JP2995125B2 - 表示材料及びその製造方法 - Google Patents

表示材料及びその製造方法

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JP2995125B2 JP4315195A JP31519592A JP2995125B2 JP 2995125 B2 JP2995125 B2 JP 2995125B2 JP 4315195 A JP4315195 A JP 4315195A JP 31519592 A JP31519592 A JP 31519592A JP 2995125 B2 JP2995125 B2 JP 2995125B2
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征夫 井口
眞浩 瀬尾
和久 安住
重世 渡辺
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  • Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、TiNセラミック被
膜の電解着色(エレクトロクロシズム)現象を活用した
表示材料及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、金属製品の商品価値を高めるため
に、湿式めっきや塗装などの手段によって、その表面に
着色を施すことが行われ、さらに近年に至っては、金属
材料自体を発色させて、その外観のより一層の美麗化が
試行されている。特に最近では、大表面積を有する冷延
鋼板やステンレス鋼板等の商品価値を高めるため、蒸
着、スパッタリング及びイオンプレーティング等の乾式
めっき法を利用して鋼板表面に着色被膜を被成する試み
がなされている。例えば、表面上にTiN,Zr,Ta
及びNb等を被覆した鋼板に、陽極酸化処理を施して表
面に薄い酸化被膜を形成し、光の干渉作用によって発色
させるいわゆる発色処理を施すことによって、表面外観
のより一層の美麗化が図られている(例えば特開昭53−
119734号公報,特開昭56−153318号公報及び特公昭55-1
9319号公報等)。上記のように、鋼板自身(主としてス
テンレス鋼板が主に使用されている)又はTiN,Z
r,Ta及びNb等を被覆した鋼板を良好に発色させる
ためには、緻密で均一な酸化被膜を形成する必要がある
のは言うまでもなく、酸化被膜と鋼板との密着性が良好
で、耐食性にも優れていること、さらに均一な膜質の金
属被膜を被成することが重要であるとされている。
【0003】これとは別に、発明者らは先に、特開平2
−118062号公報において、HCD法を用いたイオンプレ
ーティング処理によって、低炭素鋼板又はステンレス鋼
板の表面にTiNからなるセラミック被膜を被成したの
ち、該セラミック被膜の一部又は全面を陽極酸化処理に
より発色させることからなる発色セラミック被膜鋼板の
製造方法を開示した。
【0004】しかしながら上述した技術はいずれも、一
度発色処理を施した後は、色が変色したり、消えたりし
ないようにすることを重要視していたため、その用途に
は自ずから限界があった。この点、色調の変更が可能な
材料としては、従来わずかに、WO3 薄膜(透明)が知
られていて、水溶液中でカソード分極すると青色に変色
し、さらにアノード分極すると再び透明に戻る電解着色
(エレクトロクロミズム)現象が知られていた。しかし
ながら、このWO3 薄膜は製造コストが高価につくだけ
でなく、工業的に安定して作成するにはまだ改良すべき
多くの問題が残されており、現在までのところ商品化さ
れるまでには至っていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、プラズマ
を利用したイオンプレーティング法を用いて基板表面上
に被覆したTiN膜を、中性水溶液中でアノード分極し
た後、引き続きカソード分極すると、TiN被膜が黄金
色から黒色へと変化し、再びアノード分極すると極めて
安定して黄金色に変化するという、新たに見出された電
解着色現象に基づいて完成されたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわちこの発明は、金
属基板の表面に、電位変化に応じて色調が可逆的に変化
するTiN被膜をそなえることを特徴とする表示材料で
ある。またこの発明は、金属基板表面上に、イオンプレ
ーティング法によってTiN被膜を被成したのち、中性
溶液中にてアノード分極及びカソード分極を交互に繰返
し行うことを特徴とする表示材料の製造方法である。
【0007】この発明に従い得られたTiN膜は、アノ
ード分極とカソード分極を繰り返すことにより、黄金色
と黒色との変色が可逆的に生じ、しかもこの変色過程は
TiN膜の電位変化に迅速に応答することから、表示材
料として極めて有用なものと言える。
【0008】以下、この発明を由来するに至った実験結
果について説明する。さて発明者らは、HCD法による
イオンプレーティングを用いてステンレス鋼板(0.7 mm
×350 mm×350 mm)の表面に、約2μm厚のTiN被膜
を被成した。この時のイオンプレーティング条件は、H
CD電流:500 A,HCD電圧:40V,基板温度:250
℃、バイアス電圧:50Vである。ついでTiN被膜試料
を15mm×30mmの寸法に切断し、この試料をアセトンで超
音波洗浄し、シリコンシーランドで被覆したのち、中性
水溶液(pH 8.4のほう酸塩水溶液、液温:25℃, 窯で12
時間以上脱気)中でポテンシオシタットを用いて5.2 V
(SHE)で2時間以上分極を続けた。その後、さらに
5.2V(SHE)と−4.8 V(SHE)の分極電位でア
ノード分極とカソード分極とを1秒間隔で繰り返したと
ころ、次第に、カソード分極の際には試料表面が黒色と
なり、一方アノード分極の際には元の黄金色に戻るよう
になった。引き続きこの操作を20回以上繰り返したとこ
ろ、黄金色と黒色との間の色調変化は、時定数1秒間以
内で迅速かつ可逆的に進行するようになった。
【0009】
【作用】このような電解着色法によるTiN被膜の黄金
色と黒色との可逆的色調変化は、この発明で初めて解明
されたものであるが、その色調変化のメカニズムは次の
とおりと考えられる。TiN薄膜をアノード分極する
と、まず薄膜の表面層が次式(1) の反応によりTiO2
に変質する。
【数1】 TiN+2H2 O→TiO2 +1/2N2 +4H+ +4e ---(1) このTiO2 は透明であるため、下地TiNの黄金色は
アノード分極しても変化せず、従って被膜全体としては
黄金色を呈する。このようなアノード分極後、カソード
分極すると、溶液からH+ イオンが侵入し、TiO2
TiOOHまで還元する。このTiOOHは黒色を呈す
るので、被膜全体としては黒色となる。次にTiNの表
面層に存在するTiOOHを再びアノード分極すると、
TiO2に戻り透明となるため、再びTiNの黄金色が
鮮明に表れるようになる。
【0010】次に、この発明の製造工程について述べ
る。金属基板としては、従来公知の金属板いずれもが適
合するが、とくに鋼帯、低炭素冷延鋼板及びステンレス
鋼板などはとりわけ有効である。次に、これらの金属基
板上に、必要に応じて洗浄した後、イオンプレーティン
グ法によってTiN被膜を被成する。このイオンプレー
ティング法によるTiN被膜の被成に際しては、従来公
知のHCD、アーク放電、マルティ・アーク及びEB+
RF法等いずれの方法を用いても良いが、イオン化率の
高く、平滑性、均一性及び密着性に優れたTiN被膜が
得易い方式を用いる方がより好ましい。
【0011】ついでTiN被膜表面を洗浄後、中性水溶
液中で、アノード分極とカソード分極とを交互に行う。
この中性水溶液としては、例えば、ほう酸水溶液など従
来公知のどのようなものを用いても良い。またこのとき
の分極電位は、アノード分極の場合は+0.5 〜+20V,
カソード分極の場合は−1.5 〜−10V程度とするのが好
ましい。さらにアノード分極とカソード分極との繰り返
し処理回数は、20回程度が好ましい。かくして得られた
TiN被膜は、アノード分極とカソード分極の切り換え
により、0.01〜10秒間程度の短時間で迅速かつ可逆的に
変色するようになる。
【0012】
【実施例】C:0.01wt%(以下単に%で示す), Si:
0.21%,Mn:0.6 %,P:0.02%及びCr:12.8%を
含有するステンレス鋼板(0.7 mm×350 mm×350 mm)
を、脱脂したのち、HCD方式のイオンプレーティング
(加速電圧:40V,加速電流:500 VA, バイアス電
圧:50V,真空度:7×10-4Torr) により、厚み:1.5
μm のTiN被膜を被成した。 ついで、鋼板を15mm×
30mmの寸法に切断し、超音波洗浄を施した後、中性水溶
液中にて分極電位:5.0 V,−4.5 Vでアノード分極と
カソード分極を交互に施した。この時、カソード分極で
は表面が黒色となり、一方アノード分極では表面が黄金
色となった、この操作を20回以上繰り返したところ、色
調が迅速に変化するようになり、その後はアノード分極
電位を1Vまで下げ、カソード分極電位を−1.5 Vまで
上げても、変色は迅速かつ安定して進行するようになっ
た。
【0013】
【発明の効果】かくしてこの発明によれば、分極電位の
切り換えによって、TiN被膜の色調を迅速かつ安定し
て変化させることができ、特に表示材料としての用途に
おいて偉効を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 重世 北海道札幌市東区11条東1丁目9−30 コーポ真鍋308号 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02F 1/15 - 1/163

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属基板の表面に、電位変化に応じて色
    調が可逆的に変化するTiN被膜をそなえることを特徴
    とする表示材料。
  2. 【請求項2】 金属基板表面上に、イオンプレーティン
    グ法によってTiN被膜を被成したのち、中性溶液中に
    てアノード分極及びカソード分極を交互に繰返し行うこ
    とを特徴とする表示材料の製造方法。
JP4315195A 1992-11-25 1992-11-25 表示材料及びその製造方法 Expired - Fee Related JP2995125B2 (ja)

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