JP2993984B2 - 文章読み上げ装置及びその方法 - Google Patents

文章読み上げ装置及びその方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は大量の文章を適切な速度で読み上げる文章読
み上げ装置及びその方法に関するものである。
[従来の技術] 講演・報告会などにおいて大量の文章を読み上げる場
合、“30分以内”とか、“15分以内”のように、読み上
げるのにかけてよい時間が制限されていることが多かつ
た。
従つて、従来の文章読み上げ装置のユーザは、適切な
時間で文章を読み上げさせるために、文章読み上げ装置
によつて文章を読み上げさせる際の速度を設定してい
た。
この読み上げ速度の設定方法として、例えば“あ”や
“しゅ”などの発音の単位(モーラ)に対して一定の時
間を割り当てるという手法があつた。
[発明が解決しようとしている課題] しかしながら、例えば“読む”という語は“よむ”と
読み、“行う”という語は“おこなう”と読む、という
ように、文章の字面の量と実際のモーラの量とは一対一
に対応していない。
従つて、前記従来例においては、文章読み上げ速度の
設定をユーザの経験に頼らざるを得なかつた。このた
め、特に大量の文章を読み上げさせるような場合、文章
の字面から予想したモーラの量と実際のモーラの量との
誤差が大きくなり、ユーザは正しい速度に設定できるま
で、速度の設定を繰り返しやり直さなくてはならず、ユ
ーザの負担を増大させるだけでなく、作業の効率を著し
く落すという問題点が発生していた。
[課題を解決するための手段] 本発明は上述した課題を解決することを目的として成
されたもので、上述の課題を解決する一手段として以下
の構成を備える。
即ち、漢字仮名混じりの文章を記憶する文章記憶手段
と、漢字仮名混じりの文章の各構成要素に対して発音単
位の量を記憶した辞書と、該辞書を参照して前記文章記
憶手段に記憶された文章を解析し、該文章全体に含まれ
る発音単位の総量を計算する文章解析手段と、前記文章
全体の読み上げ時間に対する時間制限を設定する時間制
限設定手段と、前記発音単位の総量と前記時間制限とに
基づいて、当該時間制限を満足する読み上げ時間で前記
文章全体を読み上げるための読み上げ速度を算出する読
み上げ速度算出手段と、前記文章全体を当該算出した読
み上げ速度で読み上げる文章読み上げ手段とを備えるこ
とを特徴とする。
[作用] 以上の構成において、文章全体を希望する読み上げ時
間で読み上げさせるために、ユーザ自身が読み上げ速度
を見積もる必要がないので、ユーザの負担が軽減され
る。また、読み上げ速度を文章全体に含まれる発音単位
の総量に基づいて算出するので、希望する読み上げ時間
に対して、少ない誤差で文章を読み上げることができ
る。
[実施例] 以下、図面を参照して本発明に係る一実施例を詳細に
説明する。
第1図は本発明に係る第一実施例の構成を示すブロツ
ク図である。
図中、1は読み上げるべき文章を保持する文章保持部
である。2は文章保持部1に保持されている文章を解析
する文章解析部である。3は文章解析部2で用いる辞書
を保持する辞書保持部であり、文章保持部1に保持され
ている文を構成している単語や記号、句などの構成要素
に対するモーラに関する情報を含んでいる。4は文章解
析部2により解析された結果を保持する文章解析結果保
持部である。5は文章保持部1に保持されている、文章
を読み上げる際の時間に関する情報を保持する時間情報
保持部である。6は文章保持部1に保持されている文章
を読み上げる速度に関する情報を保持する読み上げ速度
情報保持部である。7は文章保持部1に保持されている
文章を読み上げる際の読み上げ速度を、時間情報保持部
4に保持されている時間情報と文章解析結果保持部4に
保持されている文章解析結果を参照しながら算出すると
共に、読み上げ速度情報保持部6に算出した読み上げ速
度情報を保持させる読み上げ速度情報設定部である。8
は読み上げ速度情報保持部6に保持されている読み上げ
速度情報に基づき、文章保持部1に保持されている文章
を対応する音声信号として読み上げて出力する文章読み
上げ部である。
第2図は本実施例をハードウエアで構成した例を示す
ものである。
第2図において、21は第3図に示すような処理手順
(後述する)を記録する制御メモリ、22は制御メモリ21
に記憶されている制御手順に従つて、判断・演算等を含
む本実施例全体の制御を司る中央処理装置である。23は
ランダムアクセス可能なメモリであり、文章解析結果保
持部KB、読み上げ速度情報保持部YB、時間情報保持部S
B、及び文保持部1に対応するワーキングメモリWMを有
している。24はデイスク装置であり、辞書保持部3を有
している。25はキーボードなどの入力装置、26はスピー
カ等で構成された音声出力装置である。そして、以上の
各装置がバスラインによつて接続されている。
以上の構成中の文章保持部1に保持される文章の例を
第3図に、時間情報保持部5に保持される時間情報の例
を第4図に示す。
以上の構成を備える本実施例の読み上げ動作を第5図
のフローチヤートを参照して以下に説明する。
まず、ステツプS1で文章保持部1に文章が保持されて
いるか否か、及び、時間情報保持部4に時間情報が保持
されているか否かを確認する。両方が保持されている場
合はステツプS2の文章解析処理に移り、いずれかが保持
されていない場合はステツプS1を繰り返し、両方が保持
されるのを待つ。
ステツプS2では、辞書保持部3に保持されている辞書
を参照しながら、文章保持部1に保持されている文章を
解析し、処理中の文章に含まれる発音の単位(モーラ)
の量を計算し、文章解析結果保持部4に保持し、ステツ
プS3の読み上げ速度算出処理に移る。
第6図は、辞書保持部3に保持される辞書の例を示す
図、第7図は文章保持部1に保持されている第3図に示
す文章に対してステツプS2の処理を行なつた結果、文章
解析保持部4に保持される文章解析結果の例を示す図で
ある。
ステツプS3の読み上げ速度算出処理では、時間情報保
持部5に保持されている時間情報と、文章解析結果保持
部4に保持されている文章解析結果を参照しながら、文
章保持部1に保持されている文章を読み上げる速度を求
め、読み上げ速度情報保持部6に保持させる。
第8図は、文章保持部1に保持されている第4図に示
す文章に対する文章解析保持部4に保持される第7図に
示す文章解析結果に対して、ステツプS3の処理を行なつ
た結果、読み上げ速度情報保持部6に保持される読み上
げ速度情報の例を示す図である。
最後に、第5図のステツプS4の文章読み上げ処理にお
いて、読み上げ速度情報保持部6に保持されている読み
上げ速度情報に基づき、文章保持部1に保持されている
文章を文章読み上げ部8が読み上げ、終了する。
なお、この読み上げ処理は、文書データを対応する音
声信号へ変換する公知の回路により対応する音声信号に
変換され、音声出力回路26より対応する音響信号に変換
されて出力されることで達成される。この変換回路は、
第2図において中央処理装置22で行なつてもよいし、音
声出力装置26に備えてもよい。
[他の実施例] 以上に説明した前記実施例では、ステツプS3で、“1.
2秒以内”のように文章を読み上げるのに最大限かけて
よい時間を設定する処理を行なう例について説明した
が、“15分以上”のように最低限かけなくてはならない
時間を設定する処理や、“20±3分”のように許容範囲
を設定する処理を行なつてもよい。
さらに、前記実施例では、時間情報保持部5に保持す
る時間情報、および読み上げ速度情報保持部6に保持す
る読み上げ速度情報を、“1.2秒以内”、および“一単
位当たり0.2秒以下”というように、“秒”という時間
の単位を基準とした場合の例について説明したが、“0.
02分以内”、あるいは“一単位当たり200ミリ秒以下”
という様に“秒”以外の時間を表わす単位を基準として
もよい。
以上説明したように本実施例によれば、読み上げ速度
情報設定部7(第2図中央処理装置22)が、文章解析部
2で解析したモーラの量に従つて自動的に読み上げ速度
を設定することができ、ユーザが装置に文章を読み上げ
させる速度を繰り返し設定する必要がなくなり、ユーザ
の負担が軽減されると同時に、作業の効率を向上させる
という効果がある。
このように、ユーザの希望する時間で文章を読み上げ
るように、自動的に読み上げ速度が設定され、希望と実
際との読み上げ時間の誤差も少ないため、読み上げ速度
の設定におけるユーザの負担を軽減し、作業の効率を向
上させることが可能となる。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、漢字仮名混じ
りの文章全体の読み上げ時間に対する時間制限を設定す
るようにし、この漢字仮名混じりの文章の各構成要素に
対して発音単位の量を記憶した辞書を参照して解析し、
この文章全体に含まれる発音単位の総量を計算して、こ
の発音単位の総量と時間制限とに基づいて、この時間制
限を満足する読み上げ時間で前記文章全体を読み上げる
ための読み上げ速度を算出し、前記文章全体をこの算出
した読み上げ速度で読み上げるようにしている。
これにより、字面からは発音単位の量がわかりにくい
漢字仮名混じりの文章全体を希望する読み上げ時間で読
み上げさせるために、ユーザ自身が読み上げ速度を見積
もる必要がないので、ユーザの負担が軽減される。ま
た、読み上げ速度を文章全体に含まれる発音単位の総量
に基づいて算出するので、希望する読み上げ時間に対し
て、少ない誤差で文章を読み上げることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る一実施例の文章読み上げ装置のブ
ロツク図、 第2図は第1図に示す本実施例をハードウエアで構成し
た例を示すブロツク図、 第3図は本実施例における文章保持部に保持されている
文章の例を示す図、 第4図は本実施例における時間情報保持部に保持される
辞書の例を示す図、 第5図は本実施例における文書読み上げ処理を示すフロ
ーチヤート、 第6図は本実施例における辞書保持部に保持される辞書
の例を示す図、 第7図は本実施例における第3図に示す例文に対して文
書解析処理を行なつた結果、文章解析結果保持部に保持
される文章解析結果の例を示す図、 第8図は本実施例における第4図、第7図の例に対して
読み上げ速度算出処理を行なつた結果、読み上げ速度情
報保持部に保持される読み上げ速度情報の例を示す図で
ある。 図中、1……文章保持部、2……文章解析部、3……辞
書保持部、4……文章解析結果保持部、5……時間情報
保持部、6……読み上げ速度情報保持部、7……読み上
げ速度情報設定部、8……文章読み上げ部、21……制御
メモリ、22……中央処理装置、23……メモリ、247……
デイスク装置、25……入力装置、26……音声出力装置で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 裕治 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−219066(JP,A) 特開 平1−201699(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】漢字仮名混じりの文章を記憶する文章記憶
    手段と、 漢字仮名混じりの文章の各構成要素に対して発音単位の
    量を記憶した辞書と、 該辞書を参照して前記文章記憶手段に記憶された文章を
    解析し、該文章全体に含まれる発音単位の総量を計算す
    る文章解析手段と、 前記文章全体の読み上げ時間に対する時間制限を設定す
    る時間制限設定手段と、 前記発音単位の総量と前記時間制限とに基づいて、当該
    時間制限を満足する読み上げ時間で前記文章全体を読み
    上げるための読み上げ速度を算出する読み上げ速度算出
    手段と、 前記文章全体を当該算出した読み上げ速度で読み上げる
    文章読み上げ手段とを備えることを特徴とする文章読み
    上げ装置。
  2. 【請求項2】漢字仮名混じりの文章の各構成要素に対し
    て発音単位の量を記憶した辞書を参照して、文章記憶部
    に記憶された漢字仮名混じりの文章を解析し、該文章全
    体に含まれる発音単位の総量を計算する文章解析工程
    と、 前記文章全体の読み上げ時間に対する時間制限を設定す
    る時間制限設定工程と、 前記発音単位の総量と前記時間制限とに基づいて、当該
    時間制限を満足する読み上げ時間で前記文章全体を読み
    上げるための読み上げ速度を算出する読み上げ速度算出
    工程と、 前記文章全体を当該算出した読み上げ速度で読み上げる
    文章読み上げ工程とを備えることを特徴とする文章読み
    上げ方法。
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