JPH06212401A - 複合ステンレス鋼板 - Google Patents

複合ステンレス鋼板

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Publication number
JPH06212401A
JPH06212401A JP462793A JP462793A JPH06212401A JP H06212401 A JPH06212401 A JP H06212401A JP 462793 A JP462793 A JP 462793A JP 462793 A JP462793 A JP 462793A JP H06212401 A JPH06212401 A JP H06212401A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stainless steel
steel sheet
corrosion resistance
metal
film
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Pending
Application number
JP462793A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Hattori
憲治 服部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP462793A priority Critical patent/JPH06212401A/ja
Publication of JPH06212401A publication Critical patent/JPH06212401A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】密着性に優れ、異種金属接触腐食が生ぜず、耐
食性に優れたものとする。 【構成】鋼中のクロム濃度が8.0 wt%以上であるステン
レス鋼板において、その表面が合計の厚さで0.2〜3
0μmの1層あるいは2層以上の有機樹脂層で被覆さ
れ、さらにその表面が合計で0.02〜30μmの厚さで、
1層あるいは2層以上の金属あるいはセラミックスによ
る被覆層を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐食性に優れかつ表面
が美麗であるめっき被覆層を有する複合ステンレス鋼板
に関する。
【0002】
【従来の技術】ステンレス鋼板は、その優れた耐食性と
表面の美麗な色調より、建築建材を始めとして幅広く用
いられている。また近年は、嗜好の多様化、高級化に伴
い、従来のめっき炭素鋼板が用いられていたような分野
においても、めっき炭素鋼板よりも高級なステンレス鋼
板を利用することが多くなった。
【0003】ステンレス鋼板は、陽極酸化法等によって
意匠性に富んだ美麗な表面着色を施すことができること
から、その金属光沢を生かしたまま使用されることが多
い。
【0004】特に近年は、PVD法、CVD法といった
気相蒸着法、湿式めっき法を用いて、ステンレス鋼材表
面になんらかの物質をめっきして、金属色調のまま耐食
性の一層の向上や、あるいは耐食性以外の機能を付加し
てより高機能化を図ったりすることも行われている。具
体的には、イオンプレーティング法でステンレス鋼板表
面にTi、Cr、Ni、Al等の金属やTiN、Al
N、TiCN等のセラミックス膜を蒸着することの研究
も行われている。
【0005】しかしながら、ステンレス鋼板上に金属、
またはセラミックス膜を形成する場合には、蒸着基板の
表面粗さや蒸着物質の成長方向に起因するピンホール欠
陥が多数生成することがしばしば起こる。そのため、た
とえ耐食性に優れた物質を蒸着したとしても、耐食性の
劣る蒸着基板表面がピンホールを介して露出することに
より、蒸着材による耐食性の向上が見られないこともあ
った。
【0006】また、蒸着物質と蒸着基板の耐食性が大き
く異なる場合には、異種金属接触腐食(ガルバニック腐
食)が起こる。したがって、耐食性に優れた金属あるい
はセラミックスを蒸着しても、この異種金属接触腐食の
ため、蒸着基板と比較して、かえって耐食性が劣ること
もあった。このことは、他のめっき法の場合にも同様で
ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術における
ピンホール欠陥を完全になくすためには、非常に厚い蒸
着膜などの被覆層を形成する必要がある。これではその
被覆層の密着性が低下しかつ製造コストが嵩むものとな
る。
【0008】さりとて、ステンレス基板表面に直接的に
被覆層を形成しようとしても、異種金属接触腐食を防止
するためには、母材と被覆層との組合せに大きな制約を
生じるものであり、またこれは実際的に困難なことが多
い。
【0009】したがって本発明の課題は、密着性に優
れ、異種金属接触腐食が生ぜず、耐食性に優れたものと
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題は、鋼中のクロ
ム濃度が8.0 wt%以上であるステンレス鋼板において、
その表面が合計の厚さで0.2〜30μmの1層あるい
は2層以上の有機樹脂層で被覆され、さらにその表面が
合計で0.02〜30μmの厚さで、1層あるいは2層以上
の金属あるいはセラミックスによる被覆層を有すること
で解決できる。
【0011】この場合、前記鋼板表面と有機樹脂層の最
下層との間に、クロメート被膜を有するのが好適であ
る。
【0012】前記の基板にめっきする金属またはセラミ
ックスは、基板である8.0 wt%以上のCrを含有するス
テンレス鋼の耐食性を高めるものが望ましく、具体的に
はTi、Cr、Ni、Ta、Mo、W、Si、Cu、N
b、Al等の金属や、TiN、TiC、SiO2 、Si
3 4 、Al2 3 等のセラミックスの1種または2種
以上のものを使用できる。
【0013】
【作用】以下、本発明における個々の限定理由を説明す
るとともに、その作用を説明する。
【0014】(1)鋼中のCr濃度 Crは本発明に係わる鋼母材の耐食性を決定する最も重
要な添加元素である。
【0015】本発明で規定される被覆層は、合計で30
μm 以下の薄層であるため、外的要因によって母材まで
到達する疵はどうしても避けられず、また端面部等の腐
食の観点からも、鋼母材において十分な耐食性を確保し
ておく必要がある。この見地からCrは、母材の耐食性
を確保するために、Crの含有量を8.0 wt%以上とし
た。逆に8.0 wt%未満のCr含有量では耐食性が充分で
ない。
【0016】(2)有機樹脂皮膜層 異種金属接触腐食とは、異種金属が接触したとき、双方
の電位差により耐食性の劣る方がさらに腐食されやすく
なる性質を有するものである。したがって、異種金属の
接触、すなわちステンレス鋼母材と金属またはセラミッ
クスからなる被膜層との間を絶縁体で遮蔽すれば異種金
属腐接触腐食は生じない。そこで、本発明に従って、有
機被膜樹脂層をステンレス鋼母材と金属またはセラミッ
クスからなる皮膜層との間に施すことで、その有機樹脂
皮膜層が絶縁体として働き、異種金属接触腐食を防止す
ることができる。
【0017】一方、この有機樹脂皮膜層を有するため、
母材とめっきが直接接触しないこととなり、ステンレス
鋼母材の表面粗さに起因するピンホール欠陥発生を防止
できる。また、仮にピンホールが発生したとしても、こ
の有機樹脂皮膜層が母材全体を覆っているため、母材と
外部との接触を妨げ、腐食防止の効果を有するものであ
る。
【0018】皮膜形成に使用する有機樹脂の種類は特に
限定しないが、密着性の観点から、エポキシ樹脂系であ
ることが望ましい。また、ステンレス鋼母材と有機樹脂
皮膜層との密着性を確保するために、有機樹脂をコーテ
ィングする前にステンレス母材表面にクロメート被膜を
生成させることが望ましい。
【0019】有機樹脂皮膜層は、少なくとも0.2μm
の厚さがなければ母材とめっき層の絶縁性、母材の保護
性が得られず、30μmを超えてコーティングすると、
密着性が劣化し、加工性が悪化する。したがって、有機
樹脂皮膜層の厚さを0.2〜30μmと限定した。有機
樹脂による皮膜を形成する手段としては、一般に用いら
れているロール転写法等がある。
【0020】(3)金属、セラミックス被覆層 最表面に形成する金属またはセラミックス被覆層は、ス
テンレス鋼の表面色調を決定するほか、複合ステンレス
鋼材全体としての耐食性を決定する。また、中間層であ
る有機樹脂皮膜層の劣化の原因となる大気中の水分、紫
外線のバリア膜の役割も持つ。
【0021】その材料としては、有機樹脂皮膜に対する
ものであるために、母材との組合せに制限されることな
く、材料の選択範囲が広くなる。
【0022】被覆層膜厚が0.02μm未満では、その表面
色調が現出せず、バリア層としての働きも弱い。また、
30μmを超えると、加工性が悪化する。よって、その
膜厚を0.02〜30μmと限定した。このとき、バリア層
としての働き向上のため望ましくは被覆層膜厚を0.05μ
m以上とする。また、金属、セラミックスの被覆層の形
成方法は特に問われないが、密着性、均一性の立場か
ら、気相蒸着法で作成するのが望ましい。
【0023】
【実施例】以下、本発明を効果を実施例により具体的に
説明する。市販の低炭素鋼板ならびにSUS410L鋼
板を基板として用い、有機溶剤にて脱脂洗浄した後、複
合皮膜層を形成した。この場合、有機樹脂皮膜層の有
無、皮膜層の膜厚、クロメート処理の有無、金属、セラ
ミックス膜の膜厚、耐食性、密着性に及ぼす影響につい
て実験を行った。以下に実験に用いた処理条件を示す。
【0024】<クロメート処理>市販の塗布型のクロメ
ート液製品、を用い、Cr付着量35mg/m2にロール
塗布し、板温度75±5℃で乾燥してクロメート被膜を
形成した。
【0025】<有機樹脂皮膜層>市販のエポキシ樹脂系
塗料、を所定乾燥厚となるように塗装し、板温度190
℃で2分間焼付けを行った。
【0026】<金属、セラミックスめっき>前処理とし
て、−250V、10秒間のイオンボンバード処理を行
った後に、ホローカソード方式イオンプレーティング法
でTi、Cr、TiNめっきを所定膜厚施した。カソー
ド部と蒸着物質溶湯間の電圧は90V、カソード電流密
度は250Aである。
【0027】以上のようにして得られた鋼材について、
下記条件にて性能評価を行った。 <耐食性評価>耐食性は、10%NaCl水溶液を用い
た塩水噴霧試験により評価した。塩水噴霧条件は、20
00時間、35℃連続噴霧である。n数は5にて評価し
た。判定は25倍のルーペを用いて外観観察により実施
した。
【0028】<被膜密着性>めっき鋼板の試験片(幅7
0mm)を、その塗装面を外側にして180°で2t荷
重による曲げ加工を施し、曲げ端部でのセロハンテープ
による被膜剥離試験により有機被膜密着性を、曲げ面部
でのセロハンテープによる被膜剥離試験により無機被膜
(金属膜、セラミックス膜)密着性を調べ、被膜の密着
性について次の評価基準で評価した。 ◎…剥離無 ○…剥離面積小 △…剥離面積大 ×…全面剥離 以上の試験結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】本実施例から判るように、母材のクロム量
が8wt%未満である試験No9、10、有機樹脂被膜膜厚
が0.2μm未満である試験No11、13、14では、
耐食性が低い。また、有機樹脂被膜が30μmを超える
試験No12では、被膜の密着性が劣り耐食性も低いもの
となっており、金属めっき膜厚が30μmを超える試験
No16では、金属めっきの密着性が劣る結果となった。
【0031】また、本発明例である試験No2において
は、クロメート被膜を施してないことから、有機樹脂被
膜の密着性が劣る結果となった。
【0032】
【発明の効果】以上の説明から明らかな如く、本発明に
よれば、密着性に優れ、異種金属接触腐食が生ぜず、耐
食性に優れたものとなる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋼中のクロム濃度が8.0 wt%以上であるス
    テンレス鋼板において、その表面が合計の厚さで0.2
    〜30μmの1層あるいは2層以上の有機樹脂層で被覆
    され、さらにその表面が合計で0.02〜30μmの厚さ
    で、1層あるいは2層以上の金属あるいはセラミックス
    による被覆層を有することを特徴とするめっきステンレ
    ス鋼板。
  2. 【請求項2】前記鋼板表面と鋼板と、有機樹脂層の最下
    層との間に、クロメート被膜を有する請求項1記載のめ
    っきステンレス鋼板。
JP462793A 1993-01-14 1993-01-14 複合ステンレス鋼板 Pending JPH06212401A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017200615A (ja) * 2017-07-18 2017-11-09 東芝ライフスタイル株式会社 洗濯機
JP2020158802A (ja) * 2019-03-25 2020-10-01 日鉄日新製鋼株式会社 耐指紋性に優れるステンレス鋼材およびその製造方法

Cited By (2)

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JP2017200615A (ja) * 2017-07-18 2017-11-09 東芝ライフスタイル株式会社 洗濯機
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