JP2992003B2 - 折機のペーパーガイド装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、輪転機の折機で
使用される折帳排出部、特に折帳の大きさが任意に変化
する輪転機の折機で使用される折帳排出部において、折
帳が羽根車を介して羽根車の下方に設けられた搬送コン
ベヤー上面に落下する際、羽根車の外周から出ている折
帳後端部に接触して、この折帳後端部を搬送コンベヤー
上面まで案内するペーパーガイド装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】輪転機の印刷部において印刷されたウエ
ブ料紙は、折畳部によって折り畳まれ切断され、折帳と
なって折機の折帳排出部の羽根車に送られる。折帳は、
羽根車の上方から縦姿勢で羽根車の羽根の間に落下し、
折帳の後端部を羽根車の外周から突出した形で羽根の間
に受け止められる。そして、折帳は、羽根車の回転によ
って横姿勢に変位し、更に羽根車の回転によって折帳が
変位し、羽根車の下方に設けられた搬送コンベヤー上面
へと落下する。

【０００３】前記搬送コンベヤは、折帳の厚さに応じて
上下方向に変位可能で、羽根車の外周と搬送コンベヤー
上面との間隔を調整することができる。これにより羽根
車の下方での折帳の通過間隔が適正に維持されるので、
折帳が詰まらないで搬送コンベヤー上面を搬出されるこ
とが知られている。

【０００４】又、羽根車の回転による折帳の変位に際
し、羽根車の外周から突出している折帳後端部がばたつ
いたり、垂れ下がったりすることがないように折帳後端
部に接触して、この折帳後端部を前記搬送コンベヤー上
面へ案内するペーパーガイド装置が設けられるのが一般
的である。上記のようなペーパーガイド装置の従来の技
術としては、例えば、実公昭５３−３７６８２号公報に
開示されているものや特公平１−１７９８０号公報に開
示されているものがある。

【０００５】実公昭５３−３７６８２号公報に開示され
ているペーパーガイド装置は、羽根車の回転によって羽
根車の羽根先端が画く移動軌跡に沿った形状のペーパー
ガイドが設けられている。そして、何等かの原因で羽根
車と前記ペーパーガイドの間に折帳が詰まる折帳詰まり
が生じると、その圧力によってペーパーガイドがスプリ
ングの力に抗して羽根車から遠ざかる方向へ略平行に移
動する機構が設けられている構成となっている。

【０００６】特公平１−１７９８０号公報に開示されて
いるペーパーガイド装置は、このペーパーガイドの両側
に設けられたレールに沿ってペーパーガイドが羽根車か
ら遠ざかる方向に平行移動するようになった可動手段
と、この可動手段を手動ハンドルの操作により移動さ
せ、羽根車とペーパーガイドとの間隔を調整する調整手
段とにより構成されている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】上記の従来の技術にお
ける実公昭５３−３７６８２号公報に開示されているペ
ーパーガイド装置は、ペーパーガイドを羽根車から遠ざ
かる方向へ変位させて羽根車とペーパーガイドとの間隔
を調整する調整手段の機構がないため、折帳の大きさが
変っても、それに対応して羽根車とペーパーガイドとの
間隔を調整することができないで、羽根車の外周から突
出している折帳後端部が適正な状態でペーパーガイドに
接触することができない。即ち、次のような問題があ
る。

【０００８】（１）折帳の大きさに対して、羽根車とペ
ーパーガイドとの間隔が広い場合は、折帳後端部がペー
パーガイドに全く接触しなかったり、又は僅かな接触で
あるので、羽根車の回転によって変位する折帳の折帳後
端部がばたついたり、垂れ下がったりする等の挙動が発
生する。

【０００９】そして、折帳後端部が搬送コンベヤー上面
に叩き付けられるように落下するので、その衝撃の反動
を受けて、折帳後端部は、搬送コンベヤー上面で跳ね上
がる。これにより、折帳後端部の周辺が切り離された所
謂ペラ状の角部又は全幅に亘ってめくれが発生し、続い
てこの折帳後端部のめくれた状態の上に後続の折帳が落
下して覆いかぶさり、押さえ込むことで折帳後端部に折
れ曲りが発生する。

【００１０】（２）折帳の大きさに対して羽根車とペー
パーガイドとの間隔が狭い場合は、折帳後端部がペーパ
ーガイドに接触する面積が大きくなり、その接触面積に
よる摩擦抵抗も大きくなるため、折帳後端部が搬送コン
ベヤー上面へ落下するタイミングが遅れるなど、落下の
タイミングが乱れる。これによって、搬送コンベヤー上
面へ順次落下し、一定のピッチで重ねられる折帳のピッ
チに乱れが生じる。

【００１１】又、折帳がずれて搬送コンベヤー上面へ落
下すると、搬送コンベヤー両側に設けられている紙揃え
用の側板等にずれて落下した折帳がひっかかって搬送さ
れないで、搬送コンベヤー上面で滞留する。そして後続
の折帳がその滞留する折帳の上へ堆積されて折帳詰りが
起こる。

【００１２】上記の従来の技術における特公平１−１７
９８０号公報に開示されているペーパーガイド装置で
は、折帳の大きさに対して連結して設けられた移動調整
手段によって、ペーパーガイドを羽根車に対して遠近さ
せるように略水平方向に往復移動調整が可能である。し
かし、このペーパーガイドの形状は、羽根車の回転によ
って羽根車の羽根先端が描く移動軌跡の外周に沿った形
状ではなく平面である。

【００１３】そして、羽根車の外周に対して略垂直方向
で対向するように取り付けられている。そのため羽根車
とこのペーパーガイドとの間隔は、ペーパーガイドの全
域で一定とはならない。従って、広い間隔と狭い間隔と
が必ずできてしまい、折帳の大きさに対して移動調整手
段によってペーパーガイドを移動して調整がされても、
既述の実公昭５３−３７６８２号公報に開示されている
ペーパーガイド装置の問題点と同様の問題が生じる。

【００１４】又、搬送コンベヤー上面で折帳詰りが生
じ、後続の折帳の堆積によって羽根車とペーパーガイド
間にも折帳詰りが拡大し、その折長詰りの圧力が増加し
ても、この圧力によってペーパーガイドが羽根車から遠
ざかるようになっていないため、折帳詰りの圧力によっ
て機械が破損した。更に、折帳詰りの処理作業において
は、ペーパーガイドを羽根車から大きく遠ざけることが
できないため、折帳詰りした折帳を作業者が取り除くの
に、多大な時間と労力とがかかり、作業者の負担となっ
ている。

【００１５】この発明は、上記のような課題を解決しよ
うとするもので、羽根車とペーパーガイドとの間隔がそ
のペーパーガイドの全域で略同じ間隔となるようにし、
更にペーパーガイド全域でこの間隔を略同量に増減の調
整ができるようにするものである。そのことによって、
折帳後端部がペーパーガイドに接触し、搬送コンベヤー
上面まで案内される際、折帳後端部は略一定の接触面積
で略一定の摩擦抵抗を受けながらペーパーガイドに接触
し案内されて、搬送コンベヤー上面へゆるやかに落下す
る。

【００１６】その結果、折帳後端部のめくれや折り曲が
りがなくなり、更に搬送コンベヤー上での折帳のピッチ
乱れやずれ等の不具合の発生をなくすことを目的とする
ものである。又、羽根車とペーパーガイドとの間で折帳
詰りが生じても、折帳詰りの圧力に応じてペーパーガイ
ドが羽根車から遠ざかるよう移動するようにするもので
ある。そのことによって、折帳詰りの圧力による機械の
破損を防止できる。更にペーパーガイドを羽根車から大
きく遠ざかるよう変位させる機構を設けることで、作業
者による折帳詰りの折帳除去作業及び機械の保守作業が
容易に行い得る折機のペーパーガイド装置を提供するこ
とを目的とするものである。

【００１７】

【課題を解決するための手段】この発明の折機のペーパ
ーガイド装置は、輪転機の印刷部において印刷されたウ
エブ料紙を折畳部により折り畳み切断して折帳とし、こ
の折帳を羽根車の羽根の間に挿入し、羽根車の回転によ
って羽根車の下方に設けられた搬送コンベヤー上面に落
下させ機外に排出する折帳排出部に設置されいる。

【００１８】そして、ペーパーガイド装置には、羽根車
の回転領域の近傍に羽根車の回転に従って羽根車の羽根
の先端が描く移動軌跡の外周に略沿った形状で設けら
れ、羽根車の羽根間に挿入された折帳の羽根車から突出
した後端部に接触させ搬送コンベヤー上面へ案内する折
帳案内面を形成したガイド部材と、前記ガイド部材を支
持するように設けられ、ガイド部材を羽根車に対して遠
近させるように略水平方向に往復移動可能な可動手段
と、前記可動手段に連結されて設けられ、この可動手段
を介して前記ガイド部材を羽根車に対して遠近する方向
に移動し、ガイド部材と羽根車との間隔を調整する調整
手段と、前記可動手段に設けられ、前記ガイド部材を羽
根車の羽根の先端が描く移動軌跡の外周と対向して折帳
の前記後端部を案内する姿勢である案内姿勢と前記移動
軌跡の外周に対向しない状態に角度変位すると共に大き
く離隔した姿勢である開放姿勢とのいずれかの姿勢に選
択的に停止維持する姿勢維持手段とが設けられている。
更に、調整手段は、可動手段を羽根車に近接する向きの
力を常時該可動手段に付与する機構を備えると共に、こ
の力に抗して可動手段を羽根車から遠ざけるように移動
させる移動機構を具備している。

【００１９】

【作用】折機において、印刷機によって印刷されたウエ
ブ料紙が折畳部によって折り畳まれ、切断されて折帳と
なり、その折帳は咥え胴と排出ベルトとに挟まれて搬送
され、折帳は、解放位置に到ると、解放されてガイド板
に沿って縦姿勢で下方に落下する。

【００２０】搬送されて落下する折帳は、順次互に隣り
合う羽根の間に先端から１部宛入り、後端が羽根の先端
より突出した状態で羽根車の回転により搬送されながら
縦姿勢から順次横姿勢に変位させられる。その際、折帳
の突出後端は、ガイド板と搬送コンベヤーとの間に設け
られているペーパーガイド装置のガイド部材に接触し、
案内されながら搬送・変位する。

【００２１】そして、搬送コンベヤーが羽根車の下部域
において羽根車の回転周面速度と所定の関係の走行速度
で羽根車の外周に沿って走行してから更に羽根車の外周
から離れるように走行しているので、折帳は、羽根車の
下部域に到ると、羽根車の回転に従って順次、羽根車の
羽根から抜かれて搬送コンベヤーの上面に移され、搬送
コンベヤー上面に一定のピッチで重ねられた折帳列とな
って機外に搬出される。

【００２２】上記の折機のペーパーガイド装置における
ガイド部材の折帳案内面の調整は、次のようにして行わ
れる。折帳案内姿勢に維持されているガイド部材の折帳
案内面と羽根車の回転に従って羽根の先端が描く軌跡と
の間隔を調整するのには、ガイド部材を羽根車に対して
遠近させるようにガイド部材を支持し、略水平方向に往
復移動可能であり、羽根車に近接する向きの力が常時付
与されている可動手段を調整手段により可動手段に支持
されたガイド部材を羽根車に対して遠近する方向に移動
して調整するのである。

【００２３】上記の折機のペーパーガイド装置におい
て、輪転機稼動中にガイド部材の折帳案内面と羽根車の
羽根の先端が描く軌跡との間隔に、搬送される折帳が詰
まる折帳詰りが生じると、姿勢維持手段を操作して、ガ
イド部材を、羽根車の羽根の先端が描く移動軌跡の外周
と対向して折帳の前記後端部を案内する姿勢である案内
姿勢から、移動軌跡の外周に対向しない状態に角度変位
すると共に大きく離隔した姿勢である開放姿勢に停止維
持する。

【００２４】これにより折帳詰りした折帳を容易に機外
へ排出することができ、又機械の保守作業も容易に行い
得る。折帳詰り処理後の復帰動作は、先ず姿勢維持手段
を操作して、ガイド部材を折帳案内姿勢に戻し、姿勢維
持手段で姿勢を維持し、調整手段を操作し、ガイド部材
を折帳の大きさに適した位置へと水平移動させ、輪転機
の再稼動によって折帳は搬送コンベヤーへと案内され折
帳列として機外に排出される。

【００２５】

【発明の実施の形態】この発明の実施の形態における折
機のペーパーガイド装置を図面に従って説明する。先
ず、輪転機の折機Ａにおける折帳排出部Ｂについて述べ
ると、図１に示すように、輪転機の折機Ａのフレーム３
０ａ，３０ｂ（図２参照）の間に折帳排出部Ｂが設けら
れている。折帳排出部Ｂは、図１で示す咥え胴Ｃ、排出
ベルトＤ、羽根車Ｅ、搬送コンベヤーＧ及び後に詳述す
るペーパーガイド装置Ｈにより構成されている。

【００２６】周面に図示しない咥え部材を備えた咥え胴
Ｃは、紙面に垂直な軸線中心に反時計回りに回転駆動さ
れるようにフレーム３０ａ，３０ｂに支持されると共
に、咥え胴Ｃの外周に適宜範囲で近接し、且つローラー
Ｋ１，Ｋ２に巻き掛られて咥え胴Ｃの回転と同期して咥
え胴Ｃの外周と同一方向、即ち矢印方向に走行する排出
ベルトＤが設けられている。排出ベルトＤが咥え胴Ｃの
外周から離れる解放位置Ｍ、即ちローラーＫ１に隣接し
た位置には、ガイド板３１が設けられている。

【００２７】図示しない印刷機によって印刷されたウエ
ブ料紙は、折機Ａの図示しない折畳部によって折り畳ま
れ、切断されて折帳Ｐとなる。この折帳Ｐはその先端が
咥え部材に咥えられて咥え胴Ｃと排出ベルトＤとに挟ま
れて搬送される。咥え胴Ｃの咥え部材は、前記の解放位
置Ｍで折帳を解放するように作動するようになってお
り、ガイド板３１は、排出ベルトＤとの挟持から解放さ
れると共に咥え部材から解放された折帳Ｐが下方に設け
られた羽根車Ｅの互に隣り合う羽根Ｆ，Ｆ間に縦姿勢で
落下するのを案内するように設けられている。

【００２８】羽根車Ｅは、規則的に斜め放射状に配列さ
れた多数の羽根Ｆによって構成され、紙面に垂直な軸線
中心に時計回りに回転駆動されるようにフレーム３０
ａ，３０ｂに支持されており、羽根車Ｅの右側周面域で
互に隣り合う羽根Ｆ，Ｆの間の空間が前記の解放位置Ｍ
に向って上方に開口するような位置に設けられている。

【００２９】羽根車Ｅの下方には、羽根車Ｅの外周に適
宜範囲で近接し、且つローラー４２ａ，４２ｂ，４２ｃ
に巻き掛られて羽根車Ｅの回転周面速度と所定の関係の
走行速度で羽根車Ｅの外周と同一方向、即ち図１の矢印
Ｗ方向に走行する間隔をあけて平行な複数のコンベヤー
ベルトからなる連続した２区分の搬送コンベヤーＧが設
けられている。図示の例では上流側搬送コンベヤーは、
間隔をあけて設けられた上流側のローラー４２ａ，４２
ａ，４２ａに巻き掛けられた３本のコンベヤーベルトで
ある（図１及び図２参照）。

【００３０】上記の折機Ａにおいて、図示しない印刷機
によって印刷されたウエブ料紙が図示しない折畳部によ
って折り畳まれ、切断されて折帳Ｐとなり、その折帳Ｐ
はその先端が咥え部材に咥えられて咥え胴Ｃと排出ベル
トＤとに挟まれて搬送される。そして、折帳Ｐは、解放
位置Ｍに到ると、咥え胴Ｃと排出ベルトＤとの挟持から
解放されると共に咥え部材から解放され、ガイド板３１
に沿って縦姿勢で下方に落下する。

【００３１】搬送されて折帳Ｐが解放されるピッチと羽
根車Ｅの回転による次々の羽根Ｆの変位ピッチとは同一
であるから、落下する折帳Ｐは、順次互に隣り合う、即
ち先行側の羽根Ｆと後続側の羽根Ｆとの間に先端から１
部宛入り、後端が先行側の羽根Ｆの先端より突出した状
態で羽根車Ｅの回転（時計回り方向）により搬送されな
がら縦姿勢から順次横姿勢に変位させられる。その際、
ガイド板３１と搬送コンベヤーＧとの間には、後述する
ようなペーパーガイド装置Ｈが設けられているので、折
帳Ｐの突出後端は、ペーパーガイド装置Ｈのガイド部材
Ｑに接触し、案内されながら搬送され変位する。

【００３２】そして、搬送コンベヤーＧが羽根車Ｅの下
部域において、羽根車Ｅの回転周面速度と所定の関係の
走行速度で図１で時計回りに回転する羽根車Ｅの外周に
沿って走行してから更に羽根車Ｅの外周から離れるよう
に左方に走行しているので、即ち図１の矢印Ｗ方向に走
行しているので、折帳Ｐは、羽根車Ｅの下部域に到る
と、羽根車Ｅの回転に従って順次、羽根車Ｅの羽根Ｆ，
Ｆから抜かれて搬送コンベヤーＧの上面に移され、搬送
コンベヤーＧ上面に一定のピッチで重ねられた折帳列Ｐ
ａとなって機外に搬出される。

【００３３】折機Ａにおけるペーパーガイド装置Ｈにつ
いて説明すると、羽根車Ｅの後方（図１において右側）
の外周域には、ガイド板３１と搬送コンベヤーＧの上流
端との間には、下記に述べるようなガイド部材Ｑ、可動
手段Ｒ、調整手段Ｓ及び姿勢維持手段Ｔから構成されて
いるペーパーガイド装置Ｈが設けられている。

【００３４】（１）ガイド部材Ｑ ガイド部材Ｑは、羽根車Ｅによって搬送される折帳Ｐの
折帳後端部３２に折帳案内面４１を接触させて搬送コン
ベヤーＧ上面へ案内するものである。図２において、フ
レーム３０ａ，３０ｂの間に支持された可動手段Ｒ（後
で説明する）の軸６に羽根車Ｅと対向する位置関係で取
り付けられている。

【００３５】前記軸６には、羽根車Ｅの軸線方向の長さ
に略対応した間隔をあけて、ブロック３，３の一端部が
取り付けられている。即ち、ブロック３，３は、羽根車
Ｅの両端域に対向して位置する（図２参照）。両端がブ
ロック３，３の他端部に取り付けられている軸４には、
平行な複数本（図示の例では４本）のペーパーガイド
１，１，１，１の基部が等間隔で取り付けられている。

【００３６】ペーパーガイド１は、フランジ部とリブ部
とからなる断面Ｔ字状の円弧状バーであり、フランジ部
は、羽根車Ｅの外周面に略平行な、即ち羽根車Ｅの回転
に従って羽根Ｆの先端が描く軌跡４０に略沿った円弧状
の折帳案内面４１を形成している。ペーパーガイド１，
１，１，１の中央部におけるリブ部に貫通して軸４と平
行に取り付けられた軸５は、ペーパーガイド１，１，
１，１を一体化している（図１及び図２参照）。

【００３７】ブロック３，３に両端が取り付けられた長
板状のペーパーガイド２は、ペーパーガイド１，１，
１，１のフランジ部の上端部に続き、ペーパーガイドの
フランジ部と共に連続した折帳案内面４１を形成してい
る（図１及び図６参照）。先に述べたように、羽根車Ｅ
によって搬送される折帳Ｐは、この折帳案内面４１に突
出後端が接触しながら案内されるのである。図２で示す
ように、ペーパーガイド１，１，１，１の先端は、搬送
コンベヤーＧの上流側のローラー４２ａ，４２ａ，４２
ａと齟齬状態となり、互に干渉しない位置になってい
る。

【００３８】（２）可動手段Ｒ 可動手段Ｒは、前記ガイド部材Ｑを支持すると共に水平
方向に平行移動させるものである。図２で示すように、
フレーム３０ａ，３０ｂの内側面には、レール９，９が
水平で互いに向き合うように固定されており、レール
９，９の側面には、スライダー１０ａ，１０ｂがレール
９，９に沿って水平方向に往復直線移動可能に取り付け
られている。即ち、スライダー１０ａ，１０ｂは、レー
ル９に滑動可能に係合した係合部とレール９に垂直に水
平方向に係合部から突出して筒状部とから構成され、ス
ライダー１０ａ，１０ｂの各筒状部は同軸線で対向して
いる。

【００３９】スライダー１０ａ，１０ｂの筒状部には、
軸６の軸端部が回転可能に挿入されていると共に、軸端
部内側に取り付けられたカラー８，８がスライダー１０
ａ，１０ｂの筒状部の先端面に当接している。従って、
軸６は、軸方向の移動が規制された上で回転可能にスラ
イダー１０ａ，１０ｂに支持される。そして、軸６の中
間域には、既述のようにガイド部材Ｑが取り付けられて
いる。

【００４０】（３）姿勢維持手段Ｔ 姿勢維持手段Ｔは、可動手段Ｒに対する軸６、即ちガイ
ド部材Ｑの取り付けにおいて、ガイド部材Ｑが羽根車Ｅ
に対向する折帳案内姿勢Ｘと、羽根車Ｅとガイド部材Ｑ
との間隔の空間が大幅に開いたガイド開放姿勢Ｙとのい
ずれかの姿勢にガイド部材Ｑを維持するものである。

【００４１】例えば、後述する調整手段Ｓが設けられる
側（図２参照）のスライダー１０ｂの筒状部には、図５
及び図６に示すように軸線が互に直交する直径方向の２
対の穴３５ａ，３５ｂ；３６ａ，３６ｂが貫通して形成
されており、同一軸線で対となっている穴の一方の穴３
５ａ，３６ａはボルト穴となり、他方の穴３５ｂ，３６
ｂはねじ穴となっている。

【００４２】スライダー１０ｂの筒状部に挿入された状
態での軸６の軸端部には穴３５ａ，３５ｂ；３６ａ，３
６ｂと整合する位置に穴３５ａ，３６ａと同径の直径方
向の穴３４が貫通して形成されている。そして、穴３４
が穴３５ａ，３５ｂと同一軸線となった角度位置及び穴
３６ａ，３６ｂと同一軸線となった角度位置において、
穴３４，穴３５ａ，３５ｂ又は穴３４，穴３６ａ，３６
ｂにボルト７がねじ込まれる。それにより軸６、即ちガ
イド部材Ｑは、９０度ずれた２種の角度位置に選択的に
位置決めされ得る。

【００４３】即ち、ボルト７が穴３４，穴３６ａ，３６
ｂにねじ込まれた状態では、ガイド部材Ｑは羽根車Ｅに
対向する折帳案内姿勢Ｘに維持され（図５参照）、ボル
ト７が穴３４，穴３５ａ，３５ｂにねじ込まれた状態で
は、ガイド部材Ｑは羽根車Ｅとガイド部材Ｑとの間隔の
空間が大幅に開いたガイド開放姿勢Ｙに維持される（図
６参照）。

【００４４】（４）調整手段Ｓ 調整手段Ｓは、可動手段Ｒの作用でガイド部材Ｑを移動
させ、羽根車Ｅとガイド部材Ｑとの間隔を調整するもの
である。図２に示すように、フレーム３０ａ，３０ｂに
は、レール９，９の下方に窓部３３，３３が開口してお
り、一方のフレーム３０ｂの内面と外面とに基部が取り
付けられたブラケット２０，２１の先端部は、窓部３３
の上部において、窓部３３を通してフレーム３０ｂの内
面及び外面から突出した軸１９を回転可能に支持してい
る。

【００４５】ブラケット２１から更にフレーム３０ｂの
内面側に突出した軸１９の軸端部には、アーム２７のボ
ス部がキーによって取り付けられ、二又状となったアー
ム２７の先端部は軸６を挟むように接触している（図１
参照）。ブラケット２１とアーム２７との間で、ボス部
が軸６に固定されているアーム２２の先端部にはピン２
３が固定されている（図２及び図３参照）。

【００４６】そして、フレーム３０ｂに基辺部が固着さ
れたＬ字形のブラケット２４の突出部は、アーム２２の
先端部のピン２３から間隔をおいた位置にあって、ピン
２３に向かう向きのねじ軸２５が取り付けられ、ねじ軸
２５はブラケット２４を挟んでねじ結合した１対のナッ
トにより軸方向位置調節可能に固定される。アーム２２
の先端部のピン２３に一端が結合された引張りコイルば
ね２６の他端はねじ軸２５の先端に結合され、アーム２
２は、引張りコイルばね２６のばね力により図３におい
て反時計方向に回動するように付勢され、その結果、軸
１９も同方向の回転力が付与されている。

【００４７】フレーム３０ｂの外面に取り付けられたブ
ラケット２０の斜め上方には、ブラケット１３が取り付
けられており、ブラケット１３には、一端にハンドル１
１を備えた図２において紙面に垂直方向、図３において
左右方向のねじ軸１２の基部が回転可能に軸方向移動は
規制されて支持され、基部から伸長したねじ部１２ａに
はナットとロックナットとが組となった２つのストッパ
１４，１５が適宜軸方向に間隔をあけて取り付けられて
いる。更にねじ部１２ａには、ねじ穴が形成され鍔部１
６ａを有するブロック１６がストッパー１４，１５の間
において取り付けられている。

【００４８】そして、ねじ軸１２の上方に平行に位置す
る棒状のガイド１７の基部がブラケット１３の上面に取
り付けられ、ブロック１６は、鍔部１６ａ形成された切
欠きがガイド１７に嵌まっているので、軸方向には変位
可能であるが回転は規制されている。これにより、ブロ
ック１６は、ねじ軸１２が回転すると２つのストッパー
１４，１５の間で往復移動する。

【００４９】フレーム３０ｂの外面側のブラケット２０
から更に外方に突出した軸１９の軸端部には、アーム１
８のボス部がキーによって取り付けられ、二又状となっ
たアーム１８の先端部は、ブロック１６を挟むように取
り付けられている。既に述べたように、軸１９は引張り
コイルばね２６のばね力により図３において反時計方向
に回転力が付与されているので、アーム１８も軸１９と
同方向に且つ先端部がブロック１６の鍔部１６ａに接触
するまで角度変位するように付勢されている。

【００５０】上記の折機のペーパーガイド装置における
ガイド部材Ｑの折帳案内面４１の調整動作と折帳Ｐの折
帳詰りに対する処理動作とを説明する。（ａ）図１にお
いて、ガイド部材Ｑは折帳案内姿勢Ｘに維持されてい
る。そして、ガイド部材Ｑの折帳案内面４１と羽根車Ｅ
の回転に従って羽根Ｆの先端が描く軌跡４０との間隔を
調整するのには、先ず、図３に示す調整手段Ｓのハンド
ル１１を手動で回転操作し、ねじ軸１２を回転させる。
ねじ軸１２が回転すると、これにねじ結合されているブ
ロック１６が移動し、それに伴ってばね２６の力の付与
を受けてブロック１６の鍔部１６ａに二又状の先端部が
押し付けられているアーム１８が角度変位して軸１９を
角度変位させる。

【００５１】軸１９が角度変位すると、図１に示すアー
ム２７が角度変位し、アーム２７の二又状先端部が移動
手段Ｒの軸６を変位させようとするので、軸６は、スラ
イダー１０ａ，１０ｂを介してレール９に沿って図１に
おいて左右方向に水平移動する。従って、軸６に支持さ
れるガイド部材Ｑも一体的に移動し、ガイド部材Ｑの折
帳案内面４１と羽根車Ｅの軌跡４０との間隔が適宜調整
される。

【００５２】（ｂ）又、図１において、輪転機稼動中に
ガイド部材Ｑの折帳案内面４１と羽根車Ｅの羽根Ｆの先
端が描く軌跡４０との間隔に、搬送される折帳Ｐが詰ま
る折帳詰りが生じると、その圧力によって折帳案内面４
１、即ちガイド部材Ｑが羽根車Ｅから遠ざかる方向（図
１において右方向）に押されので、アーム２７、即ちア
ーム２２が図３において時計回りに引張りコイルばね２
６のばね力に抗して角度変位する。それに伴って、アー
ム１８は、先端部がブロック１６の鍔部１６ａから離れ
る方向へと角度変位するので、アーム２７の角度変位は
拘束されない。

【００５３】（ｃ）折帳Ｐによる折帳詰りが生じると、
上記のような各部の変位中の適宜の変位が図示しない検
出器によって検出され、その検出信号を受けて稼動中の
輪転機は停止する。

【００５４】（ｄ）輪転機停止後は、ばね２６の引張り
力によるアーム１８の戻り、即ちガイド部材Ｑの戻りを
防止するため、ハンドル１１を回転操作し、ブロック１
６を右方向に移動させ、図３に示す角度変位したアーム
１８の二又状先端部にブロック１６の鍔部１６ａを再び
接触させる。

【００５５】（ｅ）続いて、図５において穴３６ａ，３
６ｂにねじ締めされている姿勢維持手段Ｔのボルト７を
緩めて抜き取り、更にガイド部材Ｑを羽根車Ｅから大き
く遠ざけるように軸６の周りに角度変位させ、軸６の穴
３４をスライダー１０ｂの穴３５ａ，３５ｂと合わせ
る。そして、ボルト７をスライダー１０ｂに固定する。
すると、図４に示すようにガイド部材Ｑはガイド開放姿
勢Ｙに維持される。これにより折帳詰りした折帳Ｐを容
易に機外へ排出することができ、又機械の保守作業も容
易に行い得る。

【００５６】（ｆ）折帳詰り処理後の復帰動作は、先ず
姿勢維持手段Ｔを操作して、ガイド部材Ｑを折帳案内姿
勢Ｘに戻し、姿勢維持手段Ｔで姿勢を維持し、（ａ）項
に記載したように、調整手段Ｓのハンドル１１を手動操
作し、ガイド部材Ｑを折帳Ｐの大きさに適した位置へと
水平移動させる。そして、輪転機の再稼動によって折帳
Ｐは搬送コンベヤーＧへと案内され折帳列Ｐａとして機
外に排出される。

【００５７】（ｇ）その他、図３で示す調整手段Ｓのね
じ軸１２の回転には、ハンドル１１の手動操作に代え
て、図示しないモーターなどによる駆動手段をねじ軸１
２に連結させて、駆動し、ガイド部材Ｑの調整をしても
よい。

【００５８】

【発明の効果】この発明のペーパーガイド装置によっ
て、輪転機の折帳排出部において、排出される折帳の寸
法が変更された場合でも、羽根車とペーパーガイドとの
間隔をペーパーガイドの全域に亘って略均一に折帳の大
きさに適した間隔に調整することができる。これによ
り、搬送コンベヤー上に落下する折帳の後端部に発生す
るめくれや折れ曲がりがなくなり、印刷物である折帳の
商品価値の低下という問題を解消できる。又、前記のよ
うに搬送コンベヤー上に落下する折帳の後端部にめくれ
や折り曲がりがなくなることにより、搬送コンベヤー上
での折帳のピッチ乱れやずれ等の不具合がなくなり、搬
送コンベヤーでの折帳詰りを殆ど皆無にすることがで
き、作業者による折帳詰りの折帳除去作業を省くことが
できるので、作業者の負担が軽減されて作業効率が向上
する。

【００５９】そして、姿勢維持手段により、ガイド部材
を移動軌跡の外周に対向しない状態に角度変位すると共
に大きく離隔した姿勢である開放姿勢に変更停止維持す
ることができるので、万一何等かの原因で折帳詰りが起
きても、作業者による折帳除去作業が容易となり、又、
機械の保守作業においても広い間隔で作業が行い易くな
るので、作業者の負担が軽減し、作業の効率が高まる。
更に、請求項２に記載の発明によれば、羽根車とペーパ
ーガイドとの間で折帳詰りが生じても、折帳詰りにより
生じる圧力を逃すようにペーパーガイドが移動するの
で、羽根車とペーパーガイドとの破損が防止される。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施の形態における折畳装置の折帳
排出部の主要構成を示す断面正面図である。

【図２】図１の切断線II−II線における断面側面図であ
る。

【図３】図２の切断線III −III 線における断面側面図
である。

【図４】図１における折畳装置の折帳排出部のペーパー
ガイドの動作を示す断面正面図である。

【図５】図２の切断線IV−IV線におけるガイド部材の固
定動作説明図である。

【図６】図２の切断線IV−IV線におけるガイド部材の固
定動作説明図である。

【符号の説明】

Ａ 折機 Ｂ 折帳排出部 Ｃ 咥え胴 Ｄ 排出ベルト Ｅ 羽根車 Ｆ 羽根 Ｇ 搬送コンベヤー Ｈ ペーパーガ
イド装置 Ｋ１，Ｋ２ ローラー Ｍ 解放位置 Ｐ 折帳 Ｐａ 折帳列 Ｑ ガイド部材 Ｒ 可動手段 Ｓ 調整手段 Ｔ 姿勢維持手
段 Ｘ 折帳案内姿勢 Ｙ ガイド開放
姿勢 １ ペーパーガイド ２ ペーパーガ
イド ３ ブロック ４，５，６ 軸 ７ ボルト ８ カラー ９ レール １０ａ，１０ｂ
スライダー １１ ハンドル １２ ねじ軸 １２ａ ねじ部 １３ ブラケッ
ト １４，１５ ストッパー １６ ブロック １６ａ 鍔部 １７ ガイド １８ アーム １９ 軸 ２０，２１，２４ ブラケット ２２ アーム ２３ ピン ２５ ねじ軸 ２６ 引張りコイルばね ２７ アーム ３０ａ，３０ｂ フレーム ３１ ガイド板 ３２ 折帳後端部 ３３ 窓部 ３４ 穴 ３５ａ，３５ｂ
穴 ３６ａ，３６ｂ 穴 ４０ 軌跡 ４１ 折帳案内面 ４２ａ，４２
ｂ，４２ｃ ローラー

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 輪転機の印刷部において印刷されたウエ
   ブ料紙を折畳部により折り畳み切断して折帳とし、この
   折帳を羽根車の羽根の間に挿入し、羽根車の回転によっ
   て羽根車の下方に設けられた搬送コンベヤー上面に落下
   させ機外に排出する折帳排出部において、 羽根車の回転領域の近傍に羽根車の回転に従って羽根車
   の羽根の先端が描く移動軌跡の外周に略沿った形状で設
   けられ、羽根車の羽根間に挿入された折帳の羽根車から
   突出した後端部に接触させ、折帳の後端部を搬送コンベ
   ヤー上面へ案内する折帳案内面を形成したガイド部材
   と、 前記ガイド部材を支持するように設けられ、ガイド部材
   を羽根車に対して遠近させるように略水平方向に往復移
   動可能な可動手段と、 前記可動手段に連結されて設けられ、この可動手段を介
   して前記ガイド部材を羽根車に対して遠近する方向に移
   動し、ガイド部材と羽根車との間隔を調整する調整手段
   と、 前記可動手段に設けられ、前記ガイド部材を羽根車の羽
   根の先端が描く移動軌跡の外周と対向して折帳の前記後
   端部を案内する姿勢である案内姿勢と前記移動軌跡の外
   周に対向しない状態に角度変位すると共に大きく離隔し
   た姿勢である開放姿勢とのいずれかの姿勢に選択的に停
   止維持する姿勢維持手段とが設けられたことを特徴とす
   る折機のペーパーガイド装置。
2. 【請求項２】 調整手段が、可動手段を羽根車に近接す
   る向きの力を常時該可動手段に付与する機構を備えると
   共に、この力に抗して可動手段を羽根車から遠ざけるよ
   うに移動させる移動機構を具備することを特徴とする請
   求項１に記載の折機のペーパーガイド装置。