JP2982402B2 - 光通信装置 - Google Patents

光通信装置

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JP2982402B2
JP2982402B2 JP3198510A JP19851091A JP2982402B2 JP 2982402 B2 JP2982402 B2 JP 2982402B2 JP 3198510 A JP3198510 A JP 3198510A JP 19851091 A JP19851091 A JP 19851091A JP 2982402 B2 JP2982402 B2 JP 2982402B2
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optical
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直也 逸見
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、強度変調を用いた光通
信装置に関し、特に受信側で受信信号を容易に等化でき
る光通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光通信においては、半導体レーザへの注
入電流を信号源で変調して強度変調信号を得て、伝送路
である光ファイバを伝送し、PINダイオード等の光電
変換素子を用いた光受信器で受信する強度変調−直接検
波通信装置が主に用いられている。この通信装置では光
ファイバの損失が最低となる波長帯である1.5μm帯
伝送において、ギガビット以上の伝送速度で通信を行う
と光ファイバの分散の影響を受け伝送後に大きな品質劣
化を生じることが知られている(M.Shikada
et al.“Long−distance Giga
bit−Range Optical Fiber T
ransmission Experiments E
mploying DFB−LD’s and InG
aAs−APD’s”IEEE,Journal of
LightwaveTechnology,Vol.
LT−5,No.10,pp.1488−1497)。
このため、最近では変調信号光のスペクトル拡がり量を
低減化する方向として、外部変調器を用いた伝送の検討
も盛んとなっている(S.K.Korotky et
al.“8−Gb/s Transmission E
xperimentover 68 km of Op
tical Fiber using aTi:LiN
bO3 External Modulator”IE
EE,Journal Lightwave Tech
nology,Vol.LT−5,No.10,pp.
1505−1509)。
【0003】このような外部変調器を用いた光送信装置
では、送信信号が占める帯域が直接変調の場合に比較し
て非常に小さい。このため、高密度の波長多重あるいは
周波数多重の実現が容易となり、将来期待される技術と
なっている。
【0004】また、近年光増幅器の研究が行われ、光増
幅器による直接増幅中継系の検討も盛んとなってきてい
る(S.Yamamoto et al.,“516k
m2.4Gb/s Optical Fiber Tr
ansmission Experiment usi
ng 10 SemiconductorLaser
Amplifiers and Measuremen
t of Jitter Accumulation”
17 th ConferenceonIntegra
ted Optics and Optical Fi
berCommunication,Postdead
line Papers 20 PDA−9)。このよ
うな直接増幅中継系では、損失を補償して伝送可能距離
を延長できるため、超長距離の伝送可能性が期待され
る。そしてこのような超長距離伝送では、上述の光ファ
イバの分散の影響による受信波形の歪は伝送可能距離に
制限を与える主要因となる。
【0005】現在用いられているマイクロ波帯の通信で
も、信号は電波の強度、周波数の両者を用いて伝送する
ため、伝送後の波形歪は生じるが、マイクロ波通信では
強度、周波数の両者を受信するため、受信後に適当なフ
ィルタを用いて波形等化することが可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】光通信方式では、受信
側で光電界強度の包絡線を2乗して、強度成分のみ電気
信号として受信している。このため、伝送路で生じた歪
は、搬送波周波数を中心として折り返された形で、電気
信号に混入してくる。一方、伝送路の分散特性により上
側帯波と下側帯波とでは信号が受ける歪は異なっている
ため、電気信号の歪特性はきわめて複雑となる。通常の
等化器でこの歪を除去することは困難となる。
【0007】この理由をもう少し詳しく説明する。レー
ザ光を送信信号a(t) で強度変調した時の光電界E(t)
は、 E(t) =[1+a(t) ]cos 2πft (1) f:搬送波周波数 と表される。ここで、送信信号a(t) をフーリエ展開す
ると
【数1】 となる。一般に直接検波では光電界を自乗した光強度を
受信する。そこで、この信号の強度成分IDB(t) を計算
すると、
【数2】 となる。ここで、an 2 《1, an ・an′《1と近
似している。
【0008】さて、次にこの信号が光ファイバのような
波長分散を有する伝送路を伝搬する場合を考える。この
とき、伝送後の光電界E(t) は
【数3】 と表わされる。この光電界E(t) を2乗検波し、強度成
分IDA(t) を求めると、
【数4】 となる。式(5)の位相遅れ量ψ(n) が伝送後の波形歪
を生じる原因となっている。
【0009】そこでこの受信した強度変調成分を伝送前
の源信号の強度信号に等化することを考えてみる。式
(5)において同一周波数成分の位相遅れ量では第2項
と第3項とで符号が反転している。このことは、下側帯
波で生じた位相遅れ歪が、IDA(t) では逆に位相進み歪
みとして現われることを示している。すなわち、(5)
式の受信信号を等化するためには、位相遅れ歪みψ(f+
nf0)と位相進み歪み−ψ(f−nf0)とを同時に等化する必
要がある。このため、(5)式の受信信号を一般によく
用いられる線形フィルタで等化することは困難である。
【0010】この問題を解決するため、Gnauck
et alは、受信器の前部に光周波数領域での適当な
フィルタを挿入し、分散を補償する方式を提案している
(A.H.Gnauck et al.“Optica
l Equalization of Fiber C
hromatic Dispersionin 5−G
b/s Transmission System”,
1990 Optical Fiber Commun
ication Conference,Postde
adline paper,PD7)が、光フィルタの
波長特性を伝送路分散特性の逆特性に一致させることは
容易でないため充分な効果をあげるには至っていない。
【0011】本発明は、分散特性の大きな光ファイバを
用いた強度変調光通信システムにおいて、受信器側で電
気信号に復調後も、歪の等化が可能な光通信装置を提供
することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、搬送波
光と送信信号にもとづいて強度変調光信号を生成して光
ファイバ伝送路に送出する送信ユニットと、前記強度変
調光信号を前記光ファイバ伝送路から受信し前記送信信
号を再生する受信ユニットとから構成される光通信装置
であり、前記送信ユニットは: 前記搬送波光を生成する搬送波光生成手段と; 前記搬送波光を前記送信信号を用いて振幅変調し両側帯
波信号を生成する振幅変調手段と; 前記両側帯波信号から搬送波光成分と片側帯波光成分を
抽出し前記強度変調光として前記光ファイバ伝送路に送
出する送信手段と; から構成され、前記受信ユニットは:前記光ファイバ 伝送路から供給される前記強度変調光を
検波し電気信号を生成する手段と; 前記電気信号を等化し、前記送信信号を再生する等化手
段と; から構成されることを特徴とする強度変調を用いた光通
信装置を得ることができる。
【0013】また、本発明によれば、搬送波光と送信信
号にもとづいて強度変調光信号を生成して光ファイバ伝
送路に送出する送信ユニットと、前記強度変調光信号を
前記光ファイバ伝送路から受信し前記送信信号を再生す
る受信ユニットとから構成される光通信装置であり、前
記送信ユニットは: 前記送信信号に一定の位相角だけ位相偏移を与えるとと
もに高周波成分を強調して制御信号を生成する手段と; 前記制御信号に基づき周波数変調した光を生成し、前記
搬送波光として出力する搬送波光生成手段と; 前記送信信号にもとづいて前記搬送波光を振幅変調し、
前記搬送波光成分と片側帯波光成分を前記光ファイバ伝
送路に出力する振幅変調手段と; から構成され、前記受信ユニットは:前記光ファイバ 伝送路から供給される前記強度変調光を
検波し電気信号を生成する手段と; 前記電気信号を等化し、前記送信信号を再生する等化手
段と; から構成されることを特徴とする強度変調を用いた光通
信装置を得ることができる。
【0014】
【作用】本発明では、送信側装置からは、片側帯波光成
分と搬送波光成分のみを、光ファイバなど分散特性の大
きな伝送路に送出し、受信側で受光素子で自乗検波した
後の電気信号を、線形フィルタで等化することを可能に
している。送信側で、たとえば下側帯波を除去して光フ
ァイバに供給すると、伝送路中での光電界E(t) は、
(4)式より E(t) =cos2πft+1/2 Σ an cos { 2πft+ 2πnf0t+ψ(f+nf0)} +1/2 Σ an ′sin { 2πft+ 2πnf0t+ψ(f+nf0)} (6) となる。この光電界を、受光素子で2乗検波して得られ
る電気信号IDA(t) は、 IDA(t) =1/2 +Σ an cos { 2πnf0t+ψ(f+nf0)} +Σ an ′sin { 2πnf0t+ψ(f+nf0)} (7) となる。この信号は各周波数成分毎の位相遅れか(5)
式の場合と異なり一定信号であるから、各周波数成分の
位相遅れを補償する線形フィルタで容易に等化すること
ができる。
【0015】
【実施例】次に、図面を参照し、本発明の実施例を説明
する。図1は、送信ユニット100、光増幅器110,
120、光ファイバ115及び受信ユニット150を備
えてなる本発明の一実施例の光通信装置を示す。図1の
光通信装置において、発振波長1.55μm帯の単一軸
モード発振する半導体レーザ101は直流バイアス源1
02からの直流注入電流により搬送波光周波数f0 で発
振している。半導体レーザ101の出力光104は端子
103から入力される送信信号で駆動されたLiNbO
3 の外部変調器105で変調され、さらに片側側波帯信
号成分を遮断する光フィルタ107を通過した後、送信
信号光108となっている。送信信号光108のスペク
トルをスペクトルアナライザで測定した結果、図2のよ
うな搬送波200と片側側波帯201だけで構成される
単側波帯信号を得ることができた。このとき、抑圧され
た側波帯信号202は残留した側波帯信号201に比較
して20dB以上低下されていた。
【0016】この送信信号光108を1.3μm帯で零
分散である通常の光ファイバ115,125等を用いて
伝送した。この際、約50kmおきに光増幅器110,
120等を挿入して500kmの9段の非再生中継系を
構築した。
【0017】次に500km伝送後の信号を光受信器1
51で直接検波して強度信号成分を得、この信号を周波
数ごとに位相遅延量が調節できるアナログの線形フィル
タ152を用いて等化している。
【0018】まず、送信側の光フィルタ107を除いて
両側の側波帯信号を同時に伝送した。このとき伝送後の
信号を光受信器151で自乗検波され出力された受信波
形は大きな波形間干渉を生じており、送信信号のマーク
スペースを正常に受信することができなかった。そこで
線形フィルタ152の周波数−位相特性を調節して波形
等化を行ったが、送信信号に近い波形に等化することは
不可能だった。
【0019】次に光フィルタ107を外部変調器105
と伝送路の間に挿入し、片側側波帯信号を作り、この信
号を伝送した。この時も光受信器151で受信した受信
信号の符号間干渉量は両側側波帯信号を伝送した場合に
比較して小さかったとはいうものの10dB以上の大き
な感度劣化量を生じた。ここで線形フィルタ152を伝
送路の分散特性の逆特性に調節して波形等化を行ったと
ころ送信信号に近い波形に等化することができた。この
ときの感度劣化量は1dB程度であった。
【0020】本発明にはこの他にも様々な変形例があ
る。たとえば、片側側波帯信号を作る方法としては、光
フィルタを用いる方法の他に、半導体レーザ光源への注
入電流を変調して半導体レーザから周波数変調光を出力
させ、この周波数変調光を送信信号で振幅変調すること
により、片方の側波帯を抑圧することができる。これが
本発明の第2及び第3の実施例である。
【0021】これらの実施例の説明を行なう前に、この
ような方法で片側波帯を抑圧するための条件について、
説明する。
【0022】ここで、搬送波光源である半導体レーザに
周波数変調光を出力させるための駆動信号をb(t) と
し、送信すべき信号をa(t) とする。駆動信号b(t) が
零のときの、半導体レーザの発振周波数をfとすると、
駆動信号が与えられたときの半導体レーザの出力信号光
は、cos {2πft+∫b(t)dt }と表わされるので、こ
の半導体レーザの出力光を送信信号a(t) で強度変調し
て得られる信号光は、 E(t) =(1+a(t))cos {2πft+∫b(t)dt } (8) と表わされる。ここで、位相変調成分∫b(t)dtが
小さい場合には cos 〔∫b(t)dt 〕≒1, sin 〔∫b(t)dt 〕≒∫b(t)dt と近似できる。また、a(t)≪1と仮定すれば、 a(t) sin 〔∫b(t)dt 〕≒0 と近似できるので、(8)式は(9)式で近似できる。 E(t) =cos 2πft+a(t) cos 2πft−〔∫b(t)dt 〕sin 2πft (9) ここで、a(t) ,b(t) を(10)式のようにフーリエ級
数展開すると、
【数5】 と表わされる。なお、f0 は、送信信号のボーレート周
波数である。
【0023】(10)式を(9)式に代入すると、
【数6】 (11)式の右辺第1項は搬送波成分fを、第2項から第
5項までは上側側波帯成分f+f0 ,f+2f0 ,…,
f+nf0 ,…を、第6項から第9項までは下側側波帯成
分f−f0 ,f−2f0 ,…,f−nf0 ,…をそれぞれ
示している。ここで、φn =π/2としてみると、
【数7】 となる。さらに とすれば、
【数8】 となる。(14)式は、φn =π/2及び(13)式の条件
を満足する信号b(t) を生成して、搬送波光をFM変調
し、さらに送信信号a(t) で振幅変調を行なえば、搬送
波光成分fと、下側帯波成分f−f0 ,f−2f0
…,f−nf0 ,…のみをもつ信号を生成することができ
ることを示している。
【0024】ここで、(13)式及びφn =π/2を満足
する場合の送信信号a(t)と駆動信号b(t) との関係を
求める。(13)式及びφn =π/2を(10)式に代入す
ると、
【数9】 となるので、
【数10】 であることに留意すれば送信信号a(t) から駆動信号b
(t) を生成するには、送信信号a(t) を微分するととも
に、各周波数成分毎にπ/2位相を進ませればよいこと
がわかる。このとき、(14)式に示されるように、搬送
波成分と下側帯波成分のみが得られる。
【0025】またφn =−π/2として、同様の考察を
行なえば、送信信号a(t) を微分し、各周波数成分毎に
π/2位相を遅らせれば、(11) 式は
【数11】 となり、搬送波成分fと、上側帯波成分f+f0 ,f+
2f0 ,…,f+n f0,…のみが得られることがわか
る。
【0026】図3は本発明の第2の実施例の構成を示す
図である。図3において、発振波長1.55μm帯の単
一軸モードで発振する半導体レーザ102には直流バイ
アス源102からの直流注入電流が供給されている。さ
らに半導体レーザ101には、電圧電流変換回路(V/
I)220からの制御信号が重畳されている。半導体レ
ーザ101の出力光104は端子103より供給される
送信信号で駆動されたLiNbO3 の外部変調器105
で変調され送信信号光108となる。ここで制御信号
は、送信信号をイコライザ210を通過させ、さらに電
圧電流変換回路220で、電流に変換することで得てい
る。
【0027】前述したとおり、イコライザ210で、端
子103より供給される送信信号を微分するとともに、
位相をπ/2遅らせることにより出力光信号108の下
側帯波を抑圧することができる。
【0028】本実施例では、簡単のため図4に示す構成
のイコライザ210を用いている。図4では、伝送速度
5Gb/sの送信信号を、各々の通過帯域が0〜2GH
z,2〜4GHz,4kHz以上のフィルタ211,2
12,213を用いて3つの帯域に分離している。各フ
ィルタの出力は各々減衰器214,215,216に供
給される。また、減衰器214,215,216の出力
は、各々遅延回路217,218,219に供給され
る。この遅延回路217,218,219の遅延量は、
対応するフィルタの中心周波数において、π/2の位相
差を与えるように設定されている。また、微分特性は、
減衰器214,215,216の減衰量を調整すること
により容易に得られる。
【0028】なお、よく知られているとおり、半導体レ
ーザの発振周波数における周波数偏位量は、注入電流の
大きさのみならず、注入電流の周波数にも依存する。こ
の事実は、山本等が1981年6月にIEEE JOU
RNAL OF QUANTUM ELECTRONI
CS,Vol,QE−17に発表した論文“Coher
ent Optical fiber Transmi
ssionsystem”に記載されている。このイコ
ライザ210には、このような注入電流周波数−周波数
偏位量特性も補償する特性もあわせてもたせることが好
ましい。
【0030】図3に示す本発明の第2の実施例におい
て、まず半導体レーザ101に直流バイアス源102か
ら直流バイアス電流のみを加え、出力光104を端子1
03から供給される5Gb/sのランダムパターンで変
調した。その時の送信信号光108をスペクトルアナラ
イザで観測すると、搬送波光両側に左右対象の側波帯が
観測された。次に電圧電流変換回路220からの出力信
号を半導体レーザ101への注入電流に重畳した。ま
た、図4のイコライザにおける遅延回路217,21
8,219の遅延量を、対応するフィルタ211,21
2,213の中心周波数において、π/2となるよう調
整した。さらに可変減衰器214,215,216の減
衰量を微小に調節し、送信信号光108のスペクトルの
片側側波帯パワーを抑圧した。その結果、搬送波光と片
側側波帯だけで構成される単側波帯信号を得ることがで
きた。このとき、抑圧された側波帯信号は残留した側波
帯信号に比較して20dB以上低下していた。またこの
とき、減衰器214,215,216の減衰量は各々2
1.5dB,10.3dB,0.5dBであった。
【0031】この特性と、微分特性との差異は、前述し
た半導体レーザの注入電流周波数−周波数偏位量特性の
逆特性にほぼ等しいことが発明者により確認された。
【0032】なお、図3,図4を用いて説明した実施例
は、下側帯波成分を抑圧する場合であった。すでに述べ
たとおり、本第2の実施例では、送信信号を微分すると
ともに、位相をπ/2進ませることにより、上側帯波を
抑圧することもできる。しかしながら、送信信号の位相
をπ/2進ませることは困難であるので、上側帯波を抑
圧する場合には、送信信号を逆にπ/2遅延させて外部
変調器105に供給すればよい。こうすることにより微
分された送信信号波形をπ/2進ませることができる。
これが以下に述べる本発明の第3の実施例である。
【0033】次に図5及び図6を参照して本発明の第3
の実施例について説明する。第2の実施例と第3の実施
例とで異なる点は、前者がイコライザ210が送信信号
を微分するとともに位相をπ/2遅延させていたのに対
し、後者は図5のイコライザ510が送信信号を微分し
て得た微分信号のみを電圧電流変換回路220に供給す
るとともに、送信信号をπ/2だけ遅延させた遅延送信
信号を外部変調器105に供給している点である。この
相違により、第3の実施例では、送信信号を微分すると
ともに位相をπ/2進ませた信号を半導体レーザ101
に与えている。
【0034】このイコライザ510の構成を図6に示
す。イコライザ510には、図5の端子103から送信
信号が供給される。なおこの送信信号は5Gbit/s
ecの伝送速度である。この送信信号は3分岐されて、
各々は、通過帯域0〜2GHzの低域フィルタ511,
通過帯域2〜4GHzの帯域通過フィルタ512,通過
帯域4GHz以上の高域通過フィルタ513に供給され
る。フィルタ511,512,513の出力は各々減衰
器514,515,516に供給されるとともに、遅延
回路517,518,519に各々供給される。
【0035】ここで、減衰器514,515,516の
減衰量は、各々図4の減衰器214,215,216の
減衰量と同一である。また遅延回路517,518,5
19の遅延量は、各々図4の遅延回路217,218,
219の遅延量と同一である。
【0036】減衰器514,515,516の出力は加
算器601で加算され、図5の電圧電流変換回路220
に供給される。また、遅延回路517,518,519
の出力は加算器602で加算され、図5の外部変調器1
05に供給される。このようにして、イコライザ510
により微分された送信信号と、π/2だけ位相を遅延さ
れた送信信号が生成され、図5に示した第3の実施例に
より、上側帯波が抑圧された光信号を得ることができ
る。
【0037】次に、第2,第3の実施例の特殊な場合と
して、マーク信号の送信信号波形が自乗余弦波の場合を
考える。このとき、送信信号波形は(10)式にて、a2
3 =…=0,a′1 =a′2 =…=0とした場合に相
当し、 a(t) =a1 cos 2πf0 t (17) となる。このとき、(15)式は、
【数12】 となるので、
【数13】 が得られる。同様の議論によりφn =−π/2の場合
は、
【数14】 が得られる。
【0038】(19)式及び(20)式は、マーク信号の送信信
号波形が自乗余弦波の場合は、送信信号のタイミングを
示す正弦波を、レベル調整及び位相調整を行なった上
で、注入電流として半導体レーザに供給することによ
り、上側帯波,下側帯波の一方を抑圧できることを示し
ている。なお、以上の説明はマーク信号が継続して出力
される場合についてであるが、この第4の実施例では、
送信信号がスペースの場合、外部変調器出力は無光とな
るので、以上の説明は一般性を損なうものではない。
【0039】図7は本発明の第4の実施例を示す。図7
において、半導体レーザ101には、加算器230経由
で直流バイアス電流が供給されている。また加算器23
0には、電圧電流変換回路220から周波数偏移制御信
号が供給されている。この周波数偏移信号は、クロック
源701から出力される送信信号の伝送速度(5Gb/
s)と同一周波数の正弦波を、減衰器702および遅延
回路703で振幅調整および位相調整をそれぞれするこ
とにより得ることができる。一方、端子103から供給
される送信信号におけるマーク信号は、変換回路704
で自乗余弦波に変換される。その送信信号におけるスペ
ース信号は、外部変調器105がほぼ無光となる直流値
に変換される。このマーク信号を自乗余弦波に変換する
ために変換回路704としては、伝送速度周波数の70
%の遮断周波数を有する低域通過フィルタを用いること
ができる。第4の実施例はこのようにして、下側帯波を
抑圧している。
【0040】なお、第3の実施例と同様に、遅延回路7
03を削除し変換回路704と外部変調器105との
間、もしくは端子103と変換回路704との間に、遅
延回路703と同一遅延量をもつ遅延回路を設けること
もできる。これが第5の実施例であり、この実施例によ
り上側帯波のみを抑圧することができる。
【0041】次にこの第4の実施例の光送信装置の動作
について説明する。
【0042】まず半導体レーザ101に直流バイアス源
102からバイアスを加える。このときクロック信号源
701からの出力信号を重畳しない状態に設定した。こ
の半導体レーザ101からの出力光104を強度変調す
るために、端子103からの5Gb/sのランダムパタ
ーンを直接外部変調器105に供給した。この時送信信
号光108をスペクトルアナライザで観測した結果、搬
送波の両側に左右対象の上側波帯及び下側波帯が観測さ
れた。
【0043】そこで次にクロック信号源701を用いて
半導体レーザ101の注入電流を変調した。ここで可変
減衰器702の減衰量、可変遅延線703の遅延量を調
節することで片側側波帯をもう一方の側波帯のパワーに
比較して抑圧させることができた。この時、半導体レー
ザ101へ加えられている信号の位相および振幅は式(1
9)の条件とほぼ一致していた。またこの時の、片側側波
帯信号レベルはもう一方の片側側波帯のレベルに比較し
て20dB以上抑圧されていた。
【0044】なお、以上説明した第4の実施例では、ク
ロック源701からは正弦波が供給されるものとして説
明したが、クロック源701から供給される信号は正弦
波に限られるものではなく、送信信号の伝送速度と同一
周波数の矩形波,三角波などでも信号波形の微分波形に
近い形であればすでに述べた第4の実施例とほぼ同等の
効果を得ることができる。この点は第5の実施例も同様
である。
【0045】本発明にはこの他にも様々な変形例があ
る。送信信号としては、変調法として、送信信号速度は
5Gb/sに限らずこれ以上の10Gb/sでもこれ以
下の2Gb/sでも良い。また外部変調器としては半導
体の吸収型外部変調器を用いることもできる。また信号
光波長も1.5μmに限ることなく1.3μm帯でも良
いし、その他の波長でも良い。
【0046】
【発明の効果】以上詳細に説明したとおり本発明によれ
ば、光ファイバ等の分散の大きな伝送路を介して受信さ
れた強度変調光を、受信側で二乗検波して復調された受
信信号を容易に等化することができる光通信装置が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例を示すブロック図。
【図2】本発明の送信部からの出力光の周波数スペクト
ラムを示す図。
【図3】本発明の第2の実施例を示すブロック図。
【図4】本発明の第2の実施例で用いられるイコライザ
の一具体例を示すブロック図。
【図5】本発明の第3実施例を示すブロック図。
【図6】第3の実施例におけるイコライザの一具体例を
示すブロック図。
【図7】本発明の第4の実施例を示すブロック図。
【符号の説明】
100 送信ユニット 101 半導体レーザ 102 直流バイアス電源 103 送信信号入力端子 104 半導体レーザ出力光 105 外部変調器 107 光フィルタ 108 送信信号光 110,120 光増幅器 115 光ファイバ 150 受信ユニット 151 光受信器 152 線形フィルタ 200 搬送波 201 残留側波帯信号 202 抑圧された側波帯信号 210,510 イコライザ 220 電圧電流変換回路 701 クロック信号源 704 変換回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H04B 10/18

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 搬送波光と送信信号にもとづいて強度変
    調光信号を生成して光ファイバ伝送路に送出する送信ユ
    ニットと、前記強度変調光信号を前記光ファイバ伝送路
    から受信し前記送信信号を再生する受信ユニットとから
    構成される光通信装置であり、 前記送信ユニットは: 前記搬送波光を生成する搬送波光生成手段と; 前記搬送波光を前記送信信号を用いて振幅変調し両側帯
    波信号を生成する振幅変調手段と; 前記両側帯波信号から搬送波光成分と片側帯波光成分を
    抽出し前記強度変調光として前記光ファイバ伝送路に送
    出する送信手段と; から構成され、 前記受信ユニットは:前記光ファイバ 伝送路から供給される前記強度変調光を
    検波し電気信号を生成する手段と; 前記電気信号を等化し、前記送信信号を再生する等化手
    段と; から構成されることを特徴とする強度変調を用いた光通
    信装置。
  2. 【請求項2】 搬送波光と送信信号にもとづいて強度変
    調光信号を生成して光ファイバ伝送路に送出する送信ユ
    ニットと、前記強度変調光信号を前記光ファイバ伝送路
    から受信し前記送信信号を再生する受信ユニットとから
    構成される光通信装置であり、 前記送信ユニットは: 前記送信信号に一定の位相角だけ位相偏移を与えるとと
    もに高周波成分を強調して制御信号を生成する手段と; 前記制御信号に基づき周波数変調した光を生成し、前記
    搬送波光として出力する搬送波光生成手段と; 前記送信信号にもとづいて前記搬送波光を振幅変調し、
    前記搬送波光成分と片側帯波光成分を前記光ファイバ伝
    送路に出力する振幅変調手段と; から構成され、 前記受信ユニットは:前記光ファイバ 伝送路から供給される前記強度変調光を
    検波し電気信号を生成する手段と; 前記電気信号を等化し、前記送信信号を再生する等化手
    段と; から構成されることを特徴とする強度変調を用いた光通
    信装置。
  3. 【請求項3】 前記制御信号発生手段は、前記送信信号
    の帯域を複数個の帯域に分割する複数個のフィルタ手段
    と、各フィルタ手段に各々接続された複数個のレベル調
    整手段と、各レベル調整手段の出力にそのレベル調整手
    段に接続されているフィルタ手段の中心周波数における
    前記一定の位相角に相当する遅延を与える複数個の遅延
    手段と、前記複数個の遅延手段出力を加算し、前記制御
    信号を生成する加算手段とから構成されることを特徴と
    する請求項2に記載の光通信装置。
  4. 【請求項4】 前記制御信号発生手段は、前記送信信号
    の帯域を複数個の帯域に分割する複数個のフィルタ手段
    と、各フィルタ手段に各々接続された複数個のレベル調
    整手段と、各レベル調整手段出力を加算して前記制御信
    号を生成する第1の加算手段とから構成され、前記振幅
    変調手段は、前記複数個のフィルタ手段に各々接続さ
    れ、該フィルタ手段の中心周波数における前記一定の位
    相角に相当する遅延を与える複数の遅延手段と、これら
    複数の遅延手段出力を加算する第2の加算手段とを備
    え、この第2の加算手段出力にもとづいて前記搬送波光
    を振幅変調することを特徴とする請求項2に記載の光通
    信装置。
  5. 【請求項5】 前記制御信号発生手段は、前記送信信号
    の伝送速度と同一周波数の周期信号を生成する手段と、
    前記周期信号のレベルを調節して出力するレベル調整手
    段と、レベル調整手段出力に一定の遅延量を与え制御信
    号を生成する遅延手段とから構成され、前記振幅変調手
    段は、前記送信信号の中で少なくともマーク信号を自乗
    余弦波形に変換する変換手段と、前記自乗余弦波形にも
    とづいて前記搬送波光を振幅変調する変調器とから構成
    されることを特徴とする請求項2に記載の光通信装置。
  6. 【請求項6】 前記周期信号は正弦波であることを特徴
    とする請求項5に記載の光通信装置。
  7. 【請求項7】 前記制御信号発生手段は、前記送信信号
    の伝送速度と同一周波数の周期信号を生成する手段と、
    前記周期信号のレベルを調節し前記制御信号として出力
    するレベル調節手段とから構成され、前記振幅変調手段
    は、前記送信信号の少なくともマーク信号を自乗余弦波
    形に変換する手段と、前記自乗余弦波形を遅延する遅延
    手段と、この遅延手段の出力に応じて前記搬送波光を振
    幅変調する変調器とから構成されることを特徴とする請
    求項2に記載の光通信装置。
  8. 【請求項8】 前記周期信号は正弦波であることを特徴
    とする請求項7に記載の光通信装置。
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