JPH10195434A - 抗酸化剤 - Google Patents

抗酸化剤

Info

Publication number
JPH10195434A
JPH10195434A JP9015985A JP1598597A JPH10195434A JP H10195434 A JPH10195434 A JP H10195434A JP 9015985 A JP9015985 A JP 9015985A JP 1598597 A JP1598597 A JP 1598597A JP H10195434 A JPH10195434 A JP H10195434A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antioxidant
oil
present
fatty acid
ascorbic acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9015985A
Other languages
English (en)
Inventor
Norio Odera
規夫 大寺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Lion Corp
Original Assignee
Lion Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Lion Corp filed Critical Lion Corp
Priority to JP9015985A priority Critical patent/JPH10195434A/ja
Publication of JPH10195434A publication Critical patent/JPH10195434A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)
  • Cosmetics (AREA)
  • Anti-Oxidant Or Stabilizer Compositions (AREA)
  • Fats And Perfumes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた酸化防止効果を有し、しかも種々の添
加方法が可能であり、生体に対する安全性の高い抗酸化
剤組成物を提供すること。 【解決手段】 (1)ローズマリー抽出物、(2)トコ
フェロール濃縮物及び(3)アスコルビン酸高級脂肪酸
エステルからなる3成分を含有する抗酸化剤において、
該3成分の割合が、(1)ローズマリー抽出物と(2)
トコフェロール濃縮物との合計量に対し、(3)アスコ
ルビン酸高級脂肪酸エステルが0.01〜10重量%で
あることを特徴とする抗酸化剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、種々の添加方法が
可能で、食品、化粧品、医薬品、石油製品、油脂加工品
等の酸化による品質の劣化を防止し、品質の安定化に有
効である抗酸化剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】産業上の商品における品質の劣化には、
熱、光等種々の要因が考えられるが、その根幹をなして
いるものは、酸化による物質特性の変化、若しくは新た
な化合物の生成である。商品中の初期酸化反応の中心と
なる標的としては、含有脂質中の不飽和脂肪酸が挙げら
れ、その酸化生成物は、過酸化脂質と呼ばれる極めて安
定性の低い化合物である。脂質の過酸化は、主として活
性酸素種と呼ばれる反応性の高い分子種によって引き起
こされるが、その機構は、ラジカルによる過酸化と非ラ
ジカルによる過酸化の2種に大別される。
【0003】前者は、活性酸素種の中でもヒドロキシラ
ジカル(OH・)等のラジカル種により、不飽和脂肪酸
中の二重結合に挟まれたメチレン水素(二重アリル水
素)が引き抜かれることによって反応が開始される。そ
の反応の結果として生じた脂質アルコキシラジカル(L
・)やその酸素との化合物である脂質ペルオキシラジカ
ル(LOO・)が、新たなラジカル種として他の脂質の
水素を引き抜き、自らは過酸化脂質の一種である脂質ヒ
ドロペルオキシド(LOOH)となるとともに、新たな
脂質アルコキシラジカル(L・)を生じる。
【0004】即ち、本機構は、自己触媒的なラジカル連
鎖反応であると言える。
【0005】一方、後者の機構の代表的なものとして
は、一重項酸素(12)による脂質の過酸化が挙げられ
る。一重項酸素(12)は、高エネルギー状態の電子軌
道を有する分子であるが、それ自体は、ラジカルではな
く、逆に求電子的な性質を有している。
【0006】よって、不飽和脂肪酸との反応は、二重結
合位への付加とアリル水素の転移による脂質ヒドロペル
オキシド(LOOH)の生成であり、ラジカル反応は伴
わない。
【0007】しかしながら、生成物である脂質ヒドロペ
ルオキシド(LOOH)は、その安定性の低さより容易
に脂質ペルオキシラジカル(LOO・)を生成し、前者
の反応機構へ移行する場合は多々ある。
【0008】一方、脂質ヒドロペルオキシド(LOO
H)からの派生物としては、脂質ペルオキシラジカル
(LOO・)以外に、その分離分解物であるアルデヒ
ド、ケトン、アルコール、酸等といった短鎖芳香族化合
物が挙げられる。これらの化合物は、味、香り、色等の
劣化の原因となり、特に食品等の嗜好性の高い商品にお
いて、その影響は重大である。
【0009】そして、過酸化脂質は、分離分解反応とは
逆に、重合反応による不溶性高分子を生成する場合もあ
る。これら重合物は、液状、クリーム状商品中では、お
り物質の発生や粘度上昇といった外観や物性の品質劣化
の原因となる。また、プラスチックやゴムといったよう
な石油製品においては、強度や弾性といった品質特性の
変化を引き起こす要因となる。
【0010】この様な酸化による品質劣化を防止する手
段としては、酸化防止剤の添加が挙げられる。ブチル化
ヒドロキシトルエン(BHT)やブチル化ヒドロキシア
ニソール(BHA)等は、古くはガソリンや石油製品用
の酸化防止剤として使用され、次いで、食品用の添加物
として我が国では、昭和29年より用いられている。
【0011】これらの化合物は、その構造中のフェノー
ル系水酸基の働きにより、ラジカル受容体として機能
し、自らは、安定ラジカルとなることで連鎖的なラジカ
ル反応を抑制する。その酸化防止効果の発揮のために、
例えば、食品中では50〜200ppmの添加濃度で添
加されることが知られている。
【0012】しかしながら、これら化合物に関しては、
動物実験で発がん性を示すデータが報告され(Ito, N.,
J. Natl. Cancer Inst. 70, 343 (1983))、これを受
けて現在では、食品添加物としての使用を極力見合わせ
るよう行政指導がなされている。
【0013】同じく、フェノール性の水酸基を有する抗
酸化剤として、トコフェロール類が挙げられる。該抗酸
化剤としては、現在、合成ではdl-α-トコフェロール、
天然物では8種類の異性体が知られており、その起源
は、大豆、パーム椰子等の植物に由来する。これら異性
体間の特徴として、α体はビタミンE活性が高く、γ、
δ体は油に対してより高い抗酸化能を示すことが知られ
ており、それぞれの特性に応じて使い分けられているの
が現状である。
【0014】この様に、トコフェロール類は、現在、広
く用いられている抗酸化剤であるが、元来、植物油に高
濃度含まれているため、植物油には更に添加しても、そ
の酸化安定性の向上がほとんど望めないのが欠点である
(藤本健四郎、食品と抗酸化物質:抗酸化物質、p10
7、学会出版センター(1994))。
【0015】一方、ローズマリー等のハーブ系香辛料
は、油脂及び油脂食品に対して酸化防止効果を有するこ
とはよく知られており、その抽出物は、現在、抗酸化剤
として用いられている(特公昭61−36724)。抽
出物中の抗酸化成分の中には、やはりフェノール性ジテ
ルペン類であるカルノソールやロズマノール等が含まれ
ていることは知られているが、現在のところ、全ての抗
酸化成分が明らかにされているわけではない。
【0016】また、該抽出物は、トコフェロール類とは
異なり、植物油に対しても抗酸化効果を有することが知
られている(平原文子:栄養学雑誌、32、1(197
5))。
【0017】しかしながら、該抽出物は、特有の強い香
気を有するため、嗜好性の高い食品関連の商品中では、
添加量が制限されてしまうという欠点を有している。
【0018】抗酸化剤の効果を増強する物質としては、
リン酸、クエン酸、アスコルビン酸等の有機酸の存在が
挙げられるが、これらは、いずれも水溶性物質であり、
油脂類に対する添加は自ずと制限されてしまう。近年、
この点を改良すべくアスコルビン酸の脂肪酸エステルが
開発されているが、該化合物は、対象商品中の微量不純
物、特に金属類の存在により、酸化促進的な作用を有す
る(S. G. Morris, J.Am. Oil Chem., 27, 105 (195
0))。また、該化合物は、熱安定性も低く、その分解物
は、酸化促進傾向を示す可能性がある。
【0019】そして、抗酸化効果の増強を狙って、前述
の各抗酸化成分を組み合わせた従来技術も存在するが
(特開平4−226588)、該技術は、その組成中に
占めるアスコルビン酸パルミテートの比率が高いため、
その使用量、使用温度に制限があり、未だ十分とは云え
ない。
【0020】従って、商品の酸化による品質劣化を可及
的に防止すべく、種々の使用場面において使用方法、使
用量に制限が少なく、十分な酸化防止効果が期待され、
なお且つ安全性の高い抗酸化剤の技術開発が切望されて
いる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みなされたもので、優れた酸化防止効果を有し、しか
も種々の添加方法が可能であり、生体に対する安全性の
高い抗酸化剤組成物を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するために鋭意検討を重ねた結果、(1)ローズマ
リー抽出物、(2)トコフェロール濃縮物及び(3)ア
スコルビン酸高級脂肪酸エステルの3成分からなる組成
物であって、該成分の特定割合のものは、意外にも、優
れた酸化防止作用を有することを知見し、本発明を完成
するに至った。
【0023】即ち、本発明は、(1)ローズマリー抽出
物、(2)トコフェロール濃縮物及び(3)アスコルビ
ン酸高級脂肪酸エステルからなる3成分を含有する抗酸
化剤において、該3成分の割合が、(1)ローズマリー
抽出物及び(2)トコフェロール濃縮物の合計量に対
し、(3)アスコルビン酸高級脂肪酸エステルが0.0
1〜10重量%であることを特徴とする抗酸化剤に関す
るものである。
【0024】本発明の特徴点は、(1)ローズマリー抽
出物、(2)トコフェロール濃縮物及び(3)アスコル
ビン酸高級脂肪酸エステルの3成分からなる抗酸化剤に
おいて、第1成分のローズマリー抽出物及び第2成分の
トコフェロール濃縮物の合計量に対し、第3成分のアス
コルビン酸高級脂肪酸エステルを、極く少量(0.01
〜10重量%)用いたにもかかわらず、予想外にも、格
別の好結果を得たところにある。
【0025】すなわち、前述したように、第1成分のロ
ーズマリー抽出物は、特有の強い香気を有するため、嗜
好性の高い食品関連の商品中では、添加量が制限される
こと、また、第2成分のトコフェロール濃縮物は、植物
油に高濃度含まれているため、植物油には更に添加して
も、その酸化安定性の向上が殆ど望めないこと等の理由
で、従来、このような第1成分と第2成分に、第3成分
のアスコルビン酸高級脂肪酸エステルを組み合わせる場
合、該第3成分は、第1成分や第2成分に対して、かな
り多く(2倍以上)用いるのが実状であった(特開平4
−226588)。
【0026】ところが、本発明によれば、上記の第1成
分と第2成分に、第3成分のアスコルビン酸高級脂肪酸
エステルを組み合わせる場合、該第3成分は、前者の2
つの成分に対して、従来とは逆に、かなり少なく用いた
にもかかわらず、各単独成分のものよりはもとより、従
来の該第3成分の配合割合が高い上記3成分併用のもの
より優れたものが得られるという、予想外の結果となっ
た。
【0027】これは、前述したように、第3成分のアス
コルビン酸高級脂肪酸エステルは、酸化防止対象物中の
微量不純物、特に金属類の存在により、酸化促進的な作
用を有すること、また、該化合物は、熱安定性も低く、
その分解物は、酸化促進傾向を示す可能性があるが、こ
のような酸化促進的な副作用が、上記の2つの成分との
併用により抑えられ、本来の抗酸化作用が促進されただ
けではなく、上記の2つの成分の抗酸化作用も促進され
た結果によるものと推察される。いずれにしても、上記
3成分の配合割合を特定値にしたことに伴う、相乗効果
によるものであることは疑いのないところである。
【0028】また、本発明の抗酸化剤を構成する各成分
は、食品衛生法上食品添加物として認められた安全性の
高い物質であるので、本発明の抗酸化剤は、安全性の点
で問題はなく、しかも、散剤、顆粒剤、細粒剤、カプセ
ル剤、液剤、懸濁剤、乳剤等いずれの添加形態でも適用
可能であるから、産業上極めて利用価値が高い。
【0029】以上のように、本件のような(1)ローズ
マリー抽出物、(2)トコフェロール濃縮物及び(3)
アスコルビン酸高級脂肪酸エステルの3成分からなる抗
酸化剤においては、第1成分と第2成分に対し、第3成
分のアスコルビン酸高級脂肪酸エステルの配合割合が高
いのが好ましいとされていたのが現状であった以上、本
発明のように、第1成分と第2成分に対し、第3成分の
アスコルビン酸高級脂肪酸エステルの配合割合を極端に
小さくするという構成を採用すること自体、常識では考
えられないことであるが、本発明では、このような構成
を採用することにより、従来のものより格段に優れたも
のが得られるという予想外の成果が達成されたものであ
ることからみて、本発明の抗酸化剤を構成する各成分と
その配合割合、特に、第3成分のアスコルビン酸高級脂
肪酸エステルの配合割合の選択には、格別の意義がある
ことが分かるであろう。
【0030】以下、本発明について、更に説明する。
【0031】まず、本発明の抗酸化防止剤を構成する3
成分について、以下、述べる。
【0032】第1成分のローズマリー抽出物としては、
公知のものがいずれも使用できる。
【0033】例えば、茶若しくは茶褐色の粉末状、或い
はペースト状物質で、植物油やモノグリセリド、ジグリ
セリドとの混合物の形態のものが挙げられる。該抽出物
の調製方法は公知の方法が採用できる。例えば、必要に
応じて乾燥されたローズマリーより溶媒、具体的には
水、熱水、メタノール、メタノール含水物、エタノー
ル、エタノール含水物、イソプロパノール、アセトン、
ノルマルヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル、ジ
エチルエーテル、炭酸ガス等を用いて抽出物を得、次い
で、この抽出物を減圧蒸留等による脱溶媒、又は、必要
に応じてケイ酸カラム、活性炭等を用いて精製する方法
等を用いることができる。
【0034】第2成分のトコフェロール濃縮物として
は、公知のものがいずれも使用できる。
【0035】例えば、茶若しくは茶褐色の液状物質で、
好ましくはトコフェロールと植物油の混合型濃縮物の形
態であり、ビタミンE含量は濃縮物の20重量%か、そ
れ以上を構成し、トコフェロール類、トコトリエノール
類それぞれのα、β、γ、δの各異性体のうち少なくと
も1種類以上を含むものが挙げられる。
【0036】第3成分のアスコルビン酸高級脂肪酸エス
テルとしては、公知のものがいずれも使用できる。
【0037】例えば、脂肪酸の炭素鎖長が14〜20、
好ましくは16〜18のものが挙げられるが、この時の
化合物の性状は、白色若しくは黄白色の結晶性粉末又は
粉末である。
【0038】次に、本発明の抗酸化剤を構成する各成分
の配合割合は、ローズマリー抽出物とトコフェロール濃
縮物との合計量に対し、アスコルビン酸高級脂肪酸エス
テルが0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量
%、更に好ましくは0.3〜2重量%である。アスコル
ビン酸高級脂肪酸エステルの配合割合は、0.01重量
%以下でも、10重量%を越えても抗酸化活性が低下
し、目的を達成することができない。
【0039】本発明の抗酸化剤の使用量は、酸化防止対
象物に対し、10重量%以下、好ましくは5重量%以
下、更に好ましくは1重量%以下で十分である。
【0040】本発明の抗酸化剤は、単独でも使用可能で
あるが、食品に適用する場合には、菜種油やコーン油等
の植物油及び/又はエタノール等のアルコールと予め混
合したものを用いるのが好ましい。その場合の抗酸化剤
の濃度は、1〜50重量%、好ましくは5〜30重量%
である。
【0041】本発明の抗酸化剤は、その製剤化に当り、
上記構成成分の有効量に、適当量の無毒性担体を配合
し、任意慣用の製造方法を用いて調製することができ
る。即ち、散剤、顆粒剤、細粒剤、カプセル剤、液剤、
懸濁剤、乳剤等様々な剤形に調製される。
【0042】この場合、製剤化するに際しては、無毒性
担体、例えばショ糖エステル、脂肪酸モノグリセリド、
プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪
酸エステル、レシチン等の界面活性剤、乳化剤、アラビ
ヤガム、ゼラチン、ソルビット、トラガカントガム、ポ
リビニルピロリドン等の結合剤、蔗糖、乳糖、デンプ
ン、結晶セルロース、マンニット、軽質無水ケイ酸、ア
ルミン酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシ
ウム、合成ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸
水素ナトリウム、リン酸水素カルシウム、カルボキシメ
チルセルロースカルシウム等の賦形剤、ステアリン酸マ
グネシウム、タルク、硬化油等の滑沢剤、食塩、サッカ
リン、オレンジ油、カンゾウエキス、クエン酸、ブドウ
糖、メントール、ユーカリ油、リンゴ酸等の矯味剤、矯
臭剤、ココナッツ油、オリーブ油、ゴマ油、落花生油、
大豆油、菜種油、アルコール、中鎖脂肪酸トリグリセリ
ド、ベニバナ油、大豆リン脂質等の懸濁剤、希釈剤、湿
潤剤、酢酸フタル酸セルロース(CAP)等のセルロー
ス、糖類等の炭水化物誘導体、アクリル酸メチル、メタ
アクリル酸共重合体、二塩基酸モノエステル類等のポリ
ビニル誘導体、その他の皮膜形成剤、コーティング助剤
等の成分を用いて慣用の方法で調製され、使用に供され
る。
【0043】本発明の抗酸化剤は、特に、食品に適用す
るのがよいが、その他、医薬品、化粧品、油脂加工品、
石油製品等にも応用することができる。
【0044】食品としては、例えば、ケーキ、パイ、ク
ッキー、ビスケット等の洋菓子又はパン、菓子パン類、
煎餅、あられ、あげ餅等の米菓、和菓子類、果汁、清涼
飲料等のジュース類及びキャンディー等のその加工品、
ビール、酒、ワイン等の酒類、ドレッシング、マヨネー
ズ等のソース類、チーズ、ヨーグルト等の乳製品、刺
身、魚肉すり身、魚肉ソーセージ、白身フライ等の魚
類、及びその加工品、畜肉、鯨肉、ベーコン、ハム、ソ
ーセージ、フライドチキン、ミートボール等の肉類及び
その加工品、大豆油、菜種油、米油、魚油、パーム油等
の油脂類、バター、マーガリン、ショートニング等の油
脂加工品類等が挙げられる。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、実験例と実施例を示し、本
発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制
限されるものではない。
【0046】なお、以下において「%」は、「重量%」
を意味する。
【0047】
【実験例1】本発明の抗酸化剤の抗酸化性を、抗酸化剤
無添加のものを対照とし、表1に示した各抗酸化剤と比
較することにより調べた。実験方法は、基準油脂分析法
2.4.28−1のAOM試験法に準じて実施した。対
象とした油脂は抗酸化剤無添加のラードを用いた。ラー
ド1000gを約50℃に加熱溶融し、これに各抗酸化
剤1g加えてよく混ぜ、AOM試験の試料とした。各試
料の抗酸化性は、対象油脂の過酸化物価(POV)が3
0に到達する時間を測定し、対象サンプルの到達時間か
らの延長時間を調べる事によって評価した。下記表1に
試験結果を示す。
【表1】 表1に示された結果から、本発明の抗酸化剤の添加によ
りラードの酸化が明らかに抑制されていることが判明し
た。
【0048】更に、本発明の抗酸化剤の抗酸化活性は、
その個々の成分や2成分の組み合わせの活性値(延長時
間)よりも高い値を示した。これは、個々の成分である
ローズマリー抽出物とトコフェロール濃縮物、及びアス
コルビン酸パルミテートの間の組み合わせ効果によるも
のである。
【0049】また、本発明の抗酸化剤は、アスコルビン
酸パルミテート含量を高くした抗酸化剤(比較例5)と
比較すると、より高い抗酸化活性を示した。これは、抗
酸化剤中のアスコルビン酸パルミテート比率が高すぎる
ため、その分解物や異性化物等による影響が現れている
ものと推察される。
【0050】
【実験例2】本発明の抗酸化剤の抗酸化性を、抗酸化剤
無添加のものを対照とし、他の抗酸化剤を比較例として
調べた。実験条件は、50℃における開放系のオーブン
試験の条件で実施した。対象とした油脂は抗酸化剤無添
加のリノール酸を用いた。表2の各抗酸化剤2gをリノ
ール酸1000gに加えよく混ぜて、試験試料対象油脂
の280nmにおける吸光値より油脂中の共役ジエン量
を算出し、油脂の酸化の指標とした。各試料の抗酸化性
は、対象油脂の共役ジエン濃度が100mmol/kg
に到達する時間を測定し、対象サンプルの到達時間から
の延長時間を調べる事によって評価した。下記表2に試
験結果を示す。
【表2】 表2に示された結果から、本発明の抗酸化剤の添加によ
りリノール酸の酸化が明らかに抑制されており、その活
性は、他の抗酸化剤で見られるものより強いものであっ
た。本実験例で用いた対象油脂は、植物油中の構成脂肪
酸であるリノール酸であり、本発明の抗酸化剤は、動物
油のみならず、植物油由来の油脂でも効力を発揮するこ
とが確認された。
【0051】以下、実際に、本発明の抗酸化剤を添加し
た製品の実施例を示す。なお、本発明の実施態様として
は、具体的には、以下の組成のクッキー等が挙げられる
が、これに限定されるものではない。
【0052】
【実施例1】 クッキー 抗酸化剤3 0.5g 大豆サラダ油 264.0g 砂糖 225.0g 卵 63.0g 牛乳 20.0g 薄力粉 425.0g 塩 2.5g 上記組成でクッキーを調製した。
【0053】なお、抗酸化剤3の組成は、以下の通りで
ある。
【0054】 ローズマリー抽出物 14.0% トコフェロール濃縮物 12.5% アスコルビン酸ステアレート 0.1% 菜種油 73.4%
【実施例2】 鯛煎餅 鯛すり身 300g エビすり身 60g 食塩 12g 白砂糖 15g グルタミン酸ソーダ 10g デンプン 603g 上記組成で煎餅生地を調製した後、本発明の抗酸化剤4
を0.1重量%含む油で揚げ、調味液で味付けをして鯛
煎餅を調製した。
【0055】なお、抗酸化剤4の組成は、以下の通りで
ある。
【0056】 ローズマリー抽出物 10.50% トコフェロール濃縮物 8.00% アスコルビン酸ステアレート 0.05% 菜種油 79.45% エタノール 2.00%
【実施例3】 着色料 抗酸化剤5 5g パーム油抽出カロチン 300g 植物油 695g 上記組成で着色料を調製した。
【0057】なお、抗酸化剤5の組成は、以下の通りで
ある ローズマリー抽出物 3.2% トコフェロール濃縮物 2.8% アスコルビン酸ステアレート 0.1% コーン油 90.9% エタノール 3.0%
【発明の効果】本発明の抗酸化剤は、ローズマリー抽出
物、トコフェロール濃縮物、及びアスコルビン酸高級脂
肪酸エステルからなる3成分を特定の割合で含有してお
り、その3成分の相乗効果により、格別に優れた酸化防
止効果を有する。
【0058】また、上記3成分からみて、安全性の面で
は問題は全くなく、種々の添加方法が可能であるので、
対象物に合わせて添加方法、添加量を調節できる。
【0059】従って、種々の製品の酸化による品質劣化
防止に有効であり、食品の他、医薬品、化粧品、油脂加
工品、石油製品等にも応用することができる点で価値が
高い。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年3月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正内容】
【0047】
【実験例1】本発明の抗酸化剤の抗酸化性を、抗酸化剤
無添加のものを対照とし、表1に示した各抗酸化剤と比
較することにより調べた。実験方法は、基準油脂分析法
2.4.28−1のAOM試験法に準じて実施した。対
象とした油脂は抗酸化剤無添加のラードを用いた。ラー
ド1000gを約50℃に加熱溶融し、これに各抗酸化
剤1g加えてよく混ぜ、AOM試験の試料とした。各試
料の抗酸化性は、対象油脂の過酸化物価(POV)が3
0に到達する時間を測定し、対象サンプルの到達時間か
らの延長時間を調べる事によって評価した。下記表1に
試験結果を示す。
表1表1に示された結果から、本発明の抗酸化剤の添加によ
りラードの酸化が明らかに抑制されていることが判明し
た。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正内容】
【0050】
【実験例2】本発明の抗酸化剤の抗酸化性を、抗酸化剤
無添加のものを対照とし、他の抗酸化剤を比較例として
調べた。実験条件は、50℃における開放系のオーブン
試験の条件で実施した。対象とした油脂は抗酸化剤無添
加のリノール酸を用いた。表2の各抗酸化剤2gをリノ
ール酸1000gに加えよく混ぜて、試験試料対象油脂
の280nmにおける吸光値より油脂中の共役ジエン量
を算出し、油脂の酸化の指標とした。各試料の抗酸化性
は、対象油脂の共役ジエン濃度が100mmol/kg
に到達する時間を測定し、対象サンプルの到達時間から
の延長時間を調べる事によって評価した。下記表2に試
験結果を示す。
表2表2に示された結果から、本発明の抗酸化剤の添加によ
りリノール酸の酸化が明らかに抑制されており、その活
性は、他の抗酸化剤で見られるものより強いものであっ
た。本実験例で用いた対象油脂は、植物油中の構成脂肪
酸であるリノール酸であり、本発明の抗酸化剤は、動物
油のみならず、植物油由来の油脂でも効力を発揮するこ
とが確認された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 7/00 A61K 7/00 K H C11B 5/00 C11B 5/00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)ローズマリー抽出物、(2)トコ
    フェロール濃縮物及び(3)アスコルビン酸高級脂肪酸
    エステルからなる3成分を含有する抗酸化剤において、
    該3成分の割合が、(1)ローズマリー抽出物と(2)
    トコフェロール濃縮物との合計量に対し、(3)アスコ
    ルビン酸高級脂肪酸エステルが0.01〜10重量%で
    あることを特徴とする抗酸化剤。
JP9015985A 1997-01-14 1997-01-14 抗酸化剤 Pending JPH10195434A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9015985A JPH10195434A (ja) 1997-01-14 1997-01-14 抗酸化剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9015985A JPH10195434A (ja) 1997-01-14 1997-01-14 抗酸化剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10195434A true JPH10195434A (ja) 1998-07-28

Family

ID=11903971

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9015985A Pending JPH10195434A (ja) 1997-01-14 1997-01-14 抗酸化剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10195434A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000077133A1 (fr) * 1999-06-16 2000-12-21 Kao Corporation Compositions de matieres grasses
WO2001017495A1 (en) * 1999-09-09 2001-03-15 The Boots Company Plc Skincare composition against free radicals
JP2002119214A (ja) * 2000-10-11 2002-04-23 Mitsubishi-Kagaku Foods Corp 小麦粉煎餅
JP2003064360A (ja) * 2001-08-28 2003-03-05 Nissui Pharm Co Ltd 抗酸化剤
JP2003113017A (ja) * 2001-09-28 2003-04-18 Kentetsuku:Kk 消臭魚油含有化粧品
JP2008179632A (ja) * 2006-12-29 2008-08-07 Fuji Chem Ind Co Ltd 抗酸化剤

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000077133A1 (fr) * 1999-06-16 2000-12-21 Kao Corporation Compositions de matieres grasses
US6858247B2 (en) 1999-06-16 2005-02-22 Kao Corporation Fat composition
WO2001017495A1 (en) * 1999-09-09 2001-03-15 The Boots Company Plc Skincare composition against free radicals
US7195787B1 (en) 1999-09-09 2007-03-27 The Boots Company Plc Skincare composition against free radicals
JP2002119214A (ja) * 2000-10-11 2002-04-23 Mitsubishi-Kagaku Foods Corp 小麦粉煎餅
JP2003064360A (ja) * 2001-08-28 2003-03-05 Nissui Pharm Co Ltd 抗酸化剤
JP2003113017A (ja) * 2001-09-28 2003-04-18 Kentetsuku:Kk 消臭魚油含有化粧品
JP2008179632A (ja) * 2006-12-29 2008-08-07 Fuji Chem Ind Co Ltd 抗酸化剤

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101275453B1 (ko) 유지 조성물
Schuler Natural antioxidants exploited commercially
Jacobsen et al. Oxidation in fish-oil-enriched mayonnaise: 2. Assessment of the efficacy of different tocopherol antioxidant systems by discriminant partial least squares regression analysis
Rasmy et al. Assessment of the antioxidant activity of sage (Salvia officinalis L.) extracts on the shelf life of mayonnaise
KR20040036941A (ko) 유지 조성물
JP5100974B2 (ja) 油脂組成物
RU2333675C2 (ru) Добавка для улучшения основного вкуса, содержащая высоконенасыщенную жирную кислоту с длинной цепью и/или ее сложный эфир, и содержащая ее композиция на основе растительного жира и масла
EP1683428B1 (en) Method of utilizing body taste improver comprising long-chain highly unsaturated fatty acid and/or ester thereof
WO2000077133A1 (fr) Compositions de matieres grasses
JPH099939A (ja) パーム油抽出天然抗酸化剤を含有する食品又は飼料
Bolognesi et al. Annatto carotenoids as additives replacers in meat products
JP4163218B2 (ja) ヘマトコッカス藻色素乳化組成物
KR20210152468A (ko) 식품용 유지감 증강제 및 식품의 유지감 증강방법
JPH10195434A (ja) 抗酸化剤
Buck Antioxidants
KR20150032636A (ko) 산화 안정성이 향상된 유지 및 그 제조방법
JP4383689B2 (ja) 油脂含有食品の風味劣化防止剤
Kochhar Deterioration of edible oils, fats and foodstuffs
WO2019187242A1 (ja) 油脂組成物
JPH01202278A (ja) 食品用品質保持剤
JPH11209755A (ja) パームオイルを使用した商品の処理方法
RU2531238C2 (ru) Майонез
RU2266686C1 (ru) Майонез диетический
JPH01222756A (ja) ドレッシング
RU2251347C1 (ru) Диетический майонез

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040831

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040907

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050111