JP2989003B2 - 電気化学的測定センサ - Google Patents

電気化学的測定センサ

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Description

【発明の詳細な説明】 従来技術 本発明は、請求の範囲の請求項1の概念による、排ガ
ス中の酸素含量の測定のための電気化学的測定センサに
関する。
排ガス、殊に内燃機関の排ガス中の酸素含量の測定
に、しばしばλ−プローブとも呼称される電気化学的測
定センサを使用することは、一般的に公知である。
公知のこの種の測定センサは、イオン電導性固体電解
質を有する酸素濃淡電池の原理に基づく。該測定センサ
は、例えば、イオン電導性固体電解質からなる、片側が
閉鎖された管からなり、排ガス側に向いているその外部
表面上に電極が存在し、この電極は、例えば多孔性白金
層からなっていてもよく、かつ同時に熱力学的平衡の可
能な限り十分な調整を触媒する。ガス平衡のこの種の調
整は必要とされ、それというのも、ガスは初めから熱力
学的平衡の状態では存在していないからであるが、しか
し、この調整は、λ=1の場合に激しい電位急上昇が生
じるか又はポーラログラフ限界電流プローブ(ドイツ連
邦共和国特許第27 11 880号明細書を参照のこと)の
場合にそれぞれ場合の実際のλ値が感知されるというこ
とに対する前提条件である。
電極層、例えば白金層は上記測定センサの場合には著
しく薄く、かつ該層が多孔性セラミック保護層を通常有
しているにもかかわらず、しかしながら該層は長い使用
期間後に幾つかの排ガス成分、例えば煤、鉛並びに燐化
合物及び硫黄化合物による腐蝕攻撃を受ける。この腐蝕
攻撃は測定センサの全面で、しかし、開放末端部に対し
ては特に強く行なわれ、この末端部ではより低い温度の
ために上記の有害成分が容易に堆積し、かつそれほど容
易には再度揮発せず、また該末端部では電極層は場合に
よってはもはや完全には、多孔性でありかつそのために
元来制限された作用のみを有する保護層によって被覆さ
れていない。
ドイツ連邦共和国特許出願公開第26 19 746号明細
書から、排ガス側に向いている、固体電解質体もしくは
プローブブロック(Sondenstein)の外部表面上に、ガ
ス平衡の調整を触媒する電子伝導性材料と場合によって
は、閉鎖末端部から開放末端部までにわたり、また管の
開放末端部側に向いている帯状導体の一部が釉薬、例え
ば珪酸アルミニウム−カリウム、珪酸アルミニウム−バ
リウムもしくは珪酸アルミニウム−バリウム−カルシウ
ムからの釉薬で被覆されている支持骨格としてのセラミ
ック材料もしくはガラスとの混合物からの帯状導体の形
の電子伝導性層を有する電気化学的測定センサが公知で
ある。
しかしながら、例えばドイツ連邦共和国特許出願公開
第26 19 746号明細書に記載されている釉薬での帯状
導体の被覆は若干の重大な欠点を有していることが示さ
れていた。この被覆層が焼結法によってのみ塗布可能で
あることが先ずこの種の被覆層の使用において不利であ
る。さらに、釉薬上に生じた被覆層中に、プローブセラ
ミックと著しく異なる物質的組成ひいては異なる熱膨張
のために測定センサの運転の際に、部分的に帯状導体を
容易に攻撃にさらす亀裂が容易に生じることは不利であ
る。
ドイツ連邦共和国特許第37 35 298号明細書から公
知である測定センサの場合には、ドイツ連邦共和国特許
出願公開第26 19 747号明細書から公知である測定セ
ンサの欠点は、被覆層が例えば、場合によっては融剤が
混合されている安定化ZrO2からの、同じかもしくは高め
られた焼結活性度を有するプローブブロックセラミック
の原料混合物から生じることによって除去される。
しかしながら、帯状導体の被覆層がプローブブロック
の参照用ガス側で金属封止リングの下方まで延長されて
いない上記測定センサの場合にも、殊に高温での使用の
場合又はPb−ガソリンを用いた運転の場合の寿命が未だ
完全には満足なものではないことが示されていた。
本発明の利点 本発明による、帯状導体を被覆する被覆層がプローブ
ブロックの参照用ガス側で金属封止リングの下方まで延
長されている電気化学的測定センサは、公知の電気化学
的測定センサ、例えばドイツ連邦共和国特許第37 35
298号明細書及びドイツ連邦共和国特許出願公開第26 1
9 746号明細書から公知の種類のセンサに比べ、本質的
な利点を有している。
意外にも、上記種類の電気化学的測定センサの寿命を
全く本質的に、被覆層が金属封止リングの下方まで延長
されていることによって接続側の外部帯状導体が接触領
域における化学的攻撃及び腐蝕攻撃から守られることに
よって延長することができることが示されている。
第一に全遮断が防止されなければならないため、被覆
層は外部帯状導体を排ガス側で完全に被覆することもで
きるし、部分的にのみ被覆することもできる。
本発明による測定センサの通常指形のプローブブロッ
クは、この種の測定センサの製造に常用のイオン電導性
固体電解質からなっていてもよい。典型的にはプローブ
ブロックは、例えば安定化二酸化ジルコニウム、例えば
酸化イットリウムもしくは酸化カルシウムで安定化され
たZrO2からなる。しかしながら、安定化ZrO2からの他に
プローブブロックは例えば、例えばCaO、MgO、SrO、YbO
3及び/又はSc2O3で安定化されていてもよい、CeO2、Hf
O2又はThO2を基礎とする固体電解質からできていてもよ
い。
本発明の有利な形態によれば被覆層は、同じかもしく
は高められた焼結活性度を有するプローブブロックセラ
ミックの原料混合物からの、緊密に焼結する被覆層から
なる。
従ってプローブブロックが、例えば酸化イットリウム
5モル%で安定化されたZrO2からなる場合には、被覆層
を得るために、上記の通りにして安定化されたZrO2を同
様に使用することができる。
しかしながら、被覆層の形成に使用される原料混合物
のパーセンテージによる組成は、プローブブロックの組
成に相応する必要はない。しかしながら、有利には同じ
かもしくは同種の原料が使用され、この場合、パーセン
テージによる組成は相互に異なっていてもよい。このこ
とは、被覆層形成に使用される原料混合物の安定化剤含
量が、例えば20%までの差でプローブブロックの原料混
合物の安定化剤含量と異なっていてもよいことを意味す
る。
被覆層の形成に、例えば高められた焼結活性度を有す
る原料混合物を使用することもできる。高められた焼結
活性度は例えば、強化された粉砕及び/又はシリケート
融剤の添加、例えばAl−、Ba−もしくはBa−Al−シリケ
ートの添加によって達成される。この種の添加剤を原料
混合物に、原料混合物に対して例えば約5重量%の量で
添加することができる。
有利には被覆層の製造に、例えばドイツ連邦共和国特
許第37 35 298号明細書に詳細に記載されているよう
に噴霧懸濁液又は捺染糊が使用される。
有利には、得られた被覆層の膜厚は5〜50μmであ
る。被覆層の膜厚を帯状導体の膜厚に十分に適合させる
が、しかし、該被覆層をこの場合には帯状導体より薄く
ならないようにすることは、特に有利であると通常見な
されている。
帯状導体及び接触面は、帯状導体及び接触面を得るの
に常用される電子伝導性材料、例えば白金、白金合金、
例えば白金−ロジウム合金又は貴金属−サーメット、例
えば白金−サーメットのうちの1つからなる。
特に有利には帯状導体及び接触面は焼結活性支持骨格
を有することができ、この支持骨格は十分に気孔のない
構造を可能にする。焼結活性支持骨格の形成に適当な物
質は、例えば安定化二酸化ジルコニウム粉末である。従
って、典型的には帯状導体は例えば、約60〜80容量%が
Pt/Rh合金から成り立っていてもよく、かつ約40〜20容
量%が安定化ZrO2粉末から成り立っていてもよい。
本発明による被覆層を使用することによって、かつ焼
結活性支持骨格を有するPt−サーメット−帯状導体を使
用する場合には、プローブブロック表面の下方で緊密に
帯状導体をプローブブロック中に完全に組込むことが可
能である。場合によっては帯状導体上への被覆層の施与
前に前もってさらに該帯状導体上に、例えば多孔質に焼
結するAl2O3からの付加的な絶縁層を施与することがで
き、この絶縁層はプローブハウジングに対する帯状導体
の電気的絶縁を、高められた温度(>500℃)でも保証
する。
多孔性セラミック保護層は、通常公知の種類のもので
ある。
図 本発明の2つの実施例は図に示されており、かつ次の
記述で詳説される。第1図及び第2図に例示された測定
センサは一方が閉鎖された管の形を示し、この管の外部
表面は測定すべきガスに晒されており、かつ内部表面は
比較用ガスに晒されている。測定センサは、λ値の感知
のために自動車の内燃機関の排ガス導管中への取付用に
指定されたものであり、該測定センサは、該センサをこ
の取付のために設けられたねじ穴にねじ締めすることが
でき、かつ接続ケーブルによって電子制御装置に接続す
ることができるように取り付けられている。
実施例の記載 第1図及び第2図に示された電気化学的測定センサに
は、一方が閉鎖された管の形で記載された型のイオン電
導性固体電解質からなるプローブブロック1、示されて
はいない内部電極、プローブブロック1の外部表面上に
配置された、接続側の帯状導体3を有する外部電極2、
被覆層4、セラミック保護層5、金属封止リング6並び
に接触面7からなる2つの場合がある。
示された2つの電気化学的測定センサの本質的な相違
点は、第1図に示された測定センサの場合には被覆層4
の領域から突出した、金属封止リング6への接触を行な
う2つの接触面7が備えられているが、一方、第2図に
示された測定センサの場合にはプローブブロック1の封
止溝8中を周回している接触面7′が備えられているこ
とにある。
第1図に示された実施態様が特に経済的であり、それ
というのも、接触面を得るための貴金属使用、例えば白
金使用には制限があるからである。これに対して、第2
図に示された実施態様は特に確実な接触を特徴とし、他
方ではこの接触が測定センサの特に有利な寿命を保証す
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヴァイル,ヘルムート ドイツ連邦共和国 デー―7141 シュヴ ィーバーディンゲン ペーター フォン コブレンツシュトラーセ 34 (72)発明者 ヴィーラント,ヴェルナー ドイツ連邦共和国 デー―7014 コルン ヴェストハイム ダイムラーシュトラー セ 7 (56)参考文献 特開 昭58−19553(JP,A) 特表 平3−500683(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 27/409

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一方が閉鎖された管の形のイオン導電性固
    体電解質からなるプローブブロックと、内部電極と、プ
    ローブブロックの外部表面上に配置され、接続側に帯状
    導体を備え、該帯状導体が被覆層を有する外部電極と、
    セラミック保護層並びに参照用ガス室を排ガス室から封
    止するための金属封止リングとを備え、この場合、封止
    リングが、封止帯域の範囲内で、ケーシングとの外部電
    極の接続側の帯状導体の電気的に接触する、殊に内燃機
    関の排ガス中の酸素含量を測定するための電気化学的測
    定センサにおいて、帯状導体(3)を被覆する被覆層
    (4)がプローブブロック(1)の参照用ガス側で封止
    帯域の下方にまで延長されており、封止帯域の領域内
    で、被覆層とともに、少なくとも1つの接触面(7)が
    帯状導体(3)の延長として形成されており、かつ封止
    リング(6)に、封止帯域の領域内で接触面7が接触し
    ていることを特徴とする、電気化学的測定センサ。
  2. 【請求項2】測定センサが、被覆層(4)の領域から突
    出した、金属封止リング(6)への接触を生じる2つの
    接触面(7)を有している、請求項1記載の測定セン
    サ。
  3. 【請求項3】測定センサが、プローブブロックの封止溝
    (8)中を周回する接触面(7′)を有している、請求
    項1記載の測定センサ。
  4. 【請求項4】被覆層(4)が、同じかもしくは高められ
    た焼結活性を有するプローブブロックセラミックの原料
    混合物からの、緊密に焼結する被覆層からなる、請求項
    1から3までのいずれか1項に記載の測定センサ。
  5. 【請求項5】被覆層(4)が、融剤添加物を含有してい
    る安定化ZrO2からなる、請求項1から4までのいずれか
    1項に記載の測定センサ。
  6. 【請求項6】被覆層(4)の膜厚が少なくとも帯状導体
    の膜厚に相応する、請求項1から5までのいずれか1項
    に記載の測定センサ。
  7. 【請求項7】被覆層(4)が膜厚5〜50μmを有する、
    請求項6記載の測定センサ。
  8. 【請求項8】外部電極(2)の接続側の帯状導体(3)
    がサーメット−帯状導体であり、かつ該帯状導体が、少
    なくともプローブブロック自体と同じ焼結活性度を有す
    る、安定化二酸化ジルコニウムからの支持骨格を有す
    る、請求項1から7までのいずれか1項に記載の測定セ
    ンサ。
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