JP2975061B2 - 塗膜形成法 - Google Patents

塗膜形成法

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JP2975061B2
JP2975061B2 JP2188308A JP18830890A JP2975061B2 JP 2975061 B2 JP2975061 B2 JP 2975061B2 JP 2188308 A JP2188308 A JP 2188308A JP 18830890 A JP18830890 A JP 18830890A JP 2975061 B2 JP2975061 B2 JP 2975061B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はカチオン電着塗料と水性塗料(非電着)とを
ウェットオンウェットで塗装し、次いで該両塗膜を加熱
により同時に硬化せしめる、いわゆる2コート1ベーク
方式による新規な複層塗膜形成法に関する。
従来の技術とその課題 カチオン電着塗料を電着塗装し加熱硬化してから、該
塗面に中塗り塗料もしくは上塗り塗料を塗装し、加熱硬
化することが多く行なわれている。
しかしながら、近年、塗装工程の短縮化、省資源およ
び公害防止などの観点から、カチオン電着塗膜を加熱硬
化させることなく該塗面に水性の中塗り又は上塗り塗料
を塗装したのち、該両塗膜を加熱により同時に硬化せし
める2コート1ベーク方式による塗膜形成法の開発が強
く望まれているが、未だ実用に到っていない。
例えばカチオン電着塗装未硬化塗面に有機溶剤形塗料
を塗装したのち、加熱して該両塗膜を同時に硬化させる
と、未硬化のカチオン電着塗面は有機溶剤形塗料中に含
まれる有機溶剤によって膨潤や侵食を受け、加熱硬化後
の塗膜面に凹凸やシワ、チヂミなどが発生しやすい。
また、上記有機溶剤形塗料に代えて、ポリエステル樹
脂およびフルエーテル化メラミン樹脂を主成分とする水
性塗料を用いると、凹凸、シワ、チヂミなどは殆ど発生
しないが、加熱時に未硬化のカチオン電着塗膜から揮散
する塩基性物質や、低分子物質が多量上層塗膜に移行し
て該上層塗膜の硬化反応阻害を生じ十分硬化しない。さ
らに、該水性塗料自体の塗膜の平滑性や鮮映性が十分で
なく、しかも従来の有機溶剤型塗料に比べて、塗膜硬化
中に揮発成分(例えば水)が突沸して、いわゆる「ワ
キ」が発生しやすく、この現象は30〜40μmの膜厚にお
いても認められ、仕上がり外観低下の原因となってい
る。このワキによる塗膜欠陥を避けるため、あらかじめ
低温度(約60℃)で予備加熱を行なって未硬化塗膜中の
水をほとんど揮散させてから、さらに昇温して加熱硬化
すると、水分が十分揮散する前に未硬化塗膜の温度が上
昇し、従って塗膜粘度が低下して垂直部でタレを生じ
る。また、このタレを防止するため、レオロジーコント
ロール剤や体質顔料等を配合して構造粘性を大きくする
と、塗着した塗液の流展性が低下し、加熱硬化後の水性
塗料膜の水滑性が悪くなる。更に、ワキ対策のため、ガ
ラス転移温度の低い脂肪酸変性ポリエステル樹脂を基体
樹脂として用いると、タレ易くなり、塗膜の硬度も低下
し、該塗面に塗装した塗膜の鮮映性が不足する。
課題を解決するための手段 本発明はカチオン電着塗料および水性塗料を2コート
1ベーク方式で塗装する工程における前記欠陥の解消を
目的としており、鋭意研究の結果、特定された両塗料を
用いることによって目的を達成でき、本発明を完成し
た。
すなわち、本発明は、カチオン電着塗装末硬化塗膜面
に水性塗料を塗装し、加熱して該両塗膜を同時に硬化さ
せて複層塗膜を形成するにあたり、該カチオン電着塗料
の電着塗膜の加熱硬化時における塗膜減量が10重量%以
下であり、そして上記水性塗料が、 (a)酸価10〜100および水酸基価20〜300のポリエステ
ル樹脂および/またはウレタン変性ポリエステル樹脂、 (b)水性アミノ樹脂および (c)一般式、 HOCH2CH2 nO−R−OCH2CH2OmH (ただし、Rは、 または nおよびmは2〜10の整数である) で示されるポリエーテルポリオールを主成分とし、さら
に必要に応じて (d)アルキルエーテル化ベンゾイン を配合してなる塗料であることを特徴とする塗膜形成法
に関する。
本発明の方法は、2コート1ベーク方式であるため、
カチオン電着塗膜のみを硬化するための加熱乾燥炉が全
く必要でないのでその設備費、用地および炉のランニン
グ諸経費(燃料費、メンテナンス費その他)がすべて省
略できる。
また、上記両塗料は水を主な溶媒又は分散媒としてい
るために、安全衛生、省資源および公害防止に有利であ
る。
さらに、本発明によって形成される複層塗膜は、前記
従来法に比べて、塗面の平滑性、光沢ならびに鮮映性、
塗膜の付着性、耐湿性、耐チッピング性および硬化性が
すぐれており、しかも、ワキ、タレ、シワ、チヂミおよ
び凹凸などの発生も全く認められないという技術的効果
も有している。
まず、本発明の方法で用いるカチオン電着塗料(以
下、「塗料(A)」と略称することがある)は、その電
着塗膜の加熱硬化時の塗膜減量が10重量%以下、特に好
ましくは7重量%以下であることが必要である。10重量
%より大きくなると、その塗面に塗装した水性塗料の塗
面の平滑性や鮮映性などが低下するので好ましくない。
本発明において、塗料(A)の電着塗膜の加熱硬化時
の塗膜減量(X)は、まず、通常の条件でカチオン電着
塗装を行ない、電着浴から引き上げて塗面を水洗し、10
5℃で3時間加熱して塗膜中の水分すべてもしくは殆ど
を除去してから塗膜重量(Y)を測定し、次いで、170
℃で20分加熱して該塗膜を三次元架橋硬化した後の塗膜
重量(Z)を測定した。これらの測定値を次式にあては
めて塗膜減量(X)をもとめた。
塗料Aは、加熱硬化時の塗膜減量が10重量%以下、好
ましくは7重量%以下のカチオン電着塗料であれば制限
を受けないが、特にこれらの条件を有する以下に例示す
るカチオン電着塗料(A−1)および(A−2)が好ま
しい。
塗料(A−1):水酸基およびカチオン性基を含有す
る樹脂(I);脂環式骨格および/または有橋脂環式骨
格にエポキシ基が結合してなるエポキシ基含有官能基を
分子あたり平均2個以上有するエポキシ樹脂(II)とを
主成分として含有するカチオン電着塗料。
該塗料(A−1)を用いて形成される電着塗膜は約25
0℃以下の温度で硬化する。そして特に、鉛、ジルコニ
ウム、コバルト、アルミニウム、マンガン、銅、亜鉛、
鉄、クロム、ニッケル等の金属を含む化合物の単独又は
複数を触媒として配合すると、約70℃〜160℃という低
温加熱でも硬化させることができる。これらの硬化はエ
ポキシ樹脂(II)に含まれるエポキシ基が開環して、樹
脂(I)中の水酸基(好ましくは第1級のもの)と反応
して、さらに、該樹脂(II)中のエポキシ基同士が反応
して、それぞれエーテル結合を形成して架橋硬化するも
のと推察され、硬化反応時に副生物の発生が殆どなく、
塗膜減量が極めて少ない。
従って、塗料(A−1)は、錫触媒を用いなくても16
0℃以下の低温で硬化させることができる;さらに、ブ
ロックイソシアネート化合物又はその誘導体を使用する
必要がない:熱分解による加熱減量(体積収縮)が少な
く良好な付着性を示す;架橋結合中に芳香族ウレタン結
合又は芳香族尿素結合を持ち込むことがない;電着塗膜
の防食性ならびに硬化性がすぐれている;電着浴の安定
性が良好である;などの種々の優れた利点を有する。
塗料(A−1)に使用される水酸基及びカチオン性基
を有する樹脂(I)(以下このものを「基体樹脂
(I)」ということもある)には、(II)成分のエポキ
シ基と反応しうる水酸基を含有し且つ安定な水性分散物
を形成するのに十分な数のカチオン性基を有する任意の
樹脂が包含される。しかして、該基体樹脂(I)として
は例えば次のものが挙げられる。
(i)ポリエポキシ樹脂とカチオン化剤とを反応せしめ
て得られる反応生成物; (ii)ポリカルボン酸とポリアミンとの重縮合物(米国
特許第2,450,940号明細書参照)を酸でプロトン化した
もの; (iii)ポリイソシアネート及びポリオールとモノ又は
ポリアミンとの重付加物を酸でプロトン化したもの; (iv)水酸基ならびにアミノ基含有アクリル系又はビニ
ル系モノマーの共重合体を酸でプロトン化したもの(特
公昭45−12395号公報、特公昭45−12396号公報参照); (v)ポリカルボン酸樹脂とアルキレインミンとの付加
物を酸でプロトン化したもの(米国特許第3,403,088号
明細書参照);等。
これらのカチオン性樹脂の具体例及び製造方法につい
ては、例えば特公昭45−12395号公報、特公昭45−12396
号公報、特公昭49−23087号公報、米国特許第2,450,940
号明細書、米国特許第3,403,088号明細書、米国特許第
3,891,529号明細書、米国特許第3,963,663号明細書等に
記載されているので、ここではこれらの引用を以って詳
細な記述に代える。
基体樹脂(I)として特に望ましいのは、前記(i)
に包含される、ポリフェノール化合物とエピクロルヒド
リンとから得られる防食性に優れているポリエポキシド
化合物のエポキシ基にカチオン化剤を反応せしめて得ら
れる反応性生成物である。
前記ポリエポキシド化合物は、エポキシ基 を1分子中に2個以上有する化合物で、一般に少なくと
も200、好ましくは400〜4,000、さらに好ましくは800〜
2,000の範囲内の数平均分子量を有するものが適してい
る。そのようなポリエポキシド化合物としてはそれ自体
公知のものを使用することができ、例えば、ポリフェノ
ール化合物をアルカリの存在下にエピクロルヒドリンと
反応させることにより製造することができるポリフェノ
ール化合物のポリグリシジルエーテルが包含される。こ
こで使用しうるポリフェノール化合物としては、例え
ば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,2−プロパ
ン、4,4′ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−1,1−エタン、ビス−(4−ヒド
ロキシフェニル)−1,1−イソブタン、ビス(4−ヒド
ロキシ−tert−ブチル−フェニル)−2,2−プロパン、
ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタン、1,5−ジヒド
ロキシナフタレン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニ
ル)メタン、テトラ(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,
2,2−エタン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテ
ル、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、フェノ
ールノボラック、クレゾールノボラック等が挙げられ
る。
上記したポリエポキシド化合物の中で、基体樹脂
(I)の製造に特に適当なものは、数平均分子量が少な
くとも約380、より好適には約800〜約2,000、及びエポ
キシ当量が190〜2,000、好適には400〜1,000の範囲内の
ポリフェノール化合物のポリグリシジルエーテルであ
り、殊に下記式 で示されるものである。該ポリエポキシド化合物は、ポ
リオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリ
オール、ポリアミドアミン、ポリカルボン酸、ポリイソ
シアネートなどと部分的に反応させてもよく、さらに、
δ−4カプロラクトン、アクリルモノマーなどをグラフ
ト重合させてもよい。
一方、上記ポリエポキシド化合物にカチオン性基を導
入するためのカチオン化剤としては、脂肪族または脂環
族または芳香−脂肪族の第1級もしくは第2級アミン、
第3級アミン塩、第2級スルフィド塩、第3級ホスフィ
ン塩などが挙げられる。これらはエポキシ基と反応して
カチオン性基を形成する。さらに第3級アミノアルコー
ルとジイソシアネートの反応によって得られる第3級ア
ミノモノイソシアネートをエポキシ樹脂の水酸基と反応
させてカチオン性基とすることもできる。
前記カチオン化剤におけるアミン化合物の例として
は、例えば次のものを例示することができる。
(1)メチルアミン、エチルアミン、n−又はiso−プ
ロピルアミン、モノエタノールアミン、n−又はiso−
プロパノールアミンなどの第1級アミン; (2)ジエチルアミン、ジエタノールアミン、ジn−又
はiso−プロパノールアミン、N−メチルエタノールア
ミン、N−エチルエタノールアミンなどの第2級アミ
ン; (3)エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ビド
ロキシエチルアミノエチルアミン、エチルアミノエチル
アミン、メチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノ
エチルアミン、ジメチルアミノプロピルアミンなどのポ
リアミン。
これらの中で水酸基を有するアルカノールアミン類が
好ましい。また、第1級アミノ基を予めケトンと反応さ
せてブロックした後、残りの活性水素でエポキシ基と反
応させてもよい。
さらに、上記アミン化合物以外にアンモニア、ヒドロ
キシルアミン、ヒドラジン、ヒドロキシエチルヒドラジ
ン、N−ヒドロキシエチルイミダゾリン化合物などの塩
基性化合物も同様に使用することができる。これらの化
合物を用いて形成される塩基性基は酸、特に好ましくは
ギ酸、酢酸、グリコール酸、乳酸などの水溶性有機カル
ボン酸でプロトン化してカチオン性基とすることができ
る。
さらに、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、
N,N−ジメチルエタノールアミン、N−メチルジエタノ
ールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N−エ
チルジエタノールアミンなどの第3級アミンなども使用
でき、これらは酸で予めプロトン化し、エポキシ基と反
応させて第4級塩にすることができる。
また、アミノ化合物以外に、ジエチルスルフィド、ジ
フェニルスルフィド、テトラメチレンスルフィド、チオ
ジエタノールなどのスルフィド類とホウ酸、炭酸、有機
モノカルボン酸などとの塩をエポキシ基と反応させて第
3級スルホニウム塩としてもよい。
更に、トリエチルホスフィン、フェニルジメチルホス
フィン、ジフェニルメチルホスフィン、トリフェニルホ
スフィンなどのホスフィン類と上記の如き酸との塩をエ
ポキシ基と反応させて、第4級ホスホニウム塩としても
よい。
基体樹脂(I)の水酸基としては、例えば、上記カチ
オン化剤中のアルカノールアミン、エポキシド化合物中
に導入されることがあるカプロラクトンの開環物および
ポリオールなどから導入できる第1級水酸基;エポキシ
樹脂中の2級水酸基;などがあげられる。このうち、ア
ルカノールアミンにより導入される第1級水酸基はエポ
キシ樹脂(II)との架橋硬化反応性がすぐれているので
好ましい。このようなアルカノールアミンは前記カチオ
ン化剤で例示したものが好ましい。
基体樹脂(I)における水酸基の含有量は、エポキシ
樹脂(II)に含まれるエポキシ基との架橋硬化反応性の
点からみて、水酸基当量で20〜5,000、特に100〜1,000
の範囲内が好ましく、特に第1級水酸基当量は200〜1,0
00の範囲内にあることが望ましい。また、カチオン性基
の含有量は、該基体樹脂(I)を安定に分散しうる必要
な最低限以上が好ましく、KOH(mg/g固形分)(アミン
価)換算で一般に3〜200、特に10〜80の範囲内にある
ことが好ましい。しかし、カチオン性基の含有量が3以
下の場合であっても、界面活性剤などを使用して水性分
散化して使用することも可能であるが、この場合には、
水性分散組成物のpHが通常4〜9、より好ましくは6〜
7になるようにカチオン性基を調整するのが望ましい。
基体樹脂(I)は、水酸基及びカチオン性基を有して
おり、遊離のエポキシ基は原則として含まないことが望
ましい。
次に上記基体樹脂(I)と混合して使用される硬化剤
としてのエポキシ樹脂(II)について説明する。
該エポキシ樹脂(II)(以下このものを「硬化用樹脂
(II)」ということもある)は、基体樹脂(I)と主と
して前記のごとくエーテル化反応などによって架橋硬化
塗膜を形成するための硬化剤であって、特定の「エポキ
シ基含有官能基」を1分子あたり平均2個以上、好まし
くは3個以上有するものである。
すなわち、硬化用樹脂(II)における該エポキシ基含
有官能基は、脂環式骨格および/または有橋脂環式骨格
とエポキシ基とからなり、脂環式骨格は、4〜10員、好
ましくは5〜6員の飽和炭素環式環または該環が2個以
上縮合した縮合環を含有し、また、有橋脂環式骨格は、
上記環式または多環式環を構成する炭素原子2個の間に
直鎖状もしくは分岐鎖状のC1(好ましくはC1
アルキレン基[例えば−CH2−、−CH2−CH2−、−CH(C
H3)−、−CH2(CH3)CH2−、−C(CH3−、−CH
(CH2H5)CH2−など]の橋(エンドメチレン、エンドエ
チレンなど)が結合した環を含有するものである。
一方、エポキシ基 は、該エポキシ基中の炭素原子の1つが上記脂環式骨格
または有橋脂環式骨格中の環炭素原子に直接結合してい
る[例えば、下記式(イ)、(ロ)参照]か、或いは該
エポキシ基の2個の炭素原子と上記脂環式骨格または有
橋脂環式骨格中の環を構成する隣接する2個の炭素原子
とが共通している[例えば下記式(ハ)、(ニ)参照]
ことが重要である。
そのようなエポキシ基含有官能基の具体例としては、
下記式(イ)〜(ニ)で示されるものが挙げられる。
式中、R1、R2、R3、 R5、R6、R7、R10及びR11はそれ
ぞれH、CH3またはC2H5を表わし、そしてR4、R8及びR9
はそれぞれHまたはCH3を表わす。
エポキシ樹脂(II)は、上記式(イ)〜(ニ)から選
ばれるエポキシ基含有官能基を1分子あたり平均少なく
とも2個、好ましくは2個以上、より好ましくは4個以
上有することができ、例えば式(イ)または(ロ)で示
されるエポキシ基含有官能基を少なくとも1種有するこ
とができ、或いは式(ハ)または(ニ)で示されるエポ
キシ基含有官能基を少なくとも1種有することができ
る。さらにまた、エポキシ樹脂(II)は、式(イ)また
は(ロ)で示されるエポキシ基含有官能基の少なくとも
1種と、式(ハ)または(ニ)で示されるエポキシ基含
有官能基の少なくとも1種とを同じ分子内または異なる
分子内に有することもできる。
上記のうち、式(イ)及び(ハ)で示されるエポキシ
基含有基が好ましく、殊に下記式(ホ) で示されるエポキシ基含有官能基、及び下記式(ヘ) で示されるエポキシ基含有官能基が好適である。
また、エポキシ樹脂(II)のエポキシ当量及び分子量
は厳密に制限されるものではなく、その製造方法や最終
の樹脂組成物の用途等に応じて変えることができるが、
一般的に言えば、エポキシ当量は通常、100〜2,000、好
ましくは150〜500、さらに好ましくは150〜250の範囲内
にあることができ、また、数平均分子量は通常400〜10
0,000、好ましくは700〜50,000、さらに好ましくは700
〜30,000の範囲内にあるのが適当である。
このようなエポキシ基含有官能基を1分子中に2個以
上有するエポキシ樹脂[硬化葉樹脂(II)]は、例え
ば、特公昭56−8016号公報、特開昭57−47365号公報、
特開昭60−166675号公報、特開昭63−221121号公報、特
開昭63−234028号公報などの文献に記載されており、そ
れ自体既知のものを使用することができる。
或いはまた、上記エポキシ基含有官能基を有するエポ
キシ樹脂(II)はそれ自体既知の方法によって得られ、
その主な製造法を以下に列挙するが、これらに限定され
るものではない。
第1の製造方法:1分子中に炭素−炭素二重結合を2個
以上有する脂環化合物の該二重結合の一部を部分エポキ
シ化し、そのエポキシ基を開環重合した後、重合体に残
る該二重結合をエポキシ化する方法。
第2の製造方法:同一分子中にエポキシ基を2個以上
有する脂環化合物を該エポキシ基に基づいて、該エポキ
シ基のすべてが消去しない程度に開環重合する方法。
第3の製造方法:同一分子中にエポキシ基含有官能基
と重合性不飽和結合とを有する化合物を重合する方法。
以下、これらの製造方法についてさらに具体的に説明
する。
第1の製造方法: 1分子中に炭素−炭素二重結合を2個以上有する脂環
化合物(以下、「脂環化合物(I)」と略称する)に含
まれる該二重結合の一部をエポキシ化し(部分エポキシ
化物)、次いで該エポキシ基の開環重合によって該部分
エポキシ化物の開環重合体を得たのち、該重合体中に残
存する上記二重結合の一部もしくは全部をエポキシ化す
ることによって硬化用樹脂(II)を得る。
脂環化合物(I)は、脂環式骨格または有橋脂環式骨
格について前述した脂環式環または有橋脂環式環構造を
基体骨格とし、さらに二重結合を、環を構成する隣接炭
素原子2つの間で存在するか、又は該環構造を構成する
炭素原子に他の炭素原子に基づく二重結合が直接結合す
る状態で少なくとも2個以上含有する化合物である。
脂環化合物(I)は、例えば共役ジエン化合物を既知
の方法に基いて加熱することによっても得られる。共役
ジエン化合物は、1分子中に共役関係にある二重結合を
1対以上、好ましくは1〜5対有する炭素数が4〜30の
脂肪族または脂環式の化合物が適しており、具体的に
は、ブタジエン、イソプレン、ピリレン、1,3−ヘキサ
ジエン、2,4−ヘキサジエン、2,4−ヘプタジエン、2−
メチル−6−メチレン−2,7−オクタジエン、2,6−ジメ
チル−1,5,7−オクタトリエン、シクロペンタジエン、
シクロヘキサジエン、4−エチル−2−メチルシクロペ
ンタジエン、3−イソプロピル−1−メチルシクロペン
タジエン、5−イソプロピルシクロペンタジエン、1,2,
3,4−テトラフェニルシクロペンタジエン、1,2,4−トリ
フェニルシクロペンタジエン、1,4−ジフェニルシクロ
ペンタジエン、1,3−オクタクロルペンタジエン、ヘキ
サクロルシクロペンタジエン、5,5−ジエトキシ−1,2,
3,4−テトラクロルシクロペンタジエン、1,2,3,4,5−ペ
ンタクロルシクロペンタジエン、1,2,3,4−テトラクロ
ルシクロペンタジエン、1,3−シクロペンタジエン、1,3
−シクロオクタジエン、1,3,5−シクロオクタトリエ
ン、1,3,6−シクロオクタトリエン、シクロオクタテト
ラエン、クロルシクロオクタテトラエン、ブロムシクロ
オクタテトラエン、5−シクロヘキシリデンシクロペン
タジエンなどがあげられ、これらはそれぞれ単独でもし
くは2種以上組合わせて用いることができる。
共役ジエン化合物を必要によりチーグラー触媒を用い
て加熱下で反応を行なわしめると脂環化合物(I)が得
られる。この加熱反応はそれ自体既知の方法で行なうこ
とができ、例えば、特開昭49−102643号公報に開示され
た方法で行うことができる。このようにして得られる脂
環化物(I)の代表例を示せば次のとおりである。
上記共役ジエン化合物のうち、シクロペンタジエン、
シクロヘキサジエン、4−エチル−2−メチルシクロペ
ンタジエンなどの脂環式構造を有する化合物や、シルベ
ストレン、2,8(9)−p−メンタジエン、ピロネン、
1,3−ジメチル−1−エチル−3,5−シクロヘキサジエ
ン、テルピネン、フェランドレン、ジペンテン、イソリ
モネン、リモネンなどはすでに脂環式化合物(I)の構
造を有しているので、上記熱反応に供することなくその
まま使用することができる。
まず、脂環化合物(I)に含まれる炭素−炭素二重結
合の一部を過酸化物などによってエポキシ基に変性する
(部分エポキシ化)。部分エポキシ化物は、前記脂環化
合物(I)に含まれる複数の二重結合のうち一部をエポ
キシ基に変性したものであり、その具体例を示せば次の
とおりである。
天然に得られるエポキシカレンなども部分エポキシ化
物として使用することができる。
部分エポキシ化物は1分子中にエポキシ基と炭素−炭
素二重結合とをそれぞれ少なくとも1個ずつ有してお
り、該二重結合は環を構成する隣接の炭素原子2個の間
に存在するかもしくは該環の炭素原子に他の炭素原子に
基づく二重結合が結合していることが必要である。
次に、この部分エポキシ化物中のエポキシ基に基いて
開環重合して脂環式化合物(I)の重合体を得る。この
開環重合には開始剤を用いることが好ましく、最終製品
でる硬化用樹脂(II)の末端に該開始剤成分による残基
Xが結合していてもよい。ここで、Xは活性水素を有す
る有機化合物残基であり、その前駆体である活性水素を
有する有機化合物としては、例えば、アルコール類、フ
ェノール類、カルボン酸類、アミン類、チオール類等が
あげられる。このうち、アルコール類としては、1価ア
ルコール及び2価以上の多価アルコールのいずれであっ
てもよく、具体的には例えば、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサ
ノール、オクタノール等の脂肪族1価アルコール;ベン
ジルアルコールのような芳香族1価アルコール;エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオール、ネオペンチルグリコール、オキシビバ
リン酸ネオペンチルグリコールエステル、シクロヘキサ
ンジメタノール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリ
セリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタ
ン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールな
どの多価アルコール等が例示される。
フェノール類としては、例えば、フェノール、クレゾ
ール、カテコール、プロガロール、ハイドロキノン、ハ
イドロキノンモノメチルエーテル、ビスフェノールA、
ビスフェノールF、4,4′−ジヒドロキシベンゾフェノ
ン、ビスフェノールS、フェノール樹脂、クレゾールボ
ラック樹脂等が挙げられる。
カルボン酸類としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、
酪酸、道植物油の脂肪酸;フマル酸、マレイン酸、アジ
ピン酸、ドデカン2酸、トリメリット酸、ピロメリット
酸、ポリアクリル酸、フタール酸、イソフタル酸、テレ
フタル酸等を例示することができ、また、乳酸、クエン
酸、オキシカプロン酸等の水酸基とカルボン酸を共に有
する化合物も使用することができる。
さらに、その他の活性水素を有する化合物として、テ
トラメチルシリケート、テトラエチルシリケート、メチ
ルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジ
メチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン
等のアルコキシシランと水の混合物又はこれらのシラノ
ール化合物、ポリビニルアルコールポリ酢酸ビニル部分
加水分解物、デンプン、セルロール、セルロースアセテ
ート、セルロースアセテートブチレート、ヒドロキシエ
チルセルロース、アクリルポリオール樹脂、スチレン−
アリルアルコール共重合樹脂、スチレン−マレイン酸共
重合樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステルポリオール樹
脂、ポリカプロラクトンポリオール樹脂等も作用するこ
とができる。また、活性水素と共に不飽和二重結合を有
していてもよく、さらに該不飽和二重結合がエポキシ化
されたものであっても差し支えない。また、アルコキシ
金属化合物のように触媒と開始剤が同一であってもよ
い。
通常、上記活性水素を有する有機化合物を開始剤に
し、上記部分エポキシ化物、例えば4−ビニルシクロヘ
キセン−1−オキシド、4−ビニルシクロ[2,2,1]3
−メチル−4(または5)−t−プロペニル−1−シク
ロヘキセンオキシド、2,4−または1,4−ジメチル−4−
エテニル−1−シクロヘキセンオキシド、4−ビニルシ
クロ[2,2,1]ヘプテン−1−オキシド(ビニルノルボ
ルネンオキシド)、2−メチル−4−イソプロパニル−
シクロヘキセンオキシドなどを単独または複数用いて開
環重合する。このとき更に上記部分エポキシ化物に属さ
ない他のエポキシ化合物を併存させて、開環共重合する
ことも可能である。共重合させ得る他のエポキシ化物と
しては、エポキシ基を有するものであればいかなるもの
でもよいが、好適な例には、エチレンオキサイド、プロ
ピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキ
サイド等の不飽和化合物の酸化物;アリルグリシジルエ
ーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、メチ
ルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フ
ェニルグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル化合
物;アクリル酸、メタクリル酸のような不飽和有機カル
ボン酸のグリシジルエステル化合物;3,4−エポキシシク
ロヘキシルメチル(メタ)アクリレートなどの脂環式オ
キシラン基含有ビニル単量体等があげられる。
上記開環重合体は、部分エポキシ化物を単独もしくは
必要に応じてその他のエポキシ化合物を併用させて、こ
れらに含まれるエポキシ基を開環重合(エーテル結合)
させることによって得られる。開環重合体におけるその
他のエポキシ化合物の構成比率は目的に応じて任意に選
ぶことができるが、具体的には、得られる開環共重合体
1分子あたり前記構造式(イ)〜(ニ)のいずれか1種
又は複数種を平均2個以上、好ましくは3個以上、より
好ましくは4個以上有する範囲内で選ぶことが望まし
い。
このようにして得られる該(共)重合体の数平均分子
量は一般に400〜100,000、特に700〜50,000、さらに700
〜30,000の範囲内にあることが好ましい。
開環重合反応には、一般に触媒の存在下に行なうこと
が好ましく、使用しうる触媒としては、例えば、メチル
アミン、エチルアミン、プロピルアミン、ピペラジン等
のアミン類;ピリジン類、イミダゾール類等の有機塩基
類;ギ酸、酢酸、プロピオン酸等の有機酸類;硫酸、塩
酸等の無機酸;ナトリウムメチラート等のアルカリ金属
アルコラート類;KOH、NaOH等のアルカリ類;BF3、ZnC
、AlC、SnC等のルイス酸又はそのコンプレッ
クス類;トリエチルアルミニウム、アルミニウムアセチ
ルアセトナート、チタニウムアセチルアセトナート、ジ
エチル亜鉛等の有機金属化合物を挙げることができる。
これらの触媒は反応物に対して一般に0.001〜10重量
%、好ましくは0.1〜5重量%の範囲内で使用すること
ができる。開環重合反応温度は一般に約−70〜約200
℃、好ましくは約−30℃〜約100℃の範囲内である。反
応は溶媒を用いて行なうことができ、溶媒としては活性
水素を有していない通常の有機溶媒を使用することが好
ましい。
開環重合体には脂環化合物(I)に基づく二重結合が
存在しており、そのすべてもしくは一部をエポキシ化す
ることによってエポキシ樹脂(II)が得られる。二重結
合のエポキシ化は例えば過酸類、ハイドロパーオキサイ
ド類等のエポキシ化剤を用いて行なうことができる。エ
ポキシ化反応の際の溶媒使用の有無や反応温度は、用い
る装置や原料物性に応じて適宜調整することができる。
エポキシ化反応の条件によって、原料開環重合体中の二
重結合のエポキシ化と同時に副反応がおこり、変性され
た置換基が、エポキシ樹脂(II)の骨格中に含まれるこ
とがある。この変性された置換基としては、例えばエポ
キシ化剤として過酢酸を用いる場合には、下記構造の置
換基があげられ、これは生成したエポキシ基と副生した
酢酸との反応によるものと思われる。
これらの変性された置換基が含まれる比率はエポキシ
化剤の種類、エポキシ化剤と不飽和基のモル比、反応条
件によって定まる。
このようにして得られるエポキシ樹脂(II)のエポキ
シ当量は一般に100〜2,000、特に150〜500、さらに150
〜250の範囲内であることが好ましい。
このようなエポキシ樹脂(II)としては市販品も使用
可能であり、例えばEHPE−3150、EHPE−3100、EHPE−11
50[ダイセル化学工業(株)製商品名]等があげられ、
これは4−ビニルシクロヘキセン−1−オキサイドを用
いたシクロヘキサン骨格をもつ下記構造式のエポキシ樹
脂である。
式中、nは2以上であり、好ましくは3以上、より好
ましくは4以上である。
第2の製造方法 例えば、前記脂環化合物(I)に含まれる二重結合の
うち少なくとも2個をエポキシ化し、次いでエポキシ基
が残存するように開環重合することによって得られる。
上記1分子あたり平均2個以上のエポキシ基を有する
エポキシ化物としては、単環式もしくは縮合環式の下記
化合物が代表的に示される。
基本的には、上記エポキシ化物の1種以上を前記第1
の製造方法で述べたのと同様にして、必要に応じ開始
剤、触媒を使用し、開環重合反応を行ないエポキシ基が
残存している所定の反応点で反応を止めることによりエ
ポキシ樹脂(II)を得る。反応を停止させるには、溶剤
による希釈、冷却等任意の手段が使用することができ
る。この製造方法においても前記他のエポキシ化合物を
第1の製造方法と同様に共重合させてもよい。
こうして得られる硬化用樹脂(II)は、前記式(イ)
または(ロ)で示されるエポキシ基含有官能基の少なく
とも1種と前記式(ハ)または(ニ)で示されるエポキ
シ基含有官能基の少なくとも1種とを同一分子中または
異なる分子中に有するエポキシ樹脂であることもでき
る。
このようにして得られる開環重合体[硬化用樹脂(I
I)]の数平均分子量は一般に400〜10,000、特に700〜5
0,000の範囲内にあることが好ましく、また、エポキシ
当量は一般に100〜2,000、特に150〜500、さらに150〜2
50の範囲内にあることが好都合である。
第3の製造方法: 同一分子中にエポキシ基含有官能基と重合性不飽和結
合とをそれぞれ少なくとも1個ずつ有する化合物(以
下、「重合性エポキシモノマー」と略称することがあ
る)としては、例えば以下の一般式〜に示すものが
あげられる。
上記一般式、R11は水素原子又はメチル基を表わし、R
12は炭素数1〜6の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表わ
し、R13は炭素数1〜10の2価の炭化水素基を表わす。
上記重合性エポキシモノマーにおいて、R12によって
表わされる炭素数1〜6の2価の脂肪族炭化水素基とし
ては、直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基、例えばメチ
レン、エチレン、プロピレン、テトラメチレン、エチル
エチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン基等を挙げ
ることができる。またR12によって表わされる炭素数1
〜10の2価の炭化水素基としては、例えばメチレン、エ
チレン、プロピレン、テトラメチレン、エチルエチレ
ン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ポリメチレン、
フェニレン、 基等を挙げることができる。
上記一般式〜で示される重合性エポキシモノマー
の具体例としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチ
ルアクリレートおよび3,4−エポキシシクロヘキシルメ
チルメタクリレートなどがあげられる。これらの市販品
として、例えば、ダイセル化学工業製のMETHB、AETHB
(いずれも商品名)等があげられ、これらはいずれも前
記式(イ)または(ロ)で示されるエポキシ基含有官能
基を有しているものである。さらに、4−ビニルシクロ
ヘキセンオキサイドも重合性エポキシモノマーとして使
用できる。
重合性エポキシモノマーから選ばれる1種もしくは2
種以上を重合することによってエポキシ樹脂(II)を製
造することができるが、その際他の重合性不飽和モノマ
ーを共重合させることもできる。
上記他の重合性不飽和モノマーとしては、得られる
(共)重合体に望まれる性能に応じて広範に選択するこ
とができ、その代表例を示せば次のとおりである。
(a)アクリル酸又はメタクリル酸のエステル:例え
ば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリ
ル酸ラウリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピ
ル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタ
クリル酸オクチル、メタクリル酸ラウリル等のアクリル
酸又はメタクリル酸の炭素数1〜18のアルキルエステ
ル;アクリル酸メトキシブチル、メタクリル酸メトキシ
ブチル、アクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸メト
キシエチル、アクリル酸エトキシブチル、メタクリル酸
エトキシブチル等のアクリル酸又はメタクリル酸の炭素
数2〜18のアルコキシアルキルエステル;アリルアクリ
レート、アリルメタクリレート等のアクリル酸又はメタ
クリル酸の炭素数2〜8のアルケニルエステル;ヒドロ
キシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレ
ート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプ
ロピルメタクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸
の炭素数2〜8のヒドロキシアルキルエステル;アリル
オキシエチルアクリレート、アリルオキシメタクリレー
ト等のアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数3〜18のア
ルケニルオキシアルキルエステル。
(b)ビニル芳香族化合物;例えば、スチレン、α−メ
チルスチレン、ビニルトルエン、p−クロルスチレン。
(c)ポリオレフィン系化合物:例えば、ブタジシエ
ン、イソプレン、クロロプレン。
(d)その他:アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、メチルイソプロペニルケトン、酢酸ビニルベオバモ
ノマー(シェル化学製品)、ビニルプロピオネート、ビ
ニルピバレート、ポリカプロラクトン鎖をもつビニル化
合物(例えば、FM−3Xモノマー:ダイセル化学工業製商
品名)。
重合性エポキシモノマーと他の重合性不飽和モノマー
との構成比率は、目的に応じて任意に選択することがで
き、これらの共重合反応によって得られるエポキシ樹脂
(II)の1分子中あたりエポキシ基含有官能基が平均少
なくとも2個、好ましくは平均3個以上、より好ましく
は平均4個以上含有するような範囲で選択することがで
きるが、十分な硬化性を付与する官能基として利用する
ためには、特に該エポキシ樹脂(II)固形分中重合性エ
ポキシモノマー含有率が5〜100重量%、より好ましく
は20〜100重量%の範囲内となるようにするのが好まし
い。
上記第3の製造方法によって得られるエポキシ樹脂
(II)は、通常のアクリル樹脂やビニル樹脂等の重合性
不飽和結合に基く重合反応と同様の方法、条件を用いて
製造することができる。このような重合反応の一例とし
て、各単量体成分を有機溶剤に溶解もしくは分散せし
め、ラジカル重合開始剤の存在下で60〜180℃程度の温
度で撹拌しながら加熱する方法を示すことができる。反
応時間は通常1〜10時間程度とすることができる。ま
た、有機溶剤としては、アルコール系溶媒、エーテル系
溶媒、エステル系溶媒、、炭化水素系溶媒等を使用でき
る。炭素水素系溶媒を用いる場合には、溶解性の点から
他の溶媒を併用することが好ましい。さらに、ラジカル
開始剤として通常用いられているものをいずれも用いる
ことができ、具体例として、過酸化ベンゾイル、t−ブ
チルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の過酸化
物;アゾイソブチルニトリル、アゾビスメチルバレロニ
トリル等のアゾ化合物等を示すことができる。
上記第3の製造例のエポキシ樹脂(II)は、数平均分
子量が一般に約3,000〜約100,000の範囲内にあるものが
好ましく、特に4,000〜10,000の範囲内にあるものがよ
り好ましい。
上記した硬化用樹脂(II)の中で、自動車ボデー用に
使用されるカチオン電着塗料のような高度の性能が要求
される用途に用いるのに適しているのは、1分子あたり
にエポキシ基含有官能基を平均して3個以上、より好ま
しくは平均して4個以上、最も好ましくは平均して5個
以上有するものであり、また、エポキシ当量が好ましく
は100〜2,000、より好ましくは150〜500、特に150〜250
の範囲内にあり、そして数平均分子量が好ましくは400
〜100,000、より好ましくは700〜50,000、特に好ましく
は700〜30,000の範囲内にあるものである。
硬化用樹脂(II)の使用量は、用いる基本樹脂(I)
の種類に応じて、また得られる塗膜が熱硬化するのに必
要な最少量乃至カチオン電着塗料の安定性をそこなわな
い最大量の範囲内で適宜変えることができるが、一般に
は硬化用樹脂(II)の基体樹脂(I)に対する固形分の
重量比が0.2〜1.0、特に0.25〜0.85、さらに望ましくは
0.25〜0.65の範囲内となるように選択するのが好まし
い。
硬化用樹脂(II)の一部が基体樹脂(I)にあらかじ
め付加したものが含まれていてもさしつかえない。
かくして基体樹脂(I)と硬化用樹脂(II)からなる
組成物はカチオン電着塗料(A−1)として使用するこ
とができる。
塗料(A−1)を調整するには、例えば、基体樹脂
(I)と硬化用樹脂(II)を混合した後、水中に安定に
分散せしめ、次いで必要に応じて、カーボンブラック、
チタン白、鉛白、酸化鉛、ベンガラのような着色顔料;
クレー、タルクのような体質顔料;クロム酸ストロンチ
ウム、クロム酸鉛、塩基性クロム酸鉛、鉛丹、ケイ酸
鉛、塩基性ケイ酸鉛、リン酸鉛、塩基性リン酸鉛、トリ
ポリリン酸鉛、ケイクロム酸鉛、黄鉛、シアナミド鉛、
鉛酸カルシウム、亜鉛化鉛、硫酸鉛、塩基性硫酸鉛等の
防食顔料;或いはさらに他の添加剤を混練することによ
って行なわれる。配合し得る他の添加剤としては、例え
ば、分散剤又は塗面のハジキ防止剤としての少量の非イ
オン系界面活性剤;硬化促進剤等が挙げられる。
特に、塗料(A−1)による電着塗膜を160℃以下の
低温で十分に硬化するようにするには、鉛化合物、ジル
コニウム化合物、コバルト化合物、アルミニウム化合
物、マンガン化合物、銅化合物、亜鉛化合物、鉄化合
物、クロム化合物、ニッケル化合物などから選ばれる1
種もしくは2種以上の金属化合物を触媒として添加する
ことが有効である。これらの金属化合物の具体例として
は、例えば、ジルコニウムアセチルアセトナート、コバ
ルトアセチルアセトナート、アルミニウムアセチルアセ
トナート、マンガンアセチルアセトナートなどのキレー
ト化合物;β−ヒドロキシアミノ構造を有する化合物と
酸化鉛(II)のキレート化反応生成物;2−エチルヘキサ
ン酸鉛、セカノイック鉛、ナフチックス鉛、オクチック
ス鉛、安息香酸鉛、酢酸鉛、乳酸鉛、ギ酸鉛、グリコー
ル酸鉛、オクチックスジルコニウムなどのカルボキシレ
ートなどが挙げられる。
上記金属化合物は、基体樹脂(I)と硬化用樹脂(I
I)との合計固形分重量に対し、金属含有率が一般に10
重量%以下、好ましくは5重量%以下の量で使用するこ
とができる。
塗料(A−2):水酸基およびカチオン性基を有する
樹脂(I)とブロックポリイソシアネート化合物(II)
とを主成分として含有するカチオン電着塗料。
樹脂(I)としては、すでに説明した基体樹脂(I)
から選ばれるものが好ましい。
ブロックポリイソシアネート化合物(III)は、各々
理論量のポリイソシアネート化合物とイソシアネートブ
ロック剤との付加反生成物であって、樹脂(I)の架橋
剤である。このポリイソシアネート化合物としては、例
えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシ
アネート、フェニレンジイソシアネート、ビス(イソシ
アネートメチル)シクロヘキサン、テトラメチレンジイ
ソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メチ
レンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートな
どの芳香族、脂環族、脂肪族のポリイソシアネート化合
物およびこれらのイソシアネート化合物の過剰量にエチ
レングリコール、プロピレングリコール、トリメチロー
ルプロパン、ヘキサントリオール、ヒマシ油などの低分
子活性水素含有化合物を反応させて得られる末端イソシ
アネート含有プレポリマーが挙げられる。また、イソシ
アネートブロック剤はポリイソシアネート化合物のイソ
シアネート基に付加してブロックするものであり、そし
て付加によって生成するブロックポリイソシアネート化
合物は常温において安定で、且つ解離温度以上に加熱し
た際、ブロック剤を解離して遊離のイソシアネート基を
再生しうるものであることが重要である。
特に本発明ではカチオン電着塗膜の加熱減量が10重量
%以下でなければならないので、このブロック剤として
は分子量が130以下の低分子化合物を用いることが好ま
しい。具体的には、フェノール、クレゾール、キシレノ
ール、クロロフェノールおよびエチルフェノールなどの
フェノール系ブロック剤;ε−カプロラクタム、δ−バ
レロラクタム、γ−ブチロラクタムおよびβ−プロピオ
ラクタムなどのラクタム系ブロック剤:アセト酢酸エチ
ルおよびアセチルアセトンなどの活性メチレン系ブロッ
ク剤;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノ
ール、アミルアルコール、エチレングリコールモノメチ
ルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、
エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレング
リコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモ
ノメチルエーテル、ベンジルアルコール、グリコール酸
メチル、グリコール酸ブチル、ジアセトンアルコール、
乳酸メチルおよび乳酸エチルなどのアルコール系ブロッ
ク剤:ホルムアミドキシム、アセトアルドキシム、アセ
トキシム、メチルエチルケトキシム、ジアセチルモノオ
キシム、シクロヘキサンオキシムなどのオキシム系ブロ
ック剤;ブチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン、
t−ブチルメルカプタン、チオフェノール、メチルチオ
フェノール、エチルチオフェノールなどのメルカプタン
系ブロック剤;酢酸アミド、ベンズアミドなどの酸アミ
ド系ブロック剤;コハク酸イミドおよびマレイン酸イミ
ドなどのイミド系ブロック剤;キシリジン、アニリン、
ブチルアミン、ジブチルアミンなどのアミン系ブロック
剤;イミダゾール、2−エチルイミダゾールなどのイミ
ダゾール系ブロック剤;エチレンイミンおよびプロピレ
ンイミンなどのイミン系ブロック剤;などをあげること
ができる。このうち、塗料の安定性や塗膜の硬化性など
のバランスから、メチルエチルエトオキシムなどのオキ
シム系ブロック剤が特に好適である。
塗料(A−2)において上記基体樹脂(I)とブロッ
クポリイソシアネート化合物(III)との比率は特に制
限を受けないが、該両成分の合計固形分量に基いて、基
体樹脂(I)は40〜95重量%、特に60〜90重量%、ブロ
ックポリイソシアネート化合物(II)は60〜5重量%、
特に40〜10重量%がそれぞれ好ましい。
上記塗料(A−2)には、(A−1)に例示した体質
顔料および防食顔料を配合することができ、さらに硬化
を促進するために錫触媒などを配合することもできる。
このようにして調製されるカチオン電着塗料を基体上
に電着させて得られる塗膜の膜厚は厳密に制限されるも
のではないが、一般には、硬化塗膜に基いて3〜200μ
の範囲内が適しており、また塗膜は、例えば70〜250
℃、好ましくは120℃〜160℃間の温度で加熱硬化させる
ことができる。塗装は、通常のカチオン電着塗装条件を
用いて行なうことができる。例えば、浴濃度(固形分濃
度5〜40重量%、好ましくは10〜25重量%及び浴pH5〜
8、好ましくは5.5〜7の範囲内のカチオン電着信を調
製する。次いでこの電着浴を用い、例えば5cm×15cm×1
cmの大きさのカーボン板を陽極とし且つ例えば5cm×15c
m×0.7mmの大きさのリン酸亜鉛処理板を陰極とする場
合、下記の条件下に電着を行なうことができる。
浴温度 :20〜35℃、好ましくは25〜30℃、 直流電流 電流密度:0.005〜2A/cm2、好ましくは0.01〜1A/cm2 電 圧:10〜500V、好ましくは100〜300V 通電時間:0.5〜5分間、好ましくは2〜3分間 本発明の方法は、上記塗料(A)をカチオン電着塗装
後、電着浴から被塗物を引き上げ水洗したのち、電着塗
膜面の水滴を除去し、さらに好ましくは電着塗膜中に含
まれる水分の殆どもしくは全部を熱風などの乾燥手段で
除去したのち、水性塗料を塗装してから、加熱して該両
塗膜を同時に硬化せしめるところに特徴とする。
本発明において用いる水性塗料(以下、「塗料B」と
略称することがある)について説明する。
塗料(B)は 酸価が10〜100で且つ水酸基価が20〜300のポリエス
テル樹脂、 水性アミノ樹脂、および 一般式 HOCH2CH2 nO−R−OCH2CH2OnH (ただし、Rは、 nは2〜10の整数である。] で示されるポリエーテルポリオールを主成分とし、さら
に必要に応じて、 アルキルエーテル化ベンゾイン を加えてなる水性塗料である。
塗料(B)において、上記、および成分からな
る系でも本発明の目的は十分に達成できるが、、、
および成分のすべてを含むと、ワレやタレの発生が
全くなく、しかも平滑性や鮮映性などもすぐれているの
でより好ましい。
塗料(B)の主成分を構成する〜成分について具
体的に説明する。
成分:酸価が10〜100で且つ水酸基価が20〜300のポリ
エステル樹脂である。
当該ポリエステル樹脂としては、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブ
タンジオール、ペンタンジオール、2,2−ジメチルプロ
パンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、
ペンタエリスリトールなどの多価アルコールおよび必要
に応じて併用する一価アルコールまたは分子中に1個の
グリシジル基を有するモノエポキシ化合物(たとえば、
「カージュラE」(商品名、シェル化学(株)製))を
アルコール成分とし、無水フタル酸、イソフタル酸、テ
トラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、
無水マレイン酸、無水コハク酸、アジピン酸、セバチン
酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などの多
塩基酸、および必要に応じて併用する安息香酸やt−ブ
チル安息香酸などの一塩基酸を酸成分として、上記アル
コール成分と上記酸成分とを縮合してなるオイルフリー
ポリエステル樹脂、または上記アルコール成分および上
記酸成分に加えてヒマシ油、脱水ヒマシ油、桐油、サフ
ラワー油、大豆油、アマニ油、トール油、ヤシ油など、
およびそれらの脂肪酸のうちの1種または2種以上の混
合物である油成分を、上記酸成分およびアルコール成分
に加えて、三者を反応させて得られる油変性ポリエステ
ル樹脂などがあげられる。また、アクリル樹脂やビニル
樹脂をグラフト化したポリエステル樹脂も(A)成分と
して使用できる。
また、成分としては、ウレタン変性ポリエステル樹
脂を用いると、貯蔵安定性、耐ワキ性、鮮映性および耐
チッピング性などがさらに向上するので好ましい。
該樹脂は、上記で例示したアルコール成分と酸成分と
を反応させてなるポリエステル樹脂(オイルフリーが好
ましい)に、ポリイソシアネート化合物(ジイソシアネ
ートが好ましい)を水酸基過剰にして反応させて得られ
る。ポリイソシアネート化合物としては、例えばトリレ
ンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソ
シアネート等の芳香族ポリイソシアネート化合物、キシ
リレンジイソシアネート、メタまたはパラテトラメチル
キシリレンジイソシアネートのような芳香脂肪族ポリイ
ソシアネート化合物、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、及びこれらのビュレ
ット化物やイソシアヌレート化物、トリメチルヘキサメ
チレンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシア
ネート、水素添加4,4′−ジフェニルメタンジイソシア
ネートなどの脂肪族ポリイソシアネートや脂環族ポリイ
ソシアネート等が挙げられる。このうち、塗料(B)の
貯蔵安定性向上のためにはトリレンジイソシアネート、
キシリレンジイソシアネートおよびイソホロンジイソシ
アネートが好ましい。ポリイソシアネート化合物の使用
量は、ポリエステル樹脂に対して1〜40重量%。特に4
〜30重量%が好ましい。
かかる成分は、酸価が10〜100、好ましくは15〜5
0、水酸基価が20〜300、好ましくは50〜230である。酸
価が10より小さくなると水性化が不十分となり、水酸基
価が20より小さくなると塗膜の硬化性が不十分であり、
また酸価が100、水酸基価が300を越えると塗膜の耐水
性、耐薬品性が低下するのでいずれも好ましくない。
さらに成分に関し、重量平均分子量は1,000〜20,00
0、特に3,000〜15,000が適している。
これらの成分に塩基性物質を添加してカルボキシル
基の50%以上を中和して水性とする。ここで用いられる
塩基性物質としては、例えばアンモニア、メチルアミ
ン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、
トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルエタノ
ールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミ
ンなどがあり、このうち、ジエタノールアミン、ジメチ
ルエタノールアミン、トリエタノールアミンなどが好適
である。
成分:水性アミノ樹脂である。
これは、成分の架橋剤であって、たとえばジ−、ト
リ−、テトラ−、ペンタ−、ヘキサ−メチロールメラミ
ンおよびそれらのメチルエーテル化物、尿素−ホルムア
ルデヒド縮合物、尿素−メラミン共縮合物などをあげる
ことができる。
成分は、水に溶解するか又は水中に層分離や沈降す
ることなく安定に分散する程度に親水性である。
成分としては上記のうちメラミンが好ましい。該メ
ラミンの官能基と塗料(B)の性能との関連は次の通り
である。
(i)メチロール化メラミンの完全エーテル化物を用い
ると、ワキ抵抗性は高くなるが、架橋反応温度が高く、
140〜150℃程度で該塗膜を硬化させるのに、酸触媒を使
用しないと架橋反応が不足となる傾向がある。
(ii)メチロール基(−CH2OH)とアルキルエーテル基
(−CH2OR)とか混在するメラミンでは、初期硬化が速
く、酸触媒は不要であるが、塗着塗膜から水や溶剤が十
分に揮散しないうちに塗膜表面で硬化が始まりワキ発生
の原因となることがある。
(iii)イミノ基(>NH)とアルキルエーテル基(−CH2
OR)とが混在するメラミンでは、酸触媒なしで140〜150
℃程度で(A)成分と良く架橋反応する。また、この架
橋反応は比較的遅くかつ自己硬化性もメチロール基ほど
速くないので、有機溶剤および水などが揮散し塗膜が溶
融流動してから架橋硬化がはじまるので平滑性良好でワ
キのないかつ硬化性のよい塗膜が得られる。
本発明において、成分としては、かかる意味で、
(iii)イミノ基含有水溶性アミノ樹脂が最も適してい
る。
成分:一般式 HOCH2CH2 nO−R−OCH2CH2OnH (ただし、Rは、 nは2〜10の整数である。] で示されるポリエーテルポリオールである。
ここで、上記式中nが2より小さくなると水溶化が不
十分であり、10より大きくなると塗膜の耐水性が劣化す
るので好ましくない。特に、式中nは2〜5が最も好ま
しい。
この成分を配合することによって、塗装時の不揮発
分含有率が上がり、スプレー塗装などによる霧化が良好
となり特に、塗着した塗料が流展しやすいためにワキ限
界膜厚が向上するなどの好結果が得られる。
成分:アルキルエーテル化ベンゾインである。
これは、ベンゾインのアルキル(炭素数1〜4が好ま
しい)エーテル化物で、具体的には、ベンゾインメチル
エーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインn−
プロピルエーテル、ベンゾインiso−プロピルエーテ
ル、ベンゾインn−ブチルエーテル、ベンゾインiso−
ブチルエーテルなとが挙げられる。
これらは単独もしくは2種以上組合せて使用すること
ができる。
成分の添加方法としては、(1)顔料分散時に添加
する、(2)成分の水溶液に常温もしくは加温下で添
加して撹拌混合する、(3)成分の合成時に添加する
等の方法であり、いずれの添加方法を用いてもワキ改良
効果に影響はないが、一般には塗料中の顔料含有量及び
成分の融点等を考慮して決定される。このうち、
(2)の方法が好ましい。
成分を配合することによってワキ発生が抑止されワ
キ発生膜厚を大きくするのに有効である。
塗料(B)は上記、、および成分を必須として
おり、これらの構成比率は目的に応じて任意に選択でき
るが、、、および成分の合計重量に基いて、成
分が30〜85重量%、特に50〜80重量%、成分は10〜40
重量%、特に15〜30重量%および成分は5〜30重量
%、特に5〜20重量%がそれぞれ適している。また、
成分は、、および成分の合計量に対して、0.1〜1
0重量%、特に1〜5重量%が好ましい。
塗料(B)で用いる、、各成分は、それぞれ単
独でもワキ抵抗性改良効果はあるが、その程度はワキ限
界膜厚で40μm程度(乾燥膜厚で)にすぎず、昨今の中
塗り厚膜指向(例えば45μm以上)の場合では不十分で
ある。なぜなら、スプレー塗装などにおいて約45μmの
膜厚に塗装しても、若干タレやタマリなどが生じてその
部分の膜厚が60μmまたはそれ以上になることがあるの
で、60μm以上でもワキなどが発生しないことが強く望
まれており、塗料(B)により、成分におよび成
分、さらに必要に応じて成分を配合することによっ
て、ワキ限界膜厚を60μm以上にすることが可能になっ
た。なお、これらの膜厚は予備加熱せず、塗装後、架橋
硬化のために直ちに加熱した系についてである。
塗料(B)は、上記、および成分を必須成分と
するが、さらにハジキ防止剤、消泡剤、レベリング剤、
たれ防止剤および硬化促進剤(酸触媒)などの各種の変
性剤、助剤を必要に応じて添加することができる。ま
た、アルコール系、エーテルアルコール系、エステル
系、ケトン系などの水と自由に混和し得る有機溶剤を配
合することもでき、その配合量は、樹脂固形分(重量)
に対し20重量%以下の範囲が適している。
また、塗膜の膜厚保持性、塗装作業性及び塗膜の物理
強度向上等のため、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カ
ルシウム、クレー等の無機顔料や、これに加えて着彩の
ための各種顔料を上記各成分の合計樹脂固形分100重量
部に対して、1〜200重量部配合することが好ましい。
塗料(B)は水で塗装適正粘度に調整し、スプレー塗
装、静電塗装によって塗装される。塗装膜厚は平坦部で
硬化塗膜にもとづいて30〜50μmが適している。
本発明の方法は、塗料(A)をカチオン電着塗装し、
加熱硬化させることなく、該未硬化塗面に塗料(B)を
塗装したのち、加熱して該両塗膜を同時に硬化させる。
両塗膜を硬化させるための加熱温度は、特に制限を受け
ないが、具体的には、70〜250℃、特に120〜160℃の範
囲が好ましい。
本発明において、塗料(B)の塗膜は上塗り塗膜とし
ての機能も有しているので、上記塗料(A)および
(B)を塗装してなる2コート仕上げとして利用できる
が、最も好ましいものは、さらに上塗り塗料(ソリッド
カラー又はメタリック仕上げなど)を塗装し、塗料
(B)を中塗り塗料として利用することである。
次に実施例により本発明を更に具体的に説明する。実
施例中「部」は「重量部」であり、「%」は「重量%」
である。
I製造例 I−1 基本樹脂(I)の製造 基体樹脂(I−) エポキシ当量950のビスフェノールAタイプエポキシ
樹脂[商品名「エピコート1004、シェル化学(株)製]
1900部をブチルセロソルブ993部に溶解し、ジエタノー
ルアミン210部を反応させて固形分68%、第1級水酸基
当量528、アミン価53をもつ基体樹脂(I−)を得
た。
基体樹脂(I−) モノエタノールアミン39部を反応容器中で60℃に保
ち、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド100部
を滴下し、60℃で5時間反応させ、N,N−ジメチルアミ
ノプロピルアクリルアミドのモノエタノールアミン付加
物を得た。
別にエポキシ当量190のビスフェノールAジグリシジ
ルエーテル950部、エポキシ当量340のプロピレングリコ
ールジグリシジエーテル340部、ビスフェノールA456部
及びジエタノールアミン21部を仕込み、120℃まで昇温
し、エポキシ価が1.20ミリモル/gになるまで反応させた
後、エチレングリコールモノブチルエーテル479部で希
釈、冷却したのち、温度を100℃に保ちながら、ジエタ
ノールアミン158部及び上記N,N−ジメチルアミノプロピ
ルアクリルアミドのモノエタノールアミン付加物43部を
加え、粘度上昇が止まるまで反応させ、樹脂固形分80
%、第1級水酸基当量518、アミン価54の基体樹脂(I
−)を得た。
基体樹脂(I−) エポキシ当量190のビスフェノールAジグリシジルエ
ーテル950部、エポキシ当量330のエポキシ樹脂XB−4122
(チバガイギー社製商品名)330部、ビスフェノール456
部及びジエタノールアミン21部を仕込み、120℃まで昇
温し、エポキシ価が、1.02ミリモル/gになるまで反応さ
せた後、エチレングリコールモノブチルエーテル489部
で希釈、冷却したのちジエタノールアミン126部、上記
N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドのモノエ
タノールアミン付加物53.5部及びN−メチルアミノエタ
ノール18.5部を加え、反応させ、樹脂固形分80%、第1
級水酸基当量592、アミン価55の基体樹脂(I−)を
得た。
I−2硬化用樹脂(II)の製造 硬化用樹脂(II−) EHPE3150[エポキシ当量175〜195、ダイセル化学工業
(株)製]32.6部とプロピレングリコールモノメチルエ
ーテル8.2部を100℃で加熱融解し、固形分80%、エポキ
シ当量190の硬化用樹脂(B−1)40.8部を得た。該樹
脂の数平均分子量は約1,500であった。
硬化用樹脂(II−) ビニルノルボルネンオキシド136部、4−ビニルシク
ロヘキセン−1−オキシド124部及びトリメチルロール
プロパン18部にBF3−エーテルラートの10%酢酸エチル
溶液200部を50℃で4時間かけて滴下して開環重合を行
なった。酢酸エチルを加えて水洗し、酢酸エチル層を濃
縮してから新に酢酸エチル130部を加えて溶解し、過酢
酸160部を酢酸エチル溶液として50℃で4時間かけて滴
下し、更に50℃で2時間熟成しエポキシ化反応を行なっ
た。酢酸、酢酸エチル、過酢酸を除去後、酢酸エチル50
0部に40℃で溶解し、つづいて250部の蒸留水で4回洗浄
後酢酸エチルを除去し、80℃で78部のプロピレングリコ
ールモノメチルエーテルに溶解し、固形分80%、エポキ
シ当量202の硬化用樹脂(II−)を得る。該樹脂の数
平均分子量は約1,300であった。
硬化用樹脂(II−) リモネンの部分エポキシ化物(2−メチル−4−イソ
プロペニル−1−シクロヘキセンオキシド)304部とト
リメチロールプロパン18部に、BF3−エーテラートの10
%酢酸エチル溶液200部を50℃で4時間かけて滴下し
た。以下の操作を硬化用樹脂(II−)と同様に行な
い、80℃で80部のエチレングリコールモノブチルエーテ
ルに溶解し、固形分80%、エポキシ当量205の硬化用樹
脂(II−)を得た。該樹脂の数平均分子量は約1,000
であった。
硬化用樹脂(II−) 2,4−または1,4−ジメチル−4−エテニル−1シクロ
ヘキセンオキシド304部を用い、硬化用樹脂(II−)
と同様に行ない、固形分80%、エポキシ当量199の硬化
用樹脂(II−)を得た。該樹脂の数平均分子量は約95
0であった。
硬化用樹脂(II−) セロキサイド3000[ ダイセル化学(株)社製商品名]460部、アルミニウム
アセチルアセトナート0.3部及びテトラエトキシシラン
5部に蒸留水0.1部を加え、80℃で1時間保った後、120
℃で3時間反応後エチレングリコールモノブチルエーテ
ル116部を加えて、固形分80%エポキシ当量280部の硬化
用樹脂(II−)を得た。該樹脂の数平均分子量は約1,
100であった。
硬化用樹脂(II−) シクロペンタジエンの二量体132部を酢酸エチル70部
に溶解し、過酢酸160部を酢酸エチル溶液として35℃で
7時間かけて滴下し、更に40℃で6時間熟成した。酢
酸、酢酸エチル、過酢酸を除去後、酢酸エチル500部に4
0℃で溶解し、つづいて250部の蒸留水で5回洗浄後酢酸
エチルを除去し、80℃で43部のメチルイソブチルケトン
に溶解し、固形分80%、エポキシ当量90の化合物(C)
を得た。
4−ビニルシクロヘキセン94部を酢酸エチル75部に溶
解し、過酢酸160部を酢酸エチル溶液として50℃で4時
間かけて滴下し、更に50℃で2時間熟成した。酢酸、酢
酸エチル、過酢酸を除去後、酢酸エチル500部に40℃で
溶解し、つづいて250部の蒸留水で5回洗浄後酢酸エチ
ルを除去し、80℃で32部のメチルイソブチルケトンに溶
解し、固形分80%、エポキシ当量65の化合物(D)を得
た。化合物(C)225部と化合物(D)163部にアルミニ
ウムアセチルアセトナート0.2部及びトリメチロールプ
ロパン10部を加え、100℃で1時間保った後、150℃で3
時間反応後エチレングリコールモノブチルエーテル60部
を加えて冷却する。固形分70%、エポキシ当量210の硬
化用樹脂(II−)を得た。該樹脂の数平均分子量は約
1,100であった。
硬化用樹脂(II−) METHB(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリ
レート)33.4部にアゾビスジメチルバレロニトリル2部
を溶解したものを、100℃に加熱したメチルイソブチル
ケトン10部とブチルセロソルブ10部との混合溶剤に2時
間かけて滴下し、1時間熟成後、125℃に昇温して更に
1時間熟成し、固形分60%、エポキシ当量196の硬化用
樹脂(II−)溶液54部を得た。該樹脂の数平均分子量
は約10,000であった。
硬化用樹脂(II−) METHBモノマー32.0部とヒドロキシエチルアクリレー
ト8.0部を混合したものにアゾビスジメチルバレロニト
リル2.4部を溶解したものを100℃に加熱したブチルセロ
ソルブ24部に2時間かけて滴下し、1時間熟成した後、
125℃に昇温して更に1時間熟成し、固形分60%、エポ
キシ当量245の硬化用樹脂(II−)64.8部を得た。該
樹脂の数平均分子量は約12,000であった。
硬化用樹脂(II−) 3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート37
部とヒドロキシエチルアクリレート3部を混合したもの
にアゾビスジメチルバレロニトリル2.4部を溶解し、以
下硬化用樹脂B−9と同様に処理を行ない、固形分60
%、エポキシ当量200の硬化用樹脂(II−)を得た。
該樹脂の数平均分子量は約15,000であった。
I−3 顔料ペーストの製造 顔料ペースト(P−1) 基体樹脂12.5部に10%ギ酸4.4部を加え、撹拌しなが
ら脱イオン水15部を加える。更にチタン白10部、クレー
10部、カーボン1部、塩基性ケイ酸鉛2部を加え、ボー
ルミルで24時間分散後脱イオン水11部を加え、固形分50
%のペーストを得た。基体樹脂は、第1表に記載の各実
施例と同一のものを用いた。
I−4 カチオン電着塗料(A−1)の製造 上記の基体樹脂、硬化用樹脂および顔料ペーストを第
1表に示した配合量に混合して塗料(A−1)を得た。
第1表において、基体樹脂および硬化用樹脂の配合量
はいずれも樹脂固形分で示してあり、脱イオン水を配合
して固形分含有率を20%に調製したのち、さらに、前記
顔料ペースト(P−1)を92部および脱イオン水を配合
して固形分含有率20%の電着浴を作成した。
I−5 カチオン電着塗料(A−2)の製造 基体樹脂(I−) ビスフェノール型エポキシ樹脂(チバガイギー社製
「アラルダイト#6071」) 930 部 ビスフェノール型エポキシ樹脂(チバガイギー社製
「アラルダイトGY2600」) 380 部 ポリカプロラクトンジオール(ダイセル社製「プラク
セル#205」) 550 部 ジメチルベンジルアミン酢酸塩 2.6部 p−ノニルフェノール 79 部 モノエタノールアミンのメチルイソブチルケトンケチ
ミン化物 71 部 ジエタノールアミン 105部 ブチルセロソルブ 180 部 セロソルブ 525 部 成分〜を一緒にし150℃で2時間反応せた後、成
分〜を配合し、80〜90℃で3時間反応させ、固形分
75%の基体樹脂(I−)を得る。
顔料ペースト 固形分含有率を60%に調整した第4級塩化基体樹脂(I
−) 5.73部 チタン白 14.5 部 カーボン 0.54部 体質顔料(クレー) 7.0 部 ケイ酸鉛 2.3 部 ジブチルナンオキサイド 2.0 部 脱イオン水 27.49部 からなる固形分50%の顔料ペーストを得た。
カチオン電着塗料(A−2)の製造 前記基体樹脂を用いて固形分32%の2種の水性エマル
ジョンを作成した。組成及び配合量を下記に示す。
次いで、この水性エマルジョン318.75部に前記顔料ペ
ースト59.56部及び脱イオン水280.59部を混合し固形分2
0%のカチオン電着浴を作成した。
I−6 水性塗料(B)の製造 成分の製造 −1: エチレングリコール19.6部、トリメチロールプロパン
18.5部および無水フタル酸46.7部を160〜230℃で7時間
反応させてなるポリエステル樹脂にトリレンジイソシア
ネート15.7部を120℃で反応させたのち、さらに無水ト
リメリット酸5.2部を加えて180℃で1時間反応させて、
重量平均分子量が6,000、酸価が40および水酸基価が112
のウレタン変性ポリエステル樹脂−1を得た。
−2: エチレングリコール19.3部、トリメチロールプロパン
18.2部および無水フタル酸46.2部を160〜230℃で7時間
反応させてなるポリエステル樹脂にキシレンジイソシア
ネート16.8部を120℃で反応させたのち、さらに無水ト
リメリット酸5.1部を加えて180℃で1時間反応させて、
重量平均分子量が6,200、酸価が40および水酸基価が110
のウレタン変性ポリエステル樹脂−2を得た。
−3: エチレングリコール27.7部、グリセリン10.3部および
無水フタル酸50.0部を160〜230℃で7時間反応させてな
るポリエステル樹脂にトリレンジイソシアネート9.7部
を120℃で反応させたのち、さらに無水フタル酸8.3部を
加えて160℃で3時間反応させて、重量平均分子量が4,5
00、酸価が50および水酸基価が200のウレタン変性ポリ
エステル樹脂−3を得た。
水性塗料(B) 上記成分などを第2表に示した配合量に従って混合
分散して水性塗料(B)とした。
第2表において、〜成分の配合量は固形分に基づ
いており、B−の現用の有機溶剤型中塗り塗料は「ア
ミラックシーラー」(関西ペイント(株)製ポリエステ
ル樹脂系、商品名)である。
1)成分名称 −1〜3は前記製造例で得たもの。
2)成分名称 (−1):「サイメル703」(三井サイアナミド
(株)製品、イミノ基含有メラミン樹脂) (3)成分名称 一般式 で示されるポリエーテルポリオールにおいて、 (−1):n=3のもの (−1):n=4のもの (*4)成分名称 (−1):ベンゾインエチルエーテル (*5)有機溶剤:ジエチレングリコールモノエチル。
エーテルこれらの配合量は、成分、成分および成
分の合計固形分100重量部あたりである。
顔料としては、および成分の合計固形分子100
重量部あたり、酸化チタン白80部、硫酸バリウム20部お
よびカーボンブラック0.3部を配合した。
これらの顔料は、成分の一部及び脱イオン水、消泡
剤と一緒に容器に仕込み、ガラスビーズを分散してメジ
アとして1時間かけて、ツブゲージで測定した粒子(ツ
ブ)が5μ以下になるように分散した。
II 実施例 浴温30℃に調整したカチオン電着塗料(A−1)およ
び(A−2)にリン酸亜鉛処理鋼板を浸漬し、200〜300
Vで3分間電着してから塗板を引き上げ、水洗してか
ら、100℃で10分間水切り乾燥した後、水性塗料(B)
を該未硬化電着塗面に噴霧塗装し、室温で5分放置して
から加熱して該両塗膜を硬化させた。
これらの塗装工程および形成した塗膜の性能試験結果
を第3表に示した。
第3表において、 1.カチオン電着塗料(A−3)は、前記A−2−にお
けるシブロックイソホロンジイソシアネートのメチルエ
チルケトオキシム(ブロック剤)をジフェニルメタンジ
イソシアネートを2−エチルヘキシルグリコールでジブ
ロックしたものに代えた以外はすべてA−2−と同様
にして製造した。
2.カチオン電着塗膜を水洗後、100℃で10分間乾燥する
と水分の殆どは揮散し除去できるが、架橋反応(硬化)
は行なわれていない。160℃で30分間加熱(焼付)する
と架橋硬化する。
3.上塗り塗料の「アミラック黒」は関西ペイント(株)
製商品名で、メラミン/ポリエステル系有機溶剤型熱硬
化性塗料である。
4.性能試験方法 下記のうち、(4)から(6)は、前記のごとくカチ
オン電着塗料および水性塗料を塗装し、加熱硬化させて
なる塗板について試験した結果である。また(7)から
(10)は、該水性塗料の硬化塗面にさらにアミラック黒
を塗装し、140℃で30分焼付してなる塗板について試験
した結果ある。
(1)加熱減量 鋼板の重量W0とし、この鋼板に30℃において200〜300
Vで3分間カチオン電着後、電着浴から引き上げて塗面
を水洗し、105℃で3時間加熱して塗膜中の水分のすべ
てもしくは殆どを除去してから塗膜重量(Y)を測定
し、次いで、170℃で20分加熱して該塗膜を三次元架橋
硬化した後の塗膜重量(Z)を測定した。これらの測定
値を次式にあてはめて塗膜減量(X)をもとめた。
(2)ワキ限界膜厚 約10cm×45cmのリン酸亜鉛処理鋼板に第3表に示した
工程でそれぞれカチオン塗装し(硬化塗膜で20μ)、水
切乾燥後、水性塗料を、薄膜部で約30μm、厚膜部で約
70μm(いずれも水性塗料単独硬化膜塗膜に基づく)に
なるようスプレー塗装で膜厚傾斜塗装し、塗装ブース
(20〜25℃の温度で、70〜75%RHに調湿)にて塗板を10
分間、水平に保持した後、150℃の乾燥機で焼付硬化さ
せる。このときに、ワキの塗装欠陥のない、最大膜厚
(電着塗膜と水性塗料塗膜との合計)をもってワキ限界
膜厚(単位μm)とする。
(3)タレ限界膜厚 長辺にそって直径10mmの穴を、4cm間隔で空けたリン
酸亜鉛処理鋼板(10×45cm)を用いる。塗装は、上記
(2)と同様に行う。塗装直後より、セッティング時及
び焼付け時共に、塗板は垂直に保持する(穴が横に並ぶ
様に)。このときの穴の周辺のタレ欠陥のない最大膜厚
(両塗膜の合計)をもってタレ限界膜厚(単位:μm)
とする。
(4)平滑性 水性塗料塗面の平滑性を目視評価した。ちぢみ、オレ
ンジピールおよびへこみなどの発生が全く認められない
ものを○、少し発生したものを△、多く発生したものを
×とした。
(5)塗膜硬度 20℃の恒温室でAmerican Chain & Cable Company製
のTUKON microhardness testerにて水性塗料塗面の硬度
を測定した。数値が大きくなるに従って硬質になる。
(6)硬化性 20℃で、水性塗料塗膜の表面をキシロールを含むガー
ゼで強く10回こすった後ツヤびけを観察し、硬化性を評
価した。○:異常なし、△:ツヤびけ発生。
(7)鮮映性 写像性測定器[IMAGE CLARITY METER:スガ試験機
(株)製]で測定。表中の数字はICM値で0〜100%の範
囲の値をとり、数値の大きい方が鮮映性(写像性)がよ
く、ICM値が85以上であれば鮮映性がすぐれていること
を示す。
(8)耐ピッチング性 飛石試験機(スガ試験機(株)、JA−400型を、使
用。同試料機の試験ホルダーに塗装試験板を垂直にとり
つけ50gの7号砕石を、同試験機の圧力計で4kg/cm2の空
気圧で噴射し、砕石を試験板に対し垂直に衝突させる。
その時のハガレ傷の程度を良好(○)〜劣る(×)の5
段階で判定した。
(9)付着性 ゴバン目(1×1mm100個)セロハン粘着テープテスト
によった。○は、はがれなしを示す。
(10)耐湿性 温度50℃、相対湿度98〜100%RHのブリスターボック
スに、5日間放置後とり出し、フクレの有無を調べた。
○はフクレなし、△はフクレ発生を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 裕 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関西ペイント株式会社内 (72)発明者 大越 利雄 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関西ペイント株式会社内 審査官 北村 明弘 (56)参考文献 特開 平1−288374(JP,A) 特開 平4−118077(JP,A) 特開 平4−219177(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C25D 13/00 308 B05D 7/24 302 B05D 1/36

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カチオン電着塗装末硬化塗膜面に水性塗料
    を塗装し、加熱して該両塗膜を同時に硬化させて複層塗
    膜を形成するにあたり、該カチオン電着塗料の電着塗膜
    の加熱硬化時における塗膜減量が10重量%以下であり、
    そして、上記水性塗料が、 (a)酸価10〜100および水酸基価20〜300のポリエステ
    ル樹脂および/またはウレタン変性ポリエステル樹脂、 (b)水性アミノ樹脂および (c)一般式、 HOCH2CH2 nO−R−OCH2CH2OmH (ただし、Rは、 または nおよびmは2〜10の整数である) で示されるポリエーテルポリオール を主成分とし、さらに必要に応じて (d)アルキルエーテル化ベンゾイン を配合してなる塗料であることを特徴とする塗膜形成
    法。
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