JP2976122B2 - 放射線画像読取方法及びその装置 - Google Patents

放射線画像読取方法及びその装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は輝尽性蛍光体を有する放射線画像変換パネル
に蓄積記録された放射線画像情報の読取に関するもので
あり、さらに詳しくは、効率のよい放射線画像情報の読
取方法及び装置に関するものである。
〔発明の技術的背景〕
X線画像のような放射線画像は病気診断用などに多く
用いられる。このX線画像を得るために、被写体を透過
したX線を蛍光体層(蛍光スクリーン)に照射し、これ
により可視光を生じさせてこの可視光を通常の写真をと
るときと同じように銀塩を使用したフィルムに照射して
現像した、いわゆる放射線写真が利用されている。しか
し、近年銀塩を塗布したフィルムを使用しないで蛍光体
層から直接画像を取り出す方法が工夫されるようになっ
た。
この方法としては被写体を透過した放射能を蛍光体に
吸収せしめ、しかる後この蛍光体を例えば光又は熱エネ
ルギーで励起することによりこの蛍光体が上記吸収によ
り蓄積している放射線エネルギーを蛍光として放射せし
め、この蛍光を検出して画像化する方法である。具体的
には、例えば米国特許3,859,527号及び特開昭55−12144
号には輝尽性蛍光体を用い可視光線又は赤外線を輝尽励
起光とした放射画像変換方法が示されている。この方法
は支持体上に輝尽性蛍光体層を形成した放射画像変換パ
ネル(以後変換パネルと略称)を使用するもので、この
変換パネルの輝尽性蛍光体層(以下輝尽層と略称)に被
写体を透過した放射線を当てた変換パネル領域に被写体
各部の放射線透過度に対応する放射線エネルギーを蓄積
させて潜像を形成し、しかる後にこの輝尽層を輝尽励起
光で走査することによって各部の蓄積された放射線エネ
ルギーを放射させてこれを光に変換し、この光の強弱に
よる光信号により放射線画像を光電的に読取るものであ
る。
この放射線画像はそのままの状態で、あるいはリアル
タイムで画像処理を施こされて銀塩フィルム、CRT等に
出力されて可視化される。また前記放射線画像は半導体
記憶装置、磁気記憶装置、光ディスク記憶装置等の画像
記憶装置に格納され、その後必要に応じてこれら画像記
憶装置から取り出されて銀塩フィルム、CRT等に出力さ
れて可視化されてもよい。
さて、一般の放射線撮影においては被写体は変換パネ
ルより十分小さく、しかも被写体に対する被曝線量を低
減する目的で放射線照射(放射線照射領域)を絞って撮
影している。
しかし、前述のような放射線画像変換方法では、放射
線画像の読取りは前記変換パネルの全面に対して行われ
ており以下に示すような欠点があった。
(1)読取った放射線画像情報に比較して必要な放射線
画像情報が少く、画像記憶装置の利用効率が低減するば
かりか画像処理等の処理時間が長くなる。
(2)不必要部分まで読取るので読取時間が長くなる。
(3)相対的に、必要な部分の放射線画像の解像度が低
下する。
(4)放射線画像を銀塩フィルム、CRT上に出力して可
視化した場合、必要な放射線画像と不必要な画像が混在
して著しく見づらくなり、診断能が低下する。
前記欠点を改良する試みとして、(A)特開昭60−32
044号、同61−195077号、同60−120348号、同62−58766
号等には放射線撮影済みの変換パネル上の撮影された領
域(放射線照射領域)のみを輝尽励起光で光学走査して
放射線画像を読取る放射線撮影装置が示されている。
また、(B)特開昭62−58767号には変換パネルの予
め指定された区画に放射線を照射した後、前記パネルを
輝尽励起光で光学走査して電気信号を得、該電気信号の
うち前記予め指定された区画内の電気信号のみを放射線
画像情報とする装置が示されている。
これら(A)及び(B)の装置は大きさの異なる多数
枚の変換パネルを管理する必要がなく、また放射線画像
撮影、読取、消去装置等のそれぞれの機構が簡略化され
て前記装置の小型化には好都合である。更にこれらの装
置は前記変換パネル上の放射線撮影されていない不必要
な部分まで読取る必要がないので読取時間を短縮でき、
また放射線画像情報を必要充分量に限定でき、画像処理
等が高速化されて好ましい。
しかし、前記(A)の装置では変換パネル上の放射線
照射領域のみを光学走査して放射線画像を読取るように
しているため、任意サイズの放射線照射領域毎に光偏光
器、副走査手段を制御する必要があり、読取装置が著し
く複雑となる欠点を有している。また、前記方法は任意
サイズの放射線照射領域に合せて光学走査しているた
め、放射線画像を読取る場合の水平同期信号を得るため
の同期信号発生器(光検出器)を放射線照射領域毎に移
動する必要があり、このことも読取装置を著しく複雑に
している。
また、前記装置では、任意な放射線照射領域に対応し
た種々のサイズの放射線画像が得られるため、画像の管
理が困難となったり、画像をCRTなどに可視化する場合
に不都合を生じた。
(B)の装置では、予め指定された領域内のみを放射
線画像情報とするため、(A)のような欠点はなくより
優れている。
しかし(B)の装置では、予め指定された領域と放射
線照射領域とを一致させる必要があり、作業上面倒であ
る。また一致していないと、必要とされる画像情報が欠
落してしまうなどの致命的欠点もある。
〔発明の目的〕
前記在来の放射線画像変換方法及び装置の実用的欠陥
に基き、本発明の目的は、 (1)放射線画像情報記録領域と読取区画との的中整合
性がよく、必要な放射線画像情報に欠落がなく、また (2)放射線画像の管理及び活用が簡易であり、 (3)読取装置が簡便となる 放射線画像変換方法及び前記を満足する装置の提供にあ
る。
〔発明の構成及びその作用効果〕 前記した本発明の目的は、輝尽性蛍光体層を有する放
射線画像変換パネルに蓄積された放射線画像情報を輝尽
励起光で走査し光電的に読取り画像データを得る放射線
画像読取方法において、前記放射線画像変換パネルに対
応させて予め複数の読取区画を記憶しておき、放射線照
射領域に対応した放射線画像情報記録領域を包含する前
記読取区画のうち最小の読取区画を選択し、該選択され
た最小の読取区画を放射線画像情報記録領域として放射
線画像情報を取り出すことを特徴とする放射線画像読取
方法及び前記方法に則った装置によって達成される。
尚、本発明でいう読取区画とは、輝尽励起光の光学走
査によって得られる電気信号を放射線画像情報として選
択する領域である。
また、本発明の態様において最小の読取区画の励起走
査とは、輝尽励起光で該区画だけを実質的に走査する場
合と、全面を輝尽励起光で走査する場合の両様の態様を
含むが放射線画像情報の読取りは前記設定された読取区
画に止められる。
このことを第1図(a),(b)を用いてさらに詳し
く説明する。
同図においてPは変換パネル、S1,S2,S3は複数の読取
区画であり、LSは輝尽励起光の光学走査の様子を表すた
めの走査線である。本発明の(a)の方法においては、
輝尽励起光走査は、実質的に、複数設定された読取区画
の一つについてのみ行われ、この走査によって発生した
輝尽発光は光電変換されて時系列化された電気信号とな
り、放射線画像情報として取出される。また、本発明
(b)の方法においては、放射線画像読取装置を小型簡
略化するために、放射線照射領域や読取区画の大小にか
かわらず輝尽励起光の光学走査は変換パネルPのほぼ全
面を含むように行なわれる。この輝尽励起光の走査によ
って発生した輝尽発光は光電変換されて時系列化された
電気信号となるが、該電気信号のうち前記放射線照射領
域の大小によって選択された1つの領域読取区画内の電
気信号のみが放射線画像情報として選択して取り出され
る。
時系列化された電気信号から読取区画内の電気信号の
みを放射線画像情報として選択的に取出すには、種々の
方法が考えられるが特に、アナログ/デジタル変換器の
変換(サンプリング)開始位置、終了位置を制御して、
読取区画内の電気信号のみをデジタル化して取出す方
法、一旦全部をデジタル化した後、読取区画内のデジタ
ル信号のみを選択的に取出す方法が好ましい。
また、本発明では第1図(C),(d)に例示するよ
うに変換パネルPの読取区画以外の副走査部分(同図P,
Q)は副走査速度を上げて高速度に送ってもよいし、前
記読取区画以外の副走査部分では主走査を行わないよう
にしてもよい。
本発明において、放射線画像情報記録領域と予め定め
られた複数の読取区画とを比較し、その中からの読取区
画を選択するためには、前記放射線画像情報記録領域を
検出する必要がある。この放射線画像情報記録領域は、
大まかにはX線源と被写体の間にコリメータ等の絞り機
構に絞り量検出装置を設けることによって検出できる
が、更に正確な情報記録領域の検出には、先読システム
(特開昭60−120348号等)、変換パネルの背面側に設け
た瞬時発光あるいは残光検出用の光電変換素子アレイを
用いて検出するシステム(特開昭62−58766号)、変換
パネル上を輝尽励起光で光学的に走査して得られる出力
信号を利用するシステム(特開昭62−58769号)等を用
いることができる。
次に本発明の画像情報の読取り、画像データ取得に到
るフローの一例を第2図(a)に示す。
まず、被写体の撮影部位が決定(P1)される。X線の
照射(P2)により放射線画像情報記録領域が検出される
(P2′)。次いで前記記録領域と読取区画との比較、照
合(P3)が行われ、読取区画が決定(P4)される。次
に、この読取区画が輝尽励起光により走査され読取られ
て(P5)、画像データに整理(P6)される。
第2図(b)、(c)にフローの他の例を示す。
第2図(b)では、撮影部位決定(Q1),X線照射(Q
2)後まず変換パネルの全面が輝尽励起光により光学走
査(Q3)されて、1次の画像データ(Q4)が得られる。
次いでこの画像データを演算処理・解析して放射線画像
情報記録領域を検出(Q5)し、前記放射線画像情報記録
領域と読取区画との比較・照合(Q6)が行われて読取区
画が決定(Q7)される。最後にこの読取区画によって、
1次画像データは整理・編集され、不要なデータが除か
れて、最終画像データが得られる(Q8)。
第2図(C)では、撮影部位決定(R1)、X線照射
(R2)後、変換パネルの全面が輝尽励起光により先読み
(R3)されて、概略の画像データが得られる。次いでこ
の画像データを演算処理して放射線画像情報記録領域を
検出(R4)し、前記放射線画像情報記録領域と読取区画
との比較・照合(R5)が行われて、読取区画が決定(R
6)される。
次に、この読取区画を励起走査(R7)することによっ
て不要なデータが除かれた最終画像データが得られる
(R8)。
次に図面によって本発明の実施態様を具体的に説明す
る。
第3図(a),(b)及び(c)は本発明に係る変換
パネルに与えられる態様例図であって、前述と同様にP
は変換パネル、一点鎖線で囲んだS1,S2及びS3等は変換
パネルP上に予め読取装置に覚え込ませセットした複数
の読取区画Sである。読取装置の制御系の走査読取レベ
ルの選択によって前記読取区画S1,S2或はS3は自由に選
定することができる。A,A′及びA″等は放射線照射領
域に対応して定まる放射線画像情報記録領域(以後記録
領域と略称する)である。
第3図(a)の例では、記録領域を包含する最小の読
取区画SはS2であり、S2に含まれる放射線画像情報が読
出され、残余の放射線画像情報は捨てられる。同図
(b)の例ではA′を包含する最小のSはS2となり、ま
た同図(c)のA″に対してはS1となる。
なお、本発明において、記録領域を包含する最小の読
取区画は、(1)読取区画全体に記録領域が完全に含ま
れてしまうような場合の他に、 (2)記録領域の上下方向(励起光走査と直角方向)が
記録区画に含まれ、左右方向(励起光走査方向)は含ま
れないような場合、(3)記録領域の左右方向が読取区
画に含まれ、上下方向は含まれないような場合にも対応
して定めることができ、(1),(2)(3)のどの方
式にするかは、システムの初期値として設定される。
(2)の方式を選択した場合、同図(c)のA″に対
して、読取区画はS2となる。
前記の本発明の構成を採ることによって、読取装置の
機構は簡易となり、読取り時間は短縮される。
次に本発明に係る放射線画像情報記録読取装置の一例
について説明する。第4図はその記録読取装置(第2図
(b)のフローに基づく装置)の構成ブロック図であ
り、胸部放射線撮影に適用した場合の例を示すものであ
る。
放射線発生源1は、放射線制御装置2によって制御さ
れて、被写体(人体胸部等)Mに向けて放射線を照射す
る。放射線画像情報記録読取装置3は、被写体Mを挟ん
で放射線発生源1と対向する面に上記した変換パネル4
を備え、そのパネル4は放射線発生源1からの照射放射
線量に対する被写体Mの放射線透過率分布に従ったエネ
ルギーを輝尽層に蓄積し、そこに被写体Mの潜像を形成
する。
光ビーム発生部(ガスレーザ、固体レーザ、半導体レ
ーザ等)5は、出射強度が制御された光ビームを発生
し、その光ビームは種々の光学系を経由して走査器6に
到達し、そこで偏向を受け、更に反射鏡7で光路を偏向
させて、変換パネル4に輝尽励起走査光として導かれ
る。
集光体8は、輝尽励起光が走査される変換パネル4に
近接して光ファイバでなる集光端が位置され、上記光ビ
ームで走査された変換パネル4からの潜像エネルギーに
ほぼ比例した発光強度の輝尽発光を受光する。9は集光
体8から導入された光から輝尽発光波長領域の光のみを
通過させるフィルタであり、そこを通過した光はフォト
マル10に入射して、その入射光に対応した電流信号に光
電変換される。
フォトマル10からの出力電流は、電流/電圧変換器11
で電圧信号に変換され、増幅器12で増幅された後、A/D
変換器13でデジタルデータに変換される。そして、この
デジタルデータは画像メモリ14に順次記憶される。15は
CPUであり、メモリ14に格納された放射線画像情報(画
像データ)に対して種々の画像処理(例えば、階調処
理、周波数処理、移動、回転、統計処理等)を施し、更
に本発明にあっては変換パネルに予め複数の読取区画を
設定すると同時に、画像メモリ14に記憶された画像デー
タを演算処理・解析して放射線画像情報記録領域を検出
し、前記読取区画との比較・照合を行なって最適な読取
区画を決定する。さらにCPU15は、この決定された読取
区画に基づいて前記画像データを整理・編集して不要デ
ータを除く。その処理結果としての放射線画像情報は、
画像表示装置16で表示される。17はメモリ14内の放射線
画像情報を外部に伝送するための、或いは外部からの同
様な情報を受け取るためのインターフェースである。18
は読取ゲイン調整回路であり、この回路により、光ビー
ム発生部5の光ビーム強度調整、フォトマル用高圧電源
19の電源電圧調整によるフォトマルのゲイン調整、電流
/電圧変換器11と増幅器12のゲイン調整、及びA/D変換
器13の入力ダイナミックレンジの調整が行われ、放射線
画像情報の読取ゲインが総合的に調整される。
次に本発明に係る変換パネルは、支持体上に輝尽層を
輝尽性蛍光体の気相堆積、或は輝尽性蛍光体塗料塗布に
よって設け、該輝尽層は環境よりの悪影響及び損傷を遮
断するために保護部材によって掩蔽もしくは被覆され
る。
本発明に係る変換パネルに使用される輝尽性蛍光体
は、最初の光もしくは高エネルギー放射線が照射された
後に、光的、熱的、機械的、化学的又は電気的等の刺激
(輝尽励起)により、最初の光もしくは高エネルギー放
射線の照射量に対応した輝尽発光を示す蛍光体である
が、実用的な面から好ましくは500nm以上の励起光によ
って輝尽発光を示す蛍光体である。そのような輝尽性蛍
光体としては既に数多く提示されており、例えば特開昭
48−80487号に記載されているBaSO4:AXを初めとして、
特開昭55−12143号に記載されている一般式;(Ba1-x-y
MgxCay)FX:eEu2+で示されるアルカリ土類弗化ハロゲン
化物蛍光体、特開昭55−160078号に記載されている一般
式;MIIFX・xA:yLnで示される希土類元素付活2価金属フ
ルオルハライド蛍光体、特開昭59−155487号に記載され
ている下記いずれかの一般式; nReX3・mAX′2:xEu nReX3・mAX′2:xEu,ySm で示される蛍光体、特開昭61−72087号に記載されてい
る下記一般式; MIX・aMIIX′・bMIIIX″3:cA で示されるアルカリハライド蛍光体等が挙げられる。特
にアルカリハライド蛍光体は、蒸着,スパッタリング等
の方法で輝尽層を形成しやすく好ましい。
しかし、本発明において用いられる輝尽性蛍光体は、
前述の蛍光体に限られるものではなく、放射線を照射し
た後輝尽性励起光を照射した場合に輝尽発生を示す蛍光
体であればいかなる蛍光体であってもよい。
そのような輝尽層は、前記の輝尽性蛍光体の少なくと
も一種類を含む一つ若しくは二つ以上の輝尽層から成る
輝尽層群であってもよい。また、それぞれの輝尽層に含
まれる輝尽性蛍光体は同一であってもよいが異なってい
てもよい。
変換パネルの輝尽層の層厚は、目的とする変換パネル
の放射線に対する感度、輝尽性蛍光体の種類等によって
異なるが、結着剤を含有しない場合10μm〜1000μmの
範囲、好ましくは20μm〜800μmの範囲から選ばれ、
結着剤を含有する場合で20μm〜1000μmの範囲、好ま
しくは50μm〜500μmの範囲から選ばれる。
本発明において使用される支持体としては各種の高分
子材料、ガラス、セラミックス、金属等が挙げられる。
高分子材料としては例えばセルロースアセテートフィ
ルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリアミド、ポリイミド、テリアセテート、ポリ
カーボネート等のフィルムが挙げられる。金属として
は、アルミニウム、鉄、銅、クロム等の金属シート又は
金属板或は該金属酸化物の被覆物を有する金属シート又
は金属板が挙げられる。ガラスとしては化学的強化ガラ
スや結晶化ガラスなどが挙げられる。またセラミックス
としてはアルミナやジルコニアの焼結板などが挙げられ
る。
また、これら支持体の厚みは用いる支持体の材質等に
よって異なるが、一般的には80μm〜5mmであり、取扱
いが容易であるという点及び良好な防湿性を得るという
点から、好ましくは200μm〜3mmである。
さらに、これら支持体には、輝尽層との接着性を向上
させる目的で輝尽層が設けられる面に下引層を設けても
よいし、必要に応じて光反射層、光吸収層等を設けても
よい。
また、保護部材としては、透光性がよく、シート状に
成形できるものが使用される。保護部材は輝尽励起光及
び輝尽発光を効率よく透過し、広い波長範囲で高い光透
過率を示すことが望ましく、光透過率は80%以上が好ま
しい。
そのようなものとしては、例えば、石英、硼珪酸ガラ
ス、化学的強化ガラス等の板ガラスや、PET、延伸ポリ
プロピレン、ポリ塩化ビニル等の有機高分子化合物が挙
げられる。硼珪酸ガラスは330nm〜2.6μmの波長範囲で
80%以上の光透過率を示し、石英ガラスではさらに短波
長においても高い光透過率を示す。
さらに、保護部材の表面に、MgF2等の反射防止層を設
けると、輝尽励起光及び輝尽発光を効率よく透過すると
ともに、鮮鋭性の低下を少くし、好ましい効果を与え
る。
また、保護部材の厚さは、50μm〜5mmであり、良好
な防湿性を得るためには、100μm〜3mmが好ましい。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば得られた放射線
画像情報に不必要な画像情報が少ないため、画像記憶装
置の利用効率が向上する。
また、本発明によれば得られた放射線画像情報に不要
な画像情報が少ないため、画像処理等の処理時間が短縮
される。
また、本発明によれば、不必要な部分まで読取る必要
がないので放射線画像変換パネルの読取時間が短縮され
る。
また、本発明によれば放射線画像を可視化した場合不
必要な画像が混在していないので画像が見やすく、診断
能が向上する。
また、本発明によれば、被写体の大きさ等によって放
射線画像変換パネルの大きさを選択する必要がなく煩雑
さが解消される。
また、本発明によれば、被写体の大きさ等によって放
射線画像変換パネルの大きさを選択する必要がないの
で、放射線画像変換パネルの大きさが1種類となり放射
線画像撮影装置、読取装置、消去装置、ストック装置等
が簡略化され、小型化される。
また、本発明によれば、得られる画像サイズが放射線
画像情報記録領域の大きさによらずシステムによって定
められた大きさとなるので、画像の管理が簡略化され
る。
また、本発明によれば、複数設定された読取区画の選
択が自動的に行われるので、作業の煩雑さが軽減され
る。
また、本発明によれば、放射線画像情報記録領域のう
ち、除去される画像情報は常に最小限に保たれるので、
必要な放射線画像情報に欠落がなく、高品位な放射線画
像情報が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る励起走査方法を説明するための
概要図。 第2図は本発明の方法を説明するためのフローチャート
である。 第3図は本発明に係る変換パネルにおける読取区画と放
射線画像情報記録読取領域の関係説明図、第4図は記録
読取装置の構成を示すブロック図である。 P……変換パネル、 S,S1,S2,S3……読取区画、 A,A′,A″……放射線画像情報記録領域、 1……放射線発生源、2……放射線制御装置、 3……放射線画像情報記録読取装置、 4……変換パネル、 5……光ビーム発生部、6……走査器、 7……反射鏡、8……集光体、9……フィルタ 10……フォトマル、11……電流/電圧変換器、 12……増幅器、13……A/D変換器、 14……画像メモリ、15……CPU、16……表示器、 17……インターフェース、18……ゲイン調整回路、 19……高圧電源。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】輝尽性蛍光体層を有する放射線画像変換パ
    ネルに蓄積された放射線画像情報を輝尽励起光で走査し
    光電的に読取り画像データを得る放射線画像読取方法に
    おいて、 前記放射線画像変換パネルに対応させて予め複数の読取
    区画を記憶しておき、 放射線照射領域に対応した放射線画像情報記録領域を包
    含する前記読取区画のうち最小の読取区画を選択し、該
    選択された最小の読取区画を放射線画像情報記録領域と
    して放射線画像情報を取り出すことを特徴とする放射線
    画像読取方法。
  2. 【請求項2】輝尽性蛍光体層を有する放射線画像変換パ
    ネルに蓄積された放射線画像情報を輝尽励起光で走査し
    光電的に読取り画像データを得る放射線画像読取装置に
    おいて、 前記放射線画像変換パネルに対応させて予め複数の読取
    区画を記憶する記憶手段と、 放射線照射領域を検出し前記読取区画と比較を行い、放
    射線画像情報記録領域を包含する前記読取区画のうち最
    小の読取区画を選択する選択手段と、 前記選択された最小の読取区画を放射線画像情報記録領
    域として放射線画像情報を取り出す手段と、 を有することを特徴とする放射線画像読取装置。
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