JP2981873B2 - 塗工装置 - Google Patents

塗工装置

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JP2981873B2
JP2981873B2 JP10004284A JP428498A JP2981873B2 JP 2981873 B2 JP2981873 B2 JP 2981873B2 JP 10004284 A JP10004284 A JP 10004284A JP 428498 A JP428498 A JP 428498A JP 2981873 B2 JP2981873 B2 JP 2981873B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、細長の吐出口から
塗工液を基材に向かつて間欠的に吐出するものであつ
て、塗工液の吐出を停止するときに、吐出口における塗
工液の液切れを確実にすることができる塗工装置の改良
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】塗工停止時の液切れを確実にする塗工装
置としては、本出願人の特許出願(特願平8−2158
53号)に係る未公知のものがある。この塗工装置71
は、図11及び図12に示す如く、ダイ本体74の内部
に形成した塗工液用通路85の終端に、基材搬送路72
に臨む細長の吐出口86を形成し、ダイ本体74の固定
部とダイ本体74に備えた可動の弁体80との間にも塗
工液用通路85を形成し、ダイ本体74の固定部の先端
縁74a及び可動の弁体80の先端縁80a−1で吐出
口86を形成し、ダイ本体74の固定部の塗工液用通路
85に面する部分に、弁体80が離着座する弁座81を
塗工液用通路85の横断方向に沿つて設け、弁体80が
塗工液用通路85を開く開弁位置(図11参照)から塗
工液用通路85を閉じる閉弁位置(図12参照)に向か
つて移動するのに伴い弁座81より下流側の塗工液用通
路85cの体積を増大させるように弁体80を配置し、
弁体80を開弁位置から閉弁位置まで進退させる弁体用
駆動装置88を設けてある。
【0003】この塗工装置71は、弁体用駆動装置88
で弁体80を開弁位置まで移動させると、塗工液用通路
85を開いて吐出口86から塗工液を基材Wに向かつて
吐出させることができ、逆に弁体用駆動装置88で弁体
80を閉弁位置まで敏速に移動させると、塗工液用通路
85が閉じると共に弁座81より下流側の塗工液用通路
85cの体積が増大し、塗工液用通路85cの内部まで
吐出口近辺の塗工液を吸い上げ、吐出口86における塗
工液の吐出を瞬時に停止させることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記塗工装
置71は、開弁動作のときに、弁座81より下流側の塗
工液用通路85cの体積を急激に減少するため、塗工液
用通路85cの内部まで吸い上げられている塗工液を吐
出口86に向かつて急速に移動させ、塗工開始直後の基
材Wに過大な厚みの塗工部を局部的に生じさせることが
ある。そのため、前記塗工装置71は、全体に亘つて均
一膜厚の塗工膜Cが得られず、高精度の塗工に対処でき
ないことがある。この対策としては、弁体80の開動作
時の移動速度を遅くすることが考えられる。しかし、弁
体80の開動作時の移動速度を遅くすることは、塗工開
始時の位置決め精度を著しく低下させる問題を招くこと
になる。そこで、本発明は、上記問題を解決するため
に、弁体を敏速に開弁動作させても、塗工開始時に過大
な厚みの塗工部を生じさせることのない塗工装置の提供
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明が
採用した手段は、ダイ本体の内部に幅広の塗工液用通路
を形成すると共に、塗工液用通路の終端に吐出口を形成
し、塗工液用通路の幅全域に延設した可動の弁体とダイ
本体との間に塗工液用通路の一部を形成し、ダイ本体に
弁体が離着座する弁座を塗工液用通路の幅全域に延設
し、弁体が閉弁動作するのに伴い弁座より下流側の塗工
液用通路の体積を増大させるように弁体を配置した塗工
装置であつて、前記弁座より下流側の塗工液用通路に、
塗工液用通路の幅全域に延設する絞り部を設け、該絞り
部の位置を、弁体の閉弁動作に伴い塗工液用通路内に吸
い込まれる塗工液が形成する液面よりも下流側となるよ
うにしたことを特徴とする塗工装置である。本発明にあ
つては、閉弁状態の弁体を開弁位置まで敏速に移動させ
たとき、塗工液用通路の弁座より下流側の体積を急激に
減少させ、塗工液用通路の内部まで吸い上げられている
塗工液を吐出口に向かつて急速に移動させようとする
が、絞り部を通過するときの抵抗により急速な移動が抑
制され、吐出口から塗工液を一定流速で吐出させること
ができる。更に、本発明にあつては、塗工液用通路内に
吸い込まれた塗工液の総てが絞り部を通過するため、吐
出口から一定速度で塗工液を吐出させることが確実にで
きる。
【0006】
【0007】請求項1記載の塗工装置における前記絞り
部を、前記弁体の進退方向と交叉する弁体の塗工液用通
路形成面に設けた段部で形成するか、又は弁体の進退方
向と交叉する前記ダイ本体の固定部の塗工液用通路形成
面に設けた段部で形成することがある。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る塗工装置(以
下、「本発明装置」という)を図面に示す実施の形態に
基づいて説明する。
【0009】(第1の実施の形態)図1乃至図5は本発
明装置の第1の実施の形態を示すものであり、図1は本
発明装置を備えた塗工設備の全体を示す左側面図、図2
は本発明装置の要部を拡大断面した左側面図、図3は図
2のA−A線における中間省略した断面図、図4は塗工
液の吐出を停止した状態の要部を更に拡大断面した左側
面図、図5は塗工液用配管を示すフローシートである。
【0010】本発明塗工装置11は、図1に示す如く、
塗工対象となる基材Wを搬送する搬送装置12の上方に
配置され、搬送装置12と共に塗工設備を構成してあ
る。搬送装置12は、基材Wを平坦に保持する保持具1
3と、保持具13を前後移動自在に案内する案内具14
と、保持具13を前後駆動する駆動装置(図示略)とを
備え、塗工装置11の下方の塗工位置を基材Wが通過す
るようにしてある。保持具13は、上面に複数の吸引口
を開口したものが採用され、ガラス板や厚いフイルムシ
ート等からなる基材Wを着脱可能に吸引して保持するよ
うにしてある。塗工装置11は、支持フレーム15に支
持され、下方の塗工位置から上方の待機位置までの間
を、昇降操作具16で進退(昇降)するようにしてあ
る。
【0011】前記塗工装置11は、図2及び図3に示す
如く、ダイ本体17と、ダイ本体17に進退自在に配置
した可動の弁体18と、弁体18を進退させる弁体用駆
動装置19,19とを備えている。ダイ本体17は、重
ね合わせてボルト連結25した複数のブロツク20,2
1,22と、左右両側にボルト連結26,26…(図1
及び図3参照)した側板24,24とを備え、内部に塗
工液用通路23を形成してある。塗工液用通路23は、
ブロツク21,22の合わせ箇所及びブロツク20,2
2の合わせ箇所に形成され、左右方向(基材Wを横断す
る方向)に幅が広くなるようにしてある。塗工液用通路
23の終端の幅全域に設けた細長いスリツト状の吐出口
23aは、ダイ本体17を構成する二つのリツプ部材2
7,28の間に形成してある。二つのリツプ部材27,
28は、ブロツク20又は22と一体に形成するか、又
は別体(図示略)に形成すると共にブロツク20又は2
2にボルト等で取り付けて交換可能とすることもある。
二つのリツプ部材27,28は、先端を鋭角な片面傾斜
状態に形成して液切れを良好にし、傾斜した外側面の先
端寄りに塗工液が付着しないようにしてある。ブロツク
20は、下端寄り前面側に凹溝29を左右方向へ延設す
ると共に、凹溝29を貫通する複数本のリツプ開度調節
用ボルト53を配置し、各ボルト53を押し引き調節す
ることにより吐出口23aの厚み(リツプ部材27と2
8との間隙であるリツプ開度)を左右方向の幅全域で調
節できるようにしてある。なお、ボルト53は、左右方
向へ移動自在に配置することもある(特開平8−215
631号公報参照)。
【0012】前記弁体18は、塗工液用通路23の幅方
向の全域に延びるように形成され、ブロツク21と22
との間に配置されると共に、ブロツク22に設けた凹溝
22aに後端側を摺動自在に嵌入してある。弁体18
は、シール材50,50を幅全域に備え、凹溝22aと
の間から塗工液Mが洩れださないようにしてある。弁体
18は、後端側から二本の連結軸30,30を平行に延
設し、ブロツク22に設けた二つの貫通孔22b,22
bを各連結軸30が貫通するようにしてある。ブロツク
22は、各貫通孔22bに嵌着した軸受具31を介して
連結軸30を軸支し、弁体18を進退方向である矢符B
方向へ移動自在に案内するようにしてある。弁体18
は、ダイ本体17の固定部(ブロツク20,21)との
間で塗工液用通路23を形成するようにしてある。弁体
18は、塗工液用通路23を形成する領域の途中に弁部
18aを設けると共に、塗工液用通路23の幅方向の全
域に延びる体積調節面18bを弁体移動方向(矢符B方
向)と交叉するように形成してある。体積調節面18b
は、弁体18が着座方向(閉弁方向)である矢符D方向
へ移動するのに伴い、対面するダイ本体17の塗工液用
通路形成面20aから離反して、弁座32より下流側の
塗工液用通路23の体積を増大させ、逆に、弁体18が
離座方向(開弁方向)である矢符E方向へ移動するのに
伴い、塗工液用通路形成面20aに接近して、弁座32
より下流側の塗工液用通路23の体積を減少させるよう
になつている。
【0013】前記ダイ本体17の固定部(ブロツク2
1)は、塗工液用通路23に面する部分に塗工液用通路
23の幅全域に亘つて弁座32を設け、弁体18の弁部
18aが離着座するようにしてある。弁体18は、弁座
32から弁部18aが離れて塗工液用通路23を開く開
弁位置(図2参照)から弁座32に弁部18aが着座し
て塗工液用通路23を閉じる閉弁位置(図4参照)まで
の間を、弁体用駆動装置19で敏速に進退するようにな
つている。弁体18は、開弁位置から閉弁位置に向かつ
て矢符D方向へ後退するのに伴い、塗工液用通路23を
形成するブロツク20の起立した塗工液用通路形成面2
0aから離反するように体積調節面18bが後退し、弁
座32より下流側の塗工液用通路23cの体積を増大さ
せる。弁座32及び弁体18の弁部18aは、図4に示
す如く、両方の着座面箇所を密着摺動できるようにして
あり、弁座32に着座を開始した弁体18が、着座方向
(弁体18が閉弁する方向)と同方向である矢符D方向
へ更に移動できるようにしてあり、塗工液用通路23の
体積の増大量を調節できるようになつている。
【0014】前記弁体用駆動装置19の夫々は、図2及
び図3に示す如く、弁体18から延設した連結軸30の
先端に出力端33aを連結した駆動手段33と、弁体1
8を設定位置に停止させる停止位置調節装置34とを備
えている。停止位置調節装置34は、前進する弁体18
の停止位置を調節するためのストツパー35と、後退す
る弁体18の停止位置を調節するためのストツパー36
と、これらストツパー35,36を支持する支持部37
と、これらストツパー35,36を個別に進退させる進
退操作具38とを備えている。これらストツパー35,
36は、連結軸30に設けた貫通長孔39を貫通するよ
うに配置され、連結軸30の貫通長孔39に形成した当
接部39a,39bに当接するようにしてある。上記駆
動手段33は、ソレノイド式、リニアモータ式、超磁歪
アクチユエータ式又は空気圧シリンダ式等が用いられ
る。上記進退操作具38は、ステツピング式等のサーボ
モータ等が用いられる。支持部37は、ダイ本体17に
ボルト等で取り付け固定される。
【0015】上記停止位置調節装置34は、駆動手段3
3で連結軸30が矢符D方向(弁体18の閉弁方向)へ
後退すると、ストツパー36に当接部39bが当接して
弁体18の後退を停止させ、駆動手段33で連結軸30
が矢符E方向(弁体18の開弁方向)へ前進すると、ス
トツパー35に当接部39aが当接して弁体18の前進
を停止させる。ストツパー35は、当接部39aの当接
する面を傾斜させたコツター形式となつており、弁体1
8の進退方向である矢符B方向と直交する矢符F方向へ
進退操作具38で移動調節することにより、当接部39
aの当接する位置を変更して、弁体18の前進停止位置
を調節するようにしてある。同様に、ストツパー36
は、当接部39bの当接する面を傾斜させたコツター形
式となつており、矢符F方向へ進退操作具38で移動調
節することにより、当接部39bの当接する位置を変更
して、弁体18の後退停止位置を調節するようにしてあ
る。なお、前記当接部39a,39bは、その中心を連
結軸30の中心線上に位置させてあり、各ストツパー3
5又は36へ当接したときに、この中心線上に曲げモー
メンを生じさせないようにしてある。停止位置調節装置
34は、連結軸30に曲げモーメントを生じさせること
なく弁体18を停止させることができるため、停止精度
の向上を図ることができる。
【0016】前記塗工液用通路23は、図4に示す如
く、弁体18より下流側の幅全域に、段部からなる絞り
部40を設け、吐出口23aから吐出する塗工液Mの流
速を調節するようにしてある。該絞り部40を形成する
段部は、ダイ本体17の固定部であるブロツク22及び
ブロツク20のいずれか一方又は両方に設けられる。ブ
ロツク22に設けるときには、弁体18の進退方向であ
る矢符B方向と交叉する塗工液用通路形成面22dに段
部を形成する。ブロツク20に設けるときには、弁体1
8の進退方向である矢符B方向と交叉する塗工液用通路
形成面20aに段部を形成する。絞り部40の位置は、
弁体18の閉弁動作に伴い塗工液用通路23c内に吸い
込まれる塗工液Mが形成する液面Maよりも下流側とな
るようにしてある。これにより、塗工停止に伴い塗工液
用通路23に残留する塗工液Mは、弁体18の後退(閉
弁動作)に伴い下流側の塗工液用通路23cの体積が増
大するときには、下端の液面Maが絞り部40より上方
(奥側)へ移動し、逆に、弁体18の急速な前進により
開弁して塗工が再開されるときには、吐出口23aに向
かつて流れるときに絞り部40で絞られて急速な移動が
抑制され、吐出口23aから急速に吐出することなく略
々一定流速で吐出することができる。なお、弁体18
は、弁体18を案内するブロツク22の案内面22cの
前方縁部22c−1で絞り部40の段部を形成するよう
に、前方縁部22c−1を残して前進停止するように調
節することも可能である。この弁体18の前進停止位置
の調節は、前記停止位置調節装置34(図2参照)で行
うことができる。
【0017】前記ダイ本体17は、ブロツク20,2
1,22及び可動の弁体18と各側板24との間に、図
3に示す如く、シール板49を介在させてあり、塗工液
用通路23の左右両側から塗工液Mが洩れださないよう
にしてある。
【0018】前記塗工液用通路23は、図2及び図5に
示す如く、弁座32より上流側の適所に、幅全域に延び
るマニホールド23bを形成してある。マニホールド2
3bは、図5に示す如く、その両端を側板24、24に
穿設した排液路41、41に通じるようにしてある。ダ
イ本体17は、塗工液供給装置42の供給管43をマニ
ホールド23bに接合すると共に、塗工液供給装置42
の還流管44を排液路41、41に接合してある。供給
管43は、塗工液タンク45から延設され、その途中に
送液ポンプ46及び流量調節弁47を設けてある。還流
管44は、その途中に流量調節弁48、48を設け、終
端を塗工液タンク45に接合してある。
【0019】塗工装置11は、マニホールド23bの両
端から塗工液の一部を排液路41,41へ排出するの
で、排液路41,41が無いときに比べてマニホールド
23bに多量の塗工液を供給することが可能となる。そ
の結果、塗工装置11は、弁体18の開閉があつても、
塗工液用通路23のマニホールド23bから吐出口23
aまでに存在する塗工液の圧力変動を少なくすることが
可能となり、塗工の開始から停止まで塗工液を均一に吐
出させ、塗工膜Cの厚みを均一にすることができる。
【0020】次に、本実施の形態に係る塗工装置11の
塗工動作を説明する。ダイ本体17は、弁体18を閉弁
位置(図4参照)まで後退させておき、吐出口23aら
塗工液Mが吐出しないように待機させておく。次に、搬
送装置12で搬送されてきた基材Wが所定の塗工開始位
置に到達したならば、弁体用駆動装置19を作動させて
弁体18を開弁位置(図2参照)まで敏速に前進させ、
吐出口23aから塗工液Mを吐出させ、搬送中の基材W
に塗工膜Cを塗工形成する。この開弁動作のときには、
弁体18の敏速な前進により、弁座32より下流側の塗
工液用通路23cの体積が急激に減少するため、塗工液
Mを塗工液用通路23cの内部から吐出口23aに向か
つて急速に移動させようとするが、絞り部40を通過す
るときの抵抗により急速な移動が抑制され、吐出口23
aから塗工液Mを一定流速で吐出させることになる。
【0021】続けて、搬送される基材Wが所定の塗工終
了位置に到達したならば、弁体用駆動装置19を作動さ
せて弁体18を閉弁位置(図4参照)まで敏速に後退さ
せ、吐出口23aから塗工液Mが吐出するのを停止させ
る。この後退のとき、弁座32より下流の塗工液用通路
23cの体積が増大して吸引状態となるため、吐出口2
3a近辺の塗工液を塗工液用通路23cの内奥側へ移動
させ、塗工液の吐出を瞬時に停止させ且つ確実に液切り
することができる。
【0022】吐出口23a近辺の塗工液が吸引される理
由は、次の通りである。閉弁動作においては、弁部18
aが弁座32に近づくに伴い、弁部18aと弁座32と
の間に形成される隙間が次第に狭くなつて通過抵抗が非
常に大きくなるので、塗工液用通路23が実質的に閉じ
た状態となり、この通過抵抗の大きい状態から更に弁部
18aが着座位置に向かつて移動して着座するまでの間
では、塗工液用通路23が実質的に閉じ且つ弁座32よ
り下流側の塗工液用通路23cの体積が増大する状態と
なり、吐出口23a近辺の塗工液が減圧するからであ
る。
【0023】なお、図4に示す如く、前記弁体18が着
座状態を維持しつつ更に矢符D方向へ後退できるときに
は、塗工液用通路23が完全に閉じた状態下において、
弁座32より下流側の塗工液用通路23cの体積を更に
増大させることにより吐出口近辺の塗工液を確実に液切
りすることができる。
【0024】以上説明したように、塗工装置11は、弁
体18を弁体用駆動装置19,19で敏速に進退させて
塗工液用通路23を瞬時に開閉して、開弁動作のときに
吐出口23aから塗工液Mを一定流速で吐出させると共
に、閉弁動作のときに吐出口23a近辺の塗工液を塗工
液用通路23内へ吸引して確実に液切りするため、基材
Wの所定塗工位置に、塗工始端から塗工終端まで膜厚み
が均一な塗工膜Cを形成することができる。更に、塗工
装置11は、塗工液用通路23の開閉と下流側の塗工液
用通路23cの体積の増大とを一つの弁体18で行うの
で、従来に比べて構造が簡単となり取り扱い易いものと
なる。
【0025】(第2の実施の形態)図6は本発明装置の
第2の実施の形態を示すものであり、塗工液の吐出を停
止した状態の要部を拡大断面した左側面図である。本実
施の形態が前記第1の実施の形態と異なる所は、弁体1
8の弁部18aにゴム等の弾性素材から成形したシール
材51を装着したことである。この構成以外は、前記第
1の実施の形態と実質的に同一であり、同一符号は同一
構成部材を示す。
【0026】本実施の形態にあつては、弁座32に着座
した直後の弁部18aを、弾性素材からなるシール材5
1を圧縮変形させつつ着座方向(矢符D方向)へ更に移
動させることにより、塗工液用通路23が完全に閉じた
状態下において、弁座32より下流側の塗工液用通路2
3cの体積を増大させることにより吐出口23a近辺の
塗工液を減圧させて確実に液切りすることができる。
【0027】なお、ゴム等の弾性素材から成形したシー
ル材51を装着する箇所は、弁体18の弁部18aに限
定するものではなく、図示は省略したが、弁座32に装
着してシール材51で着座面を形成することも、弁部1
8a及び弁座32の両方に装着して両着座面をシール材
で形成することも可能である。
【0028】(第3の実施の形態)図7は本発明装置の
第3の実施の形態を示すものであり、塗工液の吐出を停
止した状態の要部を拡大断面した左側面図である。本実
施の形態が前記第1の実施の形態と異なる所は、弁座3
2を形成する段部32aに弁体18の弁部18aを形成
する段部18a−1を液密状に当接させて、閉弁させる
ようにしたことである。この構成以外は、前記第1の実
施の形態と実質的に同一であり、同一符号は同一構成部
材を示す。
【0029】(第4の実施の形態)図8及び図9は本発
明装置の第4の実施の形態を示すものであり、図8は要
部を拡大断面した左側面図であり、図9は更に主要部を
拡大断面して示す左側面図である。本実施の形態の塗工
装置61が前記第1の実施の形態と異なる所は、可動の
弁体68の先端68bで吐出口23aを形成したことで
ある。この構成以外は、前記第1の実施の形態と実質的
に同一であり、同一符号は同一構成部材を示す。
【0030】弁体68は、弁座32に離着座する弁部6
8aを備えている。弁体68は、弁体68の閉弁動作に
伴い体積が増大する弁座32より下流側の塗工液用通路
23cの部分を形成する塗工液用通路形成面(体積調節
面)68c(弁体68の進退方向である矢符B方向と交
叉する面)に、段部からなる絞り部40を設けてある。
絞り部40の位置は、弁体68の閉弁動作に伴い塗工液
用通路23c内に吸い込まれる塗工液Mが形成する液面
Maよりも下流側となるようにしてある。絞り部40を
形成する段部は、ダイ本体17の固定部であるブロツク
20の塗工液用通路形成面20aに設けることも、又は
ブロツク20及び弁体68の両方に設けることもある。
【0031】(第5の実施の形態)図10は本発明装置
の第5の実施の形態を示すものであり、本発明装置を備
えた塗工設備の全体を示す左側面図である。本実施の形
態が前記第1又は4の実施の形態と異なる所は、搬送装
置52をバツクアツプロールで形成し、搬送装置52の
上方に塗工装置11(又は61)を配置したことであ
る。この構成以外は、前記第1又は4の実施の形態と実
質的に同一であり、同一符号は同一構成部材を示す。
【0032】バツクアツプロールからなる搬送装置52
は、連続したシート状の基材Wを搬送でき、塗工装置1
1は、基材Wの上面に、基材横断方向全域に未塗工域G
を残して塗工膜C,C…を間欠的に塗工することができ
る。
【0033】(その他の実施の形態)基材を搬送する搬
送装置は、上記実施の形態に限定されるものではなく、
ベルトコンベアー、エンドレス状のステールベルトコン
ベアー等であつてもよい。塗工装置11(又は61)
は、搬送装置の上方に配置する以外に、搬送装置の側方
に配置することにより、吐出口23aから塗工液を基材
Wに向かつて水平状態又は傾斜状態で吐出させること
も、更に搬送装置の下方に配置することにより、吐出口
23aから塗工液を上方に向かつて吐出させることも可
能である。
【0034】枚葉の基材Wに塗工装置11(又は61)
で塗工するときには、基材Wを停止させると共に塗工装
置11を走行させることにより、間欠塗工することも可
能である。
【0035】
【発明の効果】本発明装置は、弁体の敏速な開弁動作で
も吐出口から塗工液を一定流速で吐出させることができ
るため、基材の所定塗工位置に全体に亘つて均一膜厚の
塗工膜を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明装置の第1の実施の形態を示すもので
あり、本発明装置を備えた塗工設備の全体を示す左側面
図である。
【図2】 同実施の形態を示すものであり、本発明装置
の要部を拡大断面した左側面図である。
【図3】 図2のA−A線における中間省略した断面図
である。
【図4】 同実施の形態を示すものであり、塗工液の吐
出を停止した状態の要部を更に拡大断面した左側面図で
ある。
【図5】 同実施の形態を示すものであり、塗工液用配
管を示すフローシートである。
【図6】 本発明装置の第2の実施の形態を示すもので
あり、塗工液の吐出を停止した状態の要部を拡大断面し
た左側面図である。
【図7】 本発明装置の第3の実施の形態を示すもので
あり、塗工液の吐出を停止した状態の要部を拡大断面し
た左側面図である。
【図8】 本発明装置の第4の実施の形態を示すもので
あり、要部を拡大断面した左側面図である。
【図9】 同実施の形態を示すものであり、塗工液の吐
出を停止した状態の要部を更に拡大断面した左側面図で
ある。
【図10】 本発明装置の第5の実施の形態を示すもの
であり、本発明装置を備えた塗工設備の全体を示す左側
面図である。
【図11】 未公知の従来塗工装置を示すものであり、
塗工状態の主要部を拡大断面して示す側面図である。
【図12】 未公知の従来塗工装置を示すものであり、
塗工液の吐出を停止した状態の主要部を拡大断面して示
す側面図である。
【符号の説明】
17…ダイ本体、18(68)…弁体、23…塗工液用
通路、23a…吐出口、20a(22d,68c)…塗
工液用通路形成面、32…弁座、40…絞り部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B05C 5/02 B05B 1/04 B05D 1/26

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイ本体の内部に幅広の塗工液用通路を
    形成すると共に、塗工液用通路の終端に吐出口を形成
    し、塗工液用通路の幅全域に延設した可動の弁体とダイ
    本体との間に塗工液用通路の一部を形成し、ダイ本体に
    弁体が離着座する弁座を塗工液用通路の幅全域に延設
    し、弁体が閉弁動作するのに伴い弁座より下流側の塗工
    液用通路の体積を増大させるように弁体を配置した塗工
    装置であつて、前記弁座より下流側の塗工液用通路に、
    塗工液用通路の幅全域に延設する絞り部を設け、該絞り
    部の位置を、弁体の閉弁動作に伴い塗工液用通路内に吸
    い込まれる塗工液が形成する液面よりも下流側となるよ
    うにしたことを特徴とする塗工装置。
  2. 【請求項2】 前記絞り部を、前記弁体の塗工液用通路
    形成面に設けた段部で形成してある請求項1記載の塗工
    装置。
  3. 【請求項3】 前記絞り部を、前記吐出口を形成するダ
    イ本体の固定部の塗工液用通路形成面に設けた段部で形
    成してある請求項1記載の塗工装置。
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