JP2977399B2 - 耐熱クッション材 - Google Patents

耐熱クッション材

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JP2977399B2
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B30PRESSES
    • B30BPRESSES IN GENERAL
    • B30B15/00Details of, or accessories for, presses; Auxiliary measures in connection with pressing
    • B30B15/06Platens or press rams
    • B30B15/061Cushion plates

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱クッション材に係
り、特に、プリント基板用積層板や建築用化粧合板など
を製造する熱プレス工程に好適な耐熱クッション材に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にプリント配線用積層板は、樹脂製
プリプレグと銅箔等を積層した後、熱盤で加圧して製造
している。この熱プレス工程においてプリプレグは、加
熱により一旦粘度が下がって液体状態に戻った後、徐々
に硬化が進行する。この工程での温度分布と圧力分布を
均一化するために、高温・高圧下での繰り返し使用に耐
えるクッション材が使用されている。
【0003】特に、プリント基板用積層板や建築用化粧
合板などを製造する熱プレス工程に使用する耐熱クッシ
ョン材として、全部又は主要繊維が芳香族ポリアミド繊
維から構成された織物又はニードルフェルト、或いは前
記織物とニードルフェルトとの複合体からなる耐熱クッ
ション材が知られている。また、ガラス繊維などの耐熱
性を有する素材からなる繊維とニードルフェルトとを樹
脂を用いて一体化した耐熱クッション材なども紹介され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の織物又はニードルフェルト、或いは織物とニードル
フェルトとの複合体からなる耐熱クッション材は、通気
性が非常に良く、真空吸引装置を使用した自動積載方式
の装置には利用できないという問題があった。この問題
の解決方法として、従来は耐熱ペーパーや耐熱フィルム
の張り合わせ及び被覆があったが、使用時において剥
離、破れ、皺などの問題が発生し、充分な解決策となっ
ていなかった。
【0005】また、前記耐熱クッション材はガラスエポ
キシ以上の耐熱性を要するポリイミド基板のプレスには
耐熱性が落ちるという問題やこれを構成する繊維の自由
度が大きく、柔らかいため、わずかな重量の斑が存在し
た場合でも基板用積層板等の被処理物に厚み斑を発生し
易いという問題があった。
【0006】さらに、前記耐熱クッション材は端部繊維
がほつれ易い。また、ニードルフェルトを樹脂を用いて
積層接着したものは樹脂が劣化し易く、寿命が短いとい
う問題もあった。
【0007】本発明は、このような問題を解決すること
を課題とするものであり、自動積載方式の装置に使用で
きると共に、耐久性が向上し、且つ、被処理物に凹凸や
厚み斑が発生することを防止した耐熱クッション材を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は全部又は主要繊維が芳香族ポリイミド繊維
からなる基体の片面又は両面に、未延伸のメタ系芳香族
ポリアミド繊維からなるウエッブ又はこの繊維を含むウ
エッブをニードリングしたカバー層を形成し、芳香族ポ
リイミド繊維のガラス転移点以下の温度で、メタ系芳香
族ポリアミド繊維のガラス転移点以上の温度で熱処理し
たことを特徴とする耐熱クッション材を提供するもので
ある。
【0009】また、前記基体が、織物、ウエッブのみを
ニードリングしたもの、ウエッブと織物とをニードリン
グして一体化したもの、の中から選択されることを特徴
とする耐熱クッション材を提供するものである。さらに
また、前記カバー層に、導電性の耐熱繊維ウエッブを混
合したことを特徴とする耐熱クッション材を提供するも
のである。
【0010】
【作用】本発明に係る耐熱クッション材は全部又は主要
繊維が芳香族ポリイミド繊維からなる基体の片面又は両
面に、未延伸のメタ系芳香族ポリアミド繊維からなるウ
エッブ又はこの繊維を含むウエッブをニードリングした
カバー層が設けられている。従って、これら複合体を芳
香族ポリイミド繊維のガラス転移点以下、メタ系芳香族
ポリアミド繊維のガラス転移点以上の温度で熱処理する
と、前記カバー層を構成するメタ系芳香族ポリアミド繊
維が軟化自己接着現象を起こし、該カバー層はあたかも
フィルムのような平滑で緻密な表面を形成し、通気性を
低下させることができ、自動積載方式の装置に使用する
ことが可能となる上に、耐摩耗性が向上し、粉塵などの
発生を抑制することができる。一方、基体(全部又は主
要繊維が芳香族ポリイミド繊維)は著しい収縮を生じる
(カバー層のように、あたかもプラスチック板のような
状態とならない)ため、クッション性を維持し、メタ系
芳香族ポリアミド繊維で基体を構成したものよりも耐熱
性も増す。
【0011】また、前記未延伸のメタ系芳香族ポリアミ
ド繊維の軟化自己接着現象は、当該未延伸のメタ系芳香
族ポリアミド繊維同志が溶解して接着しているのではな
く、偏平接着の形態である。従って、取扱い時に、前記
耐熱クッション材がたわんでも、その表面に皺が発生す
ることがなく、たわみが取り除かれれば直ぐに元の平滑
面に戻ることができる適度な柔軟性を備えている。この
ため、被処理物に凹凸や厚み斑が発生することが確実に
防止できる。
【0012】さらに、前記基体を構成する芳香族ポリイ
ミド繊維と、カバー層を構成する未延伸のメタ系芳香族
ポリアミド繊維が、芳香族ポリイミド繊維のガラス転移
点以下、メタ系芳香族ポリアミド繊維のガラス転移点以
上の温度で加圧熱処理されると、前記耐熱クッション材
は適度な硬さとなる。従って、熱プレス工程において前
記耐熱クッション材に熱や圧力がかかっても、適度な硬
さを有しているので、当該耐熱クッション材の全体で面
的に、前記荷重を受けることができる。このため、例え
ば、当該耐熱クッション材に局部的な重量斑が存在して
も、被処理物に厚み斑が発生することを防止することが
できる。さらにまた、前記耐熱クッション材が適度な硬
さを有するため、自動積載や人手による積載においても
極めて効率的な作業を行うことができる。
【0013】ここで、前記クッション材の密度は、0.
45〜0.75g/cm3 とすることが望ましく、当該
クッション材が使用される条件に応じて密度を決定す
る。またさらに、前記カバー層を構成する未延伸のメタ
系芳香族ポリアミド繊維はニードリングにより基体の内
部まで貫通し、一体化しているため、真空吸引の繰り返
し作業を行っても当該カバー層と基体とが剥離すること
がない。
【0014】また、前記基体が織物、ウエッブのみをニ
ードリングしたもの、ウエッブと織物とをニードリング
して一体化したもの、の中から選択されることで、前記
作用をより向上させることができる。さらにまた、前記
カバー層に導電性の耐熱繊維ウエッブを混合したこと
で、前記作用に加え、耐熱クッション材表面の電気抵抗
が小さくなり、静電気の発生を防止することができる。
また、前記未延伸のメタ系芳香族ポリアミド繊維の軟化
接着作用により、導電性の耐熱繊維の脱落を有効に防止
できる。
【0015】
【実施例】次に、本発明に係る一実施例について説明す
る。 (実施例1)
【0016】図1は、本発明の実施例1で製造した耐熱
クッション材の構成を示す一部断面図である。
【0017】芳香族ポリイミド繊維〔『P−84(商品
名)』レンチング(オーストリア)製〕からなる、目付
=1000g/m2 の織物1の両表面に、3d×38m
mの未延伸のメタ系芳香族ポリアミド繊維〔『未延伸コ
ーネックス(商品名)』帝人製)からなる、目付=15
0g/m2 、100%のウエッブをニードリグして積層
してなるカバー層2を設け、目付=1300g/m2
クッション材原反を得る。
【0018】次に、前記原反に、「P−84」のガラス
転移点(約315℃)以下、「未延伸コーネックス」の
ガラス転移点(約275℃)以上の温度=285℃、圧
力=4kg/cm2 、処理時間=15分間の熱プレス処
理を行い、密度=0.58g/cm3 の耐熱クッション
材を得た。
【0019】次に、比較として従来の芳香族ポリイミド
繊維をニードリングした耐熱クッション材(密度=0.
58g/cm3 )を製造し、本実施例で得た耐熱クッシ
ョン材(発明品)との比較を以下の方法で行った。
【0020】(1)通気性 500mmH2 Oの条件で吸引した際に、1秒間に1c
2 当たりを通過した空気の量(cc)を調査した。
【0021】(2)摩耗量 学振型摩耗テスターを使用して行った。この結果を表1
に示す。 表1 通気度 摩擦量 表面抵抗 発明品 27cc/cm2 /秒 120mg 1×1014Ω以上 従来品 63cc/cm2 /秒 890mg 1×1014Ω以上
【0022】上表から、発明品は、従来品に比べ通気性
及び摩耗量が低下したことが確認された。次に、発明品
と従来品を使用して自動積載方式の装置の吸引パットを
用いた積載作業を行ったところ、発明品は前記吸引パッ
トの使用が可能であったが、従来品は吸引パットを利用
することができなかった。また、発明品は吸引時の脱毛
がほとんど見られず、端部繊維のほつれもなく、良好な
作業が行えた。
【0023】なお、本実施例では基体の両面にカバー層
を形成したが、これに限らず、前記カバー層は基体の片
面にのみ形成してもよい。また、本実施例では基体とし
て織物を使用したが、これに限らず、前記基体はウエッ
ブのみをニードリングしたもの、又はウエッブと織物と
をニードリングして一体化したものを使用してもよい。
【0024】そして、本実施例ではカバー層として未延
伸のメタ系芳香族ポリアミド繊維のみを使用したが、こ
れに限らず、当該未延伸のメタ系芳香族ポリアミド繊維
に他の繊維を含有させて使用してもよい。また、本実施
例で使用した繊維の太さ、目付などはこれに限定される
ものではなく、所望により決定してよい。
【0025】(実施例2)次に、本発明に係る実施例2
について説明する。3d×70mmの芳香族ポリイミド
繊維〔『P−84(商品名)』レンチング(オーストリ
ア)製〕70%と、2d×51mmのメタ系芳香族ポリ
アミド繊維〔『コーネックス(商品名)』帝人製〕30
%とからなるウエッブを、メタ系芳香族ポリアミド繊維
〔『コーネックス(商品名)』帝人製〕からなる平織り
ベース(100g/m2 )を三枚積層した上に載せ、ニ
ードリングしてニードルフェルト化し、目付=2000
g/m2 としてなる基体の両表面に、3d×38mmの
未延伸のメタ系芳香族ポリアミド繊維〔『未延伸コーネ
ックス(商品名)』帝人製〕98%と、制電繊維〔『ア
ピエールα(商品名)』ユニチカ製〕2%とからなるウ
エッブ、目付=150g/m2 をニードリングして積層
してカバー層とし、目付=2300g/m2 のクッショ
ン原反を得る。
【0026】次に、前記原反に、温度=280℃、圧力
=8kg/cm2 、処理時間=10分間の熱プレス処理
を行い、密度=0.63g/cm3 の耐熱クッション材
を得た。
【0027】次いで、本実施例で得た耐熱クッション材
(発明品)と実施例1で使用した従来品との比較を、実
施例1と同様の方法で行った。この結果を表2に示す。 表2 通気度 摩擦量 表面抵抗 発明品 18cc/cm2 /秒 100mg 1×1011Ω以上 従来品 63cc/cm2 /秒 890mg 1×1014Ω以上
【0028】上表から、発明品は、従来品に比べ、通気
性及び摩耗量が低下したことが確認された。さらに、表
面抵抗も低下し、静電気の発生が抑制されたことが確認
された。
【0029】次に、発明品と従来品を使用して、自動積
載方式の装置の吸引パットを用いた積載作業を行ったと
ころ、発明品は前記吸引パットの使用が可能であった
が、従来品は吸引パットを利用することができなかっ
た。
【0030】また、発明品は吸引時の脱毛がほとんど見
られず、端部繊維のほつれもなく、良好な作業が行え
た。さらに、発明品は静電気の発生が抑制されたため、
静電気による電撃の発生が防止され、かつ、周囲の粉塵
などを寄せつけず、作業性が向上した。
【0031】なお、本実施例では基体の両面にカバー層
を形成したが、これに限らず、該カバー層は基体の片面
にのみ形成してもよい。また、本実施例では基体として
ウエッブと織物とをニードリングして一体化したものを
使用したが、これに限らず、織物、又は、ウエッブのみ
を単独でニードリングしたものを使用してもよい。
【0032】そして、本実施例ではカバー層として、未
延伸のメタ系芳香族ポリアミド繊維のみを使用し、これ
に制電繊維を混ぜたが、これに限らず、未延伸のメタ系
芳香族ポリアミド繊維に他の繊維を含有させたものに、
制電繊維を混ぜるようにしてもよい。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかる耐
熱クッション材は、全部又は主要繊維が、芳香族ポリイ
ミド繊維からなる基体の片面又は両面に、未延伸のメタ
系芳香族ポリアミド繊維からなるウエッブ又はこの繊維
を含むウエッブをニードリングしてカバー層を形成し、
芳香族ポリイミド繊維のガラス転移点以下の温度で、メ
タ系芳香族ポリアミド繊維のガラス転移点以上の温度で
熱処理した構造を有するため、通気性及び摩耗量を低下
することができ、自動積載方式の装置の使用が可能とな
る。
【0034】また、前記カバー層を構成する繊維は、偏
平接着の形態であるため、取扱い時に、前記耐熱クッシ
ョン材がたわんでも、しわが発生することがなく、該た
わみが取り除かれた後は、元の平滑面に戻ることができ
る。このため、被処理物に凹凸や厚み斑が発生すること
を防止することができる。
【0035】また、クッション材に局部的な重量斑が存
在しても、積層板等の被処理物に厚み斑が発生せず、被
処理製品の品質向上と歩留り向上に寄与することができ
る。さらに、前記カバー層を構成する繊維は、ニードリ
ングにより基体の内部まで貫通し、一体化しているた
め、真空吸引の繰り返し作業を行っても、当該カバー層
と基体とが剥離することがない。また、メタ系芳香族ポ
リアミド繊維で基体を構成したものよりも耐熱性が増
す。
【0036】この結果、高寿命で、被処理物の品質を向
上することができ、かつ、作業効率を著しく向上する耐
熱クッション材を提供するこができる。また、前記カバ
ー層に導電性の耐熱繊維ウエッブを混合することで、前
記効果に加え、耐熱クッション材表面の電気抵抗が小さ
くなり、静電気の発生を防止することができ、より作業
性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る耐熱クッション材の構
成を示す一部断面図である。
【符号の説明】
1 基体 2 カバー層

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全部又は主要繊維が芳香族ポリイミド繊
    維からなる基体の片面又は両面に、未延伸のメタ系芳香
    族ポリアミド繊維からなるウエッブ又はこの繊維を含む
    ウエッブをニードリングしたカバー層を形成し、芳香族
    ポリイミド繊維のガラス転移点以下の温度で、メタ系芳
    香族ポリアミド繊維のガラス転移点以上の温度で熱処理
    したことを特徴とする耐熱クッション材。
  2. 【請求項2】 前記基体が、織物、ウエッブのみをニー
    ドリングしたもの、ウエッブと織物とをニードリングし
    て一体化したもの、の中から選択されることを特徴とす
    る請求項1記載の耐熱クッション材。
  3. 【請求項3】 前記カバー層に、導電性の耐熱繊維ウエ
    ッブを混合したことを特徴とする請求項1または請求項
    2記載の耐熱クッション材。
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JP3154908B2 (ja) * 1994-12-16 2001-04-09 市川毛織株式会社 耐熱クッション材及びその製造方法
DE19962081A1 (de) * 1999-12-21 2001-06-28 Buerkle Gmbh Robert Verfahren und Vorrichtung zur Herstellung laminierter Plastikkarten
JP5726141B2 (ja) 2012-08-17 2015-05-27 ヤマウチ株式会社 熱プレス用クッション材

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