JP2982915B2 - 回転陽極x線管 - Google Patents

回転陽極x線管

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JP2982915B2 JP3065276A JP6527691A JP2982915B2 JP 2982915 B2 JP2982915 B2 JP 2982915B2 JP 3065276 A JP3065276 A JP 3065276A JP 6527691 A JP6527691 A JP 6527691A JP 2982915 B2 JP2982915 B2 JP 2982915B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、玉軸受で支持され高速
回転する陽極に熱電子線を照射し、X線を放射させる医
療用回転陽極X線管に関する。
【0002】
【従来の技術】X線は高電圧によって加速された電子が
陽極円板(以下、ターゲットと呼ぶ。)に衝突した際に、
その運動エネルギーの一部がX線に変換されることによ
り得られる。しかし、ターゲットに衝突した電子の運動
エネルギーの大部分が熱に変換されるので、その熱の処
理が問題となり、その熱による温度上昇がX線管の許容
熱容量を決める。回転陽極X線管は高い焦点輝度(焦点
の単位面積から単位時間に放射されるX線量)が得られ
るため、医療用では広く用いられているが、ターゲット
で発生した熱は、ターゲット及びロータから管球容器
へ、輻射と、玉軸受を経由して外部へ放散する伝導とで
放散される。通常の実用時には、前者の熱輻射が90
%、後者の熱伝導が10%程度の割合いである。回転陽
極X線管の構成部材のなかで、最も温度上昇に対して敏
感で弱いのが玉軸受である。そのために、これまで極め
て多くの改良が玉軸受の冷却に関してなされてきた。
【0003】例えば、実開昭63−70653 号では玉軸受の
外輪側に陽極ターゲットとロータを接続し、外輪を回転
させる方式とし、内輪を固定軸に装着し固定軸の一端か
ら絶縁油を導入して固定部を積極的に冷却する。また、
実開昭62−57364 号ではロータの内面と軸受箱の外表面
に黒化処理を施しロータの熱を固定部に導入してロータ
を冷却するとともに、玉軸受の内外輪間の温度差を減少
する。さらに、特公昭59−2143号では、ロータと回転軸
の間に管状体と呼ぶ断熱部材を設けて回転軸、ひいては
玉軸受の温度を下げる。その他、玉軸受の温度を下げる
ために、多くのアイディアが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ターゲットに入射する
エネルギー量によってX線管の容量が決まる。同一容量
のX線管においては、できるだけ玉軸受の温度を低下す
ることが望まれる。すなわち、例えばターゲットの温度
が1000℃の場合、玉軸受の温度は1℃でも低いこと
が望ましい。上記の如く、様々なアィディアを盛り込ん
で、X線管の陽極部材は設計され、玉軸受の温度は最も
高い個所でも500℃を越えないように押えている。
【0005】ところで伝導で放散する熱は玉軸受の内輪
からボールを経て外輪へ伝わり軸受箱へ伝わる。ボール
と内輪、ボールと外輪との接触面積はミクロン単位で小
さく、熱抵抗が大きい。そのため、静止部へ伝導する熱
量が制限される。一方、軸受周辺は500℃近くまで昇
温しており、回転軸側からの輻射による熱伝達は軸受を
伝導する熱量の数十パーセントに達する。しかし、従来
は二つの軸受を軸方向に位置決めするスリーブに輻射熱
が全て吸収され、スリーブから軸受を介して軸受箱へ、
あるいはスリーブから軸受箱へ伝導していた。スリーブ
とハウジング間には数十ミクロンのすきまがあり、接触
熱抵抗が無視できず、輻射による回転軸の冷却が十分活
用されていなかった。
【0006】本発明は以上のような事情に鑑みてなされ
たもので、軸受周辺の輻射伝熱を十分に活用し、回転軸
を冷却し軸受温度を低下することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、外輪側スリーブに複数個の開口部を設け、回転軸側
からの輻射熱を直接軸受箱に伝達せしめる。また、開口
部を設けたスリーブに黒化処理を施し、あるいは軸受箱
の内面と内輪側スリーブにも黒化処理を施して輻射率を
高める。スリーブの一部をコイルばねに置き換えると、
コイルばねは上記の開口部を設けたスリーブと同様、輻
射熱を軸受箱に伝達するのに好都合で、軸受に予圧を作
用させることができる。本発明では軸受箱へ輻射熱が直
接伝わるので、軸受箱を銅または、銅合金にて構成する
と、軸受箱の熱を外部へ速やかに放散できる。
【0008】
【作用】上記の如く、従来は内輪側スリーブから放射さ
れた輻射熱が外輪側スリーブに吸収され、外輪側スリー
ブから軸受を経て、あるいは外輪側スリーブから軸受箱
へ伝導していた。本発明では外輪側スリーブ円筒面の表
面積の半分以上を開口部としているため、内輪側スリー
ブから放射された輻射熱は大部分この開口部を通って直
接軸受箱に到達する。軸受箱はX線管の外部に連通して
おり、すなわち軸受箱の一端は絶縁油中にあるため、軸
受箱は70〜100℃と他の部材に比較して低温に保た
れる。そのため、内輪側スリーブから放射される輻射伝
熱量が増え、内輪側スリーブひいては軸受内輪の温度が
低下する。
【0009】なお、軸受箱側の吸熱率は100%ではな
く、一部は反射する。しかし、本発明の如く外輪側スリ
ーブに開口部を設けると、軸受箱で反射した熱はスリー
ブの開口部に吸収され内輪側スリーブへ戻る量が減る。
すなわち外輪側スリーブの開口部を設けたことにより受
熱部面積を約1.2 倍に増大しそれによって輻射伝熱量
も約1.2 倍に増加する。通常の機械加工面の輻射率は
0.2〜0.4であるが、黒色クロムメッキ等の黒化表面
処理を施すと、輻射率は0.7〜0.9に増大でき、これ
により輻射伝熱量は3〜4倍に増加する。
【0010】
【実施例】以下本発明の一実施例を図1により説明す
る。図1は本発明の一実施例の要部断面図である。回転
陽極X線管は真空容器3により内部が高真空に気密され
ていて、静止体である陰極1と、陽極ターゲット2と、
この陽極ターゲット2を回転支持する部材とが高真空雰
囲気中に配設されている。陽極ターゲット2はロータ4
aの支持軸に固定され、ロータ4aは回転軸5に締結さ
れ、回転軸5は外輪側スリーブ7,内輪側スリーブ8に
よって間隔をとって配列された2個の玉軸受6a,6b
で回転自在に支持されている。また、ロータ4aに接続
された円筒部4bは真空容器3の外部に設けられた磁界
発生器(図示せず)の回転磁界を受け回転するもので、
軸受箱9に固定されたブッシュ10は磁気回路を構成す
る。なお、11は真空容器3と軸受箱9を接続する接手
である。
【0011】さて、回転陽極X線管の使用状態において
は陽極1から放出された電子線が矢印の如く陽極ターゲ
ット2に衝突するとX線(上方矢印)が発生される。陽
極ターゲット2は電子線の衝突により電子線のエネルギ
ーの約99%が熱に変わるため約1000℃の高温にな
る。一方、真空容器3内は高真空(10-6〜10-7Tor
r)状態にあるため、陽極ターゲット2の熱は大部分が
陽極ターゲット2及びロータ4a,円筒部4bの表面か
ら輻射で真空容器3の外部へ放射され、一部は回転軸5
から玉軸受6a,6bに伝導し軸受箱9から外部に放熱
される。このため通常の使用条件では回転軸5の温度は
500℃前後に加熱される。
【0012】ここで、X線管として問題になることは玉
軸受6a,6bの温度である。上記の如く回転軸5は高
温に加熱されるため玉軸受6a,6bも回転軸5とほぼ
同じ温度になる。このため玉軸受6a,6bは耐熱高速
度鋼が使用されるが、耐熱高速度鋼を使用した玉軸受で
も500℃以上の高温では機械的強度とくに玉軸受の寿
命を支配する硬度が著しく低下するため、500℃以下
の温度になるよう工夫する必要がある。更にまた玉軸受
6a,6bの内部のボールと内外輪との接触面積は数十
ミクロン四方と小さく熱抵抗が大きいため、内外輪の温
度差は約200℃になる。このため一般に使用されてい
る玉軸受の軸受すきま5〜10μmに比較し、回転陽極
X線管の玉軸受6a,6bの軸受すきまは熱膨張を考慮
して数倍にしている。したがってX線管が作動し、軸受
が熱平衡するまでは振動が大きく玉軸受6a,6bに異
常振動が作用する。
【0013】玉軸受6a,6bが振動することは陽極タ
ーゲット2も振動することであり、振動によりX線写真
の画質が低下したり、騒音大といった苦情につながる。
更にまた高温,高真空では油潤滑ができないため銀,鉛
あるいは二硫化モリブデンなどが固体潤滑剤として使用
されるが、これらの潤滑剤も高温になるほど潤滑機能が
低下するためX線管球の使用状態においては極力低い温
度で使用することが望ましい。特に鉛を潤滑剤として使
用する場合は、鉛の蒸発速度が高く極力温度を下げる必
要がある。
【0014】以上の如きX線管の動作を考慮して、X線
管では図1に示すようにロータ4aの軸径を細くしたり
(中空形状にすることもある。)、回転軸5の先端部
(陽極ターゲット側)を薄肉中空管形状にするなど、さ
らにはロータ4aと回転軸5の先端部の間に管状体のフ
ランジ管を設けて熱伝導に対する熱抵抗を大きくする工
夫がなされている。更に陽極ターゲット2と玉軸受6a
の間隔を拡げて熱抵抗を大きくすることも考えられる
が、陽極ターゲット2は10000rpm で回転され、か
つ片持ちばり支持となっているため玉軸受6a,6bに
作用する荷重が増大するばかりでなく振動的に苛酷な条
件に置かれ、陽極ターゲット2と玉軸受6aの間隔はそ
れほど拡大できない。
【0015】X線管の性能,寿命信頼性に対して玉軸受
6a,6bの温度をできるだけ下げることが重要であ
り、製品開発上熱解析・実測が欠かせない。種々の解析
・実験から従来構造のX線管においては玉軸受6a,6
bの伝導熱量に対し、軸受周辺の輻射伝熱量としては同
程度の量が見込めることがわかった。しかし、従来の図
4の構造では外輪側スリーブ7に輻射熱が伝わり、外輪
側スリーブ7と軸受箱9との間に接触熱抵抗があるた
め、外輪側スリーブ7の温度が高くなり、その結果回転
軸5,球軸受6a,6bの温度はほとんど下がらなかっ
た。
【0016】本発明の外輪側スリーブ7の詳細を図2に
示す。本発明では外輪側スリーブ7に設けた開口部から
軸受箱9に直接輻射熱が到達するため、外輪側スリーブ
7を加熱することなく輻射伝熱による回転側の冷却作用
が得られる。本発明の効果を示す比較試験の結果を図5
に示す。ターゲット最大入力において約40℃の温度低
減効果があった。
【0017】図3は本発明の他の実施例を示す。外輪側
スリーブ7の長さを短縮し、コイルばね12をそう入し
てある。コイルばね12は周方向に開口部が連続してお
り、上記の効果が十分に得られるだけでなく、玉軸受6
a,6bに適度の予圧力を付与し、上記玉軸受の大きな
軸受すきまに起因する振動低減に効果がある。なお、コ
イルばね12の長さを長くして外輪側スリーブ7を廃止
しても良い。
【0018】本発明は回転軸5の熱を輻射で軸受箱9に
伝達して回転軸5を冷却するので、軸受箱9からX線管
外部へ熱を伝わり易くすることにより冷却効果が一層高
まる。そのためには軸受箱9を熱伝導率の高い材料であ
る銅、あるいは銅合金で構成したり、回転軸5の表面、
外輪側スリーブ7の表面,軸受箱9の内面を黒化処理し
て輻射率を高めることが有効であり、それらを実施する
ことにより本発明の効果はさらに高められる。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
外輪側スリーブに複数の開口部を設けたことにより、回
転軸の熱を軸射により軸受箱に直接伝達できるようにし
たので、軸受の温度を低減することができ、振動の少な
い長寿命のX線管が得られると共に、熱負荷の増大及び
X線写真の画質向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の要部を示す断面図。
【図2】本発明による外輪側スリーブの斜視図。
【図3】本発明の他の実施例の要部を示す断面図。
【図4】従来の外輪側スリーブの斜視図。
【図5】本発明による得られた軸受の冷却効果を示す実
験結果。
【符号の説明】
1 陰極 2 陽極ターゲット 3 真空容器 4a ロータ 4b 回転子 5 回転軸 6a 玉軸受 6b 玉軸受 7 外輪スリーブ 8 内輪スリーブ 9 軸受箱 12 コイルばね
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 啓志 千葉県柏市新十余二2の1 株式会社 日立メディコ柏工場内 審査官 杉浦 淳 (56)参考文献 特開 平2−132740(JP,A) 実開 昭63−99746(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01J 35/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転陽極と、これを支持する回転軸と、回
    転軸を支承する複数個の軸受と、軸受を支持固定する軸
    受箱と、軸受の内輪および外輪の位置決めをする内輪ス
    リーブと、外輪スリーブとを具備する回転陽極X線管に
    おいて、 前記外輪側スリーブに複数個の開口部を設けたことを特
    徴とする回転陽極X線管。
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