JP2985390B2 - 抗酸化剤及び抗酸化性高度不飽和油 - Google Patents

抗酸化剤及び抗酸化性高度不飽和油

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な抗酸化剤及び抗酸
化剤を含有する抗酸化性高度不飽和油に関する。さらに
詳しくは、人体に対して安全で、かつ酸化防止効果に優
れ、特に不飽和脂肪酸やそのエステル、あるいはこれら
を含有する各種製品の酸化防止に好適に用いられる抗酸
化剤及び例えばエイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエ
ン酸、これらのエステル、あるいは脂肪酸成分としてエ
イコサペンタエン酸やドコサヘキサエン酸を含有する油
脂などに、有効成分としてムシジンを含有する抗酸化剤
を含有させて強力な抗酸化性をもたせた高度不飽和油に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、油脂や油脂含有製品には酸敗によ
る匂い、味、色などの変質を防止する目的で、通常抗酸
化剤が用いられている。このような抗酸化剤としては、
例えばブチルヒドロキシアニソール(BHA)やブチル
ヒドロキシトルエン(BHT)などの合成抗酸化剤、ト
コフェロール、L−アスコルビン酸、クエン酸、メラノ
イジン、フラボノイド、アミノ酸、フィチン酸、没食子
酸などの天然抗酸化剤が知られている。しかしながら、
前記のBHAやBHTなどの合成抗酸化剤は、安価で酸
化防止効果に優れているものの、人体に対する安全性に
ついては必ずしも十分ではなく、最近食品への使用が問
題視されており、一方、天然抗酸化剤は、安全性は高い
ものの、酸化防止効果が十分ではないという欠点を有し
ている。このように、従来の抗酸化剤は一長一短があ
り、したがって人体に対する安全性と酸化防止効果が共
に優れた抗酸化剤の開発が望まれていた。また近年、エ
イコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸
(DHP)などの高度不飽和脂肪酸は、例えば血小板凝
集抑制作用、血液中の中性脂肪低下作用、コレステロー
ル低下作用、血液粘度低下作用、抗腫瘍作用などの生理
活性を有することが注目され、機能性食品、食品添加
物、医薬品、化粧品、飼料などに用いられつつある。し
かしながら、このような高度不飽和脂肪酸は通常魚油に
含まれており、また、その酸化反応は極めて速く、かつ
酸化の機構が陸上動物脂や植物油脂と異なるので、前記
の抗酸化剤により酸化を効果的に防止することができな
いという問題がある。他方、ナフタレン系化合物である
ムシジンが、抗酸化性を有することは知られているが
(特開昭61−66787号公報)、他の抗酸化剤との
相乗効果については全く知られておらず、また、ムシジ
ンとトコフェロールの相乗効果を利用した例もこれまで
知られていない。さらにムシジンが、高度不飽和脂肪酸
や、脂肪酸成分としてこれを含有する高度不飽和油脂に
対する抗酸化活性については全く知られておらず、また
該高度不飽和脂肪酸や高度不飽和油脂に対してムシジン
を利用した例も知られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような事
情のもとで、人体に対して安全で、かつ酸化防止効果に
優れ、特に不飽和脂肪酸やそのエステル、あるいはこれ
らを含有する各種製品の酸化防止に好適に用いられる抗
酸化剤を提供することを目的としてなされたものであ
る。また本発明は、高度不飽和脂肪酸やそのエステル又
は高度不飽和油脂などの高度不飽和油に強力な抗酸化性
を付与した抗酸化性高度不飽和油を提供することを目的
としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な好ましい性質を有する抗酸化剤を開発すべく鋭意研究
を重ねた結果、ムシジンにトコフェロールを組み合わせ
たものは、人体に対して安全である上、その相乗作用に
よって優れた酸化防止効果を有し、前記目的に適合しう
ることを見い出し、この知見に基づいて本発明を完成す
るに至った。さらに本発明者らは、酸化防止性に優れる
抗酸化性高度不飽和油を開発すべく鋭意研究を重ねた結
果、有効成分としてムシジンを含有する抗酸化剤を高度
不飽和油に含有させることにより、前記目的を達成しう
ることを見い出し、この知見に基づいて本発明を完成す
るに至った。
【0005】すなわち、本発明は、有効成分として、
(A)ムシジンと(B)トコフェロールとを含有して成
る抗酸化剤を提供するものである。また、本発明は、高
度不飽和油に、有効成分として(A)ムシジンを含有し
てなる抗酸化剤を含有させたことを特徴とする抗酸化性
高度不飽和油を提供するものである。以下、本発明を詳
細に説明する。本発明の抗酸化剤において、有効成分の
一つである(A)成分として用いられるムシジンは、一
般式
【0006】
【化1】
【0007】で表されるβ−メチルナフタレン誘導体で
あって、公知の方法により得られる合成品を用いてもよ
いし、天然抽出品を用いてもよい。該天然抽出品を得る
には、ムシジンはタデ科の植物、例えばギシギシ属のギ
シギシやナガバギシギシなどに含まれているので、これ
らの植物の全草又は根を適当な溶媒、例えばn−ヘキサ
ン、n−ペンタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水
素や脂環式炭化水素、メタノールやエタノールなどの低
級アルコール、ジエチルエーテルやテトラヒドロフラン
などのエーテル、ジクロロエタンやエチレンクロリドな
どのハロゲン化炭化水素、ベンゼンやトルエンなどの芳
香族炭化水素などを用いて抽出処理したのち、この抽出
液から溶媒を留去すればよいし、さらに必要ならばこの
エキスを、例えばアルカリ処理、クロマトグラフィー、
再結晶などの方法で精製すればよい。
【0008】前記のムシジンを含む植物は、生薬として
長年用いられていることから、該ムシジンは毒性が極め
て低く、人体に対して安全であると考えられる。本発明
の抗酸化剤において、有効成分の他の成分である(B)
成分として用いられるトコフェロールは、植物油に含ま
れる抗不妊因子として発見された脂溶性ビタミンであっ
て、一般式
【0009】
【化2】
【0010】で表されるビタミンE誘導体の一群を成
し、第1表に示すように、クロマン環のメチル基の位置
によって、α、β、γ及びδ型の4種が天然に存在す
る。
【0011】
【表1】
【0012】本発明においては、いずれの型のトコフェ
ロールも使用することができるが、天然濃縮トコフェロ
ールなどの各型のトコフェロールを混合したmix−ト
コフェロールが好ましい。これらのトコフェロールは市
販されており、市販品をそのまま単独で用いてもよい
し、適宜組み合わせて用いてもよい。また、これらを油
脂で希釈したものを使用しても良い。さらに、本発明に
おいては、(B)成分のトコフェロールとして、2,3,
5−トリメチルハイドロキノンとイソフィトールから得
られる合成品のDL−α−トコフェロールも用いること
ができる。
【0013】本発明の抗酸化剤においては、前記(A)
成分のムシジンと(B)成分のトコフェロールは、重量
比1:9ないし9:1、好ましくは4:6ないし6:4
さらに好ましくは4.5:5.5ないし5.5:4.5の割
合で含有するのが望ましい。この含有割合が前記範囲を
逸脱すると使用条件によっては所望の相乗効果が得られ
にくく、本発明の目的が十分に達せられないことがあ
る。
【0014】本発明の抗酸化剤には、没食子酸を加える
とさらに酸化防止効果が向上する。没食子酸の配合割合
は、特に限定されるものではないが通常(A)成分と
(B)成分のトロフェロールの合計量100重量部に対
して5〜95重量部、好ましくは10〜50重量部であ
る。さらに本発明の抗酸化剤には、本発明の目的を損な
わない範囲で、所望に応じ人体に対して安全な他の酸化
防止効果を有するもの、例えばL−アスコルビン酸、ク
エン酸、メラノイジン、フラボノイド、アミノ酸、フィ
チン酸などを、1種以上含有させることができる。
【0015】本発明の抗酸化剤は、その使用形態につい
ては特に制限はなく、例えば粉末状、顆粒状、エマルジ
ョン状、溶液状、懸濁液状など、任意の形態に製剤化し
て用いることができる。製剤化に際しては、必要に応じ
て、従来飲食物や化粧品などに慣用されている固体担体
や液体担体、あるいは界面活性剤、乳化剤、懸濁剤など
を用いることができる。
【0016】例えば、本発明の抗酸化剤を、溶液状で用
いる場合には、食用油脂やエタノールなどの液体担体で
希釈して用いてもよいし、また該抗酸化剤が対象物に不
溶な場合には、グリセリン脂肪酸エステルなどの適当な
乳化剤を用いて、水と混合乳化し、O/W型エマルジョ
ンとして添加してもよい。本発明の抗酸化剤は、酸化防
止が必要な製品、例えば食用油、乳製品、マーガリン、
ショートニング、ラード、肉製品、缶詰類、魚介類、イ
ンスタント食品、菓子類、清涼飲料水などの飲食品や、
健康食品、医薬品、さらにはクリーム、ローション、乳
液、サンオイル、ラノリン、石鹸などの化粧品などに用
いることができるが、特に不飽和脂肪酸やそのエステル
及びこれらを含有する製品に対して好適である。
【0017】本発明の抗酸化剤の使用量については特に
制限はなく、酸化防止を必要とする対象物の種類に応じ
て適宜選ばれるが、不飽和度の低い通常の油脂には通常
10〜1,000ppm、高度不飽和油に対しては通常10
0〜10,000ppm、好ましくは100〜1,000pp
m、さらに好ましくは500〜1,000ppmの割合で用
いられる。この量が10ppm未満では酸化防止効果が十
分に発揮されないおそれがあるし、10,000ppmを超
えると、その量の割には効果の向上はあまり認められ
ず、むしろコスト的に不利となり、好ましくない。な
お、フィシュミールのような粉状体のものは、表面積が
大きいので、1,000〜10,000ppmを添加しない
と効果が出ず、食品に添加する場合は、その形状や油脂
含量等によっても添加量を変える必要がある。
【0018】本発明における有効成分としてムシジンを
含有する抗酸化剤を加える高度不飽和油とは、高度不飽
和脂肪酸、そのエステル又は脂肪酸成分として高度不飽
和脂肪酸を含有する高度不飽和油脂のことをいう。この
ような高度不飽和油としては、例えばエイコサペンタエ
ン酸、ドコサヘキサエン酸及びこれらのエステルの中か
ら選ばれた少なくとも1種から成るもの、あるいは脂肪
酸成分としてエイコサペンタエン酸及び/又はドコサヘ
キサエン酸を含有する高度不飽和油脂、具体的には魚油
などを好ましく挙げることができる。
【0019】本発明の抗酸化性高度不飽和油におけるム
シジンを含有する抗酸化剤は、通常高度不飽和油に対し
て100〜10,000ppm、好ましくは100〜1,0
00ppm、さらに好ましくは500〜1,000ppmの割
合で用いられる。この量が10ppm未満では使用条件に
よっては、十分な抗酸化活性が得られないおそれがある
し、10,000ppmを超えると着色などの好ましくない
事態を招来するおそれがある。
【0020】本発明の抗酸化性高度不飽和油には、所望
に応じ、ムシジンを含有する抗酸化剤中に、他の公知の
抗酸化剤、例えばトコフェロール、アスコルビン酸、没
食子酸などの天然抗酸化剤やブチルヒドロキシアニソー
ル、ブチルヒドロキシトルエンなどの合成抗酸化剤を含
有させることもできる。これらの抗酸化剤うち、好まし
い抗酸化剤としてはトコフェロール、没食子酸が挙げら
れ、特に好ましい抗酸化剤としてはトコフェロールが挙
げられる。これらの抗酸化剤は、通常ムシジンに対して
1〜1,000重量%の割合で用いられる。
【0021】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明はこれらの例によってなんら限定される
ものではない。
【0022】なお、実施例において、抗酸化性の指標と
して使用している過酸化物価とは、日本油化学協会制定
の下記の測定方法に基づき試料にヨウ化カリウムを加え
た場合に遊離されるヨウ素を試料1kgに対するミリ当量
数で表したものをいう。
【0023】過酸化物価測定方法 試料を共セン付き三角フラスコに所定量はかり取り、
溶剤35mlを加え、静かに振り混ぜて透明に溶かす。次
に清浄な窒素ガスを通して器内の空気を十分に置換し、
窒素ガスを通しながらヨウ化カリウム溶液1mlを正しく
加え、窒素ガスをとめ、直ちに共センをして、1分間振
りまぜたのちそのまま常温暗所に5分間放置する。5分
後、75mlの水を加え、再び共センをして激しく振りま
ぜたのち、デンプン溶液を指示薬として、N/100−
チオ硫酸ナトリウム標準液で滴定し、デンプンによる着
色が消失するときを終点とする。そして、下記の式によ
り、過酸化物価を算出する。
【0024】
【数1】
【0025】なお、上記式において、Aは本試験のN/
100−チオ硫酸ナトリウム標準液使用量(ml)を示
し、FはN/100−チオ硫酸ナトリウム標準液の力価
を示し、Bは試料採取量を示す。
【0026】製造例1 真空凍結乾燥したギシギシ(和歌山県産)の根1kgにn
−ヘキサン5kgを加えて一昼夜放置したのち、抽出液を
ろ過し、次いでロータリエバポレーターを用いてn−ヘ
キサンを留去させて、エキス15gを得た。このエキス
中のムシジン含有量を、高速液体クロマトグラフィー
[(株)島津製作所製、LC−5A]を用いて測定したと
ころ、約50重量%であった。
【0027】製造例2 製造例1で得られたエキス1gをシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーに付し、n−ヘキサン、エーテル、酢酸
エチル、クロロホルム、メタノールの順に溶離液を流し
たのち、クロロホルム溶出部を濃縮再結晶した。この再
結晶品中のムシジン含有量を高速液体クロマトグラフィ
ー(前出)を用いて測定したところ、約90重量%であ
った。
【0028】実施例1 市販のリノール酸メチルに、抗酸化剤としてムシジンと
γ−トコフェロールとの重量比10:90の混合物を
0.1重量%の割合で添加し、50℃で保存した。そし
て、重量の経時変化を測定し、重量が急激に増加するに
至るまでの日数(誘導期間)を求め、抗酸化効果を判定
した。その結果を第2表に示す。
【0029】実施例2〜4、比較例1〜3 実施例1において、抗酸化剤として第2表に示すものを
用いた以外は、実施例1と同様に実施して、抗酸化効果
を判定した。その結果を第2表に示す。 比較例4 実施例1において、抗酸化剤を用いなかったこと以外
は、実施例1と同様に実施して抗酸化効果を判定した。
その結果を第2表に示す。
【0030】
【表2】
【0031】実施例5 イワシを原料とする製造直後のフィッシュミールに、ム
シジンとmix−トコフェロール[エーザイ(株)製、イ
ーミックス80]との重量比10:90の混合物を1重
量%の割合で添加して、よく混合したのち、50℃恒温
槽中に入れ、過酸化物価が100になるまでの所要日数
を測定し、抗酸化効果を判定した。その結果を第3表に
示す。
【0032】実施例6〜8、比較例5〜7 実施例4において、抗酸化剤として第3表に示すものを
用いた以外は、実施例4と同様に実施して、抗酸化効果
を判定した。その結果を第3表に示す。 比較例8 実施例4において、抗酸化剤を用いなかったこと以外
は、実施例4と同様に実施して抗酸化効果を判定した。
その結果を第3表に示す。
【0033】
【表3】
【0034】実施例9 市販の精製ラードに、ムシジンとmix−トコフェロー
ル[エーザイ(株)製、イーミックス80]を50ppmの
割合で添加して、よく混合したのち、50℃恒温槽中に
入れ、過酸化物価が100になるまでの所要日数を測定
し、抗酸化効果を判定した。その結果を第4表に示す。 実施例10〜12、比較例9〜11 実施例7において、抗酸化剤として第4表に示すものを
用いた以外は、実施例7と同様に実施して抗酸化効果を
判定した。その結果を第4表に示す。 比較例12 実施例7において、抗酸化剤を用いなかったこと以外
は、実施例7と同様に実施して抗酸化効果を判定した。
その結果を第4表に示す。
【0035】
【表4】
【0036】第2表、第3表及び第4表から明らかなよ
うに、本発明の抗酸化剤を用いた実施例1〜12は、抗
酸化剤を無添加の場合(比較例4、8、12)及び天然
抗酸化剤を単独で用いた場合(比較例1、2、3、5、
6、7、9、10、11)に比べて酸化防止効果に優れ
ていることが分かる。 実施例13 市販の精製魚油[日本油脂(株)製品]に第5表に示す抗
酸化剤をそれぞれ0.05重量%添加して60℃に保存
した。そして、油脂の酸化が初期の場合は重量変化は少
ないが、酸化がある程度進むと重量が急激に増加するの
で、その重量の経時変化を測定し重量が急激に増加する
に至るまでの日数(誘導期間)を求め、抗酸化効果を判
定した。その結果を第5表に示す。
【0037】
【表5】
【0038】注 1)エーザイ(株)製、イーミックス80 組成:α−トコフェロール 5重量%、γ−トコフェロ
ール 60重量%、δ−トコフェロール 35重量% 実施例14 市販のエイコサペンタエン酸エチルエステル[日本油脂
(株)製品]に第6表に示す抗酸化剤をそれぞれ0.1重
量%添加して、メトローム社製ランシマット(温度12
0℃)に供した。そして、誘導期間の長さを測定し、抗
酸化効果を判定した。その結果を第6表に示す。
【0039】
【表6】
【0040】注 1)エーザイ(株)製、イーミックス80 実施例15 イワシを原料とする製造直後のフィッシュミールに、第
7表に示す抗酸化剤をそれぞれ1重量%添加してよく混
合したのち、50℃恒温槽中に入れ過酸化物価が100
になるまでの所要日数を測定し、抗酸化効果を判定し
た。その結果を第7表に示す。
【0041】
【表7】
【0042】注 1)エーザイ(株)製、イーミックス80 比較例13 市販のラード[日本油脂(株)製品]に、第8表に示す抗
酸化剤を、それぞれ0.1重量%添加して、60℃で恒
温槽に保存した。そして、その重量の経時変化を測定
し、重量が急激に増加するに至るまでの日数(誘導期
間)を求め、抗酸化効果を判定した。その結果を第8表
に示す。
【0043】
【表8】
【0044】注 1)エーザイ(株)製、イーミックス80 比較例14 市販の精製大豆油[日本油脂(株)製品]に、第9表に示
す抗酸化剤をそれぞれ0.02重量%添加して、60℃
で保存した。そして、重量の経時変化を測定し重量が急
激に増加するに至るまでの日数(誘導期間)を求め、抗
酸化効果を判定した。その結果を第9表に示す。
【0045】
【表9】
【0046】注 1)エーザイ(株)製、イーミックス80 第8表及び第9表より、ムシジンのラードや大豆油に対
する抗酸化活性は微弱であることが分かる。一方、第5
表〜第7表より、高度不飽和油脂である魚油やそれを含
有するフィッシュミール、及び高度不飽和脂肪酸エステ
ルのエイコサペンタエン酸エチルエステルに対しては、
ムシジンは高い抗酸化活性を有することが分かる。
【0047】
【発明の効果】本発明の抗酸化剤は、ムシジンとトコフ
ェロールとを組み合わせたものであって、人体に対して
安全である上、相乗効果によって従来の天然抗酸化剤に
比べて、はるかに強力な抗酸化力を有し、例えば飲食
品、健康食品、医薬品、化粧品などの酸化防止に好適に
用いられる。また、高度不飽和脂肪酸やそのエステル及
び高度不飽和油脂などの高度不飽和油に対し、ムシジン
を含有させることにより、トコフェロールやL−アスコ
ルビン酸などの従来の天然抗酸化剤を含有させたものに
比べて、優れた抗酸化性を有する高度不飽和油が得られ
る。また、該ムシジンは人体に対して安全であるので、
それを含有する抗酸化性高度不飽和油も人体に対して安
全である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09K 15/08 A23L 3/3481 A23L 3/3499 C11B 5/00 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有効成分として(A)ムシジンと(B)ト
    コフェロールとを含有して成る抗酸化剤。
  2. 【請求項2】(A)成分と(B)成分との含有割合が重
    量比1:9ないし9:1の範囲にある請求項1記載の抗
    酸化剤。
  3. 【請求項3】高度不飽和油に、有効成分として(A)ム
    シジンを含有して成る抗酸化剤を含有させたことを特徴
    とする抗酸化性高度不飽和油。
  4. 【請求項4】高度不飽和油がエイコサペンタエン酸、ド
    コサヘキサエン酸及びこれらのエステルの中から選ばれ
    た少なくとも1種から成るものである請求項3記載の抗
    酸化性高度不飽和油。
  5. 【請求項5】高度不飽和油が、脂肪酸成分としてエイコ
    サペンタエン酸及び/又はドコサヘキサエン酸を含有す
    る高度不飽和油脂である請求項3記載の抗酸化性高度不
    飽和油。
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