JP2983124B2 - トルクコントロールレンチにおけるねじ締付作業の管理方法 - Google Patents
トルクコントロールレンチにおけるねじ締付作業の管理方法Info
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Description
る電動式トルクコントロールレンチ又はエアーモータ式
トルクコントロールレンチ(以下単に「トルクコントロ
ールレンチ」という。)におけるねじ締付作業の管理方
法に関するものである。
使用されるトルクコントロールレンチにおけるねじ締付
作業の管理、例えば、ねじ締付本数等の管理は、トルク
コントロールレンチにケーブルにより連結したねじ締付
本数等のねじ締付作業を管理するコントローラによって
行っていた。しかしながら、トルクコントロールレンチ
には上記ケーブルのほかに、トルクコントロールレンチ
の駆動装置に電気又は高圧空気を供給するための電源ケ
ーブル又はエアーホースを接続する必要があるため、こ
の方式のトルクコントロールレンチには合わせて2本の
ケーブル又はホースが接続されることとなり、トルクコ
ントロールレンチの操作性が悪く、作業効率を低下させ
る要因となっていた。また、近年の蓄電池の改良によ
り、駆動源として蓄電池を内蔵した電動式トルクコント
ロールレンチが提案されているが、この装置においても
ねじ締付作業の管理を行う場合には依然として、トルク
コントロールレンチをねじ締付作業を管理するコントロ
ーラにケーブルを介して連結することによって行わねば
ならず、電源ケーブルをなくすことによる効果が十分に
発揮されないきらいがあった。さらに、従来のトルクコ
ントロールレンチにおいては、ねじ締付作業の管理情報
をコントローラに設けた表示装置に表示し、ねじの締め
忘れ等の異常が生じた場合には、表示装置のランプを点
灯したり、ブザーを発すること等により行っているた
め、コントローラを作業者の近傍に設置しなければなら
ず、工場の設備の配置に制約があった。
ルクコントロールレンチにおけるねじ締付作業の管理方
法の問題点に鑑み、トルクコントロールレンチの操作性
がよく、作業効率を向上できるとともにコントローラの
設置位置に自由度を持たせることができるトルクコント
ロールレンチにおけるねじ締付作業の管理方法を提供す
ることを目的とする。
め、本発明は、トルクコントロールレンチにおけるネジ
締付作業の管理方法において、ねじ締付トルクが所定値
に達したことを感知してレンチの作動停止機構を起動す
るとともに、該レンチの作動停止機構の起動信号をトル
クコントロールレンチに配設した無線機によりトルクコ
ントロールレンチと別に設けたねじ締付作業を管理する
コントローラに送信するとともに、前記ねじ締付作業を
管理するコントローラから送信されるねじ締付作業の管
理信号を前記無線機により受信し、トルクコントロール
レンチに設けた表示装置に表示することを特徴とする。
ジ締付作業の管理方法によれば、レンチの作動停止機構
の起動信号をトルクコントロールレンチに配設した無線
機によりトルクコントロールレンチと別に設けたねじ締
付作業を管理するコントローラに送信することにより、
コントローラによってねじ締付作業を管理する。コント
ローラでは、例えば、コントローラにあらかじめ設定し
た時間内のトルクコントロールレンチからコントローラ
に送信されるレンチの作動停止機構の起動信号の数、す
なわちねじ締付本数があらかじめ設定した値に達しない
場合には、ねじの締め忘れがあると判断してその情報を
表示する。このようにして、従来と同様のねじ締付作業
の管理を行うが、レンチの作動停止機構の起動信号をコ
ントローラに伝達するケーブルが不要となるため、トル
クコントロールレンチには駆動装置に電気又は高圧空気
を供給するための電源ケーブル又はエアーホースを1本
だけ接続すればよく、トルクコントロールレンチの操作
性をよくすることができる。また、駆動源として蓄電池
を内蔵した電動式トルクコントロールレンチ場合にはケ
ーブルを完全になくすことができ、トルクコントロール
レンチの操作性をさらによくすることができる。
した無線機とコントローラとを双方向で送受信可能な構
成とすることにより、ねじ締付作業を管理するコントロ
ーラから送信されるねじ締付作業の管理信号を無線機に
より受信し、トルクコントロールレンチに設けた表示装
置に表示する。これにより、トルクコントロールレンチ
に設けた表示装置にねじ締付作業の管理情報を表示する
こと、例えば、残っている締め付けるべきねじの本数等
を表示したり、ねじの締め忘れ等の異常が生じた場合に
は、表示装置のランプを点灯したり、ブザーを発するこ
と等が可能となり、コントローラの設置位置に自由度を
持たせることができる。
る。
チにおけるねじ締付作業の管理方法を示す概念図で、ト
ルクコントロールレンチ1は、ねじ締付トルクが所定値
に達したことを感知して自動的にレンチの作動を停止す
る作動停止機構を有するとともに、このレンチの作動停
止機構の起動信号をトルクコントロールレンチ1と別に
設けたねじ締付作業を管理するコントローラ8に送信す
るための無線機7を有している。無線機7には、必要に
応じてアンテナ71を設ける。
トロールレンチ1を用いてボルトやナットを締め付ける
場合、トルクコントロールレンチ1はねじ締付トルクが
所定値に達したことを感知して自動的にレンチの作動停
止機構を起動するとともに、レンチの作動停止機構の起
動信号を無線機7によりねじ締付作業を管理するコント
ローラ8に送信することにより、コントローラ8によっ
てねじ締付作業を管理する。コントローラ8では、例え
ば、コントローラ8にあらかじめ設定した時間内のトル
クコントロールレンチ1からコントローラ8に送信され
るレンチの作動停止機構の起動信号の数、すなわちねじ
締付本数があらかじめ設定した値に達しない場合には、
ねじの締め忘れがあると判断する。このねじの締め忘れ
があること等の情報は、コントローラ8に設けた表示装
置のランプを点灯したり、ブザーを発すること等によ
り、作業者に知らせることができる。
トローラ8とを双方向で送受信可能な構成とすることに
より、ねじ締付作業を管理するコントローラから送信さ
れるねじ締付作業の管理信号を無線機7により受信し、
トルクコントロールレンチ1に設けた表示装置(図示せ
ず。)に表示することが可能となる。これにより、トル
クコントロールレンチ1に設けた表示装置にねじ締付作
業の管理情報を表示すること、例えば、残っている締め
付けるべきねじの本数等を表示したり、ねじの締め忘れ
等の異常が生じた場合には、表示装置のランプを点灯し
たり、ブザーを発するようにすることが可能となる。
ントロールレンチの例を図2〜図5に示す。電動式トル
クコントロールレンチ1は、本体1のハンドル部11に
着脱自在に装着される乾電池パック4内の蓄電池Vを電
源とするとともに、トリガーハンドル15を引くことに
よってオンとなるスイッチユニット16を介して給電さ
れる電動機20を回転動力源とする電池電源型の電動式
のもので、そのハウジング10の後部には、トリガーハ
ンドル15の引き具合に応じた出力を出すスイッチユニ
ット16内のスピードコントロールモジュールの出力に
応じて、電動機20の回転数をデューティ比の変化で制
御するドライブ回路と、締付トルクが設定値に達したと
きに電動機20への通電を遮断するシャットオフ回路ブ
ロックSBとが納められている。なお、17は電動機2
0の回転方向を切り換えるための正逆切換スイッチ、1
8はシャットオフ回路ブロックSBの動作を有効とする
か無効とするかを切り換えることによって、トルクコン
トロールを行うか行わないかを切り換えるための切換ス
イッチである。
0の回転を減速する減速ブロック2と、オイルパルスイ
ンパクトを出力軸5に与える油圧打撃トルク発生装置3
とが納められている。減速ブロック2は、電動機20の
出力軸に固定された太陽ギア21と、ハウジング10に
固定されたモータ取付台12の内周面に固定されている
インターナルギア22、太陽ギア21とインターナルギ
ア22とに噛み合う複数個の遊星ギア23、そして遊星
ギア23を支持しているキャリア24とからなる遊星機
構で構成されたもので、軸受28,28によって支持さ
れたキャリア24は、中空の連結軸25を備えている。
が繭形に形成されたライナー30と、ライナー30の外
周を囲んでいるジャケット31、ライナー30の両端を
閉じているエンドプレート32,33、出力軸5のライ
ナー30で囲まれた部分に取り付けられたベーン50,
50及びライナー30の内部空間に充填された作動油と
から構成されている。エンドプレート33は、減速ブロ
ック2のキャリア24の連結軸25に嵌合連結される連
結部を備えており、原動機20の減速出力によってライ
ナー30が回転駆動されるようになっている。そして、
油圧打撃トルク発生装置3は、従来の油圧打撃トルク発
生装置と同様に、電動機20の減速出力によってライナ
ー30が回転すると、出力軸5のベーン50及びシール
面と、ライナー30のシール面とが一致する度に、ライ
ナー30の回転が作動油を介して回転軸5に伝達される
ように構成されている。
置する2室のうち、一方はライナー30の回転で容積が
小さくなり、他方は容積が大きくなるために、前者の室
内の作動油は高圧となり、後者の室内の作動油は低圧と
なる。そして、高圧となった作動油の圧力の値は、出力
軸5でボルトやナットの締付及び緩めを行うときの締付
トルクに応じたものとなるために、作動油の圧力値を検
出することによってトルクコントロールを行えるもので
ある。このトルクコントロールは、ライナー30内に配
した調整軸40とリリーフバルブ47、エンドプレート
33に配したピストン60、減速ブロック2における中
空の連結軸25内に配したロッド61、連結軸25の外
周面に配し、ロッド61に連動するスリーブ63、軸6
5で支持したレバー66、レバー66によって開閉され
る検知スイッチ19及びシャットオフ回路ブロックSB
で構成されている。図中62はロッド61とスリーブ6
3とを連動させるためのピン、64はスリーブ63を付
勢しているばね、67はレバー66を付勢しているばね
であり、これらのばね64,67により、キャリア24
とともに回転するスリーブ63と回転しないレバー66
とが、通常時非接触状態を保つように構成されている。
のシール面のうちの一方の両側に形成されている一対の
ポート間を連通する環状の溝41を外周面に備えるとと
もに、この溝41の一端につながり、かつ他端が調整軸
40の端面に至る通孔42を備えたもので、通孔42の
端面にバネ48により付勢されたリリーフバルブ47を
当接し、通孔42を閉じるようにする。そして、リリー
フバルブ47が配設された部分は、エンドプレート33
に穿設された連通孔39を通じて、エンドプレート33
と出力軸5の端面との間で、かつピストン60の一端面
が露出する室内に連通している。
動油は、高圧側から一方のポート、調整軸40の溝41
及び他方のポートを通って低圧側に流れようとするが、
この流れの一部が通孔42に入ってリリーフバルブ47
を押圧するものであり、この押圧力がバネ48の付勢力
に打ち勝った時点でリリーフバルブ47が開いて作動油
がピストン60側へと流れ、ピストン60を押圧する。
これにより、ピストン60はロッド61を後退させ、ロ
ッド61とともにばね64の付勢に抗して後退するスリ
ーブ63は、レバー66を回動させて検知スイッチ19
を切り換える。そして、検知スイッチ19が切り換えら
れると、シャットオフ回路ブロックSBが電動機20へ
の通電を遮断するとともに、この遮断状態を保持する。
閉じているエンドプレート32に螺合し、その進退によ
って設定されるリリーフ圧を調整することができるもの
となっている。
示すように、RSフリップフロップからなるラッチ回路
Lと、トランジスタQ、常閉型のリレーRyで構成し、
検知スイッチ19は、ラッチ回路Lにおけるセット端子
Sに接続する。なお、ラッチ回路Lは、イネーブル端子
Eがハイレベルでリセット端子Rがローレベルの時に出
力端子Oをハイインピーダンスに、イネーブル端子Eが
ハイレベルでリセット端子Rがローレベルの時に出力端
子Oをローレベルに、イネーブル端子E及びリセット端
子Rがハイレベルでセット端子Sがローレベルの時に出
力端子Oをハイレベルに、そして、イネーブル端子E、
リセット端子R及びセット端子Sがハイレベルの時に出
力端子Oの出力レベルをそれ以前の状態にラッチするも
のである。
イッチユニット16をオンにすれば、電動機20は正逆
切換スイッチ17と、リレーRyにおける常閉接点NC
を通じて蓄電池パック4の電池Vに接続されて回転を始
める。この時、同時に電源が入るラッチ回路Lは、その
リセット端子R入力が抵抗RとコンデンサC1とによる
遅延回路のために初期はローレベルであるがすぐにハイ
レベルとなり、検知スイッチ19がオフであってセット
端子S入力がハイレベルであることから、トランジスタ
Qのベースに接続された出力端子Oはローレベルである
とともに、リセット端子R入力のハイレベルへの移行に
伴ってラッチ状態となり、ローレベルを保持する。した
がって、トランジスタQはオフ、リレーRyは常閉位置
にある。
とにより検知スイッチ19が切り換えられてオンになれ
ば、セット端子S入力がローレベルに変わってラッチが
解除されるとともに出力端子Oがハイレベルとなり、ト
ランジスタQのオンでリレーRyが作動し、接点を常開
NO側に切り換える。このため、電動機20への通電が
遮断されると同時に、電動機20は短絡して発電制動状
態となり、その回転を急速に停止する。これに伴って、
検知スイッチ19はオフに復帰するが、この復帰により
セット端子S入力をハイレベルとしてラッチ状態に移行
させるために、出力端子Oはハイレベルを維持するもの
であり、したがって、電動機20への通電遮断状態(電
動機20の短絡状態)は、トリガーハンドル15を戻し
てスイッチユニット16をオフすることでラッチ回路L
の電源を切るまで保持される。電動機20を停止させる
際に短絡させて自己制動をかけるようにしていることか
ら、締付トルクが設定した値に達した時点でレスポンス
よく停止するものであり、トルク制御精度の高いものと
なっている。なお、シャットオフ作動が働かないように
するときは、切換スイッチ18をオフに切り換える。ま
た、図中D1は逆起電力対策用のダイオード、Cは電動
機20による電圧降下等の電圧変動を防ぐコンデンサで
ある。
機構9を有する電動式トルクコントロールレンチ1の後
端部に、レンチの作動停止機構9の起動信号をレンチと
別に設けたねじ締付作業を管理するコントローラ8に送
信するための無線機7を配設する。無線機7には、アン
テナ71、シャットオフ回路ブロックSBと接続した発
信機72を設け、締付トルクが設定した値に達したこと
により検知スイッチ19が切り換えられてオンになり、
リレーRyが作動し起動するのに合わせてシャットオフ
回路ブロックSBと接続した発信機72を作動させて、
レンチの作動停止機構9の起動信号をコントローラ8に
送信するように構成している。
は、図4に示すように電動式トルクコントロールレンチ
1の蓄電池パック4の電池Vを利用するほか、図5に示
すように無線機7本体に配設した乾電池74を利用する
こともできる。
トルクコントロールレンチの例を図6に示す。図6に示
すエアーモータ式トルクコントロールレンチ1は、高圧
空気の供給及び停止を行うメインバルブ115と、メイ
ンバルブを操作する操作レバー116と、供給された高
圧空気によって回転トルクを発生するロータ101と、
ロータ101の回転トルクを打撃トルクに変換する油圧
打撃トルク発生装置114とからなり、この装置全体の
基本構成は公知のものである。
本体に固定したロータ101のシリンダ117に軸受1
28を介して回転可能に設けられており、シャフト10
2の外周にはフライホイール103を回動可能に設け、
シャフト102の軸心には軸孔104を穿設し、軸孔1
04内にパイロットピン105を摺動可能に挿入すると
ともにパイロットピン105を付勢するリターンバネ1
06を配設する。ここで、軸孔104の内部は、ロータ
101のシリンダ117に設けた連通孔121を介して
ロータ101の中間排気孔を有する室に連通することが
望ましい。パイロットピン105の他端側は高圧空気の
受圧面とし、この受圧面にパイロットピン105に対向
して設けたシャットオフバルブ107に突設したピン1
07aを当接する。シャットオフバルブ107は、レン
チ本体に固定したバルブ座123上に位置させることに
よって、ロータ101への高圧空気の供給を停止できる
ように構成するとともに、その背面にシャットオフバル
ブ107をパイロットピン105側に付勢するバルブバ
ネ108を配設する。
のシャフト102に設けた切欠109と係合してロータ
101のシャフト102の回転をフライホイール103
に伝達するとともに慣性力によるフライホイール103
の回転角を調節するトルク調節装置110を配設する。
ここで、ロータ101のシャフト102に設ける切欠1
09は、一方向のみが開放された形状としているが、こ
れは、ボルトやナットを締め付ける方向(本実施例にお
いては右回転)のトルクがあらかじめ定めたトルクに達
した場合に、高圧空気の供給を遮断し、自動的にロータ
の回転を止めるようにし、ボルトやナットを緩める方向
(本実施例においては左回転)のトルクには制限を設け
ないようにするためである。トルク調節装置110は、
ロータ101のシャフト102とフライホイール103
の係合する力を増大又は減少させることができ、これに
よって慣性力によるフライホイール103の回転量を減
少又は増大させてボルトやナットの締付トルクの設定値
を増大又は減少するものである。また、レンチ本体に
は、トルク調節装置110を外部から操作できるように
開口を設け、トルク調節装置110を操作するとき以外
は操作口蓋122で封止する。さらに、フライホイール
103には、パイロットピン105に設けた切欠111
と係合してパイロットピン105の軸方向の移動を規制
するノックピン112を配設する。ノックピン112の
外方、すなわちフライホイール103の外周には、板状
のバネ124を配設し、ノックピン112の抜け止めを
する。
イール103及びパイロットピン105を貫通して伝達
ピン113を設け、フライホイール103の周方向に穿
設したガイド孔125によってロータ101のシャフト
102とフライホイール103の相対的な回転量を規制
するとともに、パイロットピン105の軸方向に穿設し
たガイド孔126によってロータ101のシャフト10
2とパイロットピン105が回転しないように、すなわ
ちフライホイール103とパイロットピン105がロー
タ101のシャフト102とフライホイール103の相
対的な回転量と同じ角度だけ相対的に回転するようにす
る。伝達ピン113の外方、すなわちフライホイール1
03の外周には、Oリング127を配設し、伝達ピン1
13の抜け止めをする。
ルクコントロールレンチ1の作動停止機構9は、操作レ
バー116により高圧空気の供給及び停止を行うメイン
バルブ115を操作して、高圧空気をロータ101に供
給し、ロータ101の回転トルクを油圧打撃トルク発生
装置114に伝え打撃トルクに変換してボルトやナット
の締付及び緩めを行う。
当初は、ロータ101のシャフト102に設けた切欠1
09と係合してロータ101のシャフト102の回転を
フライホイール103に伝達するトルク調節装置110
により、ロータ101のシャフト102とフライホイー
ル103はともに回転するが、ボルトやナットの締め付
けが進むに従い、ボルトやナットの締付時、すなわち打
撃トルク発生時にロータ101の回転速度が減速され、
ロータ101のシャフト102とともに回転しているフ
ライホイール3はその慣性力によってさらに回転しよう
として、ロータ101のシャフト102に設けた切欠1
09とトルク調節装置110の係合力に抗して、フライ
ホイール103がロータ101のシャフト102に対し
て相対的に回転し、位相差を生じるようになる。この位
相差はボルトやナットの締め付けが進むに従い増大する
が、あらかじめ定めた設定トルクに達するまではシャッ
トオフバルブ107を作動させるに至らず、ボルトやナ
ットの締め付けが続行される。そして、ボルトやナット
の締付トルクが設定トルクに達すると、上記位相差がパ
イロットピン105の軸方向の移動を規制していたパイ
ロットピン105に設けた切欠109とノックピン11
2の係合を解除する角度以上となり、パイロットピン5
は、バルブバネ108とパイロットピン105の受圧面
に作用する高圧空気の作用によりリターンバネ106の
付勢に抗してシャットオフバルブ107を閉じる方向に
摺動する。これにより、シャットオフバルブ107がロ
ータ101への高圧空気の供給を遮断し、自動的にロー
タ101の回転が停止してボルトやナットを所望の締付
トルクに締め付ける作業を完了する。
ルブ115を操作して、高圧空気の供給を停止すると、
メインバルブ115からシャットオフバルブ107まで
の高圧空気供給路内の高圧空気はメインバルブ115か
ら通常の排気の通路を通って排出されるので、シャット
オフバルブ107には大気圧が作用し、また、パイロッ
トピン105の受圧面にも大気圧が作用するので、パイ
ロットピン105は、リターンバネ106の作用により
バルブバネ108の付勢に抗してシャットオフバルブ1
07を開く方向に摺動する。また、ロータ101のシャ
フト102とフライホイール103の位相差は、伝達ピ
ン113によってロータ101のシャフト102とフラ
イホイール103の相対的な回転量が規制されているこ
と及びトルク調節装置110の復元力、すなわち切欠1
09の面をトルク調節装置110のバネ110bにより
付勢されたボール110cが押圧する力によって解消
し、パイロットピン105に設けた切欠109とノック
ピン112が係合して、最初の状態、すなわちボルトや
ナットの締め付けが行える状態に戻る。
機構9を有するエアーモータ式トルクコントロールレン
チ1の後端部に、レンチの作動停止機構9の起動信号を
レンチと別に設けたねじ締付作業を管理するコントロー
ラ8に送信するための無線機7を配設する。無線機7に
は、アンテナ71、発信機72、マイクロスイッチ7
3、電源としての乾電池74を設け、ねじ締付トルクが
所定値に達して起動するレンチの作動停止機構9のシャ
ットオフバルブ107の移動をシャットオフバルブ10
7の後端部に当接したマイクロスイッチ73により感知
し、発信機72を作動させて、レンチの作動停止機構9
の起動信号をコントローラ8に送信するように構成して
いる。
トルクコントロールレンチの他の例を図7に示す。図7
に示すエアーモータ式トルクコントロールレンチ1の基
本構造は、図6に示したエアーモータ式トルクコントロ
ールレンチとほぼ同様であるので、ここでは、レンチの
作動停止機構9及びこの作動停止機構9の起動信号をコ
ントローラ8に送信するための無線機7の構成について
説明する。
1のロータ204の軸心に孔を貫通し、この孔内にロッ
ド215を摺動可能に嵌挿し、ロッド215の先端には
ピストン216を一体に設け、ピストン216をライナ
ー上蓋213内に設けたシリンダ217内に嵌合し、ピ
ストン216の先端をライナー上蓋213と対向した主
軸207の端面と対向させ、この主軸端面をライナー上
蓋のくぼみ213cの内底面と主軸端面間に微細な隙間
を形成し、これを圧力検出用のシリンダ213dとし、
このシリンダ213dとライナー上蓋のくぼみ213a
との間を繋ぐ小径の通路213bを設ける。また、ロッ
ド215の他端にはシャットオフバルブ219を配設
し、ロッド215の移動にてこのシャットオフバルブ2
19を作動するようにする。
ロータ204の回動にて高圧が発生すると、高圧室より
リリーフバルブ200Bを経て低圧室側へ作動油が流れ
る。この時、高圧室の圧力が予め設定した圧力に達する
までは、リリーフバルブ200Bはばね圧にてリリーフ
バルブ軸端面に押圧されて、この圧力は検出されない。
しかし、高圧室の圧力が設定した圧力まで上昇し、パル
スが発生するとこの設定した圧力まで上昇した高圧側の
作動油はその一部がリリーフバルブ200Bをばねに抗
して開き、通路211から通路213bを経てシリンダ
213d内に導かれ、この圧力がピストン216に作用
して、ロッド215を押圧して摺動させ、パイロットバ
ルブ218を操作して、シャットオフバルブ219を作
動して、シャットオフバルブ219を閉じる方向(上
方)に摺動させる。これにより、シャットオフバルブ2
19がロータ204への高圧空気の供給を遮断し、自動
的にロータ204の回転が停止してボルトやナットを所
望の締付トルクに締め付ける作業を完了する。
機構9を有するエアーモータ式トルクコントロールレン
チ1の後端部に、レンチの作動停止機構9の起動信号を
レンチと別に設けたねじ締付作業を管理するコントロー
ラ8に送信するための無線機7を配設する。無線機7に
は、アンテナ71、発信機72、マイクロスイッチ7
3、電源としての乾電池74、レバー75を設け、ねじ
締付トルクが設定した値に達したことにより起動するレ
ンチの作動停止機構9のシャットオフバルブ219の移
動をシャットオフバルブ107の下端部に当接したレバ
ー75を介してマイクロスイッチ73により感知し、発
信機72を作動させて、レンチの作動停止機構9の起動
信号をコントローラ8に送信するように構成している。
トルクコントロールレンチの他の例を図8に示す。図8
に示すエアーモータ式トルクコントロールレンチ1の基
本構造は、図7に示したエアーモータ式トルクコントロ
ールレンチとほぼ同様であるので、ここでは、レンチの
作動停止機構9及びこの作動停止機構9の起動信号をコ
ントローラ8に送信するための無線機7の構成について
説明する。
1のロータ304の軸心に孔を貫通し、この孔内にロッ
ド315を摺動可能に嵌挿し、ロッド315の先端には
ピストン316を一体に設け、ピストン316をライナ
ー上蓋313内に設けたシリンダ317内に嵌合し、ピ
ストン316の先端をライナー上蓋313と対向した主
軸307の端面と対向させ、この主軸端面をライナー上
蓋のくぼみ313cの内底面と主軸端面間に微細な隙間
を形成し、これを圧力検出用のシリンダ313dとし、
このシリンダ313dとライナー上蓋のくぼみ313a
との間を繋ぐ小径の通路313bを設ける。また、ロッ
ド315の他端にはシャットオフバルブ319を配設
し、ロッド315の移動にてこのシャットオフバルブ3
19を作動するようにする。
ロータ304の回動にて高圧が発生すると、高圧室より
リリーフバルブ300Bを経て低圧室側へ作動油が流れ
る。この時、高圧室の圧力が予め設定した圧力に達する
までは、リリーフバルブ300Bはばね圧にてリリーフ
バルブ軸端面に押圧されて、この圧力は検出されない。
しかし、高圧室の圧力が設定した圧力まで上昇し、パル
スが発生するとこの設定した圧力まで上昇した高圧側の
作動油はその一部がリリーフバルブ300Bをばねに抗
して開き、通路311から通路313bを経てシリンダ
313d内に導かれ、この圧力がピストン316に作用
して、ロッド315を押圧して摺動させ、パイロットバ
ルブ318を操作して、シャットオフバルブ319を作
動して、シャットオフバルブ319を閉じる方向(上
方)に摺動させる。これにより、シャットオフバルブ3
19がロータ304への高圧空気の供給を遮断し、自動
的にロータ304の回転が停止してボルトやナットを所
望の締付トルクに締め付ける作業を完了する。
機構9を有するエアーモータ式トルクコントロールレン
チ1の後端部に、レンチの作動停止機構9の起動信号を
レンチと別に設けたねじ締付作業を管理するコントロー
ラ8に送信するための無線機7を配設する。無線機7に
は、アンテナ71、発信機72、電源としての乾電池7
4、圧電素子76を設け、ねじ締付トルクが設定した値
に達したことにより起動するレンチの作動停止機構9の
シャットオフバルブ319の移動を、シャットオフバル
ブ319が移動することにより圧電素子76に高圧空気
を作用させることにより感知し、発信機72を作動させ
て、レンチの作動停止機構9の起動信号をコントローラ
8に送信するように構成している。
けるねじ締付作業の管理方法によれば、従来と同様のね
じ締付作業の管理を行うことができる上に、レンチの作
動停止機構の起動信号をコントローラに伝達するケーブ
ルが不要となり、トルクコントロールレンチの操作性を
よくし、作業効率を向上することができる。また、駆動
源として蓄電池を内蔵した電動式トルクコントロールレ
ンチに本発明を適用すれば、ケーブルを完全になくすこ
とができ、トルクコントロールレンチの操作性をさらに
よくすることができる。さらに、トルクコントロールレ
ンチに配設した無線機とコントローラとを双方向で送受
信可能な構成とすることにより、ねじ締付作業を管理す
るコントローラから送信されるねじ締付作業の管理信号
を無線機により受信し、トルクコントロールレンチに設
けた表示装置に表示すること、例えば、残っている締め
付けるべきねじの本数等を表示したり、ねじの締め忘れ
等の異常が生じた場合には、表示装置のランプを点灯し
たり、ブザーを発すること等が可能となり、コントロー
ラの設置位置に自由度を持たせることができる。
じ締付作業の管理方法の概念図。
レンチを示す図。
断面図。
図。
図。
トロールレンチを示す図。
トロールレンチを示す図。
トロールレンチを示す図。
Claims (1)
- 【請求項1】 トルクコントロールレンチにおけるネジ
締付作業の管理方法において、ねじ締付トルクが所定値
に達したことを感知してレンチの作動停止機構を起動す
るとともに、該レンチの作動停止機構の起動信号をトル
クコントロールレンチに配設した無線機によりトルクコ
ントロールレンチと別に設けたねじ締付作業を管理する
コントローラに送信するとともに、前記ねじ締付作業を
管理するコントローラから送信されるねじ締付作業の管
理信号を前記無線機により受信し、トルクコントロール
レンチに設けた表示装置に表示することを特徴とするト
ルクコントロールレンチにおけるねじ締付作業の管理方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5123450A JP2983124B2 (ja) | 1993-04-27 | 1993-04-27 | トルクコントロールレンチにおけるねじ締付作業の管理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5123450A JP2983124B2 (ja) | 1993-04-27 | 1993-04-27 | トルクコントロールレンチにおけるねじ締付作業の管理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06312381A JPH06312381A (ja) | 1994-11-08 |
JP2983124B2 true JP2983124B2 (ja) | 1999-11-29 |
Family
ID=14860913
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5123450A Expired - Lifetime JP2983124B2 (ja) | 1993-04-27 | 1993-04-27 | トルクコントロールレンチにおけるねじ締付作業の管理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2983124B2 (ja) |
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- 1993-04-27 JP JP5123450A patent/JP2983124B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Also Published As
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JPH06312381A (ja) | 1994-11-08 |
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