JP2975733B2 - ジェタノールアミン含量の低い脂肪酸ジェタノールアミドの製造方法 - Google Patents

ジェタノールアミン含量の低い脂肪酸ジェタノールアミドの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ジエタノールアミン含
量が低く、経時着色の少ない脂肪酸ジエタノールアミド
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】脂肪酸ジエタノールアミド型界面活性剤
は、以前から公知である界面活性剤であり、他の界面活
性剤に配合する事により、その界面活性剤に優れた起泡
力、浸透力、洗浄力、増粘力を与え、また、毒性がきわ
めて低く、生分解性が良いことからシャンプー、台所洗
剤等の化粧品、トイレタリー用品には、不可欠な成分と
して当業者においては古くから使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、脂肪酸
ジエタノールアミド型界面活性剤は、その製造に際し使
用するジエタノールアミンを不純物として2〜8%程度
含有する。このため、製品の外観が経時的に変化し、着
色が起きる場合が多い。
【0004】エタノールアミン類を除去する方法として
は、蒸留あるいはカラムによる分離精製などがある。し
かし、これらの除去法は脂肪酸ジエタノールアミド型界
面活性剤の物性上から充分な分離、除去が困難であった
り、多大なコスト増となる。また、特開平2−3001
53においては、無水酢酸による処理方法が提案されて
いるが、この方法では反応の構成上、使用する無水酢酸
と等モルの酢酸が副成する。この副成した酢酸は、減圧
下に加熱して取り除く事になるが現在の技術で十分に取
り除く事は困難である。その為残存する酢酸が悪臭の原
因となり、満足のいくジエタノールアミンの除去方法が
ないのが現状である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来の脂
肪酸ジエタノールアミドの不純物であるジエタノールア
ミンの除去を行なうため鋭意研究を行なった結果、ジエ
タノールアミンを含む脂肪酸ジエタノールアミドにカー
ボネートを反応させる事により遊離酸を副成させること
なくジエタノールアミンが低減することを見い出し、本
発明を完成するに至った。即ち本発明は、一般式(I
V)
【化4】 (IV)で表されるジエタノールアミンと一般式(I
I)
【化5】 (II)(式中R2 およびR3 は、炭素数1〜6のアル
キル基を表す。)で表されるアルキルカーボネートとを
反応させ、ジエタノールアミンのアシル化を行ない、一
般式(V)及び(VI)を生成させる事を利用してジエ
タノールアミンを低減するものである。
【化6】 (V) R3 OH (VI) また、アシル基を導入したカーボネート(III)によ
る反応では
【化7】 (III)(式中R4 COは、炭素数6〜22の飽和ま
たは不飽和のアシル基を表し、R5は、炭素数1〜6の
アルキル基を表す。)で表されるアシルカーボネートを
反応させ、ジエタノールアミンのアシル化を行ない、一
般式(VII)、(VIII)及び二酸化炭素を生成さ
せる事を利用してジエタノールアミンを低減するもので
ある。
【化8】 (VII) R5 OH (VIII)
【0006】本発明に用いられる脂肪酸ジエタノールア
ミドは、未反応ジエタノールアミンを含み、その構成脂
肪酸は炭素数6ないし22の飽和または不飽和の脂肪酸
である。代表的な脂肪酸を例示すれば、ヤシ油脂肪酸、
パーム核油脂肪酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、牛脂脂
肪酸、硬化牛脂脂肪酸、オレイン酸、ヒマシ油脂肪酸お
よび硬化ヒマシ油脂肪酸などである。
【0007】本発明に使用されるアシルカーボネート
は、カルボン酸及びクロロ蟻酸エステルより簡単に調製
する事が可能であり、代表的なカーボネートを例示すれ
ば、ラウロイルエチルカーボネート、ラウロイルメチル
カーボネート,ミリストイルエチルカーボネート、ミリ
ストイルメチルカーボネート等単一組成の脂肪酸を原料
に使用する事も可能であるし、ヤシ油脂肪酸、パーム核
油脂肪酸、牛脂脂肪酸、硬化牛脂脂肪酸、ヒマシ油脂肪
酸、硬化ヒマシ油脂肪酸等を利用してカーボネートを調
製する事も可能である。ただし、使用するアシルカーボ
ネートの種類はこれらに限定されるものではない。
【0008】本発明に使用される代表的なアルキルカー
ボネートを例示すればジメチルカーボネート、ジエチル
カーボネート、メチルエチルカーボネート等が挙げられ
る。ただし、使用するアルキルカーボネートの種類はこ
れらに限定されるものではない。
【0009】また、カーボネートの添加量は、アシルカ
ーボネートの場合は、塩酸滴定で測定されるジエタノー
ルアミンの0.5倍モル〜1.5倍モルであることが好
ましい。0.5倍モル以下ではジエタノールアミンの残
存量が多く、1.5倍モル以上では経時的にアシルカー
ボネートより遊離酸が発生し好ましくない。アルキルカ
ーボネートの場合は塩酸滴定で測定されるジエタノール
アミンの0.25倍モル以上であることが好ましい。
0.25倍モル以下ではエタノールアミンの残存率が多
い。
【0010】本発明界面活性剤は、界面活性剤工業で一
般的に使用されている他の界面活性剤と配合することが
できる。それらの界面活性剤としては、例えば脂肪酸石
けん高級アルコール硫酸エステル塩、ポリオキシエチレ
ン高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールリン
酸エステル塩、ポリオキシエチレン高級アルコールリン
酸エステル塩,ポリオキシエチレン高級脂肪酸リン酸エ
ステル塩、スルホン化高級脂肪酸塩、高級アルコールス
ルホコハク酸エステル塩、アシルメチルタウレイト、N
−長鎖アシル−グルタミン酸塩、N−長鎖アシル−サル
コシン塩、N−長鎖アシル−N−アルキル−βアラニン
塩、アシルイセチオン酸塩、α−オレフィンスルホン酸
塩、などのアニオン界面活性剤、脂肪酸モノエタノール
アミド、ポリオキシエチレン脂肪酸モノエタノールアミ
ド等のノニオン界面活性剤、アルキルイミダゾリニウム
ベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン型等の両性界
面活性剤、第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤
等のカチオン界面活性剤等がある。
【0011】また、必要に応じて、グリコール類等の可
溶化剤、エステル油等のエモリエント剤、ヒアルロン
酸、キチン、キトサン等の保湿剤、アロエエキス、胎盤
抽出液等の細胞賦活剤、アラントイン、グリチルリチン
酸等の消炎剤、ジンクピリチオン、ピロクトンオラミン
等の抗フケ剤、エデト酸塩のようなキレート剤、ジブチ
ルヒドロキシトルエン、ビタミンEのような酸化防止剤
及び殺菌剤、香料、色素なども加えることができる。
【0012】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに詳細に説明
する。
【0013】実施例1 ヤシ油脂肪酸メチルエステル(C8 8.2 %、C10 6.8
%、C12 49.5 %、C1417.7 %、C16 8.4%、C18 2.
6%、C18 F1 5.8 %、C18 F2 1.0 %)2.2Kg、
ジエタノールアミン1.1Kg、ナトリウムメチラート
28%メタノール溶液18gを取り、80℃まで昇温し
た後、徐々に減圧し、約3時間かけ10mmHgまで減
圧を行い、脱メタノールを行った。約300gのメタノ
ールを除いた後、約1時間同一条件で熟成を行ない、粗
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド3Kgを得た。この反
応生成物をBPB(ブロムフェノールブルー)を指示薬
とし、0.1N塩酸で滴定した結果、ジエタノールアミ
ンの含有量は5.8%であった。ついで、この粗ヤシ油
脂肪酸ジエタノールアミド1Kgにジメチルカーボネー
ト55g(対ジエタノールアミンモル比1.1倍モル)
を加え、65℃に加熱して徐々に減圧し、約3時間かけ
10mmHgまで減圧にして、ジエタノールアミンのア
シル化を行った。このヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド
のジエタノールアミン含量を前述の方法で測定したとこ
ろ、1.8%であった。また、フェノールフタレインを
指示薬とし、0.1N水酸化カリウム・エタノール液で
滴定した結果、遊離酸は検出されなかった。
【0014】実施例2 実施例1で合成した粗ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド
1Kgにラウロイルエチルカーボネート175g(対ジ
エタノールアミンモル比1.1倍モル)を加え、65℃
にて徐々に減圧し、約3時間かけ10mmHgまで減圧
を行い、ジエタノールアミンのアシル化を行った。この
もののジエタノールアミンの含量を測定したところ1.
3%であった。遊離酸は検出されなかった。
【0015】実施例3 ジエタノールアミン328g、水酸化ナトリウム2.5
gを取り、ヤシ油668gを仕込み、80℃に加熱し、
30mmHgの減圧下で1時間反応させ、粗ヤシ油脂肪
酸ジエタノールアミド1000gを得た。この反応生成
物をBPB(ブロムフェノールブルー)を指示薬とし、
0.1N塩酸で滴定した結果、ジエタノールアミンの含
有量は5.3%であった。この生成物100gにジメチ
ルカーボネート5.5g(対ジエタノールアミンモル比
1.2倍モル)を加え、65℃に加熱して徐々に減圧
し、約3時間かけ10mmHgまで減圧にして、ジエタ
ノールアミンのアシル化を行った。このもののジエタノ
ールアミンの含量を測定したところ1.3%であった。
遊離酸は検出されなかった。
【0016】実施例4 実施例3で合成した粗ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド
100gにラウロイルエチルカーボネート16g(対ジ
エタノールアミンモル比1.1倍モル)を加え、65℃
に加熱して徐々に減圧し、約3時間かけ10mmHgま
で減圧にして、ジエタノールアミンのアシル化を行なっ
た。このもののジエタノールアミンの含量を測定したと
ころ1.4%であった。遊離酸は検出されなかった。
【0017】比較例1 (カーボネートでのアシル化処理を行なわない例)実施
例1のカーボネート添加前の反応生成物。
【0018】比較例2 (カーボネートでのアシル化処理を行なわない例)実施
例3のカーボネート添加前の反応生成物。
【0019】比較例3 (アシル化剤として無水酢酸を使用した例)実施例1の
カーボネート添加前の反応生成物100gに無水酢酸
4.5g(対ジエタノールアミンモル比0.8倍モル)
を加え、1時間攪拌した後、20mmHgの減圧下で8
0℃に1時間加熱して脱臭を行った。この操作中に褐色
に着色した。この物のジエタノールアミン含量を定量し
たところ1.4%であった。遊離酸含量は、酢酸として
0.5%であった。
【0020】このようにして得た各ヤシ油脂肪酸ジエタ
ノールアミドについて、その特性を下記の方法によって
測定した。
【0021】1.経時着色 経時着色は、50℃に1ケ月保存し、次のように測定し
た。 ○・・・着色なし △・・・僅かに着色 ×・・・着色 2.増粘性 下記の処方の液体洗浄剤組成物を調製し、25℃におけ
る粘度をB型回転粘度計を用いて測定した。 (処方) ソジウムラウリルエーテルサルフェート 12% 脂肪酸ジエタノールアミド(実施例1〜4、比較例1〜3) 8% クエン酸 pH=7とする量 水 残
【0023】
【表1】
【発明の効果】本発明によって得られた脂肪酸ジエタノ
ールアミドはジエタノールアミン含量が極めて低いの
で、経時着色が起こりにくい。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジエタノールアミンを不純物として含有
    する一般式(I) 【化1】 (I)(式中R1 COは、炭素数6〜22の飽和または
    不飽和脂肪酸残基を表す。)で表される脂肪酸ジエタノ
    ールアミドに、カーボネートを加えて、ジエタノールア
    ミンをアシル化することを特徴とする、ジエタノールア
    ミン含量の低い脂肪酸ジエタノールアミドの製造方法。
  2. 【請求項2】 使用するカーボネートが一般式(II) 【化2】 (II)(式中R2 およびR3 は、炭素数1〜6のアル
    キル基を表す。)で表されるアルキルカーボネートであ
    る請求項1記載のジエタノールアミン含量の低い脂肪酸
    ジエタノールアミドの製造方法。
  3. 【請求項3】使用するカーボネートが一般式(III) 【化3】 (III)(式中R4 COは、炭素数6〜22の飽和ま
    たは不飽和のアシル基を表し、R5は、炭素数1〜6の
    アルキル基を表す。)で表されるアシルカーボネートで
    ある請求項1記載のジエタノールアミン含量の低い脂肪
    酸ジエタノールアミドの製造方法。
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