JP2992114B2 - 内視鏡撮像装置 - Google Patents

内視鏡撮像装置

Info

Publication number
JP2992114B2
JP2992114B2 JP3097415A JP9741591A JP2992114B2 JP 2992114 B2 JP2992114 B2 JP 2992114B2 JP 3097415 A JP3097415 A JP 3097415A JP 9741591 A JP9741591 A JP 9741591A JP 2992114 B2 JP2992114 B2 JP 2992114B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ffc
frequency
pass filter
optical low
solid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP3097415A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04326317A (ja
Inventor
光次郎 金野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Corp filed Critical Olympus Corp
Priority to JP3097415A priority Critical patent/JP2992114B2/ja
Publication of JPH04326317A publication Critical patent/JPH04326317A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2992114B2 publication Critical patent/JP2992114B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Instruments For Viewing The Inside Of Hollow Bodies (AREA)
  • Optical Filters (AREA)
  • Endoscopes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内視鏡において、対物
レンズを介してイメージガイドファイバ束の射出端面に
現れた物体像を、光学的ローパスフィルタを介して固体
撮像素子により撮像するようにした内視鏡撮像装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】カラー撮像装置のように、CCD等の固
体撮像素子を利用して物体像を離散的に空間サンプリン
グして撮影する光学機器においては、物体像中に撮像側
のナイキスト周波数以上の高周波成分が含まれている場
合、その高周波成分とサンプリング周波数とのビートに
より、エリアジング,モアレ等と呼ばれる偽信号が発生
する。
【0003】従来、このような偽信号は、撮像光学系と
固体撮像素子との間に光学的ローパスフィルタを配設す
ることによって除去している。このような光学的ローパ
スフィルタの一例として特開昭60−164719号に
示されたものがある。この光学的ローパスフィルタは、
その特性を一次元の空間周波数で表すと図19に示すよ
うなMTF曲線を有しており、図中、輝度信号に関係す
るサンプリングポイント1と色差信号に関係するサンプ
リングポイント2に生じるキャリア成分を除去するた
め、両ポイント1と2をカットオフとし、色差信号に関
係するサンプリングポイント2以下の低周波数域でのレ
スポンスは減衰させないようにしている。
【0004】このため、色差信号に関係するサンプリン
グポイント2近傍でのMTF値は大きく、輝度信号のナ
イキスト周波数以上の周波数も透過させてしまうので、
モアレは完全には除去されていなかった。しかしなが
ら、一般的な被写体については、輝度のナイキスト周波
数以上の高周波成分が強く含まれる場合はそう頻繁には
ないため、一般的なビデオカメラ等ではこのような光学
的ローパスフィルタでも実使用上は問題がなかった。
【0005】ところで、近年、体腔内等をモニターテレ
ビ等に映し出して観察するようにした内視鏡ビデオシス
テムが普及してきている。このようなビデオシステム
は、多人数で同時に物体を観察できる他、画像処理技術
を利用して、物体像に含まれる情報のうち特定の情報の
みを目立たせたり消去したりして表示することができる
ため、生体の診断や各種検査等にも利用できて便利であ
り、今後その用途は一層広がってゆこうとしている。
【0006】このような内視鏡ビデオシステムの一例を
図20(A),(B)を用いて説明する。図20(A)
は、各種ファイバスコープにテレビカメラを取り付け
て、ファイバスコープによる像を撮影するための内視鏡
撮像装置の構成を模式的に示したものである。図中、3
はファイバスコープでその先端部には対物レンズ4が配
置されていて、その内部にはイメージガイドファイバー
束5が設けられており、イメージガイドファイバー束5
の入射端面は対物レンズ4の結像位置に、又射出端面は
接眼部6に夫々位置している。接眼部6内には接眼レン
ズ7が配設され、接眼部6とテレビカメラ8を接続する
アダプター9には結像レンズ10が内蔵されている。テ
レビカメラ8内には、光学的ローパスフィルタ11及び
固体撮像素子(CCD)12が順次配設されている。
【0007】従って、物体Mの像は対物レンズ4によっ
てイメージガイドファイバー束5の入射端面に結像さ
れ、更に射出端面まで伝達された像は接眼レンズ7及び
結像レンズ10によって、光学的ローパスフィルタ11
を介して固体撮像素子12上に再結像せしめられ、図示
しないテレビモニター等にテレビ画像として映し出され
る。
【0008】又、図20(B)に示す撮像装置では、接
眼部6を設けずに、イメージガイドファイバ5の射出端
面に伝達された物体像を結像レンズ10によって、光学
的ローパスフィルタ11を介して直接固体撮像素子12
に結像せしめるように構成されている。
【0009】又、イメージガイドファイバ束5のファイ
バーバンドルの固定パターンは、図21(A)に示すよ
うにコア13をクラッド14で覆ったファイバーが各段
毎に互い違いに水平積みされた最密構造のものや、同図
(B)に示すようにランダムに束ねられたランダム構造
のものがある。そしてこれらは、実使用に際しては図
(C),(D)に示すようにコア13とクラッド14と
に明確な明暗差が現れるようになっている。
【0010】そして、このような内視鏡撮像装置で得ら
れた画像をテレビカメラにより観察する場合、イメージ
ガイドファイバ束5の固定パターンと、例えば図22に
示すような、固体撮像素子12の受光領域に格子状に配
列された画素15の固定パターン16又は色差信号を得
るためのモザイク状色フィルタ17乃至20の固定パタ
ーン21との干渉により、モアレが発生する。
【0011】ところで、ファイバーバンドルを使用しな
い一般的な撮像装置の結像レンズの空間周波数レスポン
スは図23に示すように固体撮像素子12のナイキスト
周波数22より高い周波数領域まで延びているため、ナ
イキスト周波数22を越える高周波域の周波数成分が折
り返し歪みの原因となる。しかし、一般的な撮像装置を
用いる場合、折り返し歪みを形成するような固体撮像素
子12の画素より小さい細かな模様を撮影する機会はそ
う頻繁にはなく、しかもナイキスト周波数以下の低周波
数成分による解像を低下させないようにするためにも、
上述の図19に示すようなMTF特性を有する特開昭6
0−164719号に示された光学的ローパスフィルタ
が用いられていた。
【0012】ところが、内視鏡撮像装置による撮影対象
である図21(A),(B)で示されるようなファイバ
ーバンドルの射出端面に現れる物体像は、図24で示さ
れるような特殊な周波数スペクトルを持っている。即
ち、イメージガイドファイバ束を各ファイバで物体像を
空間サンプリングしていると見なせるので、イメージガ
イドのナイキスト周波数25以上の高周波数領域におい
て物体像は解像しないが、イメージガイドのサンプリン
グ周波数23を中心として高いレスポンスを持つ。この
ことは、通常の物体像を撮影する場合と異なり、固体撮
像素子12の画素より細かな模様を撮影する場合がほと
んどであることを示している。又、ファイバのコアとク
ラッドのように、明暗の差が矩形波状に変化する場合に
は、二次高調波成分が表れる。一般に、空間周波数は、 f=1/P(但し、Pは正弦波のピッチ) によって表されるが、図21(C),(D)に示される
ような実際のファイバーバンドルの固定パターンのよう
に、黒白エッジがはっきりしている時には、空間周波数
f′は、 f′=1/P′+2/P′+3/P′+・・・(但し、P′は矩形波のピッチ) という成分を含むことが知られている。従って、サンプ
リング周波数成分やその二次高調波成分24等が強く現
れることになる。
【0013】そして、図20(A),(B)において、
組み合わせるファイバスコープ3の種類が多かったり、
或いは交換レンズ10がズームレンズであったり、交換
可能であったりすると、接眼レンズ7又は結像レンズ1
0による結像倍率が変化し、図24におけるファイバー
バンドルの射出端面に現れる物体像の周波数特性も変化
するので、特開昭60−164719号のようなナイキ
スト周波数にのみカットオフを有する光学的ローパスフ
ィルタを用いた場合には、イメージガイドのサンプリン
グ周波数26に存在する強度の強い周波数スペクトル2
3により、折り返し歪みが発生してしまうことになる。
【0014】ところで、折り返し歪みが生じないよう
な、最も望ましい光学的ローパスフィルタは、図25
(A)に示すように、固体撮像素子12のナイキスト周
波数22以上の周波数帯域に応じたレスポンスを完全に
零とする急峻なMTF特性を有するものであるが、実際
にはこのようなフィルタは実現不可能である。従って、
通常の被写体よりもモアレの生じやすいイメージガイド
ファイバー束を被写体とする内視鏡撮像装置に最適で実
現可能な光学的ローパスフィルタは、図25(A)に示
す最も望ましいMTF特性に対して解像力を実用上問題
がない程度に落とした、同図(B)に示すようなMTF
特性を持つものであるといえる。ここで、イメージガイ
ドファイバー束の射出端面で解像される物体像の周波数
領域は、符号25以下の低周波領域であるため、図25
(B)を実現するために、ある程度解像力を低下させて
も実用上問題はない。
【0015】これを踏まえて、図24における、ファイ
バーバンドルの射出端面に現れた物体像の周波数特性を
二次元周波数空間に拡張してみる。図21(A)のよう
な最密構造を持つファイバーバンドルの固定パターンに
よる周波数スペクトルは、ファイバーの水平積み方向に
対して、30°,90°,−30°の角度方向に最も強
く発生し、その周波数の値fは、イメージガイドファイ
バーの各方向のピッチをPf,固体撮像素子12に物体
像を結像させる光学系の倍率をβとすると、 f=1/(Pf×β×sin60°) 〔本/mm〕 で与えられる。従って、図21(A)の最密構造を持つ
ファイバーバンドルの固定パターンによる周波数スペク
トルは、ファイバ束の種類や接眼レンズ、結像レンズの
倍率の違いによるPfの値のばらつきを考慮すると、二
次元周波数平面上では、イメージガイドファイバー束の
積み方向と固体撮像素子12の走査方向とを一致させた
場合、図26の27a〜27fで表されるような範囲に
存在し、又二次の周波数スペクトルは28a〜28fで
表されるような範囲に存在することになる。尚、図26
において、ωx,ωyは夫々水平方向及び垂直方向の空
間周波数を示している。
【0016】又、図21(B)で示されるようなランダ
ム構造のファイバーバンドルの固定パターンによる周波
数スペクトルは、任意の方向に f=1/(Pf×β) 〔本/mm〕 で与えられるので、二次元周波数平面上における空間周
波数レスポンスを示す図26と同様な図27において、
その周波数の値fは符号31で表された範囲に存在し、
又その二次の周波数スペクトルは符号32で表された範
囲に存在することになる。
【0017】尚、図26及び図27における符号29a
〜29hや30a〜30hは、図22に示すような固体
撮像素子12で離散的な空間サンプリングを行う場合の
サンプリング周波数又はサンプリングポイントと呼ばれ
るものの一部である。図28(A),(B)は固体撮像
素子12のサンプリングポイントを示すものであり、
(A)は輝度信号に関係するサンプリングポイントであ
り、(B)は色差信号に関係するサンプリングポイント
である。
【0018】これらのサンプリングポイントは次のよう
にして求められる。即ち、図29の(A)のように固体
撮像素子に格子状に画素が配列されている場合には、x
軸方向の画素ピッチをPx,y軸方向の画素ピッチをP
yとし、又各色フィルタアレイによって選択された光の
波長に応じた信号から二種類の色差信号を作るのに必要
な画素数をx軸方向についてはn画素,y軸方向につい
てはm画素とすると、1フィールドにおける輝度信号に
関係するサンプリングポイントは、二次元周波数空間上
で、 Fy(ij)=(i/Px,j/Py) (但し、i,jは共に整数) で表される。同様に色差信号に関係するサンプリングポ
イントは、 Fc(ij)=(i/nPx,j/mPy) (但し、i,jは共に整数) で表される。
【0019】又、図29(B)のようにCCDにオフセ
ット状に画素が配列されている場合には、x軸,y軸を
夫々画素の対角線の延長線上にとることによって、
(A)の場合と同一の条件が成立する。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】そして、これらの固体
撮像素子12の輝度信号に関係するサンプリング周波数
の1/2の値がナイキスト周波数となり、このナイキス
ト周波数以上の高い周波数帯に、図24に示すようなフ
ァイバーバンドルに含まれる強度の強い周波数スペクト
ル23が侵入すると、折り返し歪みが生じてモアレが発
生することになる。
【0021】又、モザイク状の色フィルタを用いた固体
撮像素子12の場合には、色差信号に関係するサンプリ
ングポイントを中心として、変調色信号と輝度信号とを
分離させるための電気的バンドパスフィルタによって定
まる周波数帯域に上述の周波数スペクトル23が侵入す
ることによっても、モアレが発生することになる。
【0022】以上のように、ファイバーバンドルは特定
の周波数成分を非常に強く含むため、内視鏡撮像装置に
より体腔内等を撮像するべくファイバーバンドルの固定
パターンを固体撮像素子に結像させる場合には、一般的
な被写体を撮像するためのファイバーバンドルを用いな
い撮像装置と比較して非常にモアレが発生し易く、これ
に対して従来の光学的ローパスフィルタを用いるとモア
レが目立ってしまい、実用上使用することができないと
いう問題がある。
【0023】本発明はこのような課題に鑑みて、上述の
ような特徴を持つファイバーバンドルを固体撮像素子で
撮影する場合に、モアレ縞のない鮮明な画像が得られる
ような光学的ローパスフィルタを備えた内視鏡撮像装置
を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明による内視鏡撮像
装置は、イメージガイドファイバ束の射出端面に現れる
物体像を、光学的ローパスフィルタを通して固体撮像素
子で離散的に空間サンプリングするようにした撮像装置
において、この固体撮像素子のx軸方向の画素ピッチを
Px,y軸方向の画素ピッチをPyとし、色フィルタに
よって選択された光の波長に応じた信号から二種類の色
差信号を作るのに必要な画素数をx軸方向についてはn
画素,y軸方向についてはm画素とした時、二次元周波
数空間上における色差信号に関係するサンプリングポイ
ントは、 Fc(ij)=(i/nPx,j/mPy) (但し、i,jは共に整数) で表され、各サンプリングポイントFc(ij)の中
で、原点に対して対称な2点を一組として任意の二組の
4点に着目してこれらの4点をFFc(ij)とした場
合、前述の光学的ローパスフィルタは、各FFc(i
j)の周囲にトラップラインが少なくとも3本配置され
ると共に、しかもこの3本のトラップラインは、各FF
c(ij)方向における各トラップライン上の点を夫々
1 (ij),C2 (ij),C3 (ij)とした場
合、 1/2|FFc(ij)|<|C1 (ij)|<|FFc(ij)| |FFc(ij)|<|C2 (ij)|<1.5|FFc(ij)| 1/2|FFc(ij)|<|C3 (ij)|<1.5|FFc(ij)| という条件を満足するように光学的ローパスフィルタが
構成されたことを特徴とするものである。
【0025】内視鏡用に最適な光学的ローパスフィルタ
の特性に最も近い図25(B)に示す特性を実現するた
めには、色差信号に関係するサンプリングポイントを中
心とした、ある幅を持った周波数帯域のレスポンスを極
力減衰させる必要がある。なぜなら、モザイク状の色フ
ィルタを用いている固体撮像素子の場合に対応させるに
は、前述の電気的バンドパスフィルタによって定まる周
波数帯域におけるMTFの値は十分に零に近くなくては
ならないからであり、又複数枚の固体撮像素子を用いた
場合にも、輝度信号に関係するサンプリングポイントの
0.5倍であるナイキスト周波数から、このサンプリン
グポイントに到る周波数帯域におけるMTFの値を十分
に零に近くしなければならないからである。
【0026】図28(B)は色差信号に関係するサンプ
リングポイントFc(ij)を示すものであり、この中
からFFc(ij)を選択するものであるが、図21
(A)のような最密構造のファイバーバンドルの固定パ
ターンを撮像する場合には、そのファイバーバンドルは
図26の符号27a〜27f,28a〜28fのような
範囲の周波数スペクトルを持つので、着目すべき色差信
号に関係するサンプリングポイントFFc(ij)は、
これらの周波数スペクトルと重複するところの図26で
符号29a(符号29eが原点に対して対称となる)と
符号29c(符号29gが原点に対して対称となる)で
示された点である。 又、図21(B)のようなファイ
バーバンドルの固定パターンを撮像する場合には、その
ファイバーバンドルは図27の符号31及び符号32の
ような範囲の周波数スペクトルを持つので、着目すべき
色差信号に関係するサンプリングポイントFFc(i
j)は、図27で上述の場合と同一の符号29aと29
cの点の他に、符号29b(符号29fが原点について
対称となる)と符号29d(符号29hが原点について
対称となる)で示された点を更に加えなければならな
い。
【0027】これら着目すべき色差信号に関係するサン
プリングポイントFFc(ij)の中の1つを点33と
して、図1により説明すると、この点33の周りには3
本のトラップライン34,35,36が配置されてお
り、C1 (ij),C2 (ij),C3 (ij)は、原
点から点33を通る破線方向即ちFFc(ij)方向4
0がトラップライン34,35,36と夫々交わる点
に、符号37,38,39として決定される。この場
合、FFc(ij)方向40における紙面に直交する断
面におけるMTF曲線を示せば、図2のようになる。
【0028】即ち、図2において、従来の光学的ローパ
スフィルタは図(A)に示すようなMTF特性を有する
ために、色差信号に関係するサンプリングポイント2を
中心とした、ある周波数帯域41即ち電気的バンドパス
フィルタ帯域及び輝度信号のナイキスト周波数以上の周
波数帯域におけるレスポンスが十分に小さくなっていな
かった。これに対して本発明による光学的ローパスフィ
ルタでは、図(B)に示すようにトラップライン上の点
1 (ij)37とC2 (ij)38とで、周波数帯域
41内の両端でのレスポンスを減衰させ、更に図(C)
に示すように点C3 (ij)39で二点C1 (ij)3
7,C2 (ij)38間のレスポンスを抑制すること
で、周波数帯域41全体のレスポンスが極めて小さくな
り、内視鏡撮像装置に最適な図25(B)に示す光学的
ローパスフィルタのMTF特性がほぼ実現されることに
なる。
【0029】尚、色差信号に関係するサンプリングポイ
ントから定まるナイキスト周波数以下の周波数帯域にト
ラップラインを配置すると解像力が劣化するため、トラ
ップライン即ちトラップライン上の点C1 (ij)37
及びC3 (ij)39の下限を1/2Fc(ij)とす
る必要がある。又一方で、トラップライン上の点C
2 (ij)38及びC3 (ij)39の上限をあまり高
周波数にすると周波数帯域41のレスポンスの減衰に効
果がなくなるため、1.5Fc(ij)程度としておけ
ばよい。
【0030】
【作用】上述のような構成にしておけば、内視鏡撮像装
置による体腔内等の撮像時にイメージガイドファイバの
固定パターンによる周波数スペクトルが、電気的バンド
パスフィルタ帯域や輝度信号のナイキスト周波数以上の
周波数帯域等ある周波数帯域41に侵入することを抑制
して、モアレの発生を防止することができる。そのた
め、いかなる結像倍率においても内視鏡特有の問題であ
る、ファイバーバンドルの周波数スペクトルと固体撮像
素子との間の良好な関係を維持させることができ、モア
レが少なく解像の良い内視鏡画像を提供することができ
る。
【0031】
【実施例】以下、図示した各実施例に基づいて本発明を
詳細に説明する。図3(A),(B)は本発明の第一実
施例による光学的ローパスフィルタ42の構成を示すも
のであり、このフィルタ42は7枚の複屈折板42a,
42b,42c,42d,42e,42f,42gから
構成されている。ここで、各実施例で使用する固体撮像
素子12は、上述の図22で示されたようなモザイク状
の各色の色フィルタ17,18,19,20を備えたC
CDであるものとする。この固体撮像素子12におい
て、水平方向の画素ピッチはPx=62.5〔μ〕,垂
直方向の画素ピッチはPy=50.0〔μ〕とし、又二
種類の色差信号を作るのに必要な画素数を、水平方向で
はn=2〔画素〕,垂直方向ではm=4〔画素〕である
ものとする。
【0032】又、色差信号に関係するサンプリングポイ
ントFc(ij)については、i,j=1とすると、 Fc(11)=(1/nPx,1/mPy)=(8,5) 〔本/mm〕 と演算される。又、光学的ローパスフィルタ42の各複
屈折板42a,42b,42c,42d,42e,42
f,42gの厚さは夫々、18.25mm,10.65
mm,14.45mm,11.35mm,11.20m
m,10.00mm,11.60mmになっている。
又、図3(B)に示すように、イメージガイドファイバ
束5の射出端面から見た各複屈折板42a〜42gの結
晶軸方向は、固体撮像素子12の水平走査方向に対して
夫々75°,30°,75°,−60°,75°,−6
0°,−15°の角度となっている。
【0033】ところで、一枚の複屈折板の空間周波数レ
スポンスは、図4に示すように、|cosθ|形のMT
F特性を有しており、そのカットオフ周波数43を二次
元の周波数空間上に表示すると直線で示され、この直線
はトラップラインと呼ばれている。二次元周波数空間に
おけるトラップラインの位置は、使用する複屈折板の結
晶軸と厚さによって適当に決定することができる。図5
は、本実施例による光学的ローパスフィルタ42の空間
周波数レスポンスを二次元周波数平面で表した図であ
る。
【0034】図5において、複屈折板42aについて一
対のトラップライン44a,44bが存在し、同様に他
の複屈折板42b,42c,42d,42e,42f,
42gにも夫々一対のトラップライン45a,45b;
46a,46b;47a,47b;48a,48b;4
9a,49b;50a,50bが存在する。そして、こ
れらの直線上で夫々レスポンスが零になることが示され
ている。光学的ローパスフィルタ42の全体のレスポン
スは、複屈折板42a乃至42gの各レスポンスの積に
なるので、その大きさは図面からは直ちに明らかではな
いが、原点(ωx=ωy=0)におけるMTFの値1か
ら各トラップライン44a,b乃至50a,bに向かっ
て徐々に下降していく形状特性を有している。
【0035】尚、この実施例の固体撮像素子12では、
色差信号に関係するサンプリング周波数と、輝度信号の
ナイキスト周波数とが一致している。そして、光学的ロ
ーパスフィルタ42は、図21(A)のようなイメージ
ガイドファイバ束5の射出端面を、図22で示すような
モザイク状の色フィルタ21を備えた固体撮像素子12
に結像させる場合に発生する色差信号と輝度信号を分離
するための電気的バンドパスフィルタ帯域に、ファイバ
ーバンドルの固定パターンによる周波数スペクトルが侵
入して発生するモアレと、輝度信号のナイキスト周波数
以上の周波数帯域にこの周波数スペクトルが折り返し成
分として侵入することによって発生するモアレとを防止
するために、サンプリングポイントFc(ij)の中か
ら、夫々原点について対称な一組2点から成る二組の4
点FFc(ij)を以下のように選択する。 FFc(ij)=(8,5),(−8,−5)及び =(−8,5),(8,−5)
【0036】しかも、これらの各FFc(ij)のまわ
りには夫々3本以上のトラップラインが配設されるよう
になっている。又、各FFc(ij)方向における各ト
ラップライン上の点C1 (ij),C2 (ij),C3
(ij)は、例えば、 (1)FFc(ij)=(8,5),(−8,−5)方
向において、 C1 (ij)=0.98FFc(ij) C2 (ij)=1.10FFc(ij) C3 (ij)=0.83FFc(ij) と設定され、又、 (2)FFc(ij)=(−8,5),(8,−5)方
向においては、 C1 (ij)=0.81FFc(ij) C2 (ij)=1.36FFc(ij) C3 (ij)=1.20FFc(ij) と設定されている。
【0037】本実施例による光学的ローパスフィルタ4
2は上述のように構成されているから、図20の(A)
又は(B)に示す内視鏡撮像装置でフィルタ11に代え
て本実施例による光学的ローパスフィルタ42が配設さ
れた構成において、物体Mを撮影する時、イメージガイ
ドファイバ束5が図21(A)に示す最密構造を有する
場合、ファイバーバンドルの固定パターンによる周波数
スペクトルが図26の符号27a,27c,27d,2
7fで示すような値をとることになる。この場合、光学
的ローパスフィルタ42に関して、図5における水平方
向,垂直方向,FFc(ij)=(8,5),(−8,
−5)方向,FFc(ij)=(−8,5),(8,−
5)方向についてのMTF曲線を示すと、夫々図6の
(A),(B),(C),(D)に示された特性を呈す
る。特に図(C),(D)から明らかなように、色差信
号に関係するサンプリングポイント2(或いは、本実施
例による固体撮像素子12であればナイキスト周波数)
近傍のレスポンスはほぼ零になっており、ファイバーバ
ンドルの固定パターンによる周波数スペクトルが図26
の符号27a,27c,27d,27fで示すような値
をとっても、モアレの発生を実用十分なレベルにまで抑
制させることができる。
【0038】又、ファイバーバンドルの固定パターンに
おけるコアとクラッドの明暗差による二次の周波数成分
28a〜28fが、輝度信号に関係するサンプリングポ
イントと干渉して発生するモアレを抑制するために、こ
れらのサンプリングポイント30a〜30hの低周波側
にトラップラインが配設されている。
【0039】又、本実施例では、図21(B)に示すよ
うなランダム構造を有するイメージガイドファイバ束5
の射出端面を撮影するような場合を考慮して、水平方向
及び垂直方向の色差信号に関係するサンプリングポイン
ト29a,29d,29f,29hを二本のトラップラ
インで挟むように構成されている(図5参照)。この場
合には、前述の4点FFc(ij)と同様に考えれば、
FFc′(ij)=(8,0),(−8,0)及びFF
c′(ij)=(0,5),(0,−5)に着目して、
トラップライン上の点C1 ′(ij),C2′(ij)
は、 (1)FFc′(ij)=(8,0),(−8,0)方
向において、 C1 ′(ij)=0.95FFc′(ij) C2 ′(ij)=1.15FFc′(ij) と設定され、又、 (2)FFc′(ij)=(0,5),(0,−5)方
向においては、 C1 ′(ij)=0.96FFc′(ij) C2 ′(ij)=1.18FFc′(ij) と設定されている。
【0040】又、図6の(A),(B)から明らかなよ
うに、水平及び垂直方向の色差信号に関係するサンプリ
ングポイント近傍のレスポンスはほぼ零に減衰されてい
るので、ファイバーバンドルの固定パターンの持つ周波
数スペクトルが図27の符号31で示す領域の値をとっ
たとしても、モアレの発生を実用上十分なレベルにまで
抑えることができる。
【0041】尚、図5において破線で示されたトラップ
ライン44c,44d,45c,45d,50c,50
dは、夫々トラップライン44a,44b,45a,4
5b,50a,50bの繰り返しによる二次のトラップ
ラインであり、別個に付け加えられたものではない。
又、図3(B)において、複屈折板の結晶軸の方向が固
体撮像素子の水平走査方向となす角度は、各複屈折板毎
に75°,−60°,30°,−15°の角度を組み合
わせたものになっているが、これは色差信号に関係する
サンプリングポイント29a〜29hと、輝度信号に関
係するサンプリングポイント30a〜30hとを同時に
透過させるようにして、水晶板の構成枚数の減少を図っ
たためである。
【0042】上述のように本実施例によれば、イメージ
ガイドファイバ束5の固定パターンが例えば最密構造で
あっても、ランダム構造であっても、その固定パターン
による周波数スペクトルによって生じる折り返し歪みを
減少させ、モアレの発生を実使用上問題がない程度まで
抑制させることができる。
【0043】次に本発明の第二実施例を説明する。図7
(A)は、8枚の複屈折板51a,51b,51c,5
1d,51e,51f,51g,51hから成る光学的
ローパスフィルタ51を示すものである。各複屈折板5
1a,51b,51c,51d,51e,51f,51
g,51hの厚さは、使用する固体撮像素子12の色差
信号に関係するサンプリングポイントFc(11)=
(1/nPx,1/mPy)=(8,5)〔本/mm〕
に対して、夫々18.25mm,13.25mm,1
3.25mm,11.35mm,11.20mm,1
0.65mm,10.00mm,10.00mmとなっ
ている。又、イメージガイドファイバ束5の射出端面側
から見た各複屈折板51a,51b,51c,51d,
51e,51f,51g,51hの結晶軸方向は、図
(B)に示すように固体撮像素子12の水平走査方向に
対して、夫々75°,30°,75°,−60°,75
°,30°,−15°,−60°の角度に設定されてい
る。
【0044】図8は図7に示す光学的ローパスフィルタ
51の空間周波数レスポンスを二次元周波数平面で表し
た図であり、第一実施例と同様に、色差信号に関係する
サンプリングポイントFc(ij)のうち、原点に対称
な二組4点FFc(ij)=(8,5),(−8,−
5)及び(−8,5),(8,−5)に着目して、各F
Fc(ij)方向のその点の近傍に、夫々3本以上のト
ラップラインが配設されている。
【0045】本第二実施例の場合の光学的ローパスフィ
ルタ51の特性を、図8の水平方向,垂直方向,FFc
(ij)=(8,5),(−8,−5)方向,FFc
(ij)=(−8,5),(8,−5)方向についての
MTF曲線によって表すと、夫々図9(A),(B),
(C),(D)に示すようになる。この図から明らかな
ように、色差信号に関係するサンプリングポイント近傍
の空間周波数のレスポンスは、第一実施例よりも小さく
減衰されており、厳密な値になっている。従って、モア
レを一層少なくすることができる。
【0046】次に本発明の第三実施例を説明する。図1
0(A)は、9枚の複屈折板52a,52b,52c,
52d,52e,52f,52g,52h,52iから
成る光学的ローパスフィルタ52を示すものである。各
複屈折板52a,52b,52c,52d,52e,5
2f,52g,52h,52iの厚みは、使用するCC
Dの色差信号に関係するサンプリングポイントFc(1
1)=(1/nPx,1/mPy)=(8,5)〔本/
mm〕に対して、夫々10.65mm,11.60m
m,18.25mm,18.25mm,13.35m
m,13.25mm,11.35mm,10.00m
m,12.60mmとなっている。又、イメージガイド
ファイバ束5の射出端面側から見た各複屈折板52a,
52b,52c,52d,52e,52f,52g,5
2h,52iの結晶軸方向は、図(B)に示すように固
体撮像素子12の水平走査方向に対して、夫々30°,
−15°,−60°,75°,−60°,75°,−6
0°,−15°,30°の角度に設定されている。
【0047】図11は図10に示す光学的ローパスフィ
ルタ52の空間周波数レスポンスを二次元周波数平面で
表した図である。本実施例では、主に図21(B)に示
すようなイメージガイドファイバ束の射出端面を撮影す
る場合を考慮して、色差信号に関係するサンプリング周
波数29b,29d,29f,29hに応じたレスポン
スを、上述の第一及び第二実施例よりも更に厳密に減衰
させるために、サンプリングポイントFc(ij)のう
ち、4点FFc(ij)=(8,0),(−8,0)及
び(0,5),(0,−5)に着目して、各FFc(i
j)方向のその近傍に、夫々3本以上のトラップライン
が配設されている。
【0048】即ち、各Fc(ij)方向に交差するトラ
ップライン上の点C1 (ij),C 2 (ij),C
3 (ij)は、 (1)FFc(ij)=(8,0),(−8,0)方向
において、 C1 (ij)=0.97FFc(ij) C2 (ij)=1.16FFc(ij) C3 (ij)=1.15FFc(ij) (2)FFc(ij)=(0,5),(0,−5)方向
において、 C1 (ij)=0.93FFc(ij) C2 (ij)=1.28FFc(ij) C3 (ij)=1.08FFc(ij) となっている。
【0049】次に上述の構成による本第三実施例の光学
的ローパスフィルタ52の特性を、図11の水平方向,
垂直方向,FFc(ij)=(8,0),(−8,0)
方向,FFc(ij)=(0,5),(0,−5)方向
についてのMTF曲線によって表すと、夫々図12
(A),(B),(C),(D)に示すようになる。こ
の図(A),(B)から明らかなように、色差信号に関
係するサンプリングポイント近傍の空間周波数のレスポ
ンスは、ほぼ零になっている。又、FFc(ij)=
(8,0),(−8,0)に対しては、色差信号と輝度
信号を分離するための電気的バンドパスフィルタによっ
て定まる周波数帯域に、輝度信号が侵入して発生する色
モアレを抑止させ、又FFc(ij)=(0,5),
(0,−5)に対しては、垂直信号に特有な走査線によ
るモアレの発生を抑止することができる。このため、ラ
ンダム構造のイメージガイドファイバ束の射出端面を主
に撮影する場合に最適な構成になっている。
【0050】尚、上述の各実施例では、複屈折板の結晶
軸の方向が固体撮像素子12の水平走査方向となす角度
を、式45°×l−15°(但し、l=−1,0,1,
2)によって設定するように構成しているが、この角度
は、式45°×l(但し、l=−1,0,1,2)によ
って設定するようにしてもよい。
【0051】次に本発明の第四実施例について説明す
る。図13(A)は、9枚の複屈折板53a,53b,
53c,53d,53e,53f,53g,53h,5
3iから成る光学的ローパスフィルタ53を示すもので
ある。各複屈折板53a,53b,53c,53d,5
3e,53f,53g,53h,53iの厚みは、使用
するCCDの色差信号に関係するサンプリングポイント
Fc(11)=(1/nPx,1/mPy)=(8,
5)〔本/mm〕に対して、夫々17.7mm,8.7
mm,16.35mm,8.7mm,11.20mm,
4.75mm,10.10mm,4.75mm,8.8
5mmとなっている。又、イメージガイドファイバ束5
の射出端面側から見た各複屈折板53a,53b,53
c,53d,53e,53f,53g,53h,53i
の結晶軸方向は、図(B)に示すように固体撮像素子1
2の水平走査方向に対して、夫々90°,45°,90
°,−45°,0°,−45°,0°,45°,90°
に設定されている。
【0052】図14は図13に示す光学的ローパスフィ
ルタ53の空間周波数レスポンスを二次元周波数平面で
表した図である。そして、色差信号に関係するサンプリ
ングポイントFc(ij)のうち、原点に対称な二組4
点FFc(ij)=(8,5),(−8,−5)及び
(−8,5),(8,−5)に着目して、夫々その近傍
に3本以上のトラップラインが配設されている。各FF
c(ij)方向におけるトラップライン上の点C1 (i
j),C2 (ij),C3 (ij)は、 (1)FFc(ij)=(8,5),(−8,−5)方
向において、 C1 (ij)=0.89FFc(ij) C2 (ij)=1.06FFc(ij) C3 (ij)=0.96FFc(ij) (2)FFc(ij)=(−8,5),(8,−5)方
向において、 C1 (ij)=0.89FFc(ij) C2 (ij)=1.06FFc(ij) C3 (ij)=0.96FFc(ij) となっている。
【0053】本実施例の光学的ローパスフィルタ53に
ついて、図14の水平方向,垂直方向,FFc(ij)
方向から見たMTF曲線を示すと、夫々図15(A),
(B),(C)のようになる。図(C)から明らかなよ
うに、色差信号に関係するサンプリングポイント近傍の
空間周波数のレスポンスは、ほぼ零になる。
【0054】本実施例においても、図21(B)のよう
なランダム構造の射出端面を有するイメージガイドファ
イバ束5に対応できるように、水平及び垂直方向のサン
プリングポイント29b,29d,29f,29hを夫
々二本のトラップラインで挟み込むように構成されてい
る(図14参照)。そして、前述のFc(ij)と同様
に、水平及び垂直方向の色差信号に関係するサンプリン
グポイントFFc′(ij)=(8,0),(−8,
0)、FFc″(ij)=(0,5),(0,−5)と
すると、FFc′(ij),FFc″(ij)方向のト
ラップライン上の点C1 ′(ij),C2 ′(ij),
1″(ij),C2 ″(ij)は、 (1)FFc′(ij)=(8,0),(−8,0)に
ついて、 C1 ′(ij)=0.95FFc′(ij) C2 ′(ij)=1.05FFc′(ij) (2)FFc″(ij)=(0,5),(0,−5)に
ついて、 C1 ″(ij)=0.96FFc″(ij) C2 ″(ij)=1.04FFc″(ij) のように配設されることになる。
【0055】次に、図16(A)は本発明の第五実施例
の光学的ローパスフィルタ54を示すものであり、五枚
の複屈折板54a,54b,54c,54d,54eに
よって構成されている。各複屈折板54a,54b,5
4c,54d,54eの厚さは、夫々15.75mm,
14.66mm,18.25mm,14.66mm,1
1.25mmになっている。又、図(B)において、イ
メージガイドファイバ束5の射出端面側から見た各複屈
折板54a,54b,54c,54d,54eの結晶軸
方向は、固体撮像素子の水平走査方向に対して、夫々9
0°,−45°,90°,45°,0°の角度となって
いる。
【0056】図17は図16に示す光学的ローパスフィ
ルタ54の空間周波数レスポンスを二次元周波数平面で
表した図である。そして、色差信号に関係するサンプリ
ングポイントFc(ij)のうち、原点に対称な二組4
点FFc(ij)=(8,5),(−8,−5)及び
(−8,5),(8,−5)に着目して、夫々その近傍
に3本以上のトラップラインが配設されている。各FF
c(ij)方向におけるトラップライン上の点C1 (i
j),C2 (ij),C3 (ij)は、 (1)FFc(ij)=(8,5),(−8,−5)方
向において、 C1 (ij)=0.63FFc(ij) C2 (ij)=1.08FFc(ij) C3 (ij)=0.94FFc(ij) (2)FFc(ij)=(−8,5),(8,−5)方
向において、 C1 (ij)=0.63FFc(ij) C2 (ij)=1.08FFc(ij) C3 (ij)=0.94FFc(ij) となっている。
【0057】本実施例の光学的ローパスフィルタ54に
ついて、図17の水平方向,垂直方向,FFc(ij)
方向についてのMTF曲線を示すと、夫々図18
(A),(B),(C)のようになる。図(C)から明
らかなように、色差信号に関係するサンプリングポイン
ト近傍の空間周波数のレスポンスは、ほぼ零になる。
【0058】本実施例においても、図21(B)のよう
なランダム構造を有するイメージガイドファイバ束5に
対応可能なように、水平及び垂直方向のサンプリングポ
イント29b,29d,29f,29haを二本のトラ
ップラインで挟み込むように構成されている。そして、
前述のFc(ij)と同様に、水平及び垂直方向の色差
信号に関係するサンプリングポイントFFc′(ij)
=(8,0),(−8,0),FFc″(ij)=
(0,5),(0,−5)とすると、FFc′(i
j),FFc″(ij)方向のトラップライン上の点C
1 ′(ij),C2 ′(ij),C1 ″(ij),
2″(ij)は、 (1)FFc′(ij)=(8,0),(−8,0)に
ついて、 C1 ′(ij)=0.94FFc′(ij) C2 ′(ij)=1.03FFc′(ij) (2)FFc″(ij)=(0,5),(0,−5)に
ついて、 C1 ″(ij)=0.93FFc″(ij) C2 ″(ij)=1.08FFc″(ij) のように配設されることになる。
【0059】本実施例では、図18(A),(B)から
明らかなように、水平及び垂直方向の色差信号に関係す
るサンプリングポイント近傍の空間周波数のレスポンス
が零に減衰されている。
【0060】ところで、内視鏡撮像装置において、接眼
レンズ7や結像レンズ10のMTF特性があまり良くな
い場合には、わざわざ光学的ローパスフィルタを使用し
て高周波のレスポンスを落とす必要はない。本第五実施
例はこのような撮像装置の一例としてこのような特徴に
対応せしめたものであり、第一実施例と異なって、輝度
信号に関係するサンプリングポイントの低周波側にトラ
ップラインを配設していない。そして本実施例では、複
屈折板の枚数の削減も考慮して、色差信号に関係するサ
ンプリングポイント近傍の空間周波数のレスポンスのみ
を小さくし得るように、必要最低限の構成にしている。
【0061】尚、上述の各実施例では、光学的ローパス
フィルタを構成する複数の複屈折板として、水晶板を用
いたが、これに限定されることなく多面体やレンチキュ
ラーレンズ等を含む構造にしても良く、或いは方解石や
液晶ポリマー等他の複屈折材料を用いてもよい。又、光
学的ローパスフィルタを構成し得る水晶フィルターの一
部を結像レンズ中や、イメージガイド直後に配置するよ
うにしてもよい。又、3板式カラーカメラ等のように、
色差信号に関係するサンプリングポイントと輝度信号に
関係するサンプリングポイントとが同一である場合に
は、Fy(ij)=Fc(ij)となることはいうまで
もない。
【0062】
【発明の効果】上述のように、本発明に係る内視鏡撮像
装置は、色差信号に関係するサンプリングポイントFc
(ij)のうちの、原点に対して対称な任意の二組4点
をFFc(ij)とした場合、これらの点の周りに配置
される少なくとも3本のトラップライン上の点C1 (i
j),C2 (ij),C3 (ij)が、点FFc(i
j)に関する所定の条件を満たすようにしたから、イメ
ージガイドファイバ束の固定パターンによって生じる折
り返し歪みを減少させて、モアレの発生を実使用に問題
がない程度まで抑制させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光学的ローパスフィルタに関し、
二次元空間周波数平面におけるサンプリングポイントF
Fc(ij)の1点とトラップライン上の点C1 (i
j),C2 (ij),C3 (ij)との関係を示す図で
ある。
【図2】夫々空間周波数レスポンスを示す図であって、
(A)は従来の光学的ローパスフィルタのMTF特性,
(B),(C)は図1に対応するFFc(ij)方向の
MTF特性を段階的に減衰させて示す図である。
【図3】本発明の第一実施例の光学的ローパスフィルタ
を示すものであって、(A)は略平面図、(B)は個々
の複屈折板の結晶軸方向を示す図である。
【図4】一枚の複屈折板の空間周波数レスポンスを示す
図である。
【図5】光学的ローパスフィルタの空間周波数レスポン
スを二次元周波数平面で示す図である。
【図6】(A),(B),(C),(D)は、夫々図5
の水平方向,垂直方向,FFc(ij)=(8,5),
(−8,−5)方向,FFc(ij)=(−8,5),
(8,−5)方向におけるMTF曲線である。
【図7】本発明の第二実施例の光学的ローパスフィルタ
を示すものであって、(A)は略平面図、(B)は個々
の複屈折板の結晶軸方向を示す図である。
【図8】光学的ローパスフィルタの空間周波数レスポン
スを二次元周波数平面で示す図である。
【図9】(A),(B),(C),(D)は、夫々図8
の水平方向,垂直方向,FFc(ij)=(8,5),
(−8,−5)方向,FFc(ij)=(−8,5),
(8,−5)方向についてのMTF曲線である。
【図10】本発明の第三実施例の光学的ローパスフィル
タを示すものであって、(A)は略平面図、(B)は個
々の複屈折板の結晶軸方向を示す図である。
【図11】光学的ローパスフィルタの空間周波数レスポ
ンスを二次元周波数平面で示す図である。
【図12】(A),(B),(C),(D)は、夫々図
11の水平方向,垂直方向,FFc(ij=(8,
5),(−8,−5)方向,FFc(ij)=(−8,
5),(8,−5)方向についてのMTF曲線である。
【図13】本発明の第四実施例の光学的ローパスフィル
タを示すものであって、(A)は略平面図、(B)は個
々の複屈折板の結晶軸方向を示す図である。
【図14】光学的ローパスフィルタの空間周波数レスポ
ンスを二次元周波数平面で示す図である。
【図15】(A),(B),(C)は、夫々図14の水
平方向,垂直方向,FFc(ij方向からみたMTF曲
線である。
【図16】本発明の第五実施例の光学的ローパスフィル
タを示すものであって、(A)は略平面図、(B)は個
々の複屈折板の結晶軸方向を示す図である。
【図17】光学的ローパスフィルタの空間周波数レスポ
ンスを二次元周波数平面で示す図である。
【図18】(A),(B),(C)は、夫々図17の水
平方向,垂直方向,FFc(ij方向についてのMTF
曲線である。
【図19】従来の光学的ローパスフィルタの一次元の空
間周波数レスポンスを示す図である。
【図20】(A),(B)は夫々内視鏡撮像装置の構成
を示す図である。
【図21】(A),(B)は夫々イメージガイドファイ
バのファイバーバンドルの固定パターンを示すものであ
り、(C),(D)は夫々(A),(B)のファイバに
ついて明暗の差が激しい固定パターンを示す図である。
【図22】固体撮像素子の受光領域及び色差信号を得る
ためのフィルターの固定パターンを示す部分斜視図であ
る。
【図23】一般的な被写体の周波数スペクトルを示す図
である。
【図24】ファイバーバンドルの射出端面に現れる物体
像を固体撮像素子上に再結像させる結像レンズの空間周
波数レスポンスを示す図である。
【図25】(A)は理想的なMTF特性を示す図、
(B)は実現し得る最適なMTF特性を示す図である。
【図26】図21(A)に示すファイバーバンドルの固
定パターンによる周波数スペクトルと固体撮像素子のサ
ンプリングポイントとが二次元周波数平面上に示された
図である。
【図27】図21(B)に示すファイバーバンドルの固
定パターンによる周波数スペクトルと固体撮像素子のサ
ンプリングポイントとが二次元周波数平面上に示された
図である。
【図28】(A)は輝度信号に関係する固体撮像素子の
サンプリングポイントを示す図、(B)は色差信号に関
係する固体撮像素子のサンプリングポイントを示す図で
ある。
【図29】(A),(B)は夫々固体撮像素子の異なる
画素配列を示す図である。
【符号の説明】
5 イメージガイドファイ
バ束 12 固体撮像素子 33 点FFc(ij) 34,35,36 トラップライン 37 点C1 (ij) 38 点C2 (ij) 39 点C3 (ij) 42,51,52,53,54 光学的ローパスフィル

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イメージガイドファイバ束の射出端面に
    現れる物体像を、光学的ローパスフィルタを通して固体
    撮像素子で離散的に空間サンプリングするようにした撮
    像装置において、二次元周波数空間上における前記固体
    撮像素子の色差信号に関係するサンプリングポイントF
    c(ij)の中で、原点に対して対称な2点を一組とし
    て任意の二組の4点をFFc(ij)とした場合、前記
    光学的ローパスフィルタによるトラップラインは、各F
    Fc(ij)の周囲に少なくとも3本配置され、しかも
    各トラップラインは、各FFc(ij)方向における各
    トラップライン上の点を夫々C1 (ij),C2 (i
    j),C3 (ij)とした場合、 1/2|FFc(ij)|<|C1 (ij)|<|FFc(ij)| |FFc(ij)|<|C2 (ij)|<1.5|FFc(ij)| 1/2|FFc(ij)|<|C3 (ij)|<1.5|FFc(ij)| 成る条件を満足する前記光学的ローパスフィルタを備え
    たことを特徴とする内視鏡撮像装置。但し、前記固体撮
    像素子のx軸方向の画素ピッチをPx,y軸方向の画素
    ピッチをPyとし、色フィルタによって選択された光の
    波長に応じた信号から二種類の色差信号を作るのに必要
    な画素数をx軸方向についてはn画素,y軸方向につい
    てはm画素とした時、二次元周波数空間上における色差
    信号に関係するサンプリングポイントFc(ij)は、 Fc(ij)=(i/nPx,j/mPy) (但し、i,jは共に整数) で表されるものとする。
JP3097415A 1991-04-26 1991-04-26 内視鏡撮像装置 Expired - Fee Related JP2992114B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3097415A JP2992114B2 (ja) 1991-04-26 1991-04-26 内視鏡撮像装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3097415A JP2992114B2 (ja) 1991-04-26 1991-04-26 内視鏡撮像装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04326317A JPH04326317A (ja) 1992-11-16
JP2992114B2 true JP2992114B2 (ja) 1999-12-20

Family

ID=14191844

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3097415A Expired - Fee Related JP2992114B2 (ja) 1991-04-26 1991-04-26 内視鏡撮像装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2992114B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04326317A (ja) 1992-11-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5121213A (en) Imaging system having a blurring optical element for minimizing moire phenomenon
JP2826328B2 (ja) 撮像装置
US4988171A (en) Imaging device and endoscope system provided with the same
JPH058579Y2 (ja)
JPS5975222A (ja) 光学フイルタ
JP4377673B2 (ja) 立体画像撮像装置および立体画像表示装置
JP2992114B2 (ja) 内視鏡撮像装置
EP0022220B1 (en) Multiple viewing attachment for an endoscope
US5841491A (en) Fiberscope enhancement system
JPH01284225A (ja) 内視鏡用テレビカメラ
JP4377656B2 (ja) インテグラルフォトグラフィ撮影装置およびインテグラルフォトグラフィ表示装置
JP3542374B2 (ja) 撮像装置
JP3222164B2 (ja) 撮像装置
JP3105600B2 (ja) 内視鏡
JPH10148754A (ja) デジタルスチルカメラ
US7405759B2 (en) Imaging with spectrally dispersive element for aliasing reducing
JP2826339B2 (ja) 撮像装置
JPH0248810Y2 (ja)
JP2826338B2 (ja) 撮像装置
JP2939637B2 (ja) 撮像光学系
JP3060348B2 (ja) 内視鏡
JP3752277B2 (ja) ミラースキャン機能を有する電子撮像装置
JP3190449B2 (ja) 内視鏡テレビシステム
JP3296837B2 (ja) 内視鏡用撮像装置
JP3283051B2 (ja) 撮像装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19990928

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees