JP2984253B1 - グロー放電発光分光分析方法および装置 - Google Patents

グロー放電発光分光分析方法および装置

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JP2984253B1 JP20026798A JP20026798A JP2984253B1 JP 2984253 B1 JP2984253 B1 JP 2984253B1 JP 20026798 A JP20026798 A JP 20026798A JP 20026798 A JP20026798 A JP 20026798A JP 2984253 B1 JP2984253 B1 JP 2984253B1
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Abstract

【要約】 【課題】 基板の上に光を透過する薄膜を有し、かつ、
基板や薄膜の表面が鏡面状の試料について、簡単に、し
かも十分正確な分析ができるグロー放電発光分光分析方
法および装置を提供する。 【解決手段】 スパッタリング時間に対する測定強度の
周期的な変化である波について、その平均周期を算出
し、測定時刻を中心とする平均周期内における測定強度
の平均値を算出し、その測定時刻における補正後の測定
強度とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、試料をスパッタ
リングしながら、発生した光を分光器で分析するグロー
放電発光分光分析方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】気体圧力が500〜1300Pa程度の
アルゴン(Ar)雰囲気中で、二つの電極間に直流また
は高周波の高電圧を印加すると、グロー放電が起こり、
Arイオンが生成される。生成したArイオンは高電界
で加速され、陰極表面に衝突し、そこに存在する物質を
たたき出す。この現象をスパッタリングと呼ぶが、スパ
ッタされた粒子(原子、分子、イオン)はプラズマ中で
励起され、基底状態に戻る際にその元素に固有の波長の
光を放出する。この発光を分光器で分光して元素を同定
する分析法が、グロー放電発光分光分析方法と呼ばれて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、かか
る分析法を用いて、シリコンウェハのような基板の上
に、光を透過するSi O2 等の薄膜を有し、かつ、前記
基板や薄膜の表面が鏡面状の試料の分析が行われてい
る。図3に示すように、このような試料の測定結果にお
いて、スパッタリング時間に対する測定強度の周期的な
変化である波がみられる。これは、例えば、プラズマ中
で発生した光が基板の表面で反射した光と、同様に薄膜
の表面で反射した光とが、薄膜が徐々に薄くなっていく
につれ、干渉現象により強め合ったり、弱め合ったりし
て干渉波となり、その干渉波が、プラズマ中で発生して
直接分光器に入射する光とともに測定されるためであ
る。
【0004】すなわち、試料において薄膜の組成が変化
しているわけではないのに、測定強度が変化することに
なり、正確な分析ができない。これに対し、特願平04
−218503号に記載されているように、スパッタリ
ング深さに対する相対理論強度を用いて、測定強度から
干渉波分の強度を差し引いた強度を得ることもできる
が、実際の試料について相対理論強度の計算に必要な物
理定数が求められていない場合もあり、適切な適用に限
界がある。また、特開平06−102180号に記載さ
れているように、プラズマを横方向から観測すれば、干
渉波の影響は避けられるが、グロー放電では放電条件に
よって厚みが薄いプラズマの位置が変動するため、分光
器におけるピーク位置が変動して、やはり正確な分析が
できない。
【0005】そこで本発明は、基板の上に光を透過する
薄膜を有し、かつ、基板や薄膜の表面が鏡面状の試料に
ついて、簡単に、しかも十分正確な分析ができるグロー
放電発光分光分析方法および装置を提供することを目的
とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項1に係るグロー放電発光分光分析方法では、
基板の上に光を透過する薄膜を少なくとも1層有し、か
つ、基板および薄膜のうち少なくとも2つの表面が鏡面
状の試料の薄膜をスパッタリングしながら、発生する光
の測定強度に基づいて試料に対し、まず、スパッタリン
グ時間に対する測定強度の周期的な変化である波につい
て、その平均周期を算出する。そして、測定時刻を中心
とする平均周期内における測定強度の平均値を算出し、
その測定時刻における補正後の測定強度とする。
【0007】請求項1の方法によれば、波がほぼ一定の
周期を有することに着目し、その平均周期内において、
干渉波分を含めて測定強度を平均化することにより波形
状を取り除くので、かかる試料について、物理定数を用
いた理論強度計算をすることなく、簡単に、しかも十分
正確な分析ができる。また、プラズマを横方向から観測
するわけではないので、放電条件が変わっても、分光器
におけるピーク位置等が変動することもなく、分析の正
確さは変わらない。
【0008】請求項2に係るグロー放電発光分光分析方
法では、請求項1の方法において、測定開始後平均周期
の2分の1以内の測定時刻における測定強度について、
その測定時刻より平均周期後における前記補正前後の測
定強度の差を算出し、その差を当該測定強度から減じ
て、その測定時刻における補正後の測定強度とする。請
求項2の方法によれば、請求項1の方法が適用できない
測定開始後平均周期の2分の1以内における測定強度に
ついては、最も近似した平均周期後における測定強度の
前記補正前後の値に基づいて、干渉波分を含めて測定強
度を平均化することにより波形状を取り除くので、かか
る範囲の測定強度についても、簡単に、しかも十分正確
な分析ができる。
【0009】請求項3に係るグロー放電発光分光分析方
法では、請求項1または2の方法において、前記波を含
む最後の平均周期の2分の1以内の測定時刻における測
定強度について、その測定時刻より平均周期前における
前記補正前後の測定強度の差を算出し、その差を当該測
定強度から減じて、その測定時刻における補正後の測定
強度とする。請求項3の方法によれば、前記波を含む最
後の平均周期の2分の1以内における測定強度について
は、最も近似した平均周期前における測定強度の前記補
正前後の値に基づいて、干渉波分を含めて測定強度を平
均化することにより波形状を取り除くので、かかる範囲
の測定強度についても、簡単に、しかも十分正確な分析
ができる。
【0010】請求項4に係るグロー放電発光分光分析装
置は、前記請求項1の方法に用いる装置であり、陽極管
を有するグロー放電管や、補正後の測定強度を求める補
正演算手段を備えている。請求項4の装置によっても、
前記請求項1の方法と同様の作用効果が得られる。
【0011】請求項5に係るグロー放電発光分光分析装
置は、前記請求項2の方法に用いる装置であり、前記補
正演算手段が、測定開始後平均周期の2分の1以内の測
定時刻における測定強度について、その測定時刻より平
均周期後における前記補正前後の測定強度の差を算出
し、その差を当該測定強度から減じて、その測定時刻に
おける補正後の測定強度とする。請求項5の装置によっ
ても、前記請求項2の方法と同様の作用効果が得られ
る。
【0012】請求項6に係るグロー放電発光分光分析装
置は、前記請求項3の方法に用いる装置であり、前記補
正演算手段が、前記波を含む最後の平均周期の2分の1
以内の測定時刻における測定強度について、その測定時
刻より平均周期前における前記補正前後の測定強度の差
を算出し、その差を当該測定強度から減じて、その測定
時刻における補正後の測定強度とする。請求項6の装置
によっても、前記請求項3の方法と同様の作用効果が得
られる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態のグロ
ー放電発光分光分析方法を図面にしたがって説明する。
まず、この方法に用いる装置について説明する。この装
置では、図1に示すように、グロー放電を利用したスパ
ッタリングにより元素に固有の波長の光を発生するグリ
ムグロー放電管1から放出されて、その窓板13を透過
した光Sが、分光器22に入射する。分光器22は、入
射スリット24、この入射スリット24から入射した光
Sを波長に応じて異った回折角度で回折する回折格子2
6、回折光を通過させる出射スリット27および回折光
の強度を測定する光電子増倍管28を備えている。
【0014】また、この装置は、グロー放電管として、
図2に示すような中空陽極型のグリムグロー放電管1を
用いている。このグリムグロー放電管1は、支持ブロッ
ク(試料6が当接される支持部であって、本実施形態で
は同時に絶縁部である)2と陽極ブロック3とが、Oリ
ングなどのシール部材11を介して接合されている。陽
極ブロック3には、中空陽極管3dが一体形成されてお
り、この陽極管3dは、支持ブロック2に挿通され、試
料6の分析面(表面)7aに近接している。
【0015】ここで、試料6は、例えば、シリコンウェ
ハのような基板8の上に、BPSG膜(Si O2 、B2
3 、P2 5 からなるガラス質の膜)のような光を透
過する薄膜7を有するものである。この基板8および薄
膜7は、ともに、その表面8aおよび表面7aが鏡面に
なっている。試料6は、その分析面7aにおける分析す
べき部位を囲む環状形状となったOリングなどのシール
部材11を介して、主に陰極ブロック4により支持ブロ
ック2に気密状態で押し付けられる。
【0016】こうして、試料6により中空陽極管3dを
収納する支持ブロック2の内方空間(グロー放電空間)
Vの開口部を密閉し、この内方空間Vを、図示しない真
空排気装置(減圧手段)により、第1および第2真空排
気孔3b,3cから真空引きするようになっている。さ
らに、陽極ブロック3は、アルゴンガス供給孔3aを有
しており、管内Vがアルゴンの希ガス雰囲気(500〜
1300Pa)とされる。
【0017】このグリムグロー放電管1は、陽極ブロッ
ク3と陰極ブロック4との間に電源部(給電手段)12
により高周波または直流の電圧を印加してグロー放電を
発生させるとともに、陰極ブロック4を通じ試料6に負
電圧を印加し、グロー放電の発生により生成されるアル
ゴンの陽イオンを試料の分析面7aに衝突させて、試料
6をスパッタリングするものである。また、冷却液を、
陰極ブロック4の図示しない冷却液導入路からジャケッ
ト内に導入して冷却液排出路まで送給することにより、
陰極ブロック4を介し試料6と中空陽極管3dを冷却し
ている。
【0018】また、この装置は、図1に示すように、補
正演算手段19を備えている。補正演算手段19は、ま
ず、スパッタリング時間に対する測定強度の周期的な変
化である波について、その平均周期を算出する。そし
て、測定時刻を中心とする平均周期内における測定強度
の平均値を算出し、その測定時刻における補正後の測定
強度とする。
【0019】さらに、補正演算手段は、測定開始後平均
周期の2分の1以内の測定時刻における測定強度につい
ては、その測定時刻より平均周期後における前記補正前
後の測定強度の差を算出し、その差を当該測定強度から
減じて、その測定時刻における補正後の測定強度とす
る。同様に、前記波を含む最後の平均周期の2分の1以
内の測定時刻における測定強度については、その測定時
刻より平均周期前における前記補正前後の測定強度の差
を算出し、その差を当該測定強度から減じて、その測定
時刻における補正後の測定強度とする。
【0020】次に、この装置を用いた本実施形態の方法
について説明する。今、分析しようとする試料6は、前
述したように、図2に示すように、例えば、シリコンウ
ェハ基板8の上にBPSG膜である薄膜7を有するもの
であり、基板8および薄膜7の表面8a,7aが鏡面に
なっている。この試料の分析面7aを支持ブロック2に
当接させ、陰極ブロック4を押しつけ導通接触させると
ともに、試料6を保持する。また、図示しない減圧手段
により支持ブロック2の内方空間Vが真空引きされ、ア
ルゴンの希ガス雰囲気(500〜1300Pa)にされ
ると、試料の分析面7aは、背面6eにかかる大気圧に
よっても、シール部材11を介して支持ブロック2に押
し付けられ、密着する。
【0021】そして、陽極ブロック3と陰極ブロック4
を通して、陽極管3dと試料6との間に、電源部(給電
手段)12により高周波または直流の電圧を印加する
と、グロー放電を生じ、アルゴンの陽イオンが生成され
る。このArイオンにより試料6がスパッタリングさ
れ、発生した光Sは、窓板13を透過し、図1の入射ス
リット24を通して、分光器22の回析格子26に向か
う。この回析格子26は、所定の波長の光を回析させ、
出射スリット27を通して、光電子増倍管28に入射さ
せる。光電子増倍管28は入射した光の強度を測定す
る。
【0022】これにより、例えば、図3に示すような、
スパッタリング時間に対する各元素についての測定強度
の変化が得られる。なお、測定強度が得られた元素のう
ち、発明の説明に特に必要ないものは、図示を省略して
いる。ここで、前述したように、反射光の干渉により、
各元素において、スパッタリング時間に対する測定強度
の周期的な変化である波がみられ、正確な分析の障害と
なる。
【0023】そこで、本実施形態の方法では、用いる装
置の前記補正演算手段19(図1)により、まず、波に
ついて、その平均周期Tを算出する。具体的には、図3
中のB(ほう素)を例にとると、波の数をn(波の頂点
の数をn+1)として、次式(1)による。
【0024】 T=ΣTi /n (i=1〜n) …(1)
【0025】なお、ΣTi は、最初の波の頂点が現れた
測定時刻t0 から最後の波の頂点が現れた測定時刻tn
までの時間となる。そして、測定時刻tを中心とする測
定時刻t−T/2から測定時刻t+T/2までにおける
測定強度Iの平均値を算出し、その測定時刻tにおける
補正後の測定強度 CIとする。
【0026】このように、本実施形態の方法によれば、
波がほぼ一定の周期を有することに着目して、その平均
周期T内において、干渉波分を含めて測定強度Iを平均
化することにより波形状を取り除くので、かかる試料6
について、物理定数を用いた理論強度計算をすることな
く、簡単に、しかも十分正確な分析ができる。また、プ
ラズマを横方向から観測するわけではないので、放電条
件が変わっても、分光器22(図1)におけるピーク位
置等が変動することもなく、分析の正確さは変わらな
い。
【0027】なお、本実施形態の方法では、測定強度I
から干渉波分の強度を差し引くのではなく、干渉波分を
含む測定強度全体Iを平均化することにより波形状を取
り除くので、補正後の測定強度 CIにも干渉波分の強度
が平均化されて含まれることになる。しかし、グロー放
電発光分光分析は、測定した絶対強度に基づくものでは
なく、相対強度に基づくので、検量線の作成時から一貫
してこの方法で測定すれば、補正後の測定強度 CIに干
渉波分の強度が含まれていても、何ら問題はない。
【0028】さて、このような補正後の測定強度 C
を、測定開始時刻(スパッタリング開始時刻)ts から
測定終了時刻(スパッタリング終了時刻)te までのう
ち、いつからいつまでの測定時刻tにおいて求めるかが
問題となる。まず、いつまでの測定時刻tにおいて求め
るかについては、層の境界判定の問題となるが、周知の
種々の方法があり、例えば、測定強度Iが、波の測定強
度の平均(波形状を呈し、干渉波分の強度を含んでいる
と思われる部分の測定強度の平均)Ia の2分の1に減
少するまでの測定時刻(t≦tf )において、前記補正
後の測定強度 CIを求める。また、測定強度Iの微分値
(傾き)が極小値をとる測定時刻まで、前記補正後の測
定強度 CIを求めてもよい。
【0029】すなわち、本実施形態の方法では、波の測
定強度の平均Ia の2分の1に減少した後の測定強度I
に補正を行うと、実際には分析対象の薄膜7(図1)が
ほとんどスパッタリングしつくされたときの測定強度I
をも取り込んで平均化することになり、実情に沿わない
ので、補正せず、もとの測定強度Iのままとする。この
ように、本実施形態の方法によれば、分析対象の薄膜7
(図1)がスパッタリングしつくされたとき、急峻に立
ち下がるべき測定強度Iが、平均化により鈍化すること
がないので、いっそう正確な分析ができる。なお、今回
例にとった試料におけるSi のように、薄膜にも基板に
も含まれる元素については、測定強度Iの急峻な立ち下
がりはないので、補正後の測定強度 CIを求めることが
可能な、測定終了時刻te よりも平均周期Tの2分の1
前の測定時刻te −T/2までにおいて補正を行えばよ
い。
【0030】次に、補正後の測定強度 CIを、いつから
の測定時刻tにおいて求めるかについてであるが、測定
開始(図3中の測定時刻ts )後平均周期Tの2分の1
以内の測定時刻tにおける測定強度It については、補
正後の測定強度 CIを求めるための測定時刻t−T/2
から測定時刻t+T/2までの測定強度Iが確保でき
ず、すなわち、補正に用いるべき測定強度Iの一部が、
測定開始時刻ts よりも前におけるものとなって存在し
ないので、補正後の測定強度 CIを求めることができな
い。そこで、本実施形態の方法では、測定開始後平均周
期Tの2分の1以内の測定時刻tにおける測定強度It
については、次式(2)に示すように、その測定時刻t
より平均周期Tだけ後(すなわち測定時刻t+T)にお
ける前記補正前後の測定強度It+T Ct+T の差を算
出し、その差を当該測定強度It から減じて、その測定
時刻tにおける補正後の測定強度 CIとする。
【0031】 CI=It −(It+T Ct+T ) (ts ≦t≦ts +T/2) …(2)
【0032】このように、本実施形態の方法によれば、
測定開始後平均周期Tの2分の1以内における測定強度
Iについては、最も近似した平均周期T後における測定
強度の前記補正前後の値It+T Ct+T に基づいて、
干渉波分を含めて測定強度Iを平均化することにより波
形状を取り除くので、かかる範囲の測定強度Iについて
も、簡単に、しかも十分正確な分析ができる。
【0033】さらに、本実施形態の方法では、同様に、
波を含む最後の平均周期Tの2分の1以内の測定時刻t
における測定強度It について、次式(3)に示すよう
に、その測定時刻tより平均周期Tだけ前(すなわち測
定時刻t−T)における前記補正前後の測定強度
t-T Ct-T の差を算出し、その差を当該測定強度
tから減じて、その測定時刻tにおける補正後の測定
強度 CIとする。ここで、波を含む最後の平均周期Tの
2分の1以内とは、測定強度Iが、波形状を呈し、干渉
波分の強度を含んでいると思われる測定時間のうち、最
後の平均周期Tの2分の1の測定時間をいい、例えば、
最後の波の頂点が現れた測定時刻tn から平均周期Tの
2分の1経過までの測定時間をいう。
【0034】 CI=It −(It-T Ct-T ) (tn ≦t≦tn +T/2) …(3)
【0035】なお、この補正を行う場合、最後の波の頂
点が現れた測定時刻tn 以降の測定時刻tが、前述した
層の境界と判定されるまでの測定時刻(t≦tf )に該
当しても、測定時刻tを中心とする測定強度の平均値を
求める補正は行わない。また、「波を含む最後の平均周
期Tの2分の1以内」を、前述した層の境界と判定され
る測定時刻tf から前の平均周期Tの2分の1の測定時
間とすることもできる。
【0036】このように、本実施形態の方法によれば、
波を含む最後の平均周期Tの2分の1以内における測定
強度Iについては、最も近似した平均周期T前における
測定強度の前記補正前後の値It-T Ct-T に基づい
て、干渉波分を含めて測定強度Iを平均化することによ
り波形状を取り除くので、かかる範囲の測定強度Iにつ
いても、簡単に、しかも十分正確な分析ができる。
【0037】以上のような補正を行うことにより、図4
に示すように、各元素について、波形状を取り除いた測
定強度が得られる。
【0038】なお、測定強度から波形状を取り除く方法
としては、本実施形態の方法の他に、スパッタリング時
間に対する測定強度のデータをフーリエ変換して、波に
相当すると思われる所定の高周波成分を除去した後、逆
フーリエ変換により、スパッタリング時間に対する測定
強度のデータに戻す方法や、スパッタリング時間に対す
る測定強度のデータのうち波形状の部分のみを取り出し
て正弦波近似し、それをフーリエ変換して、スパッタリ
ング時間に対する測定強度のデータ全体をフーリエ変換
したものから差し引いた後、逆フーリエ変換により、ス
パッタリング時間に対する測定強度のデータに戻す方法
も考えられる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のグロー放
電発光分光分析方法または装置によれば、波がほぼ一定
の周期を有することに着目し、その平均周期内におい
て、干渉波分を含めて測定強度を平均化することにより
波形状を取り除くので、かかる試料について、物理定数
を用いた理論強度計算をすることなく、簡単に、しかも
十分正確な分析ができる。また、プラズマを横方向から
観測するわけではないので、放電条件が変わっても、分
光器におけるピーク位置等が変動することもなく、分析
の正確さは変わらない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のグロー放電発光分光分析
方法に用いる装置を示す正面図である。
【図2】同上の分析装置のグロー放電管を示す縦断面図
である。
【図3】スパッタリング時間に対する各元素についての
補正前の測定強度を示す図である。
【図4】スパッタリング時間に対する各元素についての
補正後の測定強度を示す図である。
【符号の説明】
1…グロー放電管、3d…陽極管、6…試料、7…薄
膜、8…基板、19…補正演算手段、S…スパッタリン
グにより発生する光。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 21/62 - 21/74 JICSTファイル(JOIS)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の上に光を透過する薄膜を少なくと
    も1層有し、かつ、基板および薄膜のうち少なくとも2
    つの表面が鏡面状の試料の薄膜をスパッタリングしなが
    ら、発生する光の測定強度に基づいて試料の分析を行う
    グロー放電発光分光分析方法において、 スパッタリング時間に対する測定強度の周期的な変化で
    ある波について、その平均周期を算出し、 測定時刻を中心とする平均周期内における測定強度の平
    均値を算出し、その測定時刻における補正後の測定強度
    とすることを特徴とするグロー放電発光分光分析方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 測定開始後平均周期の2分の1以内の測定時刻における
    測定強度について、その測定時刻より平均周期後におけ
    る前記補正前後の測定強度の差を算出し、その差を当該
    測定強度から減じて、その測定時刻における補正後の測
    定強度とするグロー放電発光分光分析方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、 前記波を含む最後の平均周期の2分の1以内の測定時刻
    における測定強度について、その測定時刻より平均周期
    前における前記補正前後の測定強度の差を算出し、その
    差を当該測定強度から減じて、その測定時刻における補
    正後の測定強度とするグロー放電発光分光分析方法。
  4. 【請求項4】 陽極管を有するグロー放電管を備え、 基板の上に光を透過する薄膜を少なくとも1層有し、か
    つ、基板および薄膜のうち少なくとも2つの表面が鏡面
    状である試料の薄膜をスパッタリングしながら、発生す
    る光の測定強度に基づいて試料の分析を行うグロー放電
    発光分光分析装置において、 スパッタリング時間に対する測定強度の周期的な変化で
    ある波について、その平均周期を算出し、 測定時刻を中心とする平均周期内における測定強度の平
    均値を算出し、その測定時刻における補正後の測定強度
    とする補正演算手段を備えたことを特徴とするグロー放
    電発光分光分析装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 前記補正演算手段が、測定開始後平均周期の2分の1以
    内の測定時刻における測定強度について、その測定時刻
    より平均周期後における前記補正前後の測定強度の差を
    算出し、その差を当該測定強度から減じて、その測定時
    刻における補正後の測定強度とするグロー放電発光分光
    分析装置。
  6. 【請求項6】 請求項4または5において、 前記補正演算手段が、前記波を含む最後の平均周期の2
    分の1以内の測定時刻における測定強度について、その
    測定時刻より平均周期前における前記補正前後の測定強
    度の差を算出し、その差を当該測定強度から減じて、そ
    の測定時刻における補正後の測定強度とするグロー放電
    発光分光分析装置。
JP20026798A 1998-07-15 1998-07-15 グロー放電発光分光分析方法および装置 Expired - Fee Related JP2984253B1 (ja)

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