JP2989355B2 - 消失性模型を用いた鋳造方法及びその装置 - Google Patents

消失性模型を用いた鋳造方法及びその装置

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JP2989355B2
JP2989355B2 JP3328138A JP32813891A JP2989355B2 JP 2989355 B2 JP2989355 B2 JP 2989355B2 JP 3328138 A JP3328138 A JP 3328138A JP 32813891 A JP32813891 A JP 32813891A JP 2989355 B2 JP2989355 B2 JP 2989355B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば、鋳枠内のケ
イ砂などの耐火粒子に消失性模型を埋設して、この消失
性模型を溶湯と置換させながら鋳込むような消失性模型
を用いた鋳造方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、鋳枠内のケイ砂に発泡PS(ポリ
スチレン)製または発泡PMMA(ポリメチルメタクリ
レート)製の消失性模型を埋設し、この模型を溶湯と置
換する場合、鋳込み時にガスが発生して、鋳枠内の圧力
が高くなり、ガス欠陥が生じたり、或は湯流れ性が悪化
するような問題点があった。
【0003】このような問題点を解決するために従来、
例えば、特開昭60−162553号公報に記載のよう
な造型方法が既に発明されている。すなわち、鋳枠内の
ケイ砂の層と多孔板を介して連通する減圧室を設け、こ
の減圧室に減圧制御弁を介して真空ポンプ等の減圧手段
を接続し、鋳枠内の圧力を間欠的に減圧して、ガス欠陥
の発生を防止すると共に、湯流れ性の改善を図った充填
鋳造法における造型方法である。
【0004】しかし、上述の従来方法を、複数の鋳枠内
の消失性模型に対して順次連続的に溶湯する鋳造方法に
適用した場合には、自動注湯機の注湯位置に対応して、
前段の鋳枠に対する減圧処理および減圧カットの制御を
行なった後に、次段の鋳枠に対する減圧処理および減圧
カットの制御を行なう必要があり、各段の鋳枠に対する
減圧処理時間の関係上、連続的に効率良く製造すること
ができない問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明の請求項1記
載の発明(第1発明)は、減圧手段の能力を何等大きく
することなく、鋳物品質を確保して、連続的に効率良く
鋳造して、量産性の向上を図ることができる消失性模型
を用いた鋳造方法の提供を目的とする。
【0006】この発明の請求項2記載の発明(第2発
明)は、減圧手段を何等大型化することなく、鋳物品質
を確保して、効率のよい連続鋳造を行ない、量産性の向
上を図ることができる消失性模型を用いた鋳造装置の提
供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1記載
の発明(第1発明)は、複数の鋳枠内の耐火粒子にそれ
ぞれ消失性模型を埋設し、該模型を溶湯と置換させなが
ら順次鋳込む消失性模型を用いた鋳造方法であって、前
段の鋳枠内を減圧手段で設定値まで減圧した後に、注湯
を開始し、次に減圧手段の減圧値を高め、注湯終了後に
前段の鋳枠内の減圧値を低下させると共に、上記前段の
鋳枠内の減圧値が上記設定値近傍となった注湯中途時点
において、次段の鋳枠内の減圧を開始し、この次段の鋳
枠内の減圧値が設定値に達した時、上記工程を繰返す消
失性模型を用いた鋳造方法であることを特徴とする。
【0008】この発明の請求項2記載の発明(第2発
明)は、複数の鋳枠内の耐火粒子にそれぞれ埋設された
消失性模型に対して順次溶湯を注湯する自動注湯機と、
上記鋳枠内の圧力を減圧する減圧手段とを備えた消失性
模型を用いた鋳造装置であって、前段の鋳枠内の圧力を
設定値まで減圧する第1減圧手段と、上記第1減圧手段
による減圧値が設定値に達したことを判定する判定手段
と、上記判定手段による設定値到達判定時に前段の鋳枠
に対して注湯を開始する注湯開始手段と、上記注湯開始
手段による注湯開始後に減圧値を高める減圧値調整手段
と、上記前段の鋳枠内の減圧値が上記設定値近傍となる
注湯中途時点を検出する検出手段と、上記検出手段によ
る注湯中途時点に次段の鋳枠に対して減圧を開始する第
2減圧手段と、上記前段の鋳枠に対する注湯終了時に当
該鋳枠内の減圧値を低下させる減圧低下手段と、上記第
2減圧手段による減圧値が設定値に達した時、次段の鋳
枠に対する注湯制御および減圧制御を行なう制御手段と
を備えた消失性模型を用いた鋳造装置であることを特徴
とする。
【0009】
【発明の効果】この発明の請求項1記載の発明(第1発
明)によれば、前段の鋳枠内を減圧手段で設定値まで減
圧した後に、注湯を開始し、次に減圧手段の減圧値を高
めるので、鋳込み時にガスが発生して、鋳枠内の圧力が
高くなっても、上述の減圧手段による減圧値調整によ
り、鋳枠内の圧力を適正に保持することができ、この結
果、ガス欠陥の発生を防止することができると共に、湯
流れ性の改善を図ることができる効果がある。
【0010】しかも、前段の鋳枠内の減圧値が上述の設
定値近傍となり、ガス発生量が僅少となった注湯中途時
点において、次段の鋳枠内の減圧を開始し、この次段の
鋳枠内の減圧値が設定値に達した時、次段の鋳枠に対す
る注湯および減圧制御の工程を繰返すので、従来の前段
の鋳枠に対する減圧カット後に次段の鋳枠に対して減圧
を開始する方法と比較して、連続鋳造時間の大幅な短縮
を図ることができる。
【0011】したがって、減圧手段の能力を何等大きく
することなく、溶湯の温度低下を抑制しつつ、鋳物品質
を確保して、連続的に効率良く鋳造することができ、量
産性の向上を図ることができる効果がある。
【0012】この発明の請求項2記載の発明(第2発
明)によれば、上述の第1減圧手段は前段の鋳枠内の圧
力を設定値まで減圧し、上述の判定手段は上記減圧値が
設定値に達したことを判定し、この判定手段の判定結果
に基づいて注湯開始手段が前段の鋳枠に対して注湯を開
始し、この注湯開始手段による注湯開始後に上述の減圧
値調整手段が前後の鋳枠内の減圧値を高めるので、鋳込
み時にガスが発生して、鋳枠内の圧力が高くなっても、
減圧値調整手段による減圧値昇圧により、鋳枠内の圧力
を適正に保持することができ、この結果、ガス欠陥の発
生を防止することができると共に、湯流れ性の改善を図
ることができる。
【0013】しかも、上述の検出手段は前段の鋳枠内の
減圧値が上述の設定値近傍となる注湯中途時点を検出
し、この検出手段が注湯中途時点を検出した時、上述の
第2減圧手段は次段の鋳枠に対して減圧を開始すると共
に、上述の制御手段は第2減圧手段による次段の鋳枠内
の減圧値が設定値に達した時、当該次段の鋳枠に対する
注湯制御および減圧制御を行なうので、従来の前段の鋳
枠に対する減圧カット後に次段の鋳枠に対して減圧を開
始する装置と比較して、連続鋳造時間の大幅な短縮を図
ることができる。
【0014】したがって、減圧手段を何等大型化するこ
となく、溶湯の温度低下を抑制しつつ、鋳物品質を確保
して、効率のよい連続鋳造を行なうことができ、量産性
の向上を図ることができる効果がある。
【0015】
【実施例】この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳
述する。図面は消失性模型を用いた鋳造方法及びその装
置を示し、図1において、鋳枠搬送ライン1上に複数の
鋳枠2…を列状に配置すると共に、これら各鋳枠2内の
耐火粒子としてのケイ砂3にはそれぞれ発泡PS製また
は発泡PMMA製の消失性模型4を埋設している。
【0016】上述の消失性模型4は図2に示す如く湯口
部4aと、湯道部4bと、堰部(inlet )4cと、製品
部4dとを有し、この実施例では上述の製品部4dとし
て自動車の排気系部品である排気マニホルドを例示して
いる。また上述の鋳枠2は図2に示す如く有底角筒状の
枠で、この鋳枠2内の下域には中央部から枠内壁部に向
かって傾斜状に延びる2層構造のステンレス製パンチン
グメタル5を配設して、ケイ砂3の落下を防止すると共
に、このパンチングメタル5と鋳枠2底部との間に、鋳
枠2内のケイ砂3の層と連通する減圧室6を形成してい
る。
【0017】さらに、上述の減圧室6と連通するように
減圧ポート7を形成する一方、鋳枠2の下方部にはケイ
砂充填密度を高める目的で振動テーブル8を取付けてい
る。
【0018】ところで、図1に示すように上述の鋳枠搬
送ライン1の一側には各鋳枠2…における消失性模型4
の湯口部4aから順次溶湯Aを注湯する自動注湯機9を
配設する一方、鋳枠搬送ライン1の他側には各鋳枠2…
における減圧ポート7に接続される減圧パイプ10…を
配設し、これら各減圧パイプ10…を減圧集合管11お
よび減圧ライン12を介して減圧手段としての真空ポン
プ13に接続している。そして、上述の減圧ライン12
には真空ポンプ用の減圧調整弁14を介設し、また上述
の各減圧パイプ10…には対応する各鋳枠用の減圧調整
弁15…をそれぞれ介設している。
【0019】一方、上述の自動注湯機9による注湯以前
にケイ砂3内の所定高さ位置まで下降して、各鋳枠2内
の所定製品高さでの圧力をそれぞれ検出する圧力センサ
16…を設け、これらの圧力センサ16を圧力センサ昇
降シリンダ17で昇降制御すべく構成している。
【0020】図3は消失性模型を用いた鋳造装置の制御
回路を示し、CPU20は入力操作部18、圧力センサ
16からの信号に基づいて、ROM19に格納したプロ
グラムに従って、圧力センサ昇降シリンダ17、減圧パ
イプ接離手段21、自動注湯機9、真空ポンプ13、減
圧調整弁14,15、タイマ22、表示ランプ23を駆
動制御し、またRAM24は注湯初期時に鋳枠2内を減
圧する設定値としてのマイナス1500mmH2 Oと、マ
イナス2000mmH2 Oに相当する減圧データ、鋳込終
了後において鋳枠2内を減圧低下させる値としてのマイ
ナス200mmH2 Oに相当する減圧データなどの必要な
データを記憶する。
【0021】ここで、上述の入力操作部18は、減圧値
を可変設定する操作ツマミと、タイマ22による設定時
間を変更操作する操作ツマミとを含む。また、上述の減
圧パイプ接離手段21は、図1に示す減圧パイプ移動用
フレーム25を介してそれぞれの減圧パイプ10…を対
応する鋳枠2の減圧ポート7に対して接離操作する手段
で、具体的には流体シリンダ等を用いて構成する。
【0022】さらに、上述のCPU20は前段の鋳枠2
内の圧力を設定値たとえばマイナス1500mmH2 Oま
で減圧する第1減圧手段(図6に示すフローチャートの
第1ステップ31参照)と、上述の第1減圧手段による
減圧値が設定値に達したことを判定する判定手段(図6
に示すフローチャートの第2ステップ32参照)と、上
述の判定手段による設定値到達判定時に前段の鋳枠2に
対して注湯を開始する注湯開始手段(図6に示すフロー
チャートの第3ステップ33参照)と、上述の注湯開始
手段による注湯開始後、例えばマイナス2000mmH2
Oに減圧手段の減圧値を高める減圧値調整手段(図6に
示すフローチャートの第5ステップ35参照)と、上述
の前段の鋳枠2内の減圧値が設定値近傍となる注湯中途
時点を検出する検出手段(図6に示すフローチャートの
第11ステップ41参照)と、上述の検出手段による注
湯中途時点に次段の鋳枠2に対して減圧を開始する第2
減圧手段(図6に示すフローチャートの第12ステップ
42参照)と、上述の前段の鋳枠2に対する注湯終了時
に当該鋳枠2内の減圧値を例えばマイナス200mmH2
Oに低下させる減圧低下手段が設定値(例えばマイナス
1500mmH2 O)に達した時、次段の鋳枠2に対する
注湯制御および減圧制御を行なう制御手段(CPU20
それ自体)とを兼ねる。
【0023】つぎに消失性模型を用いた鋳造方法を、図
6のフローチャートを参照して以下に詳述する。まず、
図1に示す所定位置に各鋳枠2が搬送され、かつ停止さ
れた時点で、図4に示す状態のケイ砂3内に圧力センサ
16を下降挿入して図2の状態と成し、次に減圧パイプ
接離手段21を操作して、それぞれの減圧パイプ10…
を対応する鋳枠2の各減圧ポート7に接続して図5の状
態と成す。
【0024】次に第1ステップ31で、CPU20は真
空ポンプ13を駆動すると共に、各減圧調整弁14,1
5を制御して、前段の鋳枠2内を設定値たとえばマイナ
ス1500mmH2 Oに減圧する。
【0025】次に第2ステップ32で、CPU20は圧
力センサ16からの入力に基づいて前段の鋳枠2内の圧
力が設定値(例えばマイナス1500mmH2 O)に達し
たか否かを判定し、YES判定時にのみ次の第3ステッ
プ33に移行する。
【0026】上述の第3ステップ33で、CPU20は
自動注湯機9を駆動して、前段の鋳枠2に対する注湯を
開始すると共に、タイマ22を起動する。なお、この実
施例では消失性模型4に対する注湯開始から注湯終了ま
でに要する時間を例えば12秒に設定し、注湯中途時点
において前段の鋳枠2内の減圧値が設定値近傍となる条
件を、時間に換算し、この時間を例えば6秒に設定して
いる。
【0027】上述の第3ステップ33で、注湯が開始さ
れると、図1に示す溶湯Aは消失性模型4の湯口部4a
から注湯されて、この消失性模型4を溶湯と置換させな
がら鋳込みが実行される。
【0028】次に第4ステップ34で、CPU20は経
過時間T=0.5secか否かを判定し、YES判定時
には次の第5ステップ35に移行する。この第5ステッ
プ35で、CPU20は前段の鋳枠2に対応する減圧調
整弁15を制御して、注湯開始後における減圧値を高め
る。すなわち、鋳込み時には消失性模型4と溶湯との置
換によりガスが発生し、鋳枠2内の圧力が高くなるの
で、減圧値を高めることにより、鋳枠2内の圧力を適正
に保持する。上述の減圧値昇圧制御を実行した場合の鋳
枠2内の圧力変化は図7に実線で示す特性aとなり、減
圧値昇圧制御を実行しない場合の鋳枠2内の圧力変化は
ガス圧の影響により図7に点線で示す特性bとなる。
【0029】図6に示す次の第6ステップ36から第1
0ステップまでの処理と、第11ステップ41から第1
4ステップ44までの処理は並行処理される。
【0030】上述の第6ステップ36で、CPU20は
経過時間T=12secか否かを判定し、YES判定時
には次の第7ステップ37に移行する。この第7ステッ
プ37で、CPU20は自動注湯機9を制御して、前段
の鋳枠2に対する鋳込みを終了し、次の第8ステップ3
8で、CPU20は減圧調整弁15を制御して、注湯が
終了した前段の鋳枠2内の減圧値を例えばマイナス20
0mmH2 Oに低下させる。これは鋳込み終了後に発生す
るガスを軽い減圧度により逃がすためである。
【0031】次に第9ステップ39で、CPU20は経
過時間T=300secか否かを判定し、YES判定時
には次の第10ステップ40に移行し、この第10ステ
ップ40で、CPU20は減圧調整弁15を閉弁して前
段の鋳枠2に対する減圧をカットする。
【0032】一方、上述の第11ステップ41で、CP
U20は経過時間T=6secが否かを判定し、前段の
鋳枠2内の減圧値が上述の設定値(例えばマイナス15
00mmH2 O)近傍となる注湯中途時点においては次の
第12ステップ42に移行する。
【0033】この第12ステップ42で、CPU20は
次段の鋳枠2に対応する減圧調整弁15を制御して、当
該次段の鋳枠2に対する減圧を開始し、この次段の鋳枠
2内の減圧値を例えばマイナス1500mmH2 Oの設定
値に制御する。
【0034】なお、次段の鋳枠2に対する減圧の開始時
は、前段の鋳枠2内の減圧値が設定値近傍となっている
ため、前段の鋳枠2に対し減圧調整弁15により減圧値
をマイナス1500mmH2 Oに低下させる。
【0035】次に第13ステップ43で、CPU20は
次段の鋳枠2内の減圧値が設定値(例えばマイナス15
00mmH2 O)に達したか否かを判定し、YES判定時
には次の第14ステップ44に移行する。
【0036】この第14ステップ44で、CPU20は
自動注湯機9を駆動して、次段の鋳枠2に対する注湯を
開始すると共に、タイマ22を起動する。この第14ス
テップ44の処理終了後においては前述の第4ステップ
34にリターンすることにより次段の鋳枠2に対する注
湯制御および減圧制御を行い、以下同様に上述の工程を
繰返す。
【0037】以上要するに本実施例の鋳造方法によれ
ば、前段の鋳枠2内を減圧手段としての真空ポンプ13
で設定値まで減圧した後に、当該鋳枠2に対して注湯を
開始し、次に真空ポンプ13による減圧値を高めるの
で、鋳込み時にガスが発生して、鋳枠2内の圧力が高く
なっても、上述の減圧値調整により、図7に特性aで示
すように鋳枠2内の圧力を適正に保持することができ、
この結果、ガス欠陥の発生を防止することができると共
に、湯流れ性の改善を図ることができる効果がある。
【0038】しかも、前段の鋳枠2内の減圧値が上述の
設定値近傍となった注湯中途時点において、次段の鋳枠
2内の減圧を開始し、この次段の鋳枠2内の減圧値が設
定値に達した時、当該次段の鋳枠2に対する上述同様の
注湯および減圧制御の工程を繰返すので、従来の前段の
鋳枠に対する減圧カット後に次段の鋳枠に対して減圧を
開始する方法と比較して、図7にタイムチャートで示す
如く連続鋳造時間の大幅な短縮を図ることができる。
【0039】したがって、真空ポンプ13の能力を何等
大きくすることなく、溶湯の温度低下を抑制しつつ鋳物
品質を確保して、連続的に効率良く鋳造することがで
き、量産性の向上を図ることができる効果がある。
【0040】また、本実施例の鋳造装置によれば、第1
減圧手段31(図6参照)は前段の鋳枠2内の圧力を設
定値まで減圧し、判定手段32は上述の減圧値が設定値
に達したか否かを判定し、この判定手段の判定結果(Y
ES判定)に基づいて注湯開始手段33(図6参照)が
前段の鋳枠2に対して注湯を開始し、この注湯開始手段
による注湯開始後に減圧値調整手段35(図6参照)が
前段の鋳枠2内の減圧値を高めるので、鋳込み時にガス
が発生して、鋳枠2内の圧力が高くなっても、上述の減
圧値調整手段による減圧値昇圧により、図7に特性aで
示すように鋳枠2内の圧力を適正に保持することがで
き、この結果、ガス欠陥の発生を防止することができる
と共に、湯流れ性の改善を図ることができる。
【0041】しかも、上述の検出手段41(図6参照)
は前段の鋳枠2内の減圧値が上述の設定値近傍となる注
湯中途時点(この実施例ではT=6となった時点)を検
出し、この検出手段が注湯中途時点を検出した時、上述
の第2減圧手段42(図6参照)は次段の鋳枠2に対し
て減圧を開始すると共に、制御手段としてのCPU20
は第2減圧手段による次段の鋳枠2内の減圧値が設定値
に達した時、当該次段の鋳枠2に対する注湯制御および
減圧制御を行なうので、従来の前段の鋳枠に対する減圧
カット後に次段の鋳枠に対して減圧を開始する装置と比
較して、図7にタイムチャートで示す如く、連続鋳造時
間の大幅な短縮を図ることができる。具体的には図7に
示すT=300秒以上時間短縮を図ることができる。
【0042】したがって、減圧手段としての真空ポンプ
13を何等大型化することなく、溶湯の温度低下を抑制
しつつ、鋳物品質を確保して、効率のよい連続鋳造を行
うことができ、量産性の向上を図ることができる効果が
ある。
【0043】この発明の構成と上述の実施例との対応に
おいて、この発明の耐火粒子は、実施例のケイ砂3に対
応し、以下同様に、減圧手段は、真空ポンプ13に対応
し、第1減圧手段は、第1ステップ31(図6参照)に
対応し、判定手段は、第2ステップ32(図6参照)に
対応し、注湯開始手段は、第3ステップ33(図6参
照)に対応し、減圧値調整手段は、第5ステップ35
(図6参照)に対応し、検出手段は、第11ステップ4
1(図6参照)に対応し、第2減圧手段は、第12ステ
ップ42(図6参照)に対応し、減圧低下手段は、第8
ステップ38(図6参照)に対応し、制御手段は、CP
U20に対応するも、この発明は、上述の実施例の構成
のみに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の消失性模型を用いた鋳造方法に用いる
鋳造装置の平面図。
【図2】鋳枠の内部構造を示す拡大断面図。
【図3】本発明の消失性模型を用いた鋳造装置の制御回
路ブロック図。
【図4】圧力センサ下降以前の鋳枠の内部構造を示す拡
大断面図。
【図5】減圧パイプが接続された鋳枠の内部構造を示す
拡大断面図。
【図6】フローチャート。
【図7】タイムチャート。
【符号の説明】
2…鋳枠 3…ケイ砂 4…消失性模型 9…自動注湯機 13…真空ポンプ(減圧手段) 20…CPU(制御手段) 31…第1減圧手段 32…判定手段 33…注湯開始手段 35…減圧値調整手段 38…減圧低下手段 41…検出手段 42…第2減圧手段 A…溶湯
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 芝原 雅彦 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭64−32571(JP,A) 実開 昭62−29843(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22D 18/04 B22D 18/06 B22C 9/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の鋳枠内の耐火粒子にそれぞれ消失性
    模型を埋設し、該模型を溶湯と置換させながら順次鋳込
    む消失性模型を用いた鋳造方法であって、前段の鋳枠内
    を減圧手段で設定値まで減圧した後に、注湯を開始し、
    次に減圧手段の減圧値を高め、注湯終了後に前段の鋳枠
    内の減圧値を低下させると共に、上記前段の鋳枠内の減
    圧値が上記設定値近傍となった注湯中途時点において、
    次段の鋳枠内の減圧を開始し、この次段の鋳枠内の減圧
    値が設定値に達した時、上記工程を繰返す消失性模型を
    用いた鋳造方法。
  2. 【請求項2】複数の鋳枠内の耐火粒子にそれぞれ埋設さ
    れた消失性模型に対して順次溶湯を注湯する自動注湯機
    と、上記鋳枠内の圧力を減圧する減圧手段とを備えた消
    失性模型を用いた鋳造装置であって、前段の鋳枠内の圧
    力を設定値まで減圧する第1減圧手段と、上記第1減圧
    手段による減圧値が設定値に達したことを判定する判定
    手段と、上記判定手段による設定値到達判定時に前段の
    鋳枠に対して注湯を開始する注湯開始手段と、上記注湯
    開始手段による注湯開始後に減圧値を高める減圧値調整
    手段と、上記前段の鋳枠内の減圧値が上記設定値近傍と
    なる注湯中途時点を検出する検出手段と、上記検出手段
    による注湯中途時点に次段の鋳枠に対して減圧を開始す
    る第2減圧手段と、上記前段の鋳枠に対する注湯終了時
    に当該鋳枠内の減圧値を低下させる減圧低下手段と、上
    記第2減圧手段による減圧値が設定値に達した時、次段
    の鋳枠に対する注湯制御および減圧制御を行なう制御手
    段とを備えた消失性模型を用いた鋳造装置。
JP3328138A 1991-11-15 1991-11-15 消失性模型を用いた鋳造方法及びその装置 Expired - Lifetime JP2989355B2 (ja)

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