JP2980298B2 - 有機非線形光学材料 - Google Patents

有機非線形光学材料

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JP2980298B2 JP3340826A JP34082691A JP2980298B2 JP 2980298 B2 JP2980298 B2 JP 2980298B2 JP 3340826 A JP3340826 A JP 3340826A JP 34082691 A JP34082691 A JP 34082691A JP 2980298 B2 JP2980298 B2 JP 2980298B2
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喜一 竹本
紘一 近藤
秀樹 合田
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Arakawa Chemical Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は波長変換素子などの非線
形光学素材として有用な有機非線形光学材料に関する。
【0002】
【従来の技術】π共役系有機化合物にアクセプター性や
ドナー性の置換基を導入することにより非線形光学現象
が生ずることがレーザー光の発展と共に見出され、こう
した有機非線形性化合物を利用して波長変換素子、光双
安定素子、光導波路素子などの光通信や光情報処理用の
素子の研究も進められている。
【0003】光学非線形性を有する有機化合物には、ベ
ンゼン系、ピリジン系、スチルベン系などπ電子共役系
の骨格構造を有し、これに反転対称中心を欠くようにド
ナー性やアクセプター性の置換基または光学活性基を結
合したもの、あるいは分子塩を形成させたものなど、励
起状態で分極しうる種々のタイプの化合物が見出されて
いる(加藤政雄ら、「有機非線形光学材料」(株)シー
エムシー発行、1985年)。
【0004】また、こうした有機非線形性化合物が光学
非線形効果を発揮するためには、弱いファンデルワース
力で結合した非中心対称性をもつ分子結晶を形成するも
のでなければならない。
【0005】さらに、光学素子として利用するばあい、
まず、結晶性がよいことが要求され、加えて、光破壊し
きい値が高いこと、熱的に安定なことなどが望まれる。
【0006】こうした状況のもと、2-メチル-4- ニトロ
アニリン(MNA )、N,N-ジチメル-2- アセチルアミノ-4
- ニトロアニリン(DAN )、N-(4-ニトロフェニル)-
(L)-プロリノール(NPP )、4-ジメチルアミノ-4′- ニ
トロスチルベン(DANS)、2-メチル-4- ニトロピリジン
-N- オキシド(POM )などが知られており、そのほかπ
共役系のアズレニウム化合物(特開平2-936 号公報)や
3,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド(特開平2-15246 号
公報)なども提案されている。また、分子設計に用いら
れるアクセプター性基としてはニトロ基やシアノ基、ア
ルデヒド基、ハロゲン原子などが知られており、ドナー
性基してはメチル基、アミノ基、ジメチルアミノ基、ア
ルコキシ基、水酸基などが知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、光学素子と
して実用性を向上させるため、結晶性がよくしかも光学
非線形性が結晶に強く維持されうる安定な有機非線形光
学材料を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、アクセプター
性基としてπ共役系のインデン環を導入することにより
前記課題を解決したものであって、一般式(I) :
【0009】
【化2】
【0010】(式中、Rはアルコキシ基、ハロゲン原
子、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アミノ基、水酸
基)で表わされるπ共役系インデン化合物からなる有機
非線形光学材料に関する。
【0011】
【作用および実施例】本発明の特徴は、アクセプター性
基として従来使用されていなかったπ共役系のインデン
環を使用している点にある。このインデン環は9個のπ
電子をもち、さらに電子を1個受容することにより電子
非局在化して安定化するというアクセプター性を有して
いる。
【0012】本発明のインデン化合物は、ベンゼン環と
インデン環を含む比較的長いπ共役系であり、大きな光
学非線形性を示す。また、近似的に平面性が高い分子構
造であるので電荷移動がスムーズで、大きな非線形2次
感受率が期待できる。しかも、光破壊しきい値が高く熱
的に安定なので高エネルギーのレーザーに利用できる点
で優れている。特に、本発明の化合物は結晶性が極めて
優れている点に特徴があり、したがって素子化に必要な
安定した単結晶の育生が可能である。
【0013】前記一般式(I) においては他方の置換基は
アクセプター性でもドナー性でもよく、メトキシ、エト
キシなどの炭素数1〜6個のアルコキシ基;フッ素原
子、臭素原子などのハロゲン原子などのほか、シアノ
基、ニトロ基、水酸基、アミノ基、アルキル基などがあ
げられる。この化合物は、p-置換ベンズアルデヒドとイ
ンデンとをアルカリ触媒の存在下で反応させることによ
り容易にえられる。
【0014】本発明の化合物は結晶化することにより、
たとえばRがメトキシ基のばあいは二軸性で極めてまれ
な空間群Pcに属し、対称中心をもたない結晶となる。結
晶化はアセトンなどの溶媒を用い、溶媒蒸発法や温度降
下法など通常の再結晶法により行なうことができ、容易
に単結晶をうることができる。
【0015】本発明の有機非線性光学材料は前記の効果
をもつものであるが、それらのうち1-(p-メトキシベン
ジリデン)インデン(R=OCH3 )は特にTypeIIの位
相整合性と比較的大ききなSHG (第2高調波発生)もつ
ものであり、またえられる単結晶は比較的高い融点(12
6 ℃)であって熱的に安定しており、結晶軸方向に分子
の双極子モーメントがほぼ100 %残る頭尾型の結晶構造
をとるため非線形性をさらに高めることができる。ま
た、結晶性も特に優れている。さらに緑色および青緑色
レーザー(λ=0.45μm)を既存の半導体レーザー(Ga
As - AlxGa1-x Asレーザーはλ=0.75〜0.90μm。Nd:
YAG レーザーはλ=1.06μm)を連続発振させてうるこ
とができる。
【0016】そのほか、Rがメチル基やプロポキシ基の
ばあい結晶性が特によく、Rがシアノ基やジメチルアミ
ノ基のばあいは熱的安定性に優れている。
【0017】本発明の有機非線形光学材料はその大きな
光学非線形性や易結晶性を利用して、波長変換素子、光
双安定素子、光ゲートスイッチなどの材料として有用で
ある。
【0018】つぎに実施例をあげて本発明の有機非線形
光学材料を説明するが、本発明はかかる実施例のみに限
定されるものではない。
【0019】実施例1[1-(p-メトキシベンジリデン)
インデン] インデンとp-メトキシベンズアルデヒドをメタノール
中、KOHの存在下に反応させ、えられた析出物をアセ
トンから0℃で再結晶して黄色の1-(p-メトキシベンジ
リデン)インデンの再結晶粉末をえた。
【0020】この再結晶粉末12gを100 mlのアセトンに
溶解し、2ml/日の条件で溶媒を蒸発させ、透明な板状
の種結晶(融点126℃)0.08gをえた。この種結晶を飽
和溶液200 ml中に吊し、1.2 ml/日の速度で溶媒を蒸発
させると、1.03gの単結晶が17日後にえられた。
【0021】これらの単結晶育生は他の有機非線形性化
合物に比して極めて容易であり、えられた単結晶は板状
の比較的機械強度の大きな透明結晶であった。
【0022】えられた単結晶をX線回折法により調べた
ところ、化合物の非線形性をほぼ100 %維持していた。
【0023】1-(p-メトキシベンジリデン)インデンの
SHG は、アセトン再結晶粉末をさらに粒径75〜150nm に
まで粉砕し、これにNd:YAG レーザー(λ=1.06μm)
を光源としてクルツ(Kurtz )らの粉末法(クルツら、
「ジャール・オブ・アプライド・フィジクス」39、3798
頁(1968年))により調べたところ、尿素に比して21.3
倍のSHG をもっていた。
【0024】さらに、単結晶の熱的安定性および位相整
合性につき、つぎの要領で調べた。
【0025】(熱的安定性)示差走査型熱量計(セイコ
ーI&E社製のSSC580 DSC20)を用い、昇温速度10℃/
分の条件で調べた。
【0026】その結果、126 ℃付近に融解に基づく吸熱
ピークが現われ、その融解熱は12.0KJ/モルであった。
これはNPP (融点115.9 で融解熱6.6 KJ/モル)やPOM
(融点136.2 ℃で融解熱5.75KJ/mol )に比して良好な
熱的安定性をもつものであった。
【0027】(位相整合性)分光光度計(ジャスコ社製
のUV/VIS分光光度計660 )を用い、種結晶にNd:YAG レ
ーザーを偏光させて照射し、結晶を回転させて調べた
(5×10-5モル/リットルのアセトニトリル溶液使
用)。
【0028】その結果、TypeIIの位相整合性を示すこと
がわかり、λmax は360 nmであった。
【0029】実施例2[1-(p-シアノベンジリデン)イ
ンデン] p-メトキシベンズアルデヒドに代えてp-シアノベンズア
ルデヒドを用いたほかは実施例1と同様にして反応およ
び再結晶を行ない、黄色の1-(p-シアノベンジリデン)
インデンの再結晶粉末をえた。
【0030】えられた再結晶粉末から実施例1と同様に
して溶媒蒸発法により単結晶(融点218 ℃、融解熱14.5
KJ/モル)をえた。この単結晶育生性は良好であった。
【0031】また、再結晶粉末を用いて実施例1と同様
にしてSHG を測定しところ1.22(尿素比)の光学非線形
性を有していた。λmax は349 nmであった。
【0032】実施例3[1-(p-エトキシベンジリデン)
インデン] p-メトキシベンズアルデヒドに代えてp-エトキシベンズ
アルデヒドを用いたほかは実施例1と同様にして反応お
よび再結晶を行ない、黄色の1-(p-エトキシベンジリデ
ン)インデンの再結晶粉末をえた。
【0033】えられた再結晶粉末から実施例1と同様に
して溶媒蒸発法により単結晶(融点181.4 ℃、融解熱2
7.6KJ/モル)をえた。この単結晶育生性は良好であっ
た。
【0034】また、再結晶粉末を用いて実施例1と同様
にしてSHG を測定しところ0.6 (尿素比)の光学非線形
性を有していた。λmax は362 nmであった。
【0035】実施例4[1-(p-ニトロベンジリデン)イ
ンデン] p-メトキシベンズアルデヒドに代えてp-ニトロベンズア
ルデヒドを用いたほかは実施例1と同様にして反応およ
び再結晶を行ない、黄色の1-(p-ニトロベンジリデン)
インデンの再結晶粉末をえた。
【0036】えられた再結晶粉末から実施例1と同様に
して溶媒蒸発法により単結晶(融点231.4 ℃、融解熱2
0.6KJ/モル)をえた。この単結晶育生性は良好であっ
た。
【0037】また、再結晶粉末を用いて実施例1と同様
にしてSHG を測定しところ1.22(尿素比)の光学非線形
性を有していた。位相整合性はTypeIIであり、λmax は
366nmであった。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、大きな光学非線形性と
高い単結晶育生能を有し、素子化が可能な実用的な有機
非線形光学材料を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C07C 43/215 C07C 43/215 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02F 1/35 - 7/00 C07C 13/45 C07C 25/24 C07C 211/44 C07C 255/50 C07C 43/215 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) : 【化1】 (式中、Rはアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、
    ニトロ基、アルキル基、アミノ基または水酸基)で表わ
    されるπ共役系インデン化合物からなる有機非線形光学
    材料。
JP3340826A 1991-12-24 1991-12-24 有機非線形光学材料 Expired - Lifetime JP2980298B2 (ja)

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