JP2990420B2 - 自動販売機の物品取出装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、缶入飲料等の自動
販売機内の商品貯蔵庫、コインメカニズム等の物品貯蔵
庫から排出された商品、硬貨等の物品を、外部から取出
自在に保持する自動販売機の物品取出装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の缶入飲料等の自動販売機の商品取
出装置では、図４に示すように、自動販売機の前面扉５
に商品取出口６が設けられ、商品取出口３には、蓋７が
上端のヒンジを介して開閉自在に装着されており、商品
取出口６の裏側下方に、上面を開口させた商品受箱８が
固定されている。そして、自動販売機の本体の商品貯蔵
庫から排出された商品１００は、商品受箱８上方から投
下されて、商品受箱８内に保持され、商品取出口６の蓋
７を開けることにより、商品受箱８から取り出すことが
できるようになっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上述の商品取出装置
は、商品１００が商品貯蔵庫から商品受箱８に投下され
る際に大きな騒音を発するという問題があった。また、
顧客が商品１００を商品受箱８から取り出す際に、手で
商品取出口６の蓋７を支えておく必要があり、荷物を持
っている場合や、雨天で傘を持っている場合には、片手
しか使えず不便であるという問題があった。また、商品
受箱８が横長で大型の場合には、商品１００が商品受箱
８の何処に投下されたのか判らず、商品受箱８を覗き込
んだり、手探りで商品１００を探さなければならない等
の問題があった。

【０００４】本発明は、このような従来の問題に鑑み、
自動販売機内の商品貯蔵庫、コインメカニズム等の物品
貯蔵庫から排出された商品、硬貨等の物品を好適に取出
自在に保持する自動販売機の物品取出装置の提供を目的
としたものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上述の如き従来の問題を
解決し、所期の目的を達成するための本発明の特徴は、
自動販売機の前面に外部排出口が設けられ、前記外部排
出口の後方に、商品、硬貨等の物品を物品貯蔵庫から前
記外部排出口へ転動又は摺動させる傾斜した搬送路が設
けられ、前記外部排出口に、前記物品を取出自在に保持
する物品保持部が、前記物品を保持した状態では前記外
部排出口より前方へ突出する形で又は前記外部排出口を
開放する形で前記物品の重量により前方又は下方へ回動
又は移動可能に支持され、空の状態では後方へ後退する
形で又は前記外部排出口を閉鎖する形で後方又は上方へ
付勢されて設けられてなる自動販売機の物品取出装置に
おいて、前方側に回動することによって前記外部排出口
を開く前板部と、該前板部 の略中央から後方に突出させ
た中板部からなる開閉部材を備え、該開閉部材の前記前
板部上部と中板部とをもって略Ｌ字形断面形状の前記物
品保持部を構成させ、前記開閉部材を外部排出口閉鎖方
向に付勢させ、前記開閉部材が物品の重量によって前方
側に回動されることによって物品保持部を前方側に突出
されるようにし、前記中板部を前記搬送路の前端下に挿
入させ、前記物品保持部の前方側への突出状態で前記中
板部の後端部が前記搬送路前端下に係止されるようにし
たことにある。

【０００６】

【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図１〜
３について説明する。

【０００７】図において、１は自動販売機の本体、２は
前面扉であり、前面扉２は本体１に対して開閉自在にな
っている。そして、本体１側には、商品１００、１００
…を貯蔵する商品貯蔵庫２が設けられており、商品貯蔵
庫２の前面底部には、コラムから投下された商品１００
が排出される排出口３が備えられている。なお、排出口
３には、フラップドア４が上端のヒンジを介して回動自
在に装着されている。一方、前面扉５側には、商品取出
装置１０が設けられており、商品取出装置１０は、枠体
１１、開閉部材１３、案内部材１８等からなっている。

【０００８】枠体１１は、前面扉５の前面に固定されて
おり、枠体１１の内側には、外部排出口１２が、商品貯
蔵庫２の排出口３より稍低い位置に形成されている。そ
して、枠体１１の後方には、案内部材１８が、固定して
配置されており、案内部材１８には、後方から前方へ緩
やかに傾斜した搬送路１９が備えられている。この搬送
路１９の前後端は開口されており、搬送路１９の後端部
は商品貯蔵庫２の排出口３の直前に配置され、搬送１９
路の前端部は外部排出口１２の直後に配置されている。

【０００９】また、枠体１１の内側には、開閉部材１３
が、配置されている。開閉部材１３は、枠体１１の内側
略全体を覆う大きさの前板部１３ａと、その略中央から
後方に突出した中板部１３ｂとからなる略横Ｔ字形断面
形状に成形されており、前板部１３ａの上部と中板部１
３ｂとにより略Ｌ字形断面形状の物品保持部１４が構成
されている。そして、開閉部材１３の下部後側には、回
動支持部材１５が固着され、回動支持部材１５は下後端
部の回動軸１６を介して回動自在に支持されており、更
に、開閉部材１３の下部後側には、錘１７が回動軸１６
よりも後方へ突出して固定されている。

【００１０】従って、開閉部材１３は、回動軸１６を介
して、物品保持部１４を前後に突出後退させる形で回動
可能に支持され、錘１７を介して、物品保持部１４を後
方に後退させる形で付勢されている。また、物品保持部
１４が後方へ後退した状態では、前板部１３ａの上部
（物品保持部１４）で外部排出口１２が閉鎖され、中板
部１３ｂは案内部材１８（搬送路１９）の下方に挿入さ
れるようになっている。また、物品保持部１４が前方に
突出した状態では、外部排出口１２が開放され、中板部
１３ｂの後端部が案内部材１８（搬送路１９）に係止さ
れるようになっている。

【００１１】このように構成される商品取出装置１０
は、通常は、図１に示すように、物品保持部１４が錘１
７の重量により後退して前面扉５の内側に格納され、外
部排出口１２が前板部１３ａの上部（物品保持部１４）
により閉鎖された状態になっている。

【００１２】そして、商品貯蔵庫２の排出口３から商品
１００が排出されると、商品１００は、搬送路１９上を
転動して、比較的（従来のように投下する場合に比し
て）静かに外部排出口１２に搬送される。そして、商品
１００が外部排出口１２に達すると、開閉部材１３の前
板部１３ａ（物品保持部１４）が商品１００の重量によ
り前方へ押されて、図２に示すように、開閉部材１３が
錘１７を持ち上げる形で回動し、物品保持部１４が外部
排出口１２より前方へ突出すると共に、搬送路１９から
物品保持部１４へ商品１００が投入され、商品１００
は、物品保持部１４に積載されて、外部に露出した状態
で取出自在に保持される。従って、商品１００の位置を
外部から容易に認識することができ、商品１００を片手
でも容易に取り出すことができる。

【００１３】また、物品保持部１４が前方へ突出した状
態では、外部排出口１２は開放され、搬送路１９から物
品保持部１４へ商品１００の投入が可能であるので、複
数の商品１００、１００…を連続して取り出すこともで
きる。そして、物品保持部１４から商品１００を取り出
して、物品保持部１４が空の状態になると、錘１７の重
量により開閉部材１３が回動し、物品保持部１４が後方
へ後退して、前板部１３ａ（物品保持部１４）により外
部排出口１２が閉鎖される。

【００１４】なお、上述の実施の形態では、自動販売機
の商品取出装置について述べたが、硬貨取出装置等につ
いても、同様な構造によって、コインメカニズムから排
出される硬貨等を好適に取出自在に保持することができ
る。また、上述の実施の形態では、傾斜した搬送路上
で、商品を転動させる場合について述べたが、物品を摺
動させるようにしてもよい。

【００１５】また、上述の実施の形態では、物品保持部
が、物品を保持した状態で、外部排出口より前方へ突出
すると共に外部排出口を開放する場合について述べた
が、外部排出口より前方へ突出する際に外部排出口を閉
鎖するようにしてもよく、また、前方へ突出せずに単に
外部排出口を開放するようにしてもよい。

【００１６】また、上述の実施の形態では、物品保持部
が、前後へ回動する場合について述べたが、上下へ回動
するようにしてもよく、また、前後又は上下へ移動する
ようにしてもよい。また、上述の実施の形態では、物品
保持部を、錘を介して後方へ付勢する場合について述べ
たが、バネを介して後方又は上方へ付勢するようにして
もよい。

【００１７】

【発明の効果】上述のように、本発明に係る自動販売機
の物品取出装置は、自動販売機の前面に外部排出口を設
け、その後方に、商品、硬貨等の物品を物品貯蔵庫から
外部排出口へ転動又は摺動させる傾斜した搬送路を設け
たことによって、物品貯蔵庫から排出された物品が搬送
路上を移動するので、騒音を低減することができる。

【００１８】そして、外部排出口に、物品を取出自在に
保持する物品保持部を、物品を保持した状態では外部排
出口より前方へ突出する形で又は外部排出口を開放する
形で物品の重量により前方又は下方へ回動又は移動可能
に支持し、空の状態では後方へ後退する形で外部排出口
を閉鎖する形で後方又は上方へ付勢して設けたことによ
って、搬送された物品が外部に露出した状態で保持され
るので、物品を片手でも容易に取り出すことができる。

【００１９】また、前方側に回動することによって前記
外部排出口を開く前板部と、該前板部の略中央から後方
に突出させた中板部からなる開閉部材を備え、該開閉部
材の前記前板部上部と中板部とをもって略Ｌ字形断面形
状の前記物品保持部を構成させ、前記開閉部材を外部排
出口閉鎖方向に付勢させ、前記開閉部材が物品の重量に
よって前方側に回動されることによって物品保持部を前
方側に突出されるようにし、前記中板部を前記搬送路の
前端下に挿入させ、前記物品保持部の前方側への突出状
態で前記中板部の後端部が前記搬送路前端下に係止され
るようにしたことにより、物品保持部を前方に突出させ
た状態で順次落下してくる複数の物品を取出すことがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係る自動販売機の物品取出装置の実
施の形態であって、物品保持部が後退し、かつ、外部排
出口が閉鎖された状態を示す垂直断面図である。

【図２】 図１の物品保持部が突出し、かつ、外部排出
口が開放された状態を示す垂直断面図である。

【図３】 図１の物品取出装置の自動販売機への適用例
を示す斜視図である。

【図４】 従来の自動販売機の商品取出装置を示す垂直
断面図である。

【符号の説明】

１ 自動販売機本体 ２ 商品貯蔵庫（物品貯蔵庫） ３ 排出口 ４ フラップドア ５ 自動販売機前面扉 １０ 商品取出装置（物品取出装置） １１ 枠体 １２ 外部排出口 １３ 開閉部材 １３ａ 前板部 １３ｂ 中板部 １４ 物品保持部 １５ 回動支持部材 １６ 回動軸 １７ 錘 １８ 案内部材 １９ 搬送路

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 自動販売機の前面に外部排出口が設けら
   れ、前記外部排出口の後方に、商品、硬貨等の物品を物
   品貯蔵庫から前記外部排出口へ転動又は摺動させる傾斜
   した搬送路が設けられ、前記外部排出口に、前記物品を
   取出自在に保持する物品保持部が、前記物品を保持した
   状態では前記外部排出口より前方へ突出する形で又は前
   記外部排出口を開放する形で前記物品の重量により前方
   又は下方へ回動又は移動可能に支持され、空の状態では
   後方へ後退する形で又は前記外部排出口を閉鎖する形で
   後方又は上方へ付勢されて設けられてなる自動販売機の
   物品取出装置において、 前方側に回動することによって前記外部排出口を開く前
   板部と、該前板部の略中央から後方に突出させた中板部
   からなる開閉部材を備え、該開閉部材の前記前板部上部
   と中板部とをもって略Ｌ字形断面形状の前記物品保持部
   を構成させ、前記開閉部材を外部排出口閉鎖方向に付勢
   させ、前記開閉部材が物品の重量によって前方側に回動
   されることによって物品保持部を前方側に突出されるよ
   うにし、前記中板部を前記搬送路の前端下に挿入させ、
   前記物品保持部の前方側への突出状態で前記中板部の後
   端部が前記搬送路前端下に係止されるようにしたことを
   特徴としてなる 自動販売機の物品取出装置。