JP2989078B2 - 徐放性に優れた芳香複合短繊維 - Google Patents

徐放性に優れた芳香複合短繊維

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐久性のある香りを有
する芯鞘型中実複合短繊維に関する。さらに詳しくは、
敷布団、掛布団、枕、クッション、縫ぐるみ等の詰綿あ
るいは不織布に混綿することにより、これらの製品に
「森林浴」効果、「快適睡眠」効果、「清涼」効果等を
長期間賦与することができる新規な複合短繊維に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ヒノキは昔より家屋の柱や床に用いら
れ、その香りは人々の心を落ち着かせ、居ながらにして
「森林浴」効果が得られていた。しかしこの芳香物質は
消失しやすく、長い期間この効果を持続させることは困
難であった。そこで、森林中に発散され漂っている天然
精油成分物質を、寝装、インテリア、あるいは住宅内装
材等の屋内設置品に適用して、居ながらにして「森林
浴」効果を得る方法が種々提案されている。例えば、繊
維最終製品に後加工によって精油を吸着あるいは付着す
る方法が提案されているが、水洗いまたは洗濯により精
油が脱落しやすく、また揮散による精油の減少速度も速
いため、芳香の持続性に乏しいものであった。最近、特
開昭61―201012号公報には、数種類の天然精油
又はそれらから分離される成分を混合した精油を、中空
芯鞘型複合繊維の芯部に練り込んだ繊維が、また特開昭
62―85010号公報には中空多芯芯鞘型複合繊維
が、さらに特開平3―76815号公報には特定のオレ
フィン系重合体組成物に精油を練り込んだ芳香繊維が提
案されている。なるほどかかる方法により得られる繊維
はある程度の芳香持続性を有するものの、用途によって
はさらに芳香の持続性が要求され、特に繊維長の短い分
野における徐放性はさらなる改善が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる上記
問題点を背景になされたもので、その目的は、従来品に
比べて芳香の持続性に極めて優れた、香りを有する芯鞘
中実複合短繊維を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる目
的を達成すべく鋭意検討した結果、精油を配合したポリ
オレフィン系重合体を芯部とし、且つ該芯部にくびれ部
を設けることにより、芳香の持続性が改善されることを
見い出し本発明に到達した。
【0005】すなわち、本発明によれば、精油を0.1
〜5重量%含有するオレフィン系重合体組成物を芯部と
し、ポリエステルを鞘部とする芳香複合短繊維におい
て、前記芯部が繊維軸方向に下記(1)〜(3)を同時
に満足するくびれ部を有することを特徴とする徐放性に
優れた芳香複合短繊維、 (1) くびれ部数(H個/25mm):3≦H≦20 (2) くびれ部断面積率(S%) :20≦S≦80 (3) くびれ部割合(R) :R<1 (但し、くびれ部の芯部断面積SA 、非くびれ部の芯部
断面積をSB とした時SはSA /SB ×100で表わさ
れ、またくびれ部分の平均長さをLA 、非くびれ部の平
均長さをLB とした時RはLA /LB で表わされる。)
が提供される。
【0006】本発明の芳香複合短繊維は、精油成分を芯
部に含有する芯鞘型中実複合繊維であって、該芯部が繊
維軸方向に不規則にくびれを有する点に最大の特徴を有
する。すなわち、芯部にくびれ部が存在すると、精油成
分が拡散して短繊維端面から揮散する場合、該くびれ部
で拡散が抑制されるため、芳香効果の持続が向上するの
である。
【0007】かかるくびれ部の数Hは、3〜20個/2
5mm、好ましくは5〜15個/25mmの範囲とする
必要がある。3個/25mm末端では、くびれ部の数が
少なく拡散抑制効果は不充分となる。一方20個/25
mmを越える場合には、後述するくびれ部断面積率Sを
小さくし難く、精油成分拡散遅延効果が得難くなるので
好ましくない。なお本発明においては、該くびれ部によ
って精油成分が繊維端面から揮散することを抑制するも
ので、短繊維当りくびれ部が2つ以上存在することがよ
り望ましい。
【0008】次に該くびれ部の断面積S(くびれ部断面
積/非くびれ部断面積×100)は20〜80%、好ま
しくは45〜55%とする必要がある。20%未満では
くびれ部の断面積が小さくなりすぎ、精油成分の拡散通
路断面積が狭くなりすぎて放散量が低下するため好まし
くない。一方80%を越える場合には、くびれ部による
精油成分の拡散抑制効果が不充分となり芳香の持続性が
低下するため好ましくない。
【0009】さらに芯部くびれ部割合R(くびれ部平均
長さ/非くびれ部平均長さ)は1以下とする必要があ
り、1を越える場合には精油成分を含有させる芯部が少
なくなって芳香効果の持続性は低下するので好ましくな
い。
【0010】本発明において芯部に含有せしめる精油
は、特に天然精油例えばヒノキ油、ハッカ油、ユーカリ
油、ヒバ油、ショウノウ油等であることが好ましい。こ
れらの精油は、通常植物の枝葉、根茎、木皮、果実、つ
ぼみ、樹脂等から水蒸気蒸留により採油されるもので、
テルペノイドを主成分としている。このテルペノイドは
鞘部に用いるポリエステル層を極めて透過し難く、一方
芯部に用いるオレフィン系重合体は精油を保持・透過さ
せる性能に優れているので、芳香効果を長期間持続させ
ることができる。特に後述する如く、オレフィン系重合
体として極性基を有するものと有さないものとを併用す
る場合、極性基を有する変性オレフィン重合体は適度な
親和性を有するので精油を保持する役目を果し、一方極
性基のないポリオレフィンは適度に親和性が低いので精
油成分を透過させる役目を果すので、両者を特定の割合
で配合することにより芳香の強さを適正化しかつ芳香効
果(森林浴効果等)を長時間持続させることが極めて容
易に達成できる。
【0011】なお、本発明においては、精油としては上
述の如く天然精油を主たる対象としているが、これらの
精油中に含有される成分を分離精製して用いてもよい
し、また合成精油を用いてもよい。
【0012】かかる精油の芯部を構成する重合体に対す
る配合量は0.1〜5重量%、好ましくは0.5〜2重
量%とする必要がある。0.1重量%未満の場合には、
精油成分の空気中への揮散が少なくなり、充分な森林浴
効果等の芳香効果が得られなくなるため好ましくない。
一方、5重量%を越えると、芯部重合体への溶解分散性
が低下して安定に溶融紡糸できなくなるとともに、得ら
れる繊維も精油成分の空気中への揮散量が多くなりすぎ
て逆に不快感を与えるようになるので好ましくない。
【0013】本発明の芯鞘型中実複合繊維の芯部を構成
する重合体は、オレフィン系重合体が好ましく、特に実
質的にα―オレフィンよりなるオレフィン重合体(A)
98〜50重量%、好ましくは98〜70重量%と、変
性オレフィン重合体(B)2〜50重量%、好ましくは
2〜30重量%との混合物が望ましい。A成分の量を9
8重量%を越えて用いると、芯部を構成する重合体への
精油成分の分散性が低下して紡糸性が悪化する傾向が有
り、また、精油成分の芯部重合体内拡散速度が速くなっ
て芳香効果の持続性が低下し易すくなる。一方、A成分
が50重量%未満の場合には、精油はB成分と比較的親
和性が良いため、精油成分の芯部重合体中拡散速度が低
下して充分な芳香効果が得難くなる。
【0014】好適に用いられる実質的にα―オレフィン
からなるオレフィン重合体としては、例えば、エチレ
ン、プロピレン、ブテン―1、ヘキセン―1などのα―
オレフィンからなるホモ重合体、共重合体、及びこれら
に少量(通常は10モル%以下)の非極性第3成分を共
重合したものをあげることができる。なお、ここでいう
非極性の第3成分とは、エステル結合、カルボキシル
基、水酸基等の極性官能基を有さない共重合成分であっ
て、例えばスチレン、ノルボルナジエン等の不飽和炭化
水素が例示される。
【0015】一方、極性基を有するオレフィン系重合体
としては、不飽和カルボン酸、不飽和アルコール、及び
これらのエステル、酸無水物またはアミド等の極性基を
有する重合性単量体から選ばれる少なくとも1種以上を
3〜30重量%、好ましくは5〜20重量%、α―オレ
フィンに共重合させているものが好適である。この共重
合量が3重量%未満の場合にあっては、精油成分との親
和性が低下して芳香効果の持続性が低下する傾向があ
り、30重量%を越える場合には、精油との親和性が向
上するため芯部重合体中の拡散速度が低下し、芳香効果
が発現し難くなる傾向がある。かかる極性基を有する重
合性単量体としては、例えばアクリル酸、メタクリル
酸、マレイン酸、フマル酸及びこれらの低級アルキルエ
ステルまたはアミド、無水マレイン酸、酢酸ビニル等が
好ましく用いられる。
【0016】なお、本発明で用いる精油は耐熱性に劣
り、熱によって容易に蒸発もしくは分解するため、前記
芯部には融点(軟化点)の低い重合体を用いるのが望ま
しく、例えば、A成分としては高密度ポリエチレン、中
密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等のポリエチレ
ン重合体、またB成分としては、エチレン・酢酸ビニル
共重合体が好ましく用いられる。
【0017】本発明の複合短繊維の鞘部を構成する重合
体は、前記精油成分が拡散透過し難く、かつ繊維に優れ
た機械的性能を付与できる重合体である必要があり、ポ
リエステル重合体が好ましい。なかでも、本発明の短繊
維は詰綿もしくは不織布として賞用されるため、嵩高
性、耐ヘタリ性等の性能にも優れているこが望ましく、
95モル%以上がエチレンテレフタレートもしくはブチ
レンテレフタレートから構成されるポリエチレンテレフ
タレート系重合体もしくはポリブチレンテレフタレート
系重合体が望ましい。
【0018】本発明における芯部及び鞘部を構成する重
合体の比率は、重量比で芯部/鞘部を70/30〜30
/70の範囲にするのが望ましい。芯部の比率が70を
超えると芯鞘構造の形成が難しくなり、芯部が露出して
芳香効果の持続性が低下する場合がある。一方芯部の比
率が30未満になると、芯部の占有断面積が小さくな
り、精油成分の空気中への揮散量が少なくなって芳香効
果が低下する傾向がある。
【0019】以上に説明した本発明の複合短繊維を製造
するには、従来より用いられている芯鞘型複合紡糸用の
装置をそのまま使用でき、常法に従って溶融紡糸、延伸
を行えばよい。この際、精油は、オレフィン重合体チッ
プの表面に付着させた後、複合溶融紡糸装置に供給して
もよく、あるいは、あらかじめオレフィン重合体中に溶
融配合したものを用いてもよい。特に、極性基を有する
オレフィン重合体中にあらかじめ配合する方法は、精油
の芯部を構成する重合体中への分散状態がよくなり、溶
融紡糸性及び芳香効果の持続性が向上するため好まし
い。
【0020】本発明においては、上述の如く精油成分と
親和性の比較的良好なポリオレフィンを用いるため、比
較的沸点の低い精油成分でも口金ブロック内で気化して
発泡することはない。さらには、繊維形成後鞘成分は急
速に固化されるため、精油成分の蒸散も抑制されるとい
った効果もある。
【0021】かくして得られた未延伸複合繊維は延伸し
た後、所望の温度に加熱して機械捲縮を付与する。例え
ば芯部ポリーとして高密度ポリエチレン(融点132
℃)とエチレン/酢酸ビニル共重合体(共重合比84/
16:融点95〜105℃)を95:4の割合で混合し
たオレフィン系重合体を用いる場合、繊維をあらかじめ
85〜95℃に加熱した後に押し込み捲縮で機械捲縮付
与すると、芯部ポリマーが該温度で可塑化され、捲縮付
与時に鋭角状に屈曲された座屈部分にくびれ部を設ける
ことが可能となる。すなわち、芯部ポリマーは軟化する
が鞘部ポリマーは軟化しない温度に加熱した後、機械捲
縮付与時に繊維屈曲部に作用する屈曲圧力によって、該
屈曲部にくびれ部を設けることが可能となるものであ
る。
【0022】くびれ部の数H、断面積率S、及びくびれ
部割合Rは、機械捲縮付与の条件を変更することにより
任意に調節でき、例えばクリンパーへの供給するトウの
総デニール数、ニップローラー圧、スタッフィング圧、
トウ予熱温度を変更すれば良い。ここでくびれ部の数は
捲縮数と同様の挙動を取り、芯部断面積の減少率は捲縮
度と同様の挙動を示す。したがって、これらを増加させ
るには、通常の機械捲縮付与時の捲縮数アップ、捲縮度
アップの条件を採用すれば良い。
【0023】以上の如くして芯部にくびれ部を付与した
複合繊維は、カットして短繊維となすが、繊維長は3〜
160mm、特に3〜50mmとなした場合、本発明の効果
が大きくなるので好ましい。すなわち、カット長が50
mm以下の場合では、短繊維1本の中に含有される精油成
分の量が少なくなるとともに、端面から揮散される際の
芯部内拡散距離も短くなって芳香効果の持続性が低下し
易くなるが、芯部にくびれ部が存在すると該ケ所により
精油成分の拡散が少なくなるので、初期の芳香レベルが
やや低下しても、芳香の持続性は長くなるのである。
【0024】なお本発明は短繊維を対象としているが、
カットする前のフィラメントをカーペットのカットパイ
ル糸の如く製織後フィラメントをカットする用途に用い
ても、良好な芳香効果が得られることはいうまでもな
い。
【0025】
【発明の作用・効果】以上に説明したように、本発明の
複合短繊維は、精油成分を含有する芯部に断続的なくび
れ部を有するため、該くびれ部で芯部中を拡散する精油
成分が抑制され、その結果繊維端面からの精油成分蒸散
が抑制されて芳香の持続性が向上する。しかも芯部重合
体として、精油の保持・拡散性能が適度にバランスして
いるオレフィン系重合体組成物を用いている効果が付加
されて、極めて長期間安定して森林浴効果等の芳香効果
が享受できるものと推定される。
【0026】したがって、従来繊維長が50mm以下の短
繊維では繊維中央部でも精油成分の拡散経路は短いため
芳香の持続性を高めることが困難であったが、本発明の
複合短繊維では芯部割合を低下させることなく精油成分
の拡散断面積を低下することができ、容易に端面からの
蒸散を少なくすることが可能となって芳香の持続性が向
上する。
【0027】このため、本発明の繊維を、布団、枕、ク
ッション、縫ぐるみ等の詰綿あるいは不織布等、衣料、
寝装、インテリア、車両内装、家具、家庭用雑品等の分
野の製品に適用すると、極めて長期間森林浴効果等の芳
香効果を享受することができるのである。
【0028】
【実施例】以下、実施例により、本発明をさらに詳細に
説明する。なお、芳香性の評価及びくびれ部の評価は、
下記にしたがった。 ・芳香性の評価 外気にさらした状態で保存し、所定時間経過毎そのにお
いの強さを評価した。なお、製造後カットしていないト
ウを保管しておき、評価時に評価サンプルと同じ長さに
カットしこの原綿の芳香性を標準として5段階評価し
た。 標準とほとんど差がない場合 :5 においがまったくなくなった場合:1 ・くびれ部の評価 (1)くびれ部数(H個/25mm) 単繊維の片端を固定し、他方の端部にデニール当り5m
gのウエイトを加え、糸が一直線に伸びた状態で25mm
当りのくびれ部数を測定した。短繊維10本を測定し、
その平均をくびれ部数Hとした。 (2)くびれ部断面積率(S%) 短繊維約100本の断面写真をとり、その中で芯部断面
積が小さい方から10点の平均の芯部断面積をくびれ部
断面積SA とし、一方大きい方から10点の平均の芯部
断面積を比くびれ部断面積SB として、S=SA /SB
×100から求めた。 (3)くびれ部割合(R) 単繊維の側面写真をとり、細い部分の長さLA と太い部
分の長さLB とを夫々20点ランダムに抽出し、夫々の
平均長さ(LA ,LB )を求め、LA /LB をRとし
た。
【0029】
【実施例1】ヒノキ抽出精油を20wt%含有させたエ
チレン・酢酸ビニル共重合体(共重合重量比84:1
6)5重量部とメルトインデックス20の高密度ポリエ
チレン95重量部とをチップブレントしたものを250
℃で溶融し芯部に、また固有粘度0.64のポリエチレ
ンテレフタレートを280℃で溶融し鞘部に配するよう
芯鞘型複合紡糸装置に供給し、孔径0.5mmφ、孔数2
60ホールを有する口金より押出し、800m/分の速
度で引き取って缶に揺り込んだ。この際の芯/鞘比は3
5/65とした。
【0030】得られた未延伸糸を集束して400万デニ
ールとし、温水中70℃で3倍に延伸し、スタッフィン
グボックスに供給し、トウ予熱温度90℃、スタッフィ
ング圧1.0kg/cm2 で捲縮を付与した後、120℃下
30分間熱処理し、繊維長30mmにカットして約6デニ
ールの短繊維を得た。
【0031】この原綿は、未延伸糸及び延伸熱処理後の
未だカットしていないトウの状態ではほとんど芳香は感
じられず、短繊維にカットすることによって初めて芳香
が感じられるようになった。
【0032】この原綿をカードにかけてウェブとした
後、重量0.5kgを縦横45cm×45cmの布袋に入れた
ところ、森林のにおいがする、大変良い香りのする座布
団が得られた。この座布団は、ドライクリーニングして
もにおいの強さは低下しなかった。また、2年経過した
後も森林のにおいの強さはほとんど変化せず、長期間持
続性を有するものであった。結果は表1に示す。
【0033】
【実施例2〜5、比較例1〜8】ヒノキ抽出精油の混合
率、芯部に用いる重合体の種類及び混合比、鞘部の重合
体の種類、繊維断面形状、及びカット長を表1に記載の
如く変化させ、実施例1と同様にして、短繊維及び座布
団を得た。評価結果は、表1にあわせて示す。なお、芳
香性評価の標準は実施例1で保管したサンプルトウを測
定直前に30mmにカットして用いた。
【0034】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の芳香複合短繊維のくびれ部断面積率を
説明する概略図である。
【図2】本発明の芳香複合短繊維のくびれ部割合を説明
する概略図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 嶋田 幸二郎 大阪府茨木市耳原3丁目4番1号 帝人 株式会社 大阪研究センター内 (56)参考文献 特開 平3−76815(JP,A) 特開 平1−280068(JP,A) 特開 平4−263893(JP,A) 特開 平4−263609(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D01F 8/00 - 8/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 精油を0.1〜5重量%含有するオレフ
    ィン系重合体組成物を芯部とし、ポリエステルを鞘部と
    する芳香複合短繊維において、前記芯部が繊維軸方向に
    下記(1)〜(3)を同時に満足するくびれ部を有する
    ことを特徴とする徐放性に優れた芳香複合短繊維。 (1) くびれ部数(H個/25mm):3≦H≦20 (2) くびれ部断面積率(S%) :20≦S≦80 (3) くびれ部割合(R) :R<1 (但し、くびれ部の芯部断面積SA 、非くびれ部の芯部
    断面積をSB とした時SはSA /SB ×100で表わさ
    れ、またくびれ部分の平均長さをLA 、非くびれ部の平
    均長さをLB とした時RはLA /LB で表わされる。)
  2. 【請求項2】 繊維長が3〜50mmである請求項1記載
    の徐放性に優れた芳香複合短繊維。
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