JP2984294B2 - 3端子平行2回線送電線の短絡故障点標定方法 - Google Patents

3端子平行2回線送電線の短絡故障点標定方法

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JP2984294B2
JP2984294B2 JP2008979A JP897990A JP2984294B2 JP 2984294 B2 JP2984294 B2 JP 2984294B2 JP 2008979 A JP2008979 A JP 2008979A JP 897990 A JP897990 A JP 897990A JP 2984294 B2 JP2984294 B2 JP 2984294B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> この発明は、3端子平行2回線送電線の短絡故障点標
定方法に関し、さらに詳細にいえば、送電端側で検出さ
れる電圧、及び電流により3端子平行2回線送電線の短
絡故障(零相電圧の発生を伴なわない3相地絡等の場合
も含む)点の標定を行なう方法に関するものである。
<従来の技術> 変電所間の送電線は、電力供給の信頼度向上のため、
一般的に平行2回線方式で行われている。上記送電線
は、建造物内で保守管理されている変電所等と比較し
て、外部に起因する故障が不可避であり、故障発生時に
は、故障点探索作業が伴うが、特に、山間部における故
障点探索は非常に困難な場合がある。
そこで、3端子平行2回線送電線における短絡故障点
標定方法として、線間電圧と線間電流を入力とし、故障
時における線間電圧を線間電流で除算することにより、
送電端から故障点までのインピーダンスを求める、いわ
ゆる44Sリレーの演算原理による方法がある。
第5図は上記44S方式を説明するための3端子平行2
回線送電線を簡略化した回路図であり、この回路は送電
端(A)と2回線分岐点(T)との間に送電線(f1)
(f2)が接続され、2回線分岐点(T)と受電端(B)
(C)との間にそれぞれ送電線(f3)(f4)、(f5)
(f6)が接続され、受電端(B)(C)に負荷(LB)
(LC)が接続されたものである。同図において、 x;第5図Aにおける送電端(A)から故障点までの距
離、または、第5図B,Cにおける分岐点(T)から故障
点までの距離、 a;送電端(A)と2回線分岐点(T)間の距離、 b;2回線分岐点(T)と受電端(B)間の距離、 c;2回線分岐点(T)と受電端(C)間の距離、 ;送電線の単位長当りの正相インピーダンス、 a,b;送電端のa相,b相の電圧、 af,bf;故障点のa相,b相の電圧、 a1,b1;送電線(f1)のa相,b相の電流、 a2,b2;送電線(f2)のa相,b相の電流、 al′,b1′;送電線(f3)のa相,b相の電流、 a1″,b1″;送電線(f5)のa相,b相の電流、 LBa,LBb;故障時に負荷(LB)に流れるa相,b相の電
流、 LCa,LCb;故障時に負荷(LC)に流れるa相,b相の電
流、 とする。
但し、送電端(A)側で分る値はa,b,c,,
a,b,a1,b1,a2,b2のみである。
上記条件の下で44S方式のアルゴリズムにより、送
電端(A)と2回線分岐点(T)との間で送電線(f1)
のa相とb相とが短絡している場合(第5図A)、2
回線分岐点(T)と受電端(B)との間で送電線(f3)
のa相とb相とが短絡している場合(第5図B)、2
回線分岐点(T)と受電端(C)との間で送電線(f5)
のa相とb相とが短絡している場合(第5図C)におけ
る距離xを求める。尚、第5図Dは故障点の様相を示
す。
の場合には、キルヒホッフの電圧降下則から、下式
が成立する。
af−bf=a−b−x(a1−b1) 上式を変形すると (a−b)/(a1−b1) =x+(af−bf)/(a1−b1) …1 となる。
の場合には、上記の場合と同様にキルヒホッフの
電圧降下則から下式が成立する。
af−bf=a−b−(a+x)(a1−b
1) −x(a1″−b1″) 上式を変形すると (a−b)/(a1−b1) =(a+x)+ x(a1″−b1″)/(a1−b1)+ (af−bf)/(a1−b1) …2 となる。
またの場合には、上記の場合と同様にして、 (a−b)/(a1−b1) =(a+x)+ x(a1′−b1′)/(a1−b1)+ (af−bf)/(a1−b1) …3 となる。
以上の3つの式で示されるように右辺第1項が故障点
までの正相インピーダンスであり、これ以外に、故障点
電圧(故障抵抗が介在するために発生する)による下式
の故障点誤差 (af−bf)/(a1−b1)、 及び分岐点以遠の故障では分流による下式の分岐誤差 x(a1″−b1″)/(a1−b1) 又は x(a1′−b1′)/(a1−b1) が含まれる。
上記故障点誤差については、「短絡故障における(
af−bf)は小さい」、「(a1−b1)には短絡故障
電流と負荷電流が含まれるが、負荷電流は短絡故障電流
と比較して非常に小さいため無視でき、(af−bf)
/(a1−b1)は故障点抵抗と考えることができる」
という2つの理由から、リアクタンス成分を採用するこ
とにより、故障点誤差の影響を殆ど無くすことができ
る。従って下式4の演算を行なうことにより上記の場
合には故障点までの距離xを殆ど誤差の無い状態で算出
することができる。
Im[a−b)/(a1−b1)]=xIm[] …4 {但し、Im[…]はリアクタンス成分を示す。} <発明が解決しようとする課題> ところが、上記の場合には、故障電流が2回線分
岐に分流することにより分岐誤差が生ずるので、送電端
側、即ち距離リレーから見たインピーダンスは実際のイ
ンピーダンスよりも大きくなる。
上記の場合を例にして分岐誤差をさらに詳細に説明
する。の場合における電流分布は、一般に、次のよう
に表すことができる。
a1={LBa+LCa+af+afc(b−x)/
L} ×1/2 a2={LBa+LCa+af−afc(b−x)/
L} ×1/2 b1={LBb+LCb+bf+bfc(b−x)/
L} ×1/2 b2={LBb+LCb+bf−bfc(b−x)/
L} ×1/2 a1″={−LCa+afa(b−x)/L}/2 b1″={−LCb+bfa(b−x)/L}/2 af−bf=Rf af=−Rf bf=Rf af/2 但し、af,bfは各々故障点から流出するa相,b相
の故障電流であり、Rfは故障点抵抗であり、Lはa
b+bc+acである(第5図D参照)。
従って、上記第2式は (a−b)/(a1−b1)= (a+x)+ x{(LCb−LCa)+ (af−bf)a(b−x)/L}/ [{(LBa−LBb)+(LCa−LCb)}+ {1+c(b−x)/L}(af−bf)]+ Rf(af−bf)/[{(LBa−LBb)+(LCa− LCb)}+{1+c(b−x)/L}(af−bf)] となる。式中xで括られる項は分岐誤差であり、Rfで
括られる項は故障点誤差である。
そして、負荷電流差LBa−LBb,LCa−LCbは、
故障電流af−bfに比較して小さいので無視できるか
ら、上式は、 となる。
そして、インピーダンスのリアクタンス成分を採用す
れば、Rfで括られる項は抵抗成分であるため、キャンセ
ルされ、 Im[(a−b)/(a1−b1)]≒ [(a+x)+xa(b−x)/{L+c(b−x)}] ×Im[] となる。この式中の分岐誤差成分xa(b−x)/
{L+c(b−x)}は正の値であり、分岐以遠の
故障は真の故障点より遠くを標定する傾向となる。距離
リレーにおいては、アンダーリーチとなる。
ここで、分岐誤差をε(x)=xa(b−x)/
{L+c(b−x)}とし、分岐誤差の大きさを検
討する。両辺をxで微分し dε(x)/dx=0より、 c x2−2(L+ bc)x+b(L+b c)
=0 を得る。上式のxを求めると、 となるが、上記の場合には、xはbよりも小さいか
ら、最大値を与えるxは、 である。この値を関数ε(x)に代入して最大値を求め
ると、 となる。
ここで、a/b=β,a/c=γとすると、ε
(x)中のL/b cは、(a b+b c+a
c)/b c=1+β+γとなるから、 となる。そして、β→0とし、さらに、γ→∞として上
式が取り得る最大値を求めると、 となる。
尚、上記ε(x)の最大値を与えるxと、分岐点以遠
の距離bとの比について、さらに検討すれば、 なり、L/b c=δとすると上式は、 となる。そして、δ=L/b c=1+β+γであるか
ら、δ≧1であり、 となる。
以上の5式及び6式の結果から、44S方式によれば、
分岐以遠に故障が発生した場合には、真の故障点よりも
以遠を標定し、分岐以遠の略中間点における故障が最大
誤差となり、その大きさの最大値は、分岐以遠の距離
(b或はc)の25%となることが分かる。従って、
送電線路長が数Kmから数十Kmにわたる3端子平行2回線
送電線において、このような大きな誤差範囲を探索する
ことは、非常に困難であり、特に山間部においては、多
大な時間と労力を要することになる。
この発明は、分岐への分流が線路長さと関係があるこ
とに着目してなされたものであり、送電端側で得られる
情報のみに基いて分岐誤差の補正を正確に行ない、短絡
故障点探索における労力を軽減することを可能にする3
端子平行2回線送電線の短絡故障点標定方法を提供する
ことを目的とする。
<課題を解決するための手段> 上記目的を達成するため、この発明の3端子平行2回
線送電線の短絡故障点標定方法は、線間電圧を線間電流
で除し、この除算結果のリアクタンス成分を取り、さら
に送電端側における各回線の同相電流同士の差、及び送
電端から分岐点までの線路長さと分岐点から受電端まで
の線路長さとの比を用いて短絡故障時における受電端側
の線間電流を算出し、この算出した受電端側の線間電流
に基づいて上記リアクタンス成分に含まれる分岐誤差を
補正することを特徴とする。
<作用> 以上の本発明の短絡故障点標定方法であれば、2回線
分岐点と受電端(B)との間で短絡故障が発生した場合
(前述したの場合)には、送電端(A)で検出した線
間電圧a−bを線間電流a1−b1で除算し、除算
結果のリアクタンス成分を採用することにより、故障点
誤差をキャンセルして下式7を得る。
Im[(a−b)/(a1−b1)] ≒Im[(a+x)+ x(a1″−b1″)/(a1−b1)] …7 この7式を変形すると、下記7′式となる。
ここで、故障時における受電端(C)の相電流は、第
5図の説明で示したように a1″={−LCa+afa(b−x)/L}/2 b1″={−LCb+bfa(b−x)/L}/2 であるから、故障時における受電端(C)の線間電流は a1″−b1″ ={−(LCa−LCb)+ a(b−x)(af−bf)/L}/2 …8 となる。そして、負荷電流LCa,LCbは故障電流af,
bfに比較して小さいので無視することができ、受電端
(C)の線間電流は下式9で示すことができる。
a1″−b1″ ≒a(b−x)(af−bf)/2L …9 また、故障電流af,bfについては、先に説明した
とおり、の場合における電流分布より、 af=△a L/c(b−x) bf=△b L/c(b−x) …10 {但し、△a=a1−a2、 △b=b1−b2} と表すことができる。この10式の結果を9式に代入する
ことにより、受電端Cの線間電流は a1″−b1″ ≒(a/2c)(△a−△b) …11 となる。すなわち、故障時における受電端(C)の線間
電流を送電端(A)側で検出した各回線の相電流の差△
a,△bと線路長さの比a/cで表すことができ
る。
そして、上記11式によって求めた値を上記7′式に代
入することにより、分岐誤差を補正することができ、正
確に故障点を算出することができる。
また、故障の態様としては前述したの外にの場合
があるが、送電端側から故障点を見た場合には、2回線
分岐点以遠の回路は類似のものが並列に接続されている
ので、何れの故障においても同様に取扱うことができる
ことから、の場合についても上記と同じ解析を行なう
ことにより、下式12を得ることができる。
a1′−b1′ ≒(a/2b)(△a−△b) …12 そして、7′式のa1″−b1″に代えて12式で求め
たa1′−b1′の値を代入することにより、2回線分
岐点と受電端(C)間における短絡故障点を算出するこ
とができる。
<実施例> 以下、この発明の3端子平行2回線送電線おける短絡
故障点標定方法を添付図面に基いて詳細に説明する。
尚、前述した第5図の3端子平行2回線送電線符号と共
通するものについて同じ符号を使用する。
第1図は一般的な3端子平行2回線送電線、およびこ
の発明に係る短絡故障点標定方法に適用される短絡故障
点算出装置を示す図であり、3端子平行2回線送電線
(以下3端子系と略称する)は、送電端(A)側に高抵
抗(R)により接地された変圧器(TR)は配置し、変圧
器(TR)と2回線分岐点(T)との間、及び2回線分岐
点(T)と負荷(LB)(LC)との間に回線(L1)(L2)
を接続している。また、回線(L1)(L2)の所定の位置
から単回線(L′)を分岐させ、単回線(L′)に負荷
(LD)を接続している。そして、短絡故障点算出装置
(1)は送電端(A)側に配置されている。
上記短絡故障点算出装置(1)には、送電端(A)側
の回線(L1)のa相、b相及びc相に接続されるCT(1
a)(1b)(lc)と、回線(L2)のa相、b相及びc相
に接続されるCT(2a)(2b)(2c)と、送電端(A)側
の母線に接続されるPT(3)とが接続され、初段の補助
トランス(4)と、サンプルホールド回路(5)と、A/
D変換部(6)と、A/D変換部(6)により変換されたデ
ィジタル信号を格納するデータメモリ(7)と、短絡故
障検出部(8)と、データメモリ(7)に格納されてい
る電圧、電流に基いて送電端(A)と2回線分岐点
(T)間、2回線分岐点(T)と受電端(B)間、およ
び2回線分岐点(T)と受電端(C)間における故障点
標定を行なう故障点標定部(9)と、故障点標定部
(9)により算出された送電端(A)から短絡故障点ま
での距離等の情報を表示する表示部(10)とを有する。
上記短絡故障点算出装置(1)の動作は次の通りであ
る。
CT(1a)(1b)(1c)により送電端(A)側における
回線(L1)のa相、b相及びc相の電流a1,b1,c1
を検出すると共に、CT(2a)(2b)(2c)により回線
(L2)のa相、b相及びc相の電流a2,b2,c2を検
出する。また、PT(3)により線間電圧a−b,b
−c,c−aを検出する。これら各相の電流a1,
b1,c1,a2,b2,c2、及び線間電圧a−b,
b−c,c−aはそれぞれ補助トランス(4)に供
給される。補助トランス(4)は上記電圧、電流を所定
のレベルの電圧信号に変換して、サンプルホールド回路
(5)に供給する。サンプルホールド回路(5)は、上
記所定レベルに変換された電圧信号を所定角度(例えば
30度)毎にサンプリングしてA/D変換部(6)に供給す
る。A/D変換部(6)はサンプルホールド回路(5)か
らのアナログ信号をディジタル信号に変換し、データメ
モリ(7)に格納する。そして、短絡故障検出部(8)
(例えば27リレー)が、線間電圧の低下に基いて短絡故
障を検出し、故障点標定部(9)に故障点標定動作を開
始させる。故障点標定部(9)はデータメモリ(7)に
格納されている電流、電圧データを、短絡故障検出相に
応じて取り出す。a,b間の短絡故障の場合について以下
に説明する。各回線(L1)(L2)の各相電流a1,b1,
a2,b2、及び線間電圧a−bを取り込み、第2
図に示すフローチャートに従って故障点標定動作を開始
する。
ステップにおいて、既に示した式4により送電端
(A)側における線間電圧を線間電流で除し、除算結果
のリアクタンス成分を求める。
すなわち、 x=Im[(a−b)/(a1−b1)]/Im[] なる演算を行なってリアクタンス成分を求め、故障点誤
差を取り除く。(このステップは従来と同様であ
る。) ステップにおいて、xとaとを比較し、x≦a
であれば、送電端(A)と2回線分岐点(T)間に短絡
故障が発生していると見做し、ステップにおいて、x
を送電端(A)から故障点までの距離とする。
上記ステップにおいて、x>aであれば、2回線
分岐点(T)と受電端(B)との間、或は2回線分岐点
(T)と受電端(C)との間に短絡故障が発生している
と見做し、ステップにおいて下式13、14の演算を行な
う。すなわち、分岐誤差を考慮した故障点標定をする。
但し、△a、△bは下式で示される。すなわち、
回線(L1)(L2)のa相電流同士の差、及びb相電流同
士の差である。
△a=a1−a2、△b=b1−b2 ステップにおいて、上記x′を2回線分岐点(T)
と受電端(B)との間に短絡故障が発生した場合におけ
る故障点とする。
ステップにおいて、上記x″を2回線分岐点(T)
と受電端(C)との間に短絡故障が発生した場合におけ
る故障点とする。
ステップにおいて短絡故障点標定フローを終了す
る。
以上のように、13式により2回線分岐点(T)と受電
端(B)との間に短絡故障が発生した場合における2回
線分岐点(T)から短絡故障点までの距離x′(すなわ
ち故障点)を求めることができ、また、14式により、2
回線分岐点(T)と受電端(C)との間に地絡故障が発
生した場合における2回線分岐点(T)から短絡故障点
までの距離x″を求めることができる。
但し、送電端(A)側において算出した2回線分岐点
(T)から短絡故障点までの距離x,x″は算出すること
はできるが、短絡故障が受電端(B)側、及び受電端
(C)側の何れの側で発生しているのかは判定できな
い。しかし、何れの側に発生していても、2回線分岐点
(T)から短絡故障点までの距離x′,x″は特定される
から、該当する地点における各回線(L1)(L2)を調べ
ることにより、容易に短絡故障点を見出だすことができ
る。
上記実施例の故障点標定方法は、ステップにおい
て、受電端(C)の線間電流a1″−b1″、受電端
(B)の線間電流a1′−b1′をそれぞれ前述(作用
の項)において示した11、12式に示すように、送電端側
で検出した回線(L1)(L2)の相電流の差△a,△b
と、線路長さの比a/c、a/bで表している。
すなわち、11,12式を使用することにより、受電端
(B)(C)側から線間電流の供給を受けることなく送
電端(A)において検出できるデータのみに基いて受電
端(C)の線間電流、受電端(B)の線間電流を算出し
て分岐誤差を補正することができる。
以下においては、短絡故障点標定の根拠とする11,12
式が成立することを証明する。
まず、上記第1図の3端子系を簡略化する。第1図の
3端子系において、負荷(LB)(LC)(LD)に流れる電
流LBa,LBb,LCa,LCbが故障電流af,bfと比較
して小さいことから、負荷(LB)(LC)(LD)と回線
(L1)(L2)を切り離して取扱うことができる。また、
単回線(L′)の何れの点で短絡故障が発生しても、各
2回線端子(A)(B)(C)における相電流の分流比
は同じであるので、送電端(A)から見た場合における
短絡故障による電流は、当該単回線と2回線との接続点
で発生したものと見なすことができ、単回線(L′)を
省略して取り扱うことができる。従って、上記第1図の
3端子系送電線は第3図に示される回路図で示すことが
できる。尚、第3図中のaf′は短絡故障点と対称に仮
想短絡点を設定し、この仮想短絡点から流出する大きさ
零の仮想故障電流とする。
上記回路において各回線(L1)(L2)のa相電流同士
の差、及び故障電流同士の差は a1−a2=△a a1′−a2′=△a′ af−af′=△af=af で現される。また、b相についても同様に b1−b2=△b b1′−b2′=△b′ bf−bf′=△bf=bf で現される。
次に、上記差電流を用いて第3図の回路をさらに簡略
化する。すなわち、2回線分岐点(T)と受電端(B)
との間に短絡故障が発生した場合は、第4図Aに示すよ
うな回路になり、2回線分岐点(T)と受電端(C)と
の間に短絡故障が発生した場合は、第4図Bに示すよう
な回路になる。
そして、第4図Aの差電流等価回路を解析して、2回
線分岐点(T)から受電端(B)までの間に短絡故障が
発生した場合における受電端(C)の線間電流を求め
る。
まず、キルヒホッフの電圧降下則により、 a△a−b△a′=−x△af …15 a△a−c△a″=0 …16 が成立し、次いで、電流連続則により、 △a+△a′+△a″=△af …17 が成立する。尚、b相についても同様に a△b−b△b′=−x△bf …18 a△b−c△b″=0 …19 △b+△b′+△b″=△bf …20 が成立する。そして、15,16,17式により af=△af=△a L/c(b−x) …21 が求められる。また、18,19,20式により bf=△bf=△b L/c(b−x) …22 が求められる。このaf、及びbfを前述した a1″−b1″ ≒a(b−x)(af−bf)/2L …9 なる式に代入すれば、 a1″−b1″≒(a/2c)(△a−△b) となる。
以上のようにして、11式が成立することを証明した。
次いで、第4図Bの差電流等価回路についても上記第
4図Aの差電流等価回路と同様に解析することにより、 a1′−b1′≒(a/2b)(△a−△b) が成立することが証明できる。尚、送電端側(A)から
負荷側を見た場合には、第4図Bと第4図Aの相違は、
線路長さが相違しているのみであり、解析過程を説明す
るまでもなく、12式の成立は自明である。
<発明の効果> 以上のこの発明によれば、送電端側における各回線の
同相電流同士の差、及び送電端から分岐点までの線路長
さと分岐点から受電端までの線路長さとの比を用いて、
短絡故障時における受電端側に流れる線間電流を算出
し、この線間電流により分岐誤差を正確に補正すること
により、受電端側からの情報(電流データ)がなくて
も、分岐点以遠に発生する短絡故障点標定を正確に行な
うことができ、故障点探索作業を軽減することができる
という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は3端子平行2回線送電線、及び短絡故障点標定
方法に適用される短絡故障点算出装置を示す図、 第2図は短絡故障点を標定するためのフローチャート、 第3図は第1図の3端子平行2回線送電線を簡略化した
図、 第4図は差電流等価回路を示す図、 第5図は44S方式を説明するための回路図。 (1)……短絡故障点算出装置、 (1a)(1b)(1c)(2a)(2b)(2c)……CT、(3)
……PT、 (8)……短絡故障検出部、(9)……故障点標定部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 進 大阪府大阪市北区中之島3丁目3番22号 関西電力株式会社内 (72)発明者 石津 京二 大阪府大阪市北区中之島3丁目3番22号 関西電力株式会社内 (72)発明者 江村 徳男 京都府京都市右京区梅津高畝町47番地 日新電機株式会社内 (72)発明者 中森 英樹 京都府京都市右京区梅津高畝町47番地 日新電機株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−110067(JP,A) 特開 昭63−200077(JP,A) 特開 昭64−88265(JP,A) 特公 平7−50145(JP,B2) 特公 平7−50146(JP,B2) 特公 平7−122651(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01R 31/08 H02H 3/36,3/40

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】3端子平行2回線送電線の線間電圧を線間
    電流で除し、この除算結果のリアクタンス成分に基づい
    て送電端から短絡故障点までの距離を標定する短絡故障
    点標定方法において、送電端側における各回線の同相電
    流同士の差、及び送電端から分岐点までの線路長さと分
    岐点から受電端までの線路長さとの比を用いて短絡故障
    時における受電端側の線間電流を算出し、この算出した
    受電端側の線間電流に基づいて上記リアクタンス成分に
    含まれる分岐誤差を補正することを特徴とする短絡故障
    点標定方法。
  2. 【請求項2】上記「受電端側の線間電流」は、分岐点T
    と受電端Bとの間の第1回線のa相とb相とが短絡して
    いる場合、送電端Aから分岐点Tまでの線路長さa、
    分岐点Tから受電端Cまでの線路長さc、送電端Aに
    おける各回線の同相電流同士の差ΔIa,ΔIbを用いて
    (Iは複素数を表す)、 (a/2c)(ΔIa−ΔIb) で表される特許請求の範囲第1項記載の短絡故障点標定
    方法。
  3. 【請求項3】上記「受電端側の線間電流」は、分岐点T
    と受電端Cとの間の第1回線のa相とb相とが短絡して
    いる場合、送電端Aから分岐点Tまでの線路長さa、
    分岐点Tから受電端Bまでの線路長さb、送電端Aに
    おける各回線の同相電流同士の差ΔIa,ΔIbを用いて
    (Iは複素数を表す)、 (a/2b)(ΔIa−ΔIb) で表される特許請求の範囲第1項記載の短絡故障点標定
    方法。
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