JP2973693B2 - 車両用駆動力制御装置 - Google Patents

車両用駆動力制御装置

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JP2973693B2
JP2973693B2 JP4085568A JP8556892A JP2973693B2 JP 2973693 B2 JP2973693 B2 JP 2973693B2 JP 4085568 A JP4085568 A JP 4085568A JP 8556892 A JP8556892 A JP 8556892A JP 2973693 B2 JP2973693 B2 JP 2973693B2
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友博 福村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両の加速性能と旋回性
能との両立を実現することのできる、車両用駆動力制御
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】駆動輪に駆動スリップが発生したとき当
該駆動輪へ供給する駆動トルクを駆動スリップ状態に応
じて可変制御する、駆動トルク制御(いわゆるトラクシ
ョンコントロール)を実施する、車両用駆動制御装置の
従来例としては、例えば特開昭62‐23831 号公報およ
び、特開昭63‐31830 号公報に開示されたものがある。
これら従来例は、車両の運転状態を表わす車速、アクセ
ル操作量(スロットル開度で代用している)および前輪
の操舵角をパラメータに用いてエンジン駆動トルクを可
変制御することにより当該駆動スリップの解消を図って
おり、その際、運転者の加速の意志を表わすパラメータ
であるアクセル操作量の、絶対値が大きくなるほどスリ
ップ目標値を大きくしてエンジン駆動トルクの低減量
(トルクダウン量)が大きくなるような制御を行ってい
る。なお、上記制御においてアクセル操作量を用いるの
は、旋回時に車両の安定性を確保するため駆動スリップ
量を低い値に保った場合、コーナリングから直進に移行
する際に低い値に保ったままにしておくと運転者が加速
しようとしてアクセルを踏み込んでも運転者の意志通り
に加速がなされず、運転性(ドライバビリティ)が阻害
される不具合が生じることから、その不具合の対策であ
る。
【0003】また、同様の駆動トルク制御を実施する、
車両用駆動制御装置の従来例として、特開昭63‐31859
号公報および、特開平2‐ 38149号公報に開示されたも
のがある。これら従来例は、コーナリング時には直進時
よりもスリップ目標値を小さくしたり、操舵角減少時に
は最大舵角時のスリップ目標値に固定したりすることに
より走行安定性を確保するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記特開昭62‐ 23831
号、特開昭63‐ 31830号の従来例は、車両が旋回状態か
直進状態(コーナ脱出時)かを単にアクセル開度の絶対
値によって判定し、路面状態、車速、旋回半径等に応じ
てアクセル操作量が異なることを考慮に入れていないた
め、旋回状態かコーナ脱出時かを見極めるのが難しく、
例えば本来アクセル操作量が大きい高G旋回時に、旋回
中であるにも拘らずコーナ脱出と判定してスリップ目標
値を大きくする結果、旋回安定性が損なわれてしまう。
また、アクセル操作量が大きくなるとスリップ目標値を
一律に大きくするためスリップ許容量が大きくなり、運
転者が少々アクセル操作のミスをしても旋回安定性を確
保するという駆動力制御装置本来の機能が損なわれる惧
れがある。
【0005】一方、上記特開昭63‐ 31859号、特開平2
‐ 38149号の従来例は、前輪駆動車(FF車)の場合、
コーナリング時には直進時よりもスリップ目標値を小さ
くするため旋回安定性、操舵性を向上させることはでき
るが、操舵角減少時には最大舵角時のスリップ目標値に
固定するようにしているため、例えばスポーティ走行で
out-in-outでパワーアンダを発生させることによりコー
ナ脱出を図るとき、トラクションコントロールが過剰に
作用して加速不良を招き、コーナを脱出し難くくなって
しまう。
【0006】本発明は駆動トルク制御に用いるスリップ
基準値をアクセル操作変化状態や車両の旋回状態に基づ
いて変更することにより、上述した問題を解決すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的のため、本発明
の車両用駆動力制御装置の請求項1の構成は、駆動輪の
駆動スリップ状態を検出する駆動スリップ検出手段と、
前記駆動輪のスリップ基準値を設定するスリップ基準値
設定手段と、検出した駆動スリップ状態と前記スリップ
基準値とに基づいて駆動トルク制御を行う駆動トルク制
御手段とを具える車両において、アクセル操作量を検出
するアクセル操作検出手段と、前記駆動トルク制御の開
始時のアクセル操作量を基準値として記憶するアクセル
基準値記憶手段と、該基準値から現在のアクセル操作量
までの増加分をアクセル踏み増し量として算出するアク
セル踏み増し量算出手段と、運転者の加速意志と見なさ
ないアクセル踏み増し量の限界値を設定するアクセル限
界値設定手段と、前記駆動トルク制御開始後におけるア
クセル踏み増し量が前記限界値を越えたとき該アクセル
踏み増し量に応じて前記スリップ基準値をスリップ許容
方向へ補正するスリップ基準値補正手段と、前記アクセ
ル踏み増し量が前記限界値以下のとき前記スリップ基準
値の補正を禁止するスリップ補正禁止手段とを具えて成
ることを特徴とする。また請求項3の構成は、駆動輪の
駆動スリップ状態を検出する駆動スリップ検出手段と、
前記駆動輪のスリップ基準値を設定するスリップ基準値
設定手段と、検出した駆動スリップ状態と前記スリップ
基準値とに基づいて駆動トルク制御を行う駆動トルク制
御手段とを具える車両において、車両が直進状態か旋回
状態かを判定する旋回状態判定手段と、アクセル操作量
を検出するアクセル操作検出手段と、前記旋回状態判定
手段により車両が旋回状態と判定されたとき前記駆動ト
ルク制御の開始時のアクセル操作量を基準値として記憶
するアクセル基準値記憶手段と、該基準値から現在のア
クセル操作量までの増加分をアクセル踏み増し量として
算出するアクセル踏み増し量算出手段と、運転者の加速
意志と見なさないアクセル踏み増し量の限界値を設定す
るアクセル限界値設定手段と、車両の旋回状態判定時に
おけるアクセル踏み増し量が前記限界値を越えたとき該
アクセル踏み増し量に応じて前記スリップ基準値をスリ
ップ許容方向へ補正するスリップ基準値補正手段と、前
記アクセル踏み増し量が前記限界値以下のとき前記スリ
ップ基準値の補正を禁止するスリップ補正禁止手段とを
具えて成ることを特徴とする。さらに請求項4の構成
は、駆動輪の駆動スリップ状態を検出する駆動スリップ
検出手段と、前記駆動輪のスリップ基準値を設定するス
リップ基準値設定手段と、検出した駆動スリップ状態と
前記スリップ基準値とに基づいて駆動トルク制御を行う
駆動トルク制御手段とを具える車両において、操舵角が
切り増し状態か切り戻し状態かを判定する操舵状態判定
手段と、操舵角が切り増し状態にあると判定したときに
は、直進時に比べて小さく設定した下限値と操舵角の増
加に応じて徐々に増加する値とを加算した値であって直
進時に比べて小さい値となるようにスリップ基準値を補
正するとともに、操舵角が切り戻し状態にあると判定し
たときには、切り増し状態にあると判定したときの補正
後のスリップ基準値よりも大きい値となるようにスリッ
プ基準値を補正するスリップ基準値補正手段とを具えて
成ることを特徴とする。
【0008】
【作用】本発明の請求項1の構成においては、駆動スリ
ップ検出手段が検出した駆動輪の駆動スリップ状態に基
づき、スリップ基準値設定手段が設定したスリップ基準
値を達成するよう、駆動トルク制御手段が駆動トルク制
御を行う際に、アクセル踏み増し量算出手段は前記駆動
トルク制御の開始時のアクセル操作量を基準値とした場
合の現在のアクセル操作量までの増加分であるアクセル
踏み増し量を算出し、アクセル限界値設定手段は運転者
の加速意志と見なさないアクセル踏み増し量の限界値を
設定し、スリップ基準値補正手段は前記駆動トルク制御
開始後におけるアクセル踏み増し量が前記限界値を越え
たとき該アクセル踏み増し量に応じて前記スリップ基準
値をスリップ許容方向へ補正し、スリップ補正禁止手段
は前記アクセル踏み増し量が前記限界値以下のとき前記
スリップ基準値の補正を禁止する。この結果、運転者の
加速の意志を反映した駆動トルク制御がなされることに
なり、旋回中に運転者が少々アクセル操作のミスをして
も駆動力制御装置本来の機能が発揮されて旋回安定性が
確保されるとともに、コーナ脱出時に運転者の意志通り
の加速が得られて加速不良が防止される。
【0009】また、請求項2の構成においては、アクセ
ル基準値記憶手段は、前記駆動トルク制御の開始時のア
クセル操作量の代わりに、前記駆動トルク制御開始後の
アクセル操作量の最小値を基準値として記憶するから、
請求項1と同様の作用効果が得られる。
【0010】また、請求項3の構成においては、上記駆
動トルク制御を行う際に、旋回状態判定手段は車両が直
進状態か旋回状態かを判定し、アクセル踏み増し量算出
手段は車両が旋回状態と判定されたとき前記駆動トルク
制御の開始時のアクセル操作量を基準値とした場合の現
在のアクセル操作量までの増加分であるアクセル踏み増
し量を算出し、アクセル限界値設定手段は運転者の加速
意志と見なさないアクセル踏み増し量の限界値を設定
し、スリップ基準値補正手段は車両の旋回状態判定時に
おけるアクセル踏み増し量が前記限界値を越えたとき該
アクセル踏み増し量に応じて前記スリップ基準値をスリ
ップ許容方向へ補正し、スリップ補正禁止手段は前記ア
クセル踏み増し量が前記限界値以下のとき前記スリップ
基準値の補正を禁止するから、請求項1と同様の作用効
果が得られる。
【0011】さらに、請求項4の構成においては、上記
駆動トルク制御を行う際に、操舵状態判定手段は操舵角
が切り増し状態か切り戻し状態かを判定し、スリップ基
準値補正手段は、操舵角が切り増し状態にあると判定し
たときには、直進時に比べて小さく設定した下限値と操
舵角の増加に応じて徐々に増加する値とを加算した値で
あって直進時に比べて小さい値となるようにスリップ基
準値を補正するとともに、操舵角が切り戻し状態にある
と判定したときには、切り増し状態にあると判定したと
きの補正後のスリップ基準値よりも大きい値となるよう
にスリップ基準値を補正するから、操舵角の切り増し時
には直進状態で加速性能を重視するとともに旋回状態で
回頭性を重視し、操舵角の切り戻し時にはコーナ脱出時
の加速性を重視することになり、請求項1と同様の作用
効果が得られる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。図4は本発明の車両用駆動力制御装置の第1
実施例の構成を示す図であり、図中1L,1Rは左前
輪、右前輪、2L,2Rは左後輪、右後輪、3はエンジ
ンを示す。この車両はエンジン3によって駆動輪である
前輪1L,1Rを駆動する前輪駆動車であり、各車輪1
L,1R,2L,2Rの近傍には夫々車輪回転センサ
4,5,6,7が設けてある(なお、車両が全輪駆動車
であってもよい)。車輪回転センサ4〜7は、各車輪の
回転数を、当該回転数に応じた周波数のパルス信号とし
て検出するもので、得られた各車輪の回転数VFL,V
FR,VRL,VRRに応じた周波数のパルス信号は駆
動力制御部8のF/Vコンバータ9に入力される。駆動
力制御部8はF/Vコンバータ9、A/Dコンバータ10
およびCPU11を具えて成るものであり、F/Vコンバ
ータ9は前記各車輪センサ4〜7からの入力信号を電圧
変換してA/Dコンバータ10に入力し、A/Dコンバー
タ10は各入力信号をディジタル変換してCPU11に入力
する。なおCPU11は例えばマイクロコンピュータを用
いるものとする。
【0013】本例ではアクセル操作検出手段としてアク
セル開度センサ14を設け、アクセル開度センサ14が検出
したアクセル操作量信号LをA/Dコンバータ10に入力
する。なお、ここではアクセル操作検出手段としてアク
セル開度センサを用いているが、エンジン3のスロット
ル開度Thを検出するスロットルセンサで代用してもよ
い。さらに本例では前輪操舵角(ステアリングホイール
16の操舵角)θを検出する舵角センサ15を設け、舵角セ
ンサ15が検出した前輪操舵角信号θをA/Dコンバータ
10に入力する。
【0014】CPU11は、入力された各車輪回転数(各
車輪速)VFL,VFR,VRL,VRR、アクセル操
作量Lおよび前輪操舵角θに基づき、図5〜図9の制御
プログラムを実行して、トラクションコントロール(駆
動トルク制御)を実施する際に用いるスリップ基準値と
してのスリップ目標値をアクセル操作量Lや前輪操舵角
θに応じて可変制御する。なお、この第1実施例は、エ
ンジンの駆動トルク自体を調整することにより駆動輪に
付与するトルクを調整するエンジン制御方式を前提にし
ており、CPU11より燃料供給コントロールユニット12
に燃料供給カット信号FCを出力し、この信号FCによ
り燃料供給コントロールユニット12からエンジンの各気
筒13−1〜13−6へ夫々出力されるインジェクションパ
ルスIP が遮断されて燃料カットが実施される。
【0015】図示しないオペレーションシステムによっ
て所定周期毎の定時割込みにより繰返し実行される図5
の制御プログラムにおいて、まずステップ101 で、駆動
トルク制御手段のトルクダウン指示量TDを読み込む。
次のステップ102 でTD=0か否か、言い換えれば駆動
トルク制御が実施されているか否かを判定する。この判
定がYESになるTD=0の駆動トルク制御非実施の場
合、ステップ103 でアクセル開度センサ14から現在のア
クセル操作量Lを読み込み、ステップ104 でこのLを基
準値L0とする基準値の更新を行う。一方、ステップ102
の判定がNOになるTD≠0の駆動トルク制御実施の場
合、前記ステップ103 および104 をスキップするから、
アクセル操作量の基準値L0は駆動トルク制御実施直前の
値に保持されることになる。なお、図5の制御プログラ
ム(上記ステップ101 〜104 )において、CPU11はア
クセル操作検出手段およびアクセル基準値記憶手段とし
て機能する。
【0016】前記ステップ104 の後に実行される、図6
のステップ111 において、アクセル開度センサ14から現
在のアクセル操作量Lを読み込み、次のステップ112 で
アクセル操作量の基準値L0を読み込む。そしてステップ
113 で、該基準値から現在のアクセル操作量までの増加
分をアクセル踏み増し量ΔLとして算出する。なお、図
6の制御プログラムにおいて、CPU11はアクセル踏み
増し量算出手段として機能する。
【0017】前記ステップ113 の後に実行される、図7
のステップ121 において、アクセル踏み増し量ΔLを読
み込み、次のステップ122 でスリップ目標値の補正量Δ
S*をΔLから決定する。このスリップ目標値の補正量
ΔS*の決定には、例えば図7中に例示したマップを用
いるものとし、その場合、踏み増し量ΔLが所定値ΔL0
(運転者の加速意志と見なさないアクセル踏み増し量の
限界値)以下のとき補正量ΔS*=0とすることにより
運転者のラフなアクセル操作によるスリップの発生を抑
制して車両の安定性を維持するようにし、踏み増し量Δ
Lが所定値ΔL0を越えたとき運転者の加速の意志が強い
と見なして補正量ΔS*をリニアに変化させる増量補正
を行う。なお、図7の制御プログラムにおいて、CPU
11は、スリップ基準値補正手段として機能するととも
に、アクセル限界値設定手段およびスリップ補正禁止手
段として機能する。
【0018】前記ステップ122 の後に実行される、図8
のステップ131 において、従動輪速Viを読み込む。こ
のViの読み込みは、例えばVi=(VRL+VRR)
/2により左右従動輪速の平均値から求めるものとす
る。次のステップ132 では従動輪速Viからスリップ目
標値の初期値S*0 を決定する。このスリップ目標値の
初期値S*0 の決定には、例えば図8中に例示したマッ
プを用いるものとし、従動輪速Viが所定値Vi0以下の
ときS*0 をほぼ一定に保つとともに、Vi0を越えたと
きS*0 を徐々に増加させるようにする。次のステップ
133 でスリップ目標値の補正量ΔS*を読み込み、ステ
ップ134でスリップ目標値S*を、S*=S*0 +ΔS
* により算出する。なお、図8の制御プログラムにお
いて、CPU11はスリップ基準値設定手段として機能す
る。
【0019】前記ステップ134 の後に実行される、図9
のステップ141 において、現在の駆動スリップ量Sを読
み込み、ステップ142 でスリップ目標値S*を読み込
み、ステップ143 で両者を比較する。ここでS>S*の
YESならばステップ144 に進んでトルクダウン指示量
TDが最大値TDmax か否かの判定を行い、S≦S*の
NOならばステップ145 に進んでトルクダウン指示量T
Dが0か否かの判定を行う。上記ステップ144 、145 の
判定がNOになるのはTDが上限値および下限値の間の
値を取る場合であるから、その場合、夫々次のステップ
146 、147 でTDのインクリメント(TD=TD+
1)、デクリメント(TD=TD−1)を行う。なお、
YESの場合は夫々、既に上限値または下限値になって
いてインクリメント、デクリメントが不可能であること
から、ステップ146 、147 をスキップする。そしてステ
ップ148 でトルクダウン指示量TDに対応する燃料供給
カット信号FCをCPU11より燃料供給コントロールユ
ニット12に出力する。なお、図9の制御プログラムにお
いて、CPU11は駆動スリップ検出手段および駆動トル
ク制御手段として機能する。
【0020】次に、請求項1に対応する、第1実施例の
作用を図10の動作例により説明する。いま、図10に示す
ように、運転者がコーナ進入に伴いアクセルを若干踏み
込み、コーナ旋回中はアクセル操作量を細かく増減し、
コーナ脱出時はアクセルを大きく踏み込んだ場合、コー
ナ旋回中ほぼ一定に保たれていた車速がコーナ脱出に伴
い急激に増加する。ここで、図5のステップ102 の判定
がNOになる瞬時をt1とすると、この瞬時t1に駆動スリ
ップが発生して駆動トルク制御が開始されることにな
り、瞬時t1の直前のアクセル操作量Lがステップ103 、
104 の実行により基準値L0として記憶される。その後、
図6のステップ111 〜113 の実行により、基準値L0に基
づきアクセル踏み増し量ΔLが算出され、このΔLによ
り図7のステップ122 でスリップ目標値の補正量ΔS*
が設定されることになるが、ステップ122 に例示したマ
ップから明らかなように、アクセル踏み増し量ΔLが所
定値ΔL0を越える瞬時t2 まではΔS*が0になって補
正がなされず、スリップ目標値S*は一定値に保持され
る。
【0021】したがって、図9のステップ141 の実行に
より検出した駆動輪の駆動スリップ状態(現在の駆動ス
リップ量S)に基づき、ステップ142 のスリップ目標値
S*を達成するよう、ステップ143 〜148 の実行により
駆動トルク制御を行う際に、スリップ目標値の補正量Δ
S*は、前記駆動トルク制御開始後のアクセル操作状態
の変化量であるアクセル踏み増し量ΔLに応じて設定さ
れることになり、旋回中に運転者が少々アクセル操作の
ミスをしても駆動力制御装置本来の機能が発揮されて旋
回安定性が確保されるとともにコーナ脱出時に運転者の
意志通りの加速が得られて加速不良が防止される、運転
者の加速の意志を反映した駆動トルク制御が可能にな
る。
【0022】図11は本発明の車両用駆動力制御装置の第
2実施例における、アクセル踏み増し量算出の制御プロ
グラムを示すフローチャートである。この第2実施例は
請求項2に対応するものであり、第1実施例の図6の代
わりに図11の制御プログラムを実行してアクセル踏み増
し量ΔLを算出すること以外は第1実施例と同様に構成
する。すなわち、図11のステップ151 、152 で図6のス
テップ111 、112 と全く同一内容の制御を行い、次のス
テップ153 でアクセル操作量Lとその基準値L0とを比較
する。ここでL≧L0のYESならば、ステップ154 をス
キップするため、ステップ155 で図6のステップ113 と
同一の式(ΔL=L−L0)により算出されるアクセル踏
み増し量ΔLは第1実施例と同一になる。一方、L<L0
のNOならば、ステップ154 で、そのときのLを基準値
L0とする基準値の更新を行う。
【0023】この更新により、基準値L0は絶えず前記駆
動トルク制御開始後のアクセル操作量の最小値に置き換
えられることから、図10の動作例の場合、ステップ155
で算出されるアクセル踏み増し量ΔLは第1実施例より
も大きくなり、スリップ目標値の補正のタイミングが瞬
時t2 より早まる結果、コーナ脱出がさらに容易にな
る。
【0024】図12は本発明の車両用駆動力制御装置の第
3実施例における、アクセル操作量の基準値更新の制御
プログラムを示すフローチャートであり、図13は同例に
おける、スリップ目標値補正量設定の制御プログラムを
示すフローチャートである。この第3実施例は請求項3
に対応するものであり、第1実施例の図5の代わりに図
12の制御プログラムを実行してアクセル操作量の基準値
L0を更新し、図7の代わりに図13の制御プログラムを実
行してスリップ目標値の補正量ΔS*を設定すること以
外は第1実施例と同様に構成する。
【0025】すなわち、図12のステップ161 で舵角セン
サ15より前輪操舵角(ステアリングホイール16の操舵
角)θを読み込み、ステップ162 でθが所定値θ0 以上
か否かを判定し、この判定がYESになる旋回時ならば
ステップ163 で旋回判断フラグFLAG1をセットし
(FLAG1=1),NOになる直進時ならばステップ
164 でリセットする(FLAG=0)。次のステップ16
5 では、図5のステップ101 、102 と全く同一内容の制
御を行い、駆動トルク制御が実施されているか否かを判
定する。この判定がYESになるTD=0の駆動トルク
制御非実施の場合、ステップ166 で旋回判断フラグFL
AG1がセットされているか否かをチェックし、FLA
G1=1のYES、つまり旋回時ならば、次のステップ
167 で読み込んだ現在のアクセル操作量Lを、ステップ
168 で基準値L0とする基準値の更新を行う。
【0026】一方、ステップ165 がNOになる駆動トル
ク制御実施時の場合、ステップ166〜168 をスキップ
し、ステップ166 がNOになる直進時の場合、ステップ
167 、168 をスキップするものとし、基準値の更新を駆
動トルク制御が実施されずかつ旋回時である場合のみに
行うようにする。なお、図12の制御プログラムにおい
て、CPU11は旋回状態判定手段、アクセル操作検出手
段、アクセル基準値記憶手段として機能する。
【0027】ステップ168 の実行後、図6の制御プログ
ラムを実行した後に実行される、図13の制御プログラム
において、まずステップ171 でアクセル踏み増し量ΔL
を読み込み、次のステップ172 で、旋回判断フラグFL
AG1がセットされているか否かをチェックする。ここ
でFLAG1=1のYES、つまり旋回時ならば、次の
ステップ173 でスリップ目標値の補正量ΔS*をΔLか
ら決定する。このスリップ目標値の補正量ΔS*の決定
には、例えば図13のステップ173 中に例示したマップを
用いるものとし、その場合、踏み増し量ΔLが所定値Δ
L0(運転者の加速意志と見なさないアクセル踏み増し量
の限界値)以下のとき補正量ΔS*=0とすることによ
り運転者のラフなアクセル操作によるスリップの発生を
抑制して車両の安定性を維持するようにし、踏み増し量
ΔLが所定値ΔL0を越えたとき運転者の加速の意志が強
いと見なして補正量ΔS*をリニアに変化させる増量補
正を行う。
【0028】一方、ステップ172 の判定においてFLA
G1=0のNO、つまり直進時ならば、次のステップ17
4 で、例えば図13のステップ174 中に例示したマップを
用いてスリップ目標値の補正量ΔS*をΔLから決定す
る。このマップでは、アクセル踏み増し量ΔLに対しス
リップ目標値の補正量ΔS*がリニアな関係になるよう
にしてある。なお、図13の制御プログラムにおいて、C
PU11は、スリップ基準値補正手段として機能するとと
もに、アクセル限界値設定手段およびスリップ補正禁止
手段として機能する。
【0029】次に、第3実施例の作用を図14の動作例に
より説明する。いま、図14に示すように、運転者がコー
ナ進入に伴いアクセルを若干踏み込み、コーナ旋回中は
アクセル操作量を細かく増減し、コーナ脱出時はアクセ
ルを大きく踏み込んだ場合、コーナ旋回中ほぼ一定に保
たれていた車速がコーナ脱出に伴い急激に増加する。こ
こで、図12のステップ161 で読み込んだ前輪操舵角θが
所定値θ0 を越える瞬時をt3とすると、ステップ162 〜
164 の実行により瞬時t3以後、旋回判断フラグがセット
される(FLAG1=1)。この瞬時t3以後に駆動トル
ク制御が実施されていない場合にはステップ165 の判定
がYESになってステップ166 を選択する。このとき既
に旋回判断フラグがセットされていることからステップ
166 はステップ167 を選択し、ステップ166、167 の実
行によりそのときのアクセル操作量Lが基準値L0として
記憶される。このアクセル操作量の基準値L0は、駆動ト
ルク制御非実施である限り旋回中絶えず更新され、結
局、直進判断がなされて旋回判断フラグがリセットされ
る瞬時t5の値が記憶されることになる。一方、瞬時t3
後のある時点(例えば図12に示す瞬時t4)に駆動トルク
制御が開始された場合にはステップ165 の判定がNOに
なってステップ166 〜168 をスキップするため、基準値
L0は瞬時t4の値に固定されることになる。
【0030】その後、図6のステップ111 〜113 の実行
により、基準値L0に基づきアクセル踏み増し量ΔLが算
出され、このΔLにより図13のステップ173 またはステ
ップ174 でスリップ目標値の補正量ΔS*が設定される
ことになる。ところで、図14の動作例に示される駆動ト
ルク制御非実施時の旋回中は、アクセル操作量の基準値
L0が絶えず更新されることから、アクセル踏み増し量Δ
L=L−L0が0になるため、スリップ目標値の補正量Δ
S*が0になって補正がなされず、スリップ目標値S*
は一定値に保持される。これに対し、駆動トルク制御実
施時の旋回中は、基準値L0が固定されてアクセル踏み増
し量ΔL=L−L0が0にならないため、スリップ目標値
S*は補正されることになるが、ステップ173に例示し
たマップから明らかなように、運転者が極めて急激なア
クセル操作を行わない限り、アクセル踏み増し量ΔLは
運転者の加速意志と見なさないアクセル踏み増し量の限
界値であるΔL0を越えず、したがって細かいアクセル操
作ではΔS*が0になって補正がなされず、スリップ目
標値S*は一定値に保持される。一方、コーナを脱出し
て直進状態になると、旋回判断フラグがリセットされる
ことから、ステップ172 の実行により直ちにマップがス
テップ174 のマップに切り換えられ、スリップ目標値S
*は瞬時t5以後リニアに増加し、スリップ目標値の補正
がなされることになる。
【0031】したがって、図9のステップ141 の実行に
より検出した駆動輪の駆動スリップ状態(現在の駆動ス
リップ量S)に基づき、ステップ142 のスリップ目標値
S*を達成するよう、ステップ143 〜148 の実行により
駆動トルク制御を行う際に、スリップ目標値の補正量Δ
S*は、旋回時は踏み増し量が運転者の加速意志と見な
さない限界値を越えない限り0に設定され、直進時は固
定された基準値L0からのアクセル操作状態の変化量であ
るアクセル踏み増し量ΔLに応じて設定されることにな
る。これにより、旋回中に運転者が少々アクセル操作の
ミスをしても駆動力制御装置本来の機能が発揮されて旋
回安定性が確保されるとともにコーナ脱出時に運転者の
意志通りの加速が得られて加速不良が防止される、運転
者の加速の意志を反映した駆動トルク制御が可能にな
る。
【0032】なお、上記第3実施例においてスリップ目
標値の補正量ΔS*の設定に用いるマップとしては、図
13に示したマップの代わりに、ステップ173 で図15のマ
ップを用いてもよい。その場合、踏み増し量が増加する
ほど補正量の増加率が増加するため、運転者の積極的な
アクセル操作を生かす仕様に設定することができ、FR
車の場合、ドリフトコントロールが容易になり、FF車
の場合、スピン時にアクセルコントロールによる車両姿
勢の立て直しが容易になる等の効果が得られ、スポーテ
ィ車用の設定が可能になる。また、図13に示したマップ
の代わりに、ステップ174 で図16のマップを用いてもよ
い。その場合、踏み増し量が増加するほど補正量の増加
率が減少するため、運転者の不用意なアクセル操作に対
し車両の安定性を保つ仕様に設定することができ、セダ
ン用の設定が可能になる。このように、スリップ目標値
の補正量の設定に用いるマップは、搭載車の要求するキ
ャラクターに応じて適宜設定すればよい。
【0033】図17は本発明の車両用駆動力制御装置の第
4実施例における、駆動トルク制御の制御プログラムを
示すフローチャートである。この第4実施例は請求項4
および5に対応するものであり、第1〜第3実施例で用
いていたアクセル操作量の代わりに、操舵角が切り増し
状態か切り戻し状態かを表わす操舵状態を用いてスリッ
プ目標値を設定するよう構成したことが前記各実施例と
は相違する。
【0034】すなわち、図示しないオペレーションシス
テムによって所定周期毎の定時割込みにより繰返し実行
される図17の制御プログラムにおいて、まずステップ18
1 、182 で初回(電源投入直後)のみメモリ等のイニシ
ャライズを行い、次のステップ183 で駆動輪である左右
前輪の回転数VFL,VFRおよび従動輪である左右後
輪の回転数VRL,VRRを、夫々対応する車輪回転セ
ンサ4〜7より読み込む。ステップ184 では前輪および
後輪の平均回転数VF,VRをVF=(VFL+VF
R)/2,VR=(VRL+VRR)/2により算出
し、ステップ185 で駆動スリップ状態(本例ではスリッ
プ率を用いているが、スリップ量を用いてもよい)S
を、S=(VR−VF)/VRによって算出する。な
お、上記ステップ183 〜185 において、CPU11は駆動
スリップ検出手段として機能する。
【0035】次のステップ186 では舵角センサ15より駆
動輪である前輪の操舵角θを読み込み(このステップ18
6 において、CPU11は操舵角検出手段として機能す
る)、ステップ187 でこのθから操舵角速度dθ/dt
を読み込む(このステップ187において、CPU11は操
舵角速度検出手段として機能する)。ステップ188 で
は、上記θおよびdθ/dtによって操舵角が切り増し
状態か切り戻し状態かを判定する。この判定において
は、例えば中立状態からステアリングホイール16を右方
向に切ったときのθを正、左方向に切ったときのθを負
とした場合、θおよびdθ/dtの積;θ・(dθ/d
t)が正のとき切り増し状態、負のとき切り戻し状態と
判定する。なお、このステップ188 において、CPU11
は操舵状態判定手段として機能する。
【0036】上記ステップ188 の判定がYESの場合、
制御をステップ189 へ進め、NOの場合、制御をステッ
プ190 へ進める。ステップ189 、190 では、操舵角θに
よってスリップ目標値S0を決定する。このスリップ目標
値S0の決定には、例えば図17中に例示したマップを用い
るものとする(これらマップの代わりに、スリップ目標
値を操舵角の関数として表わした式を用いてもよい)。
ここで、切り増し状態用のステップ189 のマップにおい
ては、θ<θA の直進状態のときスリップ目標値S0を大
きい値に保ち、θ≧θA の旋回状態のときスリップ目標
値S0を直進時よりも小さく設定した値(下限値)と操舵
角θの増加に応じて徐々に増加する値との加算値とする
が、この加算値は直進時に比べて小さい値となるように
する。一方、切り戻し用のステップ190 のマップにおい
ては、スリップ目標値S0を上記切り増し状態用のマップ
により決定されるスリップ目標値S0よりも大きい値とな
るようにする。したがって、同一操舵角で比較した場
合、設定されるスリップ目標値は、切り戻し状態のとき
の方が切り増し状態のときよりも大きい値になる。な
お、CPU11は上記ステップ188 においてスリップ基準
値補正手段として機能するとともに、ステップ189 、19
0 においてスリップ基準値設定手段として機能する。
【0037】次のステップ191 では、ステップ185 で求
めたスリップ率Sと、ステップ189またはステップ190
で求めたスリップ目標値S0との比較を行い、この比較の
結果に応じてステップ192 〜194 の内の何れかに制御を
進める。すなわち、その時点の駆動スリップ状態を表わ
すスリップ率Sがスリップ目標値S0を上回っているS>
S0の場合には、制御をステップ192 へ進めて駆動トルク
減少指令を行い、その時点のスリップ率Sがスリップ目
標値S0と一致しているS=S0の場合には制御をステップ
193 へ進めて現状維持指令を行い、その時点のスリップ
率Sがスリップ目標値S0を下回っているS<S0の場合に
は制御をステップ194 へ進めて駆動トルク回復(増加)
指令を行う。なお、上記ステップ191 〜194 において、
CPU11は駆動トルク制御手段として機能する。
【0038】この第4実施例においては、図17のステッ
プ186 、187 の実行により検出した操舵角θ、操舵角速
度dθ/dtの積に基づきステップ188 で操舵状態の判
定を行い、この判定結果に基づき、操舵角の切り増し時
には直進状態で加速性能を重視するとともに旋回状態で
回頭性を重視するステップ189 のマップを選択し、操舵
角の切り戻し時にはコーナ脱出時の加速性を重視するス
テップ190 のマップを選択するから、第1実施例と同様
の作用効果が得られる。さらに、FF車においては、例
えばスポーティ走行でout-in-outでパワーアンダを発生
させることによりコーナ脱出を図る際に、トラクション
コントロールが過剰に作用して加速不良を招く不具合は
生じず、コーナ脱出が容易になる。
【0039】ところで、本例ではトラクションコントロ
ールとしてエンジンの各気筒13−1〜13−6に対し燃料
供給カットを行う方式を用いているため、例えばS>S0
の駆動スリップ発生時に制御が進むステップ192 では、
当該駆動スリップを抑制するためCPU11より燃料供給
コントロールユニット12に燃料供給カット信号FCを出
力し、この信号FCにより燃料供給コントロールユニッ
ト12から各気筒へ夫々出力されるインジェクションパル
スIP が遮断されて燃料カットが実施される。その際、
図示しない制御プログラムを実行することによりその時
点のスリップ率Sに応じて燃料供給をカットする気筒数
(例えばSの増大に伴い3/6 気筒カット→6/6 気筒カッ
ト、または2/6 気筒カット→4/6 気筒カット→6/6 気筒
カットのパターンで増加する)を決定するとともに実際
に燃料供給カットする気筒配列およびそのカットのタイ
ミングを決定するから、例えば3/6 気筒カットの場合、
各気筒の内の3気筒が均等に燃料供給カットされること
になる。
【0040】なお、上記各実施例においてはトラクショ
ンコントロールとして燃料供給カットによる駆動トルク
制御を採用しているが、これに限定されるものではな
く、例えばエンジンのスロットルバルブを電気的に制御
するスロットル開度制御や、エンジンの点火時期制御
や、ホイールシリンダに直接圧力を掛けるブレーキ制御
を用いてもよい。また、上記第1〜第3実施例において
は、スリップ目標値S*を求めるのに、予め設定したマ
ップによりアクセル操作変化状態から補正ΔS*を求め
てこれを初期値S*0 に加えたが、これに限られず、例
えばアクセル操作変化状態からスリップ目標値S*を直
接求めるマップを設けたものでもよい。
【0041】
【発明の効果】かくして本発明の請求項1ないし請求項
5記載の車両用駆動力制御装置は上述の如く、駆動トル
ク制御に用いるスリップ基準値をアクセル操作変化状態
や操舵状態に基づいて補正するから、運転者の加速の意
志を反映した駆動トルク制御がなされることになり、旋
回中に運転者が少々アクセル操作のミスをしても駆動力
制御装置本来の機能が発揮されて旋回安定性が確保され
るとともに、コーナ脱出時に運転者の意志通りの加速が
得られて加速不良が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概念図である。
【図2】本発明の概念図である。
【図3】本発明の概念図である。
【図4】本発明の車両用駆動力制御装置の第1実施例の
構成を示す図である。
【図5】同例における、アクセル操作量の基準値更新の
制御プログラムを示すフローチャートである。
【図6】同例における、アクセル踏み増し量算出の制御
プログラムを示すフローチャートである。
【図7】同例における、スリップ目標値補正量設定の制
御プログラムを示すフローチャートである。
【図8】同例における、スリップ目標値算出の制御プロ
グラムを示すフローチャートである。
【図9】同例における、駆動トルク制御の制御プログラ
ムを示すフローチャートである。
【図10】同例の作用を説明するための図である。
【図11】本発明の車両用駆動力制御装置の第2実施例
における、アクセル踏み増し量算出の制御プログラムを
示すフローチャートである。
【図12】本発明の車両用駆動力制御装置の第3実施例
における、アクセル操作量の基準値更新の制御プログラ
ムを示すフローチャートである。
【図13】同例における、スリップ目標値補正量設定の
制御プログラムを示すフローチャートである。
【図14】同例の作用を説明するための図である。
【図15】同例においてスリップ目標値補正量設定に用
いるマップの他の例を示す図である。
【図16】同例においてスリップ目標値補正量設定に用
いるマップの他の例を示す図である。
【図17】本発明の車両用駆動力制御装置の第4実施例
における、駆動トルク制御の制御プログラムを示すフロ
ーチャートである。
【符号の説明】
1L,1R 前輪(駆動輪) 3 エンジン 4〜7 車輪回転センサ 11 CPU 12 燃料供給コントロールユニット 13−1〜13−6 気筒 14 アクセル開度センサ 15 舵角センサ 16 ステアリングホイール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02D 45/00 345 F02D 45/00 345G (56)参考文献 特開 平2−176126(JP,A) 特開 平3−258938(JP,A) 特開 昭62−23831(JP,A) 特開 昭63−31830(JP,A) 特開 昭63−31859(JP,A) 特開 平2−161146(JP,A) 特開 平2−38149(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60K 28/16 F02D 29/02 B60K 41/20

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動輪の駆動スリップ状態を検出する駆
    動スリップ検出手段と、前記駆動輪のスリップ基準値を
    設定するスリップ基準値設定手段と、検出した駆動スリ
    ップ状態と前記スリップ基準値とに基づいて駆動トルク
    制御を行う駆動トルク制御手段とを具える車両におい
    て、 アクセル操作量を検出するアクセル操作検出手段と、 前記駆動トルク制御の開始時のアクセル操作量を基準値
    として記憶するアクセル基準値記憶手段と、 該基準値から現在のアクセル操作量までの増加分をアク
    セル踏み増し量として算出するアクセル踏み増し量算出
    手段と、 運転者の加速意志と見なさないアクセル踏み増し量の限
    界値を設定するアクセル限界値設定手段と、 前記駆動トルク制御開始後におけるアクセル踏み増し量
    が前記限界値を越えたとき該アクセル踏み増し量に応じ
    て前記スリップ基準値をスリップ許容方向へ補正するス
    リップ基準値補正手段と、 前記アクセル踏み増し量が前記限界値以下のとき前記ス
    リップ基準値の補正を禁止するスリップ補正禁止手段と
    を具えて成ることを特徴とする、車両用駆動力制御装
    置。
  2. 【請求項2】 前記アクセル基準値記憶手段は、前記駆
    動トルク制御の開始時のアクセル操作量の代わりに、前
    記駆動トルク制御開始後のアクセル操作量の最小値を基
    準値として記憶することを特徴とする、請求項1記載の
    車両用駆動力制御装置。
  3. 【請求項3】 駆動輪の駆動スリップ状態を検出する駆
    動スリップ検出手段と、前記駆動輪のスリップ基準値を
    設定するスリップ基準値設定手段と、検出した駆動スリ
    ップ状態と前記スリップ基準値とに基づいて駆動トルク
    制御を行う駆動トルク制御手段とを具える車両におい
    て、 車両が直進状態か旋回状態かを判定する旋回状態判定手
    段と、 アクセル操作量を検出するアクセル操作検出手段と、 前記旋回状態判定手段により車両が旋回状態と判定され
    たとき前記駆動トルク制御の開始時のアクセル操作量を
    基準値として記憶するアクセル基準値記憶手段と、 該基準値から現在のアクセル操作量までの増加分をアク
    セル踏み増し量として算出するアクセル踏み増し量算出
    手段と、 運転者の加速意志と見なさないアクセル踏み増し量の限
    界値を設定するアクセル限界値設定手段と、 車両の旋回状態判定時におけるアクセル踏み増し量が前
    記限界値を越えたとき該アクセル踏み増し量に応じて前
    記スリップ基準値をスリップ許容方向へ補正するスリッ
    プ基準値補正手段と、 前記アクセル踏み増し量が前記限界値以下のとき前記ス
    リップ基準値の補正を禁止するスリップ補正禁止手段と
    を具えて成ることを特徴とする、車両用駆動力制御装
    置。
  4. 【請求項4】 駆動輪の駆動スリップ状態を検出する駆
    動スリップ検出手段と、前記駆動輪のスリップ基準値を
    設定するスリップ基準値設定手段と、検出した駆動スリ
    ップ状態と前記スリップ基準値とに基づいて駆動トルク
    制御を行う駆動トルク制御手段とを具える車両におい
    て、 操舵角が切り増し状態か切り戻し状態かを判定する操舵
    状態判定手段と、 操舵角が切り増し状態にあると判定したときには、直進
    時に比べて小さく設定した下限値と操舵角の増加に応じ
    て徐々に増加する値とを加算した値であって直進時に比
    べて小さい値となるようにスリップ基準値を補正すると
    ともに、操舵角が切り戻し状態にあると判定したときに
    は、切り増し状態にあると判定したときの補正後のスリ
    ップ基準値よりも大きい値となるようにスリップ基準値
    を補正するスリップ基準値補正手段とを具えて成ること
    を特徴とする、車両用駆動力制御装置。
  5. 【請求項5】 前記操舵状態判定手段は、操舵角検出手
    段が検出した操舵角と、操舵角速度検出手段が検出した
    操舵角速度との積に基づき、操舵角が切り増し状態か切
    り戻し状態かを判定することを特徴とする、請求項4記
    載の車両用駆動力制御装置。
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