JP2992029B2 - 織機用杼口形成装置 - Google Patents

織機用杼口形成装置

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JP2992029B2
JP2992029B2 JP11010385A JP1038599A JP2992029B2 JP 2992029 B2 JP2992029 B2 JP 2992029B2 JP 11010385 A JP11010385 A JP 11010385A JP 1038599 A JP1038599 A JP 1038599A JP 2992029 B2 JP2992029 B2 JP 2992029B2
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knife
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    • D03WEAVING
    • D03CSHEDDING MECHANISMS; PATTERN CARDS OR CHAINS; PUNCHING OF CARDS; DESIGNING PATTERNS
    • D03C3/00Jacquards
    • D03C3/20Electrically-operated jacquards
    • DTEXTILES; PAPER
    • D03WEAVING
    • D03CSHEDDING MECHANISMS; PATTERN CARDS OR CHAINS; PUNCHING OF CARDS; DESIGNING PATTERNS
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    • D03C3/06Double-lift jacquards
    • DTEXTILES; PAPER
    • D03WEAVING
    • D03CSHEDDING MECHANISMS; PATTERN CARDS OR CHAINS; PUNCHING OF CARDS; DESIGNING PATTERNS
    • D03C3/00Jacquards
    • D03C3/12Multiple-shed jacquards, i.e. jacquards which move warp threads to several different heights, e.g. for weaving pile fabrics

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  • Textile Engineering (AREA)
  • Looms (AREA)
  • Braiding, Manufacturing Of Bobbin-Net Or Lace, And Manufacturing Of Nets By Knotting (AREA)
  • Load-Engaging Elements For Cranes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、杼口開口原理(ope
n-shed principle)に従って織機における縦糸用ヘッド
ルの位置を個々に制御する杼口形成装置に関する。この
杼口形成装置では、縦糸用ヘッドルが2つの位置を採る
ことができる。すなわち、横糸差し込み高さより下の最
下部と、横糸差し込み高さより上の最上部である。各杼
打ち時にそれぞれの位置に到達するか、または、その位
置のまま維持されるときに、2位置杼口開口と呼ばれ
る。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】英国
特許公報GB 2 047 755号により、プーリ部
材からアーケード(arcades)が吊るされている杼口形成
装置が知られている。このプーリ部材のホイールの周囲
には、先端が板ばね状フックに連結されたコードが押し
付けられている。各板ばね状フックには最下部に突出部
(nose)が設けられており、この突出部により板ばね状フ
ックは対応するリフトナイフに引っかかることができ
る。ナイフは上下移動において反対の位相に2つずつ移
動する。板ばねフックには最上部にフック部が設けら
れ、このフック部を用いて板ばねフックは、一緒に動作
する2つの板ばねの間に配置された電磁石の作用により
最上位置で固定ナイフに引っかかることができる。しか
しながら、板ばね状フックの最下部の突出部は、一緒に
上下動するリフトナイフの通路内に常に存在する。選択
されなかったフックは対応するリフトナイフ上に常に留
まっている。よって、板ばねフックの最下位置は、移動
するリフトナイフによって形成されるものである。
【0003】従来の装置では、プーリ装置が大きな不都
合となる。速い織り速度では、プーリ装置のリバーシン
グローラが正逆に速く回転しなければならない。このと
き、ホイールのベアリング内で起こる摩擦とホイールの
溝表面でのコードのスリップとにより熱が発生する。ま
た、コードは高頻度でリバーシングローラ上を巻き戻さ
れなければならない。このコードは摩滅および引き裂き
により最後には破断することになる。織布エリアにおけ
る埃がホイールに詰まって回転しなくなり、これにより
コードは強い摩擦を受けて早期に破断する。破断するプ
ーリコードの数がかなり多くなるとすべてのプーリ部材
を予防的に交換しなければならず、このために織機の織
り効率が低下することになる。また、織機一台につき何
千ものプーリの交換には、多大な時間と専門職員が必要
となり、これによりランニングコストが増大することに
なる。
【0004】欧州特許EP 0 711 856号に
は、プーリ部材を用いずに操作することにより上記不都
合を改善する試みが開示されている。しかしながら、こ
の装置では、横糸差し込み頻度と同じ頻度で少しのリフ
ト動作を行うことによりフックを前もって選択しなけれ
ばならないという不都合がある。換言すると、選択装置
とこれら選択装置が取り付けられているグリッドは横糸
差し込み周期の間に上下動を行わなければならない。こ
の場合、例えば毎分1000回の高速稼動時では激しい
振動が発生することになる。他の不都合は、ジャカード
フックに抗して引くばね保持フックをリフトナイフに設
けなければならない点にある。このことは、熱を発生さ
せると共に、大きな機械的ロスの原因となる。
【0005】欧州特許EP 0 779 384による
別の試みもまた、プーリ部材を用いずに操作することを
意図している。その技術の不都合な点は、2つの脚部が
あるフックを必要とし、かつ各場合におけるハーネスの
負荷が中央にあるために、フックに偏心的に負荷がかか
るという点にある。この偏心負荷を補うために、中央ガ
イド部材を設ける必要がある。しかしながら、この中央
ガイド部材は余分な摩擦を引き起こすことになり、これ
によりこの装置は大きな機械的ロスを被ることになる。
この解決策は2つの脚部のあるフックに依存するため、
この装置は水平面内においてより大きな場所を取ること
になる。したがって、設置面積がかなり大きくなる。
【0006】杼口形成装置はまた、ジャカードベルベッ
ト(jacquard velvet)やマルチパイル縦糸カーペット(mu
ltiple pile warp thread carpets)を織るための対面ダ
ブルグリッパ織機に用いられるような3位置ジャカード
装置にも利用されている。ダブルグリッパ織機では、各
横糸差し込み周期に2本の横糸が差し込まれる。このこ
とは、パイル縦糸が3つの位置すなわち両方の横糸差し
込み手段より下の最下位置、2つの横糸差し込み手段の
間の中間位置、および両方の横糸差し込み手段より上の
最上位置をとることができることを意味する。3位置の
各位置が、各杼打ち時又は各横糸差し込み時に達成され
るか、あるいは維持されるときに、3位置杼口開口ジャ
カード装置と呼ばれる。3位置杼口開口ジャカード装置
は、プーリ装置をもつ2位置杼口開口装置の2つのフッ
クを設けることによって実現される。ジャカードベルベ
ットやマルチパイル縦糸カーペットを織るための3位置
杼口開口ジャカード装置の重要性は、境界部での色混じ
りや2回杼打ち織り(two-shot weave)を用いたときのパ
イル面の2重タフト(double tufts)を避けるために必要
なパイル織り修正(pile weave corrections)が色変更時
に可能であることである。
【0007】フランス特許公報第1,225,173号
により、中間位置および最下位置では杼口開口するが最
上位置では杼口開口しない3位置ジャカード装置が知ら
れている。この装置では、プーリコードにより互いに接
続された2つのカード操作フック(card-operated hook)
が使用されている。上記プーリコードはプーリ装置の上
部ホイールの周囲に掛けられている。下部プーリコード
は一端が可動グリッドに固定され、そして下部ホイール
の周囲に掛けられて、その他端がハーネスコードに接続
されている。この装置では、最下位置および中間位置が
各杼打ちごとに達成または維持され、最上位置だけが各
1つおきの杼打ちごとに達成される。この装置の不都合
は、プーリコードを使用する点にある。ホイール上でコ
ードが繰り返し押し付けられ、かつ摩擦を受けることに
より、コードが摩滅するとともに引き裂かれてやがては
破断することになる。また、下部プーリグリッドを動か
すための装置も設けなければならない。
【0008】フランス特許公報第1,513,410号
により、2位置杼口開口ジャカード装置の2つのフック
と、1つのプーリ部材とを用いた3位置杼口開口ジャカ
ード装置が知られている。この装置が2つのフックを使
用しているということは、3位置をとる特定数のコード
のために、フックに2倍の収容力(double capacity)が
与えられていなければならないことを意味する。プーリ
コードはここでもまた装置の弱い部材となる。現在では
普通になっている速い織り速度では、プーリコードは早
期に破断する。
【0009】フランス特許公報第2 466 541号
により同様の装置が知られているが、この装置ではプー
リ装置に移動補強部材が組み込まれている。この装置の
不都合もまた、2倍の数のフックおよびプーリコード
と、移動補強部材に必要な余分のリバーシングローラと
を使用している点にある。
【0010】欧州特許公報第0 399 930号によ
り、2つの補足的なフックを使用した装置が知られてい
る。これらのフックはそれぞれ、3位置杼口開口を実現
するために、1つのプーリと1つのリバーシングローラ
を有している。このプーリ装置では、プーリコードは互
いに直交して立つ2つの平面内において押し付けられ、
これによりプーリコードは、プーリコードの繊維の疲
労、摩滅、引き裂きなどによって破断する。この装置で
はまた、3位置装置を得るために2つの隣接するフック
も必要である。
【0011】上述した公知の装置はすべて、プーリ装置
のプーリコードが摩滅や引き裂きを受けて破断するた
め、早期の交換が必要になるという不都合がある。この
問題は、現在の織り速度の下ではより深刻になる。
【0012】そこで、本発明は、上記従来技術の欠点お
よび不都合を防止するとともに、異なるタイプのジャカ
ード装置すなわち2位置杼口開口ジャカード装置および
3位置杼口開口ジャカード装置に使用するのに適した杼
口形成装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この目的のため、本発明
の杼口形成装置は、縦糸用ヘッドルに連結されたフック
部材と、該フック部材が引っかかることができる上下可
動ナイフとを備えており、上記フック部材にはばね部材
が設けてあるとともに、上記フック部材を上記上下可動
ナイフに選択的に引っかけたり引っかけなかったりする
ために上記ばね部材に影響を及ぼし得るアクチュエータ
が設けてある。本発明によればさらに、ばね脚部(sprin
g legs)の形をした少なくとも3つのばね部材が各フッ
ク部材に設けられ、少なくとも2つの上記ばね部材は少
なくとも二重層のばねとして形成されており、上記ばね
脚部の少なくとも2つには上記可動ナイフと協働するよ
うになっているフック部が設けられ、1つ又はそれ以上
の上記アクチュエータが種々のばね部材に選択的に影響
を及ぼし得るように設けられ、アクチュエータにより影
響を及ぼされる位置にあるばね部材の少なくとも一部の
ために保持フックが設けられている。
【0014】2位置杼口開口ジャガード装置に用いられ
ることになる本発明の或る特定の実施形態では、杼口形
成装置の各フック部材には三重(triple)のばね部材の形
をした3つの異なる長さのばね脚部が設けられているの
が好ましく、反対の位相に移動する2つのナイフと共に
動作するようになっている2つの長い脚部は上記フック
部材の一方の側面に沿って設けてあり、各フック部材
は、上記フック部材が高い位置にあるときに上記ばね脚
部の少なくとも1つに影響を及ぼす1つのアクチュエー
タと、上記フック部材が低い位置にあるときに1つ又は
それ以上のばね脚部に影響を及ぼす第2アクチュエータ
とを備えており、保持フックが上記第2アクチュエータ
に又はその近傍に設けられ、上記保持フックが上記ばね
脚部の最短のものを上記アクチュエータにより影響を及
ぼされる位置に保持するものである。
【0015】この実施形態において上記問題は、長い脚
部、中間の脚部および短い脚部を持つ三重層のフック(t
riple laminated hook)を好ましくは設けることによっ
て解決される。このフックにはその上部に突出部が設け
られており、この突出部によりフックは持ち上げられな
いときに固定ボトムグリッドに載ることができる。この
固定グリッドの上方には、フックを持ち上げるために反
対の位相に上下移動可能な2つのナイフ装置がある。こ
れらのナイフ装置は、同一平面内において互いに向かう
方向または互いに離れる方向に交互に移動する。フック
は、例えばスチールのような磁性材料からなる。フック
に作用してこれらを曲げることによりフックが可動ナイ
フに引っかからないようにするために、2つの電磁コイ
ルが設けられている。また、最下部の電磁コイルには、
フックを短い脚部と共に最上位置へ持ち上げるために、
突出フックが設けられている。
【0016】本発明の別の特徴によれば、三重のばね部
材を三重層ばね部材(triple laminated spring elemen
t)の形に形成できるだけでなく、三重に分割されたばね
部材(triple split spring element)や二重層でかつ部
分的に分割されたばね部材(double laminated, partial
ly split spring element)などの形に形成することもで
きる。
【0017】3位置杼口開口ジャカード装置に用いられ
ることになる本発明の他の特定の実施形態によれば、各
フック部材には二重層でかつ二重のばね部材(double la
minated, double spring element)の形をした4つの異
なる長さのばね脚部が設けられているのが好ましく、2
つの長い脚部のそれぞれには反対の位相に移動する2つ
の上部ナイフと協働するようになっている1つのフック
部がフック部材の一方の側面に沿って設けられ、2つの
短い脚部のそれぞれには反対の位相に移動する2つの下
部ナイフと共に異なる高さで協働するようになっている
2つのフック部がフック部材の一方の側面に沿って設け
られており、各フック部材はフック部材の異なる位置で
種々のばね脚部に影響を及ぼすための5つのアクチュエ
ータを備えている。
【0018】本発明の別の特徴によれば、アクチュエー
タのうちの1つは、1つ又はそれ以上の他のアクチュエ
ータがばね脚部に影響を及ぼすためにそのばね脚部のフ
ック部が上下可動ナイフに引っかからないときに、フッ
ク部材を選択された高さに保持できるようにするための
ロック機構を備えている。
【0019】本発明のこの実施形態において上記問題
は、3位置を実現するためのプーリコードを持つプーリ
装置を用いることなく解決される。3位置を実現するた
めに、まず第1に、1つの同一平面内で移動する4つの
ナイフ装置が設けられている。ナイフは反対の位相にリ
フトを行う。第2に、フックには4つの脚部が設けられ
ており、各脚部はそれぞれのナイフと共に動作する。第
3に、フックの脚部に作用してこれを曲げるために、例
えば電磁コイルのような手段が設けられている。第4
に、フックを中間位置または最上位置に保持するため
に、保持部材(holdingcatch)が設けられている。そのた
めに、フックには2つの切り欠きまたは保持突出部(hol
ding noses)が設けられている。第5に、各短い脚部に
は1つのフック部がそれぞれ設けてある。最後に、フッ
クには突出部が設けてあり、この突出部によりフックは
最下位置において固定ボトムグリッドに載ることができ
る。
【0020】本発明の好ましい形態では、アクチュエー
タが特に電磁アクチュエータ及び/又は圧電アクチュエ
ータである。
【0021】本発明の特有の特徴およびその動作は、本
発明の4つの好適な実施形態を示す添付図面を参照して
以下にさらに説明されている。これらの実施形態の特定
の態様は、本発明の上記一般的説明の範囲内にある好適
な例として説明されているだけであり、上記一般的説明
および上記特許請求の範囲に記載される本発明の範囲を
制限するものとして解釈すべきでない。
【0022】
【発明の実施の形態】図1(a)には、2位置杼口開口
ジャカード装置に用いられる本発明の第1実施形態の杼
口形成装置が示されており、図示する位置ではフックh
がボトムグリッドbの上に載っているとともに、2つの
リフトナイフm1,m2が互いに離れて持ち上げられてそ
れぞれの死点にある。フックh1はその最上部がコイル
1に対向しており、中央のフックh2はその最上部がコ
イルS2に対向している。長いフックh1は、上部にフッ
ク部を有しており、このフック部により最上部のナイフ
1に引っかかることができる。中央のフックh2もまた
フック部を有し、このフック部により最下部に移動した
リフトナイフm2に引っかかることができる。フックh2
はフックh1の孔を介して動作する。短いフックh3は孔
または窓開口部(window opening)を有し、この孔または
窓開口部によりフックh3はコイルS2上の突出フックに
引っかかることができる。これについては、図1(e)
の矢印X方向から見た図を示す図2(a)を参照願いた
い。
【0023】ジャカード制御によって決められるパター
ンに応じてフックが次の杼打ち(pick)時に下に留まらな
ければならないとき、コイルS2に電圧が印加されてフ
ックh2がナイフm2から離れるように曲げられ、これに
よりフックh2はナイフm2の届かないところとなる。フ
ックh2は、コイルS2の突出フックによって妨げられな
いようにするための孔を有している。ナイフm2は上に
移動し、ナイフm1は下に移動する。フックhはボトム
グリッドbの上に載ったまま留まる。上部のナイフm1
はフックh1を通過して移動しなければならない。その
ためにナイフm1は、フックh1を離れる方向に機械的に
押すために、その下部に適当な形状を有している。ある
いは、その目的のために与えられる制御により通過時に
コイルS1に対して効果的に電圧印加することもでき、
これによりフックh1は曲げられてナイフm1の届かない
範囲に保持される。フックhの新しい位置は図1(b)
に表されている。
【0024】ジャカード制御によって決められるパター
ンに応じてフックが次の杼打ち時に上がらなければなら
ないとき、どのコイルにも電圧は印加されず、これによ
りフックh2はナイフm2に引っかかって、図1(d)に
示すように最上位置となる。下方移動するナイフm1
また、上方移動するフックh1を通り越す。ナイフm1
適当な形状によりナイフm1はフックh1を離れる方向に
機械的に押すことができ、あるいは、このときに適当な
制御によりコイルS1に電圧印加することができる。
【0025】フックを図1(b)に示す位置から最上位
置に移動させるためには、どのコイルにも電圧は印加さ
れない。フックh1は曲げられず、これによりナイフm1
と共に上に移動することになる。この上方移動のときに
フックh2はナイフm2を通り過ぎなければならない。こ
れもまた同様に、ナイフm2の適当な形状により、ある
いは、通過時にコイルS2に適当な電圧印加を行うこと
により、機械的に起こすことができる。フックh2
は、コイルS2の突出フックが通るための長孔が形成さ
れている(図2(a)参照)。そして、フックは図1
(c)に示すように最上位置に到達する。
【0026】フックを図1(c)に示すように保持する
ために、コイルS2に電圧が印加される。短いフックh3
はその上部がコイルS2の真正面にあり、フックh3の窓
開口部がコイルS2の突出フックに対向している。曲げ
られることによりフックh3はこの突出フックに引っか
かり、ナイフm1の下方移動の間も上がったままとな
る。フックhは図1(d)に示すように最上位置に留ま
る。図1(d)の位置にフックを保持するためにコイル
2には再び電圧が印加されることになるが、そうでな
ければフックはナイフm2と共に下に戻る。
【0027】図1(c)に示す最上位置にあるフックを
図1(b)に示す位置に移動させるためには、どのコイ
ルにも電圧は印加されない。上方移動のときにナイフm
2はフックh2を通り過ぎなければならず、そのために通
過時にコイルS2に電圧が印加されることになる。この
位置は図1(e)において移動方向Bと実線で描かれた
フックとで示されている。
【0028】フックを図1(d)に示す位置から図1
(a)に示す位置へと下に移動させるためには、どのコ
イルにも電圧は印加されない。上方移動のときにナイフ
1はフックh1を通り過ぎなければならず、このときコ
イルS1には、ナイフm1の届かないところにフックh1
を保持するために、電圧が印加されることになる。この
位置は、図1(e)において移動方向Aと破線で描かれ
たフックとで示されている。
【0029】上記説明から明らかなように、各フックを
その位置に保持することもできるし、または、別の第2
の位置に移動させることもできる。このように、本発明
の装置は、杼口開口原理に従っている。本発明の装置
は、プーリ部材なしで動作する。多層に重ねられたフッ
クによって装置の設置面積が非常に小さくなる。
【0030】多層に重ねられたフックに代えて、図2
(b)に示すように、同一平面内に互いに横並びで配置
された3つのスチール帯材でフックを形成してもよい。
また、図2(c)に示すように、長いフックh1と中間
のフックh2を互いに横並びで配置して、これら2つの
フックに立て掛けるようにフックh3を配置してもよ
い。この構造のフックでは、コイルS2の突出フックが
フックh1の通路内で機能することができ、この場合に
はフックh2の孔が必要なくなる。
【0031】図3に示すように、装置はまた、フックh
を最上位置に保持するために電磁気的または圧電的に制
御される回転保持部材(rotating catch)の形をした第3
アクチュエータまたは選択部材S3と共に動作するよう
にしてもよい。この選択部材は、例えば、その目的のた
めに窓開口部、切り欠き、またはフック部を設けたフッ
クhに対して作用するようにしてもよい。これには当然
に1つの選択部材の分だけ付加的なコストがかかる。そ
して、フックは同一平面内に互いに横並びで配置された
2つの層h1,h2すなわち2つのフックに限定されても
よく、この場合、各フックh1,h2はその通路内にコイ
ルS1,S2をそれぞれ有している。
【0032】図4(a)〜4(f)及び図5には、3位
置杼口開口ジャカード装置に用いられる本発明の一実施
形態の杼口形成装置が示されている。これらの図では、
異なる平面内に配置された各脚部を簡単にするために、
4つの脚部をもつフックが概略的に表されている。脚部
は、図5に示すように同じ平面内に2つずつ互いに隣接
して配置されることもできるし、あるいは、4つの脚部
のすべてが同じ平面内に互いに隣接して配置されること
もできる。フックの下部にはハーネスコードが取り付け
られており、フックはばね荷重により常に下に引張られ
ている。各ナイフは、そのばね荷重に抗してフックを上
下に移動させる役割を果たす。この装置はまた、ハーネ
スのない3位置ジャカード装置にも特に適している。パ
イル縦糸が貫通して引張られているジャカードヘッドル
はフックに直接に接続されており、ヘッドルを引っ込め
るばねがフックのシャンク(shank)内に部分的に、また
は完全に組み込まれていてもよい。
【0033】まず第一に、3位置を実現するために、1
つの同一平面内で動く4つのナイフ装置m1,m2
3,m4が設けてある。ナイフm1,m2は反対の位相
(すなわち、ナイフm1が最下死点にあるとき、ナイフ
2は最上死点にある。)で2Hのリフトをそれぞれ行
う。ナイフm3,m4は、反対の位相にHのリフトを行
う。第二に、フックには4つの脚部が設けてあり、各脚
部はそれぞれのナイフと共に動作する。第三に、フック
の各脚部のために、これを曲げるようにフックの脚部に
作用可能な手段が設けられている。この手段は、例えば
電磁コイルS1である。第四に、フックを中間位置また
は最上位置に保持するために、保持部材(holding catc
h)kと操作アクチュエータS5が設けられている。その
目的のために、フックには、(H−2×除去あそび(rem
oval play))の距離だけ離して配置された2つの切り欠
きまたは保持突出部(holding noses)が設けられてい
る。第五に、各短い脚部h3,h4には、第2フック部
h'3,h'4が上部フック部から(H−2×除去あそび)
の距離に設けられている。除去あそびとは、フックの各
脚部についてのナイフ最上部とフック最下部との間の距
離である。除去あそびは、ナイフから脚部を外せるよう
にするために必要である。最後に、フックには突出部(n
ose)が設けてあり、この突出部により最下位置にあるフ
ックは固定ボトムグリッドbに載ることができる。
【0034】最下位置では、フックは固定ボトムグリッ
ドbに載っている。図4(a)において、この位置は、
最下死点にあるナイフm1,m3と最上死点にあるナイフ
2,m4とで表されている。図4(b)には、別の位置
が表されている。これらの位置は、1つおきの杼打ちま
たは横糸差し込み周期ごとに周期的に繰り返される。図
4(c)と図4(d)ではフックが中間位置にあり、図
4(e)と図4(f)ではフックが最上位置にあり、各
場合においてナイフはそれぞれの位置にある。フックの
好適な実施形態を図5に示す。
【0035】所定のパターンにしたがってフックが次の
杼打ち時には下に留まらなければならないとき、脚部h
1,h3をそれぞれ曲げるようにコイルS1,S3を作動さ
せ、これにより脚部h1,h3は上昇するナイフm1,m3
によって持ち上げられることはない。コイルに代えて、
脚部を曲げるために別の手段を用いてもよい。保持部材
kはコイルS5によって解除される。ナイフm1,m3
上昇し、ナイフm2,m 4は下降する。このときの最後
に、ナイフm2,m4の最下部が脚部h2,h4の最上部に
衝突することになる。これを防止するために、それらの
ナイフの最下部には傾斜した形状が与えられており、こ
れにより脚部の最上部をナイフによって離れる方向に機
械的に押すことができる。そのとき、コイルS2,S4
また、脚部を曲げるために適当に作動させることがで
き、これにより脚部がナイフの届かないところとなる。
この動作は以下において退避動作として言及されてい
る。その結果、フックはボトムグリッドbに載ったまま
となり、図4(b)に示す最下位置に留まる。
【0036】次の杼打ち時にもまたフックが下に留まら
なければならない場合、ナイフm2,m4から離れるよう
に脚部h2,h4を曲げるためにコイルS2,S4を作動さ
せる。保持部材kはコイルS5によって解除される。そ
れらの移動の最後に、ナイフm1,m3の最下部が脚部h
1,h2の最上部に衝突することになる。これを防止する
ため、それらナイフの最下部には傾斜した形状が与えら
れており、これにより脚部の最上部を離れるように機械
的に押すことができる。そのとき、脚部を曲げるように
コイルS1,S3を作用させることにより退避動作が適当
に行われ、これによりこれら脚部はナイフの届かないと
ころとなる。その結果、フックはボトムグリッドbに載
ったままとなって、図4(a)に示す最下位置に留ま
る。
【0037】所定のパターンにしたがってフックが最下
位置から中間位置に移動しなければならないとき、この
ことは、ナイフの移動順序を考慮すると、図4(a)に
示す位置から図4(d)に示す位置に変わるか、また
は、図4(b)に示す位置から図4(c)に示す位置に
変わることによってのみ可能である。
【0038】フックを最下位置すなわち図4(a)に示
す状態から中間位置すなわち図4(d)に示す状態に移
動させるためには、ナイフm1の届かない範囲に脚部h1
の最上部を保持するようにコイルS1を作動させること
になる。保持部材kはコイルS5により解除されてい
る。フックは、脚部h3と共に、上昇するナイフm3によ
って(H−除去あそび)のリフト距離だけ持ち上げられ
て中間位置に移動し、そこで脚部h3はナイフm3に引っ
かかった状態になる。ナイフm2,m4はその下降移動中
に、上昇するフックh2,h4の最上部とすれ違う。通過
時の衝突を防止するため、ナイフの最下部を傾斜させて
あるとともに、そのときにコイルS2,S4を作動させて
退避動作を行う。図4(d)に示すように、フックは脚
部h3によりナイフm3に引っかかっており、このときナ
イフm4から第2フック部h'4を外せるようにするた
め、脚部h4の第2フック部h'4は上部フック部から
(H−2×除去あそび)の距離に配置される。
【0039】フックを最下位置すなわち図4(b)に示
す状態から中間位置すなわち図4(c)に示す状態に移
動させるためには、ナイフm2から届かない範囲に脚部
2の最上部を保持するようにコイルS2を作動させるこ
とになる。保持部材kはコイルS5により解除されてい
る。フックは、脚部h4と共に、上昇するナイフm4によ
って(H−除去あそび)のリフト距離だけ持ち上げられ
て中間位置に移動し、そこで脚部h4はナイフm4に引っ
かかった状態になる。ナイフm1,m3はその下降移動中
に、上昇するフックh1,h3の最上部とすれ違う。衝突
を防止するため、ナイフの最下部を傾斜させてあるとと
もに、そのときにコイルS1,S3を作動させて退避動作
を行う。図4(c)に示すように、フックは脚部h4
よりナイフm4に引っかかっており、このときナイフm3
から第2フック部h'3を外せるようにするため、脚部h
3の第2フック部h'3は上部フック部から(H−2×除
去あそび)の距離に配置される。
【0040】フックは中間位置から最下位置に移動する
こともできる。フックを図4(d)の中間位置から図4
(a)の最下位置に移動させるためには、コイルS4
作動させると共に保持部材kをコイルS5により解除す
る。第2フック部h'4はナイフm4から外れて、フック
は脚部h3と共にナイフm3に引っかかったままでこのナ
イフと共に下降することになる。フックが下降するとき
脚部h2が上昇するナイフm2とすれ違うが、引っかから
ないようにするために、そのときにコイルS2を作動さ
せて退避動作を行うことになる。脚部h4のフック部も
ナイフm4とすれ違うが、引っかからないようにするた
めに、そのときにコイルS4を再び作動させて退避動作
を行うことになる。ナイフm1が通過しなければならな
いときにフックh1の位置を変えるために、コイルS1
作動させることにより退避動作を行うことになる。フッ
クは最下位置に来て、その突出部をボトムグリッドbに
載せた状態になる。
【0041】フックを図4(c)の中間位置から図4
(b)の最下位置に移動させるために、コイルS3を作
動させると共に保持部材kをコイルS5により解除す
る。第2フック部h'3はナイフm3から外れて、フック
は脚部h4によりナイフm4に引っかかったままでこのナ
イフと共に下降することになる。フックが下降するとき
脚部h1が上昇するナイフm1とすれ違うことになるが、
引っかからないようにするため、コイルS1を作動させ
て退避動作を行う。脚部h3のフック部もまたナイフm 3
とすれ違うが、引っかからないようにするため、コイル
3を再び作動させて退避動作を行うことになる。フッ
クは最下位置に来て、その突出部をボトムグリッドbに
載せた状態になる。
【0042】フックはまた、中間位置に留まることもで
きる。フックを図4(d)の位置から図4(c)の位置
へと中間位置に保持するため、コイルS4を作動させる
ことになる。これにより、第2フック部h'4はナイフm
4の届かない範囲に保持され、保持部材kはコイルS5
よりフックの上部切り欠きに引っかかるような状態にな
る。その切り欠きが保持部材に引っかかるまでフックは
ナイフm3と共に僅かに下降するが、フックはなお中間
位置に留まる。ナイフm2は引っかかることなくフック
2を通過しなければならず、そのために通過時にフッ
クh2をナイフm2から離すようにコイルS2を作動させ
て退避動作を行う。ナイフm1,m3は脚部h1と第2フ
ック部h'3をそれぞれ通過しなければならず、そのため
にコイルS1,S3を作動させて退避動作を行うことにな
る。
【0043】フックを図4(c)の中間位置から図4
(d)の中間位置に保持するために、コイルS3を作動
させる。これにより、第2フック部h'3がナイフm3
届かない範囲に保持され、保持部材kはコイルS5によ
りフックの上部切り欠きに引っかかるような状態にな
る。その切り欠きが保持部材kに引っかかるまでフック
はナイフm4と共に僅かに下降するが、フックはなお中
間位置に留まる。ナイフm1は引っかからずにフックh1
を通過しなければならず、そのために通過時にフックh
1をナイフm1から離すようにコイルS1を作動させて退
避動作を行うことになる。ナイフm2,4は脚部h2と第
2フック部h'4をそれぞれ通過しなければならず、その
ためにコイルS2,S4を作動させて退避動作を行うこと
になる。
【0044】最上位置にはすべての最下位置から到達で
きる。図4(a)の位置から図4(f)の位置への移
動、図4(b)の位置から図4(e)の位置への移動、
およびその逆の移動についても説明されるべきである。
図4(a)に示す最下位置から図4(f)に示す最上位
置に移動するためには、まず、どのコイルも作動させな
い。また、保持部材kはコイルS5により解除されてい
る。フックはナイフm1と共に、最上位置に向けて上方
にリフト距離(2H)だけ移動することになる。ナイフ
2は脚部h2を通過しなければならず、そのために通過
時にコイルS2を作動させて退避動作を行うことにな
る。第2フック部h'3はナイフm3を通過しなければな
らず、そのために通過時にコイルS3を作動させて退避
動作を行うことになる。ナイフm4は脚部h4と第2フッ
ク部h'4を通過しなければならず、そのために通過時に
コイルS4を作動させて退避動作を行う。これにより、
フックはナイフm1に引っかかった状態になる。
【0045】図4(b)に示す最下位置から図4(e)
に示す最上位置に移動するためには、まず、どのコイル
も作動させない。また、保持部材kはコイルS5により
解除されている。フックはナイフm2と共に、最上位置
に向けて上方に(2H)のリフト距離だけ移動すること
になる。ナイフm1は脚部h1を通過しなければならず、
そのために通過時にコイルS1を作動させて退避動作を
行うことになる。ナイフm3は脚部h3と第2フック部
h'3を通過しなければならず、そのために通過時にコイ
ルS3を作動させて退避動作を行う。ナイフm4は第2フ
ック部h'4を通過しなければならず、そのために通過時
にコイルS4を作動させて退避動作を行うことになる。
これにより、フックはナイフm2に引っかかった状態に
なる。
【0046】図4(f)に示す最上位置から図4(a)
に示す最下位置に移動させるためには、コイルS3を作
動させることになる。これにより、第2フック部h'3
ナイフm3から外れる。また、保持部材kはコイルS5
より解除されている。フックはナイフm1と共に、最下
位置に向けて下方に(2H)のリフト距離だけ移動する
ことになる。ナイフm2は引っかからずに脚部h2のフッ
ク部を通過しなければならず、そのためにナイフm2
ら脚部h2のフック部を外すように、通過時にコイルS2
を作動させて退避動作を行うことになる。脚部h3のフ
ック部はナイフm 3を通過しなければならず、そのため
に通過時にコイルS3を再び作動させて退避動作を行う
ことになる。第2フック部h'4と脚部h4のフック部は
引っかからずにナイフm4を通過しなければならず、そ
のために通過時にコイルS4を作動させて退避動作を行
うことになる。これにより、フックはボトムグリッドb
に載った状態になる。
【0047】図4(e)に示す最上位置から図4(b)
に示す最下位置に移動させるために、コイルS4を作動
させる。これにより、第2フック部h'4はナイフm4
ら外れる。また、保持部材kはコイルS5により解除さ
れている。フックはナイフm2と共に、最下位置に向け
て下方にリフト距離(2H)だけ移動することになる。
脚部h1のフック部は引っかからずにナイフm1を通過し
なければならず、そのために通過時にコイルS1を作動
させて退避動作を行うことになる。第2フック部h' 3
脚部h3のフック部は引っかからずにナイフm3を通過し
なければならず、そのために通過時にコイルS3を作動
させて退避動作を行うことになる。これにより、フック
はボトムグリッドbに載った状態になる。
【0048】フックは最上位置に留まることもできる。
図4(f)の状態から図4(e)の状態への移行によっ
て最上位置にフックを保持するために、どのコイルも作
動させずに、コイルS5により保持部材kをフックの下
部切り欠きに引っ掛ける。これにより、フックは保持部
材kに保持されて最上位置に留まる。図4(e)の状態
から図4(f)の状態への移行によりフックを最上位置
に保持するためには、どのコイルも作動させずに、コイ
ルS5により保持部材kをフックの下部切り欠きに引っ
掛ける。これにより、フックは保持部材kに保持されて
最上位置に留まる。これら両方の移行では、退避動作を
行う必要はない。
【0049】フックは中間位置から最上位置に移動させ
ることもできるし、この逆の移動もできる。図4(c)
に示す中間位置から図4(f)に示す最上位置に移動さ
せるためには、どのコイルも動作させずに、コイルS5
により保持部材kを解除する。フックは第2フック部
h'3が引っかかったナイフm3により(H)のリフト距
離だけ持ち上げられ、このリフトの最後にナイフm1
脚部h1のフック部によりフックを持ち上げる。フック
は脚部h1によりナイフm1で保持され、このとき第2フ
ック部h'3とナイフm3の間に再び除去あそびが生じ
る。上昇するフックh2の最上部は下降するナイフm2
避けなければならず、そのためにコイルS2を作動させ
て退避動作を行うことになる。第2フック部h'4はナイ
フm4を避けなければならず、そのためにコイルS4を作
動させて退避動作を行うことになる。
【0050】図4(d)に示す中間位置から図4(e)
に示す最上位置に移動させるためには、どのコイルも作
動させず、保持部材kをコイルS5により解除する。フ
ックは第2フック部h'4が引っかかったナイフm4によ
りリフト距離(H)だけ持ち上げられ、このリフトの最
後に、ナイフm2が脚部h2のフック部によりフックを持
ち上げる。フックは脚部h2によってナイフm2に引っか
かっており、このとき第2フック部h'4とナイフm4
の間に再び除去あそびが生じる。上昇するフックの脚部
1は下降するナイフm1から離れるように位置を変える
必要があり、そのためにコイルS1を作動させて退避動
作を行うことになる。上昇するフックの第2フック部
h'3は下降するナイフm3を通過しなければならず、そ
のためにコイルS3を作動させて退避動作を行うことに
なる。
【0051】図4(f)に示す最上位置から図4(c)
に示す中間位置にフックを戻すためには、どのコイルも
作動させず、保持部材kをコイルS5により解除する。
フックはナイフm1と共に下に移動し、第2フック部h'
3が引っかかることにより支持がナイフm3に移り、これ
によりフックはナイフm3と共に(H)の距離だけ下降
する。脚部h2のフック部はナイフm2に引っかからなく
てもよく、そのために通過時にコイルS2を作動させて
退避動作を行うことになる。第2フック部h'4はナイフ
4に引っかからなくてもよく、そのために通過時にコ
イルS4を作動させて退避動作を行うことになる。最後
に、脚部h4のフック部はナイフm4に引っかかり、この
とき第2フック部h'3とナイフm3との間に再び除去あ
そびが生じる。
【0052】図4(e)に示す最上位置から図4(d)
に示す中間位置にフックを戻すためには、どのコイルも
作動させず、保持部材kをコイルS5により解除する。
フックはナイフm2と共に下に移動し、第2フック部h'
4が引っかかることにより支持がナイフm4に移り、これ
によりフックはナイフm4と共に(H)の距離だけ下降
する。脚部h1のフック部はナイフm1に引っかからなく
てもよく、そのために通過時にコイルS1を作動させて
退避動作を行うことになる。第2フック部h'3はナイフ
3に引っかからなくてもよく、そのために通過時にコ
イルS3を作動させて退避動作を行うことになる。最後
に、脚部h3のフック部はナイフm3に引っかかり、この
とき第2フック部h'4とナイフm4との間に再び除去あ
そびが生じる。
【0053】上記説明から明らかなように、各フックは
その位置に保持されることもできるし、または、他の位
置に移動することもできる。よって、上記装置は杼口開
口原理に従っており、これは3位置用のものである。上
記装置は、プーリコードやプーリを全く用いずに動作す
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)〜(e)は、2位置杼口開口ジャカー
ド装置用の特定の実施形態である本発明の杼口形成装置
の側面図であり、フック部材およびナイフが異なる位置
にある状態を示すものである。
【図2】 (a)〜(c)は、図1(a)〜(e)の杼
口形成装置に用いるフック部材の3つの実施形態の正面
図である。
【図3】 図1(a)〜(e)の杼口形成装置の変形例
の側面図である。
【図4】 (a)〜(f)は、3位置杼口開口ジャカー
ド装置用の特定の実施形態である本発明の杼口形成装置
の側面図であり、フック部材およびナイフが異なる位置
にある状態を示すものである。
【図5】 図4(a)〜(f)に示す杼口形成装置用の
フック部材の正面図である。
【符号の説明】
b…ボトムグリッド、h1,h2,h3…フック、m1,m
2…ナイフ、S1,S2…コイル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 平4−37281(JP,U) 特公 平3−57215(JP,B2) 実公 昭38−6164(JP,Y1) 米国特許5743308(US,A) 英国特許2047755(GB,B) 欧州特許出願公開711856(EP,A 1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D03C 3/12 D03C 3/20 D03C 3/06

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 織機の縦糸を個々に制御するための杼口
    形成装置であって、上記縦糸用のヘッドルに連結された
    フック部材と、該フック部材が引っかかることができる
    上下可動ナイフとを備え、上記フック部材にはばね部材
    が設けられており、上記フック部材を上記上下可動ナイ
    フに選択的に引っかけたり又は引っかけなかったりする
    ために上記ばね部材に影響を及ぼすことができるアクチ
    ュエータが設けられた杼口形成装置において、 ばね脚部の形をした少なくとも3つのばね部材が各フッ
    ク部材に設けられ、少なくとも2つの上記ばね部材は少
    なくとも二重層のばねとして形成されており、上記ばね
    脚部の少なくとも2つには上記可動ナイフと協働するよ
    うになっているフック部が設けられ、1つ又はそれ以上
    の上記アクチュエータが種々のばね部材に選択的に影響
    を及ぼし得るように設けられ、上記ばね脚部のフック部
    が上下可動ナイフに引っかからないようにアクチュエー
    タが1つ又はそれ以上のばね部材に影響を及ぼすときに
    上記フック部材を保持するための保持フックが設けられ
    ていることを特徴とする杼口形成装置。
  2. 【請求項2】 請求項1の杼口形成装置において、 各フック部材には少なくとも3つの異なる長さのばね脚
    部が設けられ、反対の位相に移動する少なくとも2つの
    ナイフと共に動作するようになっている少なくとも長い
    脚部はフック部材の一方の側面に沿って設けられ、各フ
    ック部材は、フック部材が高い位置にあるときに1つ又
    はそれ以上のばね脚部に影響を及ぼすための少なくとも
    1つのアクチュエータと、フック部材が低い位置にある
    ときに1つ又はそれ以上のばね脚部に影響を及ぼすため
    の少なくとも1つの別のアクチュエータとを備えてお
    り、上記アクチュエータがばね脚部に対してそれらのば
    ね脚部のフック部が上下可動ナイフに引っかからないよ
    うに影響を及ぼすときに上記フック部材を保持するため
    の保持フックが設けられていることを特徴とする杼口形
    成装置。
  3. 【請求項3】 2位置杼口開口ジャカード装置に用いら
    れる請求項2の杼口形成装置において、 三重のばね部材の形をした3つの異なる長さのばね脚部
    が各フック部材に設けられ、反対の位相に移動する2つ
    のナイフと共に動作するようになっている2つの長い脚
    部はフック部材の一方の側面に沿って設けられており、
    各フック部材は、フック部材が高い位置にあるときに少
    なくとも1つのばね脚部に影響を及ぼすための1つのア
    クチュエータと、フック部材が低い位置にあるときに1
    つ又はそれ以上のばね脚部に影響を及ぼすための第2ア
    クチュエータとを備え、上記アクチュエータにより影響
    される位置において最短のばね脚部を保持可能な保持フ
    ックが上記第2アクチュエータに又はその近傍に設けら
    れていることを特徴とする杼口形成装置。
  4. 【請求項4】 2位置杼口開口ジャカード装置に用いら
    れる請求項2の杼口形成装置において、 三重のばね部材の形をした3つの異なる長さのばね脚部
    が各フック部材に設けられ、反対の位相に移動する2つ
    のナイフと共に動作するようになっている2つの長い脚
    部はフック部材の一方の側面に沿って設けられており、
    各フック部材は、フック部材が高い位置にあるときに少
    なくとも1つのばね脚部に影響を及ぼすための1つのア
    クチュエータと、フック部材が低い位置にあるときに1
    つ又はそれ以上のばね脚部に影響を及ぼすための第2ア
    クチュエータとを備え、第3アクチュエータにより影響
    を及ぼされる保持フックが上記フック部材を高い位置に
    保持できるように設けられていることを特徴とする杼口
    形成装置。
  5. 【請求項5】 上記いずれかの請求項の杼口形成装置に
    おいて、 三重のばね部材が、三重層のばね部材、三重分割のばね
    部材、または二重層でかつ部分的に分割されたばね部材
    の形に形成されていることを特徴とする杼口形成装置。
  6. 【請求項6】 3位置杼口開口ジャカード装置に用いら
    れる請求項2の杼口形成装置において、 二重層でかつ二重のばね部材の形をした4つの異なる長
    さのばね脚部が各フック部材に設けられ、2つの長い脚
    部のそれぞれには、反対の位相に移動する2つの上部ナ
    イフと協働するようになっている1つのフック部がフッ
    ク部材の一方の側面に沿って設けられるとともに、2つ
    の短い脚部のそれぞれには、反対の位相に移動する2つ
    の下部ナイフと共に異なる高さで協働するようになって
    いる2つのフック部がフック部材の一方の側面に沿って
    設けられ、各フック部材は、フック部材が異なる位置に
    あるときに種々のばね脚部に影響を及ぼすための少なく
    とも5つのアクチュエータを備えており、ばね脚部のフ
    ック部が上下可動ナイフに引っかからないようにアクチ
    ュエータがばね脚部に影響を及ぼすときにフック部材を
    保持できるようにするためにロック機構が設けられてい
    ることを特徴とする杼口形成装置。
  7. 【請求項7】 請求項6の杼口形成装置において、 ロック機構は保持フックとこの保持フックに影響を及ぼ
    すためのさらに別のアクチュエータとを備え、上記ロッ
    ク機構は、ばね脚部のフック部が上下可動ナイフに引っ
    かからないように1つ又はそれ以上の他のアクチュエー
    タが上記ばね脚部に対して影響を及ぼすときに、選択さ
    れた高さにフック部材を保持するようになっていること
    を特徴とする杼口形成装置。
  8. 【請求項8】 請求項7の杼口形成装置において上記ロ
    ック機構は、上記フック部材を最上位置及び中間位置に
    保持できるようにするために設けられていることを特徴
    とする杼口形成装置。
  9. 【請求項9】 上記いずれかの請求項の杼口形成装置に
    おいて、 上記アクチュエータが電磁アクチュエータ及び/又は圧
    電アクチュエータであることを特徴とする杼口形成装
    置。
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