JP2987359B2 - 動物の成長促進方法及びクロストリジウム属菌死菌体粉末製剤 - Google Patents

動物の成長促進方法及びクロストリジウム属菌死菌体粉末製剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は動物の成長促進方法、及
びクロストリジウム属菌死菌体粉末製剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】家畜、
家禽、養殖水産動物では成長促進を目的に抗生物質など
の抗菌性物質等を飼料に添加して広く利用されている。
しかしながら昨今、抗菌性物質等の畜肉、養殖魚への残
留が度々消費者やマスメディア等から指摘され、国民へ
の安全性の高い食糧供給の観点から抗菌性物質等の使用
の見直しがされつつある。一方、人や家畜等の哺乳動物
の健康維持を目的として、生菌剤が古くから使用されて
きた。この生菌剤の作用は有害菌に対する拮抗作用等に
よるとされ、従って生菌剤は生きた菌が必須と考えられ
ている。
【0003】生菌剤においては、蛋白変性の問題から温
度が上げられず、強度の強いクランプルやペレットが製
造できない。養鰻飼料のような練餌では、生菌の生産す
る酵素により飼料の劣化が生じる。さらに生菌が芽胞形
成菌の場合、死菌の発生を極力防ぐため芽胞を形成させ
るための処理を必要とするので、収率が悪い。そこで本
発明は、抗菌性物質や生菌剤に代わる安全な成長促進物
質を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、クロストリジ
ウム属に属する微生物の死菌体を動物に経口投与するこ
とを特徴とする動物の成長促進方法、及びクロストリジ
ウム属に属する微生物の栄養体死菌体と糖類及び/又は
澱粉を必須成分とするクロストリジウム属死菌体粉末製
剤に関する。
【0005】クロストリジウム属に属する微生物として
は、例えばクロストリジウム・ブチリカム(Clost
ridium butyricum)が挙げられる。特
に好ましいものとしては、例えばミヤイリ菌が挙げられ
る。ミヤイリ菌は学名クロストリジウム・ブチリカム・
ミヤイリ(Clostridium butyricu
MIYAIRI)と呼ばれているもので、現在、生
菌剤としてミヤリサン株式会社から市販されており、人
や家畜に長年に亘って投与しても全く副作用の認められ
ないものである。このミヤイリ菌の一種としてクロスト
リジウム・ブチリカム・ミヤイリ 588株(微工研条
寄第2789号:FERM BP−2789)があげら
れる。死菌体を製造するための生菌としては芽胞形成期
のものでも栄養体期のものでも制限はないが、栄養体期
のものが好ましい。生菌の製法はUSP 489273
1に開示されている。
【0006】本発明に用いる死菌体は、生菌体を通常の
方法により、例えば熱処理やホルマリン処理その他の殺
菌剤等を用いた処理方法によって得られる。又、実質的
に死菌体と言えるものであればよく、製剤化の際実質的
に死菌体となるのであれば生菌体を用いてもよい。この
クロストリジウム属に属する微生物の栄養体を製造する
には、菌体の培養法、分離法に特に制限なく例えばクロ
ストリジウム属に属する微生物をブドウ糖加普通ブイヨ
ンなどの適当な培地に接種し、30℃〜40℃で14時
間〜24時間前培養する。この培養が終了した液をスケ
ールアップした前培養と同様な培地に接種し、同様な温
度、時間で、本培養する。本培養終了後、遠心分離機な
ど適当な機器を用いて菌体を集めればよい。培地は、該
菌用であれば特に制限はなく、例えばクロストリジウム
ブチリカム菌用の普通ブイヨン(肉エキス0.8%、
ペプトン1%、塩化ナトリウム0.5%)などのいかな
る培地でも使用できるが、ブドウ糖、酵母エキス、ペプ
トンを含む液体培地が好適である。又、特公昭37−8
300号に開示の方法において、培養時間を短くし(例
えば14〜24時間程度)、芽胞形成前の栄養体の状態
で培養を中断し、菌体を集めてもよい。
【0007】本発明に用いるクロストリジウム属に属す
る微生物の栄養体死菌末を得るには、培養した栄養体期
の菌体を空気中で濾過することにより、又、それだけで
は不十分な場合にはさらに、酸素の存在する水中にその
濾過物を懸濁すればよい(クロストリジウム属菌は、偏
性嫌気性菌なので、その栄養体は空気に触れるだけで死
滅して栄養体死菌体となる)。なお、栄養体死菌体は栄
養体の生菌を通常の方法により、例えば熱処理やホルマ
リン処理その他の殺菌剤等を用いた処理方法によっても
得られる。実質的に死菌体と言えるものであればよく、
製剤化の際実質的に死菌体となるのであれば生菌体を用
いてもよい。
【0008】本発明で使用する該死菌体には、死菌体1
g当り菌体数109 個以上、好ましくは109 〜1011
個含まれていればよい。なお、菌体数は、生理食塩水に
菌体を乳化した菌体浮遊液を、血球計算盤にとり顕微鏡
にて計数して求めた値である。本発明における製剤中に
は106 個/g以上、好ましくは106 〜1011個/
g、更に好ましくは106 〜1010個/g程度の生菌を
滅菌した死菌体が含まれていればよい。
【0009】投与する動物は、ヒト以外の動物であり、
例えば家畜、家禽、養殖水産動物などがあげられる。製
剤としては菌体を培養後殺菌処理し、死菌体のみを分離
濃縮後、乾燥した死菌体原末をそのまま製剤とすること
もでき、又米糠油かす、小麦粉、ブドウ糖、無水ケイ
酸、フスマ等、飼料安全法で許可されている任意の賦形
剤と混合した製剤とすることができる。さらに有効成分
として培養した培養液を、残渣も含めて濃縮乾燥し、殺
菌した死菌体含有物を用いることもできる。製剤の形態
としては例えば散剤、錠剤、ペレット、細粒剤、カプセ
ル剤などがあげられる。錠剤を製造する場合、必要に応
じ賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤等を用いて常法によ
りおこなえばよい。
【0010】賦形剤としては、例えば、乳糖、D−マン
ニトール、D−ソルビトール、白糖等の糖類、トウモロ
コシデンプン、バレイショデンプン等のデンプン類、リ
ン酸カルシウム、硫酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム
等の無機塩類等があげられる。
【0011】崩壊剤としては、例えば、ヒドロキシプロ
ピルスターチ、カルボキシメチルスターチナトリウム、
部分アルファー化デンプン等のデンプン類、カルボキシ
メチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロ
ース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等のセル
ロース誘導体、ポリビニルピロリドンを架橋構造にし
た、その他合成高分子類等があげられる。
【0012】結合剤としては、例えば、ポリビニルピロ
リドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース、ゼラチン、アラビアゴム等の
高分子類等があげられる。滑沢剤としては、例えば、タ
ルク、ロウ類、軽質無水ケイ酸等の天然物由来およびそ
の誘導体等、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウ
ム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウ
ム、ショ糖脂肪酸エステル糖の脂肪酸およびその金属塩
類等があげられる。なお、錠剤には他にマクロゴール等
の高分子化合物が適宜使用される。本発明の製剤を動物
の成長促進のために使用する場合は、通常飼料や飲水に
添加して使用されるので、粉末製剤とする方が好まし
い。この場合製剤中のクロストリジウム属に属する微生
物の死菌体粉末0.00005〜80%、好ましくは
0.0005〜70%、更に好ましくは0.01〜50
%であり、残部は担体である。
【0013】本発明の製剤において、栄養体死菌体とと
もに糖及び/又は澱粉を併用したものは、成長促進作用
がより高く発現されるので好ましい。即ち、この製剤
は、クロストリジウム属に属する微生物の栄養体死菌体
と糖類及び/又は澱粉を必須成分とするクロストリジウ
ム属死菌体粉末製剤である。この死菌体粉末製剤に用い
る糖は、葡萄糖、果糖、蔗糖、オリゴ糖、乳糖、マンニ
トール、ソルビトール、キシリトール等その他糖なら何
でも良いが、乳糖が好ましい。又、澱粉は、小麦澱粉、
馬鈴薯澱粉、とうもろこし澱粉その他澱粉なら何でも良
いが、とうもろこし澱粉が好ましい。クロストリジウム
属に属する微生物の栄養体死菌末には菌体数が109
以上/g、好ましくは109 〜1011個/g程度含まれ
ていれば良い。
【0014】本発明のクロストリジウム属菌死菌体粉末
製剤を製造するには、例えば死菌体粉末に糖や澱粉粉末
を加え、単に均一に混合しても、又、湿死菌体に糖や澱
粉を加え乾燥粉砕してもよいが、操作の簡便さからする
と、死菌体に糖および/又は澱粉を加え、水中に懸濁さ
せた後、熱風の入り口温度120〜200℃、好ましく
は130〜170℃、出口温度30〜150℃、好まし
くは50〜100℃で、噴霧乾燥した方がよい。糖や澱
粉の添加量はクロストリジウム属に属する微生物の栄養
死菌体1重量部に対し、糖が0.04〜700重量部、
好ましくは0.1〜70重量部、澱粉が0.2〜700
重量部、好ましくは0.4〜70重量部程度である。な
お、噴霧乾燥する場合、炭酸カルシウムなどの水難溶性
の生理的に許容される無機物を添加すると操作が容易と
なる。この場合無機物の添加量は上記の必須成分の総量
に対し0.005〜0.5部、好ましくは0.01〜
0.2部、さらに好ましくは0.01〜0.1部であ
る。
【0015】上記方法により得られるクロストリジウム
属菌死菌体粉末製剤の各成分の割合は、クロストリジウ
ム属に属する微生物の栄養体死菌体0.05〜80%、
好ましくは0.5〜70%、さらに好ましくは5〜50
%、糖1〜50%、好ましくは3〜40%、さらに好ま
しくは5〜30%、澱粉15〜90%、好ましくは25
〜80%、さらに好ましくは35〜75%程度であり、
製剤1g当り、栄養体の死菌体が109 個以上、好まし
くは109 〜1011個、さらに好ましくは10 9 〜10
10個含まれていればよい。又無機物を使用している場
合、製剤中のその割合は0.5〜50%、好ましくは1
〜20%、さらに好ましくは1〜10%程度である。
【0016】上記の粉末製剤にはさらに賦形剤粉末を添
加してもよい。賦形剤としては、脱脂米糠、大豆粉、フ
スマ、もみがら粉、炭酸カルシウム、糖、澱粉、ビール
酵母、小麦粉等、飼料安全法で認可されている任意の賦
形剤があげられる。これらの賦形剤は1種のみならず2
種以上併用してもよい。その添加割合は上記の粉末製剤
1重量部当り0.01〜1000重量部、好ましくは
0.1〜800重量部さらに好ましくは1〜500重量
部程度である。この賦形剤入粉末製剤中の死菌体量は、
製剤1g当り菌体数106 個以上、好ましくは106
1011個、さらに好ましくは106 〜1010個程度であ
る。
【0017】賦形剤入粉末製剤中の各成分の割合を述べ
ると、クロストリジウム属に属する微生物の栄養体死菌
体0.00005〜80%、好ましくは0.0005〜
70%、さらに好ましくは0.01〜25%、糖0.0
01〜50%、好ましくは0.003〜40%、さらに
好ましくは0.01〜15%、澱粉0.015〜90
%、好ましくは0.03〜80%、さらに好ましくは
0.05〜40%、賦形剤1〜99.9%、好ましくは
10〜99.8%、さらに好ましくは50〜99.7
%、程度である。又、上記粉末製剤として無機物を添加
した噴霧乾燥製剤を使用した場合、その無機物の割合は
0.0005〜33%、好ましくは0.001〜15
%、さらに好ましくは0.002〜5%程度がよい。
【0018】なお、賦形剤として糖、澱粉、又は無機物
を使用した場合、製剤中の各成分の割合は、賦形剤と乾
燥粉末中の成分の総量として糖0.001〜99.9
%、好ましくは0.003〜99.8%、さらに好まし
くは0.01〜99.7%、澱粉0.015〜99.9
%、好ましくは0.03〜99.8%、さらに好ましく
は0.05〜99.7%、無機物0.0005〜99.
9%、好ましくは0.001〜99.8%、さらに好ま
しくは0.002〜99.7%程度である。
【0019】本発明の製剤には更に、流動性改善剤、固
結防止剤、飛散防止剤等の助剤を添加してもよい。本発
明の製剤は、そのまま人、家畜等の動物に投与してもよ
いが、通常、家畜、家禽又は養殖水産動物等の動物飼料
に添加して、又は飲水に懸濁して投与される。投与は必
要のある限りおこなわれ、通常、1ヵ月−数年間にわた
る。投与する動物としては、例えば、牛、豚、馬、羊等
の家畜、ブロイラー、採卵鶏、うずら、カモ、アヒル、
キジ、七面鳥等の家禽、ハマチ、マダイ、フグ、マグ
ロ、ヒラメ、シマアジ、マアジ、サケ、コイ、ウナギ、
ニジマス、アユ、エビ類(クルマエビ、ボタンエビ、イ
セエビ、ロブスター、ブラックタイガー等)、カニ類
(タラバガニ、ズワイガニ、ワタリガニ、ケガニ等)等
の養殖水産動物があげられる。
【0020】本発明の製剤を飼料に添加する場合、菌体
数が飼料1g当り約104 個以上、好ましくは約104
〜107 個、更に好ましくは約104 〜106 個となる
ように添加する。例えば賦形剤の入っていない製剤を使
用する場合、その添加量は0.1ppm以上、好ましく
は0.1〜1000ppm、更に好ましくは0.1〜1
00ppmで良い。又、賦形剤の入っている製剤を使用
する場合、0.001重量%以上添加でよく、好ましく
は0.01重量%〜10重量%、さらに好ましくは0.
1重量%〜0.5重量%でよい。
【0021】本発明の製剤を飲水に添加する場合、菌体
数が飲水1ml当り約104 個以上、好ましくは約10
4 〜107 個、更に好ましくは約104 〜106 個程度
となるように添加する。例えば賦形剤の入っていない製
剤を使用する場合、その添加量は0.05ppm以上、
好ましくは0.05〜500ppm、更に好ましくは
0.05〜50ppm程度である。又、賦形剤の入って
いる製剤を使用する場合、その添加量は0.0005%
以上、好ましくは0.005%〜5%、さらに好ましく
は0.05%〜0.5%程度である。
【0022】次に、本発明の作用について実験例により
示す。 実験例1−1 ニジマスの発育試験 目的:ニジマスの育成用飼料にbutyricum
MIYAIRIの死菌体を飼料に添加し、発育促進効
果をみるために以下の実験をおこなった。 実験方法 供試品:butyricum MIYAIRIの死
菌体を105 個/g添加した飼料を作成した。 実験手順:一匹当たり平均体重20gのニジマスを1区
525匹当て40日間飼育した。試験結果を表1に示
す。
【0023】
【表1】 表1 ニジマスの発育試験 日間増重量(g/尾/日) 飼料効率 死菌体投与区 0.23(110) 0.73(106) 生菌体投与区 0.21(100) 0.69(100) 対 照 区 0.21(100) 0.69(100) ────────────────────────────────── ( )は対照区を100とした指数で示した。 表1に示すように、butyricum MIYA
IRIの死菌体はニジマスに対する発育促進効果がある
ことが分かった。
【0024】実験例1−2 マウスの発育試験 目的:マウスの飼料にbutyricum MIY
AIRIの死菌体を飼料に添加し、発育促進効果をみる
ために以下の実験をおこなった。 供試品:butyricum MIYAIRIの死
菌体を105 個/g、及び107 個/g、添加した飼料
を作成した。 実験手順:一匹当たり平均体重25gのSPFマウスを
1区10匹当て28日間飼育した。試験結果を表2に示
す。
【表2】 表2 マウスの発育試験 平均増体重量 対 照 区 2.95g(100) 死菌体105 個/g投与区 3.80 (129) 死菌体107 個/g投与区 4.50 (153) ───────────────────────────────── ( )は対照区を100とした指数で示した。 表2に示すように、butyricum MIYA
IRIの死菌体はマウスに対する発育促進効果があるこ
とが分かった。
【0025】実験例1−3 ブロイラーの発育試験 目的:ブロイラーの前期肥育用飼料にbutyri
cum MIYAIRIの死菌体を飼料に添加し、発育
促進効果をみるために以下の実験をおこなった。 実験方法 供試品:butyricum MIYAIRIの死
菌体を106 個/g添加した飼料を作製した。 実験手順:平均体重40gのブロイラーを1区20羽当
て28日間飼育した。試験結果を表3に示す。
【表3】 表3 ブロイラーの発育試験 死菌体投与区 対照区 平均増体重 882g(104) 846g(100) 飼料要求率 1.57( 98) 1.61(100) ────────────────────────────────── ( )は対照区を100とした指数で示した。 表3に示すように、butyricum MIYA
IRIの死菌体はブロイラーに対する発育促進効果があ
ることが分かった。
【0026】実験例1−4 養鰻飼料劣化試験(水中への散逸試験) 目的:養鰻飼料にbutyricum MIYAI
RIの生菌、死菌体をそれぞれ添加し、劣化の有無をみ
るために以下の試験をおこなった。 試験方法 表4に示す飼料100gをビーカーにとり1.2倍量の
水を加え、もち状に練り上げた。次いで30℃10分間
放置後10gの団子状のかたまりを作り試料とした。な
butyricum MIYAIRIは試料1g
中105 個相当量含有している。
【0027】
【表4】 表4 試料組成 対照区 生菌区 死菌区 魚 粉 80% 80% 80% α化デンプン 20 19 19 生 菌 − 1 − 死 菌 − − 1 ─────────────────────────────── 各試料を300ml容三角フラスコに入れ、水を100
mlを加え、加温式振とう器で30分間振とうした。振
とう後5分間静置し、上澄液を採取して分光光度計(波
長660mμ)にて透過率を測定した。各試料5回測定
し、平均値を求めた。
【0028】試験結果を表5に示す。
【表5】 表5 養鰻飼料劣化試験(水中への散逸試験) 対照区 生菌区 死菌区 透過率% 56.5 31.8 57.6 (100) ( 56) (102) ─────────────────────────────── ( )は対照区を100とした指数で示した。 表5に示すように、死菌を用いることにより生菌による
水中での飼料の散逸が防止されることが分かった。
【0029】実験例2−1 鶏ヒナの発育試験 試料: 本発明品:実施例2−3の製剤(菌数:8.7×1010
個/g) 対照品 :参考例の栄養体死菌末(菌数:5×1011
個/g) 実験手順:アーバーエーカー系のブロイラー雛(体
重44g)を1区当り20羽(雄10+雌10)×3反
復で60羽を用い、上記試料を菌体濃度(4.4〜4.
5)×105 個/gとなるように添加したブロイラー肥
育前期用飼料(抗生物質、抗菌剤無添加)を投与し、4
週間の発育試験を行なった。なお、上記試料を添加しな
い飼料を投与した区をブランクとした。 結果を下表に示す。
【0030】
【表6】 表6 ブロイラー発育試験 ────────────────────────────────── 試験区 増体量 飼料要求率 ────────────────────────────────── 無添加区 845g(100) 1.85(100) 対照品区 864g(102) 1.85(100) 本発明品区 884g(105) 1.81( 98) ────────────────────────────────── 上記実験例1−1〜1−4から明らかなようにbu
tyricum MIYAIRYAIRIの死菌体は家
畜、家禽、養殖水産動物の発育促進効果を有し、安全性
の高い畜肉及び養殖魚の生産に有効である。また、飼料
製造に当たり、生菌剤のような制限はなく、特に養魚飼
料に添加してもその劣化を促進することはないという生
菌剤にはないすぐれた効果を発揮する。又、上記実験例
2−1から明らかなように、butyricum
MIYAIRIの栄養体死菌末と糖及び/又は澱粉から
なる本発明の粉末製剤は、butyricum
IYAIRIの栄養体死菌末のみよりも成長促進効果が
優れ、畜産物、水産物の生産性向上に有効である。
【0031】
【実施例】
以下に実施例により本発明を更に詳細に説明する。 実施例1−1 散剤の製造 米糠油かす 96 g 大豆油 3 g ミヤイリ菌体末(死菌体1010/g) 1 g 上記の成分を混合し、散剤とする。
【0032】実施例1−2 ペレットの製造 米糠油かす 70 g 小麦粉 28.9g ミヤイリ菌体末(死菌体1010/g) 1 g ポリアクリル酸ナトリウム 0.1g 上記の成分を混合し、ペレットマシンによりペレットす
る。
【0033】実施例1−3 錠剤の製造 ミヤイリ菌体末(死菌体1010/g)1部に、乳糖80
部、コーンスターチ20部、低置換度ヒドロキシプロピ
ルセルロース20部及びポリビニルピロリドン2部を加
え十分混合後、造粒し、ステアリン酸マグネシウム0.
5部を加え混合後、錠剤する。
【0034】実施例1−4 細粒剤の製造 ミヤイリ菌体末(死菌体1010/g)1部に、マンニト
ール85部にカルボキシメチルセルロース15部及びヒ
ドロキシプロピルセルロース2.5部を加え、十分混合
し、造粒して細粒剤を得る。 実施例2−1Clostridium butyricum MIY
AIRI 588の保存株(FERM BP−278
9)を次の培地を用い、37°で培養し、16時間後、
培養液を遠心分離して栄養体期の菌体を得る。 ペプトン 1% 酵母エキス 1% ブドウ糖 1% 得られた菌体100g、コーンスターチ110g、乳糖
50g、炭酸カルシウム8gを水1Lに懸濁し、懸濁液
を噴霧乾燥機で熱風の入口温度140〜160℃、出口
温度70°〜95°で、瞬間的に乾燥粉末とし、本発明
の製剤を得る。
【0035】実施例2−2 ミヤイリ菌の栄養体死菌末300g、乳糖100g、と
うもろこし澱粉600gをv型混合基で混合して粉末状
の本発明の製剤を得る。 実施例2−3 ミヤイリ菌の栄養体死菌末5.15kg、乳糖2kg、
とうもろこし澱粉13kg、炭酸カルシウム1kgに水
を加えて乳化し、更に水を加えて100Lとし、スプレ
ードライヤーにて噴霧乾燥し粉末状の本発明の製剤を得
た。 実施例2−4 ミヤイリ菌の栄養体死菌末2.5kg、乳糖0.5gk
g、とうもろこしの澱粉7kg、ビール酵母90kgを
ドラム型混合機で混合して粉末状の本発明の製剤を得
る。
【0036】実施例2−5 実施例1の噴霧乾燥品5g、ビール酵母85g、脱脂米
ぬか10gを均一に混合して、本発明の製剤を得る。 参考例Clostridium butyricum MIY
AIRI 588の保存株(FERM BP−278
9)を次の培地を用い、37°で培養し、16時間後、
培養液を大気中で遠心分離して栄養体期の菌体を得た。 ペプトン 1% 酵母エキス 1% ブドウ糖 1% 得られた菌体100gを水350mlに懸濁し、この懸
濁液を、予め−30℃で予備凍結を行った後、常法によ
り凍結乾燥を行って、乾燥粉末とし、栄養体死菌体末を
得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅野 猛 群馬県藤岡市立石871−5 (72)発明者 村山 隆一 群馬県高崎市岩鼻町239 日化AP F −34 (72)発明者 北城 俊男 長野県長野市若穂川田3274−3 (72)発明者 田中 守 長野県埴科郡戸倉町大字戸倉2440 (56)参考文献 特開 昭63−146825(JP,A) 特開 昭61−173751(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23K 1/00 - 1/18

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クロストリジウム・ブチリカム種に属す
    る微生物の栄養体死菌体と糖及び/又は澱粉を必須成分
    とするクロストリジウム・ブチリカム種菌死菌体粉末製
    剤。
  2. 【請求項2】 クロストリジウム・ブチリカム種に属す
    る微生物がクロストリジウム・ブチリカム・ミヤイリで
    ある請求項1の製剤。
  3. 【請求項3】 栄養体死菌体の量が製剤1g当り106
    個以上である請求項1の製剤。
  4. 【請求項4】 栄養体死菌体の量が製剤1g当り106
    個〜1011個である請求項1の製剤。
  5. 【請求項5】 糖がブドウ糖、果糖、ショ糖、オリゴ糖
    又は乳糖であり、澱粉が小麦澱粉、馬鈴薯澱粉、トウモ
    ロコシ澱粉である請求項1の製剤。
  6. 【請求項6】 製剤中の糖及び/又は澱粉の使用割合
    が、クロストリジウム・ブチリカム種に属する微生物の
    栄養死菌体1重量部に対し、糖が0.04〜700重量
    部であり、澱粉が0.2〜700重量部である請求項1
    の製剤。
  7. 【請求項7】 (1)クロストリジウム・ブチリカム・
    ミヤイリの栄養体死菌体0.00005〜80w/w
    %; (2)糖類 0.001〜50w/w%; (3)澱粉 0.015〜90w/w%; (4)水難溶性無機物 0.0005〜33w/w%;
    及び (5)賦形剤 1〜99.9w/w% を含有し、栄養体死菌体の菌体数が製剤1g当り、10
    6 個以上である請求項1の製剤。
  8. 【請求項8】 糖類が乳糖であり、水難溶性無機物が炭
    酸カルシウムである請求項7の製剤。
  9. 【請求項9】 クロストリジウム・ブチリカム種に属す
    る微生物の死菌体粉末0.00005〜80%、残部が
    担体であるクロストリジウム・ブチリカム種死菌体組成
    物。
  10. 【請求項10】 死菌体粉末が栄養体の死菌体である請
    求項9の組成物。
  11. 【請求項11】 クロストリジウム・ブチリカム種に属
    する微生物の死菌体粉末を0.01〜50%含む請求項
    9の組成物。
  12. 【請求項12】 クロストリジウム・ブチリカム種に属
    する微生物がクロストリジウム・ブチリカム・ミヤイリ
    である請求項9の組成物。
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