JP2982694B2 - 低温焼結石英基板の製造方法 - Google Patents

低温焼結石英基板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に低誘電損失で
あることを要求されるマイクロ波集積回路に用いられる
基板材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】焼結温度が1500℃以上の石英を12
00℃以下の低温で焼結させ、低抵抗導体を同時焼成す
る技術として、粒子径が5〜500nmである石英粉末を
用いる方法(特開平8−32238号公報)が提案され
ている。多層配線基板とする場合、前述の石英粉末によ
りグリーンシートを作製して、従来よりセラミック多層
配線基板の製造方法として知られているグリーンシート
積層法により作製する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
粒径のシリカ粉末の取り扱いは容易ではなく、グリーン
シートの作製が困難であった。グリーンシートに含まれ
る原料粉末が均一に分散されていない、グリーンシート
の厚みにばらつきが大きい場合、それより作製した積層
体を焼成して得られる焼結体は収縮のばらつきが生じ、
寸法を制御することが困難となる。また、前述の焼成方
法では焼結に長時間を要するという問題があった。
【0004】本発明の目的は、低温焼結石英基板の製造
において用いられる微粒径シリカ粉末による前述のよう
な不具合のないグリーンシートの製造方法を提供するこ
とにある。また、焼成時間を短縮した焼成方法を提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の低温焼結石英基
板の製造方法は図1に示すように、原料粉末として一次
粒子径の平均粒径が5〜500nmである石英粉末1を用
い、これを物理吸着により一次粒子より粒径の大きな二
次粒子2としてバインダー及び溶剤と混合、スラリーと
した後、スリップキャスティング成膜法等によりグリー
ンシートを作製し、必要に応じてグリーンシート上に導
体層を形成し、かつ多層化する場合にはこれらを積層、
熱圧着して生積層体を作製し、分圧にして0.005気
圧以上0.85気圧以下の水蒸気を含む雰囲気中800
℃以上1200℃以下で焼成することを特徴とする。
【0006】平均粒径が5〜500nmである石英粉末を
それよりも粒径の大きな二次粒子とするには、水等を分
散媒として混合したものを自然乾燥もしくは乾燥器中6
時間〜24時間強制乾燥を行い、粒子間の物理吸着によ
る凝集を行うことにより可能となる。ここで、凝集した
二次粒子の大きさとしては5〜50μm 程度であること
が望ましい。
【0007】また、表面にシラノール基を有するシリカ
粉末に同様の工程を行い、シラノール基間の脱水縮合反
応により二次粒子径を増大させることが可能となる。こ
れら二次粒子径を増大させた粉末を乾式粉砕することに
より、5〜50μm の粒子径としてもよい。
【0008】粒子径が5μm 以下であると、スラリーと
した時の粘度が増大、均一な膜厚のグリーンシートが得
られず、粒子径が50μm 以上となった場合、焼成時の
収縮が均一なグリーンシートが得られないため、二次粒
子の平均粒径は5μm 以上50μm 以下が適している。
更には5μm 以上20μm 以下がグリーンシートの厚み
ばらつきを少なくする点で望ましい。
【0009】また、シラノール基を有する石英粉末を原
料粉末とする場合、前述の焼成雰囲気に含まれる水蒸気
中に水酸基等の脱水縮合反応に対する触媒効果のあるN
4OH、HCl、NHO3 の少なくとも1種類以上を
含有させると、焼結時間の短縮が可能になるため好まし
い。
【0010】また、本発明は図2に示すように、一次粒
子径が5〜500nmである石英粉末6を用い、バインダ
ー及び溶剤7と共にスラリー8を作製し、これを原料粉
末に対して2重量%以上10重量%以下の適当な残留溶
剤量をもつシート状成形物9とし、これを室温から10
0℃以下の低温で1〜100時間保管することによって
残留溶剤を減少させると共に凝集反応を進行させ、グリ
ーンシート10とする。ここで、原料としてシラノール
基を有する石英粉末6を用い、前述の方法でシート状成
形物9とし、これを低温で残留溶剤を減少させると共に
脱水縮合反応を進行させ、グリーンシート10とするこ
とが好ましく、加えて、シラノール基の脱水縮合を進行
させるにあたり、溶剤中にNH4 OH、HCl、NHO
3 のうち少なくとも1種類以上を含有させ、脱水縮合反
応を促進させる手段を有してもよい。
【0011】シート状成形物の残量溶剤量はシート状に
成形する際の加熱温度等により制御でき、その残量溶剤
量は熱重量測定等により測定することが出来る。具体的
には、シート状成形物の一部を熱天秤にかけ、用いた溶
剤の沸点より十分高い温度、かつ添加したバインダーの
分解温度より十分低い温度まで昇温させ、このときの重
量減少より残留溶剤量を測定するここで2重量%以下で
は低温乾燥時の凝集反応が十分に進行しない。また、1
0重量%以上ではシート状に成形することが困難とな
る。また、乾燥温度は使用する溶剤によって適当な温度
を選択する必要があるが、100℃以上で乾燥が進行し
ない溶剤ではシート状に成形することが困難となる。1
00℃程度で乾燥が進行する溶剤ならば、ドクターブレ
ード法等によりシート化が容易である。このような溶剤
を使用した場合、乾燥温度を100℃以上とすると残留
溶剤量の減少が急激となり、グリーンシートに亀裂が入
る、密度が不均一となることから不適当である。乾燥時
間は図3のように1時間以下では十分な反応が進行しな
い。100時間以上保管した場合、室温においても図4
のように変化が見られなくなることから、時間は100
時間以下で十分である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明を具体的に現した全体構成
を説明する。
【0013】本発明の実施形態の一つは、図1の様に原
料粉末となる石英粉末1から二次粒子2を形成し、これ
を用いてグリーンシート5を作製することである。ま
た、石英粉末はシラノール基を有し、得られたグリーン
シートの積層体を焼成する際、焼成雰囲気に用いる水蒸
気中に脱水縮合反応の正触媒物質を含有させることが理
想的である。
【0014】他の実施形態としては、図2の様に原料粉
末となる石英粉末6よりスラリー8を作製し、これより
シート状成形物9を作製し、これを緻密化させることで
ある。この際、石英粉末6がシラノール基を有し、スラ
リー8に脱水縮合反応の正触媒を含有するすることが理
想的である。
【0015】
【実施例】
(実施例1)平均粒径が12nmである石英粉末を、純水
を分散媒としてボールミル混合を4時間行った。得られ
た混合液を実験室中に放置して自然乾燥、乾燥器中10
0℃6時間、80℃12時間及び60℃24時間にて強
制乾燥させ、それぞれ得られた乾燥粉末を乾式粉砕器に
て粉砕を行い、平均粒径5μm の原料粉末とした。
【0016】得られた原料粉末に、ポリビニルブチラー
ル及び溶剤を添加して、ホモジナイザにて混合を行っ
た。等量の粉末で行った場合、粘度の上昇は自然乾燥に
より得られたものが小さく、6時間の強制乾燥の粉末が
もっとも高くなる。スラリーの粘度を3000〜10,
000cpsとなるように調整し、得られたスラリーか
らスリップキャスティング成膜法にてグリーンシートを
作製した。得られたグリーンシートの厚みは100±5
μm となっており、厚みばらつきは小さくなっていた。
【0017】得られたグリーンシートにヴィアを形成、
銅導体を埋め込んだもの、及び銅ペーストのパターンを
印刷したものを積層した後、熱プレスすることにより生
積層体を作製し、これを分圧にして0.5気圧の水蒸気
を含む窒素雰囲気中1000℃20時間焼成を行い、低
温焼結石英基板を作製した。得られた基板の収縮率ばら
つきは1%以内であった。
【0018】(実施例2)平均粒径が12nmであり表面
にシラノール基を有する石英粉末を原料粉末として、実
施例1と同様の工程により得られたグリーンシートより
生積層体を作製し、これを分圧にして0.5気圧の水蒸
気を含む雰囲気中1000℃にて5時間焼成を行った。
水蒸気は80℃に保たれた容器中の水にキャリアガスを
バブリングして電気炉中に導入した。ここでバブラー中
の水に0.5%NH4 OHを添加することにより水蒸気
中にNH4 OHを含有させた。
【0019】得られた石英焼結体の相対密度は98%以
上であり、十分緻密な焼結体となっていることが解っ
た。
【0020】(実施例3)平均粒径が12nmであり表面
にシラノール基を有する石英粉末を原料粉末として、こ
れにポリビニルプチラール及び溶剤を添加、混合し、粘
度3000〜10,000cpsのスラリーを作製し
た。作製したスラリーに対して0.5%のNH4 OHを
添加し、スリップキャスティング成膜法により残留溶剤
量10%のシートを作製した。このシートを80℃24
時間保持してグリーンシートを作製した。得られたグリ
ーンシートより積層体を作製し、これを分圧にして0.
5気圧の水蒸気を含む雰囲気中1000℃にて5時間焼
成を行った。
【0021】得られた石英焼結体の相対密度は98%以
上であり、十分緻密な焼結体となっていることが解っ
た。
【0022】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば平均
粒径5〜500nmの石英粉末を原料粉末として、焼成時
の収縮ばらつきの小さい、従って焼結体の寸法精度の良
いグリーンシートの作製が可能となる。このグリーンシ
ートを用いることにより、従来のグリーンシート積層法
により低温焼結石英基板による多層配線基板の作製が容
易となった。また、シラノール基を有するシリカ粉末を
原料粉末として、焼成時に水蒸気中にNH4 OH等を導
入することにより、焼成時間を短縮することが可能とな
った。
【0023】こうして得られたグリーンシートは密度が
均一であることから、焼結時のひずみが小さくなる。ま
た、グリーンシートの密度が高いことから、焼結性が高
くなり、焼成時間の短縮が測れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるグリーンシート作製の概略を示
す図である。
【図2】本発明の低温焼成石英基板の製造方法の一実施
形態を示す図である。
【図3】本発明のシート状成形物の100℃における凝
集反応の進行を示す図である。
【図4】本発明におけるシート状成形物の凝集反応を示
す図である。
【符号の説明】
1 一次粒子 2 二次粒子 3 バインダー 4 キャリアフィルム 5 グリーンシート 6 原料粉末 7 バインダー及び溶剤 8 スラリー 9 シート状成形物 10 グリーンシート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C04B 35/00 C04B 34/628 H05L 23/15

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一次粒子が5〜500nmである石英の微粉
    末、バインダー及び溶剤より作製したスラリーを用いて
    グリーンシートを作製し、これを分圧にして0.005
    気圧以上0.85気圧以下の水蒸気を含む雰囲気中、8
    00℃以上1200℃以下にて焼成する石英基板の製造
    方法において、前記一次粒子を、前記一次粒子を溶解し
    ない溶液からなる分散媒に混合し、これを乾燥させる工
    程を経た後に前記グリーンシートを作製することを特徴
    とする低温焼結石英基板の製造方法。
  2. 【請求項2】前記一次粒子を分散媒に混合し、これを乾
    燥させる工程によって5〜50μmの粒子径をもつ二次
    粒子としてから前記グリーンシートを作製することを特
    徴とする請求項1記載の低温焼結石英基板の製造方法。
  3. 【請求項3】一次粒子が5〜500nmである石英の微粉
    末、バインダー及び溶剤より作製したスラリーを用いて
    グリーンシートを作製し、これを分圧にして0.005
    気圧以上0.85気圧以下の水蒸気を含む雰囲気中、8
    00℃以上1200℃以下にて焼成する石英基板の製造
    方法において、前記スラリーを残留溶剤量が原料粉末に
    対して2重量%以上10重量%以下のシート状に成形
    し、これを室温から100℃以下の温度に1〜100時
    間保管し、残留溶剤を減少させるとともに、原料粉末の
    凝集反応を進行させた後に、グリーンシートを作製する
    ことを特徴とする低温焼結石英基板の製造方法。
  4. 【請求項4】前記石英の微粉末がシラノール基を有する
    ことを特徴とする請求項1ないし3記載の低温焼結石英
    基板の製造方法。
  5. 【請求項5】前記石英の微粉末がシラノール基を有し、
    かつ前記水蒸気中にNH4 OH、HCl、NHO3 の少
    なくとも1種類以上を含むことを特徴とする請求項1な
    いし2記載の低温焼結石英基板の製造方法。
  6. 【請求項6】前記石英の微粉末がシラノール基を有し、
    かつ前記スラリーに、NH4 OH、HCl、NHO3
    少なくとも1種類以上を添加し、得られたスラリーから
    グリーンシートを作製することを特徴とする請求項3記
    載の低温焼結石英基板の製造方法。
  7. 【請求項7】グリーンシートを作製した後に前記グリー
    ンシート上に導体層を形成する工程を有することを特徴
    とする請求項1ないし6記載の低温焼結石英基板の製造
    方法。
  8. 【請求項8】導体層を形成した複数のグリーンシートを
    積層して一体焼成する工程を有することを特徴とする請
    求項7記載の低温焼結石英基板の製造方法。
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