JP2978877B2 - 建物用雨水排水設備 - Google Patents

建物用雨水排水設備

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JP2978877B2 JP10110171A JP11017198A JP2978877B2 JP 2978877 B2 JP2978877 B2 JP 2978877B2 JP 10110171 A JP10110171 A JP 10110171A JP 11017198 A JP11017198 A JP 11017198A JP 2978877 B2 JP2978877 B2 JP 2978877B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建物の屋根に落ち
る雨水を排水溝に案内するための樋を備える建物用雨水
排水設備に関し、特に、樋を流れる雨水から土砂および
木の葉等の異物を除去するための例えば金網のようなフ
ィルタ手段が設けられる建物用雨水排水設備に関する。
【0002】
【従来の技術】建物には、一般的に、屋根から落ちる雨
水を排水溝に案内するための樋を備える建物用雨水排水
設備が設けられている。屋根から落ちる雨水は、軒先に
設けられている軒樋に受けられ、この軒樋に設けられた
例えばあんこうのような集水部により、この集水部から
下方に延びる立て樋に案内され、排水溝に排出される。
【0003】風で屋根に舞い上がった土砂および木の葉
のような異物が、雨水と共に軒樋、集水部および立て樋
を経て、排水溝に排出されると、排水溝の詰まりおよび
汚れを招くことがある。
【0004】この排水溝の詰まりおよび汚れを防止すべ
く、前記集水部の入口には、雨水中の前記異物を除去す
るための例えば金網のようなフィルタ手段が設けられて
いる。集水部の入口に前記金網を設けることにより、建
物用雨水排水設備の変更を招くことなく、金網を建物用
雨水排水設備に着脱可能に組み込むことができる。この
金網の上面に前記異物が残留することにより、異物の前
記排水溝への排出が防止される。
【0005】金網の上面に異物が大量に残留すると、金
網の目詰まりが生じることから、この目詰まりを防止す
るための保守作業として、金網の掃除あるいは交換が必
要になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記した建
物用雨水排水設備にあっては、建物の屋根の近傍の比較
的高い位置にある前記集水部の入口にフィルタ手段であ
る金網が設けられている。そのため、フィルタ手段であ
る金網の保守作業を、例えば脚立あるいは梯子を用い
て、高い位置で行う必要がある。このことから、フィル
タ手段の保守作業は、比較的困難になり、かつ危険を伴
うといった問題があった。
【0007】従って、本発明の目的は、異物の排水溝へ
の排出を防止し、かつフィルタ手段の保守作業を、危険
を伴うことなく容易に行うことができる建物用雨水排水
設備を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は以上の点を解決
するために次の構成を採用する。 〈構成〉 本発明は、建物の屋根に落ちる雨水を地面に案内するた
めの立て樋の頂部より下方の建物の窓の近傍部に、立て
樋を流れる雨水中の異物を除去するための着脱可能なフ
ィルタ手段を備える濾過器が設けられていることを特徴
とする。
【0009】〈作用〉 本発明に係る建物用雨水排水設備では、雨水中の異物を
除去するためのフィルタ手段を備える濾過器は、立て樋
の頂部より下方の建物の窓の近傍部に設けられることか
ら、立て樋の頂部より上方にある屋根の近傍にフィルタ
手段が設けられる従来技術と比べて、フィルタ手段の高
さ位置は低くなる。このため、フィルタ手段の保守作業
のために、例え脚立あるいは梯子が用いられるとして
も、フィルタ手段の保守作業は、地面から低い高さ位置
で行われることから、この保守作業は、危険を伴うこと
なく容易に行われる。
【0010】 また、濾過器を建物の窓の近傍に設けるこ
とにより、フィルタ手段を濾過器から取り外す作業を窓
から行うことができることから、フィルタ手段の保守作
業を、建物の屋内から容易に行うことができる。
【0011】 建物の軒先に軒樋が設けられる場合、軒樋
から立て樋に雨水を案内するために集水部を設けること
ができる。
【0012】 建物用雨水排水設備の集水部よりも低い位
置にある前記濾過器にフィルタ手段が設けられることか
ら、従来集水部に設けられていたフィルタ手段を不要と
することができる。このことから、フィルタ手段の保守
作業を、一層、危険を伴うことなく容易に行うことがで
きる。また、複数の集水部を立ち樋の高さ方向に直列的
に設けることもできる。
【0013】 例えば木片および落ち葉のような比較的大
きな異物を、目詰まりなく雨水中から除去する上で、金
網のようなフィルタ手段を用いることが望ましい。ま
た、建物が複数階建てである場合、前記濾過器を、最も
低い位置にある地上階の窓の近傍に設けることが望まし
い。
【0014】 濾過器は、立て樋の横断面より大きな横断
面を有するケーシングと、該ケーシングに対し引出可能
な引出部とを備えることができる。この引出部は、底部
を形成するフィルタと、該底部からケーシングの内壁面
の近傍まで上方に伸びる側部とを備えることができる。
フィルタとしての底部に側部を設けることにより、雨水
中の濾過された異物が底部からこぼれ落ちることを防止
できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を具体
例を用いて説明する。 《具体例》 本発明に係る建物用雨水排水設備を、図1および図2に
沿って説明する。図1に示されるように、例えば住宅の
ような建物10には、従来よく知られているように、建
物10の屋根11から落ちる雨水を、例えば地面12の
排水溝13に導くための建物用雨水排水設備20が設け
られる。
【0016】建物用雨水排水設備20は、屋根11に落
ちる雨水を地面12に案内するための従来よく知られた
立て樋21(21a、21b)を備える。
【0017】図示の例では、屋根11に落ちる雨水は、
屋根11の軒先に設けられた従来におけると同様な軒樋
22に受けられ、この軒樋22に受けられた雨水は、軒
樋22に設けられ、かつ立て樋21の頂部に連結された
例えばあんこうのような従来よく知られた集水部23を
経て、立て樋21に案内され、排水溝13に排出され
る。
【0018】排水溝13に排出される雨水中に、風で屋
根11に舞い上がった土砂および木の葉のような異物が
含まれ、この異物が雨水と共に建物用雨水排水設備20
を経て排水溝13に導かれると、排水溝13の詰まりお
よび汚れを招くことがある。
【0019】この異物による排水溝13の詰まりおよび
汚れを防止すべく、本発明に係る建物用雨水排水設備2
0には、立て樋21の前記頂部より下方、すなわち図示
の例では集水部23より下方で、かつ立て樋21の中央
部に、立て樋21を流れる前記雨水中の異物を除去する
ための濾過器24が設けられる。
【0020】立て樋21は、図1および図2に示される
例では、それぞれの一端が鉛直方向に互いに間隔をおい
て開口する上方部分21aおよび下方部分21bからな
る。本発明に係る濾過器24は、図1および図2の例で
は、立て樋21の上方部分21aおよび下方部分21b
に連結すべく、上方部分21aおよび下方部分21b間
に設けられている。また、この濾過器24は、図示しな
い窓の近傍に位置している。
【0021】濾過器24は、図2に示される例では、直
方体形状を有するケーシング24aを備える。ケーシン
グ24aには、その頂面に、立て樋21の上方部分21
aの開口端21a1を受け入れる開口24a1が設けら
れている。
【0022】また、ケーシング24aには、その底面の
開口24a1に対応する位置に、下方部分21bの開口
端21b1を受け入れる開口24a2が設けられてい
る。ケーシング24aは、立て樋21の上方部分21a
および下方部分21bに連結する雨水の流路を規定す
る。
【0023】図示の例では、ケーシング24aの側面の
一つには、ケーシング24aにより規定される前記雨水
の流路を開放する矩形の開口24a3が設けられてお
り、ケーシング24aには、開口24a3を経て、ケー
シング24a内へ出し入れ可能な引出部24bが設けら
れている。
【0024】引出部24bは、矩形を有する底部24b
1と、底部24b1の縁部から底部24b1の底面に垂
直に立ち上がる側部24b2〜24b5と、側部24b
2に設けられた取手24b6とを備える。底部24b1
には、その板厚方向に貫通する多数の孔からなるふるい
目が形成され、これにより底部24b1は、本発明に係
るフィルタ手段として機能する。
【0025】引出部24bが、取手24b6を用いて、
ケーシング24a内へ矢印方向に入れられると、引出部
24bの底部24b1は、立て樋21の上方部分21a
から下方部分21bへの雨水の流路を横切って配置され
る。
【0026】前記した屋根11に舞い上がった土砂およ
び木の葉のような異物を含む雨水が、軒樋22、集水部
23および立て樋21の上方部分21aを経て、前記雨
水の流路を横切る濾過器24の引出部24bの底部24
b1を通過すると、前記雨水中の異物は、フィルタ手段
である底部24b1により濾過され、底部24b1上に
残留する。これにより、底部24b1を通過した雨水
は、前記異物を含むことなく、立て樋21の下方部分2
1bを経て、地面12の排水溝13に排出される。
【0027】フィルタ手段である底部24b1上に残留
した異物が大量になると、底部24b1の目詰まりが生
じることから、底部24b1上から前記異物を取り除く
ための掃除、すなわちフィルタ手段の保守作業が必要に
なる。
【0028】本発明に係る建物用雨水排水設備20によ
れば、フィルタ手段である引出部24bの底部24b1
を備える濾過器24は、集水部23より下方で、かつ立
て樋21の中央部に設けられていることから、濾過器2
4の高さ位置は、前記したフィルタ手段の保守作業を、
脚立および梯子を用いることなく行うことができる程
低くなる。このため、前記したフィルタ手段の保守作業
を、安全かつ容易に行うことができる。
【0029】 また、濾過器24を、建物10の図示され
ない窓の近傍に設けることにより、フィルタ手段として
の引出部24bをケーシング24aから取り外す作業
を、建物10の屋内から窓を経て容易に行うことができ
る。
【0030】 更に、側部24b2〜24b5がフィルタ
としての底部24b1を囲みかつケーシングの内壁面に
接近するように設けられていることから、雨水中の濾過
された異物が底部からこぼれ落ちることを確実に防止で
きる。
【0031】また、濾過器24のケーシング24aは、
ケーシング24a内に出し入れ可能な引出部24bを備
えることから、引出部24bの底部24b1、すなわち
フィルタ手段を、その保守作業のために、ケーシング2
4aから容易に取り外すことができる。このため、フィ
ルタ手段の保守作業を、極めて容易に行うことができ
る。
【0032】また、濾過器24の引出部24bには、底
部24b1を囲む側部24b2〜24b5が設けられて
いることから、引出部24bをケーシング24aから引
き出すときに、フィルタ手段である底部24b1上に残
留した異物が、底部24b1からこぼれ落ちることを防
止することができる。これにより、フィルタ手段の保守
作業時に、異物が排水溝13へ落下することを確実に防
止することができる。
【0033】前記した具体例では、ふるい目を形成した
引出部24bの底部をフィルタ手段として用いる例を説
明したが、引出部24bの前記底部の代わりに、例えば
金網を、フィルタ手段として引出部24bに取り付ける
ことができる。
【0034】また、引出部24bの前記底部を支持部と
し、該支持部上に、例えばろ紙を配置することができ
る。また、雨水中の異物を残留させるためのフィルタ手
段の目の大きさは、前記異物の大きさに応じて、適宜変
更することができる。
【0035】また、前記した具体例では、濾過器24に
フィルタ手段を1つだけ設ける例を説明したが、雨水中
の大きさの異なる異物を効果的に除去するために、互い
にふるい目の大きさが異なる複数のフィルタ手段を、雨
水の流路の上流側から、ふるい目が大きい順に多段に設
けることができる。
【0036】また、前記した具体例では、濾過器24は
立て樋21とは別体に設けられているが、この例に代え
て、例えば立て樋21の周壁の一部を立て樋21の本体
から着脱可能とし、フィルタ手段を、立て樋21の前記
周壁の一部に取り付けることにより、濾過器24を立て
樋21と一体的に設けることができる。
【0037】 また、前記した具体例では、引出部24b
の底部24b1と側部24b2〜24b5とは直交する
ように設けられている。これに代えて、底部の寸法を小
さく設定し、側部を底部の縁部から斜め上方へ沿ってケ
ーシングの内壁部の近傍まで伸長させてもよい。
【0038】濾過器24を、建物10の図示されない窓
の近傍に設けることができる。これにより、フィルタ手
段の保守作業のために、フィルタ手段を濾過器24から
取り外す作業を、建物10の屋内から前記窓を経て容易
に行うことができる。
【0039】 また、建物10が複数階建てである場合、
濾過器は、フィルタ手段の保守作業を、安全かつ容易に
行うために、最も低い位置にある地上階、すなわち1階
の窓の近傍位置に設けられることが望ましい。また、立
て樋の横断面の形状に拘わらず、濾過器24を適用する
ことができる。
【0040】
【発明の効果】本発明に係る建物用雨水排水設備では、
前記したように、雨水中の異物を除去するためのフィル
タ手段を備える濾過器は、立て樋の頂部より下方の窓の
近傍に設けられることから、フィルタ手段の保守作業
を、危険を伴うことなく容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る建物用雨水排水設備を示す概略図
である。
【図2】本発明に係る濾過器を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 建物 11 屋根 12 地面 13 排水溝 20 建物用雨水排水設備 21 立て樋 22 軒樋 23 集水部 24 濾過器

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建物の屋根に落ちる雨水を地面に案内す
    るための立て樋の頂部より下方の前記建物の窓の近傍部
    に、前記立て樋を流れる雨水中の異物を除去するための
    着脱可能なフィルタ手段を備える濾過器が設けられてい
    ることを特徴とする建物用雨水排水設備。
  2. 【請求項2】 建物の軒先に設けられる軒樋と、該軒樋
    から前記立て樋に雨水を案内するための集水部とを備え
    ことを特徴とする請求項1記載の建物用雨水排水設
    備。
  3. 【請求項3】 複数の前記集水部が前記立て樋の高さ方
    向に直列的に設けられていることを特徴とする請求項2
    記載の建物用雨水排水設備。
  4. 【請求項4】 前記フィルタ手段として、金網が用いら
    れていることを特徴とする請求項1記載の建物用雨水排
    水設備。
  5. 【請求項5】 複数階建ての建物の建物用雨水排水設備
    であって、前記濾過器は、最も低い位置にある地上階の
    窓の近傍に設けられていることを特徴とする請求項1記
    載の建物用雨水排水設備。
  6. 【請求項6】 前記濾過器は、前記立て樋の横断面より
    大きな横断面を有するケーシングと、該ケーシングに対
    し引出可能な引出部とを備え、該引出部は、底部を形成
    するフィルタと、該底部から前記ケーシングの内壁面の
    近傍まで上方に伸びる側部とを含むことを特徴とする請
    求項1記載の建物用雨水排水設備。
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