JP2975377B2 - Lcノイズフィルタ - Google Patents

Lcノイズフィルタ

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JP2975377B2 JP1119369A JP11936989A JP2975377B2 JP 2975377 B2 JP2975377 B2 JP 2975377B2 JP 1119369 A JP1119369 A JP 1119369A JP 11936989 A JP11936989 A JP 11936989A JP 2975377 B2 JP2975377 B2 JP 2975377B2
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    • H03H7/01Frequency selective two-port networks

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  • Filters And Equalizers (AREA)
  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は分布定数型LCノイズフィルタの改良に関す
る。
[従来の技術] 従来より、第19図(A)に示すように、セラミック等
の絶縁性基板10の一面10aにインダクタ導体20を渦巻状
に形成し、第19図(B)に示すように、他面10bに接地
導体21を形成したノイズフィルタが知られている。
このノイズフィルタは、第20図に示すように、渦巻状
のインダクタ導体20がインダクタンスL1を得ると共に、
この渦巻状のインダクタ導体20と接地導体21との間で分
布定数的に静電容量Cを得て、LCノイズフィルタとして
機能する。
[発明が解決しようとする問題点] しかし、このような従来のLCノイズフィルタは、次の
ような問題があった。
(a)第1の問題 このノイズフィルタは、基板10の表面側に設けられた
インダクタ導体20と裏面側に設けられた接地導体21との
間に、期待するほどのキャパシタンスCが得られず、し
かも集中定数型のLCノイズフィルタより悪い電気的特性
しか得ることができないという問題があった。
特に、インダクタ導体20に通電する信号の周波数が高
くなると、インダクタ導体20のインダクタンスが変化
し、さらに接地導体21との間のキャパシタンスCが小さ
くなり、LCノイズフィルタとしての十分な機能を果すこ
とができないという問題があった。
(b)第2の問題 このノイズフィルタを信号用回路に使用する場合に
は、インダクタ導体20の両端電極24,26に信号を通電
し、この信号中に含まれるノイズを除去するものである
が、通電する信号の周波数が高くなると、渦巻状に巻か
れたインダクタ導体20に矢印Bで示すような線間短絡が
生じ、インダクタ導体20がインダクタとして機能しなく
なってしまうという問題があった。
特に、このような線間短絡現象は、通電する信号の周
波数が高くなればなるほど頻繁に発生するため、従来の
ノイズフィルタは、高周波用のノイズフィルタとして用
いることはできないという問題があった。
[発明の目的] 本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、前記(a),(b)の問題を解
決する優れた電気的特性を備えた分布定数型LCノイズフ
ィルタを提供することにある。
[問題点を解決するための手段] 前記第1の問題を解決するため、本発明のLCノイズフ
ィルタは、 誘電体の一面に渦巻状に形成されたインダクタ導体
と、 前記誘電体の一面に、前記渦巻き状のインダクタ導体に
沿ってその線間に形成された複数のアース用ブロック導
体と、 を含み、前記各アース用ブロック導体はその両側に相隣
接するインダクタ導体との間でキャパシタを形成するこ
とを特徴とする。
さらに、本発明のLCノイズフィルタは、 誘電体の一面に形成されたスパイラル溝と、 前記誘電体の一面に、前記スパイラル溝に沿ってその
スパイラル状の溝間に形成された複数のアース用溝と、 前記スパイラル溝内に形成されたインダクタ導体と、 前記アース用溝内に形成された複数のアース用ブロッ
ク導体と、 を含み、前記各アース用ブロック導体はその両側に誘電
体の壁体を介し相隣接するインダクタ導体との間でキャ
パシタを形成することを特徴とする。
[作 用] 次に本発明の作用を説明する。
本発明者は、例えば第19図に示すLCノイズフィルタに
おいて、インダクタ導体20と接地導体21との間に、なぜ
期待するほどのキャパシタンスCが得られないかについ
ての検討を行った。そして、その大きな原因が、接地導
体21に流れる短絡電流にあるとの仮説を立て、第20図に
示すLCノイズフィルタのインダクタンスL1およびキャパ
シンタンスCが実際に機能しているかについての検討を
進めた。
このLCノイズフィルタは、渦巻状のインダクタ導体20
に対し、接地導体21が静電容量で容量結合すると共に誘
導結合している。従って、インダクタ導体20の通電電流
で発生した磁束により接地導体21上にも起電力が生じ、
この起電力によって実線Aで示すような短絡電流が流れ
る。
(a)キャパシタンスについての検討 まず、インダクタ導体20と接地導体21との間に、なぜ
期待する程のキャパシタンスCが得られないかについて
の検討を行う。
渦巻状のインダクタ導体20を変成器における1次コイ
ルに例えれば、接地導体21は短絡された2次コイルのよ
うに作用し、平面上に形成された接地導体21といえど
も、そのインダクタンス成分が意外なほど大きくなる。
従って、第19図に示す従来のLCノイズフィルタの正確
な等価回路は、第20図に示すようなものではなく、実際
には第21図に示すようなものとなる。これにおいて、L1
はインダクタ導体20のインダクタンス,LEは接地導体21
のインダクタンス,Cは2つの導体20,21の間に分布定数
的に形成されるキャパシタンスである。
前記キャパシタンスCを、仮にCa,Cb,Ccの3つの集中
コンデンサに分けて考えてみる。接地導体21のインダク
タンスLEが大きくなると、アース端子28から離れた位置
にあるキャパシタンスCb,CcはいずれもインダクタンスL
Eにより通電が阻止される。従って、接地導体21のアー
ス端子28に近いキャパシタンスCaのみがノイズフィルタ
のキャパシタンスとして作用することになる。
このため、従来のLCノイズフィルタは、フィルタとし
て見た場合にCaのキャパシタンスしか得られず、その構
造上期待するキャパシタンスCを得ることができないと
考えられる。
さらに、接地導体21のアース端子28に近い部分でしか
実質的なキャパシタンスを形成できないため、第19図
(B)に示す接地導体21の面積を半分にしても、1/3に
しても、ノイズフィルタとしての実質的な特性はほとん
ど変わらず、任意のキャパシタンスCをもったLCノイズ
フィルタを得ることが難しいという問題もあった。
(b)インダクタンスについての検討 次に、インダクタ導体20のインダクタスについての検
討を行う。
前述したように、このLCノイズフィルタは、渦巻状の
インダクタ導体20に対し、接地導体21が静電容量で容量
結合すると共に、誘導結合している。従って、インダク
タ導体20にはその自己インダクタンスL1以外に、接地導
体21との間の相互インダクタンスMが作用することにな
る。特に、従来のように接地導体21の面積を大きくとる
と、その相互インダクタンスMが大きくなりすぎ、イン
ダクタ導体20が、LCノイズフィルタ用のインダクタとし
ての機能を十分発揮できないと考えられる。
また、従来の平面上の接地導体21は、渦巻状のインダ
クタ導体20の全面と相対向しているため、インダクタ導
体20の磁路を塞ぎ、その磁気抵抗を増大させる。従っ
て、前記インダクタ導体20には、期待する程のインダク
タンスが得られず、これもノイズフィルタとしての機能
を低下させる大きな要因となっていると考えられる。
以上説明した(a),(b)の検討から明らかなよう
に、従来のLCノイズフィルタは回路全体からみると十分
なキャパシタンスおよびインダクタンスを得ることがで
きず、集中定数型LCノイズフィルタより悪い特性しか得
ることができないことが理解されよう。
(c)本発明についての検討 このような事実をふまえ、誘電体の一面に渦巻状に形
成されたインダクタ導体に対し、誘電体にキャパシタと
して機能する接地導体をどのように形成すれば、良好な
特性をもったLCノイズフィルタを得ることができるかに
ついての検討を進めた。
(c−1) そして、本発明者は請求項(1)に記載の
ように、誘電体上に、インタクタ導体の一部と相隣接す
るよう複数のアース用ブロック導体を設け、LCノイズフ
ィルタを形成した。
前記アース用ブロック導体は、その面積が小さいた
め自己インダクタンスLEが小さく、インタクタ導体との
間で形成するキャパシタンスをそのままノイズフィルタ
のキャパシタとして用いることができる。
さらに、前記アース用ブロック導体は、インダクタ
導体の一部としか相対向しないため、インダクタ導体と
アース用ブロック導体との間の相互インダクタスをほと
んど無視することができ、ノイズフィルタの特性を低下
させる相互インダクタンスを含まないLCノイズフィルタ
を構成することができる。
さらに、前記アース用ブロック導体は、インダクタ
導体の一部と相対向するだけであり、インダクタ導体の
磁路を塞ぐことがないため、インダクタ導体のインダク
タンスを低下させることもない。
従って、本発明によれば、十分なLおよびCを持ち、
しかも、特性に悪影響を及ぼす相互インダクタンスの小
さなLCノイズフィルタを得ることができる。
このLCノイズフィルタを用いたところ、前記アース用
ブロック導体を1個設けただけでも、第19図に示す従来
のLCノイズフィルタより各段優れた特性を得ることがで
きた。また、アース用ブロック導体を複数個設けたとこ
ろ、各ブロック導体は、インダクタ導体との間で実効的
に機能するキャパシタを個別に形成する。従って、これ
らアース用ブロック導体を任意の個数設けることによ
り、所望のキャパシタンスを有するLCノイズフィルタを
得ることができる。
さらに、本発明によれば、前記アース用ブロック導体
を複数個設けることにより、従来のフィルタでは得るこ
とができなかった分布定数型に近似したLCノイズフィル
タとしての特性を得ることもできる。
また、本発明では、誘電体の同じ面にインダクタ導
体とアース用ブロック導体を形成しているため、誘電体
の他面側を利用して、各導体と端子との間の配線をリー
ドを用いて簡単に行うことができる。
(c−2) また、本発明者がさらに検討を進めたとこ
ろ、前記アース用ブロック導体を、インダクタ導体のど
の位置に対向させるかがノイズフィルタの減衰特性に大
きく影響し、請求項(5),(6)に記載のようにアー
ス用ブロック導体を、インダクタ導体の入力または出力
端子と電気回路的に近い位置に配置することにより優れ
た減衰特性を得られることが確認された。
従って、アース用ブロック導体を1個設ける場合に
は、これをインダクタ導体の入力または出力端子のいず
れか一方に近接配置すればよい。
また、アース用ブロック導体を複数個設ける場合に
は、その1つをインダクタ導体の入力端子に近接配置
し、他の1つを出力端子に近接配置し、残りを他の位置
に対向配置すればよい。
(c−3) また、本発明者は、請求項(2)に記載の
ように、誘電体の少なくとも一面にスパイラル溝を形成
すると共に、このスパイラル溝の一部と相隣接するよう
複数のアース用溝を形成し、前記スパイラル溝内にイン
ダクタ導体を設け、前記アース用溝内にアース用ブロッ
ク導体を設けることにより、LCノイズフィルタを形成し
た。
これにより、各溝内に設けられたインダクタ導体お
よびアース用ブロック導体は、溝間に存在する壁体を挾
んで相対向し、両者の間により大きなキャパシタを形成
することになる。従って、誘電体の材料や、壁体の大き
さおよび幅などを適宜選択することにより、最適なキャ
パシタンスを得ることができる。
これに加えて、本発明によれば、インダクタ導体の
線間や、インダクタ導体とアース用ブロック導体との間
が、溝間に存在する壁体を介して完全に絶縁されている
ため、インダクタとして機能するインダクタ導体は、高
周波領域においても従来のように線間短絡が生じること
がなく、インダクタとして十分に機能することになる。
また、本発明によれば、前記インダクタ導体の線間
に沿って、複数のアース用ブロック導体を断続的に設
け、インダクタ導体の線間短絡を防止するシールド導体
として機能させることにより、前記インダクタ導体の線
間短絡をより確実に防止することができる。
これにより、本発明によれば、低周波領域から高周波
領域に亘り優れた電気的特性を有するLCノイズフィルタ
を得ることができる。
[実施例] 次に本発明の好適な実施例を図面に基づき詳細に説明
する。
第1実施例 第1図には本発明に係る分布定数型LCノイズフィルタ
の好適な第1実施例が示されている。
第1図に示すよう実施例のノイズフィルタはセラミッ
クス等の誘電体基板10の表面10aに、1本のスパイラル
溝12と、このスパイラル溝12の一部と相対向する複数の
アース用溝14−1,14−2,…14−4を設けている。前記各
スパイラル溝12,アース用溝14は、後述する第4図に示
すよう深溝型に形成されている。
そして、スパイラル溝12の外端部および内端部にはス
ルーホール16a,16bが設けられ、同様に各アース用溝14
−1,14−2,…14−4の一端側には、スルーホール18が設
けられている。これら各スルーホール16a,16b,18は、そ
れぞれ第2図に示すよう溝の底面から基板10の裏面10b
側へ連通するように形成されている。
そして、第3図(A)に示すよう、基板10の表面10a
側に設けられたスパイラル溝12には、インダクタ導体20
が設けられ、各アース溝14−1,14−2,…14−4には、ア
ース用ブロック導体22−1,22−2,22−3,22−4が設けら
れている。
第4図には、第3図(A)のIV−IV断面概略図が示さ
れており、同図に示すよう、各アース用ブロック導体22
−1,22−2,…22−4は、基板10の壁体40を介して、イン
ダクタ導体20の一部と相対向する。このため両者は互い
に静電容量で容量結合し、両者の間にはキャパシタCが
分布定数的に形成される。
また、基板10の裏面10b側には、第3図(B)に示す
よう入出力端子24,26と、アース端子28とが設けられて
いる。
前記一方の入出力端子24は、基板10の表面10a側に設
けられたインダクタ導体20の外端部とスルーホール24を
介して接続され、また他方の入出力端子26は、インダク
タ導体20の内端部と、スルーホール16b,入出力リード30
を介し接続されている。
また、前記アース端子28は、基板10の表面10a側に設
けられた各アース用ブロック導体22−1,22−2,…22−4
と、対応するスルーホール18−1,18−2,…18−8とアー
ス用リード32−1,32−2,…32−4を介し電気的に接続さ
れている。
前記各導体20,22、端子24,26,28およびリード30,32
は、基板10の溝12,14以外の部分と、前記各端子24,26,2
8、リード30,32以外の部分に予めレジストを塗布してお
き、これを液状の導電体が充填された導電槽内にデッピ
ングすることにより容易に形成することができる。
また、表面10aにレジストを塗布することなく基板10
をディピングした場合でも、その後基板表面10aを研磨
し、溝12,14以外に付着した導電体を除去することによ
っても容易に形成することができる。
なお、ディピング以外に、例えば導電体をメッキする
ことによっても基板10の表面10aおよび裏面10b側に前記
実施例に示すよう導体20,22、端子24,26,28、リード30,
32を形成することができる。
これにおいて、前記アース用ブロック導体22−1,22−
2,…22−4のいずれか一つは、インダクタ導体20の一方
の端子24と電気回路的に近い位置において、前記インダ
クタ導体20と対向配置させることが好ましく、また他の
1つのブロック導体22は、他方の端子26と電気回路的に
近い位置において、インダクタ導体20と対向配置させる
ことが好ましい。
このため、前記アース用ブロック導体22−1は、イン
ダクタ導体20の端子24に電気回路上近い場所に位置する
一部の領域と相対向するよう設けられている。また、ブ
ロック導体22−4は、インダクタ導体20の端子18と電気
回路上近い場所にする一部の領域と相対向するよう設け
られている。また、残りの2つのブロック導体22−2,22
−3は、それぞれ入出力端子24,26の間において、イン
ダクタ導体20の一部の領域とそれぞれ対向配置されてい
る。
これにおいて、少なくとも入出力端子24,26に近接配
置されたアース用ブロック導体22−1および22−4は、
端子24,26にそれぞれ近い位置からリード32−1,32−4
を引き出しアース端子20と接続することが、良好な減衰
特性を得る上で好ましい。
第5図には、本実施例のLCノイズフィルタの等価回路
図が示されている。実施例において、渦巻状に形成され
たインダクタ導体20はインダクタL1として機能する。ま
た、インダクタ導体20と相隣接する各アース用ブロック
導体22−1,22−2,…22−4は、インダクタ導体20の各部
との間で静電容量により容量結合し、キャパシタC1,C2,
C3,C4を形成する。
特に、本発明では、各アース用ブロック導体22−1,
22−2,…22−4がそれぞれ面積の小さなブロック状に形
成され、アース端子28に接続されている。従って、各ブ
ロック導体22−1,22−2,…22−4に流れる渦電流が少な
く、そのインダクタンスも小さいため、前記キャパシタ
C1,C2,…C4が直接にアース端子26へ接続されることにな
る。これにより、複数のLCノイズフィルタが直列に接続
されたと同じ状態となり、ほぼ分布定数型として機能す
るLCノイズフィルタを得ることができる。
従って、本発明によれば、前記アース用ブロック導体
22の数を増やすことにより、キャパシタンスCを増加さ
せることができ、またブロック導体22の個数を減らすこ
とにより、キャパシタンスCを小さくしたLCノイズフィ
ルタを得ることができる。
特に、本実施例では、アース用ブロック導体22−1,22
−4、インダクタ導体20の入出力端子24,26と電気回路
的に近い位置に配置することにより、さらに優れた減衰
特性を得られることができる。
さらに、本発明によれば、各アース用ブロック導体
22−1,22−2,…22−4は、第6図に示す溝12,14間に位
置する壁体40を挾んで対向し、両者の間にキャパシタ
C1,C2,…C4を分布定数的に形成している。従って、基板
10として誘電率の高い材料を用いることにより、前記キ
ャパシタCの値を必要に応じ大きな値に設定することが
できる。
また、前記各アース用ブロック導体22−1,22−2,…
は、その面積が小さく、しかもインダクタ導体20の一部
の領域と対向配置されているだけである。このため、イ
ンダクタ導体20と、各アース用ブロック導体22−1,22−
2,…22−4との間の相互インダクタンスをほとんど無視
でき、ノイズフィルタの特性劣化の一因となる相互イン
ダクタンス成分を大幅に低減することができる。
また、本発明のノイスフィルタでは、アース用ブロ
ック導体22が、インダクタ導体20の磁路を妨げることが
ないよう形成されている。
すなわち、インダクタ導体20に通電した際発生する磁
束は、インダクタ導体20の線間を基板10の表面側から裏
面側へ、またその逆方向に通過する。このとき、この磁
路を妨げるようブロック導体22が設けられていると(例
えば、インダクタ導体20の線間領域と相対向するようブ
ロック導体22が設けられていると)、磁路はブロック導
体22によって塞がれ、インダクタ導体20が十分インダク
タとして機能できなくなってしまう。
これに対して本発明のように、インダクタ導体20と相
隣接するよう各ブロック導体22を設けることにより、イ
ンダクタ導体20の磁路はブロック導体22によって何等妨
げることがないため、渦巻状のインダクタ導体20のイン
ダクタンスを低下させることなく、LCノイズフィルタと
しての作用効果を十分発揮させることができる。
従って、インダクタ導体20の端子24,26を入出力端子
として用いれば、良好な電気的特性を有するノーマルモ
ード型ノイズフィルタとして用いることができる。
また、本発明においては、インダクタ導体20および
アース用ブロック導体22は、それぞれ基板10の表面10a
上に形成されたスパイラル溝12およびアース用溝14内に
設けられているため、各導体20,22間は基板10の壁体に
より良好に絶縁され、インダクタ導体20の線間短絡やイ
ンダクタ導体20とアース用ブロック導体22との間の線間
短絡の発生を防止できる。従って、本発明によれば、前
記第1の問題のみならず第2の問題をも解決し、低周波
帯域から高周波帯域に亘り優れた電気的特性を有するノ
ーマルモード型ノイズフィルタとして機能することにな
る。
さらに、本発明では溝12内にインダクタ導体20を設
けているため、単にインダクタ導体20を基板10の表面に
被覆形成するものに比べ、導体20の断面形状や面積を任
意に形成でき、例えば導体20の断面積を大きくとること
により、通電電流の比較的大きい電源用のLCノイズフィ
ルタとしても極めて好適なものとなる。
また、前記スパイラル溝12,アース用溝14は必要に応
じて第7図に示すよう外側に向って開いたテーパー形状
に形成してもよい。このようにすることにより、スパイ
ラル溝12,アース用溝14が深溝タイプに形成された場合
でも、基板10を導電層内にディピングすることにより、
各溝12,14内に確実にインダクタ導体20,アース用ブロッ
ク導体22を設けることができる。
なお、前記実施例では、各溝12,14を深溝に形成した
場合を例にとり説明したが、本発明はこれに限らず、必
要に応じて第8図に示すようこれら各溝12,14を浅溝型
に形成してもよい(第8図は、第3図のIV−IV概略断面
を表わしている)。このような浅溝タイプのLCノイズフ
ィルタは、信号ライン用のノイズフィルタとして好適で
あり、基板10の厚さを薄くすることができることからス
ペース上の制約の多い箇所に取付ける場合に好適なもの
となる。
さらに、本発明によれば、基板10の表面10a側にイ
ンダクタ導体20と、複数のアース用ブロック導体22−1,
22−2,…22−4を設けているため、基板10の裏面10b側
をこれら各導体20,22−1,22−2,…22−4と、端子24、2
6、28との配線に用いることができ、回路全体の配線が
シンプルでかつ簡単なものとなる。
特に、本実施例のようにノーマルモード型のノイズフ
ィルタを形成する場合には、基板10の裏面10b側に、2
個の入出力端子24,26と、1個のアース端子28を設ける
のみでよく、これら3個の端子24,26,28を用い、外部か
ら接続を簡単に行うことが可能となる。
このように、本発明では、アース用ブロック導体22を
多数設けた場合に問題となる、各アース用ブロック導体
22とアースとの接続を共通のアース端子28を用い簡単に
行うことができる。従って、例えば本発明のノイズフィ
ルタを、SMDタイプの素子として形成した場合には、こ
の素子から、各端子24,26,28に接続された3つの接続ピ
ンを設けるのみでよいため、外部回路への接続を極めて
簡単に行うことが可能となる。
なお、前記実施例では各溝12,14を基板の表面側にの
み形成した場合を例にとり説明したが、これら各溝12,1
4は、必要応じて基板10の表面側から裏面側へ貫通する
ように形成してもよい。この場合には、基板10の表面ま
たは裏面側に補強用の押え板を設けることが好ましい。
第2実施例 第9図,第10図には本発明の好適な第2実施例が示さ
れている。
実施例のノイズフィルタは、第9図(A)に示すよう
に基板10の表面10aに相隣接するよう2組のスパイラル
溝12−1,12−2を形成し、さらに各スパイラル溝12−1,
12−2の間に前記第1実施例と同様に複数のアース用溝
14−1,14−2,…14−4を形成している。
そして、第10図に示すよう前記2組のスパイラル溝12
−1,12−2内にそれぞれインダクタ導体20a,20bを設
け、さらに各アース用溝14−1,14−2,…14−4内にアー
ス用ブロック導体22−1,22−2,…22−4を設けている。
そして、基板10の裏面側に第9図(B)に示すよう、
24−1,26−1と24−2,26−2の2組の入出力端子が設け
られ、さらにアース端子28が設けられている。そして、
前記各入出力端子24−1,24−2はそれぞれ対応するイン
ダクタ導体20a,20bの外端部とスルーホール16aを介して
電気的に接続され、他方の入出力端子26−1,26−2は、
対応するインダクタ導体20a,20bの内端部と、スルーホ
ール16bおよびリード30−1,30−2を介して電気的に接
続されてる。また、アース端子28は、前記第1実施例と
同様にスルーホール18およびリード32−1,32−2,32−4
を介して、アース用ブロック導体22−1,22−2,…22−4
と電気的接続されている。
第11図には、本実施例のLCノイズフィルタの等価回路
図が示されており、本実施例において渦巻状に形成され
たインダクタ導体20aは第1のインダクタL1として機能
し、同様に渦巻状に形成されたインダクタ導体20bは第
2のインダクタL2として機能する。
そして、基板10の表面側に設けられた一群のアース用
ブロック導体22a−1,22a−2,…22a−4は、第10図に示
すよう基板10の壁体40を挾んで相対向する一方のインダ
クタ導体20aとの間で、その磁路を妨げることがないよ
うキャパシタC1,C2,C3,C4を分布定数的に形成する。
同様に、前記一群のアース用ブロック導体22−1,22−
2,…22−4は、他方のインダクタ導体20bとの間で、そ
の磁路を妨げることがないようキャパシタC5,C6,C7,C8
を分布定数的に形成する。
従って、本実施例のノイズフィルタは、第11図に示す
ような回路構成からなる分布定数型のコモンモード型4
端子ノイズフィルタとして機能することになる。
なお、本実施例においても、各インダクタ導体20a,20
bに対し4個のアース用ブロック導体22を設ける場合を
例にとり説明したが、本発明はこれに限らず、必要に応
じてこれらアース用ブロック導体22の個数を増減し任意
のキャパシタンスをもった分布定数タイプのコモンモー
ド型ノイズフィルタとして用いることができる。
さらに、本実施例のLCノイズフィルタも、基板10の表
面10a側に2組のインダクタ導体20a,20bと、多数のアー
ス用ブロック導体22−1,22−2,…22−4を設けているた
め、基板10の裏面10a側をその配線に用いることがで
き、各導体20a,20b,22−1,22−2,…22−4を、基板10の
裏面10b側に設けられた5つの端子24−1,24−2,26−1,2
6−2、28に接続するのみでよく、各端子と前記導体と
の間に、余分なリードを複雑に引き回す必要がなくなる
ため、その構成が簡単でしかも良好な電気的特性をもっ
たノイズフィルタを得ることができる。
第3実施例 第12図には、本発明の好適な第3実施例が示されてい
る。
本実施例の特徴は、前記第3図に示すノイズフィルタ
において、インダクタ導体20の線間に沿って複数のアー
ス用ブロック導体22を断続的に設け、各アース用ブロッ
ク導体22を、インダクタ導体20の線間短絡を防止するシ
ールド導体として機能させたことにある。
なお、各アース用ブロック導体22の一端側には、前記
第1実施例と同様にスルーホールが設けられ、各アース
用ブロック導体22は、このスルーホール,リード32等を
介してアース端子28に接続されている。
以上の構成とすることにより本実施例のノイズフィル
タは、インダクタ導体20の線間短絡を前記実施例に比べ
てより確実に防止することが可能となる。
第4実施例 第13図には、本発明の好適な第4実施例が示されてい
る。
本実施例の特徴は、前記第9図に示すノイズフィルタ
において、インダクタ導体20aと20bとの間、その線間に
沿って複数のアース用ブロック導体22を断続的に設け、
両者の間の線間短絡を防止する第1のシールド導体とし
て機能させると共に、インダクタ導体20bと20aとの間
に、その線間に沿って複数のアース用ブロック導体22を
断続的に設け、両インダクタ導体20a,20bの線間短絡を
防止する第2のシールド導体として機能させることにあ
る。
なお、前記各アース用ブロック導体22は、前記第3実
施例と同様に、アース用溝14に形成されたスルーホー
ル、基板10の裏面側に形成されたアース用リード32を介
しアース端子28へ接続されている。
これにより本実施例によれば、低周波周波から高周波
帯域のあたりに優れた電気的特性を有するコモンモード
型4端子ノイスフィルタを得ることができ、特に、前記
第2実施例に比べ各インダクタ導体20a,20b間の線間短
絡をより確実に防止することができるノイズフィルタを
得ることができる。
第5実施例 また、本発明のLCノイズフィルタにおいて、前記イン
ダクタ導体20のターン数や、アース用ブロック導体22の
個数以外に、基板10の材料を適宜選択することにより、
ノイズフィルタのインダクタンスLおよびキャパシタン
スCを任意に設定することができる。
例えば、インダクタンスLを大きくとりたい場合に
は、基板10を磁性材料等を用いて形成すればよく、また
キャパシタンスCを大きくとりたい場合には、基板10を
セラミックス等の誘電率の高い材料を用いて形成する
か、溝12,14の深さや壁体40の厚みを調整するすればよ
い。また、これらLおよびCの双方を大きくしようとす
る場合には、基板10を誘電率の高い材料および磁性材料
の双方を用いて形成すればよい。
さらに、このノイズフィルタを複数個積層し、各ノイ
ズフィルタを互いに直列もしくは並列に接続することに
より、任意のLおよびCを持ったノイズフィルタを得る
ことができ、とりわけ各積層ノイズフィルタを直列接続
することにより、1個のノイズフィルタでは得られない
より多きなインダクタンスを有するLCノイズフィルタ回
路として用いることができる。
また、これ以外に、インダクタンスLを大きくとる場
合には、前記第1〜第4実施例のように形成されたノイ
ズフィルタを、磁気回路を形成するハウジング内に収納
すればよい。
第14図には、このように形成されたノイズフィルタの
一例が示されており、このノイズフィルタの特徴は、磁
性材料を用いて形成されたハウジング80内に、前記第1
図〜第13図に示すノイズフィルタ210を収納したことに
ある。
これにおいて、基板10のほぼ中央部には磁心挿通孔10
cが形成され、ハウジング80の中央部に設けられた磁心8
2がこの挿通孔10c内に挿通される。そして、このハウジ
ング80に、上方から蓋84をすることにより、この磁心82
とその周囲に設けられたハウジング80,蓋84との間でノ
イズフィルタ専用の閉磁路を形成している。
このようにすることにより、実施例のノイズフィルタ
は、十分大きなインダクタンスを有するLCノイズフィル
タとして形成されることになる。
なお、本実施例では、ハウジングを用いて閉磁路を形
成した場合を例にとり説明したが、本発明はこれに限ら
ず、必要に応じて、磁気回路が開磁路となるようにハウ
ジングを形成してもよい。
また、第15図には、基板10の表面を磁性体を用いて粉
体塗装したノイズフィルタの一例が示されている。
実施例のノイズフィルタは、基板10のほぼ中央部に磁
心挿通孔10cを形成し、この基板10の表面および裏面を
磁性粉を用いて粉体塗装する。これにより、粉体塗装層
86は、ノイズフィルタ専用の閉磁路を形成し、外部に洩
れる磁束を大幅に少なくすることができる。
これにより、本実施例のノイズフィルタは、例えばこ
れを複数個隣接配置し他チャンネルノイズフィルタとし
て用いる場合でも、相隣接するノイズフィルタどうしで
リンギング等の相互干渉を起すことが少なく、優れた電
気的特性を発揮することができる。
PCボードの実施例 前記第1〜第5実施例で示すように、本発明は、絶縁
性基板10を利用して良好な電気的特性を有する分布定数
型LCノイズフィルタを得ることができ、例えば絶縁性基
板10としてPCボード等を用いれば、PCボード自体の厚さ
を増すことなく、このPCボード上に任意の個数の分布定
数型LCノイズフィルタを設けることができる。
従って、本発明の分布定数型ノイズフィルタをPCボー
ド上に形成することにより、近年ますます小型軽量化が
求められている各種電子機器用のノイズフィルタとして
極めて好適なものとなり、例えばノイズフィルタをPCボ
ード上に形成することにより、従来のチップ型ノイズフ
ィルタを用いたのに比べ装置全体を大幅に薄型軽量化す
ることが可能となる。なお、PCボードとしては、通常の
基板以外に、必要に応じてフィルム状またはシート状の
ものを用いてもよい。
従って、本発明の分布定数型LCノイズフィルタを、例
えばラップトップ型のコンピュータに用いることによ
り、ラップトップ型コンピュータの小型軽量化をより一
層促進することができる。
また、要求される厚みの制約から従来ノイズフィルタ
を実装できなかったICカード用のPCボード(フィルム基
板で構成されている)等においても、本発明のLCノイズ
フィルタを適用すれば、任意の個数のLCノイズフィルタ
を簡単に実装することができる。
また、本発明の分布定数型LCノイズフィルタは、PCボ
ード上に単にプリント配線することにより形成すること
ができるため、各種用途に用いられるPCボードにその厚
さを増すことなく容易に実装することが可能となる。
第16図には、PCボード上に信号ライン用の多チャンネ
ルノイズフィルタを形成した場合の好適な実施例が示さ
れている。
実施例において、PCボード100上には複数のIC110が実
装されており、これらIC110から複数本の信号ライン112
が基板110に接続されている。
前記PCボード100の下側には、多チャンネルノイズフ
ィルタが設けられたPCボード200が積層配置されてい
る。このPCボード200は、各IC110の入出力リード112と
対応する位置に、前記第1実施例〜第4実施例のいずれ
かのLCノイズフィルタ210を複数個形成している。これ
により、PCボード200には、各IC110のリード112に対応
した多チャンネルノイズフィルタが形成されることにな
る。
このような多チャンネルのノイズフィルタ210は、PC
ボード200上に、例えばプリント等の手法を用いて簡単
に形成することができ、その大きさも、要求されるLお
よびCに合せて小さなスペースで形成することができ
る。
そして、このようにして形成されたPCボード200は、
前記PCボード100に対し積層配置され、その上方に位置
するIC110の各リード112と電気的に接続される。
このように、本実施例によれば、PCボード200の厚さ
を増すことなく、このボード200上に多チャンネルノイ
ズフィルタルを形成することができ、電子機器自体の小
型軽量化を図ることができる。
なお、実施例では、多チャンネルノイズフィルタ210
を、IC110等が設けられたPCボード100とは別なボード20
0に形成する場合にを例にとり説明したが、本発明はこ
れに限らず、IC110を実装したPCボード100上にスペース
の余裕がある場合には、このPCボード100上に前記多チ
ャンネル210を形成してもよい。
また、本実施例では、PCボード200上に信号ライン用
の多チャンネルノイズフィルタを形成した場合を例にと
り説明したが、これ以外に必要に応じて、電源ライン用
のノイズフィルタを形成することもできる。
第17図には、IC110が実装されたPCボード100上に、信
号ライン用の多チャンネルのノイズフィルタ210と、電
源ライン用のノイズフィルタ220を形成した場合の一例
が示されており、このような回路構成のPCボード100
は、ICカード用のPCボードとして極めて好適なものとな
る。なお、電源ライン用ノイズフィルタ220は、IC110が
複数個ある場合には、IC110の個数に合わせて多チャン
ネルノイズフィルタとして形成してもよい。
特に、ICカードのように充分なアース筐体を備えてい
ない携帯用機器では、前記第2または第4実施例に示す
コモンモード型ノイズフィルタを用いることが好まし
い。
第18図には、長方形状に形成された絶縁性基板10上に
前記第1〜第4実施例に示すノイズフィルタを複数個設
け、多チャンネルノイズフィルタ300として形成された
一例が示されている。
実施例の多チャンネルノイズフィルタ300は、通常の
電子部品と同様にPCボード100上に簡単に装着実装で
き、例えばIC用の多チャンネルノイズフィルタおよびそ
の他の用途に用いることができる。また、これ以外に絶
縁性基板10としてフィルム基板を用い、PCボード100上
に多チャンネルノイズフィルタが設けられたフィルム基
板10を、図のように立てずに、横置きに実装することも
でき、これにより厚さの制限された場所にPCボード100
が設置される場合でも、このPCボード100の厚さを増す
ことなく多チャンネルノイズフィルタを実装できる。
さらに、本発明のノイズフィルタは、単に信号ライン
用のノイズフィルタとしてばかりでなく、例えばICの電
源ライン等に、電源ライン用のノイズフィルタとしても
用いることができる。また、前述したように、本発明の
ノイズフィルタに用いられる絶縁性基板としては、必要
に応じフィルム状またはシート状の絶縁性基板またはこ
れ以外のタイプの絶縁性基板を用いてもよい。
なお、本発明は前記実施例に限定されるものではな
く、本発明要旨の範囲内で各種の変形実施が可能であ
る。
例えば本発明のノイズフィルタをSMDタイプの素子と
して形成する場合には、1個のノイズフィルタでは必要
とする十分なLおよびCを得ることができないことも考
えられる。この場合には、複数枚のノイズフィルタを積
層し、各ノイズフィルタを直列または並列に接続にする
ことにより、任意のCおよびLを有するLCノイズフィル
タを得ることができる。
また、前記第各実施例では、基板10の壁体40を用い
て、通電導体として用いられる各インダクタ導体の線間
短絡を防止した。本発明はこれに加えて、このような導
体が設けられた基板10の表面10a、またはその表面10aお
よび裏面10bの双方に絶縁性のシールド層を被覆形成す
ることにより、その線間短絡現象をより効果的に防止す
ることができる。
また、本実施例において前記基板10を高周波吸収発熱
体のような材料を用いて形成することにより、インダク
タ導体20内を通過する信号から発生するノイズ、特に高
周波ノイズを熱として吸収し、より効果的なノイズの除
去を行うことが可能となる。
また、前記基板10としては、必要に応じて、雷サージ
等をとるためにバリスタに使用されるセラミック材を使
用することもできる。
また、前記各実施例において、インダクタ導体20,ア
ース用ブロック導体22の表面に磁性体をメッキ等により
接着させ磁性体とすることにより、インダクタ導体20の
磁気抵抗が減少し、そのインダクタンスを大きくするこ
ともできる。また、この磁性体として、絶縁性のものを
用いることにより、導体20,22間の線間短絡をより効果
的に防止できる。
また、前記実施例においては、誘電体を基板10として
形成した場合を例にとり説明したが、本発明はこれに限
らず、例えば円筒,角筒等の筒型形状をした誘電体を用
いてもよい。この場合には筒体の内周または外周のいず
れか一方の面に、スパイラル溝とアース用溝を設け、こ
の溝内にインダクタ導体およびアース用ブロック導体を
形成すればよい。また筒体の内周および外周の両面にイ
ンダクタ導体およびアース用ブロック導体を形成しても
よい。
なお、前記実施例では、各インダクタ導体20およびア
ース用ブロック導体22を、基板10の表面10aに設けたス
パイラル溝12およびアース用溝14内に設けた場合を例に
とり説明したが、本発明はこれに限らず、幾分その特性
は劣るが、基板10の表面10aに前記溝を設けることなく
インダクタ導体20およびアース用ブロック導体22を直接
設けてもよい。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、インダクタ導
体の一部と相隣接するよう一または複数のアース用ブロ
ック導体を設け、各ブロック導体とインダクタ導体との
間でキャパシタを個別に形成している。これにより、イ
ンダクタ導体のインダクタンスと、各ブロック導体のキ
ャバシタから成り分布定数型として良好に機能するLCノ
イズフィルタを得ることができる。
また、本発明によれば、前記ブロック導体の個数を増
減することにより、任意のキャパシタンスをもった分布
定数型LCノイズフィルタを簡単に得ることができる。
さらに、請求項(2)に記載の発明によれば、前記イ
ンダクタ導体およびアース用ブロック導体を、誘電体の
少なくとも一面に設けられたスパイラル溝およびアース
用溝内に設け、インダクタ導体とアース用ブロック導体
とが誘電体の壁体を介し相隣接するよう構成することに
より、各インダクタ導体のインダクタンスを低下させる
ことなく、十分なキャパシタを有し、優れた電気的特性
を備えた分布定数型LCノイズフィルタを得ることができ
る。特に、本発明によれば、前記壁体により、インダク
タ導体の線間短絡現象がさらに確実に防止されることか
ら、低周波帯域から高周波帯域にわたり優れた電気的特
性を有する分布定数型LCノイズフィルタを得ることがで
きる。
また、本発明では、誘電体の同じ面にインダクタ導体
とアース用ブロック導体を形成しているため、誘電体の
他面側を利用して、各導体と端子との間の配線をリード
を用いて簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明のLCノイズフィルタに用いられる基板
の一例を示す説明図、 第2図は、前記基板の各溝内に設けられたスルーホール
の概略説明図、 第3図は、前記溝内に導体を設けて形成された本実施例
のノーマルモード型LCノイズフィルタの説明図であり、
同図(A)はその表面の概略説明図、同図(B)はその
裏面の概略説明図、 第4図は第3図(A)のIV−IV断面概略斜視説明図、第
5図は本実施例の等価回路図、 第6図は基板の壁体を挾んで相対向するインダクタ導体
とアース用ブロック導体の説明図、 第7図は、基板上に形成されるスパイラル溝,アース用
溝等を外方に向けてテーパー形状にした場合の一例を示
す説明図、 第8図は、第1図〜第6図に示す本実施例のLCノイズフ
ィルタを浅溝型に形成した場合の一例を示す断面概略斜
視説明図、 第9図は、本発明をノーマルモード型LCノイズフィルタ
に適用した場合の一例を示す説明図であり、同図(A)
はその表面側の説明図、同図(B)はその裏面側の説明
図、 第10図は第9図(A)のΧ−Χ断面概略斜視説明図、 第11図は本実施例の等価回路図、 第12図は本発明の好適な第3実施例の説明図、 第13図は本発明の好適な第4実施例の説明図、 第14図はハウジングを用いて形成された本発明に係るLC
ノイズフィルタの好適な第5実施例の説明図、 第15図は、磁性体を粉体塗装して閉磁路を形成したLCノ
イズフィルターの説明図、 第16図はPCボードを積層配置し、その一つに前記第1〜
第4実施例に係るノイズフィルタを用い多チャンネルノ
イズフィルタを形成した場合の説明図、 第17図はICが実装されたPCボード上に、信号ライン用の
多チャンネルノイズフィルタと電源ライン用のノイズフ
ィルタの双方を形成する場合の説明図、 第18図は縦長の絶縁性基板上に多チャンネルノイズフィ
ルタを形成して、これをPCボード上に実装した場合の説
明図、 第19図は従来のノイズフィルタの一例を示す説明図、 第20図,第21図は第19図に示す従来のノイズフィルタの
等価回路図である。 10……絶縁性基板、12……スパイラル溝、 14……アース用溝、20……インダクタ導体、 22……アース用ブロック導体。

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】誘電体の一面に渦巻状に形成されたインダ
    クタ導体と、 前記誘電体の一面に、前記渦巻き状のインダクタ導体に
    沿ってその線間に形成された複数のアース用ブロック導
    体と、 を含み、前記各アース用ブロック導体はその両側に相隣
    接するインダクタ導体との間でキャパシタを形成するこ
    とを特徴とするLCノイズフィルタ。
  2. 【請求項2】誘電体の一面に形成されたスパイラル溝
    と、 前記誘電体の一面に、前記スパイラル溝に沿ってそのス
    パイラル状の溝間に形成された複数のアース用溝と、 前記スパイラル溝内に形成されたインダクタ導体と、 前記アース用溝内に形成された複数のアース用ブロック
    導体と、 を含み、前記各アース用ブロック導体はその両側に誘電
    体の壁体を介し相隣接するインダクタ導体との間でキャ
    パシタを形成することを特徴とするLCノイズフィルタ。
  3. 【請求項3】請求項(2)において、 前記スパイラル溝内に設けられたインダクタ導体と、ア
    ース用溝内に設けられたアース用ブロック導体とを用い
    ノーマルモード型として形成されたことを特徴とするLC
    ノイズフィルタ。
  4. 【請求項4】誘電体の一面に形成されたスパイラル溝
    と、 前記誘電体の一面に、前記スパイラル溝の一部と相対向
    するように形成された一または複数のアース用溝と、 前記スパイラル溝内に形成されたインダクタ導体と、 前記アース用溝内に形成されたアース用ブロック導体
    と、 を含み、 前記スパイラル溝は、相隣接するよう少なくとも2本設
    けられ、これら各スパイラル溝に設けられたインダクタ
    導体と、アース用溝内に設けられたアース用ブロック導
    体とを用いコモンモード型として形成されたことを特徴
    とするLCノイズフィルタ。
  5. 【請求項5】請求項(1)〜(4)のいずれかにおい
    て、 前記アース用ブロック導体のいずれか一つは、インダク
    タ導体の入力または出力端子に近接配置されてなること
    を特徴とするLCノイズフィルタ。
  6. 【請求項6】請求項(1)〜(5)のいずれかにおい
    て、 前記アース用ブロック導体は、 前記インダクタ導体の入力端子に近接配置された第1の
    ブロック導体と、 インダクタ導体の出力端子に近接配置された第2のブロ
    ック導体と、 を含むことを特徴とするLCノイズフィルタ。
  7. 【請求項7】請求項(6)において、 前記アース用ブロック導体は、 インダクタ導体の入力端子及び出力端子の間において、
    インダクタ導体の一部と相隣接するよう設けられた一ま
    たは複数の第3のブロック導体を含むことを特徴とする
    LCノイズフィルタ。
  8. 【請求項8】誘電体の一面に渦巻状に形成されたインダ
    クタ導体と、 前記誘電体の一面に、前記インダクタ導体の一部と相隣
    接するよう形成された一または複数のアース用ブロック
    導体と、 を含み、 前記インダクタ導体の線間に沿って、前記一または複数
    のアース用ブロック導体を設け、インダクタ導体の線間
    短絡を防止するシールド導体をとして機能させることを
    特徴とするLCノイズフィルタ。
  9. 【請求項9】誘電体の一面に形成されたスパイラル溝
    と、 前記誘電体の一面に、前記スパイラル溝の一部と相隣接
    するよう形成された一または複数のアース用溝と、 前記スパイラル溝内に形成されたインダクタ導体と、 前記アース用溝内に形成されたアース用ブロック導体
    と、 を含み、 前記インダクタ導体の線間に沿って、前記一または複数
    のアース用ブロック導体を設け、インダクタ導体の線間
    短絡を防止するシールド導体をとして機能させることを
    特徴とするLCノイズフィルタ。
  10. 【請求項10】請求項(2)〜(7)、(9)のいずれ
    かにおいて、 前記誘電体は、基板として形成され、 前記スパイラル溝およびアース用溝は、この基板の一面
    に相隣接するよう形成され、 前記インダクタ導体およびアース用ブロック導体は、各
    溝内に形成されてなることを特徴とするLCノイズフィル
    タ。
  11. 【請求項11】請求項(10)において、 前記基板は、前記スパイラル溝の中央付近に位置して磁
    心貫通孔が形成され、 更に、前記基板の周囲には、前記磁心貫通孔を貫通し、
    かつ前記基板の両面及び外周部を覆うように磁性体を用
    いて閉磁路が形成されたことを特徴とするLCノイズフィ
    ルタ。
  12. 【請求項12】請求項(8)〜(11)のいずれかにおい
    て、 前記アース用ブロック導体のいずれか一つは、インダク
    タ導体の入力または出力端子に近接配置されてなること
    を特徴とするLCノイズフィルタ。
  13. 【請求項13】請求項(8)〜(12)のいずれかにおい
    て、 前記アース用ブロック導体は、 前記インダクタ導体の入力端子に近接配置された第1の
    ブロック導体と、 インダクタ導体の出力端子に近接配置された第2のブロ
    ック導体と、 を含むことを特徴とするLCノイズフィルタ。
  14. 【請求項14】請求項(13)において、 前記アース用ブロック導体は、 インダクタ導体の入力端子及び出力端子の間において、
    インダクタ導体の一部と相隣接するよう設けられた一ま
    たは複数の第3のブロック導体を含むことを特徴とする
    LCノイズフィルタ。
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