JP2976012B2 - インターロック構造を有する高分子の製造方法 - Google Patents

インターロック構造を有する高分子の製造方法

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JP2976012B2
JP2976012B2 JP7199584A JP19958495A JP2976012B2 JP 2976012 B2 JP2976012 B2 JP 2976012B2 JP 7199584 A JP7199584 A JP 7199584A JP 19958495 A JP19958495 A JP 19958495A JP 2976012 B2 JP2976012 B2 JP 2976012B2
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polymer
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present
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interlock structure
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信之 玉置
悟 島田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は環がチェーン状に連
なった新しい構造の高分子の合成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高分子は産業、生活のあらゆる分野で従
来から広く用いられている。その主鎖構造はモノマーの
種類と重合様式の違いによって異なり、炭素の単結合、
二重結合、三重結合からなるもの、エステル、エーテ
ル、アミド結合のようにヘテロ元素が入っているもの、
ベンゼン環やヘテロ環が入っているもの等様々である。
さらに近年では主鎖に金属が入っている高分子も合成さ
れている。このような主鎖構造の違いは高分子の溶解
性、耐熱性、力学物性、光・電子物性に影響を与えるた
めに利用目的に応じた構造の高分子が合成され、利用さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これまで合成されてき
た高分子は専ら原子同士の様々な形の結合のみから構成
されており、マクロな世界で言う紐の構造を有している
もである。一方、マクロの世界ではチェーンの構造を有
する道具が頻繁に利用されているように、高分子の世界
でも分子の輪がオリンピックマークのようにインターロ
ックして無数に連なった高分子(図1参照)ができれば
力学的挙動、熱的挙動、溶解性、光・電子物性で興味深
い特性を示すであろうとの予測はあった。しかし、これ
までの技術では輪を最大5つチェーン状につなげた分子
を合成するにとどまっている(Angew.Chem.
Int.Ed.Engl.1994 33 No.4,
pp433〜437)。これまでの合成方法の問題点は
輪がインターロックした構造でつながる反応の収率が、
近年大幅に向上してはいるものの、62%以下であり、
従来の型の高分子の合成反応では、通常ほぼ100%で
合成する方法が開発されていることを考えると、極めて
不十分な値であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らはインターロ
ックした二つの環状ユニットのそれぞれに一つずつの官
能基を設けた二官能性の[2]カテナンに対し、前記官
能基と縮合もしくは重付加する二官能性モノマーを連結
ユニットとして用いることにより、インターロック・ユ
ニットと連結ユニットが交互に結合して連なり、あたか
も眼鏡型の分子がインターロックした形で重合した様な
構造の高分子が合成できることを見い出し、この知見に
基づき本発明をなすに至った。すなわち、本発明は、二
つの環状ユニットのそれぞれに一つずつのアミノ基を
能基として有する二官能性の[2]カテナンをアジピン
酸ジクロライドと縮合させることによる高分子の製造方
法を提供するものである。本発明で合成される高分子は
眼鏡型のユニットが高分子の構成単位すなわちモノマー
になっているものの、高分子中でそれらモノマーの間に
は何ら結合が存在しない全く新しい構造を有する高分子
である。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の反応スキームは図2に示される。本発明で使用
する二つの環状ユニットのそれぞれに一つずつのアミノ
基を官能基として有する二官能性[2]カテナンは例え
ばソバージュやストッダートが高収率で合成した[2]
カテナン(Tetrahedron Vol.46,N
o.2pp503〜512 1990及びAngew.
Chem.Int.Ed.Engl.28(1989)
No.10 pp 1396〜1399)にアミノ基を
付与したものなどが利用できるが特にそれらに限定され
るものではない。本発明の反応はまず、二つの環状ユニ
ットのそれぞれに一つずつのアミノ基を官能 基として有
する[2]カテナンに、例えばホウフッ化銅を反応させ
ることによって行われる。この反応は、溶媒中で行うの
が好ましい。この際の溶媒としては塩化メチレンやDM
Fのような非プロトン性溶媒が好適である。次いでこの
反応の生成物に、アジピン酸ジクロリドを反応させるこ
とによって行われる。この重縮合反応は、溶媒中、塩基
触媒の存在下で行うのが好ましい。この際の溶媒として
は塩化メチレンやヘキサンのような非プロトン性溶媒
が、また塩基性触媒としては、水酸化カリウム、水酸化
ナトリウムなどの固体触媒ももちいられるが、液体状の
アミン類例えばトリエチルアミン、ピリジンなどが好適
である。二つの環状ユニットのそれぞれに一つずつのア
ミノ基を官能基として有するインターロック・ユニット
の[2]カテナン(I)と連結ユニット(II)との反
応モル比は、特に制限はないが、化合物(I)に対し化
合物(II)を1:1で用いるのが好ましい。重合反応
は通常の縮重合と同様の条件で行うことができる。反応
温度は特に制限されるものではないが、15〜50℃の
範囲が好ましい。反応時間も特に制限されるものではな
いが、10〜120分の範囲が好ましい。反応終了後、
反応混合物から塩基性触媒を除去し、溶媒を留去したの
ち、例えばゲル相カラムクロマトグラフィーを用いて分
離、精製すれば、目的の高分子化合物を得る。
【0006】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらの例によって何ら限定され
るものではない。 実施例1 アミノ基を保護した10−アザ−ヘキサエチレングリコ
ールと2,4−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−
1,10−ジアザフェナントロリンをソバージュらの方
法で環化しその後脱保護して二つの環状ユニットのそれ
ぞれに一つずつのアミノ基を官能基として有する二官能
性の[2]カテナンを得た。得られた二つの環状ユニッ
トのそれぞれに一つずつのアミノ基を官能基として有す
二官能性の[2]カテナンとアジピン酸ジクロリドを
トリエチルアミン存在下、塩化メチレン中室温で重合し
高分子量体を得た。得られた高分子はGPC測定の結
果、ポリスチレン換算で分子量90万であった。また、
得られた高分子は塩化メチレン等の多くの有機溶媒に対
し良好な溶解性を示した。
【0007】
【発明の効果】本発明によれば、インターロック・ユニ
ットが鎖状に伸長した高分子を収率よく製造することが
できる。この高分子化合物は高分子主鎖が高い運動性を
有することから高分子エラストマーとして、宇宙空間な
どの極低温でも弾性を失わないゴムなどに利用すること
が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法により得られる高分子の概念図であ
る。
【図2】高分子合成反応のスキームである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 69/26 - 69/34

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二つの環状ユニットのそれぞれに一つず
    つのアミノ基を官能基として有する二官能性の[2]カ
    テナンをアジピン酸ジクロライドと縮合させることを特
    徴とする高分子の製造方法。
JP7199584A 1995-08-04 1995-08-04 インターロック構造を有する高分子の製造方法 Expired - Lifetime JP2976012B2 (ja)

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