JP2982970B2 - 冷凍サイクル - Google Patents

冷凍サイクル

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JP2982970B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、冷凍サイクルに係り、特に、規制フロン系
冷媒の使用量を減らし、信頼性を高めるのに好適な冷凍
サイクルに関するものである。
[従来の技術] 近年、環境汚染、特にオゾン破壊の問題から、塩素系
フロンが使用規制の対象となっている。
規制の対象となっているフロンは、フロン11,フロン1
2,フロン113,フロン114,フロン115等で、例えば冷蔵庫
など冷凍機器の冷凍サイクルに用いられてきたフロン12
(R12)も規制の対象となっている。
そこで、代りとなる冷媒が必要となり、最近では、オ
ゾン破壊係数が低く、フロン12を1としたとき0.3程度
の破壊係数であるフロン502(R502)が採用される気運
にある。
フロン502は、フロン22とフロン115とを約5:5の割合
で混合したものである。
そこで、まず、フロン系冷媒を用いた従来の冷媒圧縮
機ならびに冷凍サイクルを第10図ないし第12図を参照し
て説明する。
第10図は、従来の密閉形ロータリ圧縮機の要部縦断面
図、第11図は、その圧縮機部の押除量を説明するための
断面図、第12図は、一般的な冷凍サイクルの構成図であ
る。
第10図において、1は油溜めを兼ねた密閉容器に係る
ケースで、このケース1内に電動機22と圧縮機部23とが
収納されている。
電動機22は、固定子19と回転子20とからなり、回転子
20には回転軸4Aが嵌着されている。回転軸4Aは、偏心部
3を有し、一端側に中空状に軸穴17が形設されている。
前記固定子19の巻線部19bは、その芯線がガラス転位
温度190〜200℃の高分子材料A32aで覆われ、また絶縁フ
ィルム19dはポリエチレンテレフタレートフィルムを使
用している。さらに回転軸4Aの表面は研削加工により仕
上げられている。
圧縮機部23は、シリンダ2、前記回転軸4Aの偏心部3
に嵌入されシリンダ2の内側に沿って偏心回転するロー
ラ7、このローラ7に先端が当接し他端がばね9に押さ
れながらシリンダ2の溝8内を往復運動するベーン10、
前記回転軸4Aの軸受とシリンダ2の側壁とを兼ね前記シ
リンダの両端に配設されている主軸受5および副軸受6
を主要機構要素としている。
副軸受6には、吐出弁27が具備されており、サイレン
サ28を形成するように吐出カバー25が取付けられ、主軸
受5,シリンダ2,副軸受6をボルト21で締結している。
前記ベーン10の背面11と、シリンダ2の溝8と、主軸
受5,副軸受6とで囲まれてポンプ室12が構成されてい
る。
主軸受5には、ケース1内のナフテン系冷凍機油13A
をポンプ室12内へ吸入できる吸込ピース14があり、副軸
受6にはポンプ室12から冷凍機油13Aを送油管15へ吐出
できる吐出ポート16があり、前記送油管15は回転軸4Aの
軸穴17へ冷凍機油13Aを供給し、さらに軸穴17から分岐
穴18を通して所要の摺動部へ給油できるようになってい
る。
このように構成したロータリ圧縮機の作用を第10,11
図を参照して説明する。圧縮機を運転し、回転軸4Aが回
転すると、それに伴ってローラ7が回転し、ベーン10は
ばね9によって押され、ローラ7に先端を当接しながら
シリンダ2の溝8内を往復運動し、冷媒吸込口(図示せ
ず)から流入した冷媒(フロン12)を圧縮し、冷媒は冷
媒吐出口24を介して吐出パイプ29から圧縮機外に吐出さ
れる。
一般に、圧縮機の冷凍能力は押除量に比例する。押除
量が大きいと冷凍能力は大きくなり、押除量が小さいと
冷凍能力は小さくなる。
押除量Vthは次式で表わすことができる。
Vth=π(R2−r2)L …………(1) ここで、L:シリンダ高さ R:シリンダ内周面半径 r:ローラ外周面半径 一方、ベーン10が往復運動すると、ポンプ室12の容積
が変化しポンプ作用が行われる。すなわち、ポンプ室12
の容積が大きくなると吸込ピース14からナフテン系冷凍
機油(例えばスニソ4GSD)13Aを吸込み、ポンプ室12の
容積が小さくなると吐出ポート16から冷凍機油を送油管
15へ吐出する。送油管15に送られた冷凍機油は軸穴17、
分岐管18を通って所要の摺動部へ供給される。
次に、このようにフロン系冷媒を吸込み圧縮し吐出す
る冷媒圧縮機を配設した基本的な冷凍サイクルを第12図
を参照して説明する。
第12図に示すように、圧縮機40は、低温,低圧の冷媒
ガスを圧縮し、高温,高圧の冷媒ガスを吐出して凝縮器
41に送る。凝縮器41に送られた冷媒ガスは、その熱を空
気中に放出しながら高温,高圧の冷媒液となり膨張機構
(例えば膨張弁またはキャピラリチューブ)42に送られ
る。膨張機構を通過する高温,高圧の冷媒液は絞り効果
により低温,低圧の湿り蒸気となり蒸発器43へ送られ
る。蒸発器43に入った冷媒は周囲から熱を吸収して蒸発
し、蒸発器43を出た低温,低圧の冷媒ガスは圧縮機40に
吸込まれ、以下同じサイクルが繰り返される。
従来、この冷媒はフロン12が用いられていた。
しかるに前述のように、フロン12が使用規制されるに
至ったので、フロン502が使用される気運にあり、関連
する技術とし、例えば特公昭54−37327号公報には、
「弗化炭化水素系低沸点冷媒を用いる冷凍機の冷凍サイ
クルに、プロパン、n−ブタン及びイソプタンから選ば
れた飽和炭化水素の1種または2種以上を添加すること
を特徴とする冷凍機系内での冷凍機油の分離を防止する
方法」が開示されている。ここで、弗化炭化水素系冷媒
とは沸点20℃以下の弗化炭化水素系冷媒を意味し、フロ
ン23等が例示される。
[発明が解決しようとする課題] 前述のように、フロン12はオゾン破壊係数が高く、環
境破壊を起こす要因の一つであり、使用が規制されてい
る。
そこで、上記特公昭54−37327号公報に記載されてい
るようにフロン502が冷凍機系内の冷媒に用いられるよ
うになった。
一般に、冷凍機油の冷媒に対する溶解性が小さいと圧
縮機内の油が熱交換器内で分離して溜り、圧縮機内の油
が無くなってしまう、いわゆる油あがり現象を生じる。
そこで上記特公昭54−37327号公報記載の発明では、フ
ロン502にプロパン(沸点−45℃)を添加するなどして
冷凍機油(スニソ4GS)の、冷媒への溶解性の向上を図
っているが、以下に説明するようなフロン502採用にと
もなう問題点について配慮されていなかった。
まず、冷媒にフロン502を用い、冷凍機油にナフテン
系冷凍機油、例えばスニソ4GSDを使うと、第1図に示す
如く二層分離濃度が高く、圧縮機への油戻りが悪くな
る。
第1図は、フロン502と冷凍機油の相溶性を説明する
二層分離温度線図で、横軸に冷媒フロン502中の油濃度
(wt%)をとり、縦軸に二層分離温度(℃)をとって冷
凍機油の二層分離温度、すなわち油と冷媒が二層に分れ
る温度を示している。
第1図から明らかなように、従来用いられているスニ
ソ4GSD(ナフテン系冷凍機油)は、二重丸および一点鎖
線で示すように二層分離温度が高く、油と冷媒とが分離
しやすい。したがって、吐出された圧縮ガスに含まれる
油は冷凍サイクル中に溜まり、圧縮機中の油は減る方向
にあり、いわゆる油あがりによる摺動部の摩耗、かじ
り、焼き付き等の事故の恐れが生じ、圧縮機の信頼性が
悪くなる。
本発明は、上記問題点を解決し、フロン12等の規制冷
媒の使用量を減らすとともに二層分離温度を低くし、最
低蒸発温度−40℃〜−60℃の低温冷凍における信頼性を
図りうる冷凍サイクルを提供することを、第1の目的と
している。
次に、フロン502は、フロン22とフロン115と約5:5の
割合で混合されているものであるが、フロン22は、従来
ひろく使用されていたフロン12よりも冷凍サイクル中に
オリゴマが出やすい性質がある。
オリゴマは、電動機の巻線および絶縁フィルムから発
生するもので冷媒および冷凍機油に溶けて冷凍サイクル
を循環し、圧縮機部の吸込口など温度が低いところに結
晶体状に溜りやすい。このため、回転軸4A,ローラ7の
回転が滞って圧縮不能(ロック)に至る恐れがある。し
たがって、信頼性向上のためオリゴマ抽出の少ない巻線
および絶縁フィルムが必要となる。
本発明の第2の目的は、上記問題点を解決し、電動機
の巻線および絶縁フィルムから冷媒および冷凍機油へと
け込むオリゴマ量を低減して冷凍サイクルの信頼性を高
めることにある。
[課題を解決するための手段] 上記目的は、少なくとも、圧縮機、凝縮器、膨張機構
および蒸発器から構成され、フロン系冷媒を使用し、最
低蒸発温度が−40℃〜−60℃である冷凍サイクルにおい
て、冷媒はフロン502にフロン12を5〜15%の割合で混
合したものとし、かつ、冷凍機油は、40℃のときの粘度
50〜65cst,100℃のときの粘度5.5〜6.5cstのアルキルベ
ンゼン油を用いるとともに、前記圧縮機内の固定子の巻
線は、その芯線をガラス転位温度190〜200℃の高分子材
料で覆い、この高分子材料の被膜上をガラス転位温度25
0〜300℃の高分子材料で被覆し、前記圧縮機内の電動機
の絶縁フイルムは、ポリエチレンテレフタレートフイル
ムにガラス転位温度250〜300℃の高分子材料を被覆した
複合フイルムを用いる、ことによって達成される。
[作用] 上記の各技術的手段による働きは次のとおりである。
(1)冷媒はフロン502を用い、冷凍機油は、40℃のと
きの粘度50〜65cst,100℃のときの粘度5.5〜6.5cstのア
ルキルベンゼン油すなわちZ300Aを用いれば、先の第1
図に、実線で示すように二層分離温度が低くなる。
また、詳細は後述するが、第2図に示すように、フロ
ン502にフロン12を5〜15%混合させた冷媒を用い、冷
凍機油にZ300Aを用いれば、二層分離温度は−40℃〜−6
0℃と低くなる。
さらに、詳細は後述するが、第3図に示すように、冷
凍機油にZ300Aを用いれば、性能を維持しながら最小油
膜厚さが確保できる。
したがって、最低蒸発温度−40〜−60℃の低温冷凍に
おける油あがり現象が防止され、信頼性の高い冷凍サイ
クルを提供することができる。
(2)固定子の巻線は、その芯線をガラス転位温度190
〜200℃の高分子材料で覆い、この高分子材料の被膜上
をガラス転位温度250〜300℃の高分子材料で被覆した。
さらに絶縁フィルムは、ポリエチレンテレフタレートフ
ィルムにガラス転位温度250〜300℃の高分子材料Bで被
覆したので、巻線および絶縁フィルムから冷媒および冷
凍機油へとけ込むオリゴマ量が低減され、圧縮機部の吸
込口などにオリゴマが蓄積されることがなく、圧縮動作
に支障を生じることがない。
[実施例] 以下、本発明の各実施例を第1図ないし第9図を参照
して説明する。
第1図は、フロン502と冷凍機油の相溶性を説明する
二相分離温度線図、第2図は、フロン502にフロン12を
混合した冷媒と冷凍機油との相溶性を説明する二相分離
温度線図、第3図は、冷凍機油の粘度と、成績係数,断
熱効率,最小油膜厚さとの関係を示す線図、第4図は、
フロン12,フロン502における押除量と冷凍能力との関係
を示す線図、第5図は、本発明の一実施例に係る密閉形
ロータリ圧縮機の要部縦断面図、第6図は、第5図の固
定子の巻線の拡大断面図、第7図は、第5図の固定子の
絶縁フィルムの拡大断面図、第8図は、冷媒中の巻線か
ら発生するオリゴマ抽出試験結果の説明図、第9図は、
冷媒中に絶縁フィルムから発生するオリゴマ抽出試験結
果の説明図である。
第5図に示す本実施例の密閉形ロータリ圧縮機を用い
た本実施例の冷凍サイクル構成は、第12図に示したもの
と同等であるから、その説明を省略する。
本実施例の冷凍サクイル、および冷媒圧縮機に係る密
閉形ロータリ圧縮機には、冷媒としてフロン502にフロ
ン12を5〜15%の割合で混合したフロン系冷媒を用い
る。そして冷凍機油としては、40℃のときの粘度50〜65
cst,100℃のときの粘度5.5〜6.5cstのアルキルベンゼン
油に係るZ300Aを併用する。
第2図は、横軸にフロン502中のフロン12の添加量(w
t%)をとり、縦軸に二層分離温度(℃)をとって、従
来の冷凍機油スニソ4GSD(ナフテン系)を二重丸および
一点鎖線、本実施例の冷凍機油Z300A(アルキルベンゼ
ン油)を一重丸および実線で、油と冷媒が二層に分れる
温度を示している。
Z300Aは、第1図でも明らかなように、フロン502に対
し二層分離温度が低いが、さらにフロン502にフロン12
を添加した冷媒に対して、第2図に示すように二層分離
温度を下げることができる。すなわち、フロン12を5%
添加したフロン502では−40℃、フロン12を15%添加し
たフロン502では−60℃程度に二層分離温度を下げるこ
とができる。
従来のスニソ4GSD(ナフテン系油)でも、フロン12を
50%添加すれば、二層分離温度を−40℃に下げることが
できるが、規制対象となっているフロン12を15%を超え
て多量に使用することは環境破壊につながることであ
り、避けねばならない。
第3図は、横軸に冷凍機油粘度(cst)をとり、縦軸
に、成績係数(COP),断熱効率(ηad),最小油膜厚
さをとっている。粘度が低いと、COP,ηadは高くなるが
油膜形成が悪くなる。また、粘度が高いと、油膜は成形
されやすいが、COP,ηadは低下する。Z300Aは40℃のと
きの粘度が50〜60cstであり、各性能を維持しながら、
摺動部の最小油膜厚さを確保できる。
したがって、本実施例のように、フロン502にフロン1
2を5〜15%の割合で混合させた冷媒を用い、冷凍機油
にZ300Aを併用することにより、最低蒸発温度−40〜−6
0℃の低温冷凍における圧縮機の油あがりが防止され、
したがって、摺動部の摩耗、かじり、焼く付き等の事故
が防止され、冷凍サイクルおよび圧縮機の信頼性を高め
ることができる。
次に、本実施例の密閉形ロータリ圧縮機について第5
図ないし第9図を参照して説明する。第5図において、
第10図と同一符号のものは、従来技術と同等部分である
から、その説明を省略し、従来技術と相違する点につい
て以下に述べる。
一般にガラス転位温度が高い高分子材料は、耐冷媒性
(劣化性等)は向上するが価格も高い。したがって、比
較的安価で信頼性を向上するには、内層,外層の薄被膜
多層構造とし、かつ、内層の高分子材料のガラス転位温
度よりも外層の高分子材料のガラス転位温度の方が高い
構造にする必要がある。
第6図において、(a)は従来技術を示し、従来は、
固定子19の巻線19bは、その芯線32をガラス転位温度190
〜200℃の高分子材料A32aで覆ったものであった。例え
ば、この高分子材料としてエステルイミドがあげられ
る。これに対し第6図(b)は本実施例を示し、固定子
19の巻線19aは、その芯線32をガラス転位温度190〜200
℃の高分子材料A32aで覆い、この高分子材料Aの被膜上
をガラス転位温度250〜300℃の高分子材料B32bで被覆し
たものである。例えばこの高分子材料としてアミドイミ
ドがあげられる。
また、第7図において、(a)は従来技術を示し、従
来は、固定子19の絶縁フィルム19dは、ポリエチレンテ
レフタレートフィルム33aで構成されている。これに対
し、第7図(b)は本実施例を示し、固定子19の絶縁フ
ィルム19Cは、ポリエチレンテレフタレートフィルム33a
をガラス転位温度250〜300℃の高分子材料B32bで被覆し
たものである。
第5図に示すケース1の下部に溜っている冷凍機油13
は、前述のZ300A(アルキルベンゼン油)であり、冷媒
は、前述のようにフロン502にフロン12を5〜15%添加
したものを用いている。
また、第5図に示す回転軸4は、回転軸表面にりん酸
マンガン被膜30が形成されている。
このような密閉形ロータリ圧縮機の、従来技術と相違
する点の作用,効果を説明する。
圧縮機の運転にともない、回転軸4は回転力を伝達し
て圧縮機部23を作動させるが、回転軸4の固体潤滑性の
あるリン酸マンガン被膜30が摺動部31の面圧を低減し、
円滑に動作することができる。
すなわち、フロン502を使用すると、吸込圧力,吐出
圧力が高くなり、その差圧は大きくなる。したがって、
軸受に掛かる荷重が増えるが、りん酸マンガンは固体潤
滑性が優れており、片当りを防止し、摺動部31全域で荷
重を受けるように面圧低減効果がある。
また、固定子19の巻線19aから発生するオリゴマは、
芯線32に被覆されているガラス転位温度250〜300℃の高
分子材料B32bにより抽出量が抑制され、冷媒および冷凍
機油への溶け込みが低減される。
さらに絶縁フィルムから発生するオリゴマも巻線同様
ガラス転位温度250〜300℃の高分子材料B32bにより抽出
量が抑制され、冷媒および冷凍機油への溶け込みが低減
される。
第8図および第9図に、その試験結果の一部を示し
た。
第8図は、冷凍機油としてZ300Aを用いたときの冷媒
中における、巻線からのオリゴマ抽出試験の結果であ
る。従来線は、第6図(a)に示すガラス転位温度190
〜200℃の高分子材料A32aのみの巻線19bの供試線であ
り、新線は、本実施例のガラス転位温度190〜200℃の高
分子材料A32a上にガラス転位温度の250〜300℃の高分子
材料B32bを被覆した巻線19aの供試線である。
第8図から明らかなように、従来線をフロン502中に1
50℃浸漬で試験すると、フロン12中の試験結果を100%
としたとき、40日で127%の抽出量になる。これに対
し、新線をフロン502中に浸漬すると40日で93%抽出
し、フロン12と従来線との組合せよりも低い値となる。
第9図は、冷凍機油としてZ300Aを用いたときの冷媒
中における、絶縁フィルムからのオリゴマ抽出試験の結
果である。従来フィルムは、第7図(a)に示すポリエ
チレンテレフタレートフィルム33aのみの絶縁フィルム1
9dの供試フィルムであり、新フィルムは、本実施例のポ
リエチレンテレフタレートフィルム上にガラス転位温度
250〜300℃の高分子材料32bを被覆した絶縁フィルム19C
の供試フィルムである。
第9図から明らかなように、従来フィルムをフロン50
2中に130℃浸漬で試験すると、フロン12中の試験結果を
100%としたとき、40日で250%の抽出量になる。これに
対し、新フィルムをフロン502中に浸漬すると40日で50
%抽出し、フロン12と従来フィルムとの組合せよりも低
い値となる。
本実施例によれば、巻線および絶縁フィルムから冷媒
および冷凍機油へとけ込むオリゴマ量が低減され、圧縮
機部の吸込口などにオリゴマが結晶状に蓄積されること
がなく、圧縮動作に支障をもたらすことがない。
ところで、第3図に示すように、フロン502の冷媒を
使用することにより、同じ押除量で冷凍能力が約1.7倍
に増加する。
第4図は、横軸に押除量、縦軸に冷凍能力をとって、
フロン12の冷媒を用いたときの冷凍能力を破線、フロン
502を用いたときの冷凍能力を実線でしめしている。す
なわち、同押除量で比較するとフロン12の冷媒に対して
フロン502の冷媒は、約1.7倍の冷凍能力が出る。つま
り、フロン502を冷媒に用いると、フロン12を冷媒に用
いたときの圧縮機の押除量の1/1.7の押除量で同程度の
冷凍能力が確保できる。
そこで、先に(1)式で示した押除量の式 Vth=π(R2−r2)L における、シリンダ高さL,シリンダ内周面半径R,ローラ
外周面半径r等の設計値を選ぶことによって、冷媒にフ
ロン502を用いるロータリ圧縮機の押除量を、冷媒にフ
ロン12を用いたときのロータリ圧縮機の押除量の1/1.7
の容量となるように圧縮機部を構成することができる。
これによって、例えば大容量の冷蔵庫に使用する場
合、従来のフロン12を用いたものにくらべて押除量を小
さくできるので、圧縮機の大きさを小形にすることがで
きる。したがって、圧縮機の据付スペースが小さくな
り、例えば冷蔵庫の有効内容積を大きくする効果があ
る。また、圧縮機の小形化に伴い、材料費も低減するこ
とができる。
[発明の効果] 以上詳細に説明したように、本発明によれば下記の効
果がある。
(1)フロン12等の規制冷媒の使用量を減らすととも
に、二層分離温度を低くし、最低蒸発温度−40℃〜−60
℃の低温冷凍における信頼性を図りうる冷凍サイクルを
提供することができる。
(2)電動機の巻線および絶縁フィルムから冷媒および
冷凍機油へとけ込むオリゴマ量を低減して冷凍サイクル
の信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、フロン502と冷凍機油の相溶性を説明する二
層分離温度線図、第2図は、フロン502にフロン12を混
合した冷媒と冷凍機油との相溶性を説明する二層分離温
度線図、第3図は、冷凍機油の粘度と、成績係数,断熱
効率,最小油膜厚さとの関係を示す線図、第4図は、フ
ロン12,フロン502における押除量と冷凍能力との関係を
示す線図、第5図は、本発明の一実施例に係る密閉形ロ
ータリ圧縮機の要部縦断面図、第6図は、第5図の固定
子の巻線の拡大断面図、第7図は、第5図の固定子の絶
縁フィルムの拡大断面図、第8図は、冷媒中の巻線から
発生するオリゴマ抽出試験結果の説明図、第9図は、冷
媒中の絶縁フィルムから発生するオリゴマ抽出試験結果
の説明図、第10図は、従来の密閉形ロータリ圧縮機の要
部縦断面図、第11図は、その圧縮機部の押除量を説明す
るための断面図、第12図は、一般的な冷凍サイクル構成
図である。 1……ケース、2……シリンダ、3……偏心部、4……
回転軸、7……ローラ、8……シリンダの溝、10……ベ
ーン、13……冷凍機油、19……固定子、19a……巻線、1
9C……絶縁フィルム、20……回転子、22……電動機、23
……圧縮機部、30……りん酸マンガン被膜、32……芯
線、32a……高分子材料A、32b……高分子材料B、33a
……ポリエチレンテレフタレートフィルム、40……圧縮
機、41……凝縮器、42……膨張機構、43……蒸発器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 成好 巧次 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所栃木工場内 (72)発明者 川南 茂也 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所栃木工場内 (72)発明者 田川 茂太郎 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所栃木工場内 (72)発明者 飯塚 董 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所栃木工場内 (72)発明者 権守 仁彦 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所栃木工場内 (72)発明者 玉沢 一哲 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所栃木工場内 (56)参考文献 特開 昭62−283193(JP,A) 特開 平1−115998(JP,A) 特開 平2−29495(JP,A) 特開 昭60−84954(JP,A) 特開 昭63−18163(JP,A) 特開 平1−219173(JP,A) 実開 昭61−3984(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F25B 1/00 C10M 105/52 C10M 111/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも、圧縮機、凝縮器、膨張機構お
    よび蒸発器から構成され、フロン系冷媒を使用し、最低
    蒸発温度が−40℃〜−60℃である冷凍サイクルにおい
    て、 冷媒はフロン502にフロン12を5〜15%の割合で混合し
    たものとし、かつ、冷凍機油は、40℃のときの粘度50〜
    65cst,100℃のときの粘度5.5〜6.5cstのアルキルベンゼ
    ン油を用いるとともに、 前記圧縮機内の固定子の巻線は、その芯線をガラス転位
    温度190〜200℃の高分子材料で覆い、この高分子材料の
    被膜上をガラス転位温度250〜300℃の高分子材料で被覆
    し、 前記圧縮機内の電動機の絶縁フイルムは、ポリエチレン
    テレフタレートフイルムにガラス転位温度250〜300℃の
    高分子材料を被覆した複合フイルムを用いたことを特徴
    とする冷凍サイクル。
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