JP2978380B2 - 双ドラム式連続鋳造用扁平ノズル - Google Patents

双ドラム式連続鋳造用扁平ノズル

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JP2978380B2
JP2978380B2 JP5217251A JP21725193A JP2978380B2 JP 2978380 B2 JP2978380 B2 JP 2978380B2 JP 5217251 A JP5217251 A JP 5217251A JP 21725193 A JP21725193 A JP 21725193A JP 2978380 B2 JP2978380 B2 JP 2978380B2
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幸生 井上
康志 筒井
秀毅 岡
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、双ドラム式連続鋳造装
置において、タンディッシュから移動鋳型内に溶湯を供
給する場合に用いられるノズルの扁平外ノズル構造に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から一般に知られている双ドラム式
連続鋳造装置を用いた連続鋳造においては、図5に示さ
れるように、回転する一対の冷却ドラムRa、Rbとこ
のドラムの両端に当接されるサイド堰Sa,Sbによっ
て形成される移動鋳型内に、タンディッシュ内から内ノ
ズルa、外ノズルbを介して溶湯eを供給し、移動鋳型
内に所定レベルの湯溜り部pをつくりつつ、冷却ドラム
で冷却して凝固シェルを形成し、この凝固シェルを一対
の冷却ドラムの最接近部に形成されるギャップにおいて
圧接・一体化して広幅薄肉鋳片cを得るようになってお
り、この際、均質な鋳片を得るためには、移動鋳型内に
形成されるメニスカスの位置変動を極力抑制する必要が
あり、そのために、移動鋳型内への溶湯の供給量の制御
精度が、一段と優れていることが要求される。
【0003】このような要求に答えるものとして、例え
ば特開昭63−203254号の発明では、多孔質耐火
物からなるフィルターと溶融性金属部材を内蔵したノズ
ルが提案されている。ここに示されるノズルは、図6、
に示されるように内ノズルaの下部を、偏平の外ノズル
bの上部の開口部に内装したものであり、外ノズルが扁
平で、下部閉鎖端(底部)近傍の側壁にスリット状のノ
ズル孔oが形成されているものである。
【0004】ここでは、図6に示されるように外ノズル
b内に多孔質耐火物f、溶融性金属部材dを内蔵させ、
鋳造のスタ−ト時に外ノズル内bで高い圧損を与え、外
ノズルb内に溶湯を充満し、タンディッシュ、内ノズル
a、外ノズルb、移動鋳型内の溶湯を密に連続させて、
鋳造を行うようにしている。しかし、この扁平な外ノズ
ルを用いた場合は、内ノズルから溶湯が供給されたと
き、スリット状ノズル孔oから流出する溶湯の冷却ドラ
ム軸方向の流出分布を均一に維持することは難しい。
【0005】すなわち、一般的には、多孔質耐火物(フ
ィルター)の貫通孔は全域均一に形成されるため、内ノ
ズルのノズル孔(スリット孔)に近い距離にある中央部
で溶湯流出量が多く、その両側部で溶湯流出量が少なく
なる傾向があり、移動鋳型におけるメニスカス位置が冷
却ドラム軸方向で中央部で高く、その両側部で低くなる
ような変動を生ずることは避けられない。また、ここで
用いられる多孔質耐火物は、経済性、長期安定鋳造の面
で問題点がある。
【0006】この多孔質耐火物の製造方法例としては、
骨格の素材としてウレタン・フォームを使用し、この骨
格に耐火微粉とバインダ−を練り合わせた泥土を数回に
わたり被覆し、熱処理等を行い製造する例があるが、素
材となるウレタン・フォームは寝具等のクッション材を
主目的に製造されるものが多く、製造方法に起因し、製
造ロットにより孔径にかなりバッラツキがある。
【0007】これを、扁平外ノズルの吐出口より均一整
流された溶湯を供給する目的で使用される多孔質フィル
ター素材として使用する場合には、孔径を厳選管理する
ことが必要であり、これを怠ると吐出孔から流出する溶
湯流に偏流が生じ、極端な場合は移動鋳型内に波立ち現
象を生じ、介在物を巻き込み、鋳片のキズあるいはシワ
の発生要因になったり、ホットバンドの発生による鋳片
溶断トラブル、あるいは鋳込み溶湯量不足による鋳造中
断等トラブル発生の原因にもなる。
【0008】この多孔質耐火物の製造工程として、ウレ
タン・フォーム等素材に耐火物とバインダーを練り合わ
せた泥土を被覆させ、目詰まり部位の余分な被覆物を除
去し、被覆物が十分な強度になるまで熱処理あるいは自
然放置し同様な作業を所定の強度が得られるまで幾度も
繰り返すため作業に要する人件費の増大と、被覆耐火物
としては耐久性、耐熱衝撃性等の要求から、高価なAl
2 3 、Zr2 等の原料を使用する例が多いので、この
ような多孔質耐火物でフィルターを形成した場合には、
その価格は非常に高価なものになる。
【0009】ウレタン・フォームの骨格に耐火物層を被
覆形成する厚みは、製造方法によっても異なるが、多孔
質フィルターの孔径の制約もあり、数mmの厚みが通例で
あり、多孔質フィルターとしての耐久性の面からも鋳造
量も少量に限定される懸念がある。
【0010】また、これとは別に、アルミ・キルド鋼の
ように、Al2 3 等の付着堆積物の多い鋼種に使用し
た場合、多孔質フィルターの骨格に時間経過とともに、
付着物が堆積を繰り返し、終局には多孔質フィルターに
目詰まりを起こし、目標の鋳造量が得られず、鋳造途中
で、鋳造を断念せざるを得ないことも多い。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、内ノズルを
上部に内装し下部に溶融性金属と整流耐火物(フイルタ
−)を内蔵し下部にスリット状ノズル孔を有する双ドラ
ム式連続鋳造用扁平ノズルにおいて、この整流耐火物
(フィルター)を、容易でかつ安価に得られる耐火物で
形成し、また、スリット状ノズル孔から流出する溶湯の
冷却ドラム軸方向の流出分布をより均一化し、タンディ
ッシュからの溶湯を移動鋳型内に安定供給できる扁平外
ノズル構造を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1は、上
部に内ノズル挿通孔を有し下端部にスリット状ノズルを
有する双ドラム式連続鋳造用扁平外ノズルにおいて、そ
の底部に、多数の貫通孔を有する整流耐火物を配設する
とともに、この耐火物の上部に網状体を配設し、この網
状体の上部空間とスリット状ノズル孔とを連通させ、側
壁部に通電加熱電極を配設したことを特徴とする双ドラ
ム式連続鋳造用扁平外ノズル。
【0013】請求項2は、請求項1において、整流耐火
物を、Al2 3 、MgO,CaO,SiO2 、ZrO
2 、SiC,C,BNの単成分またはこれらの複合成分
からなる耐火物で形成したことを特徴とする双ドラム式
連続鋳造用扁平外ノズル。
【0014】請求項3は、請求項1において、整流耐火
物における貫通孔の孔径を2〜30mmとし、この整流耐
火物における孔面積率を10〜30%したことを特徴と
する双ドラム式連続鋳造用扁平外ノズル。請求項4は、
請求項3において、整流耐火物における孔面積率を中央
部で小さく両側部で大きくしたことを特徴とする双ドラ
ム式連続鋳造用扁平外ノズル。
【0015】請求項5は、請求項1において、整流耐火
物の貫通孔に流動抵抗部を形成したことを特徴とする双
ドラム式連続鋳造用扁平外ノズル。請求項6は、請求項
5において、整流耐火物の貫通孔における流動抵抗を中
央部で大きく、その両側部で小さくしたことを特徴とす
る双ドラム式連続鋳造用扁平外ノズルである。
【0016】
【作用】本発明においては、極く一般的な製造方法で得
られる比較的安価な耐火物を使用し、これに例えばドリ
ル穿孔で貫通孔を形成できるので、極めて容易にかつ低
コストで、高精度の貫通孔を有する多孔耐火物を得るこ
とができる。また、網状体と、このようにして得られた
多孔耐火物の貫通孔の孔径(2〜30mm)、数量、孔形
状(流動抵抗)、の組み合わせを変えることによって、
スリット状ノズル孔を経て移動鋳型に供給される溶湯の
整流化、介在物の除去および溶湯の量、流速のきめ細か
い制御が可能であり、例えば孔面積率あるいは貫通孔の
流動抵抗を選定して、スリット状ノズル孔からの溶湯の
流出分布を均一にして、移動鋳型内のメニスカス位置の
変動を小さくし、連続鋳造を安定化し、鋳片の均質化を
容易にする等の効果が期待できる。さらに通電加熱電極
で加熱して、溶湯の温度を均一に維持できるので、Al
23 等の生成の多いアルミ・キルド鋼のような鋼種に
ついても長時間安定鋳造が可能になる。
【0017】
【実施例】以下に本発明を図1に示す実施例に基づいて
説明する。本発明を適用する双ドラム式連続鋳造用扁平
ノズルは、内ノズル1と外ノズル2からなっている。外
ノズル2の上部には、内ノズル1を内装する挿通孔2a
が設けられ、底部には、内ノズル1のノズル孔からの溶
湯に圧損を付与するための溶融性金属からなる複層(3
層)の網状体3と、多数の貫通孔4aを有する溶湯流整
流用の整流耐火物4が内蔵されており、下部閉鎖端の近
傍の側壁には移動鋳型に溶湯を流出させるスリット状ノ
ズル5が設けられている。また、側部には、外ノズル2
下部、整流耐火物4に対する熱衝撃緩和、溶湯凝固防止
のための予熱、溶湯の温度を調整するための通電加熱用
の電極7が取り付けられ、また上部壁には、外ノズル内
に充満したガスを排出するとともにこの外ノズルに溶湯
が充満したことを確認するための脱気孔6が設けられて
いる。この外ノズル2の下部は、通電加熱されるため、
ここで用いられる耐火物は、黒鉛等炭素やZrB2 等を
配合した導電性のAl2 3 系の耐火物により形成され
ている。
【0018】ここで用いる網状体3を形成する溶融性金
属は鋳造金属と同等かまたは鋳造金属より融点が低く、
外ノズル2内に溶湯を充満させ、溶湯流を密に連続させ
るまで、完全溶融しないものが好ましく、溶湯中の介在
物にならない金属、例えば鋼の鋳造では、SUS304
を用いることが好ましい。
【0019】この溶融性金属を0.5〜3mm径の線材を
網目面積10〜20mm2 の網状に組み立て、2〜5枚重
ねて複層にして配設し、この場合、溶湯の落下衝撃でバ
ラバラになったり、浮き上がらないように例えば、番線
で束ね、この番線を外ノズルの側壁と整流耐火物の側面
に挟み接着する等して固定する必要がある。複層にする
のは、内ノズル1からの溶湯の落下衝撃を適度に拡散し
て溶湯流の連続性を円滑化する上で有効であり、この溶
融性金属の溶融性を高める上でも有効である。
【0020】整流耐火物4は、前記従来のような製造方
法で得られたものではなく、例えば、極く一般的な方法
で成型、焼成して得られる耐火物に例えばドリル穿孔に
より多数の貫通孔を形成したもの、あるいは、成型、焼
成時に多数の棒線を緊張状態にして埋め込み、焼成後引
き抜いて多数の貫通孔を形成して得られるもので、所望
の孔形、孔径、孔数等極めて容易にかつ安価に形成する
ことができる。
【0021】またこの整流耐火物4は、前記のように熱
衝撃緩和、溶湯凝固防止のための予熱、溶湯の温度調整
のため通電加熱されるものであるので、外ノズル2と同
様、導電性のある耐火物であることが望ましいと言える
が、それは必須ではなく、例えばAl2 3 の生成の多
い鋼種には、CaO、Al2 3 、ZrO2 、BN、C
の単一またはこれらの複合成分が有効であり、耐久性を
重視する鋳造には、Al2 3 、MgO,ZrO2 、B
N,Cの単一成分が有効である。また、より経済性を重
視する鋳造には、SiO2 、Al2 3 、Cの単一また
はこれらの複合成分が有効である。
【0022】この整流耐火物4の貫通孔4aの孔径、数
量については、扁平外ノズル2の大きさ、時間当たりの
鋳造量(板厚、引き抜き速度)および鋼種によって異な
り、これらの鋳造条件に応じて自由選択できるが、孔径
については、幾度の実験を通じて、2〜30mmが適正範
囲と言える。2mm以下では、溶湯がその表面張力で貫通
孔を通過できず、30mm以上では、貫通孔4aを通過後
の溶湯流に乱れが生じ、移動鋳型内の溶湯の波打ち現象
(メニスカス位置の乱れ)が生じ、鋳片に皺が発生する
恐れがある。
【0023】この貫通孔4aの孔形、配列については、
溶湯中の不純物を貫通孔の耐火物中で析出、除去したり
溶湯の流速を制御できるように考慮することが望まし
く、孔形については、図2(a)に示すようなストレー
ト形状が一般的であるが、図3(a)のようなS(W)
字形状、(b)のような傾斜孔形状、(c)のようなめ
ねじ形状、その他すり鉢形状(d)等にすることによっ
て、貫通孔4aの面積が同じでも流動抵抗が異なるよう
に形成することも考えられる。
【0024】扁平外ノズル2のスリット状ノズル孔5全
体から均一に溶湯を流出するという観点では、整流耐火
物において、例えば、内ノズル1のノズル孔からの距離
(遠近で)この外ノズル2のスリット状ノズル孔5から
の溶湯量が異なる場合、大小の孔面積の異なる貫通孔
を、あるいは流動抵抗の異なる貫通孔を組み合わせるこ
とで、結果として外ノズル2のスリット状ノズル孔5全
域から均一な量の溶湯を移動鋳型内に供給することがで
きる。
【0025】例えば、これは内ノズル1のノズル孔の位
置、大きさ、向き、溶湯流出条件によて異なるが、 (1)整流耐火物において、内ノズル1から近い中央部
の貫通孔の面積率を小さく、内ノズル1から遠い両端部
の貫通孔の面積率を大きくする。 (2)整流耐火物において、貫通孔の孔面積率を同じに
し、貫通孔内溶湯の流動抵抗を、内ノズル1から近い中
央部では大きく、内ノズル1から遠い両側部では小さく
する。 等によって、その実現が可能である。
【0026】なお、脱気孔6には複数の線材を密に充填
し、この線材間の隙間を通してガス(空気)を外ノズル
2の外に排出することが有効である。その理由は充満し
た溶湯が線材と接して凝固し密封状態になるからであ
る。
【0027】このように構成した本発明の扁平外ノズル
2は、図4に示すように、その上部の開口部2aに、タ
ンディッシュ8側に取り付けられた内ノズル1を内装し
て、双ドラム式連続鋳造用扁平ノズルを構成する。
【0028】内ノズル1は、タンディッシュの底部の外
皮鉄皮9の内側に配設された耐火ブロック10により形
成された挿入孔10aにタンディッシュの内側から挿入
され、その上部が固定されており、下部は該挿入孔10
aを貫通してタンディッシュの下方に突出している。こ
の内ノズル1の下端部は閉鎖端になっておりその近傍の
側壁にはノズル孔1aが設けられている。
【0029】この内ノズル1の上方には、タンディッシ
ュ8からの溶湯供給量を制御するストッパー11が上下
位置調整自在に配設されている。即ち内ノズ1ルの上端
面とストッパー11の下端面間の間隙を調整することに
よって、溶湯供給量を制御することができる。
【0030】内ノズル1の下部は、本発明の扁平外ノズ
ル2の上部開口部2aに挿入されており、該上部開口部
の上端面は、タンディッシュの外皮鉄皮9の外面に耐熱
ペースト12を介して当接されており、扁平外ノズル2
は支持体13とこの支持体に固定される可動支持部14
とこれらを固定するボルト・ナット15により、支持・
固定される。
【0031】このように、タンディッシュ8と扁平外ノ
ズル2とを当接してから、扁平外ノズル2の下部、多孔
耐火物4を通電加熱電極7で予熱するとともに移動鋳型
に対して位置決めした後、ストッパー11を上げてこの
ストッパーの下端面と内ノズル1の上端面間に所定の間
隙を形成し、タンディッシュ8から溶湯を内ノズル1を
介して扁平外ノズル2に供給し、複層の網状体3の作用
で溶湯を扁平外ノズル2内に充満させ、多孔耐火物4で
整流して、この溶湯を、タンディッシュ8、内ノズル
1、扁平外ノズル2間で密に連続させて、扁平ノズル下
部のスリット状ノズル孔5から移動鋳型内に均一な流出
分布で供給し、連続鋳造を開始する。定常操業移行後に
おいては、移動鋳型内におけるメニスカスの位置が極力
変動しないように、ストッパー11の位置を調整し溶湯
供給量が制御される。
【0032】本発明の外ノズル2を用いた場合は、複層
の網状体3と、スリット状ノズル孔5からの溶湯流出分
布が均一になるように多数の貫通孔4aを形成した多孔
耐火物4の作用によって、スリット状ノズル孔5から溶
湯を移動鋳型内に均一な流出分布で供給でき、メニスカ
ス位置の変動を抑制し、連続鋳造操業を安定化すること
によって均質な薄肉鋳片を安定的に鋳造することができ
る。
【0033】なお、本発明は、上記した実施例に限られ
るものではなく、請求項1〜請求項6の構成を満足する
範囲内で適宜構成を変更することも可能である。
【0034】
【実験例】図1に示す本発明の扁平外ノズルを図4に示
すように取り付け、炭素鋼による厚さ10mm,幅120
0mmの鋳片を、鋳造速度2.5m/min で連続鋳造した。
この実験例で用いた本発明と従来の扁平外ノズルにおけ
る整流耐火物(フィルター)仕様を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】図5に示されるように、本発明の扁平外ノ
ズルを用いた連続鋳造においては、扁平外ノズルのスリ
ット状ノズル孔から移動鋳型への溶湯流出量の分布は、
長時間、冷却ドラム軸方向にほぼ均一で、メニスカス位
置は極めて安定しており、得られた鋳片に皺の発生も認
められなかった。
【0037】これに対して、従来例の場合、溶湯の流出
量の分布は、多孔質耐火物(フィルター)中央部で大き
く、側端部側で小さくなっており、これに伴って、移動
鋳型内のメニスカス位置は、フィルター中央部で高く、
側端部側で低くなっており、得られた鋳片に皺の発生が
見られた。
【0038】また本発明では、整流耐火物(フィルタ
ー)の貫通孔は直線的にかつ孔径を大きくしているの
で、目詰まり進行は極めて緩やかで、約600トンの連
続鋳造を継続できたが、従来例の場合は、フィルターの
通孔は微小でかつ迷路的に形成されたものであるため、
目詰まりの進行が早く、約10トンの連続鋳造で、操業
の中断を余儀なくされた。
【0039】本発明のフィルターは、アルミナ生成の多
いアルミキルド鋼の連続鋳造の場合に用いても、目詰ま
りの進行が遅いので、数百トンの連続鋳造が可能であ
る。しかし、従来例の場合、極めて短時間で使用不能に
なるので、実用は困難である。
【0040】
【発明の効果】本発明においては、極く一般的な製造方
法で得られる比較的安価な耐火物に例えばドリル穿孔で
多数の貫通孔を形成して得られる整流耐火物(フィルタ
ー)を用いるので、整流耐火物(フィルター)の貫通孔
を高精度で容易にかつ低コストで形成ができる。
【0041】また、網状体と、上記のようにして得られ
た整流耐火物の貫通孔の孔径(2〜30mm)、数量、孔
形状(流動抵抗)、の組み合わせを変えることによっ
て、スリット状ノズル孔を経て移動鋳型に供給される溶
湯の整流化、介在物の除去および溶湯の量、流速のきめ
細かい制御が可能であり、例え整流耐火物の各部位にお
ける貫通孔の孔面積率あるいは貫通孔の流動抵抗を選定
して、スリット状ノズル孔からの溶湯の流出分布を均一
にすることによって、メニスカス位置の変動を小さく
し、連続鋳造を安定化し、鋳片の均質化を容易にする等
の効果が期待できる。
【0042】さらに整流耐火物の貫通孔が大きくかつ直
線的に形成され、通電加熱電極で加熱して、溶湯の温度
を均一に維持できるので、Al2 3 等の生成の多いア
ルミ・キルド鋼のような鋼種についても、フィルターに
対するこれら生成物の付着・成長が少ないので、フィル
ターの目詰まりが生じ難く、長時間に亘って安定した連
続鋳造が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の扁平外ノズルの実施例を示す説明図で
(a)図は一部断面正面説明図、(b)図は(a)図の
一部断面側面説明図。
【図2】本発明の扁平外ノズルの実施例における多孔耐
火物例を示す説明図で、(a)図は一部断面正面説明
図、(b)図は平面説明図。
【図3】本発明の扁平外ノズルで用いる多孔耐火物(フ
ィルター)の貫通孔例4例を示す断面説明図。
【図4】本発明の扁平外ノズルの取り付け例を示す一部
断面正面説明図。
【図5】本発明の実験例の効果説明グラフ。
【図6】本発明の扁平外ノズルを用いる双ドラム式連続
鋳造装置の例を示す立面説明図。
【図7】従来の外ノズルの例を示す説明図で、(a)図
は一部断面正面説明図、(b)図は(a)図の側面説明
図。
【符号の説明】
1 内ノズル 1a ノズル孔 2 扁平外ノズル 2a 上部開口部 3 網状体 4 整流(多孔)耐火物 4a,4b,4c,4d 貫通孔 5 スリット状ノズル孔 6 脱気孔 7 通電加熱電極 8 タンディッシュ 9 外皮鉄皮 10 耐火ブロック 11 ストッパ− 12 耐熱ペ−スト 13 支持体 14 可動支持部 15 ボルト・ナット a 内ノズル b 外ノズル c 鋳片 f 多孔質耐火物 d 溶融性金属部材 e 溶湯 p 湯溜り部 Ra,Rb:冷却ドラム Sa,Sb:サイド堰 o スリット状ノズル孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 幸生 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株 式会社君津製鐵所サービスセンター黒崎 窯業株式会社君津支社内 (72)発明者 筒井 康志 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株 式会社 技術開発本部内 (72)発明者 岡 秀毅 山口県光市大字島田3434番地 新日本製 鐵株式会社 光製鐵所内 (72)発明者 新井 貴士 山口県光市大字島田3434番地 新日本製 鐵株式会社 光製鐵所内 (56)参考文献 特開 平7−68355(JP,A) 特開 昭61−289953(JP,A) 特開 昭62−282753(JP,A) 特開 平3−294051(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22D 11/06 330 B22D 41/50 520 B22D 41/54 B22D 41/60

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部に内ノズル挿通孔を有し下端部にス
    リット状ノズルを有する双ドラム式連続鋳造用扁平外ノ
    ズルにおいて、その底部に、多数の貫通孔を有する整流
    耐火物を配設するとともに、この耐火物の上部に網状体
    を配設し、この網状体の上部空間とスリット状ノズル孔
    とを連通させ、側壁部に、通電加熱電極を配設したこと
    を特徴とする双ドラム式連続鋳造用扁平外ノズル。
  2. 【請求項2】 請求項1において、整流耐火物を、Al
    2 3 、MgO,CaO,SiO2 、ZrO2 、Si
    C,C,BNの単成分またはこれらの複合成分からなる
    耐火物で形成したことを特徴とする双ドラム式連続鋳造
    用扁平外ノズル。
  3. 【請求項3】 請求項1において、整流耐火物における
    貫通孔の孔径を2〜30mmとし、この整流耐火物におけ
    る孔面積率を10〜30%としたことを特徴とする双ド
    ラム式連続鋳造用扁平外ノズル。
  4. 【請求項4】 請求項3において、整流耐火物における
    孔面積率を中央部で小さく両側部で大きくしたことを特
    徴とする双ドラム式連続鋳造用扁平外ノズル。
  5. 【請求項5】 請求項1において、整流耐火物の貫通孔
    に流動抵抗部を形成したことを特徴とする双ドラム式連
    続鋳造用扁平外ノズル。
  6. 【請求項6】 請求項5において、整流耐火物の貫通孔
    における流動抵抗を中央部で大きく、その両側部で小さ
    くしたことを特徴とする双ドラム式連続鋳造用扁平外ノ
    ズル。
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