JP2982705B2 - 拡散シミュレーション方法 - Google Patents

拡散シミュレーション方法

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JP2982705B2
JP2982705B2 JP8241128A JP24112896A JP2982705B2 JP 2982705 B2 JP2982705 B2 JP 2982705B2 JP 8241128 A JP8241128 A JP 8241128A JP 24112896 A JP24112896 A JP 24112896A JP 2982705 B2 JP2982705 B2 JP 2982705B2
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L22/00Testing or measuring during manufacture or treatment; Reliability measurements, i.e. testing of parts without further processing to modify the parts as such; Structural arrangements therefor
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    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F30/00Computer-aided design [CAD]
    • G06F30/20Design optimisation, verification or simulation
    • G06F30/23Design optimisation, verification or simulation using finite element methods [FEM] or finite difference methods [FDM]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体デバイスの
製造プロセスのコンピュータシミュレーション技術に関
し、特に、酸化工程における不純物拡散のシミュレーシ
ョン方法に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の酸化工程における不純物拡散の
シミュレーション方法として、例えば文献(D.A.Antoni
adis,M.Rodoni,R.W.Dutton, “Impurity Redistributio
n in Sio2-Si during Oxidation: A Numerical Solutio
n Including Interfacial Fluxes”, Journal of the E
lectrochemical Society, 1979年11月、pp.1
939−1945)等の記載が参照される。
【0003】従来、酸化性雰囲気における不純物の熱拡
散のコンピュータシミュレーションは、上記文献に記載
されている手順で行われていた。以下にこの従来技術に
ついて、シリコンウェハーの一次元シミュレーションを
例にとり、図3を参照して詳細に説明する。
【0004】シミュレーションを始めるに当たり、ま
ず、図3(A)に「1.初期状態」として示されている
ような構造が設定される。図3において、横軸は、シリ
コンウェハーの最表面を原点としウェハー内部に向かう
深さ方向が正になるよう定義されており、縦軸は、各深
さにおいて、ウェハー中に含まれる不純物濃度、例えば
ホウ素の体積濃度を示している。図3(A)の場合、シ
リコンウェハーの最表面は自然酸化膜で覆われているこ
とを示している。
【0005】更に、この初期状態の構造において、深さ
方向に適当な間隔でメッシュ点が設けられ、ウェハー中
の不純物濃度は、そのメッシュ点上で離散的に表現され
る。図3において、黒丸はこのメッシュ点を示してい
る。
【0006】各メッシュ点が受け持つ領域は、隣接する
メッシュ点との中点で区分され、同図3(A)におい
て、斜線(ハッチング)を施した各短冊(バー)は、こ
の各メッシュ点が受け持つ領域内で定義された不純物濃
度を示している。
【0007】また、シリコンと酸化膜との界面では、両
者の化学ポテンシャルの違いから、不純物の偏析という
現象が生じ、不純物濃度が段階的に変化する。この現象
を表現するため、シリコンと酸化膜との界面にはメッシ
ュ点が二重に配置されている(図3(A)のmp1、m
p2参照)。
【0008】初期設定が完了するとシミュレーションが
開始される。
【0009】まず、図3(B)に示した「2.界面移
動」で示されているように、酸化性雰囲気によってシリ
コンが酸化膜に変化するのに伴い、シリコンが消費され
た分だけシリコン酸化膜界面がより深い方向に移動し、
新界面が形成される。
【0010】シリコン消費量の算出に関しては、初期酸
化膜圧と温度、雰囲気中の酸化種濃度から解析式によっ
て求める方法と、初期酸化膜内で酸化種の拡散方程式と
シリコン酸化膜界面で反応方程式を同時に解いて求める
方法とがあるが、その詳細は本発明の主題には直接関係
しないため、説明は省略する。
【0011】新界面上には、新たに二重メッシュ点が設
定されるが、この時点では、まだ不純物の偏析が生じて
いないため、これら二つのメッシュ点には、共に、同一
不純物濃度が定義される。この新二重メッシュ点を白丸
(図3(B)のmp3)にて示す。
【0012】次に、図3(C)の「3.体積膨脹」で示
されるように、シリコンが酸化膜に変化することによっ
て生じる体積膨脹により、旧界面が上方へ移動する。こ
の時点で、新旧界面を通過しての不純物の流入流出は無
いものと仮定しているため、体積膨脹に伴って、旧界面
と新界面に挟まれた領域の不純物濃度が低下する。図3
(C)では、この不純物濃度が低下した部分を、より太
い斜線(ハッチング)を施した領域(図3(c)のr)
として示している。
【0013】体積膨脹率に関しては、一次元問題では定
数が使用され、二、三次元問題では、粘弾性体モデルに
よる変形計算の結果が使用されるが、これも本発明の主
題には直接関係しないため、その説明は省略する。
【0014】次に、図3(D)の「4.不純物拡散」で
示されているように、不純物の拡散方程式を解き不純物
を再分布させる。
【0015】これに先立ち、まず新旧界面に挟まれた領
域を、新たに酸化膜の一部として定義し、旧界面を廃止
すると共に、旧界面上の二重メッシュ点を通常の単一メ
ッシュ点に変換する。
【0016】この単一メッシュ点上の不純物濃度は、二
重メッシュが受け持っていた不純物の総量が保存される
ように設定される。
【0017】図3(D)では、この単一メッシュ点に変
換された点を白丸(図3(D)のmp4)で示してあ
る。
【0018】次に、不純物の拡散方程式(次式(1)、
(2))を解く訳であるが、従来技術ではメッシュ点上
で離散化された下記に示すような方程式群を連立して解
いている。
【0019】
【数1】
【0020】酸化膜最表面のメッシュ点:
【数2】
【0021】酸化膜内部のメッシュ点:
【数3】
【0022】シリコン−酸化膜界面に隣接した酸化膜内
部のメッシュ点:
【数4】
【0023】シリコン−酸化膜界面上の酸化膜側メッシ
ュ点:
【数5】
【0024】シリコン−酸化膜界面上のシリコン側メッ
シュ点:
【数6】
【0025】シリコン内部のメッシュ点:
【数7】
【0026】上式において、添字OX、SIは、それぞ
れ酸化膜(Oxide)、及びシリコン(Si)に関係
した量であることを示し、上付きの添字nは現在の解析
時刻番号を、下付き添字iはメッシュ点番号を示してい
る。
【0027】Cn iは、現在の解析時刻におけるメッシュ
点iでの不純物濃度を示し、Fn D,i,i+1は、同じく現時
刻におけるメッシュ点i、i+1間の不純物拡散フラッ
クスを示している。
【0028】また、M、Dは、不純物の拡散定数であ
る。Δtnは、現在の解析時間刻み幅を示し、これは現
在の解析時刻と前解析時刻の差で与えられる。
【0029】Δxiは、メッシュ点iが受け持つ区間の
幅を示す。Fn aは、現時刻での最表面からの不純物流入
フラックスであり、haは、雰囲気−酸化膜間の不純物
輸送係数である。
【0030】Fn bは、現時刻での界面の移動に伴う不純
物の再分布の効果を示す「界面移動フラックス」を示
し、Voxは界面移動速度、Δtbは移動界面が新界面上
の酸化膜側のメッシュ点が受け持つ領域に入ってから経
過した時間、aはシリコンと酸化膜の体積比、をそれぞ
れ表している。
【0031】Fn sは、現時刻での不純物の偏析フラック
スを示し、hs、mはそれぞれシリコン−酸化膜界面に
おける不純物輸送係数並びに偏析係数である。
【0032】これらのフラックスとメッシュ、シリコン
−酸化膜界面との位置関係を図4に示す。図4におい
て、FD,OX,i,jは酸化膜中のメッシュ点i、j間の拡散
による不純物輸送フラックス、FD,SI,i,jはシリコン中
のメッシュ点i、j間の拡散による不純物輸送フラック
ス、Faは雰囲気−酸化膜間の不純物輸送フラックス、
bは界面移動の不純物輸送フラックス、Fsは不純物偏
析の不純物輸送フラックス、COX,iは酸化膜中のメッシ
ュ点iにおける不純物濃度、CSI,iはシリコン中のメッ
シュ点iにおける不純物濃度をそれぞれ示している。
【0033】上記方程式群は、現時刻の不純物濃度に関
して連立一次方程式となるため比較的容易に解くことが
できる。
【0034】解を求めた後、この解を新たな初期状態と
し、時刻を進めて、n=n+1として、図3(B)の
「2.界面移動」へ戻り、再び同じ処理を繰り返す。こ
の処理を、予め決められた時刻に到達する迄行う。
【0035】図5に、これら全体の処理の流れをまとめ
て流れ図として示す。すなわち、初期状態を設定し(ス
テップ101、図3(A)参照)、界面移動処理(ステ
ップ102、図3(B)参照)、体積膨張(ステップ1
03、図3(C)参照)、不純物拡散処理(ステップ1
04、図3(D)参照)の後、時刻を1タイムステップ
更新し、この処理を予定時刻に到達するまで繰り返す。
【0036】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術において
は、前述の通り、シリコン−酸化膜界面上の酸化膜側メ
ッシュ点とそれに隣接する酸化膜内部のメッシュ点との
間で「界面移動フラックス」Fn bなるものを設定してい
た。
【0037】この界面移動フラックスは、元来は、界面
の移動に伴う不純物の再分布の効果を取り入れるために
導入されたものであるが、その実質的な効果は、新たに
シリコンから酸化膜に変化した領域内部での不純物輸送
を促進し、シリコン−酸化膜界面のみで定義されている
不純物偏析の効果を、酸化膜成長と共に酸化膜全体に波
及させる点にある。
【0038】例えばホウ素は偏析の効果により酸化の進
行と共に、シリコン側から酸化膜側により多く配分さ
れ、図6(A)に示すように分布する。図6(A)は、
界面移動フラックスを含む場合のシミュレーションの一
タイムステップ前後でのホウ素分布を示す図である。ま
た、図6(B)は、界面移動フラックスを含まない場合
のシミュレーションの一タイムステップ前後でのホウ素
分布(不純物濃度の分布)を示す図である。
【0039】一方、ホウ素の酸化膜中の拡散に起因する
フラックスFn Dox,i,i+1は、シリコン−酸化膜間の偏析
フラックスFn sや界面移動フラックスに比べ非常に小さ
いため、界面移動フラックスを考慮せずにホウ素の拡散
シミュレーションを行うと、ホウ素の偏析の効果が、シ
リコン−酸化膜界面上のメッシュ点のみに留まり、図6
(B)に示すように、シリコン−酸化膜界面でスパイク
の立った、現実の分布にそぐわないホウ素分布となって
しまう(実際には図6(A)のような分布となる)。
【0040】また、図6(B)に示す結果は、ホウ素が
酸化膜中に取り込まれる量が、実際より少ないことを意
味しており、シミュレーションのタイムステップを重ね
るにつれ、シリコン側のホウ素の分布も、実際の分布か
らさらに乖離して行くことになる。
【0041】このように、従来技術のシミュレーション
方法において、重要な働きをする界面移動フラックスで
あるが、以下のような問題点を有している。
【0042】(1)まず、第1の問題点は、シミュレー
ション時のシリコン−酸化膜界面移動距離に制限が加わ
る、ということである。
【0043】界面移動フラックスは、シリコン−酸化膜
界面上の酸化膜側メッシュ点と、これに隣接する酸化膜
内部のメッシュ点と、の間でのみ定義されているため、
一つのタイムステップ内での界面移動距離は、移動前の
シリコン−酸化膜界面から界面に隣接したシリコン内部
のメッシュ点までの間に限られ、新旧界面間に、メッシ
ュ点を含むことはできない。
【0044】もしメッシュ点が含まれると、そのメッシ
ュ点とこれに隣接するよりウェハー表面に近い側のメッ
シュ点との間では、界面移動フラックスが定義されてい
ないため、例えばホウ素の拡散の場合、図6(B)に示
すような分布となってしまう。
【0045】ところで、界面移動距離を十分小さく保て
ば、このような問題は生じないが、逆に、タイムステッ
プ数の増加を招き、シミュレーション時間が増大してし
まう。
【0046】一方、界面移動距離を大きくするために
は、メッシュ点間の間隔を広くとればよいが、メッシュ
点間隔を大きくとると、不純物分布の表現精度が低下し
てしまうことになる。
【0047】(2)第2の問題点は、界面移動フラック
スの概念は、2、3次元空間でのシミュレーションへの
拡張が困難である、ということである。
【0048】図3に示したような1次元問題では、メッ
シュ点列の方向と界面移動方向が必然的に一致するが、
例えば図7に示すような2次元問題では、一般に、三角
メッシュが使用され、各フラックスは、隣接メッシュ点
間を結ぶメッシュ枝上で定義されるため、フラックスの
方向と、シリコン−酸化膜界面の移動方向とは、必ずし
も一致しない。
【0049】このような状況下では、界面移動フラック
スを、直接メッシュ枝上で定義することはできず、何ら
かの近似操作が必要になる。
【0050】このように、1次元空間においてより高
速、且つ高精度なシミュレーションや、多次元空間にお
けるシミュレーションを行うためには、界面移動フラッ
クスに代わる手法を用いて、シリコン−酸化膜界面での
不純物偏析の効果を、酸化膜全体に波及させることが必
要とされる。
【0051】したがって、本発明は、上記事情に鑑みて
なされたものであって、その目的は、酸化性雰囲気にお
ける拡散シミュレーションにおいて、シリコン−酸化膜
界面の移動距離やメッシュ点の間隔に制限を設けること
なく、高速、且つ高精度なシミュレーションを可能とす
ると共に、多次元空間でのシミュレーションにも適用可
能な、シリコン−酸化膜界面での不純物偏析効果を酸化
膜全体に波及させる方法を提供することにある。
【0052】
【課題を解決するための手段】 前記目的を達成するた
め、本発明の酸化性雰囲気における不純物の熱拡散シミ
ュレーション方法は、一つの時間刻みの中で、それまで
半導体物質であったものが酸化されて新たに酸化物質に
変化した部分を遷移領域と規定し、その遷移領域内部に
て遷移領域固有の拡散定数を用いて、不純物の拡散フラ
ックスを定義し拡散方程式を解くことにより遷移領域内
部の不純物の再分布を計算する、ことを特徴としてい
る。
【0053】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態、及び実施の
形態を具体的に例示する実施例を以下に説明する。
【0054】本発明は、その好ましい実施の形態におい
て、一つの時間刻み(タイムステップ)の中で、それま
で半導体物質であったものが酸化されて新たに酸化物質
に変化した部分を、遷移領域と定義し、この遷移領域内
部にて遷移領域固有の拡散定数を用いて拡散方程式を解
くことにより、遷移領域内部の不純物の再分布を計算す
るものである。すなわち、本発明の実施の形態において
は、遷移領域内部での不純物輸送を、拡散方程式により
モデル化しており、このため、その輸送フラックスは、
遷移領域に含まれる全メッシュ点の全ての隣接メッシュ
点間で定義される拡散フラックスとなり、遷移領域全域
でほぼ均一な不純物の輸送が実現される。
【0055】また、遷移領域中で定義される固有拡散定
数によって計算される拡散フラックスが、従来の界面移
動フラックスや不純物偏析フラックスに比べて同程度か
或いは十分大きければ、遷移領域内での不純物拡散は律
速過程とはならず、シリコン−酸化膜界面のみで定義さ
れている不純物偏析の効果を、遷移領域全体に波及させ
ることができる。
【0056】そして、本発明の実施の形態においては、
新旧界面に挟まれた領域である遷移領域内部に、任意の
個数のメッシュ点を含むことができるため、シリコン−
酸化膜界面移動距離を任意に設定することができ、上記
従来技術のような、一つの時間刻み(タイムステップ)
内での半導体−酸化膜界面の移動距離に制限が生じな
い。従って、より高速、高精度なシミュレーションが可
能である。
【0057】また、拡散フラックスはシリコン−酸化膜
界面の移動方向とは無関係に常に隣接メッシュ点間で定
義されるため多次元への拡張も極めて容易である。
【0058】
【実施例】上記した本発明の実施の形態についてさらに
詳細に説明すべく、本発明の実施例について図面を参照
して以下に詳細に説明する。
【0059】図1は、本発明の一実施例の方法を説明す
るための図である。まず、図3に示した従来技術と同様
に、図1(A)に「1.初期状態」として示したような
構造を設定する。図1において、横軸は、シリコンウェ
ハーの最表面を原点としウェハー内部に向かう深さ方向
が正になるよう定義されており、縦軸は、各深さにおい
て、ウェハー中に含まれる不純物濃度(体積濃度)を示
している。
【0060】深さ方向に適当な間隔でメッシュ点が設け
られ、ウェハー中の不純物濃度が離散的に表現される。
また、シリコンと酸化膜の界面では両者の化学ポテンシ
ャルの違いから不純物の偏析が生じ、不純物濃度が段階
的に変化している。
【0061】初期設定が完了するとシミュレーションが
開始される。まず、図1(B)に、「2.界面移動」と
して示すように、酸化性雰囲気によってシリコン酸化膜
が変化するのに伴い、シリコンが消費された分だけ、シ
リコン−酸化膜界面がより深い方向に移動し、新界面が
形成される。
【0062】シリコン消費量の算出に関しては、上記従
来技術と同様の方法で行う。新界面と境界面で挟まれた
領域を、新たに「遷移領域」という。
【0063】次に、図1(C)に、「3.体積膨脹」と
して示すように、シリコンが酸化膜に変化することによ
って生じる遷移領域の体積膨脹により、旧界面が上方へ
移動する。
【0064】この時点で、新旧界面を通過しての不純物
の流入及び流出は無いと仮定しているため、体積膨脹に
伴って遷移領域の不純物濃度が低下する。体積膨脹率に
ついては、上記従来技術と同様の方法で計算を行う。
【0065】次に、図1(D)に、「4.不純物拡散」
として示すように、不純物の拡散方程式を解き、不純物
を再分布させる。
【0066】これに先立ち、まず旧界面上の二重メッシ
ュ点を通常の単一メッシュ点(図1(D)のmp4)に
変換する。
【0067】この単一メッシュ点上の不純物濃度は、二
重メッシュが受け持っていた不純物の総量が保存される
ように設定される。
【0068】次に、不純物の拡散方程式を解くことにな
るが、本実施例では、シリコン、酸化膜領域のみなら
ず、遷移領域においても、遷移領域固有の拡散定数を用
いて、不純物の拡散フラックスを定義して、離散化され
た拡散方程式を構成する。
【0069】拡散方程式を解いて解を求めた後、遷移領
域を新たに酸化膜の一部として再定義し、旧界面を廃止
する。
【0070】この状態を新たな初期状態とし、時刻を進
めてn=n+1として、図1(B)の「2.界面移動」
へ戻り、再び同じ処理を繰り返す。
【0071】この処理を予め決められた時刻に到達する
迄行う。
【0072】次に、本実施例における離散化された拡散
方程式の構成法について以下に詳細に説明する。
【0073】本実施例では、図2に示すようなフラック
スとメッシュ、酸化膜−遷移領域境界、遷移領域−シリ
コン境界の定義を基に、以下の方程式群を解く。
【0074】酸化膜最表面のメッシュ点:
【数8】
【0075】酸化膜内部のメッシュ:
【数9】
【0076】遷移領域−酸化膜界面に隣接した酸化膜内
メッシュ点:
【数10】
【0077】遷移領域−酸化膜界面上のメッシュ点:
【数11】
【0078】遷移領域−酸化膜界面に隣接した遷移領域
内メッシュ点:
【数12】
【0079】遷移領域内部のメッシュ点:
【数13】
【0080】シリコン−遷移領域界面上の遷移領域側メ
ッシュ点:
【数14】
【0081】シリコン−遷移領域界面上のシリコン側メ
ッシュ点:
【数15】
【0082】シリコン内部のメッシュ点:
【数16】
【0083】上式において、添字OX、TR、SIは、
それぞれ酸化膜、遷移領域並びにシリコンに関係した量
であることを示し、Bは、酸化膜−遷移領域境界上で定
義されている量であることを示す。
【0084】また、上付きの添字nは現在の解析時刻番
号を示し、下付き添字iはメッシュ点番号を示してい
る。
【0085】Cn iは、現在の解析時刻におけるメッシュ
点iでの不純物濃度を示し、Fn D,i,i+1は、同じく現時
刻におけるメッシュ点i、i+1間の不純物拡散フラッ
クスを示している。Dは不純物の拡散定数である。
【0086】Δtnは、現在の解析時間刻み幅を示し、
これは現在の解析時刻と前解析時刻の差で与えられる。
【0087】Δxiは、メッシュ点iが受け持つ区間の
幅を示す。
【0088】Fn aは、現時刻での最表面からの不純物流
入フラックスであり、haは雰囲気−酸化膜間の不純物
輸送係数である。Fn bは、現時刻での偏析フラックスを
示し、hs、mはそれぞれシリコン−酸化膜界面におけ
る不純物輸送係数並びに偏析係数である。
【0089】遷移領域内の拡散定数としては、例えば界
面移動フラックスとほぼ同程度の拡散フラックスを実現
するものとして、次式(50)で与えられる。
【0090】
【数17】
【0091】本発明の別の実施例として、シリコンウェ
ハーの酸化性雰囲気での拡散シミュレーションを行う場
合の、遷移領域内の拡散定数の他の与え方について、具
体例に基づき説明する。
【0092】不純物のフラックスの間には、ほぼ、 (偏析フラックス)>>(シリコン内拡散フラックス)>>(酸化膜内拡散フラッ クス) …(51) なる大小関係が存在する。
【0093】本実施例によるシミュレーションで正しい
結果を得るためには、 (遷移領域内拡散フラックス)>>(シリコン内拡散フラックス) …(52) とする必要があり、上式(50)に示した遷移領域内の
拡散定数DTRは、この関係を満たしている。
【0094】一方、遷移領域内拡散フラックスと偏析フ
ラックスとを同程度の大きさに設定しても、上記関係式
(52)は満たされるので、これを実現する遷移領域内
拡散定数DTRとして次式(53)のように設定すること
も可能である。
【0095】
【数18】
【0096】更に、次式(54)を満たすような設定と
してもよい。
【0097】
【数19】
【0098】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
下記記載の効果を奏する。
【0099】(1)本発明の第1の効果は、一つの時間
刻み(タイムステップ)内での半導体−酸化膜界面の移
動距離に制限が生じない、ということである。
【0100】その理由は、本発明においては、新旧界面
に挟まれた領域に、任意の個数のメッシュ点を含むこと
ができる、ようにしたことによる。
【0101】(2)本発明の第2の効果は、多次元問題
への適用可能である、ということである。
【0102】これは、本発明においては、新旧界面間に
挟まれた領域内の不純物輸送が、同領域内の隣接メッシ
ュ点間の拡散フラックスで記述される、ようにしたこと
による。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を説明するための図である。
【図2】本発明の一実施例におけるフラックスとメッシ
ュ、界面の位置関係を示す図である。
【図3】従来技術の処理方法を説明するための図であ
る。
【図4】従来技術におけるフラックスとメッシュ、シリ
コン−酸化膜界面の位置関係を示す図である。
【図5】従来技術の処理フローを説明するためのフロー
チャートである。
【図6】(A)は界面移動フラックスを含む場合のシミ
ュレーションの一タイムステップ前後でのホウ素分布を
示す図である。(B)は界面移動フラックスを含まない
場合のシミュレーションの一タイムステップ前後でのホ
ウ素分布を示す図である。
【図7】2次元空間での三角メッシュ点の配置とシリコ
ン−酸化膜界面の移動方向との関係を示す図である。
【符号の説明】
D,OX,i,j 酸化膜中のメッシュ点i、j間の拡散によ
る不純物輸送フラックス FD,TR,i,j 遷移領域中のメッシュ点i、j間の拡散に
よる不純物輸送フラックス FD,SI,i,j シリコン中のメッシュ点i、j間の拡散に
よる不純物輸送フラックス Fa 雰囲気−酸化膜間の不純物輸送フラックス Fb 界面移動の不純物輸送フラックス Fs 不純物偏析の不純物輸送フラックス COX,i 酸化膜中のメッシュ点iにおける不純物濃度 CTR,i 遷移領域中のメッシュ点iにおける不純物濃度 CB,i 酸化膜−遷移領域界面のメッシュ点iにおける
不純物濃度 COX,i シリコン中のメッシュ点iにおける不純物濃度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 21/00 H01L 21/22 - 21/24

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化性雰囲気中における不純物の熱拡散シ
    ミュレーションにおいて、 一つの時間刻みの中で、そ
    れまで半導体物質であったものが酸化されて新たに酸化
    物質に変化した部分を遷移領域と規定し、 前記遷移領
    域内にて、該遷移領域固有の拡散定数を用いて、不純物
    の拡散フラックスを定義し拡散方程式を解くことによ
    り、前記遷移領域内部の不純物の再分布を計算する、 ようにしたことを特徴とする拡散シミュレーション方
    法。
  2. 【請求項2】前記遷移領域内の拡散定数(DTR)を、半
    導体物質−酸化物質界面の局所的な移動速度(Vox
    と、現在の時間刻み幅(Δt)とを用いて、V2 oxΔt
    /6として設定することを特徴とする請求項1記載の拡
    散シミュレーション方法。
  3. 【請求項3】前記遷移領域内の拡散定数(DTR)を、半
    導体物質−酸化物質界面の不純物輸送係数(hs)と現
    在の時間刻み幅(Δt)と、を用いて、h2 sΔt/6と
    して設定することを特徴とする請求項1記載の拡散シミ
    ュレーション方法。
  4. 【請求項4】請求項1記載の拡散シミュレーション方法
    において、前記遷移領域内の拡散定数を、請求項2又は
    請求項3に基づいて計算される値よりも十分に大きな値
    に設定して前記遷移領域内の拡散方程式を解くことを特
    徴とする拡散シミュレーション方法。
  5. 【請求項5】酸化性雰囲気によって酸化膜が変化するの
    に伴い半導体−酸化膜界面が移動し新界面が形成される
    際に、この新界面と旧界面で挟まれた領域を遷移領域と
    し、半導体が酸化膜に変化することによって生じる前記
    遷移領域の体積膨脹により旧界面が移動した後の不純物
    拡散において、半導体及び酸化膜領域のみならず前記遷
    移領域においても、該遷移領域固有の拡散定数を用いて
    不純物の拡散フラックスを規定し、拡散方程式を解くこ
    とにより前記遷移領域内部の不純物の再分布を計算す
    る、ようにしたことを特徴とする拡散シミュレーション
    方法。
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