JP2889005B2 - 芳香を有する畳の中芯シート基材 - Google Patents
芳香を有する畳の中芯シート基材Info
- Publication number
- JP2889005B2 JP2889005B2 JP3040534A JP4053491A JP2889005B2 JP 2889005 B2 JP2889005 B2 JP 2889005B2 JP 3040534 A JP3040534 A JP 3040534A JP 4053491 A JP4053491 A JP 4053491A JP 2889005 B2 JP2889005 B2 JP 2889005B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- weight
- essential oil
- core
- olefin polymer
- fragrance
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
- Artificial Filaments (AREA)
- Multicomponent Fibers (AREA)
- Nonwoven Fabrics (AREA)
- Floor Finish (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、芳香を有する畳の中芯
シート基材に関する。さらに詳しくは、「森林浴」効
果、「快適睡眠」効果、「清涼」効果等を長期間持続し
て享受することのできる新規な畳の中芯シート基材に関
する。
シート基材に関する。さらに詳しくは、「森林浴」効
果、「快適睡眠」効果、「清涼」効果等を長期間持続し
て享受することのできる新規な畳の中芯シート基材に関
する。
【０００２】
【従来の技術】ヒノキは昔より家屋の柱や床に用いら
れ、その香りは人々の心を落ち着かせ、居ながらにして
「森林浴」効果が得られていた。しかし、この芳香物質
は消失しやすく、長い期間この効果を持続させることは
困難であった。そこで、森林中に発散され漂っている天
然精油成分物質を、寝装、インテリア、あるいは住宅内
装材等の屋内設置品に適用して、居ながらにして「森林
浴」効果を得る方法が種々提案されている。
れ、その香りは人々の心を落ち着かせ、居ながらにして
「森林浴」効果が得られていた。しかし、この芳香物質
は消失しやすく、長い期間この効果を持続させることは
困難であった。そこで、森林中に発散され漂っている天
然精油成分物質を、寝装、インテリア、あるいは住宅内
装材等の屋内設置品に適用して、居ながらにして「森林
浴」効果を得る方法が種々提案されている。
【０００３】一方、畳の中芯シート基材として従来藁製
のものが多く使用されてきたが、近年熱可塑性合成繊維
を主体とする耐久性に優れたものが提案されている。
のものが多く使用されてきたが、近年熱可塑性合成繊維
を主体とする耐久性に優れたものが提案されている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】近年開発された合成繊
維を主体とする畳の中芯シート基材に前記「森林浴」効
果を発現させるため、例えば精油成分を吸着、付着ある
いは混合した繊維を配合する方法が考えられる。しかし
ながら、従来提案されているこれらの芳香繊維は、精油
成分が脱落しやすく、また揮散による減少速度が速いた
め、芳香の持続性に乏しいといった問題点がある。
維を主体とする畳の中芯シート基材に前記「森林浴」効
果を発現させるため、例えば精油成分を吸着、付着ある
いは混合した繊維を配合する方法が考えられる。しかし
ながら、従来提案されているこれらの芳香繊維は、精油
成分が脱落しやすく、また揮散による減少速度が速いた
め、芳香の持続性に乏しいといった問題点がある。
【０００５】本発明は、上記従来技術を背景になされた
もので、その目的は、「森林浴」効果等を長期間に亘っ
て享受することのできる、新規な芳香を有する畳の中芯
シート基材を提供することにある。
もので、その目的は、「森林浴」効果等を長期間に亘っ
て享受することのできる、新規な芳香を有する畳の中芯
シート基材を提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる目
的を達成すべく鋭意検討した結果、精油が極性基を有す
る変性オレフィン重合体と有しないオレフィン重合体と
の混合物に配合されたものを芯部とし、ポリエステルを
鞘部とした芯鞘型中実複合短繊維を含有してなる畳の中
芯シート基材は、従来の予想に反して、上記目的を達成
するのに極めて有効であることを見出だし本発明に到達
した。
的を達成すべく鋭意検討した結果、精油が極性基を有す
る変性オレフィン重合体と有しないオレフィン重合体と
の混合物に配合されたものを芯部とし、ポリエステルを
鞘部とした芯鞘型中実複合短繊維を含有してなる畳の中
芯シート基材は、従来の予想に反して、上記目的を達成
するのに極めて有効であることを見出だし本発明に到達
した。
【０００７】すなわち本発明は、精油を０．１〜５重量
％含有する下記オレフィン系重合体組成物を芯部とし、
ポリエステルを鞘部とする芯鞘型中実複合繊維を含有す
ることを特徴とする芳香を有する畳の中芯シート基材で
ある。 オレフィン系重合体組成物（但し精油を除く） （Ａ）実質的にα−オレフィンからなる極性基を有しな
いオレフィン重合体：９８〜５０重量％ （Ｂ）不飽和カルボン酸、不飽和アルコール及びこれら
のエステル、酸無水物またはアミドから選ばれる少なく
とも１種以上を３〜３０重量％共重合させた変性オレフ
ィン重合体：２〜５０重量％ 本発明において用いる芳香成分は、精油、特に天然精油
例えばヒノキ油、ハッカ油、ユーカリ油、ヒバ油、ショ
ウノウ油等であることが重要である。これらの精油は、
通常植物の枝葉、根茎、木皮、果実、つぼみ、樹脂等か
ら水蒸気蒸留により採油されるもので、テルペノイドを
主成分としている。このテルペノイドは鞘部に用いるポ
リエステル層を極めて透過し難い。しかも、後に詳述す
る如く、芯部に用いるオレフィン系重合体のうち極性基
を有する変性オレフィン重合体はテルペノイドと適度な
親和性を有するので、精油を保持する役目を果し、一方
極性基のないポリオレフィンはテルペノイドと親和性が
低く適度にこれらを透過させる。したがって、両者を特
定の割合で配合することにより芳香の強さを適正化し、
かつ芳香効果（森林浴効果等）を長時間持続させること
が極めて容易に達成できる。
％含有する下記オレフィン系重合体組成物を芯部とし、
ポリエステルを鞘部とする芯鞘型中実複合繊維を含有す
ることを特徴とする芳香を有する畳の中芯シート基材で
ある。 オレフィン系重合体組成物（但し精油を除く） （Ａ）実質的にα−オレフィンからなる極性基を有しな
いオレフィン重合体：９８〜５０重量％ （Ｂ）不飽和カルボン酸、不飽和アルコール及びこれら
のエステル、酸無水物またはアミドから選ばれる少なく
とも１種以上を３〜３０重量％共重合させた変性オレフ
ィン重合体：２〜５０重量％ 本発明において用いる芳香成分は、精油、特に天然精油
例えばヒノキ油、ハッカ油、ユーカリ油、ヒバ油、ショ
ウノウ油等であることが重要である。これらの精油は、
通常植物の枝葉、根茎、木皮、果実、つぼみ、樹脂等か
ら水蒸気蒸留により採油されるもので、テルペノイドを
主成分としている。このテルペノイドは鞘部に用いるポ
リエステル層を極めて透過し難い。しかも、後に詳述す
る如く、芯部に用いるオレフィン系重合体のうち極性基
を有する変性オレフィン重合体はテルペノイドと適度な
親和性を有するので、精油を保持する役目を果し、一方
極性基のないポリオレフィンはテルペノイドと親和性が
低く適度にこれらを透過させる。したがって、両者を特
定の割合で配合することにより芳香の強さを適正化し、
かつ芳香効果（森林浴効果等）を長時間持続させること
が極めて容易に達成できる。
【０００８】なお本発明においては、芳香成分としては
上述の如く天然精油を主たる対象としているが、これら
の精油中に含有される成分を分離精製して用いてもよい
し、合成精油を用いてもよい。なかでもヒノキ抽出精油
は、優れた防虫効果（ダニ忌避効果）をもあわせ付与す
ることができるので、特に好ましい。
上述の如く天然精油を主たる対象としているが、これら
の精油中に含有される成分を分離精製して用いてもよい
し、合成精油を用いてもよい。なかでもヒノキ抽出精油
は、優れた防虫効果（ダニ忌避効果）をもあわせ付与す
ることができるので、特に好ましい。
【０００９】かかる精油の、芯部を構成する重合体に対
する配合量は０．１〜５重量％、好ましくは０．５〜２
重量％とする必要がある。０．１重量％未満の場合に
は、精油成分の空気中への揮散が少なくなり、充分な森
林浴効果等の芳香効果が得られなくなるので好ましくな
い。一方、５重量％を越えると、芯部重合体への溶解分
散性が低下して安定に溶融紡糸できなくなるとともに、
得られる繊維も精油成分の空気中への揮散量が多くなり
すぎて逆に不快感を与えるようになるので好ましくな
い。
する配合量は０．１〜５重量％、好ましくは０．５〜２
重量％とする必要がある。０．１重量％未満の場合に
は、精油成分の空気中への揮散が少なくなり、充分な森
林浴効果等の芳香効果が得られなくなるので好ましくな
い。一方、５重量％を越えると、芯部重合体への溶解分
散性が低下して安定に溶融紡糸できなくなるとともに、
得られる繊維も精油成分の空気中への揮散量が多くなり
すぎて逆に不快感を与えるようになるので好ましくな
い。
【００１０】また、かかる精油が配合される本発明の芯
鞘型中実複合繊維の芯部を構成する重合体は、実質的に
α−オレフィンよりなるオレフィン重合体（Ａ）９８〜
５０重量％、好ましくは９８〜７０重量％と、変性オレ
フィン重合体（Ｂ）２〜５０重量％、好ましくは２〜３
０重量％とを混合していることが肝要である。Ａ成分の
量を98重量％を越えて用いると、芯部を構成する重合体
への精油成分の分散性が悪くなって紡糸性が低下する。
また、精油成分とＡ成分との親和性が低いため、精油成
分の芯部重合体内拡散速度が速くなって芳香効果の持続
性が低下する。一方、Ａ成分が５０重量％未満の場合に
は、Ｂ成分中の精油濃度が低くなるうえに、精油とＢ成
分とは比較的親和性が良いため、精油成分の芯部重合体
中拡散速度が低下して充分な芳香効果が得られなくな
る。
鞘型中実複合繊維の芯部を構成する重合体は、実質的に
α−オレフィンよりなるオレフィン重合体（Ａ）９８〜
５０重量％、好ましくは９８〜７０重量％と、変性オレ
フィン重合体（Ｂ）２〜５０重量％、好ましくは２〜３
０重量％とを混合していることが肝要である。Ａ成分の
量を98重量％を越えて用いると、芯部を構成する重合体
への精油成分の分散性が悪くなって紡糸性が低下する。
また、精油成分とＡ成分との親和性が低いため、精油成
分の芯部重合体内拡散速度が速くなって芳香効果の持続
性が低下する。一方、Ａ成分が５０重量％未満の場合に
は、Ｂ成分中の精油濃度が低くなるうえに、精油とＢ成
分とは比較的親和性が良いため、精油成分の芯部重合体
中拡散速度が低下して充分な芳香効果が得られなくな
る。
【００１１】好適に用いられる実質的にα−オレフィン
からなるオレフィン重合体としては、例えば、エチレ
ン、プロピレン、ブテン−１、ヘキセン−１などのα−
オレフィンからなるホモ重合体、共重合体、及びこれら
に少量（通常は１０モル％以下）の非極性第３成分を共
重合したものをあげることができる。なお、ここでいう
非極性の第３成分とは、エステル結合、カルボキシル
基、水酸基等の極性官能基を有さない共重合成分であっ
て、例えばスチレン、ノルボルナジエン等の不飽和炭化
水素が例示される。
からなるオレフィン重合体としては、例えば、エチレ
ン、プロピレン、ブテン−１、ヘキセン−１などのα−
オレフィンからなるホモ重合体、共重合体、及びこれら
に少量（通常は１０モル％以下）の非極性第３成分を共
重合したものをあげることができる。なお、ここでいう
非極性の第３成分とは、エステル結合、カルボキシル
基、水酸基等の極性官能基を有さない共重合成分であっ
て、例えばスチレン、ノルボルナジエン等の不飽和炭化
水素が例示される。
【００１２】一方、本発明でいう変性オレフィン重合体
は、極性基を有するオレフィン系重合体であって、不飽
和カルボン酸、不飽和アルコール、及びこれらのエステ
ル、酸無水物またはアミド等の極性基を有する重合性単
量体から選ばれる少なくとも１種以上を３〜３０重量
％、好ましくは５〜２０重量％、α−オレフィンに共重
合させていることが重要である。この共重合量が３重量
％未満の場合にあっては、精油成分との親和性が向上せ
ず、芳香効果の持続性は改善されないし、３０重量％を
越える場合には、精油との親和性が向上するため芯部重
合体中の拡散速度が低下し、芳香効果が発現し難くなる
傾向がある。かかる極性基を有する重合性単量体として
は、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フ
マル酸及びこれらの低級アルキルエステルまたはアミ
ド、無水マレイン酸、酢酸ビニル等が好ましく用いられ
る。
は、極性基を有するオレフィン系重合体であって、不飽
和カルボン酸、不飽和アルコール、及びこれらのエステ
ル、酸無水物またはアミド等の極性基を有する重合性単
量体から選ばれる少なくとも１種以上を３〜３０重量
％、好ましくは５〜２０重量％、α−オレフィンに共重
合させていることが重要である。この共重合量が３重量
％未満の場合にあっては、精油成分との親和性が向上せ
ず、芳香効果の持続性は改善されないし、３０重量％を
越える場合には、精油との親和性が向上するため芯部重
合体中の拡散速度が低下し、芳香効果が発現し難くなる
傾向がある。かかる極性基を有する重合性単量体として
は、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フ
マル酸及びこれらの低級アルキルエステルまたはアミ
ド、無水マレイン酸、酢酸ビニル等が好ましく用いられ
る。
【００１３】なお、本発明で用いる精油は耐熱性に劣
り、熱によって容易に蒸発もしくは分解するため、前記
芯部には融点（軟化点）の低い重合体を用いるのが望ま
しく、例えば、Ａ成分としては高密度ポリエチレン、中
密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等のポリエチレ
ン重合体、またＢ成分としては、エチレン・酢酸ビニル
共重合体が好ましく用いられる。
り、熱によって容易に蒸発もしくは分解するため、前記
芯部には融点（軟化点）の低い重合体を用いるのが望ま
しく、例えば、Ａ成分としては高密度ポリエチレン、中
密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等のポリエチレ
ン重合体、またＢ成分としては、エチレン・酢酸ビニル
共重合体が好ましく用いられる。
【００１４】本発明の複合繊維の鞘部を構成する重合体
は、前記精油成分が拡散透過し難く、かつ繊維に優れた
機械的性能を付与できる重合体である必要があり、ポリ
エステル重合体が好ましい。なかでも、適度の弾力性を
有し、保形性、復元性といった耐久性の性能にも優れて
いることが望ましく、９５モル％以上がエチレンテレフ
タレートもしくはブチレンテレフタレートから構成され
るポリエチレンテレフタレート系重合体もしくはポリブ
チレンテレフタレート系重合体が望ましい。
は、前記精油成分が拡散透過し難く、かつ繊維に優れた
機械的性能を付与できる重合体である必要があり、ポリ
エステル重合体が好ましい。なかでも、適度の弾力性を
有し、保形性、復元性といった耐久性の性能にも優れて
いることが望ましく、９５モル％以上がエチレンテレフ
タレートもしくはブチレンテレフタレートから構成され
るポリエチレンテレフタレート系重合体もしくはポリブ
チレンテレフタレート系重合体が望ましい。
【００１５】本発明における芯部及び鞘部を構成する重
合体の比率は、重量比で芯部／鞘部を８０／２０〜２０
／８０の範囲にするのが望ましい。芯部の比率が８０重
量％を超えると芯鞘構造の形成が難しくなり、芯部が露
出して芳香効果の持続性が低下する場合がある。一方芯
部の比率が２０重量％未満になると、芯部の占有断面積
が小さくなり、精油成分の空気中への揮散量が少なくな
って芳香効果が低下する傾向がある。
合体の比率は、重量比で芯部／鞘部を８０／２０〜２０
／８０の範囲にするのが望ましい。芯部の比率が８０重
量％を超えると芯鞘構造の形成が難しくなり、芯部が露
出して芳香効果の持続性が低下する場合がある。一方芯
部の比率が２０重量％未満になると、芯部の占有断面積
が小さくなり、精油成分の空気中への揮散量が少なくな
って芳香効果が低下する傾向がある。
【００１６】以上に説明した芯鞘型中実複合繊維は、常
法に従って溶融紡糸・延伸した後、所望によって捲縮を
付与して製造されるが、その繊維長があまりに長すぎる
と芳香効果の発現性及びウェッブの形成性が低下する
し、逆に短すぎると芳香効果の持続性が低下するので、
好ましくは３０〜１５０mm、特に４０〜７０mmの範囲と
するのが望ましい。
法に従って溶融紡糸・延伸した後、所望によって捲縮を
付与して製造されるが、その繊維長があまりに長すぎる
と芳香効果の発現性及びウェッブの形成性が低下する
し、逆に短すぎると芳香効果の持続性が低下するので、
好ましくは３０〜１５０mm、特に４０〜７０mmの範囲と
するのが望ましい。
【００１７】本発明においては、上述の精油を含有する
芯鞘型中実複合繊維を、必要に応じて他繊維素材と混合
して、目付２０〜１００ｇ／ｍ2 、望ましくは４０〜７
０ｇ／ｍ2 のウェッブシートとなす。この際、上述の複
合繊維の含有量があまりに少ないと本願の目的が充分達
成することができなくなるので、１０重量％以上、好ま
しくは５０重量％以上とするのが望ましい。また、ウェ
ッブの目付が２０ｇ／ｍ2 未満の場合には、該ウェッブ
シートの取扱い性が低下するとともに、前記芳香効果も
不充分となり易く、一方、１００ｇ／ｍ2 をこえる場合
には、畳本来の圧感触が損なわれる傾向がある。
芯鞘型中実複合繊維を、必要に応じて他繊維素材と混合
して、目付２０〜１００ｇ／ｍ2 、望ましくは４０〜７
０ｇ／ｍ2 のウェッブシートとなす。この際、上述の複
合繊維の含有量があまりに少ないと本願の目的が充分達
成することができなくなるので、１０重量％以上、好ま
しくは５０重量％以上とするのが望ましい。また、ウェ
ッブの目付が２０ｇ／ｍ2 未満の場合には、該ウェッブ
シートの取扱い性が低下するとともに、前記芳香効果も
不充分となり易く、一方、１００ｇ／ｍ2 をこえる場合
には、畳本来の圧感触が損なわれる傾向がある。
【００１８】なお、本発明においては、上述のウェッブ
作成時に併用する他繊維素材として熱接着性繊維（２０
〜４０重量％）を選択すると、ウェッブシート形成後熱
処理するのみでウェッブ形態保持が可能となり、取扱い
性が向上するので特に好ましい。
作成時に併用する他繊維素材として熱接着性繊維（２０
〜４０重量％）を選択すると、ウェッブシート形成後熱
処理するのみでウェッブ形態保持が可能となり、取扱い
性が向上するので特に好ましい。
【００１９】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明で用いら
れる芯鞘型中実複合繊維は中空部を有しておらず、かつ
芯部の重合体として精油成分と比較的親和性の良好な変
性オレフィン重合体（精油成分の貯蔵場所としての作用
を有する）と精油成分の拡散性が良好な極性基を含有し
ないα−オレフィンからなるオレフィン重合体（精油成
分の透過揮散通路となる）とが併用されているため、長
時間安定して森林浴効果等の芳香効果を得ることができ
るものと推定される。
れる芯鞘型中実複合繊維は中空部を有しておらず、かつ
芯部の重合体として精油成分と比較的親和性の良好な変
性オレフィン重合体（精油成分の貯蔵場所としての作用
を有する）と精油成分の拡散性が良好な極性基を含有し
ないα−オレフィンからなるオレフィン重合体（精油成
分の透過揮散通路となる）とが併用されているため、長
時間安定して森林浴効果等の芳香効果を得ることができ
るものと推定される。
【００２０】このため、かかる複合繊維を含有する本発
明の畳の中芯シート基材は、例えば畳表と畳床の間に使
用することにより極めて長期間森林浴効果を享受できる
だけでなく、精油の種類（例えばヒノキ抽出精油）によ
っては防虫（ダニ忌避）効果をも発揮できるのである。
明の畳の中芯シート基材は、例えば畳表と畳床の間に使
用することにより極めて長期間森林浴効果を享受できる
だけでなく、精油の種類（例えばヒノキ抽出精油）によ
っては防虫（ダニ忌避）効果をも発揮できるのである。
【００２１】
【実施例】以下、実施例により、本発明をさらに詳細に
説明する。なお、森林浴効果を測定することは困難なの
で、芳香性の評価は下記にしたがった。 １．芳香性の評価 外気にさらした状態で保存し、所定時間経過毎そのにお
いの強さを評価した。なお、製造後カットしていない実
施例１のトウを保管しておき評価時にカットし同様にし
て作成した中芯シート基材の芳香性を標準として５段階
評価した。
説明する。なお、森林浴効果を測定することは困難なの
で、芳香性の評価は下記にしたがった。 １．芳香性の評価 外気にさらした状態で保存し、所定時間経過毎そのにお
いの強さを評価した。なお、製造後カットしていない実
施例１のトウを保管しておき評価時にカットし同様にし
て作成した中芯シート基材の芳香性を標準として５段階
評価した。
【００２２】標準とほとんど差がない場合 ：５ においがまったくなくなった場合：１ ２．ダニ忌避率 シャーレに精油を含有する複合繊維からなるシート
（Ｃ）又は精油を含まない通常のポリエステル繊維から
なるシート（Ｄ）を置き、この上にダニのエサを置く。
これを２５℃９０％ＲＨ雰囲気下に保ち、コナダニをシ
ャーレに数千匹投入した後９０時間放置し、次いでエサ
の中に侵入したダニの数を読みとる。ダニの忌避率は下
式より算出する。
（Ｃ）又は精油を含まない通常のポリエステル繊維から
なるシート（Ｄ）を置き、この上にダニのエサを置く。
これを２５℃９０％ＲＨ雰囲気下に保ち、コナダニをシ
ャーレに数千匹投入した後９０時間放置し、次いでエサ
の中に侵入したダニの数を読みとる。ダニの忌避率は下
式より算出する。
【００２３】 忌避率（％）＝［（Ｄのダニ数−Ｃのダニ数）／Ｄのダニ数］×１００
【００２４】
【実施例１】ヒノキ抽出精油を２０ｗｔ％含有させたエ
チレン・酢酸ビニル共重合体（共重合重量比８４：１
６）５重量部とメルトインデックス２０の高密度ポリエ
チレン９５重量部とをチップブレンドしたものを２５０
℃で溶融し芯部に、また極限粘度０．６４のポリエチレ
ンテレフタレートを２８０℃で溶融し鞘部に配するよう
芯鞘型複合紡糸装置に供給し、孔径０．５mmφ、孔数２
６０ホールを有する口金より押出し、８００ｍ／分の速
度で引き取って缶に揺り込んだ。この際の芯／鞘比は３
５／６５（重量比）とした。
チレン・酢酸ビニル共重合体（共重合重量比８４：１
６）５重量部とメルトインデックス２０の高密度ポリエ
チレン９５重量部とをチップブレンドしたものを２５０
℃で溶融し芯部に、また極限粘度０．６４のポリエチレ
ンテレフタレートを２８０℃で溶融し鞘部に配するよう
芯鞘型複合紡糸装置に供給し、孔径０．５mmφ、孔数２
６０ホールを有する口金より押出し、８００ｍ／分の速
度で引き取って缶に揺り込んだ。この際の芯／鞘比は３
５／６５（重量比）とした。
【００２５】得られた未延伸糸を集束して４００万デニ
ールとし、温水中７０℃で３倍に延伸し、スタッフィン
グボックスに供給して捲縮を付与した後、１２０℃下３
０分間熱処理し、繊維長５１mmにカットして約６デニー
ルの短繊維を得た。
ールとし、温水中７０℃で３倍に延伸し、スタッフィン
グボックスに供給して捲縮を付与した後、１２０℃下３
０分間熱処理し、繊維長５１mmにカットして約６デニー
ルの短繊維を得た。
【００２６】この原綿は、未延伸糸及び延伸熱処理後の
未だカットしていないトウの状態ではほとんど芳香は感
じられず、短繊維にカットすることによって初めて芳香
が感じられるようになった。
未だカットしていないトウの状態ではほとんど芳香は感
じられず、短繊維にカットすることによって初めて芳香
が感じられるようになった。
【００２７】この原綿に、熱接着性複合繊維（芯：ポリ
エチレンテレフタレート、鞘：融点約１２５℃の共重合
ポリエステル）を３０％混綿し、カードにかけて目付５
０ｇ／ｍ2 のウェッブとなした後、熱処理して中芯シー
ト基材を得た。このシートを畳の床と畳表との間に挟ん
だところ、森林のにおいがする芳香効果、及びダニ忌避
効果が得られた。
エチレンテレフタレート、鞘：融点約１２５℃の共重合
ポリエステル）を３０％混綿し、カードにかけて目付５
０ｇ／ｍ2 のウェッブとなした後、熱処理して中芯シー
ト基材を得た。このシートを畳の床と畳表との間に挟ん
だところ、森林のにおいがする芳香効果、及びダニ忌避
効果が得られた。
【００２８】また、２年経過した後も森林のにおい及び
ダニ忌避率の低下は小さく、芳香効果の持続性は優れた
ものであった。なお、結果は（表１）に示す。
ダニ忌避率の低下は小さく、芳香効果の持続性は優れた
ものであった。なお、結果は（表１）に示す。
【００２９】
【実施例２〜６、比較例１〜７】ヒノキ抽出精油混合
率、芯部に用いる重合体の種類及び混合比、鞘部の重合
体の種類、芯／鞘比率、繊維断面形状、カット長及びウ
ェッブ目付を（表１）に記載の如く変化させ、実施例１
と同様にして短繊維及びウェッブシート基材を得た。評
価結果は（表１）にあわせて示す。
率、芯部に用いる重合体の種類及び混合比、鞘部の重合
体の種類、芯／鞘比率、繊維断面形状、カット長及びウ
ェッブ目付を（表１）に記載の如く変化させ、実施例１
と同様にして短繊維及びウェッブシート基材を得た。評
価結果は（表１）にあわせて示す。
【表１】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 ＦＩ // Ｄ０１Ｆ 1/10 Ｄ０１Ｆ 1/10 6/46 6/46 Ａ Ｄ０４Ｈ 1/42 Ｄ０４Ｈ 1/42 Ｘ (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) E04F 15/02 102
Claims (2)
- 【請求項１】 精油を０．１〜５重量％含有する下記オ
レフィン系重合体組成物を芯部とし、ポリエステルを鞘
部とする芯鞘型中実複合繊維を含有することを特徴とす
る芳香を有する畳の中芯シート基材。 オレフィン系重合体組成物（但し精油を除く） （Ａ）実質的にα−オレフィンからなる極性基を有しな
いオレフィン重合体：９８〜５０重量％ （Ｂ）不飽和カルボン酸、不飽和アルコール及びこれら
のエステル、酸無水物またはアミドから選ばれる少なく
とも１種以上を３〜３０重量％共重合させた変性オレフ
ィン重合体：２〜５０重量％ - 【請求項２】 精油がヒノキ抽出精油である請求項１記
載の芳香を有する畳の中芯シート基材。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3040534A JP2889005B2 (ja) | 1991-02-13 | 1991-02-13 | 芳香を有する畳の中芯シート基材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3040534A JP2889005B2 (ja) | 1991-02-13 | 1991-02-13 | 芳香を有する畳の中芯シート基材 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH04258460A JPH04258460A (ja) | 1992-09-14 |
| JP2889005B2 true JP2889005B2 (ja) | 1999-05-10 |
Family
ID=12583125
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3040534A Expired - Lifetime JP2889005B2 (ja) | 1991-02-13 | 1991-02-13 | 芳香を有する畳の中芯シート基材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2889005B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN102213025A (zh) * | 2010-04-12 | 2011-10-12 | 河北金赛博板业有限公司 | 一种本草养生板及其制造方法 |
| CN102211343A (zh) * | 2010-04-12 | 2011-10-12 | 北京格物创道科技发明有限公司 | 一种神农延年复合板及其制造方法 |
| CN103878860B (zh) * | 2014-04-02 | 2016-08-17 | 湖北益嘉林业发展有限公司 | 木质基材层、木质地板和装饰板材三者的加工工艺 |
| CN104227816B (zh) * | 2014-09-01 | 2016-03-09 | 中山艺展装饰工程有限公司 | 一种超低甲醛释放的刨花板 |
| CN104339430B (zh) * | 2014-09-01 | 2016-06-01 | 黎明 | 一种环保型装修用刨花板 |
| CN104308918B (zh) * | 2014-09-01 | 2016-04-06 | 中山艺展装饰工程有限公司 | 一种环保型装修用刨花板 |
| CN104308917B (zh) * | 2014-09-01 | 2016-04-06 | 中山艺展装饰工程有限公司 | 一种长效抗菌保健型密度板 |
-
1991
- 1991-02-13 JP JP3040534A patent/JP2889005B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH04258460A (ja) | 1992-09-14 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US4713291A (en) | Fragrant fiber | |
| US5206080A (en) | Fragrant non-hollow core-in-sheath type composite staple fiber and textile material containing same | |
| EP0737038B1 (en) | Bicomponent fibers and tobacco filters formed therefrom | |
| JPH0826485B2 (ja) | 香りを有する芯鞘型中実複合短繊維 | |
| CN103037907A (zh) | 用于嗅觉活性物质的方法、组合物和制品 | |
| JP2889005B2 (ja) | 芳香を有する畳の中芯シート基材 | |
| MXPA04012312A (es) | Paquete de especialidad de infusion de bebida. | |
| DE69930667T2 (de) | Thermoplastische fasern und textile flächengebilde | |
| CN101395306B (zh) | 由酯缩合物形成的纤维以及用于由酯缩合物形成纤维的方法 | |
| JP3635581B2 (ja) | 徐放性芯鞘型複合短繊維 | |
| JPH101824A (ja) | 徐放性複合繊維 | |
| CN1007362B (zh) | 芳香纤维 | |
| JP2818309B2 (ja) | 香りを有する芯鞘型中実複合短繊維及びそれからなる徐放性芳香合成紙 | |
| JP2904944B2 (ja) | 徐放性芳香クッション材 | |
| JP3024807B2 (ja) | 徐放性芳香床材 | |
| DE102007003648A1 (de) | Kupferenthaltende Formmasse aus Polyester, ihre Herstellung und Verwendung | |
| JP2851446B2 (ja) | 徐放性芳香敷物 | |
| JP2818310B2 (ja) | 徐放性芳香織編物 | |
| JP2989078B2 (ja) | 徐放性に優れた芳香複合短繊維 | |
| JP3098331B2 (ja) | 香りを有する複合短繊維 | |
| JP2904943B2 (ja) | 香りを有する詰物 | |
| JP2816345B2 (ja) | 芳香性を有するシート状不織繊維構造物 | |
| JPH06272112A (ja) | 防ダニ性芯鞘型複合繊維及びその製造法 | |
| JP2854185B2 (ja) | 防ダニ性を有する繊維 | |
| JPH0657645A (ja) | 徐放性芳香織編物の染色方法 |