JP2993774B2 - 油圧変速装置付きトランスミッション - Google Patents

油圧変速装置付きトランスミッション

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JP2993774B2
JP2993774B2 JP3195816A JP19581691A JP2993774B2 JP 2993774 B2 JP2993774 B2 JP 2993774B2 JP 3195816 A JP3195816 A JP 3195816A JP 19581691 A JP19581691 A JP 19581691A JP 2993774 B2 JP2993774 B2 JP 2993774B2
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oil
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廣重 蒔田
満 小松
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Honda Motor Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、平行軸によるポンプ及
びモータで構成される油圧変速装置付きで、ケーシング
内に減速機構を収納してなるトランスミッションの主に
コンパクト化対策に関するものである。
【0002】
【従来の技術】乗用芝刈機等の作業車両において、平行
軸によるポンプ及びモータで構成される油圧変速装置付
きのトランスミッションが用いられている。この種の油
圧変速装置付きトランスミッションにおいて、従来は、
米国特許第4,862,767号明細書で公知のよう
に、油圧変速装置を収納するケースを結合したケーシン
グ内の共通の室において、回転入力軸とポンプ軸とのベ
ベルギヤによる噛み合い、減速機構とモータ軸との平行
式ギヤによる噛み合いを行なっており、減速機構はアク
スル軸を含む3本の平行する軸部材を必要とするものと
なっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来は、
回転入力軸とポンプ軸とのベベルギヤによる噛み合い、
減速機構とモータ軸との平行式ギヤによる噛み合いを、
ケーシング内の共通の室で行う構成であり、油圧変速装
置のリザーバタンクを別に設ける必要があるため、コン
パクト化に限界があった。また、減速機構に関しては、
3軸構成のため、この面からもコンパクト化の障害とな
っていた。
【0004】そこで本発明の目的は、ケーシングや減速
機構の構造に工夫を施すことにより、部品点数を削減し
て、コンパクト化できる油圧変速装置付きトランスミッ
ションを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決すべく
本発明は、請求項1では、平行軸25,29によるポン
プ23及びモータ27で構成される油圧変速装置を、減
速機構Rを収納したケーシング11に取り付けてなる油
圧変速装置付きトランスミッション10において、前記
ケーシング11内を、油圧変速装置への回転入力軸31
を組み込んだオイルを収納したオイル室73と、減速機
構Rのギヤ列を収納するグリスを収納したグリス室63
との2室に画成し、前記回転入力軸31のギヤ35と噛
み合うギヤ37をポンプの軸25に設け、減速機構Rの
ギヤ41と噛み合うギヤ39をモータ27の軸29に設
け、前記油圧変速装置は、オイル室73内のオイルと、
油圧変速装置を収納するケース20内のオイルとの強制
的な循環を行なわせるチャージポンプ81を備え、前記
油圧変速装置のポンプ23の軸25及びモータ27の軸
29を同一平面に配設し、これらと互いに平行して、減
速機構Rの軸部材49,45,55を同一平面に配設
し、且つケーシング11内において、油圧変速装置への
回転入力軸31に設けたギヤ35とポンプ23の軸25
に設けたギヤ35とを噛み合わで、モータ27の軸29
に設けたギヤ39と減速機構Rの軸部材45に設けたギ
ヤ41とを噛み合せ、前記減速機構に設けた第1減速軸
49はポンプ23の軸27の下方に、第2減速軸45,
55はモータ27の軸29の下方に各々位置させるよう
にしたことを特徴とする。
【0006】請求項2では、請求項1において、平行軸
25,29により構成されたポンプ23及びモータ27
からなる油圧変速装置を、減速ギヤ機構Rとカウンタ軸
49及びアクスル軸45,55を収納したケーシング1
3,15に取り付けてなるトランスミッションとし、油
圧変速装置のモータ27の軸29に設けたギヤに噛み合
うギヤと、カウンタ軸49に設けたギヤに噛み合うギヤ
とを一体化して、アクスル軸45上に回転自在に組み付
けるとともに、カウンタ軸49に設けた他のギヤと、ア
クスル軸45に設けた他のギヤとを直接噛み合わせたこ
とを特徴とする
【0007】請求項3では、請求項1において、前記オ
イル室73とグリス室36とは上下に重なり合って配置
したことを特徴とする
【0008】請求項4では、請求項1において、前記油
圧変速装置と前記オイル室73とが基板21を介して隣
接していることを特徴とする
【0009】
【作用】発明は、油圧変速装置付きトランスミッショ
ンのケーシング11内を、油圧変速装置への回転入力軸
31を組み込む室と、減速機構を収納する室との2室
に画成し、一方をグリス室63、その背面側の他方をオ
イル室73として使用でき、油圧変速装置のリザーバタ
ンク別設が不要となることから、その分、コンパクト化
できる。回転入力軸側31をオイル室63として、減速
機構を構成するギヤ列を収納する側をグリス室63
することで、回転速度が高い入力軸側のベベルギヤの潤
滑をオイルにより行ない、回転速度が低い減速ギヤ列側
の潤滑をグリスにより行なって、潤滑油を目的に応じて
最適に使い分けられる。また、回転入力軸31のギヤ3
5と噛み合うギヤ37をポンプ軸25に設けて、減速機
構Rのギヤと噛み合うギヤ39をモータ軸27に設ける
ことで、連結軸及びそのカップリングを不要にして、部
品点数を削減できる。 しかも、油圧変速装置に設けたチ
ャージポンプ81により、オイル室73内のオイルと、
油圧変速装置を収納するケース内のオイルとの強制的な
循環を行うので、ケーシング側のオイル室内のオイルを
強制的に冷却でき、従って油温上昇を小さくできる。
【0010】また本発明は、油圧変速装置のモータ軸
に設けたギヤ39に噛み合うギヤと、カウンタ軸49
に設けたギヤに噛み合うギヤとを一体化して、アクスル
45上に回転自在に組み付けることによって、カウン
タ軸49に設けた他のギヤと、アクスル軸45に設けた
他のギヤとの直接噛み合わせを実現したので、カウンタ
49とアクスル軸45との2軸構成による減速ギヤ機
構として、コンパクト化できる。
【0011】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。先ず、図1と図2は本発明による油圧変速装置付
きトランスミッションを装備する車両として乗用芝刈機
の二例を示したもので、1はカッタデッキ、3は後輪、
5は座席であり、図2が車体前部のボンネット7内にエ
ンジンを搭載したタイプ、図1が車体後部の座席5下に
エンジンを搭載したタイプである。そして、何れのタイ
プのものも、図3のように、座席5後方の後輪3,3間
において、本発明の油圧変速装置(以下の実施例中、H
STと略称する)付きトランスミッション10を備えて
おり、このHST付きトランスミッション10には、図
示せぬエンジンからの動力がベルトプーリ装置(9はベ
ルト)を介して伝達される。
【0012】次に、HST付きトランスミッション10
の構成について説明する。このトランスミッション10
のケーシング11は、図4乃至図7、図15乃至図18
に示すように、下ケース13と上ケース15に分割され
ており、上ケース15に上から入力軸ホルダ17が結合
され、下ケース13の長い方のアクスル軸支持部14に
上からアクスル軸ホルダ19が結合される。そして、上
ケース15のアクスル軸ホルダ19側の側面にHSTケ
ース20が結合される。
【0013】このHSTケース20内には、図11のよ
うに、基板21に組み付けたアキシャルピストンポンプ
23及びそのポンプ軸25とアキシャルピストンモータ
27及びそのモータ軸29とが収納されており、26は
変速操作用斜板である。このポンプ軸25及びモータ軸
29は、前後に平行で、同一高さ平面に配置されてい
る。
【0014】図8のように、前記入力軸ホルダ17に貫
通して軸承した入力軸31は、上端にプーリ33を備
え、下端にベベルギヤ35を備えており、このベベルギ
ヤ35と噛み合うベベルギヤ37が前記ポンプ軸25に
備えられている。プーリ33は、前記ベルト9(図3参
照)を掛装してエンジン動力を伝達するもので、このプ
ーリ33には、半打抜き成形等により冷却ファン34が
一体化して設けられている。また、前記モータ軸29に
は、図10乃至図12のように、減速機構を構成する小
径ギヤ39が備えられている。
【0015】図9に示すように、このモータ軸29に備
えた小径ギヤ39に噛み合う大径ギヤ41には、同軸上
に別の小径ギヤ43が一体形成して備えられており、こ
の一体物のギヤ41,43は、長い方のアクスル軸45
上に回転自在に遊合して組み付けられている。そして、
大径ギヤ41と一体の小径ギヤ43に噛み合う大径ギヤ
47がカウンタ軸49に備えられており、このカウンタ
軸49には、最終駆動ギヤ51が備えられている。この
最終駆動ギヤ51に噛み合う最終被動ギヤ53は、前記
長い方のアクスル軸45と短い方のアクスル軸55との
間において、以下の如きディファレンシャル機構を介し
て設けられている。
【0016】即ち、図9に示すように、最終被動ギヤ5
3内にはディファレンシャル軸57が組み込まれてお
り、このディファレンシャル軸57の両端にディファレ
ンシャルピニオン59,59が備えられている。このデ
ィファレンシャルピニオン59,59が、左右のアクス
ル軸45,55の内端に備えたディファレンシャルギヤ
61,61に噛み合わされている。ここで、前記カウン
タ軸49とアクスル軸45,55は、前記ポンプ軸25
及び前記モータ軸29の下方において、前後に平行で、
同一高さ平面に配置されている。
【0017】以上のHST付きトランスミッション10
において、そのケーシング11の下ケース13と上ケー
ス15間にグリス室63が形成されており(図8及び図
9参照)、即ち、グリス室63は、図17及び図18の
ように、下ケース13に形成した上開放のギヤ収納凹部
65と、図12及び図18のように、上ケース15に形
成した下開放のギヤ収納凹部67とで構成されている。
更に、上ケース15には、図11及び図16のように、
上開放のギヤ収納兼リザーバ凹部69が形成されてお
り、この上開放のギヤ収納兼リザーバ凹部69と、上ケ
ース15に結合する入力軸ホルダ17に形成した下開放
のギヤ収納兼リザーザ凹部71(図15参照)とによっ
て、前記グリス室63に対し上方背面側のオイル室73
が構成されている(図8及び図11参照)。
【0018】このオイル室73内において、図8に示す
ように、前記入力軸31下端のベベルギヤ35と前記ポ
ンプ軸25先端のベベルギヤ37とが噛み合っている。
また、前記グリス室63内において、図8乃至図10に
示すように、前記モータ軸29から前記アクスル軸4
5,55までの減速用ギヤ39,41,43,47,5
1,53と、ディファレンシャルピニオン59,59及
びディファレンシャルギヤ61,61が噛み合ってい
る。尚、オイル室73内には、カップ状ダイアフラム7
5が設けられており(図8)、このカップ状ダイアフラ
ム75内は、前記入力軸ホルダ17に結合するダイアフ
ラムセットプレート77に形成したブリーザ孔79によ
り大気に連通している。
【0019】ここで、図8、図9及び図11に示される
ように、ケーシング11の内部には、相互に隔離され
て、上下に重なり合う如き上部室A及び下部室Bが形成
されている。上部室Aは、前記オイル室73としての役
割を果たすものであり、即ち、この上部室A内には、入
力軸31、その下端のベベルギヤ35、ポンプ軸25の
ベベルギヤ37が収納されており、従って、上部室A
は、アキシャルピストンポンプ23の入力室とも見做さ
れ得る。また、下部室Bは、前記グリス室63としての
役割を果たすものであり、即ち、この下部室B内には、
モータ軸29の小径ギヤ39、減速機構R、ディファレ
ンシャル機構Dが収納されており、従って、下部室B
は、アキシャルピストンモータ27の出力室とも見做さ
れ得る。
【0020】そして、前記ポンプ軸25には、前記基板
21端面に組み込まれるチャージポンプ81が備えられ
ており、このチャージポンプ81は、前記オイル室73
内と前記HSTケース20内のオイルを強制的に循環さ
せるもので、そのオイル室73側の吸入口83は、図1
1、図13及び図16に示すように、前記上ケース15
に形成した迷路式隔壁部85の奥に設けられている。
尚、前記入力軸ホルダ17にも対応する迷路式隔壁部8
7が形成されている(図15)。また、入力軸ホルダ1
7の上面には、図4及び図8に示すように、多数の冷却
フィン89…が列設されている。
【0021】他方、前記カウンタ軸49の前記ケーシン
グ11外方への突出部には、図8のように、ブレーキデ
ィスク91が設けられており、92はブレーキシート、
93はブレーキパッド、94はブレーキアームである。
また、このカウンタ軸49及びその前方の前記アクスル
軸45,55(図9参照)は、前記下ケース13と前記
上ケース15との結合面間に軸受支承されており、下ケ
ース13の長い方のアクスル軸支持部14には、別体の
アクスル軸ホルダ19が結合される。
【0022】そして、前記入力軸ホルダ17は、上ケー
ス15に対し、図8のように、その上面全周に形成した
シール溝95に嵌着したOリング96を介装して結合さ
れている。更に、前記HSTケース20は、上ケース1
3のアクスル軸ホルダ19側の側面のオイル室開口部9
7の周囲に形成したシール溝98(図8及び図14参
照)に嵌着したOリング99を介装して結合されてい
る。
【0023】ところで、前記下ケース13と前記上ケー
ス15及びアクスル軸ホルダ19の結合面には、図17
及び図18に示す如きグリス溜め構造が採用されてい
る。先ず、下ケース13、上ケース15、アクスル軸ホ
ルダ19ともに、そのアクスル軸支持部において、前記
アクスル軸45,55の外周に対応するグリス溜め凹部
101,102,103,104が夫々形成されてい
る。そして、下ケース13上面の前記ギヤ収納凹部65
周囲に、グリス溜め凹部105,106,107,10
8,108,109,109が形成されており、このグ
リス溜め凹部105,106,107,108,10
8,109,109からギヤ収納凹部65内及び各軸受
部にかけて多数のグリス供給溝a…,b…が形成されて
いる。同様に、上ケース15下面の前記ギヤ収納凹部6
7周囲にも、対応するグリス溜め凹部115,116,
117,118,118,119,119及びグリス供
給溝a…,b…が形成されている。
【0024】以上の構成のHST付きトランスミッショ
ン10によれば、先ず、そのケーシング11の上ケース
15内で、互いに上下に背面側の関係となるグリス室6
3とオイル室73とに画成して、入力軸31のベベルギ
ヤ35とポンプ軸25のベベルギヤ37とを、上側のオ
イル室73内で噛み合わせる一方、モータ軸29からア
クスル軸45,55までの減速用ギヤ39,41,4
3,47,51,53と、ディファレンシャルピニオン
59,59及びディファレンシャルギヤ61,61を、
下側のグリス室63内で噛み合わせたため、従来の如き
HSTのリザーバタンク別設を不要として、その分だ
け、コンパクト化することができるとともに、回転速度
が高い入力軸31側のベベルギヤ35,37の潤滑をオ
イルにより行ないながら、回転速度が低い減速ギヤ列3
9,41,43,47,51,53側の潤滑をグリスに
より行なって、潤滑油を目的に応じて最適に使い分ける
ことができるものとなっている。
【0025】しかも、減速機構に関して、モータ軸29
の小径ギヤ39に噛み合う大径ギヤ41と、カウンタ軸
49の大径ギヤ47に噛み合う小径ギヤ43とを一体化
して、実施例では、長い方のアクスル軸45上に回転自
在に組み付けることで、カウンタ軸49の最終駆動ギヤ
51と、両アクスル軸45,55間の最終被動ギヤ53
との直接噛み合わせたため、従来の如き3軸構成を廃し
て、カウンタ軸49とアクスル軸45,55との2軸
(3本)構成による減速ギヤ機構を実現することがで
き、従って、この面からも、より一層コンパクト化する
ことができるものとなっている。
【0026】更に、入力軸31のベベルギヤ35と噛み
合うベベルギヤ37をポンプ軸25に直接設けて、減速
機構の第1番目のギヤである小径ギヤ39をモータ軸2
9に直接設けた構造のため、従来の如き連結軸及びその
カップリングを不要にして、部品点数を削減できるもの
となっている。
【0027】そして、ケーシング11の上ケース15の
みにHSTケース20を結合したため、HSTケース2
0を下ケース13にも結合する場合に比べ、精度管理の
面で楽になり、結合作業も簡単なものとなっている。し
かも、その上ケース15とHSTケース20との結合面
間にOリング99を介装したため、ガスケットを使用し
ていた従来のものに比べ、結合面の金属接触により、H
STの発生熱を効率良くケーシング11側へ放熱できる
ものとなっている。
【0028】また、HSTに設けたチャージポンプ81
により、オイル室73内のオイルと、HSTケース20
内のオイルとの強制的な循環が行えるとともに、入力軸
31に取り付けたプーリ33に設けたファン34によ
り、ケーシング11上面の入力軸ホルダ17上の冷却フ
ィン89…にそって冷却風を流して、オイル73室内の
オイルを強制的に冷却でき、従って油温上昇を少なくで
きるものとなっている。
【0029】更に、オイル室73内に、内部を大気に連
通したカップ状ダイアフラム75を設けたため、油温変
化に伴う油量変化に追従させられ、オイル室73内は常
にオイルで充満した状態となり、エア噛みのないオイル
状態を保証できるものとなっている。また、チャージポ
ンプ81のオイル室73側の吸入口83を、迷路式隔壁
部85,87の奥に設けているため、ベベルギヤ35,
37の噛み合いによるオイル攪拌の影響を受けないもの
となっている。
【0030】そして、ケーシング11の分割結合面にお
いて、グリス室63及びアクスル軸45,55の外周に
対応するグリス溜め凹部101,102,103,10
4の他に、新たにグリス溜め凹部105,106,10
7,108,109,115,116,117,11
8,119と、この各グリス溜め凹部105,106,
107,108,109,115,116,117,1
18,119から軸受面及びギヤ噛み合い部へのグリス
供給溝a…,b…を形成したため、グリスの自動補給に
よる各部への潤滑効果をより高められるものとなってい
る。
【0031】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、 請求項1
では、平行軸25,29によるポンプ23及びモータ2
7で構成される油圧変速装置を、減速機構Rを収納した
ケーシング11に取り付けてなる油圧変速装置付きトラ
ンスミッション10において、ケーシング11内を、油
圧変速装置への回転入力軸31を組み込んだオイルを収
納したオイル室73と、減速機 構Rのギヤ列を収納する
グリスを収納したグリス室63との2室に画成し、回転
入力軸31のギヤ35と噛み合うギヤ37をポンプの軸
25に設け、減速機構Rのギヤ41と噛み合うギヤ39
をモータ27の軸29に設け、油圧変速装置は、オイル
室73内のオイルと、油圧変速装置を収納するケース2
0内のオイルとの強制的な循環を行なわせるチャージポ
ンプ81を備え、油圧変速装置のポンプ23の軸25及
びモータ27の軸29を同一平面に配設し、これらと互
いに平行して、減速機構Rの軸部材49,45,55を
同一平面に配設し、且つケーシング11内において、油
圧変速装置への回転入力軸31に設けたギヤ35とポン
プ23の軸25に設けたギヤ35とを噛み合わで、モー
タ27の軸29に設けたギヤ39と減速機構Rの軸部材
45に設けたギヤ41とを噛み合せ、減速機構に設けた
第1減速軸49はポンプ23の軸27の下方に、第2減
速軸45,55はモータ27の軸29の下方に各々位置
させるようにした従って、先ず、そのケーシング11
内を、油圧変速装置への回転入力軸31を組み込む室
と、減速機構Rを収納する室との2室に画成し、一方を
グリス室73、その背面側の他方をオイル室63として
使用することができ、従来の如き油圧変速装置のリザー
バタンク別設を不要として、その分だけ、コンパクト化
することができる。回転入力軸31側をオイル室63
して、減速機構Rを構成するギヤ列を収納する側をグリ
ス室73とすることにより、回転速度が高い入力軸31
側のベベルギヤの潤滑をオイルにより行ないながら、回
転速度が低い減速ギヤ列側の潤滑をグリスにより行なっ
て、潤滑油を目的に応じて最適に使い分けることができ
る。これにより、グリス室のケースのシールはラフで良
く、加工の手間が省け、コストダウンにもなる。また、
ケーシング11内にオイル室63を設けたため、別体の
オイルタンクを設けなくても良くなり、部品点数を削減
できる。また、回転入力軸31のギヤ35と噛み合うギ
ヤ37をポンプ軸25に設けて、減速機構Rのギヤと噛
み合うギヤ39をモータ軸27に設けることで、連結軸
及びそのカップリングを不要にして、部品点数を削減で
きる。 しかも、油圧変速装置に設けたチャージポンプ8
1により、オイル室73内のオイルと、油圧変速装置を
収納するケース内のオイルとの強制的な循環を行うの
で、ケーシング側のオイル室内のオイルを強制的に冷却
でき、従って油温上昇を小さくできる。
【0032】請求項2では、請求項1において、平行軸
25,29により構成されたポンプ23及びモータ27
からなる油圧変速装置を、減速ギヤ機構Rとカウンタ軸
49及びアクスル軸45,55を収納したケーシング1
3,15に取り付けてなるトランスミッションとし、油
圧変速装置のモータ27の軸29に設けたギヤに噛み合
うギヤと、カウンタ軸49に設けたギヤに噛み合うギヤ
とを一体化して、アクスル軸45上に回転自在に組み付
けるとともに、カウンタ軸49に設けた他のギヤと、ア
クスル軸45に設けた他のギヤとを直接噛み合わせた
従って、油圧変速装置のモータ軸27に設けたギヤ39
に噛み合うギヤ41と、カウンタ軸49に設けたギヤ
に噛み合うギヤ43とを一体化して、アクスル軸45
上に回転自在に組み付けることによって、カウンタ軸
に設けた他のギヤと、アクスル軸45に設けた他のギ
ヤとの直接噛み合わせを実現した構成のため、従来の如
き3軸構成を廃し、カウンタ軸49とアクスル軸45,
55(軸45,55は同軸配置)との2軸構成による減
速ギヤ機構として、コンパクト化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による油圧変速装置付きトランスミッシ
ョンを装備する車両の一例を示す側面図
【図2】同じく車両の他の例を示す側面図
【図3】油圧変速装置部分を透視して示す車両後部の平
面図
【図4】本発明を適用した油圧変速装置付きトランスミ
ッションの外観を示す平面図
【図5】同じく正面図
【図6】同じく側面図
【図7】同じく底面図
【図8】図4の矢印A−A線に沿った断面図
【図9】図6の矢印B−B線に沿った断面図
【図10】図4の矢印C−C線に沿った断面図
【図11】入力軸ホルダを外して油圧変速装置部分を破
断して示す平面図
【図12】図11の矢印D−D線に沿った断面図
【図13】チャージポンプによるオイル循環作用を説明
する図
【図14】Oリングによるシール面を示す図
【図15】入力軸ホルダを内側から見た図
【図16】入力軸ホルダを外したトランスミッション全
体の平面図
【図17】上ケース及びアクスル軸ホルダを下側から見
た図
【図18】下ケースを上側から見た図
【符号の説明】
10…油圧変速装置付きトランスミッション、11…そ
のケーシング、13…下ケース、15…上ケース、17
…入力軸ホルダ、19…アクスル軸ホルダ、20…油圧
変速装置ケース、21…基板、23…アキシャルピスト
ンポンプ、25…ポンプ軸、27…アキシャルピストン
モータ、29…モータ軸、31…入力軸、33…プー
リ、35,37…ベベルギヤ、34…冷却ファン、3
9,41,43,47,51,53…減速ギヤ、45,
55…アクスル軸、63…グリス室、65,67…ギヤ
収納凹部、69,71…ギヤ収納兼リザーバ凹部、73
…オイル室、75…カップ状ダイアフラム、77…ダイ
アフラムセットプレート、81…チャージポンプ、83
…吸入口、85,87…迷路式隔壁部、89…冷却フィ
ン、91…ブレーキディスク、96,99…Oリング、
101,102,103,104,105,106,1
07,108,109,115,116,117,11
8,119…グリス溜め凹部、a,b…グリス供給溝。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−199124(JP,A) 特開 昭63−199125(JP,A) 特開 昭50−96815(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60K 17/10 A01B 71/00 B60K 17/34

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平行軸25,29によるポンプ23及び
    モータ27で構成される油圧変速装置を、減速機構
    収納したケーシング11に取り付けてなる油圧変速装置
    付きトランスミッション10において 前記ケーシング11内を、油圧変速装置への回転入力軸
    31を組み込んだオイルを収納したオイル室73と、減
    速機構Rのギヤ列を収納するグリスを収納したグリス室
    63との2室に画成し、 前記回転入力軸31のギヤ35と噛み合うギヤ37をポ
    ンプの軸25に設け、減速機構Rのギヤ41と噛み合う
    ギヤ39をモータ27の軸29に設け、 前記油圧変速装置は、オイル室73内のオイルと、油圧
    変速装置を収納するケース20内のオイルとの強制的な
    循環を行なわせるチャージポンプ81を備え、 前記油圧変速装置のポンプ23の軸25及びモータ27
    の軸29を同一平面に配設し、これらと互いに平行し
    て、減速機構Rの軸部材49,45,55を同一平面に
    配設し、且つケーシング11内において、油圧変速装置
    への回転入力軸31に設けたギヤ35とポンプ23の軸
    25に設けたギヤ35とを噛み合わで、モータ27の軸
    29に設けたギヤ39と減速機構Rの軸部材45に設け
    たギヤ41とを噛み合せ、 前記減速機構に設けた第1減速軸49はポンプ23の軸
    27の下方に、第2減速軸45,55はモータ27の軸
    29の下方に各々位置させるようにした、 とを特徴とする油圧変速装置付きトランスミッショ
    ン。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の油圧変速装置付きトラン
    スミッションにおいて、 平行軸25,29により構成されたポンプ23及びモー
    タ27からなる油圧変速装置を、減速ギヤ機構Rとカウ
    ンタ軸49及びアクスル軸45,55を収納したケーシ
    ング13,15に取り付けてなるトランスミッションと
    し、油圧変速装置のモータ27の軸29に設けたギヤに
    噛み合うギヤと、カウンタ軸49に設けたギヤに噛み合
    うギヤとを一体化して、アクスル軸45上に回転自在に
    組み付け るとともに、カウンタ軸49に設けた他のギヤ
    と、アクスル軸45に設けた他のギヤとを直接噛み合わ
    せたことを特徴とする油圧変速装置付きトランスミッシ
    ョン。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の油圧変速装置付きトラン
    スミッションにおいて、 前記オイル室73とグリス室36とは上下に重なり合っ
    て配置したことを特徴とする油圧変速装置付きトランス
    ミッション。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の油圧変速装置付きトラン
    スミッションにおいて、 前記油圧変速装置と前記オイル室73とが基板21を介
    して隣接していることを特徴とする油圧変速装置付きト
    ランスミッション。
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