換能力
を決定した上でトルクを算出するので、外気温検出手段
1の位置とはかかわりなく、トルク算出を精度よくなし
得る。また、その後、当該車両を走行させた場合、上述
の回り込み空気の温度が低下してゆくこととなるが、こ
れを考慮した前記補正検出外気温との関連で熱交換能力
を決定した上でトルクを算出するので、外気温検出手段
1の位置とはかかわりなく、トルク算出を精度よくなし
得る。
【0008】
【実施例】以下、本発明のー実施例を図面により説明す
ると、図2は、車両のエンジンルーム内に搭載したエン
ジンのアイドル回転速度を、エアコンディショナの一部
を構成する冷凍サイクルRcの作動との関連にて制御す
るにあたり、本発明を適用した例を示している。エンジ
ンは吸気管10を有しており、この吸気管10内にはス
ロットル弁10aが配設されている。しかして、このス
ロットル弁10aは、当該車両のアクセルペダルの踏み
込みに伴う開度に応じ、吸気管10内への吸入空気量を
調整する。このことは、エンジンが、吸気管10内への
吸入空気量及び噴射燃料量に基づき混合気を形成し燃焼
室内に供給して燃焼させることを意味する。アイドル調
整弁10bは、吸気管10のバイパス管路10c内に介
装されており、このアイドル調整弁10bは、その開度
に応じた量でもって、スロットル弁10aの上流から下
流への吸入空気流のバイパスを許容する。
【0009】冷凍サイクルRcは、エンジンルーム内に
配設されており、この冷凍サイクルRcは可変容量型圧
縮機20を備えている。この圧縮機20は、その付設の
電磁クラッチ30の選択的係合に伴い、エンジンからベ
ルト機構を介し動力伝達を受けて駆動される。しかし
て、この圧縮機20は、その回転速度及び容量の変化に
応じ、エバポレータ40から配管P1 を通して冷媒を吸
入圧縮し、この圧縮冷媒を、高温高圧にて配管P2 内に
吐出する。凝縮器50は、エンジンルーム内にてエンジ
ンと当該車両のフロントグリルとの間に配設されてお
り、この凝縮器50は、冷却ファン50aの空冷作用に
伴い、配管P2内の圧縮冷媒を凝縮し凝縮冷媒として配
管P3内に付与する。また、この凝縮器50は、当該車
両の走行時、フロントグリルを通しエンジンルーム内に
流入する外気流を受けてエンジンに向け流動させる。気
液分離器60は、配管P3 からの凝縮冷媒をガス相成分
と液相成分とに分離し、この液相成分を循環冷媒として
配管P4 に付与する。膨張弁70は、配管P1 内の冷媒
の温度に対する感温筒70aの検出結果に応じた開度に
て、配管P4 からの冷媒を膨張させて配管P5を通しエ
バポレータ40に付与する。エバポレータ40は、配管
P5からの膨張冷媒の蒸発作用に応じ流入空気流を冷却
するとともに、同冷媒を配管P1 を通し圧縮機20に還
流する。
【0010】次に、アイドル調整弁10b及び電磁クラ
ッチ30のための電気回路構成を図2を参照して説明す
る。操作スイッチSWは、エアコンディショナを作動さ
せるとき操作されて操作信号を発生する。回転速度セン
サ80aは、圧縮機20の現実の回転速度Ncを検出し
てこの検出結果に比例する周波数にて回転速度パルスを
生ずる。車速センサ80bは、当該車両の現実の車速を
検出してこの検出結果に比例する周波数にて車速パルス
を生ずる。外気温センサ90は、フロントグリルの外気
導入口部内に配設されており、この外気温センサ90
は、当該車両の外気の温度を検出し、この検出結果を、
凝縮器50の入り口における空気の温度を表す外気温検
出信号として発生する。冷媒温センサ100は、凝縮器
50の表面に付設されており、この冷媒温センサ100
は、凝縮器50の現実の表面温度を検出し、凝縮冷媒の
温度を表す冷媒温検出信号として発生する。
【0011】波形整形器110aは回転速度センサ80
aからの各回転速度パルスを順次波形整形し回転速度整
形パルスとして発生する。波形整形器110bは回転速
度センサ80bからの各車速パルスを順次波形整形し車
速整形パルスとして発生する。A−D変換器120は、
外気温センサ90からの外気温検出信号及び冷媒温セン
サ100からの冷媒温検出信号をそれぞれディジタル変
換し外気温ディジタル信号及び冷媒温ディジタル信号と
して発生する。マイクロコンピュータ130は、図3〜
図5に示すフローチャートに従い、コンピュータプログ
ラムを、両波形整形器110a、110b及びA−D変
換器120との協働により実行し、この実行中におい
て、アイドル調整弁10b、電磁クラッチ30及び冷却
ファン50aにそれぞれ接続した各駆動回路140、1
50及び160の制御に必要な演算処理を行う。但し、
上述のコンピュータプログラムはマイクロコンピュータ
130のROMに予め記憶されている。なお、マイクロ
コンピュータ130は、当該車両のイグニッションスイ
ッチIGの閉成によりバッテリBから給電されて作動状
態となり、操作スイッチSWからの操作信号に応答して
コンピュータプログラムの実行を開始する。
【0012】ところで、本実施例において、本発明者等
は、圧縮機20の高圧側冷媒圧及び容量の双方を加味し
た同圧縮機20のトルクの決定を、以下に述べる事項に
基づき可能とした。一般に、圧縮機20のトルクをTで
表すと、このトルクTは、次の数1により表される。
【0013】
【数1】
【0014】但し、この数1において、K及びmはそれ
ぞれ定数であって、K=2/100、及びm=0.12
3とする。Phは圧縮機20の圧縮冷媒の吐出圧、即ち
高圧側冷媒圧(kg/(cm・cm)ABS)を表す。
Psは、圧縮機20の冷媒の吸入圧を表し、Ps=3
(kg/(cm・cm)ABS)とする。また、Vcは
圧縮機20の圧縮冷媒の吐出容積を表す。従って、数1
において、高圧側冷媒圧Ph及び吐出容積Vcを除く右
辺の諸量は既知の値をとるから、Ph及びVcが決定さ
れれば、トルクTの決定が可能である。
【0015】然るに、吐出容積Vcは、冷凍サイクルR
cの冷媒流量Grとの関係において次の数2を満足す
る。
【0016】
【数2】Vc=Gr/(Nc・F) 但し、数2において、Grは冷凍サイクルRcの冷媒流
量(kg/hour)を表す。また、F=9.2/10
000である。従って、圧縮機20の回転速度Ncと冷
媒流量Grが決定されれば、吐出容積Vcの決定が可能
となる。よって、冷媒流量Grの決定の可否が主要な問
題となる。
【0017】そこで、凝縮器50の入り口における温度
として利用するA−D変換器120からの外気温ディジ
タル信号の値(以下、外気温Tacという)と、凝縮器
50内の凝縮冷媒温、即ちA−D変換器120からの冷
媒温ディジタル信号の値(以下、凝縮冷媒温Trcとい
う)との間の温度差が大きい(例えば、TrcがTac
よりもかなり高い)ときには凝縮器50の放熱能力が大
きいために冷媒流量Grも多く、一方、凝縮冷媒温Tr
cと外気温Tacとの差が小さいときには冷媒流量Gr
が少ないという物理現象に着目して、TacとTrcと
の温度差に基づいて冷媒流量Grを決定することを試み
た。
【0018】一般に、凝縮器50は、圧縮機20からの
高温高圧の圧縮冷媒を冷却凝縮し気相及び液相の二相の
凝縮冷媒として流出する。然るに、凝縮器50内の冷媒
との関連において凝縮器50の放熱量Qrcを考察して
みると、この放熱量Qrcは、凝縮器50の冷媒流入口
と冷媒流出口との間の冷媒エンタルピー差△i(kca
l/kg)及び冷媒流量Grとの関係において次の数3
を満足することが知られている。
【0019】
【数3】Qrc=△i・Gr かかる場合、△iは、主に凝縮冷媒の潜熱分に相当し、
例えば、冷媒をR12としたとき、図6(A)に示すご
とく、凝縮冷媒温Trcとの関係にいて曲線Laでもっ
て特定される。そこで、この曲線Laを直線Laaでもっ
て近似すれば、次の数4が得られる。
【0020】
【数4】△i=D−E・Trc その結果、数3は、次の数5に変換される。
【0021】
【数5】Qrc=(D−E・Trc)・Gr 一方、凝縮器50の入り口の温度として利用する外気温
Tacとの関連において凝縮器50の放熱量Qacを考
察してみると、この放熱量Qacは次の数6により特定
される。
【0022】
【数6】 Qac=Gac・Φ・0.24・(Trc−Tac) 但し、Gacは凝縮器50への流入外気流量(kg/h
our)を表し、また、Φは温度効率を表す。ここで、
外気流の流速が車両の走行速度と対応し、車両の走行速
度がエンジンの回転速度にほぼ対応し、さらにエンジン
の回転速度が圧縮機20の回転速度Nc(r.p.
m.)と対応することに鑑みると、Gac・Φは、凝縮
器50の表面(即ち前面)での外気流の流速Vo(m/
s)、即ち圧縮機20の回転速度Ncとの関係において
図6(B)に示すごとく曲線Lbでもって特定される。
そこで、この曲線Lbを直線Lbbでもって近似すれば、
次の数7が得られる。
【0023】
【数7】Gac・Φ=B+C・Nc 但し、B=950及びC=0.35とする。その結果、
数6は、次の数8に変換される。
【0024】
【数8】 Qac=(B+C・Nc)・0.24・(Trc−Tac) なお、エンジンのアイドリング時には、冷却ファン50
aからの空気流量のみ故、数7において、Gac・Φ
は、一定とみなしてよい。
【0025】以上の前提のもとに、凝縮器50内の凝縮
冷媒からの放熱量Qrcは空気側へ放熱されることに基
づき、Qrc=Qacが成立する。従って、両数5及び
8より、次の数9が得られる。
【0026】
【数9】 Gr=A(B+C・Nc)(Trc−Tac)/(D−E・Trc) 但し、A=0.24、B=950、C=0.35、D=
38、及びE=0.18である。以上述べたことによ
り、トルクTの決定が可能であることが確認できた。
【0027】また、本発明者等は、上述のように圧縮機
20のトルクを演算するに必要な外気温Tacを、外気
温センサ90との関連で次の理由により補正する必要が
あることを確認した。当該車両の走行時には、外気流が
フロントグリルを通り凝縮器50内にその入り口から流
入するため、凝縮器50の入り口における空気の温度
は、ほぼ当該車両の外側の温度、即ち外気温センサ90
の検出温度にほぼ一致する。
【0028】しかし、当該車両の停止状態では凝縮器5
0に流入する外気流が存在しない。このような状態にて
エンジンのアイドリング状態が長く続くと、エンジンか
ら凝縮器50の入り口側に向け熱風が回り込むようにな
るため、凝縮器50の入り口における空気の温度が上昇
する。一方、上述のように外気温センサ90はフロント
グリルの外気導入口部内に配設されているため、外気温
センサ90の検出温度は、上述の熱風の影響を受けるこ
とがなく、当該車両の外側の温度と一致している。従っ
て、凝縮器50の入り口の空気の温度が、当該車両の外
側の温度、即ち外気温センサ90の検出温度よりも上昇
してしまうという事態が生ずる。また、このような凝縮
器50の入り口の空気の温度の上昇は、当該車両が走行
状態になると上述のように外気流が凝縮器50内にその
入り口から流入するため、走行時間の経過に伴い解消さ
れる。
【0029】以上のようなことから、当該車両のアイド
リング状態から走行状態への変化或いはその逆の変化が
生じたときこの変化後の経過時間に応じて外気温Tac
を凝縮器50の入り口の空気の温度に近づけるように補
正してやらないと、外気温センサ90でもって、当該車
両の外気の温度を凝縮器50の入り口の空気の温度に相
当するものとして検出したことにはならない場合が生ず
る。その結果、上述のトルク演算が精度よく行われない
場合が生ずる。
【0030】そこで、本発明者等は、以上のような理由
に基づき、外気温Tacを補正すべく、次の数10を導
入した。
【0031】
【数10】Tach=Tac+Tα 但し、数10において、Tachは、Tacの補正外気
温を表す。また、補正値Tαを特定するにあたり、次の
ようなデータを導入した。即ち、当該車両が走行状態か
ら停止状態に変化した後の経過時間(以下、経過時間D
idleという)と補正値Tαと間の関係を表すデータTα
ーDidle(図7(B)参照)を導入するとともに、当該
車両が停止状態から走行状態に変化した後の経過時間
(以下、経過時間Drunという)と補正値Tαと間の関
係を表すデータTαーDrun(図7(C)参照)を導入
した。但し、当該車両の停止状態は、車速(以下車速V
sという)が所定低車速Vso(例えば、6.5(km
/h))以下の状態に相当するものとする。
【0032】データTαーDidleにおいては、図7
(B)にて示すごとく、補正値Tαが、無駄時間D1の
経過後、D1≦Didle≦D2 にて、当該車両の走行状態
から停止状態への変化直前の値を基準に(Tαmax/
D2 )なる正の傾きにて増大し、その後、Tαmaxを
とるようになっている。一方、データTαーDrun にお
いては、補正値Tαが、図7(C)にて示すごとく、0
≦Drun≦D3にて、当該車両の停止状態から走行状態へ
の変化直前の値を基準に(Tαmax/D3 )なる負の
傾きにて減少し、その後、零をとるようになっている。
かかる場合、Tαmaxは、外気温Tacの補正にあた
り予測される補正値Tαの最大値を表す。但し、数1
0、所定低車速Vso、データTαーDidle 及びデー
タTαーDrunは、マイクロコンピュータ130のRO
Mに予め記憶されている。
【0033】更に、本発明者等は補正値Tαの初期値T
αiを次の理由により導入した。イグニッションスイッ
チIGを閉じた直後は、エンジンがアイドリング状態に
おかれた直後であって同エンジンから凝縮器50の入り
口側へ回り込む風は熱風ではない。従って、凝縮器50
の入り口の空気の温度は、当該車両の外気の温度に大き
く影響されると予測される。そこで、補正値Tαを、上
述の各データTαーDidle やTαーDrunとは別に、初
期的に補正すべく、その初期値Tαiを次のようなデー
タにより特定することとした。即ち、イグニッションス
イッチIGを閉じた直後の初期値Tαiと外気温Tac
との間の関係を表すデータTαiーTac(図7(A)
参照)を導入した。このデータTαiーTacにおいて
は、初期値Tαiが、図7(A)に示すごとく、0≦T
ac≦Tac1 にて零をとり、Tac1≦Tac≦Ta
c2にて、{Tαmax/2(Tac2−Tac1)}な
る正の傾きで変化し、Tac2 ≦Tacにて、(Tαm
ax/2)をとるようにしてある。但し、データTαi
ーTacは、マイクロコンピュータ130のROMに予
め記憶されている。
【0034】以上のように構成した本実施例において、
イグニッションスイッチIGの閉成によりエンジンを始
動させるとともにマイクロコンピュータ130を作動状
態におく。かかる状態において、操作スイッチSWから
操作信号を発生させると、マイクロコンピュータ130
が、図3〜図5のフローチャートに従いステップ200
にてコンピュータプログラムの実行を開始し、ステップ
210にて初期化の処理をし、変数nを「1」とセット
する。また、このステップ210における初期化の処理
にあたっては、マイクロコンピュータ130が、さら
に、A−D変換器120からの外気温Tacを補正する
ための補正値Tαの初期値Tαiを、データTαiーT
ac(図7(A)参照)に基づき外気温Tacに応じ決
定する。
【0035】上述のようにステップ210における初期
化の処理が終了すると、マイクロコンピュータ130
が、ステップ210aにて、電磁クラッチ30の係合の
ためのクラッチ出力信号及び空冷ファン50aの駆動の
ためのファン出力信号を発生する。すると、電磁クラッ
チ30が、マイクロコンピュータ130からのクラッチ
出力信号に応答して駆動回路150により駆動されて係
合し、圧縮機20がエンジンからベルト機構及び電磁ク
ラッチ30を介し動力を受けて駆動される。また、空冷
ファン50aが、マイクロコンピュータ130からのフ
ァン出力信号に応答して駆動回路160により駆動され
る。
【0036】しかして、冷凍サイクルRcにおいては、
圧縮機20が、その容量に応じ、配管P1内の冷媒を吸
入圧縮し高温高圧の圧縮冷媒として配管P2内に吐出
し、凝縮器50が、冷却ファン50aによる冷却作用に
伴い配管P2 からの圧縮冷媒を凝縮し凝縮冷媒として配
管P3内に付与し、気液分離器60が配管P3からの凝縮
冷媒中の液相成分を循環冷媒として配管P4内に付与
し、膨張弁70が配管P1内の冷媒の温度に応じ配管P4
からの冷媒を膨張させて配管P5を通しエバポレータ4
0に付与し、かつエバポレータ40がその流入冷媒の蒸
発作用に応じ流入空気流を冷却する。
【0037】ステップ210aにおける演算処理後、マ
イクロコンピュータ130が、ステップ220にて、A
−D変換器120からの外気温Tac及び凝縮冷媒温T
rcを入力され、かつ、ステップ220aにて、イグニ
ッションスイッチIGを閉じた直後であるため、「YE
S」と判別する。ついで、マイクロコンピュータ130
が、ステップ220fにて、数10に基づき外気温Ta
c及び補正値Tα=初期値Tαiに応じ補正外気温Ta
chを演算する。そして、マイクロコンピュータ130
が、ステップ220gにて、波形整形器110aからの
回転速度パルスに基づき圧縮機20の回転速度Ncを演
算し、次のステップ230において、次の数11に基づ
きステップ220における凝縮冷媒温Trc及びステッ
プ220fにおける補正外気温Tach並びにステップ
220gにおける回転速度Ncに応じ冷凍サイクルRc
の冷媒流量Gr(kg/hour)を演算する。
【0038】
【数11】 Gr=A(B+C・Nc)(Trc−Tach)/(D−E・Trc) 但し、この数11は、数9において、Tacに代えてT
achを代入したもので、マイクロコンピュータ130
のROMに予め記憶されている。
【0039】然る後、マイクロコンピュータ130が、
ステップ240にて、上述の数2に基づき演算冷媒流量
Gr及びステップ220gにおける回転速度Ncに応じ
圧縮機20の圧縮冷媒の吐出容積Vc(cc)を演算
し、かつ、ステップ250にて、次の数12に基づきス
テップ220における凝縮冷媒温Trcに応じ冷凍サイ
クルRcの高温冷媒圧Phを演算する。
【0040】
【数12】Ph=f(Trc) 但し、この数12は上述の数2とともにマイクロコンピ
ュータ130のROMに予め記憶されている。
【0041】現段階において、演算吐出容積Vcが圧縮
機20の最大吐出容積Vcm以上であれば、マイクロコ
ンピュータ130が、ステップ260にて「NO」と判
別し、ステップ260aにて、次の数13に基づきステ
ップ250における高圧冷媒圧Phに応じ圧縮機20の
トルクTaを演算する。
【0042】
【数13】
【0043】一方、演算吐出容積Vcが圧縮機20の最
大吐出容積Vcmよりも小さければ、マイクロコンピュ
ータ130が、ステップ260にて「YES」と判別
し、ステップ260bにて、次の数14に基づきステッ
プ250における高圧冷媒圧Phに応じ圧縮機20のト
ルクTbを演算する。
【0044】
【数14】
【0045】但し、数13は、数1において、T=Ta
及びVc=Vcmとおけば得られる。一方、数14は、
数1において、T=Tbとおけば得られる。また、数1
3及び数14並びに最大吐出容積Vcmは、マイクロコ
ンピュータ130のROMに予め記憶されている。
【0046】上述のようにステップ260a又は260
bでの演算処理が終了すると、マイクロコンピュータ1
30が、ステップ260aの後にはステップ260cに
てトルクTaをTnとセットし、ステップ260bの後
にはステップ260bにてトルクTbをTnとセットす
る。しかして、現段階にて、エンジンの回転速度が60
0(r.p.m.)〜700(r.p.m.)にあれ
ば、エンジンがアイドリング状態にあるとの判断のもと
に、マイクロコンピュータ130が、ステップ270に
て、ステップ220gにおける回転速度Ncとの関連に
いて「YES」と判別する。
【0047】そして、マイクロコンピュータ130が、
ステップ270aにて、圧縮機20の目標回転速度Nc
oからステップ220gにおける回転速度Ncを減算
し、この減算結果(Nco−Nc)をn=1との関連で
偏差E1 とセットする。但し、目標回転速度Ncoはマ
イクロコンピュータ130のROMに予め記憶されてい
る。次に、マイクロコンピュータ130が、ステップ2
80にてn=1に基づき「YES」と判別し、ステップ
280aにて、n=1との関連にて、E0=E1=0とセ
ットし、かつ、アイドル調整弁10bの目標開度を表す
駆動電圧V0 を初期駆動電圧V00とセットする。なお、
ステップ280aの処理は、初回のステップ280bの
演算処理を適切に行うための初期設定である。
【0048】ついで、マイクロコンピュータ130が、
ステップ280bにて、次の数15に基づき、ステップ
270aにおける偏差E1 及びステップ280aにおけ
る偏差E0=0及び駆動電圧V0に応じ駆動電圧V1を演
算する。
【0049】
【数15】 Vn=Vn-1+Kp(En−En-1)+(θ/Ti)・En 但し、Kp、θ及びTiは、それぞれ、制御定数を表
す。また、数15はマイクロコンピュータ130のRO
Mに予め記憶されている。
【0050】ステップ280bにおける演算処理が終了
すると、マイクロコンピュータ130が、ステップ29
0にて、ステップ280bにおける駆動電圧V1 を開度
出力信号として発生し、これに応答して駆動回路140
が、アイドル調整弁10bを、駆動電圧V1 に相当する
目標開度に開く。このため、スロットル弁10aの上流
から下流へのバイパス管路10cを通る空気流のバイパ
ス量がアイドル調整弁10bの目標開度により調整され
てエンジンのアイドリング状態を維持する。なお、マイ
クロコンピュータ130は、ステップ290aにて、n
=n+1=2と更新する。そして、マイクロコンピュー
タ130が、ステップ270の判別が「YES」の間、
以上述べた作動を1サイクル毎にnを加算更新しながら
繰り返す。
【0051】エンジンのアイドリング状態の成立に伴い
当該車両をアクセルペダルの踏み込みに応じ走行状態に
おくと、マイクロコンピュータ130が、上述と同様に
ステップ220aにおける「YES」との判別後コンピ
ュータプログラムをステップ270に進め、ステップ2
20gにおける最新の回転速度Ncに基づき「NO」と
判別する。すると、マイクロコンピュータ130が、ス
テップ270bにて、最新のトルクTnと1サイクル前
に演算されたトルクTn-1との差(Tn−Tn-1)をト
ルク差△Tとセットし、ステップ270cにて、次の数
16に基づき1サイクル前に演算された駆動電圧Vn-1
及びステップ270bでのトルク差△Tに応じ駆動電圧
Vnを演算する。
【0052】
【数16】Vn=Vn-1+a・△T 但し、数16においてaは定数を表す。また、数16
は、マイクロコンピュータ130のROMに予め記憶さ
れている。
【0053】しかして、マイクロコンピュータ130
が、ステップ290において、ステップ270cでの駆
動電圧Vnを開度出力信号として発生し、これに応答し
て駆動回路140がアイドル調整弁10bを駆動電圧V
nに相当する目標開度に開く。このため、スロットル弁
10aの上流から下流へのバイパス管路10cを通る空
気流のバイパス量がアイドル調整弁10bの開度により
調整される。このとき、吸気管10内のスロットル弁1
0aを介する空気流量は同スロットル弁10aの踏み込
み量に応じて調整される。また、ステップ290での演
算後、マイクロコンピュータ130が、ステップ290
aにて、n=n+1と更新してコンピュータプログラム
をステップ220に戻す。
【0054】然る後、ステップ220aにおける判別が
「NO」になると、マイクロコンピュータ130が、ス
テップ220bにて、波形整形器80bからの各車速整
形パルスに基づき車速Vsを演算する。現段階にて、車
速Vsが所定低車速Vsoよりも高ければ、マイクロコ
ンピュータ130が、ステップ220cにて、「YE
S」と判別しコンピュータプログラムをステップ220
dに進める。しかして、このステップ220dにおいて
は、マイクロコンピュータ130が、ステップ210に
おける初期値Tαiを現段階における直前の補正値Tα
として、これを基準にデータTαーDrun(図7(C)
参照)を前記負の傾き(Tαmax/D3)でもって設
定し、この設定データに基づきステップ220cにおけ
る「YES」との判別開始後の経過時間Drun に応じて
補正値Tαを決定する。ついで、マイクロコンピュータ
130が、ステップ220fにて、数10に基づきステ
ップ220における現段階の外気温Tacに応じて補正
外気温Tachを演算する。
【0055】そして、マイクロコンピュータ130が、
ステップ220g〜ステップ250にて、同演算補正外
気温Tach、現段階における凝縮冷媒温Trc及び回
転速度Ncに応じ数11に基づき冷媒流量Grを演算
し、同演算冷媒流量Gr及び回転速度Ncに応じ数2に
基づき吐出容積Vcを演算し、かつ、数12に基づき高
圧冷媒圧Phを上述と同様に演算する。さらに、マイク
ロコンピュータ130が、これらの演算結果に基づき、
ステップ260〜ステップ260dにおける演算処理、
ステップ270での「NO」との判別及びステップ27
0b〜ステップ290aにおける演算処理を上述と実質
的に同様に行う。これにより、上述と実質的に同様にア
イドル調整弁10aを介する空気流のバイパス量が調整
される。
【0056】上述のように当該車両の走行中においてス
テップ270にて「NO」との判別を繰り返す演算処理
状態にあっては、数2及び数11〜数14に基づき、冷
媒流量Gr、容積Vc及び高圧冷媒圧Phの演算を通じ
てトルクTa又はTbを繰り返し演算する。かかる場
合、外気温Tacが、イグニッションスイッチIGの閉
成直後には、データTαiーTac(図7(A)参照)
に基づく初期値Tαiに応じて補正され、また、その後
の当該車両の走行時には、データTαーDrun (図7
(C)参照)に基づく補正値Tαに応じて補正されるの
で、冷媒流量Gr、容積Vc及びトルクTa又はTb
が、補正外気温Tachを考慮して演算される。 そし
て、マイクロコンピュータ130が、ステップ270b
にて、トルクTa(又は、トルクTb)の先行値と最新
値との差をトルク差△Tとして繰り返し演算し、ステッ
プ270cにて、数16に基づき駆動電圧Vn-1及びト
ルク差△Tに応じ駆動電圧Vnを繰り返し演算し、ステ
ップ290にて同駆動電圧Vnを開度出力信号として発
生する。なお、Vc<Vcmの成立状態では数16から
容易に理解されるように、TbがVcの変化に比例して
変化するように決定される。換言すれば、駆動電圧Vn
が数16に基づき常に最新のトルク差△Tでもって繰り
返し決定される。
【0057】このような状態において当該車両を停止さ
せてそのエンジンをアイドリング状態におくと、マイク
ロコンピュータ130が、ステップ220cにて、Vs
≦Vsoに基づき「NO」と判別し、コンピュータプロ
グラムをステップ220eに進める。しかして、このス
テップ220eにおいては、マイクロコンピュータ13
0が、ステップ220dにおける最新の補正値Tαを現
段階における直前の補正値Tαとして、これを基準にデ
ータTαーDidle(図7(B)参照)を前記正の傾き
(Tαmax/D2 )でもって設定し、この設定データ
に基づきステップ220cにおける「NO」との判別開
始後の経過時間Didleに応じて補正値Tαを決定する。
ついで、マイクロコンピュータ130が、ステップ22
0fにて、数10に基づきステップ220における現段
階の外気温Tacに応じて補正外気温Tachを演算す
る。
【0058】そして、マイクロコンピュータ130が、
ステップ220g〜ステップ250にて、同演算補正外
気温Tach、現段階における凝縮冷媒温Trc及び回
転速度Ncに応じ数11に基づき冷媒流量Grを演算
し、同演算冷媒流量Gr及び回転速度Ncに応じ数2に
基づき吐出容積Vcを演算し、かつ、数12に基づき高
圧冷媒圧Phを上述と同様に演算し、ステップ270に
て、ステップ220gでの現段階における回転速度Nc
に基づき「YES」と判別する。
【0059】然る後、マイクロコンピュータ130が、
ステップ270aにて、圧縮機20の目標回転速度Nc
oからステップ220gにおける最新の回転速度Ncを
減算し、この減算結果(Nco−Nc)を偏差Enとセ
ットし、ステップ280にて、n≠1に基づき「NO」
と判別し、ステップ280bにて、数15に基づき、1
サイク前に演算された駆動電圧Vn-1(ステップ270
の判別が「NO」から「YES」になった直後は1サイ
クル前のステップ270cで演算された駆動電圧に等し
い)、1サイクル前に演算された偏差En-1及びステッ
プ270aにおける最新の偏差Enに応じ駆動電圧Vn
を演算する。
【0060】ついで、マイクロコンピュータ130が、
ステップ290にて、ステップ280bにおける駆動電
圧Vnを開度出力信号として発生し、ステップ290a
にて変数nの加算更新処理をする。上述のようにステッ
プ270における「YES」との判別に伴いステップ2
90にて開度出力信号がマイクロコンピュータ130か
ら生ずると、駆動回路140が前記開度出力信号の値、
即ち、ステップ290での駆動電圧Vnに応じてアイド
ル調整弁10bの開度を調整する。このことは、アイド
ル調整弁10bが現段階での調整開度でもってエンジン
のアイドリング状態を維持することを意味する。
【0061】以上説明したように、イグニッションスイ
ッチIGの閉成直後のエンジンのアイドリング状態から
当該車両を走行させると、ステップ270における「N
O」との判別の繰り返しのもとにコンピュータプログラ
ムの実行が繰り返される。即ち、このコンピュータプロ
グラムの実行の繰り返し状態においては、ステップ23
0〜ステップ250にて、数13に基づく冷媒流量Gr
の演算、数2に基づく容積Vcの演算及び数12に基づ
く高圧冷媒圧Phの演算が繰り返され、かつ、ステップ
260における判別の繰り返しに伴いステップ260a
(又はステップ260b)における数13(又は数1
4)に基づくトルクTa(又はトルクTb)の演算が繰
り返される。
【0062】従って、ステップ260aにおけるトルク
Ta(又はステップ260bにおけるトルクTb)が、
高圧冷媒圧Phのみならず圧縮機20の容積Vcの変化
を加味して精度よく演算されるので、精度のよいトルク
演算が簡単になし得るとともに圧縮機20の容積やトル
クの検出に必要な特殊な容量センサやトルクセンサが不
要となる。また、ステップ260a又はステップ260
bにおけるトルクの演算に先立ち、イグニッションスイ
ッチIGの閉成直後では、データTαiーTacに基づ
き外気温Tacを補正外気温Tachとして補正し、そ
の後は、データTαーDrunに基づき経過時間Drunに応
じ補正し、この補正外気温Tachに応じ数13に基づ
き冷媒流量Grを演算するので、トルクTa或いはTb
が、イグニッションスイッチIG閉成直後における外気
温Tacの補正値を考慮した上で精度よく演算されるこ
ととなる。
【0063】かかる場合、データTαiーTac或いは
データTαーDrunが、ステップ220a或いはステッ
プ220cにおける「YES」との判別時の補正値Tα
を基準に上述のように設定されるので、外気温センサ9
0の検出温度が凝縮器50の入り口における温度と異な
っていても、トルク演算の精度を高く維持し得る。従っ
て、イグニッションスイッチIGの閉成直後及びその後
のアイドル調整弁10aを介する空気流のバイパス量を
適正に調整しつつ当該車両の走行状態を円滑にし得る。
また、駆動電圧Vnがステップ260c又は260dで
のセットトルクに応じ繰り返し演算されるので、当該車
両を停止させてエンジンを再びアイドリング状態におい
たときは、ステップ270での「YES」との判別の直
前に演算された駆動電圧Vn-1(即ち、ステップ270
cで演算された駆動電圧Vn)に基づいてステップ28
0bにて駆動電圧Vnを演算し開度出力信号としてステ
ップ290にて発生し、かつこの開度出力信号の値に基
づいてアイドル調整弁10bの開度を調整する。このた
め、エンジンの再度のアイドリング状態での回転速度
が、常に適正な範囲のトルクのもとに、精度よくかつ良
好に維持され得る。
【0064】換言すれば、上述のような当該車両の走行
中において、エアコンディショナの負荷の増大に伴い圧
縮機20の容量が増大しても、この容量の増大、即ちト
ルクの増大及び駆動電圧Vnの増大を、ステップ260
a(又は260b)及びステップ270cにおいて繰り
返し演算し、かつその後、エンジンを再びアイドリング
状態においたときには、増大した駆動電圧でもってステ
ップ280bにて駆動電圧Vnを演算し開度出力信号と
して発生することとなるので、アイドル調整弁10bの
開度が、増大したエアコンディショナの負荷、即ち増大
した圧縮機20のトルクに見合う駆動電圧Vnに応じて
調整される。このため、上述のようにエンジンを再度ア
イドリング状態においても、その直前の圧縮機20の増
大トルク、即ちアイドル調整弁10bのバイパス空気流
の増大流量でもってエンジンの出力を確保できるので、
エンジンの再度のアイドル状態を回転速度の落ち込みを
伴うことなく円滑に維持できる。
【0065】また、その後、当該車両を再度走行状態に
おいたときステップ220cにおける判別が「YES」
になると、マイクロコンピュータ130が、ステップ2
20dにて、ステップ220eにおける最新の補正値T
αを基準にデータTαーDrunを設定してステップ22
0cにおける「YES」との判別後の経過時間Drunに
応じ補正値Tαを決定する。ついで、マイクロコンピュ
ータ130が、ステップ220fにて、同補正値Tαに
応じ数10に基づき補正外気温Tachを演算し、然る
後、ステップ220g〜ステップ290における演算処
理を、同補正外気温Tachを前提に上述と実質的に同
様に行う。
【0066】かかる場合、当該車両の再走行開始前にお
いてアイドリング状態にあるエンジンから凝縮器50の
入り口側に熱風が回り込んでいたため、外気温センサ9
0の検出温度に比べ凝縮器50の入り口における温度が
高くなっていても、上述のように、データTαーDrun
をステップ220cにおける「YES」との判別時のス
テップ220eにおける補正値Tαを基準に設定した上
で、補正外気温Tαを求めてトルクを演算するので、外
気温センサ90が凝縮器50の入り口から離れていて
も、トルク演算の精度を高く維持し得る。従って、当該
車両の再度の走行をアイドル調整弁10aを介する空気
流のバイパス量を適正に調整しつつを円滑にし得る。
【0067】なお、本発明の実施にあたっては、前記実
施例とは異なり、ステップ220gにおける回転速度N
cを、エンジンのアイドリング状態での値、例えば85
0(r.p.m.)に特定した上でステップ230以後
の演算処理を行うようにしてもよい。また、本発明の実
施にあたっては、前記実施例における数6による放熱量
Qacの演算に関しては、凝縮冷媒温Tbcに代えて、
凝縮器50の冷媒出口の冷媒温を採用して行ってもよ
い。
【0068】また、前記実施例においては、凝縮器50
との関連においてQac=Qrcに基づき冷媒流量Gr
を演算するようにしたが、これに代えて、エバポレータ
40との関連において以下のように冷媒流量Grを求め
るようにしてもよい。即ち、エバポレータ40の放熱量
Qreとその冷媒の潜熱分△ieとの関連を表す数17
は、数3に対応して次のように表される。
【0069】
【数17】Qre=△ie・Gr また、エバポレータ40の放熱量Qaeは数6に対応し
て次の数18により特定される。
【0070】
【数18】 Qac=Gae・Φ・0.24(Tae−Tre)・k 但し,Taeはエバポレータ40の吸気温を表す。ま
た、Treはエバポレータ40内の冷媒温(又は、エバ
ポレータ40の冷媒出口温)を表す。また、Gae・Φ
は、エアコンディショナのブロワの風量で決定される。
kは定数で「2」である。
【0071】以上より、Qae=Qreに基づき、数9
に対応して数19が成立する。
【0072】
【数19】 Gr=Gae・Φ・0.24(Tae−Tre)・k/△ie なお、前記実施例における外気温センサ90はエバポレ
ータ40の吸気温センサとして利用する。また、冷媒温
センサ100は、エバポレータ40の冷媒温センサとし
て利用する。かかる場合、当該冷媒温センサに代えて、
エバポレータ40からの流出空気流の温度を検出するエ
バ後センサを採用してもよい。
【0073】また、本発明の実施にあたっては、外気温
センサ90の取付位置は、フロントグリルに限ることな
く、エンジンからの回り込み熱風の影響を受けない位置
であれば、特に限定されない。また、本発明の実施にあ
たり、前記実施例における冷媒温センサ100は、図8
に示すごとく、凝縮器50の凝縮配管51の屈曲部に板
バネ51aにより圧接支持するようにしてもよい。ま
た、本発明の実施にあたり、数12により吐出圧Phを
求めることなく、圧力センサにより圧縮機20の吐出圧
を直接求めるようにしてもよい。また、本発明の実施に
あたっては、図7にて示した各データの傾き等を必要に
応じ適宜変更して実施してもよい。
【0074】また、本発明の実施にあたり、前記実施例
ではアイドル状態になる直前のトルクに応じてアイドル
制御の初期値を与えるようにし、トルクに応じたアイド
ル回転速度がこの初期値としてのみ与えられるものを説
明したが、これは、アイドル中の容量変化が少なくトル
ク変動も少ないため、偏差Enによるフィードバック制
御のみでアイドル回転速度を安定に制御できることを前
提にしたものである。従って、アイドル中にも容量が急
激に変化するとともにトルクが変化するものでは、アイ
ドル中にもトルクを演算し、かつこのトルクに応じてア
イドル回転速度を制御するようにしてもよい。また、前
記実施例においては、本発明をエンジンのアイドル回転
速度制御に適用した例について説明したが、これに限ら
ず、例えば、電磁クラッチ30の係合力を適正に制御す
るにあたり本発明を適用して実施してもよい。また、前
記実施例においては、圧縮機20の駆動源としてエンジ
ンを採用するようにした例について説明したが、これに
代えて、電気自動車における電動機等を圧縮機20の駆
動源として採用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】特許請求の範囲の記載に対する対応図である。
【図2】本発明の一実施例を示すブロック図である。
【図3】図2のマイクロコンピュータの作用を示すフロ
ーチャートの前段部である。
【図4】同フローチャートの中段部である。
【図5】同フローチャートの後段部である。
【図6】潜熱△iと凝縮冷媒温Trcとの関係を示すグ
ラフ及びGac・Φと外気流の流速Vc及び回転速度N
cとの関係を示すグラフである。
【図7】外気温の補正値の初期値と外気温との関係、外
気温の補正値と当該車両の停止状態への移行後の経過時
間との関係、及び外気温の補正値と当該車両の走行状態
への移行後の経過時間との関係を表すデータを特定する
グラフである。
【図8】冷媒温センサの取付位置の変形例を示す図であ
る。
【符号の説明】
Rc…冷凍サイクル、20…圧縮機、50…凝縮器、8
0…回転速度センサ、90…外気温センサ、100…冷
媒温センサ、130…マイクロコンピュータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木下 宏 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 西 保幸 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60H 1/32 623 B60H 1/32 624 B60H 1/32 625

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両に搭載した原動機等の駆動源により駆
    動される可変容量型圧縮機によって凝縮器を通し冷媒を
    循環させる冷凍サイクルを備えたシステムにおいて、 前記駆動源から前記凝縮器の入り口側に回り込む空気流
    の温度の影響を受けない位置に配設されて車両の外気の
    温度を検出する外気温検出手段と、 前記圧縮機からの冷媒の吐出圧を決定する吐出圧決定手
    段と、 車両の走行開始後の経過時間に応じ前記空気の温度の影
    響を減少させるように前記検出外気温を補正し、また、
    車両の停止後の経過時間に応じ前記空気の温度の影響を
    増大させるように前記検出外気温を補正する外気温補正
    手段と、 この外気温補正手段の補正結果に応じ前記熱交換器の熱
    交換能力を決定する熱交換能力決定手段と、 前記決定吐出圧及び前記決定熱交換能力に応じ前記圧縮
    機のトルクを算出するトルク算出手段とを設けるように
    したことを特徴とする可変容量型圧縮機のトルク算出装
    置。
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