JP2993057B2 - 高潤滑・耐摩耗性焼結体の製造方法 - Google Patents

高潤滑・耐摩耗性焼結体の製造方法

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JP2993057B2 JP2156313A JP15631390A JP2993057B2 JP 2993057 B2 JP2993057 B2 JP 2993057B2 JP 2156313 A JP2156313 A JP 2156313A JP 15631390 A JP15631390 A JP 15631390A JP 2993057 B2 JP2993057 B2 JP 2993057B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【発明の目的】
(産業上の利用分野) この発明は、例えば自動車の耐摩耗性が要求される部
品ないしはその素材として利用される潤滑性および耐摩
耗性に優れた焼結体を製造するのに好適な高潤滑・耐摩
耗性焼結体の製造方法に関するものである。 (従来の技術) 従来、例えば自動車の耐摩耗性が要求される部品ない
しは素材として、原料粉末を焼結することにより製造し
た焼結体がある。 このような焼結体は、溶製材を切削加工等により所望
形状の部品に製作する場合に比べて、素材歩留りがかな
り高いものになると共に、製造時間の短縮が実現される
ことが多い。 そして、この種の焼結体の耐摩耗性を向上させる方法
としては、例えば、 ・炭化物生成元素(Cr,W,Mo等)を粉末に添加して焼結
時に炭化物を生成させることにより硬化させる方法、 ・焼結体の表面に硬質クロムメッキ等の耐摩耗性表面処
理を施す方法、 ・焼結体の表面にショットを衝突させるショットピーニ
ングを施すことにより表面硬化させる方法、 ・焼結体の微細孔中に油含浸することによって潤滑性を
向上させてこれにより耐摩耗性を向上させる方法、 ・焼結体の表面にFe3O4皮膜を生成させるスチーム処理
を施すことによって表面を硬化させる方法、 などがあった。 (発明が解決しようとする課題) しかしながら、例えば、炭化物生成元素を添加して焼
結時に炭化物を生成させる方法では、耐摩耗性は向上す
るものの潤滑性は向上させることができないため、相手
材がある場合には攻撃性が大きいという課題を有してお
り、また、硬質クロムメッキ等の耐摩耗性表面処理を施
す方法では表面処理設備が必要になると共に表面硬化層
の剥離を生ずることがないとはいえず、潤滑性もあまり
良くないという課題を有しており、さらに、ショットピ
ーニングにより表面硬化処理する方法では耐摩耗性の向
上効果が小さいとともに潤滑性もあまり良くないという
課題を有し、油含浸による方法では潤滑性の向上に効果
はあるものの強度を十分なものにすることができにくい
という課題を有していた。 (発明の目的) この発明は、上述した従来の課題にかんがみてなされ
たもので、表面にメッキ層や硬化層を形成するものでは
ないため表面のメッキ・硬化層の剥離の問題がないと共
に、潤滑性にも優れており、相手材が存在する場合に相
手材に対する攻撃性が小さく耐摩耗性に優れた焼結体
(焼結部品およびその素材等)を得ることが可能である
高潤滑・耐摩耗性焼結体の製造方法を提供することを目
的としている。
【発明の構成】
(課題を解決するための手段) この発明に係わる高潤滑・耐摩耗性焼結体の製造方法
は、焼結原料粉末の圧粉成形時ないしは圧粉成形後に樹
脂を含有させ、次いで前記樹脂を含有させた圧粉成形体
を炭化処理することにより前記樹脂を炭素化するととも
に焼結して、焼結粒子間に前記炭素化した炭素(グラフ
ァイト)が残存していて当該炭素(グラファイト)によ
る潤滑性を付与した焼結体とする構成としたことを特徴
としており、このような高潤滑・耐摩耗性焼結体の製造
方法の構成を前述した従来の課題を解決するための手段
としている。 この発明に係わる高潤滑・耐摩耗性焼結体の製造方法
において、その焼結原料粉末としては、炭素鋼粉末のほ
か、Cr,Ni,Mo,Cu,Mn等々の合金元素を必要に応じて添加
した低合金ないしは高合金鋼粉末などが使用されるが、
とくに限定はされない。また、この原料粉末の製造方法
としてはアトマイズ法など各種のものがあるがこれもま
た限定はされない。 そして、このような原料粉末には、粉末の圧粉成形時
において粉末同士および粉末と圧粉成形型等の摩擦を低
減させるために適宜の成形潤滑剤を適量用いることも可
能である。 そして、前記焼結原料粉末を圧粉成形するに際して
は、ダイセットを用いたプレス成形法や、固定されたダ
イの一方もしくは両側からパンチを押し込む圧縮成形方
法などがあるが、これもまた特に限定はされない。 この圧粉成形体には樹脂を含有させたものとするが、
この場合、焼結原料粉末中に液状や粉末状の樹脂を混合
したのち圧粉成形することにより圧粉成形体に樹脂を含
有させたものとすることができ、また、圧粉成形後に圧
粉成形体に液状の樹脂を含浸させることにより圧粉成形
体に樹脂を含有させたものとすることもでき、これらに
ついてもとくに限定はされない。 また、圧粉成形体中に含有させる樹脂としては、炭化
処理後の炭素収率が高いフェノール樹脂などが用いられ
るが、これもまたとくに限定はされない。 次いで、この樹脂が含有した圧粉成形体を加熱して炭
化処理することにより前記樹脂を炭素化するとともに引
続いてもしくはその後焼結して、焼結粒子間に前記炭素
化した炭素(グラファイト)が残存した焼結体とする
が、この場合の炭化処理条件や焼結条件等においても適
宜選定することが望ましい。 (発明の作用) この発明に係わる高潤滑・耐摩耗性焼結体の製造方法
は、上述した構成を有するものであるから、焼結後に得
られた焼結体は、その焼結粒子間に炭素(グラファイ
ト)が残留したものとなっているので、この炭素(グラ
ファイト)の摩擦係数がかなり小さいことによる良好な
る潤滑作用が得られることとなり、これによって耐摩耗
性が向上した焼結体となると共に相手材に対する攻撃性
も小さいものとなる。 (実施例) 第1表に示す化学成分の焼結原料粉末を用意し、この
焼結原料粉末中に成形潤滑剤として0.75重量%のステア
リン酸亜鉛を添加した。 次いで、第1図(a)に示すように、前記焼結原料粉
末1を下型2の成形空間2a内に装入し、上型3を矢印P
方向に降下させることによって成形圧力3500kgf/cm2
加圧力で圧粉成形した。 このとき、第1図(b)に示すように、上記圧粉成形
によって得られた圧粉成形体4の粉末1の間には空孔5
が形成されたものとなっていた。また、この圧粉成形体
4の密度は約6.2であった。 次に、第2図(a)に示すように、液状のフェノール
樹脂6を入れた樹脂容器7中に前工程で得た圧粉成形体
4を置いた状態とし、同第2図(a)の矢印E方向に排
気して真空容器8内を5Torr以下の真空状態にして30分
間保持することにより、圧粉成形体4中にフェノール樹
脂6を含浸させた。 このとき、第1図(b)に示したように圧粉成形後の
圧粉成形体4の粉末1の間に形成されていた空孔5の部
分には、第2図(b)に示すように、フェノール樹脂6
が含浸されたものとなっていた。 次いで、第3図(a)に示すように、内部にヒータ10
をそなえた真空加熱炉11内に、前工程で得た樹脂含浸圧
粉成形体4を設置し、同第3図(a)の矢印F方向に排
気して、真空度;0.2Torr,温度;450℃,時間;1時間の炭
化処理条件で炭化処理することにより、前記フェノール
樹脂を炭素化した。 この炭化処理後の状態では、第3図(b)に示すよう
に、粉末1の間に形成されていた空孔5の部分に炭素
(グラファイト)12が前記空孔5の容積の約3割程度占
める量で存在しており、この炭化処理によるフェノール
樹脂6の炭素収率(炭化残率)は約30%であった。 次いで、第5図に示すように、カプセル21のカプセル
本体21aの中に、前工程で得た炭化処理後の圧粉成形体2
2を耐火粉末(この場合はアルミナ)23とともに収容
し、続いて第6図に示すように、蓋21bを設けたのち内
部を矢印A方向に脱気して炭化処理後の圧粉成形体22を
カプセル21内に封入した。 次に、第4図(a)に示すように、耐圧円筒体31の両
側に耐圧蓋32,33を設けると共にヒータ34をそなえた熱
間等方圧圧縮(HIP)装置30の中に前記カプセル21を設
置し、一方の蓋32に設けたアルゴンガス導入口32aより
アルゴンガスを矢印Ar方向に導入して、温度;1140℃,
圧力媒体;アルゴンガス,圧力;1000kgf/cm2,時間;30分
の条件で熱間等方圧圧縮(HIP)を行うことにより加圧
焼結した。 そして、第4図(b)に示すように、焼結によって得
られた焼結体35は、焼結粒子36の間に炭素(グラファイ
ト)12が残存したものとなっており、この炭素(グラフ
ァイト)12のもつすぐれた潤滑作用によって耐摩耗性を
向上できるものになっていることが認められた。
【発明の効果】
この発明に係わる高潤滑・耐摩耗性焼結体の製造方法
では、焼結原料粉末の圧粉成形時ないしは圧粉成形後に
樹脂を含有させ、次いで前記樹脂を含有させた圧粉成形
体を炭化処理することにより前記樹脂を炭素化するとと
もに焼結して、焼結粒子間に前記炭素化した炭素(グラ
ファイト)が残存していて当該炭素(グラファイト)に
よる潤滑性を付与した焼結体とする構成としているの
で、前記焼結粒子間に残存した炭素(グラファイト)が
もつ優れた潤滑性能が発揮されることにより潤滑性の良
好なる焼結体となり、この良好なる潤滑性によって耐摩
耗性に著しく優れた焼結体が得られるという著大なる効
果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)はこの発明に係わる高潤滑・耐摩耗性焼結
体の製造方法のうち圧粉成形工程を示す説明図、第1図
(b)は第1図(a)に示した工程による圧粉成形後の
圧粉成形体の粉末粒子を拡大して示す説明図、第2図
(a)は同製造方法のうち樹脂含浸工程を示す説明図、
第2図(b)は樹脂含浸後の圧粉成形体の粉末粒子を拡
大して示す説明図、第3図(a)は同製造方法のうち炭
化処理工程を示す説明図、第3図(b)は炭化処理後の
圧粉成形体の粉末粒子を拡大して示す説明図、第4図
(a)は同製造方法のうちの焼結工程を示す説明図、第
4図(b)は焼結後に得られた焼結体の焼結粒子を拡大
して示す説明図、第5図は炭化処理後の圧粉成形体を熱
間等方圧圧縮用のカプセル内に封入する途中の様子を示
す説明図、第6図は炭化処理後の圧粉成形体を熱間等方
圧圧縮用のカプセル内に封入した後の様子を示す説明図
である。 1……焼結原料粉末、4……圧粉成形体、6樹脂、12…
…炭素、35……焼結体、36……焼結粒子。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】焼結原料粉末の圧粉成形時ないしは圧粉成
    形後に樹脂を含有させ、次いで前記樹脂を含有させた圧
    粉成形体を炭化処理することにより前記樹脂を炭素化す
    るとともに焼結して、焼結粒子間に前記炭素化した炭素
    (グラファイト)が残存していて当該炭素(グラファイ
    ト)による潤滑性を付与した焼結体とすることを特徴と
    する高潤滑・耐摩耗性焼結体の製造方法。
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