JP2974158B2 - β−ガラクトシダーゼ断片の耐酸化性突然変異タンパク質 - Google Patents

β−ガラクトシダーゼ断片の耐酸化性突然変異タンパク質

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Description

【発明の詳細な説明】 背景 本発明は、酸化に対して抵抗するβ−ガラクトシダー
ゼの修飾された酵素アクセプターポリペプチド断片、そ
の生産方法ならびに酵素相補性イムノアッセイにおける
試薬としてのその使用に関するものである。
近年、血清のようなサンプル中に存在しうるアナライ
ト(測定対象物質)の定量に利用できる検出可能なシグ
ナルを発生させるステップとして、酵素的に不活性のポ
リペプチド断片の相補性(complementation)または再
会合(reassociation)を用いて活性型酵素を生成させ
る均一系のイムノアッセイが数多く記述されている。こ
うしたアッセイのいくつかは相補性により生成される酵
素としてβ−ガラクトシダーゼ酵素を利用することを提
起している。
酵素相補性には2以上の不活性ポリペプチドの会合が
必要となり、これらのポリペプチドが一緒になって生物
活性酵素の形成に必要とされる構造的情報(天然の親酵
素のものに似通っている)を提供する。酵素的に不活性
のポリペプチド断片は、タンパク質分解、化学的開裂、
化学的合成の結果として、あるいは活性酵素をコードし
ている遺伝子のミスセンスまたはナンセンス突然変異の
結果として得ることができる。酵素的に活性のある複合
体を生成するタンパク質相補系の例としては、リボヌク
レアーゼS′複合体、ブトウ球菌ヌクレアーゼT複合
体、シトクロムcから誘導される種々の2−および3−
断片複合体、そして大腸菌β−ガラクトシダーゼのαお
よびω相補性複合体が挙げられる。こうした複合体を安
定化する相互作用は非共有結合的であって、天然酵素の
三次元構造の形成および維持に係わっているものに似て
いる。
酵素相補性は新規な均一系イムノアッセイ法の開発の
ための基本的原理として利用されてきた,Farina and Go
lkeの米国特許第4,378,428号(1983年3月29日発行)お
よびGonelliら(1981,Biochem.and Biophys.Res.Commu
n.102:917−923)は、リボヌクレアーゼの触媒活性を生
成させるためのSペプチドおよびSタンパク質(両方と
もリボヌクレアーゼAのタンパク質分解切断により得ら
れる)の再会合に基づくイムノアッセイを記述してい
る。このアッセイ系に特有の成分としては、Sペプチド
(アミノ酸1−20)に共有結合されたアナライト、遊離
のSタンパク質(アミノ酸21−124)、アナライトに特
異的な抗体、およびリポーター分子に変換され得るリボ
ヌクレアーゼの基質が含まれる。抗アナライト抗体がア
ナライト:Sペプチド結合体とSタンパク質との会合を阻
止し、その結果、酵素的に活性のある複合体のレベル、
ひいては酵素反応により生じるシグナルを減少させる。
遊離のアナライトを含有するサンプルの存在下では、サ
ンプル由来のアナライトとSペプチド結合体との間で抗
体結合部位についての競合が起こる。Sタンパク質断片
との相補に関与しないSペプチド結合体の濃度、および
リボヌクレアーゼA′複合体の酵素活性により発生する
シグナルが、サンプル中の遊離アナライトの濃度に直接
比例することとなる。
大腸菌β−ガラクトシダーゼポリペプチド断片のα相
補性系に基づく同様のイムノアッセイ系が、Henderson
の米国特許第4,708,929号(1987年11月24日発行)およ
びHendersonのPCT出願第PCT/US90/02491号(1990年11月
15日公開)に記述されており、これらの開示内容を参考
としてここに組み入れる。β−ガラクトシダーゼのα相
補性はαアクセプターポリペプチド断片とαドナーポリ
ペプチド断片との会合、およびその後の酵素活性β−ガ
ラクトシダーゼ分子の形成を必要とする。αアクセプタ
ーはβ−ガラクトシダーゼ分子のN末端近位セグメント
内に位置する連続アミノ酸の内部欠失または鎖切断から
誘導される。特定の例としては、野生型配列の残基11−
41を欠失している。lacZ M15β−ガラクトシダーゼ欠失
変異体および残基23−31を欠失しているlacZ M112変異
体が挙げられる。αドナーポリペプチドは野生型タンパ
ク質の化学的開裂またはタンパク質分解切断から誘導さ
れ得る。アミノ酸残基3−9から成る臭化シアン断片CN
Br2および残基3−40にわたるV8プロテアーゼペプチド
は、双方ともαドナー活性を有している。
また、αドナーおよびαアクセプターポリペプチドは
組換えDNA法やペプチド合成法の使用によっても得るこ
とができる。これらの分子の供給物を容易に入手でき、
さらに、こうした技法によってαドナーまたはαアクセ
プターポリペプチドの構造を修飾できるため、最適化さ
れた相補性系が開発されるようになり、クローン化酵素
ドナーに基づく均一系イムノアッセイにおいて使用され
ている。αドナー分子はこの分子の配列内に適切に配置
されたシステインまたはリシン残基の修飾により特定ア
ナライトと化学的に結合させることができ、しかも、こ
うした結合が相補反応を妨害しないようにすることがで
きる。αアクセプターとαドナー間の相補性は、アナラ
イト特異的抗体とαドナー(アナライトを結合させてあ
る)との抗原−抗体反応によってモジュレートされ得
る。遊離のアナライトの存在下にあっては、遊離のアナ
ライトとαドナー結合アナライトとの競合が上記抗体の
抗原結合部位について起こる。それゆえ、遊離アナライ
トのレベルが増加すると、αアクセプターとの相補反応
に利用しうるαドナー結合体の量が増えることとなる。
その結果、αアクセプター:αドナー複合体の濃度およ
び再構成された酵素活性から生じるリポーター分子の濃
度が増加し、これらはサンプル中に存在する遊離アナラ
イトの濃度に比例している。遊離アナライトのさまざま
な濃度における活性(すなわち、反応速度の勾配)をモ
ニターすることにより用量反応曲線を作成することが可
能である。無限濃度の遊離アナライトの存在下でまたは
抗体の不在下で観測された酵素活性が「開放速度(open
rate)」として規定され、そのアッセイ系から得るこ
とのできる最大シグナルを表している。
KrevolinおよびKatesの欧州特許出願第92304354.1号
(1992年11月19日公開;その開示内容を参考としてここ
に組み入れる)は酵素相補性アッセイを記述しており、
このアッセイはβ−ガラクトシダーゼのω領域の一次構
造の破壊により形成された全β−ガラクトシダーゼ分子
の2つのポリペプチド断片間のβ−ガラクトシダーゼの
ω領域における相補性を用いている。α相補性の場合と
同様に、いくつかの場合には、2つの断片はギャップ
(間隙)やオーバーラップ(重なり部分)のない正確な
β−ガラクトシダーゼアミノ酸配列を形成するように厳
密に相補性である必要はない。得られる断片が活性型の
β−ガラクトシダーゼ分子へと組み立てられるのであれ
ば、ギャップもオーバーラップも存在可能である。αア
クセプターと同じく、ωアクセプターポリペプチドは2
つの断片のうちの大きい方であり、通常、天然型または
修飾型の全長β−ガラクトシダーゼのアミノ酸配列のほ
ぼ3分の2を含んでいる。ωドナー分子は残りのおよそ
3分の1のアミノ酸配列を含む小さい方の断片であり、
β−ガラクトシダーゼ分子のC末端から誘導される。
しかしながら、β−ガラクトシダーゼのαまたはωア
クセプターポリペプチド断片を含有する試薬組成物の安
定性は最善であるとはとても言えないことが判明した。
こうした断片の貯蔵期間が長くなるにつれて、再形成さ
れた酵素の活性が徐々にかつ顕著に低下していく。酵素
が熱変性およびタンパク質分解切断を非常に受けやすい
ことは周知である。また、酵素は所定の位置に反応性の
アミノ酸側鎖を含んでおり、これにより酵素は酸化を含
めた化学的修飾を特に受けやすくなる。一般に、上記の
修飾のどれがどの程度に起こるかをアミノ酸配列から予
測することは不可能である。Khannaらの米国特許第4,95
6,274号(1990年9月11日発行)は、ペプチド断片を含
有する試薬媒体にイオン性界面活性剤または糖残基から
誘導される界面活性剤を添加することによりこの問題に
対処した。界面活性剤の存在は一般的に酵素アクセプタ
ーおよび酵素ドナーの相補性と相いれないので、過剰の
界面活性剤を中和したり、例えばシクロデキストリンを
用いて除去しなければならない。
アッセイ用の試薬を構成する主要成分の安定性は、市
場でのそのアッセイの全体的な実施可能性にとっての重
要な要因となる。アッセイの鍵となる成分の分解はその
性能を根底から変えてしまい、アッセイから得られた結
果の確実性に影響を及ぼしうる。さらに、試薬が不安定
であると、使用者は毎日の試薬調製といった時間のかか
る煩雑な作業を行わねばならない。こうした繰り返しの
多い作業は使用者に対するアッセイの利便性を低下させ
る。また、不安定なアッセイ系は試薬の貯蔵寿命を限定
し、それゆえ、アッセイキットにパッケージされ得る試
験の数が減ることとなる。所定量の試薬から得られる使
用可能なアッセイ数を増やすことにより、そのアッセイ
キットの経済的価値は実質的に高まる。
酵素をベースとしたイムノアッセイの最も不安定な成
分はふつうタンパク質成分である。タンパク質の機能
は、それが化学反応の触媒作用であろうと特定分子の結
合であろうと、その明確に区別された三次元構造に本質
的に依存している。タンパク質の三次元構造はそのアミ
ノ酸配列によって決まることが一般に認められている。
従って、タンパク質配列内の任意の特定アミノ酸の化学
的性質の変化は折りたたみ(folding)および/または
折りたたまれた分子のコンホメーションに影響を及ぼし
うる。このようなコンホメーションの変化はしばしばタ
ンパク質の正常な機能の摂動(perturbation)をもたら
す。タンパク質の折りたたまれた状態とほどけた状態の
自由エネルギーの差は比較的小さく、一般に5〜20kcal
/molほどである。それゆえ、タンパク質を取りまく環境
(例えば、pH、温度、イオン強度など)のわずかな変化
もそのコンホメーション状態に劇的な影響を及ぼしう
る。タンパク質のコンホメーション状態の変化、特に準
安定性の中間体または一部折りたたまれた中間体への変
化はタンパク質の不可逆的な凝集または表面へのタンパ
ク質の非特異的吸着をもたらすことがある。
タンパク質の化学的性質(おそらくコンホメーション
の完全性)を変えるような分解過程が数多く起こり得
る。これらにはアスパラギンまたはグルタミン残基のそ
れぞれの酸へのアミノ分解;システイン、メチオニンま
たはトリプトファン残基のそれぞれシステイン酸、メチ
オニンスルホキシドまたはN′−ホルミル−キヌレニン
誘導体への酸化;ジスルフィド結合の分断;または不安
定なペプチド結合の加水分解が含まれる。所与の系のタ
ンパク質成分の不安定性に寄与する諸要因を理解するこ
とは、タンパク質に関係した安定性の問題を解決するう
えで鍵となる重要なステップである。しかし、ほとんど
のイムノアッセイ系は多数のタンパク質を必要とし、タ
ンパク質同士のまたはタンパク質とその系の他の成分と
の相互作用の複雑さがこうした問題の解決の可能性を阻
んでいる。クローン化酵素ドナーに基づくイムノアッセ
イの場合には、主要なタンパク質成分として、アナライ
ト特異的抗体、酵素アクセプター、酵素ドナー/アナラ
イト結合体、およびアッセイの最適化に必要でありうる
任意の二次抗体が挙げられる。
β−ガラクトシダーゼは分子量約540,000ダルトンの
四量体タンパク質である。4つの同一の単量体が1023個
のアミノ酸から成り、それぞれ116,000ダルトンの分子
量を有する。単量体タンパク質は3つの領域、すなわち
N末端近位セグメント(α領域)、中間領域およびC末
端遠位セグメント(ω領域)、に分割される。
大腸菌のβ−ガラクトシダーゼはlacオペロンのZ遺
伝子から誘導されるもので、β−D−ガラクトピラノシ
ドの加水分解を触媒する。この酵素の触媒機構はチロシ
ン−503による基質分子のグリコシドエステル結合の一
般的酸触媒作用を伴う。これに続いてアグリコン部分の
損失およびグルタミン酸−461との相互作用による推定
上のカルボニウムイオン中間体の安定化が起こる。触媒
周期の最終段階は、アクセプター分子(通常は水)のト
ランスガラクトシル化および活性部位からの生成物の解
離を伴う。活性酵素は4つの同じサブユニットから構成
されており、サブユニットにつき1つ活性部位がある。
1価のカチオンは、活性にとって必要ではないが、酵素
触媒作用の速度を劇的に高め、一方、2価のカチオン
(例えば、Mg2+またはMn2+)は活性にとって必要であ
る。
大腸菌のβ−ガラクトシダーゼホモ四量体は64個のシ
ステイン残基(サブユニットあたり16個のシステイン残
基)を含み、これらはいずれも酵素活性に関係しておら
ず、また、高濃度の還元剤の存在下でこの分子が安定し
ていることにより示されるように、サブユニット間のジ
スルフィド橋による四次構造の維持にも係わっていな
い。活性四量体を形成させるための個々の単量体のin v
itro会合の効率は、システインが完全に還元される条件
下で劇的に増加する。同様に、還元剤は酵素相補性を大
幅に高める。αアクセプターポリペプチドは単一のβ−
ガラクトシダーゼサブユニット中に存在する16個すべて
のシステイン残基を含んでいる。しかし、αアクセプタ
ー分子は溶液中ではホモ二量体として存在している。こ
うして、β−ガラクトシダーゼの二量体−二量体界面に
通常埋め込まれる表面領域はαアクセプターにおいて露
出されている。ヨード酢酸を用いたβ−ガラクトシダー
ゼの化学的修飾実験により、β−ガラクトシダーゼ中の
表面接近可能残基としてシステイン−500とシステイン
−1021が同定された(Jornvallら,1978,Biochem.17,516
0−64)。これら2つの残基のカルボキシメチル化は酵
素活性に対してどのような有意な程度にも影響を与えな
かった。ところが、二量体のαアクセプター分子である
M15をヨード酢酸で処理したときには、78位、389位およ
び602位の3つの追加のシステイン残基が修飾された。
カルボキシメチル化はα相補性に関与するM15の能力を
阻害することが分かった。このことは、これらの追加の
残基の1以上が二量体−二量体界面に位置していて、そ
の修飾がα相補性を妨げることを示唆している。
かくして、驚いたことに、β−ガラクトシダーゼの酵
素アクセプターポリペプチド断片上のシステイン−602
残基の部位特異的突然変異誘発による同類アミノ酸(好
ましくはセリン)置換は、602位にシステインを有する
酵素アクセプターポリペプチド断片の安定性と比べて、
酵素アクセプター突然変異タンパク質の安定性を実質的
に向上させることが見いだされた。
システイン残基をセリンに変換するtRNAシンテターゼ
の予め決められた部位特異的突然変異誘発が報告されて
いる(G.Winterら,1982,Nature,299,756−758およびA.W
ilkinsonら,1984,Nature,307,187−188)。Estellらの
米国特許第4,760,025号(1988年7月26日発行)は、い
くつかのメチオニン残基のアミノ酸置換を起こさせるよ
うに特定部位で修飾されたクローン化ズブチリシン遺伝
子を記述している。Kothsらの米国特許第4,752,585号
(1988年6月21日発行)および同第5,116,943号(1992
年5月26日発行)は、インターロイキン−2またはイン
ターフェロン−βのような治療用タンパク質を酸化から
保護するために、クロラミンTまたは過酸化物による酸
化を受けやすいメチオニル残基を同類のアミノ酸で置換
することを記述している。
Buchwalterらの欧州特許出願第91106224.8号(1991年
11月27日公開)は、部位特異的突然変異誘発法によって
いくつかのセリンおよびチロシン残基をシステイン残基
で置換し、そしていくつかのシステイン残基をグルタミ
ン酸で置換した動物のソマトトロピン誘導体を記述して
いる。BreddamらのPCT/DK91/00103(1991年10月31日公
開)は化学的に修飾されたデタージェント酵素を記述し
ており、ここでは1個以上のメチオニンをシステインに
突然変異誘発させ、その後システインを化学的に修飾し
て酸化剤に対する該酵素の安定性を向上させている。Ma
ttesらの米国特許第4,963,469号(1990年10月16日発
行)は、β−ガラクトシダーゼのアミノ酸430−550の領
域のあるアミノ酸を他のアミノ酸に変えて、酵素的に不
活性であるが免疫学的には活性のあるβ−ガラクトシダ
ーゼ突然変異タンパク質を得ることを記述している。Es
tellら(1985,J.Biol.Chem.260,6518−6521)はズブチ
リシンのメチオニン222残基(この酵素の酸化的不活性
化にとって重要な部位である)を変えるために部位特異
的突然変異誘発を採用した。これらの著者は、非酸化性
アミノ酸(すなわち、セリン、アラニンおよびロイシ
ン)を含む変異体が過酸化物による不活性化に抵抗する
が、メチオニンおよびシステインで置換された酵素は急
速に失活されることを見いだした。
ここで用いるβ−ガラクトシダーゼのアミノ酸残基の
番号付けは、Kalninsら,1983,EMBO Journal 2,593−597
に発表されたものであり、その開示内容を参考としてこ
こに組み入れる。大腸菌のβ−ガラクトシダーゼをコー
ドするlacZ遺伝子のヌクレオチド配列が決定され、β−
ガラクトシダーゼはFowlerおよびZabin(1977,Proc.Nat
l.Acad.Sci.USA 74,1507−1510および1978,J.Biol.Che
m.253,5521−5525)により以前に報告された1021アミノ
酸残基ではなく1023アミノ酸残基から成ると予測され
た。
発明の概要 本発明は、β−ガラクトシダーゼの酵素アクセプター
ポリペプチド断片の新規な突然変異タンパク質ならびに
該突然変異タンパク質の生産方法を提供する。特に、本
発明は、602位にシステイン以外のアミノ酸が配置され
ているβ−ガラクトシダーゼの酵素アクセプターポリペ
プチド断片の新規な突然変異タンパク質を提供する。特
に好ましいものはシステイン−602をセリンで置換して
あるβ−ガラクトシダーゼのαアクセプターポリペプチ
ド断片である。さらに、これら新規な突然変異タンパク
質を含有する試薬組成物、ならびに酵素的に不活性のド
ナー断片とアクセプター断片との相補性を利用して酵素
的に活性のある酵素を形成させることを含むクローン化
酵素ドナーイムノアッセイにおいて該組成物を用いるイ
ムノアッセイ法を提供する。新規な酵素アクセプター突
然変異タンパク質は、親酵素アクセプター断片と比べ、
安定性および耐酸化性の実質的向上を示すことが見いだ
された。
本発明の新規な突然変異タンパク質は、親酵素アクセ
プターをコードする遺伝子上の適当な位置で部位特異的
突然変異誘発を起こさせることにより都合よく調製でき
る。部位特異的突然変異誘発法(Wallaceら,1981,Nucle
ic Acids Res.9,3647−3656;Zoller and Smith,1982,Nu
cleic Acids Res.10,6487−6500;およびDeng and Nicko
loff,1992,Anal.Biochem.200,81−88)はβ−ガラクト
シダーゼのシステイン−602の任意アミノ酸による置換
を可能とする。ポリペプチド断片の化学合成は本発明の
範囲を越えるものではない。しかし、こうした技法は一
般にアミノ酸の長さが比較的短いポリペプチドの調製に
適用される。
本発明のアッセイでは、血清のようなサンプル中のア
ナライト(すなわち、リガンドまたは受容体)が酵素ド
ナーおよび酵素アクセプターポリペプチド断片を含有す
る試薬組成物を用いて定量される。その際、酵素ドナー
断片はアナライトに特異的なアナライト結合性タンパク
質に結合されており、また、アナライトは結合されたア
ナライト結合性タンパク質と交差反応するか、あるいは
それに相補的である。酵素アクセプターポリペプチドは
本質的にβ−ガラクトシダーゼの断片から成り、この断
片は上記の結合体に結合するアナライト結合性タンパク
質の不在下で酵素ドナーと一緒になってβ−ガラクトシ
ダーゼ活性を有する活性酵素複合体を形成する点に特徴
がある。これらの試薬をサンプルおよび適当なアッセイ
媒体中で活性酵素複合体と反応し得る基質と組み合わせ
る。該酵素による基質の変換速度を既知濃度のアナライ
トを用いて得られた基質の変換速度に対比させて、サン
プル中のアナライトの量を決定する。
図面の簡単な説明 本発明は、本明細書の一部を構成する図面とともに考
察するとき、以下の本発明の詳細な説明を参照すること
により一層理解されるであろう。
図1は、過酸化水素を含む緩衝化試薬とともにインキ
ュベートしたときの酵素β−ガラクトシダーゼ活性の低
下を示すグラフである。曲線はβ−ガラクトシダーゼ、
EA22およびEA37についての時間の経過に対する過酸化物
失活を表している。
図2は、緩衝化試薬とともにインキュベートしたEA22
およびEA37についての時間の経過に対する酵素β−ガラ
クトシダーゼ活性の低下を示すグラフである。
図3は、検体サンプル中のバルビツール酸レベルを測
定するためのアッセイ試薬とともにインキュベートした
ときのEA22およびEA37についての時間の経過に対する酵
素β−ガラクトシダーゼ活性の低下を示すグラフであ
る。
図4は、いろいろなレベルのアナライトに応答してア
クセプター断片とドナー断片から再形成されたβ−ガラ
クトシダーゼによる基質の変換速度を示すグラフであ
る。
特定の実施態様の説明 本発明によると、酵素アクセプター断片をコードする
遺伝子上の特定位置で突然変異を誘発させる部位特異的
突然変異誘発法によりβ−ガラクトシダーゼの新規な酵
素アクセプターポリペプチド断片が調製される。特に、
部位特異的突然変異誘発法を用いて602位のシステイン
をコードする位置に突然変異を起こさせ、それによりシ
ステインを同類アミノ酸で置換する。好ましいアミノ酸
置換はセリンである。他のアミノ酸で置換してもよい
が、同類置換が好適である。同類置換(conservative s
ubstitution)とは、類似した特性を有し、かつ酵素ド
ナーと相補する酵素アクセプターの能力または再形成さ
れたβ−ガラクトシダーゼの触媒活性に有害作用を及ぼ
さないようなアミノ酸によるβ−ガラクトシダーゼのシ
ステイン−602の置換を意味する。このような同類アミ
ノ酸置換の例として、グリシン、アラニン、バリン、イ
ソロイシン、ロイシン、セリン、トレオニン、およびメ
チオニンがある。特に好ましい置換はセリンであり、そ
して特に好ましい親酵素アクセプターは米国特許第4,70
8,929号に詳述されているEA22である。
親酵素アクセプターはいろいろな組換えDNA法、例え
ば欠失構築または所望のアミノ酸配列を有するDNAの直
接合成とこれに続く天然β−ガラクトシダーゼをコード
するlacZ遺伝子のα領域のDNA配列へのインフレーム(i
n frame)連結、を用いて調製することができる。こう
した技法は米国特許第4,708,929号に詳述されている。
また、親酵素アクセプターポリペプチド断片を産生す
る生物も一般に入手可能である。In Vitro Internation
al社(IVI)(Ann Arbor,MI)の大腸菌株AMA 1004(受
託番号 10051)はアミノ酸13−40を欠失させたβ−ガラ
クトシダーゼ酵素アクセプター(EA22)の遺伝子を担う
プラスミドpMG22を保有する。大腸菌株AMA 1004,IVI 10
050はアミノ酸30−37を欠失させたβ−ガラクトシダー
ゼ酵素アクセプター(EA14)の遺伝子を担うプラスミド
pMG14を保有する。
本明細書中で定義される酵素アクセプターは、β−ガ
ラクトシダーゼ遺伝子の欠失変異体により得られる酵素
的に不活性のポリペプチドであり、酵素ドナーと組み合
わされるとき、相補の過程により酵素活性β−ガラクト
シダーゼを形成しうる能力があるものである。ここで述
べる置換された酵素アクセプター突然変異タンパク質は
EA22から得られ、EA22はβ−ガラクトシダーゼタンパク
質のN末端をコードするβ−ガラクトシダーゼ遺伝子の
α領域内に欠失を有する酵素アクセプターである。詳細
には、EA22はアミノ酸残基13−40の欠失を有する。ま
た、アミノ酸位置602を含む天然配列を有するβ−ガラ
クトシダーゼの他の酵素アクセプター断片も、本発明の
突然変異タンパク質を調製するために使用することがで
きる。酵素αアクセプターの特定の例は米国特許第4,70
8,929号に記述されており、例えばEA5、EA11、EA14、EA
17、EA18、EA20、EA23およびEA24がある。適当なαアク
セプター中の欠失セグメントの遠位末端は通常β−ガラ
クトシダーゼ配列のアミノ酸位置26−54の間にあるだろ
う。EA22においては、欠失セグメントの遠位末端がアミ
ノ酸40である。
さらに、ωアクセプター断片も本発明の範囲内であ
る。ωアクセプターは欧州特許出願第92304354.1号に記
述されており、適当なωアクセプターの特定の例はOA72
1である。
本発明の教示にしたがう安定化のためにβ−ガラクト
シダーゼの酵素アクセプターポリペプチドを選択する際
に考慮すべき主な事柄は、602の位置に欠失が存在して
いないということである。
本明細書中で定義される酵素ドナーとは、2つのドメ
イン、すなわち酵素アクセプターと一緒になって活性酵
素を形成しうるタンパク質配列を含むドナードメインお
よびアナライト結合性タンパク質と相互作用しうるアナ
ライトドメイン、から成る酵素的に不活性のポリペプチ
ドのことである。アナライトドメインは、(a)種々の
アナライトまたはアナライト類似体との結合が達成され
るアナライト結合性ドメイン、または(b)それ自体が
アナライト類似体として機能するタンパク質ドメイン、
のいずれかである。特に好ましい酵素ドナーであるED4
は米国特許第4,708,929号に記述されている。
本発明のアッセイ法においては、対象アナライト(ま
たは類似のアナライト誘導体)を結合または融合させた
β−ガラクトシダーゼ系の酵素ドナー、つまり酵素ドナ
ー結合体、の既知量を、既知量の特異的なアナライト結
合性タンパク質または他の結合性分子および既知量の酵
素アクセプター(酵素ドナーとの相補性を有する)と組
み合わせる。酵素ドナー結合体のアナライトドメインと
サンプル中の遊離の未知アナライトの間で既知量の特異
的なアナライト結合性タンパク質についての競合が起こ
って、酵素ドナー結合体が遊離の状態で存在するように
なり、その結果、それが酵素アクセプターと会合する。
ドナー結合体とアクセプターの会合は触媒活性のある酵
素複合体の形成をもたらし、かくして、サンプル中で検
出可能なβ−ガラクトシダーゼ酵素活性の量を変調させ
る。結果的に、サンプル中の遊離アナライトが測定可能
な酵素活性の直接的関数として定量される。酵素活性は
分光光度測定法および蛍光光度測定法を含むこれらに限
らない各種の技法を用いて酵素触媒反応による基質の変
換速度をモニターすることにより測定される。
実施例1 酵素アクセプター突然変異タンパク質の構築 Deng and Nickoloff,1992,Anal.Biochem.200:81−88
(その開示内容を参考としてここに組み入れる)に記載
の方法にしたがって、親αアクセプターEA22の部位特異
的突然変異誘発を行った。EA22の構造遺伝子を含む出発
プラスミドはp230であった。ハイブリダイゼーションの
ための連続した20塩基および602位にシステインからセ
リンへの置換を導入する置換を含む2つのオリゴヌクレ
オチドプライマーを合成した。さらに、これらのプライ
マーはそれぞれスクリーニングおよび選択の目的で新た
な制限エンドヌクレアーゼ部位を組み入れ、そして天然
の制限エンドヌクレアーゼ部位を取り除いた。
変性したp230に2つのプライマーをアニーリングさせ
た後、それらをDNAポリメラーゼにより伸長させ、そし
てエレクトロポレーションを使って鎖修復に欠陥のある
mut S E.coli株 BMH 71−18に形質転換した。これらの
細胞の一夜培養物から得られたプラスミドのプールをla
cZ欠損株 AMA 1004に再度形質転換した。個々のコロニ
ーから得られたプラスミドは新たなユニーク制限エンド
ヌクレアーゼ部位の導入についてスクリーニングした。
陽性クローンはシステイン−602からセリンへの変化の
導入について配列を決定した。最終的な突然変異誘発産
物は、システイン−602の位置に突然変異誘発アミノ酸
を有しかつ2つのサイレント変化(1つは突然変異誘発
アミノ酸の近くにあり、1つはプラスミド上のその他の
ユニーク部位位置にある)を含むプラスミドp230であっ
た。
実施例2 化学的不安定性の比較 システイン−602からセリンへの置換がEA37の耐酸化
性を向上させたか否かを調べるために、EA22、EA37およ
びβ−ガラクトシダーゼを1000倍過剰モルの過酸化水素
に暴露させる実験を行った。タンパク質をさまざまな時
間にわたり酸化条件にさらし、その後残留β−ガラクト
シダーゼ活性を分析した。
アッセイ緩衝液 次の組成を有するアッセイ緩衝液を調製した。
150mM リン酸Na,pH7.2 400mM NaCl 4mM 酢酸Mg 10mM エチレングリコール四酢酸(EGTA) 0.05% Tween−20(ポリオキシエチレンソルビタンの
ICI Americas社の登録商標) 10mM L−メチオニン β−ガラクトシダーゼ活性の測定 酵素アクセプターβ−ガラクトシダーゼ活性の測定
は、β−ガラクトシダーゼの色素原基質o−ニトロフェ
ニル−β−D−ガラクトピラノシド(ONPG)の存在下に
アッセイ緩衝液中で酵素アクセプターをαドナーED4と
組み合わせることにより行った。次いで、その後の酵素
活性の速度を一定の時間にわたる420nmでの吸光度の変
化として分光光度計により測定した。その後、この速度
を新鮮なまたは未処置のEA22の対照サンプルにおいて得
られた速度と比較した。
過酸化水素による酸化 サンプルは4.4mMの過酸化水素を含むアッセイ緩衝液
中4.4μMの濃度となるように希釈した。サンプルをさ
まざまな間隔をおいて取り出し、残留活性を測定した。
失活反応速度論はすべての場合に一次(first−order)
であることが分かった。EA22(k=0.0443 sec-1)の場
合には反応速度活性の低下がβ−ガラクトシダーゼ(k
=0.0038 sec-1)の場合に観測されたものにより11倍速
い速度で起こることが見いだされた。対照的に、EA37
(k=0.0149 sec-1)はEA22と比べて失活速度の3倍低
下を示したが、まだβ−ガラクトシダーゼよりも失活さ
れやすかった。これらのアッセイの結果を図1に示す。
実施例3 酵素的不安定性の比較 液体中のEA22断片とEA37断片の貯蔵寿命安定性を比較
するために、実施例2に記載したアッセイ緩衝液中に各
断片を含む試薬を調製した。次に、これらの試薬を周囲
温度でさまざまな時間にわたり貯蔵し、実施例2に記載
のごとく残留β−ガラクトシダーゼ活性を測定した。こ
れらのアッセイの結果を図2に示す。
実施例4 バルビツール酸のアッセイ サンプル検体中のアナライトを検出するEA37の能力を
実証するために、さまざまな濃度のバルビツール酸用量
(セコバルビタール)を、アナライト結合性タンパク質
としてバルビツール酸に特異的なモノクローナル抗体を
用いて測定した。用量反応曲線を作成し、それを図4に
示してある。
EA試薬 100mM PIPES(1,4−ピペラジンジエタンスルホン
酸),pH6.9 700mM NaCl 10mM 酢酸Mg 10mM EGTA 20mM Naアジド 120U/ml EA37 10mM L−メチオニン 0.5% ウシ胎児血清 希釈率 1:800のモノクローナルバルビツール酸抗体
(腹水) ED試薬 100mM PIPES,pH6.9 700mM NaCl 10mM EGTA 1mM EDTA 20mM Naアジド 2mg/ml ウシ血清アルブミン断片 1mg/ml CPRG(クロルフェニルレッド−β−D−ガラ
クトピラノシド) 93mM ED28−バルビツール酸結合体 セコバルビタールの測定 等量のED試薬とEA試薬を用いてHitachi 717 自動アナ
ライザ(Boehringer Mannheim Corp.,Indianapolis,I
N)によりアッセイを行った。セコバルビタール用量をE
A試薬に加えて5分間インキュベートし、その後ED試薬
を加えた。ED試薬の添加後4′00″−5′00″での1分
の読取り間隔を用いて570nmで吸光度を測定した。この
実験で用いた試薬の容量はそれぞれ130μlとし、サン
プルの容量12μlとした。用量はAlltechセコバルビタ
ール較正物質(10,000ng/ml)から調製した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G01N 33/573 C12N 15/00 A //(C12N 9/38 C12R 1:19) (72)発明者 クレボリン,マーク アメリカ合衆国 94564 カリフォルニ ア州 ピノール,デ ラ ブライアンダ イス コート 2732番地 (72)発明者 ブライアント,クリストファー ピー. アメリカ合衆国 60914 イリノイ州 バーボナイス,ヴァンテージ レーン, 1189番地 (72)発明者 ボグスロースキー,ソフィー ジェイ. アメリカ合衆国 46260 インディアナ 州 インディアナポリス,サイカモア グローヴ コート 7580番地 (72)発明者 レデン,デイヴィッド ジェイ. アメリカ合衆国 46236 インディアナ 州 インディアナポリス,ベイ リッジ ドライブ 7654番地 (72)発明者 クラーク,スコット アメリカ合衆国 94702 カリフォルニ ア州 バークレー,ブラウニング スト リート 2203番地 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12N 15/56 C12N 9/38 WPI(DIALOG) BIOSIS(DIALOG)

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】602位にシステイン以外のアミノ酸を有す
    るβ−ガラクトシダーゼの酵素アクセプターポリペプチ
    ドの突然変異タンパク質。
  2. 【請求項2】前記のアミノ酸がグリシン、アラニン、バ
    リン、イソロイシン、ロイシン、セリン、トレオニンお
    よびメチオニンより成る群から選ばれる、請求項1に記
    載の突然変異タンパク質。
  3. 【請求項3】前記のアミノ酸がセリンである、請求項1
    に記載の突然変異タンパク質。
  4. 【請求項4】前記の酵素アクセプターポリペプチドがα
    アクセプターである、請求項1に記載の突然変異タンパ
    ク質。
  5. 【請求項5】602位にシステイン以外のアミノ酸を有す
    るβ−ガラクトシダーゼの酵素アクセプターポリペプチ
    ドの突然変異タンパク質を生産する方法であって、β−
    ガラクトシダーゼの酵素アクセプターポリペプチドをコ
    ードするプラスミドを処理して部位特異的突然変異誘発
    によりβ−ガラクトシダーゼのアミノ酸602(通常はシ
    ステインである)をコードする該プラスミドの部分に突
    然変異を起こさせ、該プラスミドを発現させて上記の突
    然変異タンパク質を生産させることを含んでなる方法。
  6. 【請求項6】前記の部位特異的突然変異誘発がアミノ酸
    602のシステインをコードする部分にグリシン、アラニ
    ン、バリン、イソロイシン、ロイシン、セリン、トレオ
    ニンおよびメチオニンより成る群から選ばれるアミノ酸
    をコードするための突然変異を導入することを含む、請
    求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】前記の部位特異的突然変異誘発がアミノ酸
    602のシステインをコードする部分にセリンをコードす
    るための突然変異を導入することを含む、請求項5に記
    載の方法。
  8. 【請求項8】前記の酵素アクセプターポリペプチドがα
    アクセプターである、請求項5に記載の方法。
  9. 【請求項9】602位にシステイン以外のアミノ酸を有す
    るβ−ガラクトシダーゼの酵素アクセプターポリペプチ
    ドを含有する試薬組成物。
  10. 【請求項10】前記のアミノ酸がグリシン、アラニン、
    バリン、イソロイシン、ロイシン、セリン、トレオニン
    およびメチオニンより成る群から選ばれる、請求項9に
    記載の試薬組成物。
  11. 【請求項11】前記のアミノ酸がセリンである、請求項
    9に記載の試薬組成物。
  12. 【請求項12】前記の酵素アクセプターポリペプチドが
    αアクセプターである、請求項9に記載の試薬組成物。
  13. 【請求項13】アナライトを含んでいると予想されるサ
    ンプル中のアナライトを定量するためのイムノアッセイ
    法であって、 (a)該サンプルを次の成分: (i)酵素ドナーポリペプチド結合体; (ii)該アナライトに特異的なアナライト結合性タンパ
    ク質; (iii)β−ガラクトシダーゼの断片から本質的に成る
    酵素アクセプターポリペプチド(該酵素アクセプターポ
    リペプチドは、上記の結合体に結合するアナライト結合
    性タンパク質の不在下で、酵素ドナーと一緒になってβ
    −ガラクトシダーゼ活性を有する活性酵素複合体を形成
    する点に特徴があり、さらに該酵素アクセプターポリペ
    プチドは602位にシステイン以外のアミノ酸を有する点
    に特徴がある);および (iv)上記の活性酵素複合体と反応しうる基質(その結
    果、該活性酵素複合体による該基質の変換速度をモニタ
    ーすることができ、また、上記の酵素ドナー結合体はア
    ナライト結合性タンパク質に競合的に結合することがで
    き、それにより活性酵素複合体の形成を阻止する); と接触させ、 (b)基質の変換速度を測定し、そして (c)上記の基質の変換速度を既知濃度のアナライトを
    用いて得られた基質の変換速度と比較することによりサ
    ンプル中のアナライトの量を定量する、ことを含んでな
    る方法。
  14. 【請求項14】前記のアミノ酸がグリシン、アラニン、
    バリン、イソロイシン、ロイシン、セリン、トレオニン
    およびメチオニンより成る群から選ばれる、請求項13に
    記載の方法。
  15. 【請求項15】前記のアミノ酸がセリンである、請求項
    13に記載の方法。
  16. 【請求項16】前記の酵素アクセプターポリペプチドが
    αアクセプターである、請求項13に記載の方法。
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