JP2995692B2 - 流動層ボイラの層高制御装置 - Google Patents
流動層ボイラの層高制御装置Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は流動層燃焼装置に係り、
特に流動層の層高を変化させることによつて負荷制御を
行なう流動層ボイラの層高制御装置に関する。
特に流動層の層高を変化させることによつて負荷制御を
行なう流動層ボイラの層高制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】流動層ボイラでは熱回収を効果的に行な
うために、流動層内にできるだけ多くの伝熱管を埋設し
ようとするが、埋設される伝熱管が多過ぎると伝熱管の
熱吸収割合が過大になるために流動層の温度が低下し、
流動層内における安定燃焼状態が維持できなくなる。
うために、流動層内にできるだけ多くの伝熱管を埋設し
ようとするが、埋設される伝熱管が多過ぎると伝熱管の
熱吸収割合が過大になるために流動層の温度が低下し、
流動層内における安定燃焼状態が維持できなくなる。
【0003】一方、流動層に埋設される伝熱管が少ない
と、逆に流動層の温度が上がり過ぎて流動層内にクリン
カーが発生し、流動層内での流動性が悪くなる。このよ
うな点を考慮して、ボイラ定格運転時に適正な層温度が
維持できるように流動層に埋設する伝熱管の本数が決定
される。
と、逆に流動層の温度が上がり過ぎて流動層内にクリン
カーが発生し、流動層内での流動性が悪くなる。このよ
うな点を考慮して、ボイラ定格運転時に適正な層温度が
維持できるように流動層に埋設する伝熱管の本数が決定
される。
【0004】しかし、ボイラ負荷は常に一定ではなく、
定格負荷より低い場合も多々ある。ボイラ負荷が低い場
合は供給される燃料も定格運転時よりも少なく、流動層
内での発熱量も当然少ないから、相対的に伝熱管の熱吸
収割合も過大となり、そのため安定燃焼状態を維持する
ために適正な層温度が得られず、燃焼効率が悪い。ま
た、この様なことが起こらないようにするために流動層
ボイラでは層高制御が行なわれる。
定格負荷より低い場合も多々ある。ボイラ負荷が低い場
合は供給される燃料も定格運転時よりも少なく、流動層
内での発熱量も当然少ないから、相対的に伝熱管の熱吸
収割合も過大となり、そのため安定燃焼状態を維持する
ために適正な層温度が得られず、燃焼効率が悪い。ま
た、この様なことが起こらないようにするために流動層
ボイラでは層高制御が行なわれる。
【0005】以下、流動層ボイラおよび流動層ボイラの
層高制御について図7を用いて説明する。流動層ボイラ
1の底部には空気分散板2が配置され、空気分散板2の
上に流動層3が形成されて、さらにその上が空塔部4に
なっている。流動層3には伝熱管5が埋設してあるが、
この伝熱管5は流動層3の高さ方向に沿つて複数段配置
されている。石炭などの燃料は、流動層3の上方に配置
された燃料供給管6から流動層3に供給される。
層高制御について図7を用いて説明する。流動層ボイラ
1の底部には空気分散板2が配置され、空気分散板2の
上に流動層3が形成されて、さらにその上が空塔部4に
なっている。流動層3には伝熱管5が埋設してあるが、
この伝熱管5は流動層3の高さ方向に沿つて複数段配置
されている。石炭などの燃料は、流動層3の上方に配置
された燃料供給管6から流動層3に供給される。
【0006】一方、流動化用空気は風箱7から空気分散
板2を通つて流動層3内に吹き込まれ、流動層3を流動
化するとともに供給された燃料を燃焼し、流動層3を所
定の温度範囲に維持する。
板2を通つて流動層3内に吹き込まれ、流動層3を流動
化するとともに供給された燃料を燃焼し、流動層3を所
定の温度範囲に維持する。
【0007】石炭を燃料とする場合、流動層3の層温度
は約750〜950℃が好適である。流動層3の層温度
が約750℃より低いと安定した燃焼状態が得られず、
また層温度が約950℃より高いと窒素酸化物の生成が
多いうえ、流動層3内でクリンカーが形成されるので好
ましくない。
は約750〜950℃が好適である。流動層3の層温度
が約750℃より低いと安定した燃焼状態が得られず、
また層温度が約950℃より高いと窒素酸化物の生成が
多いうえ、流動層3内でクリンカーが形成されるので好
ましくない。
【0008】水などの被加熱流体は伝熱管5の入口から
導入され、伝熱管5に案内されて流動層3内を蛇行しな
がら上昇し、その間で加熱されて水蒸気となり、伝熱管
5の出口から取出される。
導入され、伝熱管5に案内されて流動層3内を蛇行しな
がら上昇し、その間で加熱されて水蒸気となり、伝熱管
5の出口から取出される。
【0009】図7の8は流動媒体を貯蔵する媒体タン
ク、9,10は流動層ボイラ1と媒体タンク8を接続す
る流動媒体供給管および流動媒体抜出管、11,12は
流動媒体供給管9および流動媒体抜出管10へ搬送媒体
を供給する搬送媒体供給管、13,14は搬送媒体供給
弁、15はフアン、16は搬送媒体供給母管、17,1
8,19はノズル、20は燃料供給量検出器、21は燃
料供給量検出信号、22は層内温度検出器、23は層内
温度検出信号、24は制御器、25,26は開、閉信
号、27は負荷変化信号である。
ク、9,10は流動層ボイラ1と媒体タンク8を接続す
る流動媒体供給管および流動媒体抜出管、11,12は
流動媒体供給管9および流動媒体抜出管10へ搬送媒体
を供給する搬送媒体供給管、13,14は搬送媒体供給
弁、15はフアン、16は搬送媒体供給母管、17,1
8,19はノズル、20は燃料供給量検出器、21は燃
料供給量検出信号、22は層内温度検出器、23は層内
温度検出信号、24は制御器、25,26は開、閉信
号、27は負荷変化信号である。
【0010】この様な構造において、従来の流動層ボイ
ラの層高制御装置では、図7に示す様に流動層3の層高
を変化させる場合、例えば層高を上昇させる場合は搬送
媒体供給弁13を開けて搬送媒体(空気)を搬送媒体供
給管11へ供給する事により、媒体タンク8内の流動媒
体を流動層ボイラ1へ供給して流動層ボイラ1の層高を
高め、層高を低減する場合は、搬送媒体供給弁14を開
けて、搬送媒体(空気)を搬送媒体供給管12へ流すこ
とによつて流動層ボイラ1内の流動媒体を媒体タンク8
へ抜出して流動層ボイラ1の層高を低くする。
ラの層高制御装置では、図7に示す様に流動層3の層高
を変化させる場合、例えば層高を上昇させる場合は搬送
媒体供給弁13を開けて搬送媒体(空気)を搬送媒体供
給管11へ供給する事により、媒体タンク8内の流動媒
体を流動層ボイラ1へ供給して流動層ボイラ1の層高を
高め、層高を低減する場合は、搬送媒体供給弁14を開
けて、搬送媒体(空気)を搬送媒体供給管12へ流すこ
とによつて流動層ボイラ1内の流動媒体を媒体タンク8
へ抜出して流動層ボイラ1の層高を低くする。
【0011】この様に流動層ボイラ1の負荷が最大のと
きは、流動媒体供給管9からの流動媒体の供給により、
流動層3の層高が最も高くなるように調整されるが、こ
の状態では伝熱管5のすべてが流動層3に埋設され、伝
熱管5の埋設面積、換言すれば流動層3との接触面積が
最大となり、流動層3からの熱吸収量がボイラ負荷に相
応する水蒸気の発生量が得られる。なおこの場合、伝熱
管5による流動層3の熱吸収量が多くても、燃料供給量
が多く発熱量が大であるから、流動層3の温度を所望値
に維持できる。
きは、流動媒体供給管9からの流動媒体の供給により、
流動層3の層高が最も高くなるように調整されるが、こ
の状態では伝熱管5のすべてが流動層3に埋設され、伝
熱管5の埋設面積、換言すれば流動層3との接触面積が
最大となり、流動層3からの熱吸収量がボイラ負荷に相
応する水蒸気の発生量が得られる。なおこの場合、伝熱
管5による流動層3の熱吸収量が多くても、燃料供給量
が多く発熱量が大であるから、流動層3の温度を所望値
に維持できる。
【0012】一方、流動層3の層高が低くなると、流動
層3内の伝熱管5の一部は流動層3から出た状態にな
り、伝熱管5の埋設面積(流動層3との接触面積)が少
なくなり、それに伴つて伝熱管5による熱吸収量は減少
する。従つて、流動層ボイラ1の低負荷時には燃料供給
量が少なく流動層3の発熱量も小さいから、前述のよう
に伝熱管5による熱吸収量を制限すれば、流動層3の温
度を所望値に維持することができる。
層3内の伝熱管5の一部は流動層3から出た状態にな
り、伝熱管5の埋設面積(流動層3との接触面積)が少
なくなり、それに伴つて伝熱管5による熱吸収量は減少
する。従つて、流動層ボイラ1の低負荷時には燃料供給
量が少なく流動層3の発熱量も小さいから、前述のよう
に伝熱管5による熱吸収量を制限すれば、流動層3の温
度を所望値に維持することができる。
【0013】つまり、図7の燃料供給量検出器20から
の燃料供給量検出信号21と、層内温度検出器22から
の層内温度検出信号23を制御器24へ入力し、負荷変
化時に燃料供給量が変わつても、層内温度が変化しない
ように層高を変えて流動層内の伝熱面積を調整するもの
である。
の燃料供給量検出信号21と、層内温度検出器22から
の層内温度検出信号23を制御器24へ入力し、負荷変
化時に燃料供給量が変わつても、層内温度が変化しない
ように層高を変えて流動層内の伝熱面積を調整するもの
である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】従来技術の流動層ボイ
ラにおける層高制御装置は、流動媒体の供給量、抜出量
が少ない領域では良好な輸送特性が得られず制御不能領
域が形成される欠点があつた。また、制御不能領域が形
成されるために幅広いターンダウンに対応する必要があ
る場合(例えば発電用流動層ボイラでは最大5%mi
n、起動時0.5%min程度)、また頻繁に流動層ボ
イラの運転、停止を繰返す場合(例えばピークロード運
用を行なう流動層ボイラ)に層高を制御できない欠点が
あつた。本発明はかかる従来の欠点を解消しようとする
もので、その目的とするところは、搬送媒体の微少流量
運転、また頻繁に運転、停止を繰返す流動層ボイラにお
いても流動媒体の供給、抜出を行なうことができ、制御
不能領域であつても流動媒体を良好に制御することがで
きる流動層ボイラの層高制御装置を提供するにある。
ラにおける層高制御装置は、流動媒体の供給量、抜出量
が少ない領域では良好な輸送特性が得られず制御不能領
域が形成される欠点があつた。また、制御不能領域が形
成されるために幅広いターンダウンに対応する必要があ
る場合(例えば発電用流動層ボイラでは最大5%mi
n、起動時0.5%min程度)、また頻繁に流動層ボ
イラの運転、停止を繰返す場合(例えばピークロード運
用を行なう流動層ボイラ)に層高を制御できない欠点が
あつた。本発明はかかる従来の欠点を解消しようとする
もので、その目的とするところは、搬送媒体の微少流量
運転、また頻繁に運転、停止を繰返す流動層ボイラにお
いても流動媒体の供給、抜出を行なうことができ、制御
不能領域であつても流動媒体を良好に制御することがで
きる流動層ボイラの層高制御装置を提供するにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の目的を達
成するために、搬送媒体供給弁をオン−オフ弁によつて
形成し、搬送媒体をパルス状に供給するようにしたもの
である。
成するために、搬送媒体供給弁をオン−オフ弁によつて
形成し、搬送媒体をパルス状に供給するようにしたもの
である。
【0016】
【作用】制御不能領域であつてもオン−オフ弁から搬送
媒体をパルス状に供給することによつて流動媒体の供
給、抜出ができるので、層高を制御することができる。
媒体をパルス状に供給することによつて流動媒体の供
給、抜出ができるので、層高を制御することができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。図1は本発明の実施例に係る流動層ボイラの層高制
御装置を示す概略構成図、図2は図1の他の実施例を示
す流動層ボイラの層高制御装置を示す概略構成図、図3
は縦軸に流動媒体量要求信号、横軸に時間を示した流動
媒体量要求信号特性図、図4は縦軸に搬送媒体量、横軸
に時間を示した搬送媒体量特性図、図5は縦軸に流動媒
体の輸送量、横軸に時間を示した輸送量特性図、図6は
縦軸に流動媒体供給管、流動媒体抜出管の差圧、横軸に
時間を示した差圧特性図であり、図中の制御不能領域に
おける破線は従来技術、実線は本発明の実施例をそれぞ
れ示す。
る。図1は本発明の実施例に係る流動層ボイラの層高制
御装置を示す概略構成図、図2は図1の他の実施例を示
す流動層ボイラの層高制御装置を示す概略構成図、図3
は縦軸に流動媒体量要求信号、横軸に時間を示した流動
媒体量要求信号特性図、図4は縦軸に搬送媒体量、横軸
に時間を示した搬送媒体量特性図、図5は縦軸に流動媒
体の輸送量、横軸に時間を示した輸送量特性図、図6は
縦軸に流動媒体供給管、流動媒体抜出管の差圧、横軸に
時間を示した差圧特性図であり、図中の制御不能領域に
おける破線は従来技術、実線は本発明の実施例をそれぞ
れ示す。
【0018】図1および図2において、符号1から27
は従来のものと同一のものを示す。28,29は搬送媒
体供給管11、搬送媒体抜出管12に設けたオン−オフ
弁、30はタイマ、31は層高検出器、32は層高検出
信号である。
は従来のものと同一のものを示す。28,29は搬送媒
体供給管11、搬送媒体抜出管12に設けたオン−オフ
弁、30はタイマ、31は層高検出器、32は層高検出
信号である。
【0019】この様な構造において、図1および図2の
実施例について説明する以前に、図3から図6を用いて
制御不能領域における搬送媒体量、流動媒体の輸送量お
よび差圧について説明する。図3の実線Aは時間経過に
伴つて流動媒体量を増加、減少させる場合を示してい
る。この流動媒体量要求信号Aに対して、従来技術の層
高制御装置においては、良好な輸送特性が得られず図3
から図6に示す制御不能領域が発生する。流動媒体の輸
送量制御は、従来より図4の破線で示すように搬送媒体
量Bの調整のより行なわれているが、図4の破線は図3
の流動媒体量要求信号Aを受けた場合の搬送媒体量Bの
特性を示している。その結果、図5に示すようにこの制
御不能領域では、搬送媒体量Bを図4の破線で示すよう
に増加しても流動媒体の輸送量Cは図5の破線で示すよ
うに変化せず輸送量=0の状態が続き、あるところから
突然流動媒体が流れ始め、流れ始めた直後は極めて急速
に輸送量が増加する。従つて、ある空気量(Qamin)近
辺では流動媒体の輸送量Cは0から点Dの間を突変す
る。またこの輸送開始の搬送媒体量も、輸送粒子の粒
径、比重、形状、温度によつて異なるため、この制御不
能領域での流動媒体の輸送量の円滑な定量制御は不可能
である。この原因は、図4に示すように搬送媒体量Bを
増加しても、ある一定量(Qam in)以下では流動媒体の
粒子と壁面の摩擦抵抗があり、流動媒体供給管9、流動
媒体抜出管10との差圧Eが図6に示すように増加する
が流動媒体は動かない。この間の供給した搬送媒体量は
粒子間隙をすり抜けるだけで、流動媒体の輸送に寄与し
ないからである。
実施例について説明する以前に、図3から図6を用いて
制御不能領域における搬送媒体量、流動媒体の輸送量お
よび差圧について説明する。図3の実線Aは時間経過に
伴つて流動媒体量を増加、減少させる場合を示してい
る。この流動媒体量要求信号Aに対して、従来技術の層
高制御装置においては、良好な輸送特性が得られず図3
から図6に示す制御不能領域が発生する。流動媒体の輸
送量制御は、従来より図4の破線で示すように搬送媒体
量Bの調整のより行なわれているが、図4の破線は図3
の流動媒体量要求信号Aを受けた場合の搬送媒体量Bの
特性を示している。その結果、図5に示すようにこの制
御不能領域では、搬送媒体量Bを図4の破線で示すよう
に増加しても流動媒体の輸送量Cは図5の破線で示すよ
うに変化せず輸送量=0の状態が続き、あるところから
突然流動媒体が流れ始め、流れ始めた直後は極めて急速
に輸送量が増加する。従つて、ある空気量(Qamin)近
辺では流動媒体の輸送量Cは0から点Dの間を突変す
る。またこの輸送開始の搬送媒体量も、輸送粒子の粒
径、比重、形状、温度によつて異なるため、この制御不
能領域での流動媒体の輸送量の円滑な定量制御は不可能
である。この原因は、図4に示すように搬送媒体量Bを
増加しても、ある一定量(Qam in)以下では流動媒体の
粒子と壁面の摩擦抵抗があり、流動媒体供給管9、流動
媒体抜出管10との差圧Eが図6に示すように増加する
が流動媒体は動かない。この間の供給した搬送媒体量は
粒子間隙をすり抜けるだけで、流動媒体の輸送に寄与し
ないからである。
【0020】そこで、本発明の実施例においては、流動
媒体量要求信号Aが制御不能領域であつても流動媒体が
流れるよう、Qamin近辺の搬送媒体量を流すところに特
徴がある。しかし、Qamin近辺の搬送媒体量を連続して
流した場合、流動媒体の輸送量も制御不能領域以上とな
つてしまうので、図4の実線で示すように搬送媒体量F
をパルス状に供給し、この制御不能領域での流動媒体の
輸送量の制御は、搬送媒体量の量ではなくパルスの周期
によつて行なう。この様に搬送媒体量Fを図4の実線で
示すようにパルス周期を徐々に増加することによつて流
動媒体の輸送量Gを図5の実線で示すようにほぼ直線的
に増加させることができる(図5の点Dまで)。その時
の差圧Hは図6の実線で示すようになる。この時、パル
ス周期が大きくなり過ぎると流動層内への流動媒体の輸
送量の不連続性が顕著となるので、負荷変化時の燃料供
給量の変化量と流動層高の変化量とのマツチングが取れ
なくなり、一時的な層温度の変動が生ずる。発明者らの
行なつた実験では、このパルス周期は数sec〜60s
ec程度の範囲で行なうことが望ましいという結果を得
ている。
媒体量要求信号Aが制御不能領域であつても流動媒体が
流れるよう、Qamin近辺の搬送媒体量を流すところに特
徴がある。しかし、Qamin近辺の搬送媒体量を連続して
流した場合、流動媒体の輸送量も制御不能領域以上とな
つてしまうので、図4の実線で示すように搬送媒体量F
をパルス状に供給し、この制御不能領域での流動媒体の
輸送量の制御は、搬送媒体量の量ではなくパルスの周期
によつて行なう。この様に搬送媒体量Fを図4の実線で
示すようにパルス周期を徐々に増加することによつて流
動媒体の輸送量Gを図5の実線で示すようにほぼ直線的
に増加させることができる(図5の点Dまで)。その時
の差圧Hは図6の実線で示すようになる。この時、パル
ス周期が大きくなり過ぎると流動層内への流動媒体の輸
送量の不連続性が顕著となるので、負荷変化時の燃料供
給量の変化量と流動層高の変化量とのマツチングが取れ
なくなり、一時的な層温度の変動が生ずる。発明者らの
行なつた実験では、このパルス周期は数sec〜60s
ec程度の範囲で行なうことが望ましいという結果を得
ている。
【0021】以下、図1について説明するが、負荷増加
時は、搬送媒体供給管11に設けられたオン−オフ弁2
8を開けて媒体タンク8内の媒体を流動層3へ押込み層
高を上昇させる。従つて燃料供給量が増加しても伝熱管
5の層内伝熱面積もそれに伴つて増加するため層内温度
は一定に保たれることになる。負荷減少時は、流動媒体
抜出管10に設けられたオン−オフ弁29を開けて流動
層3内の媒体を媒体タンク8へ抜出すことにより層高を
低下させ、前述と同様に層温が一定に保たれる。
時は、搬送媒体供給管11に設けられたオン−オフ弁2
8を開けて媒体タンク8内の媒体を流動層3へ押込み層
高を上昇させる。従つて燃料供給量が増加しても伝熱管
5の層内伝熱面積もそれに伴つて増加するため層内温度
は一定に保たれることになる。負荷減少時は、流動媒体
抜出管10に設けられたオン−オフ弁29を開けて流動
層3内の媒体を媒体タンク8へ抜出すことにより層高を
低下させ、前述と同様に層温が一定に保たれる。
【0022】負荷変化時は、制御器24では負荷変化信
号27を受けてオン−オフ弁28又は29の開閉時間を
演算し、タイマ30を作動させそれにもとずきオン−オ
フ弁28又は29へ開閉信号25,26を送る。開閉信
号25,26を受けたオン−オフ弁28又は29は全開
した後一定時間後全閉となり、パルス状に供給されて媒
体は輸送される。この時火炉層高を層高検出器31で検
出し、制御器24ではその検出された層高検出信号32
と、負荷変化信号27から要求される層高との偏差によ
り、オン−オフ弁28又は29の開閉頻度は修正され、
負荷変化中でも層高は常に目標値になるよう運転され
る。
号27を受けてオン−オフ弁28又は29の開閉時間を
演算し、タイマ30を作動させそれにもとずきオン−オ
フ弁28又は29へ開閉信号25,26を送る。開閉信
号25,26を受けたオン−オフ弁28又は29は全開
した後一定時間後全閉となり、パルス状に供給されて媒
体は輸送される。この時火炉層高を層高検出器31で検
出し、制御器24ではその検出された層高検出信号32
と、負荷変化信号27から要求される層高との偏差によ
り、オン−オフ弁28又は29の開閉頻度は修正され、
負荷変化中でも層高は常に目標値になるよう運転され
る。
【0023】図1のものと図2のものの異なる点は、図
1のものにおいては流動媒体供給管9、流動媒体抜出管
10が一本であつたが、図2のものは流動媒体供給管
9、9、流動媒体抜出管10、10を複数にした点であ
る。流動媒体の搬送量が低下した時は、流動媒体供給管
9、9、流動媒体抜出管10、10の使用する系列数を
減少させて運転ができるようにしたものである。この実
施例の効果は、層高変化の不連続による層温度の変動を
防止できる点にある。即ち、負荷変化中燃料は連続的に
変化していくが、この時パルス頻度が著しく減少し、層
高変化が極めて不連続になると、入出熱のアンバランス
が生じ層温度が変動し、それによつてNOX 、SOX の
変動、蒸気温度の変動が大きくなるが、図2に示す実施
例では、流動媒体の輸送量が減少しても、パルス頻度
は、ある一定値以上確保されるため、負荷変化時の環境
値、蒸気温度の変動が抑制できる。
1のものにおいては流動媒体供給管9、流動媒体抜出管
10が一本であつたが、図2のものは流動媒体供給管
9、9、流動媒体抜出管10、10を複数にした点であ
る。流動媒体の搬送量が低下した時は、流動媒体供給管
9、9、流動媒体抜出管10、10の使用する系列数を
減少させて運転ができるようにしたものである。この実
施例の効果は、層高変化の不連続による層温度の変動を
防止できる点にある。即ち、負荷変化中燃料は連続的に
変化していくが、この時パルス頻度が著しく減少し、層
高変化が極めて不連続になると、入出熱のアンバランス
が生じ層温度が変動し、それによつてNOX 、SOX の
変動、蒸気温度の変動が大きくなるが、図2に示す実施
例では、流動媒体の輸送量が減少しても、パルス頻度
は、ある一定値以上確保されるため、負荷変化時の環境
値、蒸気温度の変動が抑制できる。
【0024】この様に実施例によれば、微少流量まで良
好な粒子輸送量の制御が可能になり、幅広いターンダウ
ン性能が得られる。従つて、層高変化によるボイラ負荷
制御を行なう流動層ボイラでは、負荷追従性が向上し、
負荷変化時の蒸気温度、蒸気圧力の変化を少なくするこ
とができる。また、流動媒体の供給、抜出し量が微調整
できるので負荷変化中の層温度も一定に維持でき、NO
X 、SOX 等環境性能も向上できる効果がある。流動媒
体の供給と抜出運転相互の切替、即ち微少流量運転の繰
返しも容易に行なうことができるので、媒体供給量、抜
出量のオーバーシユート操作が簡単にでき、負荷変化後
の条件整定が速い。即ち負荷変化過渡時の燃料の無駄が
少なく、経済性にも優れている。
好な粒子輸送量の制御が可能になり、幅広いターンダウ
ン性能が得られる。従つて、層高変化によるボイラ負荷
制御を行なう流動層ボイラでは、負荷追従性が向上し、
負荷変化時の蒸気温度、蒸気圧力の変化を少なくするこ
とができる。また、流動媒体の供給、抜出し量が微調整
できるので負荷変化中の層温度も一定に維持でき、NO
X 、SOX 等環境性能も向上できる効果がある。流動媒
体の供給と抜出運転相互の切替、即ち微少流量運転の繰
返しも容易に行なうことができるので、媒体供給量、抜
出量のオーバーシユート操作が簡単にでき、負荷変化後
の条件整定が速い。即ち負荷変化過渡時の燃料の無駄が
少なく、経済性にも優れている。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、搬送媒体の微少流量運
転、また頻繁に運転、停止を繰返す流動層ボイラにおい
ても流動媒体の供給、抜出しを行なうことができ、制御
不能領域であつても流動媒体を良好に制御できる。
転、また頻繁に運転、停止を繰返す流動層ボイラにおい
ても流動媒体の供給、抜出しを行なうことができ、制御
不能領域であつても流動媒体を良好に制御できる。
【図1】本発明の実施例に係る流動層ボイラの層高制御
装置を示す概略構成図である。
装置を示す概略構成図である。
【図2】他の実施例を示す流動層ボイラの層高制御装置
を示す概略構成図である。
を示す概略構成図である。
【図3】縦軸に流動媒体量要求信号、横軸に時間を示し
た流動媒体量要求信号特性図である。
た流動媒体量要求信号特性図である。
【図4】縦軸に搬送媒体量、横軸に時間を示した搬送媒
体量特性図である。
体量特性図である。
【図5】縦軸に流動媒体の輸送量、横軸に時間を示した
輸送量特性図である。
輸送量特性図である。
【図6】縦軸に流動媒体供給管、流動媒体抜出管の差
圧、横軸に時間を示した差圧特性図である。
圧、横軸に時間を示した差圧特性図である。
【図7】従来技術に係る流動層ボイラの層高制御装置を
示す概略構成図である。
示す概略構成図である。
1 流動層ボイラ 8 媒体タンク 9 流動媒体供給管 10 流動媒体抜出管 11 搬送媒体供給管 12 搬送媒体供給管 13 搬送媒体供給弁 14 搬送媒体供給弁 28 オン−オフ弁 29 オン−オフ弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 恭功 広島県呉市宝町6番9号 バブコツク日 立株式会社 呉工場内 (56)参考文献 特開 平4−110509(JP,A) 特開 平1−179807(JP,A) 特開 平3−99106(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F23C 11/02 F22B 1/02
Claims (1)
- 【請求項1】 流動層ボイラと流動媒体を貯蔵する媒体
タンクを流動媒体供給管と流動媒体抜出管によつて接続
すると共に、流動媒体供給管と流動媒体抜出管に搬送用
媒体を供給する搬送媒体供給管と搬送媒体供給弁を設
け、搬送媒体供給弁の開、閉により流動媒体の供給、抜
出を行なうものにおいて、 前記搬送媒体供給弁をオン−オフ弁によつて形成し、搬
送用媒体をパルス状に供給するようにしたことを特徴と
する流動層ボイラの層高制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3211419A JP2995692B2 (ja) | 1991-07-30 | 1991-07-30 | 流動層ボイラの層高制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3211419A JP2995692B2 (ja) | 1991-07-30 | 1991-07-30 | 流動層ボイラの層高制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0533907A JPH0533907A (ja) | 1993-02-09 |
JP2995692B2 true JP2995692B2 (ja) | 1999-12-27 |
Family
ID=16605647
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3211419A Expired - Fee Related JP2995692B2 (ja) | 1991-07-30 | 1991-07-30 | 流動層ボイラの層高制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2995692B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100620493B1 (ko) * | 1998-08-07 | 2006-09-05 | 가부시키가이샤 브리지스톤 | 탄화규소소결체 및 그 제조방법 |
-
1991
- 1991-07-30 JP JP3211419A patent/JP2995692B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0533907A (ja) | 1993-02-09 |
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |