JP2979013B2 - 潜像焼込装置 - Google Patents

潜像焼込装置

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JP2979013B2 JP2203406A JP20340690A JP2979013B2 JP 2979013 B2 JP2979013 B2 JP 2979013B2 JP 2203406 A JP2203406 A JP 2203406A JP 20340690 A JP20340690 A JP 20340690A JP 2979013 B2 JP2979013 B2 JP 2979013B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、写真用ロールフィルムの未露光フィルム
に潜像を焼込むフィルム加工機の潜像焼込装置に関す
る。
[従来の技術] 従来写真用ロールフィルムを生産する工程において、
未露光フィルムにコマN0、サイドマーク、サイドライ
ン、DXバーコード、フレームN0バーコード等の潜像を微
小ドットの集合として焼込む潜像焼込装置は、この未露
光フィルムのパーフォレーションを潜像焼込装置を構成
する焼込ドラムのスプロケット歯に係合させ、未露光フ
ィルムのズレを防止しながら所定の速度で搬送してい
た。この従来の焼込ドラムのスプロケット歯と、この歯
に係合する未露光フィルムのパーフォレーションとの関
係を第7図に基づいて説明する。第7図において、焼込
ドラム41にはスプロケット歯42がパーフォレーション43
のピッチに合わせて等間隔で配置されている。従来のこ
のスプロケット歯42のピッチaは、未露光フィルムFの
張力による伸びを考慮にいれた、パーフォレーション43
のピッチと等しかった。即ち、この焼込ドラム41の外径
寸法Dは、上記の伸びを考慮にいれた未露光フィルムF
が、所定の巻付角度θをもって巻き付く時の焼込ドラム
41の外周に接触する理論的長さLfから逆算して求めたも
のであった。
この未露光フィルムFが搬送されると、この焼込ドラ
ム41の回転に伴い潜像焼込装置を構成する制御装置44に
格納された潜像文字のドットデータが読出され、続いて
この制御装置44内の光源LEDが選択的に発光され、光フ
ァイバーによりこの光が前記焼込ドラム41上の投光器45
へ導入され、これにより所定のフィルム位置への潜像焼
込が行なわれていた。
このようにして焼き込まれる潜像は、未露光フィルム
Fの定尺に対して一定の決まった位置に、又パーフォレ
ーション43に対しても一定の決まった位置に焼込む必要
がある。この潜像はφ0.095mmのドットを0.0475mmの間
隔で未露光フィルムFの搬送につれて順番に焼き込んで
行くものであり、この焼込むべきドットの隣接ピッチに
誤差があると、焼き込まれた図形の形が崩れたり、バー
コードのように寸法規格が定められているものでは規格
通りの焼込ができなくなる。
従って、焼込まれる図形の近傍においては、上記の規
格を満たすためにフィルム位置の計測を十分高精度に行
なう必要があった。
従来、この潜像焼込のフィルム位置の計測は、定尺サ
イズ、例えば12、24、36EXサイズ等の未露光フィルムF
の場合は、各々の未露光フィルムFに定尺位置を示すノ
ッチをノッチカッタで入れ、このノッチ及びパーフォレ
ーション43を各々の検出装置を用いて検出し、その後、
前記焼込ドラムの回転軸に直結して前記未露光フィルム
の移動量に応じたパルスを発生するロータリーエンコー
ダのパルス数をカウントすることで位置計測を行なって
いた。
[発明が解決しようとする課題] 従って、フィルム位置の計測を高精度に行なうために
は、焼込ドラム41の回転に伴う未露光フィルムFの移動
量と、ロータリーエンコーダで計測される焼込ドラム41
の回転角度量とは完全に同期していなければならない。
しかし、前述のノッチカッタがノッチを切るときに、こ
の未露光フィルムFの搬送にムラが生じることがある。
又、この未露光フィルムFは所定の長さで切断するため
にフィルム搬送を間欠搬送する必要があり、その影響で
この焼込ドラム41上でも前記未露光フィルムFの搬送に
脈動が生ずる場合もある。これらの時にパーフォレーシ
ョン43と前記スプロケット歯42との間に相対的なズレが
生ずると、潜像焼込位置を正確に計測することができな
くなる。
前述のように従来の焼込ドラム41のスプロケット歯42
と未露光フィルムFのパーフォレーション43との関係
は、第7図に示したように、スプロケット歯42のピッチ
aとパーフォレーション43のピッチとは等しくとってい
た。従って、このようなズレを生じさせないためには、
スプロケット歯42とパーフォレーション43とが隙間なく
嵌合させることが必要であったが、スプロケット歯42の
加工精度の問題や、パーフォレーション43の縁に生じる
ケリ等の関係から、パーフォレーション43の基準寸法d1
=1.98mmに対し、スプロケット歯42は最大d2=1.75mmと
していた。このため従来の潜像焼込装置では焼込ドラム
41のスプロケット歯42とパーフォレーション43との間で
0.23mmのガタが発生しており、未露光フィルムFの搬送
に脈動が生じた場合には、潜像焼込の位置ズレを起こす
恐れがあった。
この発明は、従来のフィルム加工機の潜像焼込装置の
有する上記の欠点を解消することを目的としており、請
求項1記載のフィルム加工機の潜像焼込装置は、焼込ド
ラムと未露光フィルムとの接触長さを理論的接触長さよ
り0.2〜0.35mm短くすることで、焼込ドラムに未露光フ
ィルムを搬入するスプロケット歯を搬送方向に対しパー
フォレーションの前部の縁に押し付けておくことを目的
としている。
又請求項2記載のフィルム加工機の接触焼込装置は、
焼込ドラムと未露光フィルムとの接触長さを理論的に接
触長さより0.2〜0.35mm長くすることで、焼込ドラムに
未露光フィルムを搬入するスプロケット歯を搬送方向に
対しパーフォレーション後部の縁に押し付けておくこと
を目的としている。
[課題を解決するための手段] 前述課題を解決するために、この発明の請求項1記載
のフィルム加工機の潜像焼込装置は、搬送中の未露光フ
ィルムのパーフォレーションに係合するスプロケット歯
を有する焼込ドラムを用いて潜像データを光学的に焼込
むフィルム加工機の潜像焼込装置において、前記焼込ド
ラムに、前記未露光フィルムが所定の巻付角度をもって
巻き付く時の接触長さが、前記巻付角度から求める理論
的接触長さより0.2〜0.35mm短くなる焼込ドラムと、こ
の焼込ドラムの回転軸に前記未露光フィルム搬送方向と
同方向のトルクを加える手段とを有することを特徴とし
ている。
また、この発明の請求項1記載のフィルム加工機の潜
像焼込装置は、搬送中の未露光フィルムのパーフォレー
ションに係合するスプロケット歯を有する焼込ドラムを
用いて潜像データを光学的に焼込むフィルム加工機の潜
像焼込装置において、前記焼込ドラムに、前記未露光フ
ィルムが所定の巻付角度をもって巻き付く時の接触長さ
が、前記巻付角度から求める理論的接触長さより0.2〜
0.35mm長くなる焼込ドラムと、前記焼込ドラムの回転軸
に前記未露光フィルム搬送方向とは逆方向のトルクを加
える手段とを有することを特徴としている。
[作用] この請求項1記載のフィルム加工機の潜像焼込装置
は、搬送中の未露光フィルムのパーフォレーションに、
この未露光フィルムが所定の巻付角度をもって巻き付く
時の焼込ドラムとの理論的接触長さより0.2〜0.35mm短
い接触長さとなる焼込ドラムのスプロケット歯を係合さ
せて搬送し、焼込ドラムに未露光フィルムを搬入するス
プロケット歯を搬送方向に対しパーフォレーションの前
部の縁に押し付けておく。
又、請求項2記載のフィルム加工機の潜像焼込装置
は、搬送中の未露光フィルムのパーフォレーションに、
未露光フィルムが所定の巻付角度をもって巻き付く時の
焼込ドラムとの理論的接触長さより0.2〜0.35mm長い接
触長さとなる焼込ドラムのスプロケット歯を係合させて
搬送し、焼込ドラム回転軸に未露光フィルム搬送方向と
は逆方向のトルクを加えており、搬送時にはスプロケッ
ト歯を搬送方向に対しパーフォレーションの後部の縁に
押し付けておく。
[実施例] 以下、この発明の実施例を添付図面に基づいて詳細に
説明する。
第1図は一定尺サイズのフィルム加工機の潜像焼込装
置の焼込部周辺の構成を示す側面図である。一定尺サイ
ズのフィルム加工機本体は暗室となっており、図示しな
い元巻マガジンから引き出された長尺の未露光フィルム
Fはガイドローラ1を介して、ロータリーノッチャ2に
巻着される。このロータリーノッチャ2は制御装置3に
制御されて作動し、この未露光フィルムFが所定駒数分
だけ送られる毎に、未露光フィルムFの一側端縁にノッ
チを設ける。
次に、このノッチを設けられた未露光フィルムFは、
ガイドローラ1を介してフライホイール4に巻着され
る。このフライホイール4の外周はゴム製であり、この
フライホイール4の外周にはゴム製のニップローラ5が
対向して配置されている。このニップローラ5は、フラ
イホイール4の外周に巻着する未露光フィルムFの滑り
を防止するためのものである。又、このフライホイール
4は、未露光フィルムFに搬送速度を急激に加速させる
加速度が生じた時に、この加速度に応じた引張力を未露
光フィルムFに発生させるためのものである。又、前記
ロータリーノッチャ2と、このフライホイール4の間に
は、ノッチ検出機15とパーフォレーション検出機16とが
配置されており、前記ノッチ及びパーフォレーションを
検出して制御装置3にその検出信号を送っている。
このフライホイール4から搬出された前記未露光フィ
ルムFは、次にパーフォレーションと係合するスプロケ
ット歯6を有する焼込ドラム7に搬入される。この焼込
ドラム7の外径は、この未露光フィルムFと前記焼込ド
ラム7とが所定の巻付角度をもって巻き付く時の理論的
接触長さより0.2〜0.35mm短くなる接触長さ、即ち周長
を有する大きさになっている。この焼込ドラム7の回転
軸8の一端には、ロータリーエンコーダ9が直結されて
おり、このロータリーエンコーダ9は未露光フィルムF
の搬送量に応じてパルスを出力し、このパルスを前記制
御装置3に送っている。この制御装置3では前述のノッ
チ及びパーフォレーションの検出信号と、このパルスの
計数値とを基に未露光フィルムFの位置を検出してい
る。この位置検出信号に基づき、この制御装置3に予め
記憶されている潜像データを読出し、制御装置3内に配
設されている光源LEDを選択発光させる。この光源LEDの
光が光ファイバーを通じて投光器10に導かれ、所定の潜
像データを焼込ドラム7上の未露光フィルムF面に結像
する。結像する像は、未露光フィルムFの移動につれ、
順次変わり、未露光フィルムF上に制御装置3内に記憶
された潜像データが再現される。
又、この焼込ドラム7の回転軸8の他端にはトルクモ
ータ11が直結しており、焼込ドラム7に対してフィルム
搬送方向に回転力を付与することにより、このスプロケ
ット歯6には搬送が一時的に停止しても安定したホワー
ドテンションが加わるようになっている。
この焼込ドラム7で潜像を焼き込まれたフィルムは、
速度差を吸収するためのダンサーローラ12を介して、こ
のフィルムを所定のサイズに搬送する定尺スプロケット
部13に搬送されていき、その後図示されていない、定尺
用カッタにより切断される。
次に、前記焼込ドラム7上での未露光フィルムFの動
作を第2図に基づき詳細に説明する。
前記未露光フィルムFは各パーフォレーション14とス
プロケット歯6を係合させて、焼込ドラム7に巻着し、
未露光フィルムFと焼込ドラム7とが滑らないように回
転させる。この焼込ドラム7と未露光フィルムFの接触
角度をθ=πとし、未露光フィルムFには張力T=0.26
0[Kgf/mm2]が作用するものとすれば、焼込ドラム7の
外径Dの理論計算値は次のようになる。
フィルム厚 d=0.14mm スプロケット歯の数 p=36 フィルムのヤング率 E=400[Kgf/mm2] ここでフィルム厚dの中心における半円の周長Lfm
は、この半円の直径をAとすれば A=D+d 2Lfm=Aπ=4.75p(1+T/E)と表わせるから結局 上記の数値を代入すると焼込ドラム7の理論外径は D=54.33mmとなる。
これに対し、実験による最適寸法値は Db=54.15±0.05mm となっている。
従って、この最適寸法Dbの焼込ドラム7と未露光フィ
ルムFの接触角度をθ=πとすると、その実際の接触長
Lbと理論計算上の未露光フィルムFの半円の接触周長Lf
lとの周長差Δ=Lb−Lflは、Δ=−0.20mm〜−0.36mmと
なる。
このような外径の焼込ドラム7のスプロケット歯6に
係合して未露光フィルムFが搬送されると、Lb<Lflの
関係からより未露光フィルムFの搬送よりスプロケット
歯6の送りの方が速くなり、最終的には第3図に示すよ
うに焼込ドラム7に搬入する側のスプロケット歯6aで
は、搬送方向に対し常にパーフォレーション14の前部の
縁14aに押し付けて搬送することになる。そして搬出側
のスプロケット歯6bでは、パーフォレーション14の前部
の縁14aからΔ=0.20mm〜0.36mmの隙間が開くことにな
る。
なお、焼込ドラム7の外径がこの最適寸法のドラム外
径Dbよりも小さくなりすぎるとこの搬入側でスプロケッ
ト歯6aが未露光フィルムFのパーフォレーション14に合
わず乗り上げてしまい搬送不能となる。又、前記Dbより
も大きい場合は理論値に近くなるため、安定的な未露光
フィルムFの片押し付けができず、未露光フィルムFに
作用する張力の変化により、パーフォレーション14と前
記スプロケット歯6aとの間に相対的なズレが生じてしま
う。
この実施例では、焼込ドラム7と未露光フィルムFの
接触角度をθ=πとして最適寸法のドラム外径Dbを求め
たが、上記のように搬入側のスプロケット歯6aが常にパ
ーフォレーション14の前部の縁14aを押し付け、一方搬
出側のスプロケット歯6bとパーフォレーション14の前部
の縁14aとがΔ=0.20mm〜0.36mmの隙間をあける関係を
満たすものであれば、焼込ドラム7の外径や未露光フィ
ルムFの巻付角度がこの実施例と異なってもよい。
以上のように、この最適寸法のドラム外径Dbの焼込ド
ラム7を使用することで、未露光フィルムFを焼込ドラ
ム7へ搬入する際に、パーフォレーション14の前部の縁
14aにスプロケット歯6aを押し付けて搬送するととも
に、この焼込ドラム7の回転軸8に直結して付設してあ
るトルクモータ11の駆動により、このスプロケット歯6
にはホワードテンションが加わっているため、必ずパー
フォレーション14の前部の縁14aにスプロケット歯6aを
押し付けることになる。
更に、この焼込ドラム7に未露光フィルムFを搬入す
る前にフライホイール4を介することで、未露光フィル
ムFに搬送速度を急激に加速させる加速度が生じた時
に、この加速度に応じた引張力を未露光フィルムFに発
生させ、スプロケット歯6aがパーフォレーション14の前
部の縁14aから離れることを防止している。
次に、別の実施例を第4図に基づき説明する。第4図
は、潜像焼込部である焼込ドラムとフィルム切断装置で
ある定尺スプロケットとの搬送距離が短いフリーサイズ
のフィルム加工機の潜像焼込装置の焼込部周辺の構成を
示す斜視図である。一定尺サイズのフィルム加工機と異
なり、フリーサイズのフィルム加工機の場合には、定尺
位置を示すノッチを全てのサイズに亘って入れることが
不可能なので、ノッチを検出して潜像の焼込を開始する
制御ができない。このため、フリーサイズのフィルム加
工機の場合には、潜像の焼込を切断位置が確定する定尺
スプロケット直前で行なう構成となっている。このフリ
ーサイズのフィルム加工機の場合には、未露光フィルム
Fは、図示しない元巻マガジンから引き出された後、図
示しないダンサーローラを介してパーフォレーションと
係合するスプロケット歯26を有する焼込ドラム27に搬入
される。この焼込ドラム27の外径は、この未露光フィル
ムFと前記焼込ドラム27とが所定の巻付角度をもって巻
き付く時の理論的接触長さより0.2〜0.35mm長くなる接
触長さ即ち周長を有する大きさになっている。
この焼込ドラム27の回転軸28の一端には、ロータリー
エンコーダ29が直結されており、このロータリーエンコ
ーダ29は未露光フィルムFの搬送量に応じてパルスを出
力し、このパルスを前記制御装置23に送っている。この
制御装置23では、このパルスを定尺カッタ36の作動信号
を基準に計数して、その計数値を基に未露光フィルムF
の位置を検出し、この制御装置23に予め記憶されている
潜像データを読出し、光源LEDを選択発光させる。この
光源LEDの光が光ファイバーを通じて投光器30に導か
れ、所定の潜像データを焼込ドラム27上の未露光フィル
ムF面に結像する。
又、この焼込ドラム27の回転軸28の他端にはトルクモ
ータ31が直結しており、焼込ドラム27に対してフィルム
搬送と逆方向に回転力を付与することにより、このスプ
ロケット歯26には搬送が一時停止しても安定したバック
テンションが加わるようになっている。
次に、潜像を焼き込まれた未露光フィルムFは、フラ
イホイール24に巻着される。このフライホイール24の外
周はゴム製であり、このフライホイール24の外周にはゴ
ム製のニップローラ25が対向して配置されている。この
ニップローラ25はコイルバネ32の弾性により付勢された
アーム33に固着しており、フライホイール28の外周に巻
着する未露光フィルムFの滑りを防止するため、フライ
ホイール24に圧着して所定の押圧力を作用させている。
このフライホイール24から搬出された未露光フィルムF
はガイドローラ34を介して、この未露光フィルムFを所
定のサイズに搬送する定尺スプロケット35に搬送されて
いき、その後定尺カッタ36により切断される。この定尺
スプロケット35は、間欠搬送をするため、未露光フィル
ムFには搬送速度を急激に減速させる加速度が生ずる。
この時焼込ドラム27と定尺スプロケット35との間にタル
ミが発生すると、焼込ドラム27上の未露光フィルムFに
滑りが発生する恐れがある。この滑りを防止するため
に、フライホイール24とニップローラ25とが前記加速度
に応じた引張力を未露光フィルムFに発生させている。
次に、前記焼込ドラム27上での未露光フィルムFの動
作を第5図に基づき詳細に説明する。
前記未露光フィルムFは各パーフォレーション14とス
プロケット歯26を係合させて、焼込ドラム27に巻着し、
未露光フィルムFと焼込ドラム27とが滑らないように回
転させる。この焼込ドラム27と未露光フィルムFの接触
角度をθ=πとし、未露光フィルムFには張力T=0.26
0[Kgf/mm2]が作用するものとすれば、焼込ドラム27の
外径Dの理論計算値は定尺サイズのフィルム加工機の場
合と同様の計算により次のようになる。
これに対し、実験による最適寸法値は Db=54.50±0.05mmとなっている。
従って、この最適寸法Dbの焼込ドラム27と未露光フィ
ルムFの接触角度をθ=πとすると、その実際の接触長
Lbと理論計算上の未露光フィルムFの半円を接触周長Lf
lとの周長差Δ=Lb−Lflは、Δ=0.19〜0.35mmとなる。
このような外径の焼込ドラム27のスプロケット歯26に
係合して未露光フィルムFが搬送されると、Lb>Lfの関
係から未露光フィルムFの搬送がスプロケット歯26の送
りより速くなり、最終的には第6図に示すように焼込ド
ラム27に搬入する側のスプロケット歯26aでは、搬送方
向に対しパーフォレーション14の後部の縁14bに押し付
けて搬送することになる。そして搬出側のスプロケット
歯26bでは、パーフォレーション14の後部の縁14bからΔ
=0.19〜0.35mmの隙間が開くことになる。
なお、焼込ドラム27の外径がこの最適寸法のドラム外
径Dbよりも大きくなりすぎるとこの搬入側でスプロケッ
ト歯26aが未露光フィルムFのパーフォレーション14に
合わず乗り上げてしまい搬送不能となる。又、前記Dbよ
りも小さい場合は理論値に近くなるため、安定的な未露
光フィルムFの片押し付けができず、未露光フィルムF
に作用する張力が変化した場合、パーフォレーション14
と前記スプロケット歯26aとの間に相対的なズレが生じ
てしまう。
この実施例では、焼込ドラム27と未露光フィルムFの
接触角度をθ=πとして最適寸法のドラム外径Dbを求め
たが、上記のように搬入側のスプロケット歯26aがパー
フォレーション14の後部の縁14bを押し付け、一方搬出
側のスプロケット歯26bとパーフォレーション14の後部
の縁14bとがΔ=0.19〜0.35mmの隙間をあける関係を満
たすものであれば、焼込ドラムの外径や未露光フィルム
Fの巻き付け角度がこの実施例と異なってもよい。
以上のように、この最適寸法のドラム外径Dbの焼込ド
ラム27を使用することで、未露光フィルムFを焼込ドラ
ム27へ搬入する際には、パーフォレーション14の後部の
縁14bにスプロケット歯26aを押し付けて搬送するととも
に、この焼込ドラム27の回転軸28に直結して付設してあ
るトルクモータ31の駆動により、このスプロケット歯26
にはバックテンションが加わっているため、必ずパーフ
ォレーション14の後部の縁14bにスプロケット歯26aを押
し付けることになる。
更に、この焼込ドラム27から未露光フィルムFを搬出
して定尺スプロケット35に搬入する前に、フライホイー
ル24及びニップローラ25を介することで、未露光フィル
ムFに搬送速度を急激に減速させる加速度が生じた時
に、この加速度に応じた引張力を未露光フィルムFに発
生させ、スプロケット歯26aがパーフォレーション14の
後部の縁14bから離れることを防止している。
[発明の効果] 以上説明したように、この請求項1記載のフィルム加
工機の潜像焼込装置では、搬送中の未露光フィルムのパ
ーフォレーションに、この未露光フィルムが所定の巻付
角度をもって巻き付く時の焼込ドラムとの理論的接触長
さより0.2〜0.35mm短い接触長さとなる焼込ドラムのス
プロケット歯を係合させて搬送し、焼込ドラムに未露光
フィルムを搬入するスプロケット歯を搬送方向に対しパ
ーフォレーションの前部の縁に押し付けておくことがで
き、焼込ドラムでの未露光フィルムの位置ズレを簡単な
構造でなくし、焼付精度を向上させることができる。
又、請求項2記載のフィルム加工機の潜像焼込装置で
は、搬送中の未露光フィルムのパーフォレーションに、
未露光フィルムが所定の巻付角度をもって巻き付く時の
焼込ドラムとの理論的接触長さより0.2〜0.35mm長い接
触長さとなる焼込ドラムのスプロケット歯を係合させて
搬送し、焼込ドラム回転軸に未露光フィルム搬送方向と
は逆方向のトルクを加えており、搬送時にはスプロケッ
ト歯を搬送方向に対しパーフォレーションの後部の縁に
押し付けておくことができ、焼込ドラムでの未露光フィ
ルムの位置ズレを簡単な構造でなくし、焼付精度を向上
させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一定尺サイズのフィルム加工機の潜
像焼込装置の焼込部周辺の構成を示す側面図、第2図及
び第3図はこのフィルム加工機の潜像焼込装置における
焼込ドラム上での未露光フィルムの動作を説明する側面
図、第4図はこの発明の別の実施例に基づくフリーサイ
ズのフィルム加工機の潜像焼込装置の焼込部周辺の構成
を示す斜視図、第5図及び第6図はこのフリーサイズの
フィルム加工機の潜像焼込装置における焼込ドラム上で
の未露光フィルムの動作を説明する側面図、第7図は従
来の焼込ドラムのスプロケット歯とこの歯に係合する未
露光フィルムのパーフォレーションとの関係を説明する
側面図である。 図中符号Fは未露光フィルム、2はロータリーノッチ
ャ、4,24はフライホイール、5,25はニップローラ、6,26
はスプロケット歯、7,27は焼込ドラム、9,29はロータリ
ーエンコーダ、10,30は投光器、11,31はトルクモータ、
13,35は定尺スプロケット、36は定尺カッタ、14はパー
フォレーション、θは焼込ドラムと未露光フィルムとの
接触角度、Lbは焼込ドラムと未露光フィルムの実際の接
触長、Lflは理論計算上の未露光フィルムの焼込ドラム
との接触長である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】搬送中の未露光フィルムのパーフォレーシ
    ョンに係合するスプロケット歯を有する焼込ドラムを用
    いて潜像データを光学的に焼込むフィルム加工機の潜像
    焼込装置において、前記焼込ドラムに、前記未露光フィ
    ルムが所定の巻付角度をもって巻き付く時の接触長さ
    が、前記巻付角度から求める理論的接触長さより0.2〜
    0.35mm短くなる焼込ドラムと、この焼込ドラムの回転軸
    に前記未露光フィルム搬送方向と同方向のトルクを加え
    る手段とを有することを特徴とするフィルム加工機の潜
    像焼込装置。
  2. 【請求項2】搬送中の未露光フィルムのパーフォレーシ
    ョンに係合するスプロケット歯を有する焼込ドラムを用
    いて潜像データを光学的に焼込むフィルム加工機の潜像
    焼込装置において、前記焼込ドラムに、前記未露光フィ
    ルムが所定の巻付角度をもって巻き付く時の接触長さ
    が、前記巻付角度から求める理論的接触長さより0.2〜
    0.35mm長くなる焼込ドラムと、前記焼込ドラムの回転軸
    に前記未露光フィルム搬送方向とは逆方向のトルクを加
    える手段とを有することを特徴とするフィルム加工機の
    潜像焼込装置。
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