JP2933241B2 - 免疫賦活方法及び免疫賦活剤 - Google Patents

免疫賦活方法及び免疫賦活剤

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JP2933241B2 JP3084507A JP8450791A JP2933241B2 JP 2933241 B2 JP2933241 B2 JP 2933241B2 JP 3084507 A JP3084507 A JP 3084507A JP 8450791 A JP8450791 A JP 8450791A JP 2933241 B2 JP2933241 B2 JP 2933241B2
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和巳 河野
猛 浅野
隆一 村上
輔圀 稲川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は免疫賦活方法及び免疫賦
活剤に関する。
【0002】
【従来の技術】人や家畜等の哺乳動物の健康維持を目的
として、従来生菌剤が古くから使用されてきた。この生
菌剤の作用は有害菌に対する拮抗作用等の作用によると
され、従って生菌剤は生きた菌が必須と考えられてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、生菌では温度
が上げられないため、強度の高いクランブルやペレット
が製造できず、又、養鰻飼料のような練餌では、生菌の
産生する酵素により飼料の劣化が生ずる。さらに生菌が
芽胞形成菌の場合、死菌の発生を極力防ぐため芽胞を形
成させるための処理を必要とするので、収量が悪い。本
発明は上記欠点のない哺乳動物の健康維持のための製剤
の開発を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは種々
検討した結果、ミヤイリ菌の死菌体が免疫賦活作用を有
し、これを用いることにより前述の問題点をすべて改善
できることを見い出した。本発明は上記知見に基づいて
完成されたものである。
【0005】即ち、本発明はミヤイリ菌の死菌体を動物
に投与することを特徴とする動物の免疫賦活方法及び該
死菌体を有効成分とする経口用免疫賦活剤に関する。
【0006】本発明で用いられるミヤイリ菌は学名クロ
ストリジウム ブチリカム ミヤイリ(Clostridium bu
tyricum MIYAIRI)と呼ばれるもので、現在、生菌剤とし
て、ミヤリサン株式会社より市販されており、人や家畜
に長期にわたって投与しても全く副作用の認められない
ものである。
【0007】このミヤイリ菌の製法は特公昭37−83
00号に開示されており、原料菌体取得のための培養法
および菌体分離法にも制限はない。
【0008】本発明に用いる死菌体は、生菌体を通常の
方法により、例えば熱処理やホルマリン処理その他殺菌
剤等を用いて処理することによって得られる。又、製剤
化の際更質的に死菌体となるのであれば生菌体でもよ
い。又、死菌体を製造するための生菌としては芽胞形成
期のものでも栄養体期のものでも制限はないが、栄養体
期のものが好ましい。
【0009】本発明の製剤中には104 個/g以上、好
ましくは105 〜1012個/gさらに好ましくは、10
7〜1010個/g程度の生菌を滅菌した死菌体が含まれ
ていればよい。
【0010】投与する動物としては家畜、家禽、魚、人
などがあげられる。
【0011】家畜・家禽、魚等の経済動物に投与するた
めの製剤としては菌体を培養後殺菌処理し、死菌体のみ
を分離濃縮、乾燥した死菌体原沫を製剤とすることもで
き、又米糠油かす、小麦粉、ブドウ糖、無水ケイ酸、ふ
すま等、飼料安全法で認可されているすベての賦形剤で
混合した製剤とすることができる。さらに有効成分とし
て培養した培養液、残渣も含め濃縮乾燥し、殺菌した死
菌体含有物を用いることもできる。製剤の形態としては
例えば散剤、錠剤、ペレット、カプセル剤などがあげら
れる。
【0012】なお、本発明の製剤は実質的に死菌体と言
えるものであればよい。
【0013】上記製剤は飼料や飲水に添加されて動物に
経口投与されるのが通常であるが、製剤をそのまま動物
に経口投与してもよい。投与は必要のある限り、おこな
われ、通常、1カ月−数年間にわたる。
【0014】本発明の製剤を飼料に添加する場合その添
加量は、上記の菌体量の製剤として飼料に対し、0.0
01%以上添加でよく、好ましくは0.01%〜10
%、さらに好ましくは0.1〜0.5%でよい。飲水に
添加する場合、飲水に対し、製剤として0.001%以
上、好ましくは0.01〜10%、さらに好ましくは
0.1〜0.5%程度添加するのがよい。
【0015】投与する対象は肉牛、乳牛、豚、ブロイラ
ー、採卵鶏、うずら等の家畜や、ぶり、まだい、うな
ぎ、にじます、あゆ等の魚類があげられ、特に幼期のも
のが好ましい。
【0016】人に投与するための製剤としては例えば散
剤、錠剤、ペレット、カプセル剤などがあげられる。錠
剤を製造する場合、必要に応じ賦形剤、崩壊剤、結合
剤、滑沢剤等を用いて常法によりおこなえばよい。
【0017】賦形剤としては例えば乳糖、D−マンニト
ール、D−ソルビトール、白糖等の糖類、トウモロコシ
デンプン、バレイショデンプン等のデンプン類、リン酸
カルシウム、硫酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム等の
無機塩類等があげられる。
【0018】崩壊剤としては、例えば、ヒドロキシプロ
ピルスターチ、カルボキシメチルスターチナトリウム、
部分アルファー化デンプン等のデンプン類、カルボキシ
メチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロ
ース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等のセル
ロース誘導体、ポリビニルピロリドンを架橋構造にし
た、その他合成高分子類等があげられる。
【0019】結合剤としては例えばポリビニルピロリド
ン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロース、ゼラチン、アラビアゴム等の高分
子類等があげられる。
【0020】滑沢剤としては例えばタルク、ロウ類、軽
質無水ケイ酸等の天然物由来およびその誘導体等、ステ
アリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カ
ルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ショ糖脂肪酸エ
ステル糖の脂肪酸およびその金属塩類等があげられる。
なお、錠剤には他にマクロゴール等の高分子化合物が適
宜使用される。
【0021】人に経口投与する場合、その投与量は約1
7 〜1010個/gの死菌体を含む製剤ヲ1日当り0.
1g以上好ましくは0.2〜1g程度がよい。
【0022】
【作用】次に本発明の作用について実験例により示す。
【0023】実験例−1 マウスのパイエル板細胞を用いたin vitro法による免疫
グロブリンIgA産生試験。
【0024】目的:免疫に関与しているパイエル板細胞
に各種菌体成分(死菌)を作用させることによりIgA
産生の上昇の有無をみるため以下の試験を行った。
【0025】試験方法 パイエル板細胞をマウス小腸上皮から無菌的に取り出し
Dispase 溶液にて30〜40分間37℃で攪拌、この操
作を4〜5回繰り返しSingle Cell を回収、得られたパ
イエル板細胞を用い96 Well ヌンクイムノプレートにパ
イエル板細胞(1×107 個)とともに、ミヤイリ
1)、トヨイ菌2)、納豆菌3)、それぞれの栄養体期の死
菌体を入れ培養した後IgA抗体量をELISA法で測
定した。
【0026】なお各菌末はそれぞれの液体培地で培養
し、蒸留水で洗浄し1mlあたり108 個程度に調整後1
20℃5分の熱処理を試験に供した。
【0027】試験結果結果を表−1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】表−1に示すように死菌体を添加すること
によりIgAの産生量が高まり特にミヤイリ菌死菌体が
高かった。 1)クロストリジウム・ブチリカム・ミヤイリ 2)バチルス・セレウス・トヨイ 3)バチルス・ズブチリス・ナットウ
【0030】実験例−II 鶏(ヒナ)に対するミヤイリ死菌体投与によるNDワク
チンの抗体価上昇効果。
【0031】目的:ミヤイリ菌死菌末とニューカッスル
ワクチン(NDワクチン)の併用により抗体価の上昇の
有無をみるため以下の試験を行った。
【0032】試験方法 ふ化後5週令の移行抗体が消失した鶏を供した。飼料は
抗菌剤・抗生物質無添加飼料にミヤイリ菌死菌体を飼料
中105 個/g添加した試験区と無添加の対照区とし
た。NDワクチンは試験開始時と開始2週後にND生ワ
クチン(Bi株)を飲水投与し、試験飼料の給与はNDワ
クチン1回目投与より給与した。また、採血は開始時よ
り毎週採血し血清中のND−HI価を測定した。
【0033】試験結果 表−2に結果を示す。
【0034】
【表2】
【0035】表−2に示すように各区NDワクチン2回
目投与1週間後にND−HI価がピークに達するが、対
照区に比べ、死菌区は優れた抗体価の上昇を得た。
【0036】実験例−III 毒素原性大腸菌に対する感染防御試験。
【0037】目的:ミヤイリ菌の死菌体を飼料に添加
し、毒素原性大腸菌に対する投与動物の抵抗性をみるた
めに以下の試験を行った。
【0038】試験方法 生後70日令体重約20kgの子豚(5頭×2=10
頭)を用いた。あらかじめ無添加飼料、及び死菌末添加
(飼料1g中105 個相等のミヤイリ菌を含む)飼料の
2種類設け馴致してから試験に供した。供試菌は当社保
存株B−81をブレインハートインフュージョン寒天状
で全培養し生育した菌を1夜振とう培養(37℃)し菌
液を調整した。得られた菌液5ml(108 9 /ml)
カテ−テルにて強制経口投与を全頭にし、下痢の発生状
況について調べた。
【0039】試験結果 結果は表−3に示す。
【0040】
【表3】
【0041】表−3に示すように死菌を用いることによ
り下痢の発生を押さえ感染が防御された。
【0042】実験例−IV 養鰻飼料劣化試験(水中への散逸試験)
【0043】目的:養鰻用飼料にミヤイリ菌の生菌、死
菌沫を添加し、劣化の有無をみるため以下の試験を行っ
た。
【0044】試験方法 表−4に示す飼料100gをビーカーにとり、1.2倍
量の水を加え、もち状に練り上げた。次いで30℃10
分間放置後10gの団子状のかたまりを作り試料とし
た。なおミヤイリ菌は飼料1g中105 個相等量含有し
ている。
【0045】
【表4】
【0046】各試料を300ml容三角フラスコに入れ
水を100mlを加え加温式振とう器で30分間振とう
した。振とう後5分間静置し、上澄液を採取して分光光
度計(波長660mμ)にて透過率を測定した。各試料
5回測定し平均値を求めた。
【0047】試験結果 結果は表−5に示す。
【0048】
【表5】
【0049】表−5から明らかなように死菌を用いるこ
とにより生菌による水中での飼料の散逸が防止されるこ
とがわかる。
【0050】実施例1. 米糠油かす 70g 小麦粉 28.9g ミヤイリ菌体沫(死菌体量1010個/g) 1g ポリアクリル酸ナトリウム 0.1 g を混合し、ペレットマシンによりペレットとした。
【0051】実施例2. ミヤイリ菌(死菌体量1010個/g)1部に、乳糖80
部、コーンスターチ20部、低置換度ヒドロキシプロピ
ルセルロース20部及びポリビニルピロリドン2部を加
え十分混合後、造粒し、ステアリン酸マグネシウム0.
5部を加え混合後、錠剤とした。
【0052】実施例3. ミヤイリ菌(死菌体量1010個/g)1部に、マンニト
ール85部にカルボキシメチルセルロース15部及びヒ
ドロキシプロピルセルロース2.5部を加え、十分混合
し、造粒して細粒剤を製した。
【0053】
【効果】上記から明らかなように本発明の製剤は、免疫
賦活作用を有し、哺乳動物の健康維持に有用である。
又、製剤化に当り、生菌剤のような制限はなく、又、飼
料に添加してもその劣化を促進することはないという生
菌剤にはないすぐれた効果を発揮する。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61K 35/74 A23K 1/16 304 CA(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ミヤイリ菌の死菌体を動物に経口投与する
    ことを特徴とする動物の免疫賦活方法
  2. 【請求項2】ミヤイリ菌の死菌体を有効成分とする経口
    用免疫賦活剤
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