JP2980213B2 - 無機繊維焼結体及びその製法 - Google Patents
無機繊維焼結体及びその製法Info
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Description
る無機繊維焼結体及びそのの製造方法に関する。
する高温材料として、無機繊維強化セラミックス、ある
いは無機繊維強化ガラスの開発がされている。中でも炭
化ケイ素繊維で強化されたリチウムシリケートガラス
は、破壊靭性値KICが10〜27MNm−3/2と高
く、また空気中において1100℃まで強度を保持する
という特長を持っている。しかし、上記の炭化ケイ素繊
維強化リチウムシリケートガラスは、1200℃以上の
条件では、マトリックスの耐熱性が充分ではないため、
著しく強度が低下するという問題点を有している。従っ
て、極端にマトリックスの割合を減少させることができ
れば、即ち繊維強化複合材料中の繊維の体積含有率を増
大させることができれば、上記の問題点が解決されるこ
とが期待される。
強化ガラスの製造法として従来知られているCVI法、
ゾル−ゲル法、スラリ−含浸法などの手法では、繊維体
積率の上限は一般に70%であり、これを越えて繊維体
積率を増大させようとすると、複合材料中での強化繊維
の偏在が起こって、複合材料の均質性が損なわれる傾向
が認められている。
問題点を解消した無機繊維焼結体及びその製造方法を提
供する。本発明によれば (i)実質的にSi、C及びOからなる非晶質物質、 (ii)実質的にβ−SiCからなる結晶質粒子と非晶
質のSiO2とからなる集合体、又は (iii)上記(i)の非晶質物質と上記(ii)の集
合体との混合物から構成される無機質繊維と、この無機
質繊維の界面に存在する (iv)実質的にSi及びOからなる非晶質物質、 (v)結晶質のSiO2、又は (vi)上記(iv)及び(v)の混合物から構成され
る無機質物質とからなる無機繊維焼結体が提供される。 また、本発明によれば、内面層と表面層とからなる無機
繊維であって、内面層が (i)実質的にSi、C及びOからなる非晶質物質、 (ii)実質的にβ−SiCからなる粒径が50nm以
下の結晶質粒子、及び非晶質のSiO2からなる集合
体、又は (iii)上記(i)の非晶質物質と上記(ii)の集
合体との混合物からなる無機質物質で構成され、表面層
が (iv)実質的にSi及びOからなる非晶質物質、 (v)結晶質のSiO2、又は (vi)上記(iv)及び(v)の混合物からなる無機
質物質で構成されている無機繊維の積層物を、1400
〜1900℃の温度範囲で加熱焼結する無機繊維焼結体
の製法が提供される。
明する。無機質繊維を構成する各元素の割合は、通常、
Si:30〜60重量%、C:25〜40重量%、O:
0.01〜30重量%である。無機質繊維の相当直径は
一般に5〜30μmである。焼結体中の無機質繊維は、
相互に接触していてもよく、その直径の10%に相当す
る距離まで離れていてもよい。焼結体中において無機質
繊維相互がその直径の10%に相当する距離だけ離れて
いる場合には、繊維断面が完全に円形であると仮定する
と、焼結体中の無機質繊維の割合は、約75容量%にな
ることが理解される。無機質繊維の断面は、後述する実
施例1で得られた焼結体の断面構造を示す第1図からわ
かるように、円形状であってもよく、円形状が一部変形
した多角形状であってもよい。無機質繊維の界面に存在
するところの無機質物質を構成する各元素の割合は、通
常、Si:35〜65重量%、O:30〜60重量%、
C:0〜5重量%である。この無機質物質は、焼結体中
において無機質繊維によって形成される間隙を充填して
いる。
ついて説明する。本発明で使用される原料の無機繊維
は、例えば特公昭57−26527号公報、特公昭61
−49334号公報に記載の方法に従って調製された、
(i)実質的にSi、C及びOからなる非晶質物質、
(ii)実質的にβ−SiCからなる粒径が50nm以
下の結晶質粒子、及び非晶質のSiO2からなる集合
体、又は(iii)上記(i)の非晶質物質と上記(i
i)の集合体との混合物からなる無機質物質で構成され
る無機繊維を、酸化性雰囲気下に例えば500〜160
0℃の温度範囲で加熱することによって調製することが
できる。酸化性雰囲気としては、空気、純酸素、オゾ
ン、水蒸気、炭酸ガスなどの雰囲気が挙げられる。この
加熱処理によって上記の無機繊維の表面が酸化されて、
(iv)実質的にSi及びOからなる非晶質物質、
(v)結晶質のSiO2、又は(vi)上記(iv)及
び(v)の混合物からなる無機質物質で構成される表面
層が形成される。即ち、内面層が上記の(i)、(i
i)又は(iii)の無機質物質で構成され、表面層が
上記の(iv)、(v)又は(vi)からなる無機質物
質で構成される無機繊維となる。内面層及び表面層の構
成元素の割合は、それぞれ、前記焼結体の無機質繊維及
び無機質物質の構成元素の割合と同じである。無機繊維
の直径は通常5〜30μmであり、無機繊維の表面層の
厚さは一般に50〜1000nmである。
連続繊維を切断したチョップ状短繊維として使用しても
よく、連続繊維から編織された平織物、三次元織物、不
織布として使用してもよく、さらに連続繊維を一方向に
引き揃えたシート状物として使用してもよい。本発明に
おいては、無機繊維の積層物を作成し、ついで所望の形
状に成形した後、あるいは成形と同時に加熱焼結するこ
とによって、強度及び靭性の優れた焼結体を得ることが
できる。焼結法としては、積層物を一次成形した後に加
圧下、常圧下、又は減圧下で焼結する方法、あるいは成
形と焼結を同時に行うホットプレス法を採用することが
できる。一次成形と焼結とを別々に行う方法において、
一次成形するには、金型プレス法、ラバープレス法、押
出し法、シート法を用いて100〜5000kg/cm
2の圧力で加圧してシート状、棒状、球状などの所定の
形状のものを得ることができる。また、ホットプレス法
で焼結を行う場合には、黒鉛からなる押型に、離型剤と
しての窒化ホウ素をスプレーしたものを用い、2〜20
00kg/cm2圧力で積層物を加圧しながら、同時に
加熱し焼結体とすることができる。
る。この範囲の温度に積層物を加熱することによって、
前述した高強度、高靭性の焼結体が得られる。加熱焼結
温度が1400℃より低いと、無機質繊維の間隙が充填
されないことがあり、加熱焼結温度が1900℃を超え
ると、無機繊維の分解によって発生するガスが系外に抜
け出るために、内部組織が均質な焼結体を得ることが困
難になる。加熱焼結時の雰囲気としては、真空中、不活
性ガス、還元性ガス及び炭化水素ガスから選択される雰
囲気を採用することができる。
ナトリウム400gを入れ、窒素ガス気流下でキシレン
の沸点まで加熱し、ジメチルジクロロシラン1リッター
を1時間で滴下した。滴下終了の後、10時間加熱還流
して沈澱物を生成させた。この沈澱物を濾過し、メタノ
ール、ついで水で洗浄して白色粉末のポリジメチルシラ
ン420gを得た。他方、ジフェニルジクロロシラン7
59gとホウ酸124gとを窒素ガス雰囲気下に、n−
ブチルエーテル中で100〜120℃の温度で加熱し、
生成した白色樹脂状物をさらに真空中400℃で1時間
加熱することによって、530gのポリボロジフェニル
シロキサンを得た。つぎに、上記のポリジメチルシラン
250gに上記のポリボロジフェニルシロキサン8.2
7gを添加混合し、還流管を備えた2リッターの石英管
中で窒素気流下で350℃で6時間重合した。室温で放
冷の後、キシレンを加えて溶液として取り出し、キシレ
ンを蒸発させ、320℃で1時間窒素気流下で濃縮し
て、ポリカルボシランを得た。このポリカルボシランを
溶融紡糸した後、空気中で20℃/時間の昇温速度で1
70℃まで加熱して不融化させ、ついで窒素雰囲気下で
200℃/時間の昇温速度で1000℃まで加熱し、1
時間保持した後に冷却して、β−SiCと非晶質のSi
O2からなり、繊維系が10μmの無機繊維を得た。 実施例1 参考例1で得られた無機繊維を空気中1100℃で18
0分間加熱処理して原料無機繊維を得た。繊維表面に形
成された表面層の厚さは500nmであった。この原料
無機繊維からなる平織物を積層して50mm×100m
m×100mmのシート状積層物を作成し、この積層物
をカーボンダイス中にセットして、アルゴン気流下70
0kg/cm2の圧力下に1600℃で0.5時間ホッ
トプレスして焼結体を製造した。得られた焼結体の曲げ
強度は室温で55kg/mm2、1400℃で45kg
/mm2、密度は2.8g/cm3であった。この焼結
体の破断面を表面反射電子顕微鏡で観察したところ、図
1に示すように、一部変形した繊維状の無機質繊維が界
面に存在する無機質物質を介して結合された構造をして
おり、また平織物の繊維配向を保持していた。
ことなく、そのまま使用した以外は実施例1を繰り返し
た。得られた焼結体の曲げ強度は室温で35kg/mm
2、1400℃で30kg/mm2、密度は2.5g/
cm3であった。この焼結体の破断面を顕微鏡で観察し
たところ、繊維状物同士の間に間隙が残っていた。
である。
Claims (2)
- 【請求項1】(i)実質的にSi、C及びOからなる非
晶質物質、 (ii)実質的にβ−SiCからなる結晶質粒子と非晶
質のSiO2とからなる集合体、又は (iii)上記(i)の非晶質物質と上記(ii)の集
合体との混合物から構成される無機質繊維と、この無機
質繊維の界面に存在する (iv)実質的にSi及びOからなる非晶質物質、 (v)結晶質のSiO2、又は (vi)上記(iv)及び(v)の混合物から構成され
る無機質物質とからなることを特徴とする無機繊維焼結
体。 - 【請求項2】内面層と表面層とからなる無機繊維であっ
て、内面層が (i)実質的にSi、C及びOからなる非晶質物質、 (ii)実質的にβ−SiCからなる粒径が50nm以
下の結晶質粒子、及び非晶質のSiO2からなる集合
体、又は (iii)上記(i)の非晶質物質と上記(ii)の集
合体との混合物からなる無機質物質で構成され、表面層
が (iv)実質的にSi及びOからなる非晶質物質、 (v)結晶質のSiO2、又は (vi)上記(iv)及び(v)の混合物 からなる無機質物質で構成されている無機繊維の積層物
を、1400〜1900℃の温度範囲で加熱焼結するこ
とを特徴とする無機繊維焼結体の製法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3311254A JP2980213B2 (ja) | 1991-09-18 | 1991-09-18 | 無機繊維焼結体及びその製法 |
GB9217150A GB2259299B (en) | 1991-08-14 | 1992-08-13 | Inorganic fiber sinter and process for producing same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3311254A JP2980213B2 (ja) | 1991-09-18 | 1991-09-18 | 無機繊維焼結体及びその製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0578174A JPH0578174A (ja) | 1993-03-30 |
JP2980213B2 true JP2980213B2 (ja) | 1999-11-22 |
Family
ID=18014940
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3311254A Expired - Fee Related JP2980213B2 (ja) | 1991-08-14 | 1991-09-18 | 無機繊維焼結体及びその製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2980213B2 (ja) |
-
1991
- 1991-09-18 JP JP3311254A patent/JP2980213B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH0578174A (ja) | 1993-03-30 |
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