JP2976055B2 - 細胞成長阻害物質として有用なスフィンゴシンおよびn―メチル―スフィンゴシン - Google Patents

細胞成長阻害物質として有用なスフィンゴシンおよびn―メチル―スフィンゴシン

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    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、一部はある種の蛋白質キナーゼの阻害によ
るが、その他はまた未だ探求されていないメカニズムに
よる細胞成長の阻害物質に関する。特に、本発明は、N
−メチル−スフィンゴシンおよびスフィンゴシンが、腫
瘍細胞、免疫応答に係わる細胞、炎症反応に係わる細胞
などの多くの細胞の成長に対して特に強力な阻害物質で
あるという本発明者の最近の研究結果に関する。この知
見から、上記のような細胞の有効な成長阻害物質として
これらの化合物を用いる可能性が示される。特にことわ
らない限り、“スフィンゴシン”とは、D−体またはL
−体或いはエリスロ−体またはトレオ−体の立体構造と
は関係なく、全ての“スフィンゴシン”を意味する。ま
た、特にことわらない限り、“N−メチル−スフィンゴ
シン”とは、D−体またはL−体或いはエリスロ−体ま
たはトレオ−体の立体構造とは関係なく、N,N−ジメチ
ル−スフィンゴシンまたはN−モノメチル−スフィンゴ
シンをいう。
従来技術 スフィンゴシンおよびスフィンゴイド塩基は、C−キ
ナーゼおよびEGFレセプター関連チロシンキナーゼの阻
害物質として認められている(ハンナン(Hannun)およ
びベル(Bell),サイエンス(Science),235,670−67
4,1987;ハンナン(Hannun)ら,ジャーナル オブ バ
イオロジカル ケミストリー(JBC),261,12604−1260
9,1986;クロイター(Kreutter)ら,JBC,262,1632−163
7,1987)。しかしながら、これらの研究においては、用
いられたスフィンゴシンは市販のもの(シグマ ケミカ
ル社(Sigma Chemical Company))であった。該製剤
は、3−O−メチル−スフィンゴシン、5−O−メチル
−スフィンゴシン、N−メチル−スフィンゴシンなどの
種々の不純物質を含有していた。何故ならば、市販のス
フィンゴシンは、スフィンゴミエリンまたはセレブロシ
ドをメタノール分解した後に製造され、上記の不純物質
がメタノール分解中に混じるからである。更に、スフィ
ンゴシンの基本骨格(backbone structure)、即ちD−
エリスロ構造は、D−トレオ構造に部分的に変換され
る。従って、これらの変換および市販のスフィンゴシン
に存在する種々の構造のために、スフィンゴシンがC−
キナーゼおよびEGF−レセプターキナーゼの重要な阻害
物質であるとの主張は十分に確認されたものとはいえな
い。
しかしながら、スフィンゴシンおよびスフィンゴイド
塩基の潜在的な細胞成長変化活性および細胞成長を調整
するためのこれらの化合物の適用可能性の故に、この分
野は、興味深い研究分野となっている。
従って、合成的に製造されたおよび/または天然で産
生されるスフィンゴ脂質から製造されたスフィンゴシ
ン、スフィンゴシン塩基および/またはその誘導体が、
種々の細胞に対して強い作用を有することを疑問の余地
なく明らかにすることが望まれている。その結果、これ
らの化合物の細胞成長の調整への具体的適用が確認さ
れ、実際の目的に使用できる。
発明の開示 従って、本発明の一つの目的は、合成され十分に確認
されている化合物を用いるか、或いは天然に生産される
スフィンゴ脂質から製造された化合物を用いるかして得
られたスフィンゴシン、スフィンゴイド塩基および/ま
たはそれらの誘導体の細胞成長調整活性についての情報
を提供することにある。
本発明の他の目的は、広い範囲の細胞タイプに対する
強い成長阻害活性を有するこれらの化合物の誘導体のイ
ンビトロの適用を提供することにある。
本発明の上記目的および他の目的は、 (1)合成的に製造されたスフィンゴシン、合成的に製
造されたN−メチル−スフィンゴシンおよびそれらの薬
学的に許容される塩から選ばれた細胞成長阻害物質の1
種または2種以上の細胞成長阻害量および (2)薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤 を含有するヒトおよび動物細胞成長阻害剤を提供するこ
とにより、達成される。
また本発明は、 (1)合成的に製造されたスフィンゴシン、合成的に製
造されたN−メチル−スフィンゴシンおよびそれらの薬
学的に許容される塩から選ばれた細胞成長阻害物質の1
種または2種以上の細胞成長阻害量および (2)薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤 を含有するヒトおよび動物腫瘍の成長阻害剤を提供す
る。
また本発明は、 (1)合成的に製造されたスフィンゴシン、合成的に製
造されたN−メチル−スフィンゴシンおよびそれらの薬
学的に許容される塩から選ばれた細胞成長阻害物質の1
種または2種以上の細胞成長阻害量および (2)薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤 を含有するインビボでのヒトおよび動物腫瘍の転移阻害
剤を提供する。
また本発明は、 (1)合成的に製造されたスフィンゴシン、合成的に製
造されたN−メチル−スフィンゴシンおよびそれらの薬
学的に許容される塩から選ばれた細胞成長阻害物質の1
種または2種以上の細胞成長阻害量および (2)薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤 を含有する、少くとも一部はリンパ球有糸分裂誘発によ
るヒトおよび動物の免疫応答阻害剤を提供する。
また本発明は、 (1)合成的に製造されたスフィンゴシン、合成的に製
造されたN−メチル−スフィンゴシンおよびそれらの薬
学的に許容される塩から選ばれた細胞成長阻害物質の1
種または2種以上の細胞成長阻害量および (2)薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤 を含有する。少くとも一部は顆粒球および/またはリン
パ球有糸分裂誘発によるヒトおよび動物の炎症反応阻害
剤を提供する。
さらに、一つの実施態様において、本発明は、ヒトま
たは動物細胞を、合成的に製造されたスフィンゴシン、
合成的に製造されたN−メチル−スフィンゴシンおよび
その薬学的に許容される塩から選ばれた細胞成長阻害物
質の1種または2種以上の細胞成長阻害量と接触させる
ことを含む該細胞の成長を阻害する方法をも提供する。
また本発明は、ヒトまたは動物腫瘍を、合成的に製造
されたスフィンゴシン、合成的に製造されたN−メチル
−スフィンゴシンおよびそれらの薬学的に許容される塩
から選ばれた細胞成長阻害物質の1種または2種以上の
細胞成長阻害量と接触させることを含むインビボにおけ
る該腫瘍の成長を阻害する方法を提供する。
また本発明は、ヒトまたは動物腫瘍を、合成的に製造
されたスフィンゴシン、合成的に製造されたN−メチル
−スフィンゴシンおよびそれらの薬学的に許容される塩
から選ばれた細胞成長阻害物質の1種または2種以上の
細胞成長阻害量と接触させることを含むインビボにおけ
る該腫瘍の転移を阻害する方法を提供する。
また本発明は、リンパ球を、合成的に製造されたスフ
ィンゴシン、合成的に製造されたN−メチル−スフィン
ゴシンおよびそれらの薬学的に許容される塩から選ばれ
た細胞成長阻害物質の1種または2種以上の細胞成長阻
害量と接触させることを含む、少なくとも一部はリンパ
球有糸分裂誘発によるヒトおよび動物の免疫応答を阻害
する方法を提供する。
また本発明は、顆粒球および/またはリンパ球を、合
成的に製造されたスフィンゴシン、合成的に製造された
N−メチル−スフィンゴシンおよびそれらの薬学的に許
容される塩から選ばれた細胞成長阻害物質の1種または
2種以上の細胞成長阻害量と接触させることを含む、少
なくとも一部は顆粒球および/またはリンパ球有糸分裂
誘発によるヒトおよび動物の炎症反応を阻害する方法を
提供する。
好ましい実施態様において、成長阻害物質としては、
合成的に製造されたN,N−ジメチル−D−エリスロ−ス
フィンゲニン、合成的に製造されたN,N−ジメチル−L
−エリスロ−スフィンゲニン、それらの薬学的に許容さ
れる塩などが挙げられる。その内特に好ましいものは、
合成的に製造されたN,N−ジメチル−D−エリスロ−ス
フィンゲニンおよびその薬学的に許容される塩である。
さらに別の一実施態様において、本発明は、 (1)天然に産生されるスフィンゴ脂質から得られたス
フィンゴシン、天然に産生されるスフィンゴ脂質から得
られたN−メチル−スフィンゴシンおよびそれらの薬学
的に許容される塩から選ばれた細胞成長阻害物質の1種
または2種以上の細胞成長阻害量および (2)薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤 を含有するヒトおよび動物細胞成長阻害剤を提供する。
また本発明は、 (1)天然に産生されるスフィンゴ脂質から得られたス
フィンゴシン、天然に産生されるスフィンゴ脂質から得
られたN−メチル−スフィンゴシンおよびそれらの薬学
的に許容される塩から選ばれた細胞成長阻害物質の1種
または2種以上の細胞成長阻害量および (2)薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤 を含有するインビボにおけるヒトおよび動物の腫瘍成長
阻害剤を提供する。
また本発明は、 (1)天然に産生されるスフィンゴ脂質から得られたス
フィンゴシン、天然に産生されるスフィンゴ脂質から得
られたN−メチル−スフィンゴシンおよびそれらの薬学
的に許容される塩から選ばれた細胞成長阻害物質の1種
または2種以上の細胞成長阻害量および (2)薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤 を含有するインビボにおけるヒトおよび動物の腫瘍転移
阻害剤を提供する。
また本発明は、 (1)天然に産生されるスフィンゴ脂質から得られたス
フィンゴシン、天然に産生されるスフィンゴ脂質から得
られたN−メチル−スフィンゴシンおよびそれらの薬学
的に許容される塩から選ばれた細胞成長阻害物質の1種
または2種以上の細胞成長阻害量 (2)薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤 を含有する、少なくとも1部はリンパ球有糸分裂誘発に
よるヒトおよび動物の免疫応答阻害剤を提供する。
また本発明は、 (1)天然に産生されるスフィンゴ脂質から得られたス
フィンゴシン、天然に産生されるスフィンゴ脂質から得
られたN−メチル−スフィンゴシンおよびそれらの薬学
的に許容される塩から選ばれた細胞成長阻害物質の1種
または2種以上の細胞成長阻害量および (2)薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤 を含有する、少なくとも1部は顆粒球および/またはリ
ンパ球有糸分裂誘発によるヒトおよび動物の炎症反応阻
害剤を提供する。
さらに別の一実施態様において、本発明は、ヒトまた
は動物細胞を、天然に産生されるスフィンゴ脂質から得
られたスフィンゴシン、天然に産生されるスフィンゴ脂
質から得られたN−メチル−スフィンゴシンおよびそれ
らの薬学的に許容される塩から選ばれた細胞成長阻害物
質の1種または2種以上の細胞成長阻害量と接触させる
ことを含む該細胞の成長を阻害する方法を提供する。
また本発明は、ヒトまたは動物腫瘍を、天然に産生さ
れるスフィンゴ脂質から得られたスフィンゴシン、天然
に産生されるスフィンゴ脂質から得られたN−メチル−
スフィンゴシンおよびそれらの薬学的に許容される塩か
ら選ばれた細胞成長阻害物質の1種または2種以上の細
胞成長阻害量と接触させることを含むインビボにおける
該腫瘍の成長を阻害する方法を提供する。
また本発明は、ヒトまたは動物腫瘍を、天然に産生さ
れるスフィンゴ脂質から得られたスフィンゴシン、天然
に産生されるスフィンゴ脂質から得られたN−メチル−
スフィンゴシンおよびそれらの薬学的に許容される塩か
ら選ばれた細胞成長阻害物質の1種または2種以上の細
胞成長阻害量と接触させることを含むインビボにおける
該腫瘍の転移を阻害する方法を提供する。
また本発明は、リンパ球を、天然に産生されるスフィ
ンゴ脂質から得られたスフィンゴシン、天然に産生され
るスフィンゴ脂質から得られたN−メチル−スフィンゴ
シンおよびそれらの薬学的に許容される塩から選ばれた
細胞成長阻害物質の1種または2種以上の細胞成長阻害
量と接触させることを含む、少なくとも一部はリンパ球
有糸分裂誘発によるヒトおよび動物の免疫応答を阻害す
る方法を提供する。
また本発明は、顆粒球および/またはリンパ球を、天
然に産生されるスフィンゴ脂質から得られたスフィンゴ
シン、天然に産生されるスフィンゴ脂質から得られたN
−メチル−スフィンゴシンおよびそれらの薬学的に許容
される塩から選ばれた細胞成長阻害物質の1種または2
種以上の細胞成長阻害量と接触させることを含む、少な
くとも一部は顆粒球および/またはリンパ球有糸分裂誘
発によるヒトおよび動物の炎症反応を阻害する方法を提
供する。
好ましい実施態様において、細胞成長阻害剤として
は、天然に産生されるスフィンゴ脂質から得られたN,N
−ジメチル−スフィンゴシン、天然に産生されるスフィ
ンゴ脂質から得られたN−モノメチル−スフィンゴシ
ン、それらの薬学的に許容される塩などが用いられる。
特に好ましいのは、天然に産生されるスフィンゴ脂質か
ら得られたN,N−ジメチル−スフィンゴシンおよびその
薬学的に許容される塩である。
本明細書において、“スフィンゴシン”とは、D体ま
たはL体或いはエリスロ体またはトレオ体の立体構造と
は無関係に、スフィンゴシンを意味する。
本明細書において、“N−メチル−スフィンゴシン”
とは、D体またはL体或いはエリスロ体またはトレオ体
の立体構造とは無関係に、N,N−ジメチル−スフィンゴ
シンまたはN−モノメチル−スフィンゴシンを意味す
る。
本明細書において、“阻害する”とは、“妨げるおよ
び/または遅らせる”ことを意味する。
さらに、本明細書において、“合成的に製造され(得
られた)"N−メチル−スフィンゴシンとは、合成的に製
造されたスフィンゴシン基本骨格から製造された(即ち
基本構造が合成化合物である)N−メチル−スフィンゴ
シンを意味する。“天然に産生されるスフィンゴ脂質か
ら製造され(得られた)"N−メチル−スフィンゴシンと
は、スフィンゴミエリン、セレブロシドなどの天然に産
生されるスフィンゴ脂質から製造されたN−メチル−ス
フィンゴシンを意味する。
スフィンゴシンが、C−キナーゼ、EGF−レセプター
キナーゼなどの蛋白質キナーゼの重要な阻害物質であ
り、従って細胞成長を阻害するための潜在的候補物質と
なり得るか否かに関しての不明確さを解消するために、
本発明者は、第1図に示すように、合成的に製造された
化学的に十分にわかっているD−およびL−エリスロ−
並びにトレオ−スフィンゴシンおよびそのN,N−ジメチ
ル誘導体並びに天然に産生するスフィンゴ脂質から製造
されたスフィンゴシンを用いて、これらの化合物の蛋白
質キナーゼの阻害活性を評価した。化学的によくわかっ
ている合成的に製造されたスフィンゴシンの立体異性体
およびその誘導体について、A413細胞(ヒト表皮癌細
胞)から得られたC−キナーゼ活性に対する効果の比較
を第2図、第3図、第I表および第II表に示す(実施例
2を参照)。
また、本発明者の一人は、SRC腫瘍遺伝子キナーゼ活
性が、天然に産生されるスフィンゴ脂質から製造された
スフィンゴシンにより阻害されることを観察した。
下記の結論が得られた: 1.D−エリスロおよびL−エリスロ−スフィンゲニン
は、弱い類似の阻害活性を示した。
2.合成的に製造されたN,N−ジメチル−D−エリスロ−
スフィンゲニンおよび天然に生産されるスフィンゴ脂質
から製造されたスフィンゴシンのみが、C−キナーゼに
対する極めて強い阻害活性を示した。合成的に製造され
たN,N−ジメチル−L−エリスロ−スフィンゲニンは、
より弱い阻害活性を示したが、遊離アミノ基を持つ非置
換スフィンゲニンに比べてより強い阻害活性を示した。
3.合成的に製造されたN,N−ジメチル−D−エリスロ−
スフィンゲニンは、N−アセチル−GM3、N−グリコリ
ル−GM3およびGD1aガングリオシドよりも阻害活性が高
いが、最も阻害活性が高いガングリオシドGT1bと類似の
範囲にある阻害活性を示した。
4.上記から類推すると、合成的に製造されたN,N−ジメ
チル−D−エリスロ−スフィンゲニンおよび合成的に製
造されたN,N−ジメチル−L−エリスロ−スフィンゲニ
ンは、EGFレセプターキナーゼに対する類似の活性を有
することが予想される。
5.上記から類推すると、合成的に製造されたスフィンゴ
シンは、C−キナーゼを阻害することが予想される。
N,N−ジメチル−D−エリスロ−スフィンゲニン、N
−メチル−L−エリスロ−スフィンゲニンなどの合成的
に製造されたN−メチル−スフィンゲニンは、対応する
メチル化されていないスフィンゴシン(例えば、それぞ
れD(+)エリスロ−スフィンゲニンおよびL(−)エ
リスロ−スフィンゲニン)をホルムアルデヒドおよび水
素化ホウ素ナトリウムの存在下に還元メチル化すること
を含む公知の方法(ミーンズ(Means)およびフィーニ
イ(Feeney)、バイオケミストリー(Biochemistry)、
、2192,1968;“蛋白質の化学的修飾(Chemical Modif
ication of Proteins)”、ホールデン−デイ,インコ
ーポレーティド(Holden−Day,Inc.)、サンフランシス
コ,p217,1971)により製造できる。得られた合成的に製
造されたN,N−ジメチル−スフィンゴシンまたはスフィ
ンゲニン誘導体は、TLCまたはHPLCにより精製できる。
N−モノメチル誘導体は、基本骨格スフィンゲニンを出
発物質とし、tert−ブチルオキシカルボニル化(ジ
tert−ブチルジカーボネート−NaHCO3)、−アセチ
ル化(無水酢酸−ピリジン)、−メチル化(ヨウ化メ
チル−水素化ナトリウム−ジメチルホルムアルデヒド)
および脱保護を続けて行うことにより、合成された。得
られた化合物もまたTLCまたはHPLCにより精製された。
合成的に製造された基本骨格スフィンゲニン、即ちD
(+)エリスロ−スフィンゲニンおよびL(−)エリス
ロ−スフィンゲニンは、L−セリンを出発物質とするか
(ラデュンツ エイチ−イー(Radunz H−E)デヴァン
ト アール エム(Devant R M)、アイアーマン ヴイ
(Eiermann V),Liebigs Ann Chem,1103−1105,1988;ニ
ムカー エス(Nimkar S)、メナルディノ ディ(Mena
ldino D)、メリル エー エイチ(Merrill A H)、リ
オッタ ディ(Liotta D)、テトラヘドロン レターズ
(Tetrahedron Lett),29,3037−3040,1988;ヘロルド
ピー(Herold P)、Helvetica Chimica Acta,71,354
−362,1988)、或いはD−グルコースを出発物質とする
(コイケ ケイ(Koike K)ら、カーボヒドレート リ
サーチ(Carbohydrate Research);コイケ ケイら、
“D−グルコーズからのセラミドの能率的な合成(An e
fficient synthesis of ceramide from D−glucos
e)”、グリココンジュゲート ジャーナル(Glycoconj
ugate Journal)、、107−109,1984)ことにより、種
々の公知方法で製造できる。スフィンゴシンおよびN−
メチル誘導体の構造は、NMRスペクトル分析、ファブ質
量分析(fast atom bombardment mass spectrometry)
により確認できる。
スフィンゴシンおよび種々のスフィンゴシン誘導体が
蛋白質キナーゼ活性に対して阻害効果を有するという本
発明者による発見事項に基づいて、本発明は、 (1)合成的に製造されたスフィンゴシン、合成的に製
造されたN−メチル−スフィンゴシンおよびそれらの薬
学的に許容される塩から選ばれた細胞成長阻害物質の1
種または2種以上の細胞成長阻害量および (2)薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤 を含有するヒトおよび動物細胞成長阻害剤を提供する。
同様にまた、本発明は、ヒトまたは動物細胞を、合成
的に製造されたスフィンゴシン、合成的に製造されたN
−メチル−スフィンゴシンおよびそれらの薬学的に許容
される塩から選ばれた細胞成長阻害物質の1種または2
種以上の細胞成長阻害量と接触させることを含むヒトお
よび動物細胞の成長を阻害する方法を提供する。
ヒトおよび動物細胞の成長阻害のための上記製剤およ
び方法は、哺乳類細胞の治療および悪性並びに良性腫瘍
細胞の治療に特に適用できる。
また本発明は、 (1)合成的に製造されたスフィンゴシン、合成的に製
造されたN−メチル−スフィンゴシンおよびそれらの薬
学的に許容される塩から選ばれた細胞成長阻害物質の1
種または2種以上の細胞成長阻害量および (2)薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤 を含有するインビボにおけるヒトおよび動物の腫瘍成長
阻害剤を提供する。
同様にまた、本発明は、ヒトまたは動物の腫瘍を、合
成的に製造されたスフィンゴシン、合成的に製造された
N−メチル−スフィンゴシンおよびそれらの薬学的に許
容される塩から選ばれた細胞成長阻害物質の1種または
2種以上の細胞成長阻害量と接触させることを含むイン
ビボにおけるヒトおよび動物の腫瘍の成長を阻害する方
法を提供する。
インビボにおけるヒトおよび動物の腫瘍の成長阻害の
ための上記製剤および方法は、哺乳類腫瘍の治療および
悪性および良性腫瘍細胞の治療に特に適用できる。
また本発明は、 (1)合成的に製造されたスフィンゴシン、合成的に製
造されたN−メチル−スフィンゴシンおよびそれらの薬
学的に許容される塩から選ばれた細胞成長阻害物質の1
種または2種以上の細胞成長阻害量および (2)薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤 を含有するインビボにおけるヒトおよび動物の腫瘍転移
阻害剤を提供する。
同様にまた、本発明は、ヒトまたは動物の腫瘍を、合
成的に製造されたスフィンゴシン、合成的に製造された
N−メチル−スフィンゴシンおよびそれらの薬学的に許
容される塩から選ばれた細胞成長阻害物質の1種または
2種以上の細胞成長阻害量と接触させることを含むイン
ビボにおけるヒトおよび動物の腫瘍の転移を阻害する方
法を提供する。
ヒトおよび動物の腫瘍の転移阻害のための上記製剤お
よび方法は、哺乳類腫瘍の治療並びに悪性および良性腫
瘍細胞の治療に特に適用できる。
また本発明は、 (1)合成的に製造されたスフィンゴシン、合成的に製
造されたN−メチル−スフィンゴシンおよびそれらの薬
学的に許容される塩から選ばれた細胞成長阻害物質の1
種または2種以上の細胞成長阻害量および (2)薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤 を含有する、少なくとも一部はリンパ球有糸分裂誘発に
よるヒトおよび動物の免疫応答阻害剤を提供する。
同様にまた、本発明は、ヒトまたは動物の顆粒球およ
び/またはリンパ球を、合成的に製造されたスフィンゴ
シン、合成的に製造された−N−メチル−スフィンゴシ
ンおよびそれらの薬学的に許容される塩から選ばれた細
胞成長阻害物質の1種または2種以上の細胞成長阻害量
と接触させることを含む、少なくとも一部は顆粒球およ
び/またはリンパ球有糸分裂誘発によるヒトおよび動物
の免疫応答を阻害する方法を提供する。
少なくとも一部はリンパ球有糸分裂誘発によるヒトお
よび動物の免疫応答阻害のための上記製剤および方法
は、コンカナバリンAにより惹起されるリンパ球有糸分
裂誘発およびフィトヘムアグルチニンAにより惹起され
るリンパ球有糸分裂誘発に特に適用できる。
更に、少なくとも一部はリンパ球有糸分裂誘発による
ヒトおよび動物の免疫応答阻害のための上記製剤および
方法は、自己免疫応答にも適用でき、少なくとも一部は
コンカナバリンAにより惹起されるリンパ球有糸分裂誘
発、フィトヘムアグルチニンAにより惹起されるリンパ
球有糸分裂誘発およびIL−2依存性T細胞成長による自
己免疫応答に特に適用できる。
更に、上記の少なくとも一部はリンパ球有糸分裂誘発
によるヒトおよび動物の免疫応答および自己免疫応答の
阻害のための製剤および方法は、特に哺乳類における免
疫応答に適用できる。
また本発明は、 (1)合成的に製造されたスフィンゴシン、合成的に製
造されたN−メチル−スフィンゴシンおよびそれらの薬
学的に許容される塩から選ばれた細胞成長阻害物質の1
種または2種以上の細胞成長阻害量および (2)薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤 を含有する、少なくとも一部は顆粒球および/またはリ
ンパ球有糸分裂誘発によるヒトおよび動物の炎症反応阻
害剤を提供する。
同様にまた、本発明は、ヒトまたは動物の顆粒球およ
び/またはリンパ球を、合成的に製造されたスフィンゴ
シン、合成的に製造されたN−メチル−スフィンゴシン
およびそれらの薬学的に許容される塩から選ばれた細胞
成長阻害物質の1種または2種以上の細胞成長阻害量と
接触させることを含む、少なくとも一部は顆粒球および
/またはリンパ球有糸分裂誘発によるヒトおよび動物の
炎症反応を阻害する方法を提供する。
少なくとも一部は顆粒球および/またはリンパ球有糸
分裂誘発によるヒトおよび動物の炎症反応阻害のための
上記製剤および方法は、哺乳類における炎症反応に特に
適用でき、とりわけコンカナバリンAにより惹起される
リンパ球有糸分裂誘発およびフィトヘムアグルチニンA
により惹起されるリンパ球有糸分裂誘発による炎症反応
に適用できる。
上記の全ての製剤および方法では、合成的に製造され
たN,N−ジメチル−D−エリスロ−スフィンゲニン、N,N
−ジメチル−L−エリスロ−スフィンゲニンおよびそれ
らの薬学的に許容される塩が好ましく、合成的に製造さ
れたN,N−ジメチル−D−エリスロ−スフィンゲニンお
よびその薬学的に許容される塩が特に好ましい。
上記に加えて、本発明者は、天然に産生されるスフィ
ンゴ脂質から製造されたスフィンゴシンおよび天然に産
生されるスフィンゴ脂質から製造されたN−メチル−ス
フィンゴシンは、合成的に製造されたN−メチル−スフ
ィンゴシンと実質的に類似する作用を有していることを
見出した。
スフィンゴシン基本骨格は、下記の2種の公知方法に
より製造できる。即ち、(1)ティールフェルダー エ
イチ(Tielfelder H)およびクレンク イー(Klenk
E)の手法(“セレブロシドおよびホスファチドの化学
(Die Chemie der Cerebrocide and Phosphatide)”、
J.Springer,ベルリン、1930)およびゲイヴァー アー
ル シー(Gaver R C)およびスウィーリー シー シ
ー(Sweely C C)の改良手法(J.Am.Oils Chem.Soc.,4
2,294−298,1965)による天然スフィンゴ脂質のメタノ
ール分解および(2)カンファー(Kanfer)およびハコ
モリ(Hakomori)の手法(ハンドブック オブ リピッ
ド リサーチ(Handbook of Lipid Research)、“スフ
ィンゴ脂質の生化学(Shingo−lipid Biochemistr
y)”、カンファー ジェイ エヌ(Kanfer J N)およ
びハコモリ エス(Hakomori S)(編集)、プレナム
(Plenum)、ニューヨーク、pp167−247,1983)による
グリコシダーゼおよびセラミダーゼを用いる天然スフィ
ンゴ脂質の酵素加水分解である。
N−メチル−スフィンゴシンは、天然に産生されるス
フィンゴ脂質をホルムアルデヒドおよび水素化ホウ素ナ
トリウムの存在下にN−メチル化することにより製造で
きる(ミーンズ ジー イー(Means G E)およびフィ
ーニイ アール イー(Feeney R E)、Biochemistry,
,2192−2201,1968)。
天然に産生されるスフィンゴ脂質の適当な供給源とし
ては、脳、腎臓、脾臓、血球および動物の他の器官およ
び組織などが挙げられる。酵母および穀粒も天然に産生
されるスフィンゴ脂質の供給源として適当であることが
予想できる。
スフィンゴシンまたはN−メチル−スフィンゴシンの
構造は、質量分析および1H−NMR分析により確認するこ
とができる。
本発明者は、天然に産生されるスフィンゴ脂質から製
造されたN−メチル−スフィンゴシンの効果をメチル化
されていないスフィンゴシンの効果と比較した。この比
較を第4図から第7図に示す。これらのデータから、下
記の結論が導かれる: (i)天然に産生されるスフィンゴ脂質から得られたN,
N−ジメチル−スフィンゴシン、N−モノメチル−スフ
ィンゴシンおよびN,N−ジメチルL−トレオ−スフィン
ゴシンは、インビトロにおけるヒト結腸癌細胞の成長に
対して強い阻害活性を示した。
(ii)天然に産生されるスフィンゴ脂質から得られたN,
N−ジメチル−スフィンゴシンは、ヌードマウスにおけ
るヒト腫瘍細胞のインビボの成長に対する統計学的に有
意な阻害効果を示した。
(iii)天然に産生されるスフィンゴ脂質から製造され
たN,N−ジメチル−スフィンゴシンは、ヒト末梢血リン
パ球およびマウス脾細胞のコンカナバリンAにより惹起
される有糸分裂誘発に対する強い阻害作用を示した。
(iv)天然に産生されるスフィンゴ脂質から製造された
N,N−ジメチル−スフィンゴシンは、ヒト末梢血リンパ
球およびマウス脾細胞のIL−2依存性有糸分裂誘発に対
する強い阻害作用を示した。
また、本発明者は、天然に産生されるスフィンゴ脂質
から製造されたN−メチル−スフィンゴシンが、種々の
治療に用いられる薬物として有用であることを見出し
た。
従って、本発明は、 (1)天然に産生されるスフィンゴ脂質から製造された
スフィンゴシン、天然に産生されるスフィンゴ脂質から
製造されたN−メチル−スフィンゴシンおよびそれらの
薬学的に許容される塩から選ばれた細胞成長阻害物質の
1種または2種以上の細胞成長阻害量および (2)薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤 を含有するヒトおよび動物細胞成長阻害剤を提供する。
同様に本発明は、ヒトまたは動物細胞を、天然に産生
されるスフィンゴ脂質から製造されたスフィンゴシン、
天然に産生されるスフィンゴ脂質から製造されたN−メ
チル−スフィンゴシンおよびそれらの薬学的に許容され
る塩から選ばれた細胞成長阻害物質の1種または2種以
上の細胞成長阻害量と接触させることを含むヒトおよび
動物細胞の成長を阻害する方法をも提供する。
上記の阻害剤および方法は、哺乳類細胞の治療および
悪性または良性腫瘍細胞の治療に特に適用できる。
また本発明は、 (1)天然に産生されるスフィンゴ脂質から製造された
スフィンゴシン、天然に産生されるスフィンゴ脂質から
製造されたN−メチル−スフィンゴシンおよびそれらの
薬学的に許容される塩から選ばれた細胞成長阻害物質の
1種または2種以上の細胞成長阻害量および (2)薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤 を含有するインビボにおけるヒトおよび動物腫瘍成長阻
害剤を提供する。
同様に本発明は、インビボにおいてヒトまたは動物腫
瘍を、天然に産生されるスフィンゴ脂質から製造された
スフィンゴシン、天然に産生されるスフィンゴ脂質から
製造されたN−メチル−スフィンゴシンおよびそれらの
薬学的に許容される塩から選ばれた細胞成長阻害物質の
1種または2種以上の細胞成長阻害量と接触させること
を含むヒトおよび動物腫瘍の成長を阻害する方法をも提
供する。
インビボでのヒトおよび動物腫瘍の成長を阻害するた
めの上記の製剤および方法は、哺乳類腫瘍の治療および
良性および悪性腫瘍の治療に特に適用できる。
また本発明は、 (1)天然に産生されるスフィンゴ脂質から製造された
スフィンゴシン、天然に産生されるスフィンゴ脂質から
製造されたN−メチル−スフィンゴシンおよびそれらの
薬学的に許容される塩から選ばれた細胞成長阻害物質の
1種または2種以上の細胞成長阻害量および (2)薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤 を含有するヒトおよび動物腫瘍転移阻害剤を提供する。
同様に本発明は、インビボにおいてヒトまたは動物腫
瘍を、天然に産生されるスフィンゴ脂質から製造された
スフィンゴシン、天然に産生されるスフィンゴ脂質から
製造されたN−メチル−スフィンゴシンおよびそれらの
薬学的に許容される塩から選ばれた細胞成長阻害物質の
1種または2種以上の細胞成長阻害量と接触させること
を含むヒトおよび動物腫瘍の転移を阻害する方法をも提
供する。
ヒトおよび動物腫瘍の転移を阻害するための上記の製
剤および方法は、哺乳類腫瘍の治療よおび良性および悪
性腫瘍の治療に特に適用できる。
また本発明は、 (1)天然に産生されるスフィンゴ脂質から製造された
スフィンゴシン、天然に産生されるスフィンゴ脂質から
製造されたN−メチル−スフィンゴシンおよびそれらの
薬学的に許容される塩から選ばれた細胞成長阻害物質の
1種または2種以上の細胞阻害量および (2)薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤 を含有する、少なくとも一部はリンパ球有糸分裂誘発に
よるヒトおよび動物の免疫応答の阻害剤を提供する。
同様に本発明は、リンパ球を、天然に産生されるスフ
ィンゴ脂質から製造されたスフィンゴシン、天然に産生
されるスフィンゴ脂質から製造されたN−メチル−スフ
ィンゴシンおよびそれらの薬学的に許容される塩から選
ばれた細胞成長阻害物質の1種または2種以上の細胞成
長阻害量と接触させることを含む、少なくとも一部はリ
ンパ球有糸分裂誘発によるヒトおよび動物の免疫応答を
阻害する方法をも提供する。
少なくとも一部はリンパ球有糸分裂誘発によるヒトお
よび動物の免疫応答を阻害するための上記の製剤および
方法は、コンカナバリンAにより惹起されるリンパ球有
糸分裂誘発およびフィトヘムアグルチニンAにより惹起
されるリンパ球有糸分裂誘発に特に適用できる。
また、少なくとも一部はリンパ球有糸分裂誘発による
ヒトおよび動物の免疫応答を阻害するための上記の製剤
および方法は、自己免疫応答にも適用でき、特にコンカ
ナバリンAにより惹起されるリンパ球有系分裂誘発およ
びフィトヘムアグルチニンAにより惹起されるリンパ球
有糸分裂誘発およびIL−2に依存するT細胞成長による
自己免疫応答に特に適用できる。
少なくとも一部はリンパ球有糸分裂誘発によるヒトお
よび動物の免疫応答を阻害するための上記の製剤および
方法は、哺乳類における免疫応答に特に適用できる。
また本発明は、 (1)天然に産生されるスフィンゴ脂質から製造された
スフィンゴシン、天然に産生されるスフィンゴ脂質から
製造されたN−メチル−スフィンゴシンおよびそれらの
薬学的に許容される塩から選ばれた細胞成長阻害物質の
1種または2種以上の細胞成長阻害量および (2)薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤 を含有する、少なくとも一部は顆粒球および/またはリ
ンパ球有糸分裂誘発によるヒトおよび動物の炎症反応の
阻害剤を提供する。
同様に本発明は、顆粒球および/またはリンパ球を、
天然に産生されるスフィンゴ脂質から製造されたフィン
ゴシン、天然に産生されるスフィンゴ脂質から製造され
たN−メチル−スフィンゴシンおよびそれらの薬学的に
許容される塩から選ばれた細胞成長阻害物質の1種また
は2種以上の細胞阻害量と接触させることを含む、少な
くとも一部は顆粒球および/またはリンパ球有糸分裂誘
発によるヒトおよび動物の炎症反応を阻害する方法をも
提供する。
少なくとも一部は顆粒球および/またはリンパ球有糸
分裂誘発によるヒトおよび動物の炎症反応を阻害するた
めの上記の製剤および方法は、哺乳類における炎症反応
に特に適用でき、特にコンカナバリンAにより惹起され
るリンパ球有糸分裂誘発およびフィトヘムアグルチニン
Aにより惹起されるリンパ球有糸分裂誘発による炎症反
応に適用できる。
天然に産生されるスフィンゴ脂質から製造されたスフ
ィンゴシンおよびN−メチル−スフィンゴシンに関する
上記全てのの製剤および方法について、天然に産生され
るスフィンゴ脂質から製造されたN,N−ジメチル−スフ
ィンゴシン、天然に産生されるスフィンゴ脂質から製造
されたN−モノメチル−スフィンゴシンおよびそれらの
薬学的に許容される塩が好ましく、なかでも天然に産生
されるスフィンゴ脂質から製造されたN,N−ジメチル−
スフィンゴシンおよびその薬学的に許容される塩が特に
好ましい。
また、腫瘍細胞および腫瘍の成長阻害並びに腫瘍の転
移阻害のためには、本発明の製剤および方法は、マイト
マイシン、5−フルオロウラシルなどの既存の化学療法
剤と併用するとき、特に有効であると予測される。
合成的に製造されたスフィンゴシン、合成的に製造さ
れたN−メチル−スフィンゴシン、天然に産生されるス
フィンゴ脂質から製造されたスフィンゴシンおよび天然
に産生されるスフィンゴ脂質から製造されたN−メチル
−スフィンゴシンの薬学的に許容される適当な塩は、当
業者にとって自明である。
本発明の製剤に用いられる適当な薬学的に許容される
担体、希釈剤または賦形剤は、製剤の用法に依存し、当
業者にとって自明である。
本発明の製剤の投与方法は、用法により定まり、当業
者にとって自明である。
本発明の薬剤の適当な用量は、用法、患者の体重など
に依存し、当業者にとって自明である。例えば、天然に
産生されるスフィンゴ脂質から製造されたスフィンゴシ
ンおよび合成的に製造されたN−メチル−スフィンゴシ
ンについては第2図および第1表に記載されるようなイ
ンビトロのデータなどから、天然に産生されるスフィン
ゴ脂質から製造されたN−メチル−スフィンゴシンにつ
いては第4図に示されるようなインビトロのデータなど
から、天然に産生されるスフィンゴ脂質から製造された
N−メチル−スフィンゴシンについては第5図に示され
るようなインビボのデータなどからの外挿法により、用
量を決定することができる。
実 施 例 下記に実施例を挙げて、本発明を説明するが、本発明
はこれに限定されるものではない。
特にことわらない限り、全ての%、割合などは重量に
よる。
実施例1 合成的に得られたスフィンゴシン誘導体の合成 D(+)−エリスロ−スフィンゲニン、L(−)−エ
リスロ−スフィンゲニン、L(−)−トレオ−スフィン
ゲニンおよびL(−)−トレオ−スフィンガニンを、前
述したように合成した(コイケ ケイ)(Koike K)ら,
Carbohydrate Research,158,113−123,1986:コイケ ケ
イら,“An efficient synthesis of ceramide from D
−Glucose",Glycoconjugate Journal,,107−109,198
4)。N,N−ジメチル誘導体は、ホルムアルデヒドおよび
水素化ナトリウムの存在下に、エリスロ−スフィンゲニ
ンの還元メチル化により製造された(ミーンズ(Mean
s)およびフィーニイ(Feeney),Biochemstry,,2192,
1968;“Chemical Modification of Proteins",ホールデ
ン−デイ,インコーポレーテッド(Holden−Day,Inc.)
サンフランシスコ,p217,1971)。
また、合成的に製造された基本骨格スフィンゲニン、
即ちD(+)−エリスロ−スフィンゲニンおよびL
(−)−エリスロ−スフィンゲニンは、L−セリンを出
発物質とするか(ラデュンツ エイチ−イー(Radunz H
−E)、デヴァント アール エム(Devnat R M)、ア
イアーマン ヴイ(Eiermann V),Liebigs Ann Chem,11
03−1105,1988;ムニカー エス(Nimkar S)、セナルデ
ィノ ディ(Senaldino D)、メリル エー エイチ(M
erril A H)、リオッタ ディ(Liotta D),Tetrahedro
n Lett,29,3037−3040,1988;ヘロルド ピー(Herold
P)、Helvetica Chimica Acta,71,354−362,1988)或い
はD−グルコースを出発物質とする(コイケ ケイら、
同上)ことによっても製造できる。
比較のため、粗スフィンゴシンが、ティアフェルダー
(Tierfelder)およびクレンク(Klenk)の方法(“セ
レブロシドとホスファチドの化学(Die Chemie de Cere
broside und Phosphatide)”、スプリンゲア フェア
ラーク(Springer Veralag)、ベルリン、1932)に従っ
て、セレブロシドをメタノール分解することにより製造
された。
N,N−ジメチル−スフィンゴシン誘導体の構造は、NMR
スペクトル分析およびファブ質量分析により確認され
た。
実施例 2 スフィンゴシンおよび合成的に製造されたスフィンゴシ
ン誘導体のC−キナーゼ活性阻害の測定A431細胞からの
C−キナーゼの単離 A431細胞を、10%牛胎児血清(FCS)を補われたハム
のF−12培地とDMEとの混合物(重量割合1:1)中で成長
させた。C−キナーゼの部分精製のために、クロイッタ
ー(Kreutter)らの方法により(JBC,262,1633−1637,1
987)、50個の直径150cmの培養皿から集めた細胞を同時
に処理した。簡単に述べれば、細胞をゴム製ポリスマン
でかきとって、20mMトリス塩酸(pH7.5)、2mM EDTA、
0.5mM EGTA、0.15U/mlアプロチニンおよび0.25Mショ糖
からなる混合物50mlに懸濁した。デュンス ホモジェナ
イザー(Dounce Homogenizer、大きさ40−ml、フィート
ン(Wheaton)製)中で4℃にて50回ストロークさせる
ことにより、懸濁液を均質化した。均質化した細胞を10
0000gで60分間遠心分離した。20mMトリス−塩酸(pH7.
5)−2mM EDTA−0.5mM EGTA(緩衝液B)で平衡化させ
たDE52カラムにて上清みを精製して、同じ緩衝液で十分
に洗浄した。C−キナーゼ活性は、0.1MNaClを含有する
緩衝液Bと共に溶離した。このフラクション中の活性
は、200〜500pmol P/分/mg蛋白質であった。A−キナー
ゼおよび他のキナーゼを含有しない該フラクションは、
分別され、−80℃に保持された。
スフィンゴシンおよびスフィンゴシン誘導体のC−キナ
ーゼに及ぼす阻害効果の測定 ベル(Bell)およびハンナン(Hannun)(サイエンス
(Science),235,670−674,1987)により公表されてい
るように、混合されたミセル系で得られた非常に様々の
結果に鑑みて、クロイッター(Kreutter)らによる標準
リポソーム法(JBC,260,5979−5986,1985)をやや改変
して、スフィンゴシンおよびスフィンゴシン誘導体(非
グリコシル化およびグリコシル化)を下記の条件で試験
した。三角チューブ(容量1.5ml、サアステット(Sarst
edt)製)中で、適量のスフィンゴシン(後記実施例3
に記載されるように、天然に産生されるスフィンゴ脂質
から製造されたスフィンゴシン)、その誘導体またはス
ルファチドの存在下あるいは不在下に、ホスファチジル
セリン(5μg/チューブ)および1,2−ジオレイン(0.0
5μg/チューブ)を有機溶媒(エタノールまたはクロロ
ホルム−メタノール)中に加えて、混合物を窒素気流下
に蒸留した。脂質混合物を20mMトリス−塩酸(pH7.5)3
0μ中で30分間超音波処理した。チューブ中のイポソ
ームは、上記反応混合物で補われ、25mM トリス−塩酸
(pH7.5)、10mM 塩化マグネシウム、400μM ETDA、50
μM EGTA、500μM塩化カルシウム、200μg/mlヒストン
III−Sおよび20μM γ−[32P]−ATP(2×106cpm)
から成り、最終容量90μであった。
上記と同様にして得られたC−キナーゼフラクション
10μ(1〜2μg蛋白質含有)を加えることにより、
反応を開始した。反応混合物を30℃にて10分間培養し
た。1%BSAを含有する1mM ATP溶液(pH7.5)200μ
とともに25%TCA1mlを加えることにより、反応を終了さ
せた。沈澱物を遠心分離し、25%TCA1mlで2度洗浄し、
僅かに加熱しつつ(80℃、10分間)、0.1%デオキシコ
ール酸塩を含有する1N水酸化ナトリウム1ml中に溶解し
て、シンチレーションカウンターで計数した。ホスファ
チジルセリン、1,2−ジオレインまたはCa++を用いない
値を対照値とした。スフィンゴシンおよびスフィンゴシ
ン誘導体の効果を第2図および第3図に示し、下記第I
表および第II表に要約した。
第I表および第II表に示されるデータおよび第2図お
よび第3図に示される結果から、下記の結論が導かれ
る。
1.合成的に製造されたD−エリスロおよびL−エリスロ
−スフィンゲニンは、類似の弱い阻害活性を示した。
2.合成的に製造されたN,N−ジメチル−D−エリスロ−
スフィンゲニンおよび天然に産生されるスフィンゴ脂質
から製造されたスフィンゴシンのみが極めて強いC−キ
ナーゼ阻害活性を示した。N,N−ジメチル−L−エリス
ロ−スフィンゲニンはより弱い阻害活性を示したが、遊
離アミノ基を有する置換されていないスフィンゲニンよ
りもさらに強い阻害活性を示した。
3.合成的に製造されたN,N−ジメチル−D−エリスロ−
スフィンゲニンの阻害活性は、N−アセチル−GM3、N
−グリコリル−GM3およびGD1aガングリオシドよりも高
かったが、最も強力な阻害活性を有するガングリオシド
GT1bと同程度の阻害活性を示した。
実施例3 天然に産生されるスフィンゴ脂質から製造されたスフィ
ンゴシン誘導体の合成 ティアフェルダー エイチ(Thierfelder H)および
クレンク イー(Klenk E)の方法(“Die Chemie der
Cerebroside und Phosphatide",J.Springer,ベルリン、
1930)並びにゲイヴァー アール シー(Gaver R C)
およびスウィーリー シー シー(Sweeley C C)によ
る上記の改良方法(J.Am.Oil Chem.Soc.,42,294−298,1
965)に従って、脳スフィンゴ脂質フラクションを加水
分解した後、スフィンゴシンを製造した。簡単に述べれ
ば、粗スフィンゴ脂質を0.1M塩酸(濃縮塩酸水溶液から
製造)を含有するメタノールに溶解して、還流下に一晩
加熱した。メタノール性塩酸溶液を石油エーテル(ヘキ
サン)とともに振とうして、脂肪酸を除去した。下層を
中和し、水酸化ナトリウムでpH10に調整し、エチルエー
テルととともに振とうした。スフィンゴシン塩基を含有
するエチルエーテル層(上層)を蒸発乾固し、さらにHP
LCで精製して、D−エリスロスフィンゲニンに対応する
ピークを単離した。
また、スフィンゴシンは、グリコシダーゼおよびホス
ホジエステラーゼでスフィンゴ脂質を加水分解して、セ
ラミダーゼで処理することによっても製造できる(カン
ファー ジェィ エヌ(Kanfer J N),pp167−247、カ
ンファー ジェイ エヌ(Kanfer J N)およびハコモリ
エス(Hakomori S)編集、“スフィンゴ脂質の生化学
(Shingolipid Biochemistry)”、Handbook of Lipid
Research,vol.3、プレナム(Plenum)、ニューヨーク、
1983)。簡単に述べれば、セレブロシドは、トリトンX
−100の存在下にβ−ガラクトシダーゼまたはβ−グル
コシダーゼで処理することができる。スフィンゴミエリ
ンは、トリトンX−100の存在下にホスホジエステラー
ゼで処理することができる。従って、次いで、遊離した
セラミドをセラミダーゼで加水分解して、スフィンゴシ
ンを遊離する。もっと最近に、スフィンゴ脂質に直接的
に作用するセラミドがノカルディア(Nocardia)族に発
見された(ヒラバヤシ ワイ(Hirabayashi Y)ら、ジ
ャーナル オブ バイオケミストリー(東京)(J.Bioc
hem.),103,1−4,1988)。
実施例4〜7に用いられたN,N−ジメチルおよびN−
モノメチル−スフィンゴシンは、専ら脳スフィンゴ脂質
由来のスフィンゴシン製剤を原料として、ホルムアルデ
ヒドと水素化ナトリウムの存在下にN−メチル化するこ
とによって製造され(ミーンズ ジー イーおよびフィ
ーニイ アール イー、Biochemistry,,2192−2201,1
968)、その構造は質量分析および1H−NMRスペクトル分
析により確認された。
実施例4 スフィンゴシンおよび天然に産生されるスフィンゴ脂質
から製造されたスフィンゴシン誘導体によるヒト結腸癌
細胞成長阻害の測定 N,N−ジメチル−スフィンゴシン、N−モノメチル−
スフィンゴシンおよびN,N−ジメチル−L−トレオ−ス
フィンゴシン(全ての化合物は、実施例3に従って、天
然に産生されるスフィンゴ脂質から製造された)につい
て、ヒト結腸癌細胞HRT−18(ATCCから入手)の成長に
及ぼす影響をダルベッコのイーグル修飾培地(Dulbecc
o's modified Eagle's medium)中で下記の通りに試験
した。
10%FCSを補われたダルベッコのイーグル修飾培地の
プレートにHRT−18細胞を植えた(5×105細胞/3cmプレ
ート)。細胞を一晩培養した後、第4図に示すように、
種々の濃度のN,N−ジメチル−スフィンゴシン、N−モ
ノメチル−スフィンゴシン、N−アセチルスフィンゴシ
ンまたはセラミドを含有する同一培地で置換した。3日
間培養を続けて、細胞数を数えた。試薬の存在下におけ
る細胞数の阻害率をスフィンゴシン誘導体を含有しない
対照培養皿の百分率として計算した。
結果を第4図に示す。
第4図において、横軸はスフィンゴシンまたはセラミ
ドの濃度をμMで表わし、縦軸は細胞成長の相対的阻害
率(%)で表わした。白丸:セラミド(Cer);白三角:
N−アセチルスフィンゴシン(NAc);黒四角:天然に産
生されるスフィンゴ脂質から製造されたN,N−ジメチル
−スフィンゴシン(N,N−DiMe);黒丸:天然に産生さ
れるスフィンゴ脂質から製造されたN−モノメチル−ス
フィンゴシン(N−MonoMe);白四角:天然に産生され
るスフィンゴ脂質から製造されたN,N−ジメチル−L−
トレオ−スフィンゴシン(N,N−DiMe−L−トレオ)。
N,N−ジメチル−スフィンゴシン並びにN−モノメチ
ル−スフィンゴシンおよびN,N−ジメチル−L−トレオ
−スフィンゴシンは、12.5μMで有意な阻害活性を示し
たが、セラミドまたはN−アセチルスフィンゴシンは、
150μMでも最低の阻害活性しか示さなかった。
実施例5 スフィンゴシンおよび天然に産生されるスフィンゴ脂質
から製造されたN,N−ジメチル−スフィンゴシンによる
ヌードマウスにおけるヒト結腸癌細胞の成長阻害の測定 N,N−ジメチル−スフィンゴシン(実施例3に従っ
て、天然に産生されるスフィンゴ脂質から製造された)
によるヌードマウスにおけるHRT18腫瘍細胞のインビボ
での成長に及ぼす影響を下記の通りに測定した。
0日目に、HRT−18ヒト結腸癌細胞1×106個を公知の
方法によりヌードマウスに接種した。リン酸緩衝生理食
塩水(PBS)に乳化させたN,N−ジメチル−スフィンゴシ
ン(44μg/200μl)を7,11および15日目に注射した。
腫瘍成長重量(mg)を腫瘍の大きさから算出した。各群
は10匹で構成されていた。
結果を第5図に示す。
第5図において、横軸は日数を表わし、縦軸は腫瘍重
量(mg)を表わす。白丸はPBSのみの対照を示す。黒丸
はN,N−ジメチル−スフィンゴシン(N,N−DiMe)を示
す。
結果から、ヌードマウスにおけるHRT18腫瘍細胞のイ
ンビボでの成長が、N,N−ジメチル−スフィンゴシンに
より阻害されることがわかった。成長阻害率は50%より
も高く、統計処理により、その阻害が有意であることが
わかった(p>0.005)。
実施例6 天然に産生されるスフィンゴ脂質から製造されたN,N−
ジメチル−スフィンゴシンによる、ヒト末梢血リンパ球
およびマウス脾細胞のコンカナバリンAにより惹起され
る有糸分裂誘発に対する阻害の測定 コンカナバリンA(con−A)に対するN,N−ジメチル
−スフィンゴシン(実施例3の記載に従って、天然に産
生されるスフィンゴ脂質から製造された)の効果を、ヒ
ト末梢血リンパ球およびマウス脾細胞を用いて試験し
た。
公知の方法によりヒト血から単離した末梢血リンパ球
を増殖ウェル(multiple wells)内のcon−A2μg/mlを
含有するPRMI中で18時間培養した。次いで、第6図に示
すように、種々の濃度のN,N−ジメチル−スフィンゴシ
ン、スフィンゴシンまたはN−アセチルスフィンゴシン
を培地に添加して、5時間培養を続け、3H−チミジンを
加えた。5時間に亘るチミジン摂取を測定した。有糸分
裂誘発の阻害率(%)を対照値(阻害物質を添加してい
ない)に基づいて計算した。
マウス脾細胞のcon−Aにより惹起される有糸分裂誘
発の阻害を同様の方法で測定した。
末梢血リンパ球の結果を第6図に示す。
第6図において、横軸は、天然に産生されるスフィン
ゴ脂質から製造されたN,N−ジメチル−スフィンゴシン
(N、N−DiMe:黒丸)、スフィンゴシン(白三角)ま
たはN−アセチルスフィンゴシン(NAc:白丸)をμMで
表わす。縦軸は、DNA合成の相対的阻害を%で表わす。
第6図のデータは、コンカナバリンA依存性成長刺激
が、N,N−ジメチル−スフィンゴシンの存在下に大きく
阻害されるが、置換されていないスフィンゴシンまたは
N−アセチルスフィンゴシンの存在下では阻害されなか
ったことを示す。
同様の結果がマウス脾細胞でも得られた。
実施例7 天然に産生されるスフィンゴ脂質から得られたN,N−ジ
メチル−スフィンゴシンによる、ヒト末梢血リンパ球お
よびマウス脾細胞のIL−2依存性有糸分裂誘発の阻害の
測定 N,N−ジメチル−スフィンゴシン(実施例3に従っ
て、天然に産生されるスフィンゴ脂質から得られた)の
IL−2依存性有糸分裂誘発に及ぼす影響をヒト末梢血リ
ンパ球およびマウス脾細胞を用いて試験した。
公知方法によりヒト血から単離されたヒト末梢血リン
パ球をIL−2 0.5U/mlを含有するRPMI中で培養した。
次いで、第7図に示される様に、種々の濃度のN,N−ジ
メチル−スフィンゴシン、スフィンゴシンまたはN−ア
セチルスフィンゴシンを含有する培地で上記培地を置換
した後、3H−チミジンを加えた。5時間に亘って、DNA
内への3H−チミジンの取込みにより、有糸分裂誘発を測
定した。対照値(阻害物質を添加していない)と比較し
て阻害率を測定した。
マウス脾細胞におけるIL−2により惹起される有糸分
裂誘発の阻害を同様に測定した。
末梢血リンパ球の結果を第7図に示す。
第7図において、横軸は、天然に産生されるスフィン
ゴ脂質から製造されたN,N−ジメチル−スフィンゴシン
(N,N−DiMe:黒丸)、スフィンゴシン(白三角)または
N−アセチルスフィンゴシン(NAc:白丸)をμMで表わ
す。縦軸は、DNA合成の相対的阻害を%で表わす。
第7図のデータから、有糸分裂誘発は、N,N−ジメチ
ル−スフィンゴシンの存在下では常に阻害されるが、置
換されていないスフィンゴシンまたはN−アセチルスフ
ィンゴシンの存在下では阻害されにくいことがわかる。
マウス脾細胞でも同様の結果が得られた。
実施例4〜7の結果から、下記の結論が導かれた: 1.N,N−ジメチル−スフィンゴシン、N−モノメチル−
スフィンゴシンおよび天然に産生されるスフィンゴ脂質
から製造されたN,N−ジメチル−L−トレオ−スフィン
ゴシンは、インビトロにおけるヒト結腸癌細胞の成長に
対する強い阻害活性を示した。
2.天然に産生されるスフィンゴ脂質から製造されたN,N
−ジメチル−スフィンゴシンは、ヌードマウスにおける
ヒト腫瘍細胞のインビボでの成長に対して、統計学的に
有意な阻害効果を示した。
3.天然に産生されるスフィンゴ脂質から製造されたN,N
−ジメチル−スフィンゴシンは、ヒト末梢血リンパ球お
よびマウス脾細胞において、コンカナバリンAにより惹
起される有糸分裂誘発に対する強い阻害作用を示した。
4.天然に産生されるスフィンゴ脂質から製造されたN,N
−ジメチル−スフィンゴシンは、ヒト末梢血リンパ球お
よびマウス脾細胞のIL−2依存性有糸分裂誘発に対し
て、強い阻害作用を示した。
上記に特定の実施態様を挙げて、本発明を詳しく説明
したが、本発明の目的および趣旨の範囲を越えない程度
において、種々の改変などを行ってもよいことは当業者
にとって自明である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、スフィンゴシンおよび種々の合成的に製造さ
れたスフィンゴシン誘導体の構造を示す。 第2図は、スフィンゴシンおよび種々の合成的に製造さ
れたスフィンゴシン誘導体のC−キナーゼ活性に対する
阻害効果を示すグラフである。横軸は、スフィンゴシ
ン、合成的に製造されたスフィンゴシン誘導体、天然に
産生されるスフィンゴ脂質から製造されたスフィンゴシ
ンまたはスルファチドの濃度をμMで表わす。縦軸は、
C−キナーゼの相対活性を%で表わす。黒丸:合成的に
製造されたN,N−ジメチル−D−エリスロ−スフィンゲ
ニン(N,N−DiMe−D−エリスロ)または天然に産生さ
れるスフィンゴ脂質から製造されたスフィンゴシン(ス
フィンゴシン);白丸:N,N−ジメチル−L−エリスロ−
スフィンゲニン(N,N−DiMe−L−エリスロ);黒四角:
L−エリスロ−スフィンゲニン(L−エリスロ);白四
角:D−エリスロ−スフィンゲニン(D−エリスロ);白
三角:スルファチド。 第3図は、ガングリオシドおよびスルファチドのC−キ
ナーゼの活性に対する阻害効果を示すグラフである。横
軸は、ガングリオシドまたはスルファチドの濃度をμM
で表わす。縦軸は、C−キナーゼの相対活性を%で表わ
す。黒丸:GT1b;白丸:GM3;白三角:スルファチド。糖脂
質はスヴェンナーホルム,エル.(Svennerholm,L.)の
システム(ジャーナル オブ ニュウロケミストリー
(J.Neurochem.),10,613−623,1963)に従って略号化
する。 第4図は、天然に産生されるスフィンゴ脂質から製造さ
れたN−メチル−スフィンゴシンのヒト結腸癌細胞HRT
−18の成長に及ぼす影響を示すグラフである。横軸は、
スフィンゴシン誘導体またはセラミドの濃度をμMで表
わす。縦軸は、細胞成長の相対的阻害を%で表わす。白
丸:セラミド(cer);白三角:N−アセチルスフィンゴ
シン(NAc);黒四角:天然に産生するスフィンゴ脂質
から得られたN,N−ジメチル−スフィンゴシン(N,N−Di
Me);黒丸:天然に産生するスフィンゴ脂質から得られ
たN−モノメチルスフィンゴシン(N−MonoMe);白四
角:天然に産生するスフィンゴ脂質から得られたN,N−
ジメチル−L−トレオ−スフィンゴシン(N,N−DiMe−
L−トレオ)。 第5図は、天然に産生するスフィンゴ脂質から得られた
N,N−ジメチル−スフィンゴシン(N,N−DiMe)によるヌ
ードマウスにおけるヒト癌細胞の成長阻害を示すグラフ
である。横軸は日を表わす。縦軸は腫瘍重量(mg)を表
わす。対照は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)であっ
た。 第6図は、天然に産生するスフィンゴ脂質から得られた
N,N−ジメチル−スフィンゴシンによるヒト末梢血リン
パ球のコンカナバリンAにより惹起される有糸分裂誘発
の阻害を示すグラフである。横軸は、天然に産生される
スフィンゴ脂質から得られたN,N−ジメチル−スフィン
ゴシン(N,N−DiMe:黒丸)、スフィンゴシン(白三角)
またはN−アセチルスフィンゴシン(NAc:白丸)をμM
で表わす。縦軸は、DNA合成の相対的阻害を%で表わ
す。 第7図は、天然に産生するスフィンゴ脂質から得られた
N,N−ジメチル−スフィンゴシンによるヒト末梢血リン
パ球のIL−2惹起有糸分裂誘発の阻害を示すグラフであ
る。横軸は、天然に産生されるスフィンゴ脂質から製造
されたN,N−ジメチル−スフィンゴシン(N,N−DiMe:黒
丸)、スフィンゴシン(白三角)またはN−アセチルス
フィンゴシン(NAc:白丸)をμMで表わす。縦軸は、DN
A合成の相対的阻害を%で表わす。
フロントページの続き (73)特許権者 999999999 メクト株式会社 東京都新宿区新宿6丁目28番1号 (72)発明者 ヤスユキ イガラシ アメリカ合衆国 98004 ワシントン州 エヌ.イー.ベレヴュ ナインティー シックスス アベニュ 2423 (72)発明者 タツシ トヨクニ アメリカ合衆国 98119 ワシントン州 シアトル スウィート 105 エリオ ット アベニュ ウェスト 201 ザ バイオメンブレン インスティーテュー ト内 (72)発明者 センイチロウ ハコモリ アメリカ合衆国 98040 ワシントン州 マーサー アイランド エイティス サウス イースト 2024 (72)発明者 エフライム ラッカー アメリカ合衆国 14853 ニューヨーク 州 イサーカ コーネル ユニバーシテ ィ バイオテック 239 ディパートメ ント オブ バイオケミストリー内 (72)発明者 シュウジ フジタ 日本国東京都立川市柏町2―17―3 メ ゾン ド ロイヤル206 (72)発明者 マモル スギモト 日本国 トウキョウト ナカノク カミ タカダ 1‐チョウメ 26‐8 (72)発明者 マサヨシ イトウ 日本国東京都国立市富士見台1丁目27― 22―303 (72)発明者 ヨシヤス シトリ 日本国東京都新宿区西新宿6丁目12番6 ―1307号 (72)発明者 トモヤ オガワ 日本国東京都武蔵野市吉祥寺北町3―6 ―6―3―101 (56)参考文献 国際公開88/1869(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61K 31/13 CA(STN) MEDLINE(STN)

Claims (62)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記成分 (1)合成的に製造されたN−メチル−スフィンゴシン
    およびそれらの薬学的に許容される塩から選ばれた細胞
    成長阻害物質の1種または2種以上の細胞成長阻害量お
    よび (2)薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤 を含有することを特徴とするヒト細胞および動物細胞の
    成長阻害剤。
  2. 【請求項2】合成的に製造されたN,N−ジメチル−D−
    エリスロ−スフィンゲニン、合成的に製造されたN,N−
    ジメチル−L−エリスロ−スフィンゲニンおよびそれら
    の薬学的に許容される塩から選ばれた細胞成長阻害物質
    の1種または2種以上を含有する請求項1に記載の細胞
    成長阻害剤。
  3. 【請求項3】合成的に製造されたN,N−ジメチル−D−
    エリスロ−スフィンゲニンおよびその薬学的に許容され
    る塩から選ばれた細胞成長阻害物質の1種または2種以
    上を含有する請求項2に記載の細胞成長阻害剤。
  4. 【請求項4】哺乳類の細胞の成長を阻害する請求項1乃
    至3のいずれかに記載の成長阻害剤。
  5. 【請求項5】良性または悪性腫瘍細胞の成長を阻害する
    請求項1乃至3のいずれかに記載の細胞成長阻害剤。
  6. 【請求項6】下記成分 (1)合成的に製造されたN−メチル−スフィンゴシン
    およびそれらの薬学的に許容される塩から選ばれた細胞
    成長阻害物質の1種または2種以上の細胞成長阻害量お
    よび (2)薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤 を含有することを特徴とするヒトおよび動物の腫瘍成長
    阻害剤。
  7. 【請求項7】合成的に製造されたN,N−ジメチル−D−
    エリスロ−スフィンゲニン、合成的に製造されたN,N−
    ジメチル−L−エリスロ−スフィンゲニンおよびそれら
    の薬学的に許容される塩から選ばれた細胞成長阻害物質
    の1種または2種以上を含有する請求項6に記載の腫瘍
    成長阻害剤。
  8. 【請求項8】合成的に製造されたN,N−ジメチル−D−
    エリスロ−スフィンゲニンおよびその薬学的に許容され
    る塩から選ばれた細胞成長阻害物質の1種または2種以
    上を含有する請求項7に記載の腫瘍成長阻害剤。
  9. 【請求項9】哺乳類腫瘍の成長を阻害する請求項6乃至
    8のいずれかに記載の腫瘍成長阻害剤。
  10. 【請求項10】良性または悪性腫瘍の成長を阻害する請
    求項6乃至8のいずれかに記載の腫瘍成長阻害剤。
  11. 【請求項11】下記成分 (1)合成的に製造されたN−メチル−スフィンゴシン
    およびそれらの薬学的に許容される塩から選ばれた細胞
    成長阻害物質の1種または2種以上の細胞成長阻害量お
    よび (2)薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤 を含有することを特徴とする、インビボでのヒトおよび
    動物の腫瘍転移阻害剤。
  12. 【請求項12】合成的に製造されたN,N−ジメチル−D
    −エリスロ−スフィンゲニン、合成的に製造されたN,N
    −ジメチル−L−エリスロ−スフィンゲニンおよびそれ
    らの薬学的に許容される塩から選ばれた細胞成長阻害物
    質の1種または2種以上を含有する請求項11に記載の腫
    瘍転移阻害剤。
  13. 【請求項13】合成的に製造されたN,N−ジメチル−D
    −エリスロ−スフィンゲニンおよびその薬学的に許容さ
    れる塩から選ばれた細胞成長阻害物質の1種または2種
    以上を含有する請求項12に記載の腫瘍転移阻害剤。
  14. 【請求項14】哺乳類の腫瘍の転移を阻害する請求項11
    乃至13のいずれかに記載の腫瘍転移阻害剤。
  15. 【請求項15】良性または悪性腫瘍の転移を阻害する請
    求項11乃至13のいずれかに記載の腫瘍転移阻害剤。
  16. 【請求項16】下記成分 (1)合成的に製造されたN−メチル−スフィンゴシン
    およびそれらの薬学的に許容される塩から選ばれた細胞
    成長阻害物質の1種または2種以上の細胞成長阻害量お
    よび (2)薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤 を含有することを特徴とする、少なくとも一部はリンパ
    球有糸分裂誘発によるヒトおよび動物の免疫応答阻害
    剤。
  17. 【請求項17】合成的に製造されたN,N−ジメチル−D
    −エリスロ−スフィンゲニン、合成的に製造されたN,N
    −ジメチル−L−エリスロ−スフィンゲニンおよびそれ
    らの薬学的に許容される塩から選ばれた細胞成長阻害物
    質の1種または2種以上を含有する請求項16に記載の免
    疫応答阻害剤。
  18. 【請求項18】合成的に製造されたN,N−ジメチル−D
    −エリスロ−スフィンゲニンおよびその薬学的に許容さ
    れる塩から選ばれた細胞成長阻害物質の1種または2種
    以上を含有する請求項17に記載の免疫応答阻害剤。
  19. 【請求項19】哺乳類の免疫応答を阻害する請求項16乃
    至18のいずれかに記載の免疫応答阻害剤。
  20. 【請求項20】少なくとも一部はコンカナバリンAによ
    り惹起されるリンパ球有糸分裂誘発による免疫応答を阻
    害する請求項16乃至18のいずれかに記載の免疫応答阻害
    剤。
  21. 【請求項21】少なくとも一部はフィトヘムアグルチニ
    ンAにより惹起されるリンパ球有糸分裂誘発による免疫
    応答を阻害する請求項16乃至18のいずれかに記載の免疫
    応答阻害剤。
  22. 【請求項22】免疫応答が自己免疫応答である請求項16
    乃至18のいずれかに記載の免疫応答阻害剤。
  23. 【請求項23】自己免疫応答が、少なくとも一部はコン
    カナバリンAにより惹起されるリンパ球有糸分裂誘発に
    よるものである請求項22に記載の免疫応答阻害剤。
  24. 【請求項24】自己免疫応答が、少なくとも一部はフィ
    トヘムアグルチニンAにより惹起されるリンパ球有糸分
    裂誘発によるものである請求項22に記載の免疫応答阻害
    剤。
  25. 【請求項25】自己免疫応答が、少なくとも一部はIL−
    2依存性T細胞成長によるものである請求項22に記載の
    免疫応答阻害剤。
  26. 【請求項26】下記成分 (1)合成的に製造されたN−メチル−スフィンゴシン
    およびそれらの薬学的に許容される塩から選ばれた細胞
    成長阻害物質の1種または2種以上の細胞成長阻害量お
    よび (2)薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤 を含有することを特徴とする、少なくとも一部は顆粒球
    および/またはリンパ球有糸分裂誘発によるヒトおよび
    動物の炎症反応阻害剤。
  27. 【請求項27】合成的に製造されたN,N−ジメチル−D
    −エリスロ−スフィンゲニン、合成的に製造されたN,N
    −ジメチル−L−エリスロ−スフィンゲニンおよびそれ
    らの薬学的に許容される塩から選ばれた細胞成長阻害物
    質の1種または2種以上を含有する請求項26に記載の炎
    症反応阻害剤。
  28. 【請求項28】合成的に製造されたN,N−ジメチル−D
    −エリスロ−スフィンゲニンおよびその薬学的に許容さ
    れる塩から選ばれた細胞成長阻害物質の1種または2種
    以上を含有する請求項27に記載の炎症反応阻害剤。
  29. 【請求項29】哺乳類の炎症応答を阻害する請求項26乃
    至28のいずれかに記載の炎症反応阻害剤。
  30. 【請求項30】少なくとも一部はコンカナバリンAによ
    り惹起されるリンパ球有糸分裂誘発による炎症反応を阻
    害する請求項26乃至28のいずれかに記載の炎症反応阻害
    剤。
  31. 【請求項31】少なくとも一部はフィトヘムアグルチニ
    ンAにより惹起されるリンパ球有糸分裂誘発による炎症
    反応を阻害する請求項26乃至28のいずれかに記載の炎症
    反応阻害剤。
  32. 【請求項32】下記成分 (1)天然に産生されるスフィンゴ脂質から得られたN
    −メチル−スフィンゴシンおよびそれらの薬学的に許容
    される塩から選ばれた細胞成長阻害物質の1種または2
    種以上の細胞成長阻害量および (2)薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤 を含有することを特徴とするヒト細胞および動物細胞成
    長阻害剤。
  33. 【請求項33】天然に産生されるスフィンゴ脂質から得
    られたN,N−ジメチル−スフィンゴシン、天然に産生さ
    れるスフィンゴ脂質から得られたN−モノメチル−スフ
    ィンゴシンおよびそれらの薬学的に許容される塩から選
    ばれた細胞成長阻害物質の1種または2種以上を含有す
    る請求項32に記載の細胞成長阻害剤。
  34. 【請求項34】天然に産生されるスフィンゴ脂質から得
    られたN,N−ジメチル−スフィンゴシンおよびその薬学
    的に許容される塩から選ばれた細胞成長阻害物質の1種
    または2種以上を含有する請求項33に記載の細胞成長阻
    害剤。
  35. 【請求項35】哺乳類の細胞の成長を阻害する請求項32
    乃至34のいずれかに記載の成長阻害剤。
  36. 【請求項36】良性または悪性腫瘍細胞の成長を阻害す
    る請求項32乃至34のいずれかに記載の細胞成長阻害剤。
  37. 【請求項37】下記成分 (1)天然に産生されるスフィンゴ脂質から得られたN
    −メチル−スフィンゴシンおよびそれらの薬学的に許容
    される塩から選ばれた細胞成長阻害物質の1種または2
    種以上の細胞成長阻害量および (2)薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤 を含有することを特徴とするインビボでのヒトおよび動
    物の腫瘍成長阻害剤。
  38. 【請求項38】天然に産生されるスフィンゴ脂質から得
    られたN,N−ジメチル−スフィンゴシン、天然に産生さ
    れるスフィンゴ脂質から得られたN−モノメチル−スフ
    ィンゴシンおよびそれらの薬学的に許容される塩から選
    ばれた細胞成長阻害物質の1種または2種以上を含有す
    る請求項37に記載の腫瘍成長阻害剤。
  39. 【請求項39】天然に産生されるスフィンゴ脂質から得
    られたN,N−ジメチル−スフィンゴシンおよびその薬学
    的に許容される塩から選ばれた細胞成長阻害物質の1種
    または2種以上を含有する請求項38に記載の腫瘍成長阻
    害剤。
  40. 【請求項40】哺乳類腫瘍の成長を阻害する請求項37乃
    至39のいずれかに記載の腫瘍成長阻害剤。
  41. 【請求項41】良性腫瘍または悪性腫瘍の成長を阻害す
    る請求項37乃至39のいずれかに記載の腫瘍成長阻害剤。
  42. 【請求項42】下記成分 (1)天然に産生されるスフィンゴ脂質から得られたN
    −メチル−スフィンゴシンおよびそれらの薬学的に許容
    される塩から選ばれた細胞成長阻害物質の1種または2
    種以上の細胞成長阻害量および (2)薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤 を含有することを特徴とする、インビドでのヒトおよび
    動物の腫瘍転移阻害剤。
  43. 【請求項43】天然に産生されるスフィンゴ脂質から得
    られたN,N−ジメチル−スフィンゴシン、天然に産生さ
    れるスフィンゴ脂質から得られたN−モノメチル−スフ
    ィンゴシンおよびそれらの薬学的に許容される塩から選
    ばれた細胞成長阻害物質の1種または2種以上を含有す
    る請求項42に記載の腫瘍転移阻害剤。
  44. 【請求項44】天然に産生されるスフィンゴ脂質から得
    られたN,N−ジメチル−スフィンゴシンおよびその薬学
    的に許容される塩から選ばれた細胞成長阻害物質の1種
    または2種以上を含有する請求項43に記載の腫瘍転移阻
    害剤。
  45. 【請求項45】哺乳類の腫瘍の転移を阻害する請求項42
    乃至44のいずれかに記載の腫瘍転移阻害剤。
  46. 【請求項46】良性腫瘍または悪性腫瘍の転移を阻害す
    る請求項42乃至44のいずれかに記載の腫瘍転移阻害剤。
  47. 【請求項47】下記成分 (1)天然に産生されるスフィンゴ脂質から得られたN
    −メチル−スフィンゴシンおよびそれらの薬学的に許容
    される塩から選ばれた細胞成長阻害物質の1種または2
    種以上の細胞成長阻害量および (2)薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤 を含有することを特徴とする、少なくとも一部はリンパ
    球有糸分裂誘発によるヒトおよび動物の免疫応答阻害
    剤。
  48. 【請求項48】天然に産生されるスフィンゴ脂質から得
    られたN,N−ジメチル−スフィンゴシン、天然に産生さ
    れるスフィンゴ脂質から得られたN−モノメチル−スフ
    ィンゴシンおよびそれらの薬学的に許容される塩から選
    ばれた細胞成長阻害物質の1種または2種以上を含有す
    る請求項47に記載の免疫応答阻害剤。
  49. 【請求項49】天然に産生されるスフィンゴ脂質から得
    られたN,N−ジメチル−スフィンゴシンおよびその薬学
    的に許容される塩から選ばれた細胞成長阻害物質の1種
    または2種以上を含有する請求項48に記載の免疫応答阻
    害剤。
  50. 【請求項50】哺乳類の免疫応答を阻害する請求項47乃
    至49のいずれかに記載の免疫応答阻害剤。
  51. 【請求項51】少なくとも一部はコンカナバリンAによ
    り惹起されるリンパ球有糸分裂誘発による免疫応答を阻
    害する請求項47乃至49のいずれかに記載の免疫応答阻害
    剤。
  52. 【請求項52】少なくとも一部はフィトヘムアグルチニ
    ンAにより惹起されるリンパ球有糸分裂誘発による免疫
    応答を阻害する請求項47乃至49のいずれかに記載の免疫
    応答阻害剤。
  53. 【請求項53】免疫応答が自己免疫応答である請求項47
    乃至49のいずれかに記載の免疫応答阻害剤。
  54. 【請求項54】自己免疫応答が、少なくとも一部はコン
    カナバリンAにより惹起されるリンパ球有糸分裂誘発に
    よるものである請求項53に記載に免疫応答阻害剤。
  55. 【請求項55】自己免疫応答が、少なくとも一部はフィ
    トヘムアグルチニンAにより惹起されるリンパ球有糸分
    裂誘発によるものである請求項53に記載の免疫応答阻害
    剤。
  56. 【請求項56】自己免疫応答が、少なくとも一部はIL−
    2依存性T細胞成長によるものである請求項53に記載の
    免疫応答阻害剤。
  57. 【請求項57】下記成分 (1)天然に産生されるスフィンゴ脂質から得られたN
    −メチル−スフィンゴシンおよびそれらの薬学的に許容
    される塩から選ばれた細胞成長阻害物質の1種または2
    種以上の細胞成長阻害量および (2)薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤 を含有することを特徴とする、少なくとも一部は顆粒球
    および/またはリンパ球有糸分裂誘発によるヒトおよび
    動物の炎症反応阻害剤。
  58. 【請求項58】天然に産生されるスフィンゴ脂質から得
    られたN,N−ジメチル−スフィンゴシン、天然に産生さ
    れるスフィンゴ脂質から得られたN−モノメチル−スフ
    ィンゴシンおよびそれらの薬学的に許容される塩から選
    ばれた細胞成長阻害物質の1種または2種以上を含有す
    る請求項57に記載の炎症反応阻害剤。
  59. 【請求項59】天然に産生されるスフィンゴ脂質から得
    られたN,N−ジメチル−スフィンゴシンおよびその薬学
    的に許容される塩から選ばれた細胞成長阻害物質の1種
    または2種以上を含有する請求項58に記載の炎症反応阻
    害剤。
  60. 【請求項60】哺乳類の炎症応答を阻害する請求項57乃
    至59のいずれかに記載の炎症反応阻害剤。
  61. 【請求項61】少なくとも一部はコンカナバリンAによ
    り惹起されるリンパ球有糸分裂誘発による炎症反応を阻
    害する請求項57乃至59のいずれかに記載の炎症反応阻害
    剤。
  62. 【請求項62】少なくとも一部はフィトヘムアグルチニ
    ンAにより惹起されるリンパ球有糸分裂誘発による炎症
    反応を阻害する請求項57乃至59のいずれかに記載の炎症
    反応阻害剤。
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