JP2986926B2 - 陰極線管装置 - Google Patents

陰極線管装置

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JP2986926B2
JP2986926B2 JP2406547A JP40654790A JP2986926B2 JP 2986926 B2 JP2986926 B2 JP 2986926B2 JP 2406547 A JP2406547 A JP 2406547A JP 40654790 A JP40654790 A JP 40654790A JP 2986926 B2 JP2986926 B2 JP 2986926B2
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昌広 横田
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Description

【発明の詳細な説明】
[発明の目的]
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、偏向ヨークの水平偏向
コイルおよび垂直偏向コイルから発生し、偏向ヨークの
外部に漏洩する漏洩磁界を軽減する陰極線管装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】最近、北欧を中心に、磁界が人体に及ぼ
す影響を取上げ、陰極線管装置から漏洩する漏洩磁界を
規制する動きがある。漏洩磁界に関する規格としては、
MPR(SSI)規格がある。陰極線管装置からの漏洩
磁界の主な発生源は偏向ヨークである。この偏向ヨーク
は、陰極線管の電子銃から放出される電子ビームを水平
方向に偏向走査する水平偏向磁界を発生する水平偏向コ
イルと、電子ビームを垂直方向に偏向走査する垂直偏向
磁界を発生する垂直偏向コイルとから主に構成されてい
る。この偏向ヨークの発生する磁界のうち、電子ビーム
の偏向に寄与しない部分の磁束、すなわち漏洩磁束をか
なりのレベルまで減少させることが必要となる。
【0003】図12に示す偏向ヨークは、カラー受像管
などの陰極線管に装着される一般的な偏向ヨークであ
る。モールド部材1 の内側には、陰極線管の電子銃から
放出される電子ビームを水平方向に偏向する上下一対の
サドル型偏向コイル2 が水平軸(X軸)に対し対称に配
置されており、モールド部材1 の外側には、電子ビーム
を垂直方向に偏向する左右一対のサドル型偏向コイル3
が垂直軸(Y軸)に対し対称に配置されている。
【0004】この偏向ヨークでは、水平偏向コイル1 か
ら発生する磁束の大部分は偏向ヨークの内部空間に閉じ
込められるが、一部は、漏洩磁束として偏向ヨークの外
側に輻射される。図13は、水平方向より見たサドル型
水平偏向コイル近傍の漏洩磁界の分布を示したものであ
る。サドル型水平偏向コイルの漏洩磁束4 は、偏向ヨー
クの前後において偏向主磁束5 と同じ方向である。
【0005】また、垂直偏向コイルによって形成される
垂直偏向磁界の漏洩状態も、磁束の向きが90度違うだけ
でほぼ同様に分布する。垂直偏向コイルがサドル型又は
トロイダル形であっても、漏洩磁束の向きは、偏向ヨー
クの前後において偏向主磁束と同じ方向である。
【0006】この漏洩磁界の対策としては、例えば、図
14に示すように、特開昭62-64024号公報などには、漏
洩磁界4 に対して、これを打消すために漏洩磁界4 と逆
向きで同程度の補償磁界6 を発生させる補償コイル7 を
設けるものがある。この補償コイル7 は水平偏向漏洩磁
界を軽減するためのものであり、このような補償コイル
を用いて漏洩磁界を補償する場合は、少なくとも一対以
上のコイルを偏向ヨーク又は陰極線管上に取付ける必要
がある。また、漏洩磁界を極力小さくするためには、補
償磁界の強さ及び方向を陰極線管の前後、左右、上下で
バランスをとる必要がある。このバランスをとるために
は、補償コイルの取付け位置及び傾角の微妙な調整が必
要である。現在、漏洩磁界の規制対象は、水平偏向磁界
に限られているが、水平および垂直の漏洩磁界は共に軽
減しておく必要がある。
【0007】しかしながら、漏洩磁束を水平、垂直共に
軽減しようとすると、補償コイルを水平偏向漏洩磁界補
償用及び垂直偏向漏洩磁界補償用の2対の補償コイルを
配置する必要があり、アセンブリの面のみならず、位置
および傾角の調整が困難であるという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、最近、
偏向ヨークから漏洩する漏洩磁界を軽減する必要が生じ
ており、このため、偏向電流に同期した電流を通電する
補償コイルを用いて、漏洩磁界を軽減する方式がある。
しかしながら、この補償コイル方式は、従来、水平偏向
漏洩磁界の対策として用いられており、また、漏洩磁界
を極力小さくしようとすると、補償コイルの取付け位置
及び傾角等の微妙な調整が必要である。よって、水平及
び垂直偏向漏洩磁界を軽減しようとすると、2対の補償
コイルを配置する必要があり、アセンブリの面のみなら
ず、位置および傾角の調整が困難であるという問題があ
る。本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであ
り、水平及び垂直漏洩磁界を効果的に軽減することを目
的とする。 [発明の構成]
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、電子銃から放出される電子ビームの走査
により蛍光体スクリーン上に画像を表示する陰極線管
と、この陰極線管に装着され、上記電子銃から放出され
る電子ビームを水平方向に偏向する磁界を発生する上下
一対のサドル型水平偏向コイルと上記電子銃から放出さ
れる電子ビームを垂直方向に偏向する磁界を発生する垂
直偏向コイルとを備える偏向ヨークとを具備する陰極線
管装置において、上記偏向ヨークの上下又は左右に少な
くとも一対の磁性体を配置し、水平偏向電流に同期した
電流を通電した水平補償コイルと、垂直偏向電流に同期
した電流を通電した垂直補償コイルとを上記磁性体に共
用して巻回し、上記偏向ヨークから漏洩する水平および
垂直偏向漏洩磁界を軽減することを特徴とする。
【0010】
【作用】水平偏向コイルから漏洩する磁束は、偏向ヨー
クの前後において水平偏向主磁束と同じ方向である。ま
た、垂直偏向コイルから漏洩する磁束は、水平偏向磁界
と直交しており、垂直偏向主磁束と同じ方向である。
【0011】水平補償コイルは、偏向ヨーク前後におい
て水平漏洩磁束を打ち消す方向に磁束を発生させるよう
に磁性体に巻回され、さらに垂直補償コイルは偏向ヨー
ク前後において垂直漏洩磁束を打ち消す方向に磁束を発
生させるように上記磁性体に巻回されている。このよう
に水平補償コイルおよび垂直補償コイルを一つの磁性体
に共用して巻回すことにより、コンパクトに補償コイル
を配置する。さらに、補償磁界の偏向ヨーク前後での補
償磁界のバランスの調整は、補償コイルを巻回した磁性
体の傾角を調整することにより行う。
【0012】また、上下または左右一対の磁性体に水平
補償コイルと垂直補償コイルとを共用して巻回すことに
より、補償磁界をバレル形状とピンクッション形状の組
合せとすることができ、補償磁界によって偏向磁界の分
布が変化した場合の補正をした際にも、上下と左右で2
対の補償コイルを用いて漏洩磁界を補償する場合には残
る画面対角方向のミスコンバーゼンスを残すことなく、
効果的に漏洩磁界を補償する。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0014】(実施例1)図1に本発明の一実施例であ
る陰極線管装置の垂直方向断面図を示す。この装置にお
ける陰極線管は、一体に接合されたほぼ矩形状のパネル
20と漏斗状のファンネル21とからなる外囲器を有し、そ
のパネル20内面に、赤、緑、青に発光する3色蛍光体層
からなる蛍光体スクリーン22が設けられ、この蛍光体ス
クリーン22に近接対向して、多数の電子ビーム透過孔の
形成されたシャドウマスク23が装着されている。また、
ファンネル21のネック24内に3電子ビームを放出する電
子銃25が配設されている。さらにファンネル21のコーン
部とネック24との境界部外側に、上記電子銃25から放出
された電子ビームを水平および垂直方向に偏向する磁界
を発生する偏向ヨーク26が装着されている。さらに、偏
向ヨーク26の上下には一対の磁性体30が配置され、この
磁性体30には、水平偏向コイル31からの漏洩磁界を補償
する水平補償コイル32及び垂直偏向コイル33からの漏洩
磁界を補償する垂直補償コイル34が共用して巻回されて
いる。
【0015】図2に、偏向ヨークと、この上下に配置さ
れる磁性体並びに水平及び垂直補償コイルを示す。偏向
ヨーク26は、モールド部材35の内側に、陰極線管の電子
銃から放出される電子ビームを水平方向に偏向する上下
一対のサドル型偏向コイル31が水平軸(X軸)に対し対
称に配置されており、モールド部材35の外側に、電子ビ
ームを垂直方向に偏向する左右一対のサドル型偏向コイ
ル33が垂直軸(Y軸)に対し対称に配置された構造とな
っている。この偏向ヨーク26の上下に1対の直方体形状
の磁性体30を配置し、この磁性体30に水平偏向電流に同
期した電流を通電した水平補償コイル32と、垂直偏向電
流に同期した電流を通電した垂直補償コイル34とをそれ
ぞれのコイルのループ面が直交するようにして巻回して
いる。そして、水平補償コイル32のループ面の法線はほ
ぼYZ平面上にあり、垂直補償コイル34のループ面はほ
ぼ水平軸(X軸)方向を向いている。
【0016】本実施例では、磁性体として、透磁率320
、抵抗率107 Ωcm、大きさ10mm×40mm×30mmの直方体
フェライトコアを用いているが、他の磁性体でもよいこ
とは言うまでもない。
【0017】また、上記水平補償コイル32と水平偏向コ
イル31及び垂直補償コイル34と垂直偏向コイル33は、そ
れぞれ図3(a)及び図3(b)に示すように回路的に
接続されている。図3に示す回路は一実施例にすぎず、
別の電源を用いて補償コイルに電流を流すものでもよ
い。次に、本実施例による漏洩磁界の補償作用について
説明する。
【0018】図4(a)は、図1に示す構造における偏
向ヨーク外部に漏洩する水平方向の漏洩磁界と、水平補
償コイルの作用を示す図である。水平偏向コイルから漏
洩する漏洩磁束41は、上述のように、偏向ヨーク26の前
後において水平偏向主磁束42と同じ方向である。磁性体
30に巻回された水平補償コイルは、矢印43の方向に磁性
体30を磁化させるように電流を通電してあり、水平補償
コイル32および水平補償コイル32により磁化した磁性体
30が発生する磁束44は、偏向ヨーク26前後において水平
偏向漏洩磁束41を打ち消す方向に働き、これを補償す
る。
【0019】図4(b)に、水平偏向コイルおよび水平
補償コイルから発生する磁界の強度を示す。偏向ヨーク
前後の補償磁界の強度のバランスは、磁性体の形状、傾
斜角およびコイルの電流により最適に設定される。水平
補償コイルの動作に必要な消費電力は、磁性体を用いる
ことによりコイル単体と比較して格段に小さくなってい
る。
【0020】図5(a)は、図1に示す構造における偏
向ヨーク外部に漏洩する垂直方向の漏洩磁界と、垂直補
償コイルの作用を示す図である。垂直偏向コイル33から
漏洩する漏洩磁束51は、上述のように、偏向ヨーク26の
前後において垂直偏向主磁束52と同じ方向である。磁性
体30に巻回された垂直補償コイル34は、矢印53の方向に
磁性体30を磁化させるように電流を通電してあり、垂直
補償コイル34および垂直補償コイル34により磁化した磁
性体30が発生する磁束54は、偏向ヨーク26前後において
垂直偏向漏洩磁束51を打ち消す方向に働き、これを補償
する。
【0021】図5(b)に、垂直偏向コイルおよび垂直
補償コイルから発生する磁界の強度を示す。偏向ヨーク
前後の補償磁界の強度のバランスは、水平補償コイルに
比べ、磁性体の傾斜角による調整が行えないためやや悪
くなる。垂直補償コイルの動作に必要な消費電力は、磁
性体を用いることによりコイル単体と比較して格段に小
さくなっている。
【0022】上記構成の磁性体および補償コイルを配置
することにより、水平偏向漏洩磁界は39nTから3.9nT
に、垂直偏向漏洩磁界は118nT から18nTに減少してい
る。また、従来、上下1対の補償コイルを配置したもの
に比較して実質的な大きさの変更を伴うことなく、コン
パクトに補償コイルを配置することができる。
【0023】さらに、上下一対の磁性体に水平補償コイ
ルと垂直補償コイルとを共用して巻回すことにより、水
平偏向漏洩磁界を補償する水平補償磁界をバレル形状、
垂直偏向漏洩磁界を補償する垂直補償磁界をピンクッシ
ョン形状とすることができ、コンバーゼンス特性に影響
を与えることなく、効果的に漏洩磁界を補償することが
できる。この補償磁界をピンクッション形状とバレル形
状の組合わせにすることによるによるコンバーゼンス特
性の変化について、詳細に説明する。
【0024】通常、偏向磁界のピンクッション形状また
はバレル形状を強めることにより、図6に示すミスコン
バーゼンスXH またはYH が変化する。水平偏向磁界に
関しては、ピンクッション形状を強めると水平端近傍で
の磁界が強くなり、XH が−の方向(Bが左、Rが右)
に変化し、バレル形状を強めると水平端近傍での磁界が
弱くなり、XH は+の方向(Bが右、Rが左)に変化す
る。垂直偏向磁界に関しては、バレル形状を強めると垂
直端近傍での磁束のたわみが強くなり、YH が−の方向
に変化し、ピンクッション形状を強めると垂直端近傍で
の磁束のたわみが弱くなり、YH は+の方向に変化す
る。また、一般的に、上記XH 、YH の変化を偏向コイ
ルの巻型にて補正すると、次式Aで表されるトリレンマ
Triは保存される。 Tri=XH −YH +PQV ……a よって、上式aより、偏向磁界のピンクッション形状ま
たはバレル形状の強さの補正とPQVの変化との関係
は、表1に示すようになる。
【0025】
【表1】
【0026】次に、漏洩磁界を補償するための補償磁界
と上記PQVの変化との関係についてであるが、上下一
対の磁性体に水平補償コイルと垂直補償コイルとを共用
して巻回した場合、水平補償磁界はバレル形状、垂直補
償磁界はピンクッション形状となり、水平偏向磁界はピ
ンクッション形状が強まり、垂直偏向磁界は、バレル形
状が強まることとなる。これを補正した場合、上記表1
に示すように、PQVの変化は+と−になり、互いにキ
ャンセルする方向となる。これに対し、水平補償コイル
と垂直補償コイルを偏向ヨークの上下と左右で分けて配
置した場合は、偏向磁界は水平、垂直共にピンクッショ
ン形状が強まるか、またはバレル形状が強まるかの場合
になり、PQVの変化は上述のようにキャンセルする方
向には働かない。よって、本実施例によると、補償コイ
ルによるコンバーゼンスの変化をPQVに残すことな
く、効果的に漏洩磁界を補償することができる。
【0027】また、水平偏向漏洩磁界対策と垂直偏向漏
洩磁界対策とを同時に行うことにより、漏洩磁界対策を
行うことによる偏向中心の移動は、水平偏向及び垂直偏
向に関し同時に起こるので、ランディングの調整は偏向
ヨークを管軸方向に動かすだけで済み、漏洩磁界対策を
施していない陰極線管装置ランディング特性に変化を与
えることがないので、陰極線管装置に特別な設計を行う
必要がない。
【0028】(実施例2)上記実施例1は、偏向ヨーク
の上下に1対の磁性体を配置して、この磁性体に水平補
償コイルと垂直補償コイルとを共用して巻回したもので
あるが、磁性体を配置する位置は上下に限られず、偏向
ヨークの左右でも良い。図7に、大型の磁性体を偏向ヨ
ークの左右に配置したものを示す。すなわち、略直方体
の磁性体60に水平補償コイル32をループ面がY軸方向を
向くように巻回し、垂直補償コイル34をループ面の法線
がほぼXZ平面上にあるように巻回している。さらに、
磁性体60は、水平補償コイル32が巻回されていない上下
端部が略Z軸方向に突出して突出部61を形成する形状と
なっている。磁性体をこの様な形状とすることにより、
補償磁束は突出部61の先端から発生しやすくなり、スク
リーン側の補償磁界を強めるとともに、磁性体60が大型
化されているため、消費電力を極力小さくしている。
【0029】また、左右一対の磁性体に共用して巻回し
た場合、水平補償磁界はピンクッション形状、垂直補償
磁界はバレル形状となり、水平偏向磁界はバレル形状が
強まり、垂直偏向磁界はピンクッション形状が強まるこ
ととなる。これを補正した場合、実施例1と同様によ
り、上記表1からPQVの変化は+−でキャンセルする
方向となる。これに対し、水平補償コイルと垂直補償コ
イルを偏向ヨークの上下と左右とで分けて配置した場合
は、偏向磁界は水平、垂直共にピンクッション形状が強
まるか、バレル形状が強まるかの場合になり、PQVの
変化は上述のようにキャンセルする方向には働かない。
よって、本発明は、補償コイルによるコンバーゼンスの
変化をPQVに残すことなく、効果的に漏洩磁界を補償
することができる。さらに、実施例1と同様にランディ
ング特性に対する影響も少ない。
【0030】(実施例3)上述のように、偏向ヨークの
上下に1対の磁性体を配置する実施例1では、垂直補償
コイルを傾斜させて補償磁界のバランスをとることがで
きない。そこで、水平、垂直方向ともに補償磁界のバラ
ンスをとるための実施例について以下説明する。
【0031】図8に、補償磁界のバランスをとるための
実施例を示す。偏向ヨーク26の左右に配置される磁性体
の形状を工夫し、1つの磁性体に1つの垂直補償コイル
と、3つの水平補償コイルを巻回している。すなわち、
磁性体70をY軸方向に沿った主部70a と略Z軸方向に沿
った腕部70b,70c とから構成し、全体としてH型に成形
して、主部70a にはループ面がY軸方向に向く水平補償
コイル71a とループ面がZ軸方向に向く垂直補償コイル
72とが巻回され、腕部70b,70c には水平補償コイル71b,
71c がループ面が略Z軸方向を向くように巻回されてい
る。
【0032】この図8に示す実施例の作用について、図
9乃至図11を用いて説明する。図9は、水平偏向によ
る漏洩磁束および補償磁束を横方向から示したものであ
る。磁性体70の主部70a に巻回された水平補償コイル71
a により磁化した磁性体70が発生する磁束80は、偏向ヨ
ーク26の前後で磁束81と逆向きになり水平漏洩磁束81を
補償している。このとき、磁束80の補償効果は、偏向ヨ
ーク26前方で弱く、後方で強いアンバランスを生じてい
る。そこで、磁性体70の腕部70b,70c に水平補償コイル
71b,71c を巻回し、それぞれ逆方向に磁化させるように
電流を通電する。そして水平補償コイル71b,71c により
磁化した磁性体70が発生する磁束82は、偏向ヨークの前
方では、磁束81の向きと逆方向であるのに対し、偏向ヨ
ークの後方では、磁束81の向きは同じ方向である。した
がって、前述の偏向ヨーク26前後における補償磁束のア
ンバランスを補うように作用し、全体として優れた水平
偏向漏洩磁界軽減作用を有する。
【0033】上記1つの磁性体に巻回された3つの水平
補償コイル71a,71b,71c は、例えば、図10のように回
路的に接続される。図中、破線で囲んでL,Rとしてい
るのは、それぞれ偏向ヨークの左右を意味し、同一番号
は、上記説明と同一の補償コイルを示すものとする。さ
らに、可変コイルAは、水平補償コイル71b,71c による
磁界と、水平補償コイル71a による磁界の割合を変化さ
せ、偏向ヨーク前後の補償強度を調整するものであり、
可変コイルBは、補償磁界全体の強度を調整するもので
ある。図10に示す回路では、水平偏向コイル31と水平
補償コイル71a,71b,71c とが接続されているが、水平補
償コイル71a,71b,71c に通電する電流は別の電源から供
給してもよい。
【0034】図11は、図8に示す構造における偏向ヨ
ーク外部に漏洩する垂直偏向漏洩磁界を上方向から示し
たものである。磁性体70に巻回された垂直補償コイル72
により磁化した磁性体70が発生する磁束83は、偏向ヨー
ク26前後において垂直偏向漏洩磁界84を補償している。
偏向ヨーク26前後での補償バランスは、磁性体70の傾斜
角により最適に調整される。本実施例の場合も実施例2
と同様に、コンバーゼンス特性及びランディング特性に
影響を与えずに漏洩磁界を補償することができる。
【0035】
【発明の効果】上述のように、偏向ヨークの上下又は左
右に少なくとも一対の磁性体を配置し、この磁性体に水
平偏向電流に同期した電流を通電する水平補償コイルお
よび垂直偏向電流に同期した電流を通電する垂直補償コ
イル共用して巻回することにより、従来の補償コイル方
式に比較して実質的な大きさの変更を伴うことなく、コ
ンパクトな構成で水平、垂直偏向漏洩磁界を軽減するこ
とができる。さらに、補償磁界をピンクッション形状と
バレル形状の組合せとすることにより、コンバーゼンス
特性に影響を与えずに漏洩磁界を補償することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による陰極線管装置の第1の実施例を示
す断面図である。
【図2】図1における偏向ヨーク及びその上下に配置さ
れる磁性体および補償コイルを示す斜視図である。
【図3】図1における偏向コイルと補償コイルの回路的
接続状態を示す等価回路図である。
【図4】図1における水平補償コイルによる水平偏向漏
洩磁界の補償作用を説明する図である。
【図5】図1における垂直補償コイルによる垂直偏向漏
洩磁界の補償作用を説明する図である。
【図6】ミスコンバーゼンスのパターンを示す模式図で
ある。
【図7】本発明による陰極線管装置の第2の実施例の要
部を示す斜視図である。
【図8】本発明による陰極線管装置の第3の実施例の要
部を示す斜視図である。
【図9】図7における水平補償コイルによる水平偏向漏
洩磁界の補償作用を説明する図である。
【図10】図7における水平補償コイルと水平偏向コイ
ルの回路的接続状態を示す等価回路図である。
【図11】図7における垂直補償コイルによる垂直偏向
漏洩磁界の補償作用を説明する図である。
【図12】一般的な偏向ヨークの構成を示す斜視図であ
る。
【図13】水平方向より見たサドル型水平偏向コイル近
傍の漏洩磁界の分布を示す図である。
【図14】従来の補償コイルの構成を示す平面図であ
る。
【符号の説明】
26…偏向ヨーク 30,60,70…磁性体 31…水平偏向コイル 32,71a,71b,71c…水平補償コイル 33…垂直偏向コイル 34,72 …垂直補償コイル 41,81 …水平偏向漏洩磁束 44,80,82…水平補償磁束 51,84 …垂直偏向漏洩磁束 54,83 …垂直補償磁束
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01J 29/70 - 29/82

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子銃から放出される電子ビームの走査
    により蛍光体スクリーン上に画像を表示する陰極線管
    と、この陰極線管に装着され、上記電子銃から放出され
    る電子ビームを水平方向に偏向する磁界を発生する上下
    一対のサドル型水平偏向コイルと、上記電子銃から放出
    される電子ビームを垂直方向に偏向する磁界を発生する
    垂直偏向コイルとを備える偏向ヨークとを具備する陰極
    線管装置において、上記偏向ヨークの上下又は左右に少
    なくとも一対の磁性体を配置し、水平偏向電流に同期し
    た電流を通電した水平補償コイルと、垂直偏向電流に同
    期した電流を通電した垂直補償コイルとを上記磁性体に
    共用して巻回し、上記偏向ヨークから漏洩する水平およ
    び垂直偏向漏洩磁界を軽減することを特徴とする陰極線
    管装置。
JP2406547A 1990-12-26 1990-12-26 陰極線管装置 Expired - Fee Related JP2986926B2 (ja)

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