JP2973091B2

JP2973091B2 - 化粧ブロックの製造方法及び化粧ブロック

Info

Publication number: JP2973091B2
Application number: JP8091647A
Authority: JP
Inventors: 杉晃草竹
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1996-03-09
Filing date: 1996-03-09
Publication date: 1999-11-08
Anticipated expiration: 2016-03-09
Also published as: JPH09239717A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、法面、河川の護岸
等に敷設される化粧ブロックの製造方法及び化粧ブロッ
ク、更に詳し、くは、敷設される法面等の外観を自然な
感じに創造すべく表面の局部に自然石等を真似た色模様
が施される化粧ブロックの製造方法及び該製造方法によ
り得られてなる化粧ブロックに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のブロックの製造方法とし
ては、例えば、コンクリートに予め無機顔料等の着色材
を混入して型枠に流し込み、硬化を待って型枠から取り
外すカラーブロックの製造方法があるが、この製造方法
ではブロック全体に略均一な着色が施されることとな
り、ブロックの外観が単一的な色彩となるから変化に乏
しく、又、敷設後に表面に現れない部分にも着色が施さ
れることとなるので着色材が無駄で不経済である。

【０００３】かかる問題点を解消する製造方法として、
凹状部が設けられた型枠の該凹状部のみに着色材が混入
されたコンクリートを流し込み、更にその上から通常の
コンクリート（着色材が混入されていないコンクリート
を意味する）を流し込み、硬化を待って化粧ブロックを
製造する方法が知られている。この方法によれば、型枠
の凹状部に対応する箇所（ブロックの凸部）に自然石を
擬似した色模様が施されたブロックを製造することが理
論上可能である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記後
者のブロックの製造方法にあっては、コールドジョイン
トを避けるために通常のコンクリートを着色材の混入さ
れたコンクリートが硬化する前に流し込まなければなら
ないから、通常のコンクリートを流し込む際に、該通常
のコンクリートによって着色材の混入されたコンクリー
トが押し流され、更にはそれらが硬化する間に着色材の
混入されたコンクリートが通常のコンクリートへ分散す
ることとなる。従って、成形されたブロックの凸部にの
み施されるべき色模様が、他の部分にまで滲み出るとい
う問題点があり、又、着色材の混入されたコンクリート
と通常のコンクリート、更には、色の種類に応じて複数
の着色材入りコンクリートを用意しなければならないか
ら、作業が非常に煩雑であるという問題点があった。

【０００５】かかる方法によれば、製造に手間がかかる
割にその外観は、色模様が予期せぬ所に現出して着色部
と無着色部との見切りが付かず、恰もペンキが流れ落ち
たような（サイケデリックな）外観を呈し、却って不自
然な感じを看者に与えるから色彩を施す意義がない。

【０００６】本発明は、上記の如き従来の問題点に鑑み
てなされたもので、ブロック表面の所望の箇所に局部
的、且つ確実に色模様を施して定着させることができる
化粧ブロックの製造方法及び該製造方法によりブロック
表面の凸部９又は凹部９′が色模様に形成されてなる化
粧ブロックを提供する。

【０００７】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたもので、その課題を解決するための手段は、ブロッ
ク表面の所定箇所に局部的に色模様を施すべく、型枠１
の表面３ａの所定箇所に成形された凹状部２又は凸状部
２′の上面２ａにポリビニルアルコールからなる水溶性
接着剤６を塗布し、更に該水溶性接着剤６の上面に顔料
等の化粧用着色材７を塗布した後、前記型枠１内にコン
クリート８を流し込み、該コンクリート８の硬化後、型
枠１を取り外すことにある。また、他の手段は、型枠１
の表面３ａの所定箇所に成形された凹状部２又は凸状部
２′の上面２ａに顔料等の化粧用着色材７とポリビニル
アルコールからなる水溶性接着剤６とが混合された混合
剤を塗布した後、前記型枠１内にコンクリート８を流し
込み、該コンクリート８の硬化後、型枠１を取り外すこ
とにある。また、他の手段は、前記凹状部２又は凸状部
２′の上面２ａが粗面状であることにある。更に、他の
手段は、前記製造方法によりブロック表面の凸部９又は
凹部９′が色模様に形成されてなる化粧ブロックにあ
る。

【０００８】かかる製造方法によれば、化粧用着色材７
がポリビニルアルコールからなる水溶性接着剤６によっ
て型枠１の所定箇所に成形された凹状部２又は凸状部
２′の上面２ａに保持されているので、コンクリート８
を流し込んでも化粧用着色材７が型枠１における表面３
ａの所定箇所の上面２ａから流れ出すことがなく、しか
も、化粧用着色材７を保持するポリビニルアルコールか
らなる水溶性接着剤６は、その水親和性により流し込ま
れたコンクリート８に含侵し且つ結合するため、化粧用
着色材７もまたポリビニルアルコールからなる水溶性接
着剤６に従ってコンクリート８の表面側の所定箇所に定
着することとなる。

【０００９】また、ポリビニルアルコールからなる水溶
性接着剤６等は、吹き付けによる塗布等のように公知の
簡易な手段により行うことができるから作業性もよい。
特に、前記他の手段のように、混合剤を塗布する方法で
あれば、塗布作業が１回で済み、且つ型枠１における凹
状部２又は凸状部２′の上面２ａを粗面にすれば、該上
面２ａに塗布されるポリビニルアルコールからなる水溶
性接着剤６等の流動防止に作用するとともに、成形され
るコンクリート８の表層部も粗面になってより自然石に
擬似するという利点がある。更に、前記製造方法により
得られる化粧ブロックは、水溶性接着剤６及び化粧用着
色材７を用いることで、ブロック表面における凸部９又
は凹部９′の上面に表示する所望の色模様等が何等、ブ
ロック表面へ滲み出すこともなく、明瞭に形成されてな
るものである。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら説明す
ると、図１において、１は表面３ａに自然石の外形を模
る凹状部２が適宜成形された型本体３と、該型本体３の
周囲に着脱自在に取付けられてなる枠本体５とからなる
型枠を示し、該凹状部２の上面２ａには拡大図に示すよ
うに、より自然石に擬似すべく微細な凹凸による粗面状
が形成されてなる。

【００１１】次に、本発明に係る化粧ブロックの製造方
法の一実施形態について、図１及び図２を参照しながら
説明する。まず、型枠１の凹状部２の上面２ａに水溶性
接着剤６としてのポリビニルアルコールを吹き付け塗
布、刷毛塗り等の公知の手段で塗布することにより凹状
部２の上面２ａにポリビニルアルコールからなる水溶性
接着剤６の薄膜を形成する。尚、この際に使用する水溶
性接着剤６は、凹状部２の下方に流動すること等を防止
するため粘稠に調整されている。又、前記凹状部２の上
面２ａは、微細な凹凸による粗面に形成されているか
ら、水溶性接着剤６が付着しやすく、従って該水溶性接
着剤６は流動が阻止されて上面２ａに確実に定着、保持
されるのである。

【００１２】更に、その水溶性接着剤６の層の上から無
機顔料等からなる化粧用着色材７を振りかけ、吹き付
け、刷毛塗り等の公知の手段で塗布して化粧用着色材７
の薄層を形成する。尚、この際に使用する無機顔料等
は、後述する化粧ブロックの凸部９に施される色模様が
自然石に擬似すべく調合されている。

【００１３】そして、該型枠１内に通常のコンクリート
８を流し込み、該コンクリート８が硬化した後に型枠１
の枠本体５を取り外し、最後に硬化したブロックを型本
体３から取り外すことにより化粧ブロックが製造され
る。

【００１４】上記製造方法によれば、化粧用着色材７が
ポリビニルアルコールからなる水溶性接着剤６により凹
状部２の上面２ａの粗面状に添って保持されることとな
るので、化粧用着色材７が流し込まれたコンクリート８
によって押し流されて凹状部２から流動するようなこと
がなく、しかも、ポリビニルアルコールからなる水溶性
接着剤６は、凹状部２に流し込まれたコンクリート８の
水分と親和して該コンクリート８に含侵し且つ結合する
ため、化粧用着色材７は分散することなくポリビニルア
ルコールからなる水溶性接着剤６に従って凹状部２内の
コンクリート８の表層部９ａに定着する。

【００１５】従って、製造された化粧ブロック１０は、
図３に示すように、化粧ブロック１０の凸部９にのみ色
模様が施されることとなり、従来のように色模様が滲み
出すようなこともなく、所望の箇所に明瞭に色模様を施
すことができる。よって、看者は恰も自然石が埋設され
たような感じを受けることとなり、護岸面において擬似
石を植石仕立て調に配するという化粧ブロックの目的を
確実に達せられるのである。

【００１６】加えて、ポリビニルアルコールからなる水
溶性接着剤６等は、吹きつけによる塗布等のように公知
の簡易な手段により行うことができるから作業性もよ
い。

【００１７】また、複数の種類の化粧用着色材７を準備
し、型枠１の複数の凹状部２にそれぞれ異なる色模様を
呈する化粧用着色材７を塗布すれば、図３に示すよう
に、化粧ブロック１０の各凸部９…にそれぞれ異なる色
模様が施されることとなり、より一層自然石に擬似しう
る感じの化粧ブロック１０を成形することができる。

【００１８】尚、上記実施形態において、ポリビニルア
ルコールからなる水溶性接着剤６を塗布した後、該水溶
性接着剤６の上面に化粧用着色材７を塗布したが、予め
化粧用着色材７とポリビニルアルコールからなる水溶性
接着剤６とが混合された混合剤を塗布しても上記実施形
態と同様の効果を奏する上、かかる方法であれば、塗布
作業が１回で済むという利点がある。

【００１９】また、上記実施形態において、化粧用着色
材７に無機顔料を用いたが、必ずしも化粧用着色材７は
無機顔料に限定されず、例えば、微細な自然砂、着色処
理された砂等を化粧用着色材７として用いてもよく、
又、着色されたモルタル（又はコンクリート）を用いて
もよい。

【００２０】また、本発明に使用される型枠１の表面３
ａには凹状部２以外に、凸状部２′が成形されていても
よい。更に、上記実施形態においては単一的な型枠１を
用いて化粧ブロックを製造する方法を示したが、本発明
方法は現場において施工する所謂現場打ちコンクリート
用の型枠にも同様に実施可能である。要は、コンクリー
ト体の所望の箇所に色模様を施すために、それに対応す
る型枠の所定箇所にポリビニルアルコールからなる水溶
性接着剤６等を塗布すればよいのである。

【００２１】上記実施形態のように型枠１に凹状部２が
設けられ、該凹状部２にのみポリビニルアルコールから
なる水溶性接着剤６等を塗布する方法であれば、化粧ブ
ロックには凸部９として成形されるので、立体感があり
自然石に擬似し易いという利点がある。また、凹状部２
に加えて表面３ａに苔色等を塗布すれば、化粧ブロック
１０の基部１０ａも自然な状態に擬似するから、護岸面
等においてはコンクリートブロックを敷設していること
がより分かり難くなるという利点がある。

【００２２】

【発明の効果】叙上のように、本発明に係る化粧ブロッ
クの製造方法によれば、ポリビニルアルコールからなる
水溶性接着剤及び化粧用着色材を用いることにより化粧
ブロックの所定の箇所に局部的、且つ確実に明瞭な色模
様を施すことができる。従って、各箇所においては無着
色部又は他の着色部との色彩の見切りがはっきりするか
ら、恰も自然石が配された如き外観となる化粧ブロック
を製造することができるのである。また、顔料等の化粧
用着色材と水溶性接着剤とが混合された混合剤を用いる
ことで、塗布作業が１回で済むという利点があるもので
ある。また、凹状部２の上面の粗面状は、水溶性接着剤
等の流動防止、ひいては前記明瞭な着色化に寄与すると
ともに、粗面状が成形されたブロックに転写してより自
然石に擬似した化粧ブロックを製造することができるの
である。更に、本発明に係る化粧ブロックは、、従来の
ようにブロック表面へ色模様が滲み出すようなことがな
く、凸部又は凹部の所望個所に色模様が明瞭に施されて
なるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る化粧ブロックの製造方法の一実施
形態に使用される型枠及び該型枠にポリビニルアルコー
ルからなる水溶性接着剤並びに化粧用着色材が塗布され
た状態を示す要部拡大図を含む断面図。

【図２】図１の型枠内にコンクリートが流し込まれた状
態を示す断面図。

【図３】本発明に係る化粧ブロックの製造方法の一実施
形態により製造された化粧ブロックを示し、（イ）はそ
の平面図、（ロ）は（イ）のＡ−Ａ線断面図。

【符号の説明】

１…型枠、２…凹状部、２′…凸状部、２ａ…上面、３
ａ…表面、６…ポリビニルアルコールからなる水溶性接
着剤、７…化粧用着色材、８…コンクリート、９…凸
部、９′…凹部、１０…化粧ブロック

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】ブロック表面の所定箇所に局部的に色模
様を施せる化粧用ブロックの製造方法であって、型枠
（１）の表面（３ａ）の所定箇所に成形された凹状部
（２）又は凸状部（２′）の上面（２ａ）にポリビニル
アルコールからなる水溶性接着剤（６）を塗布し、更に
該水溶性接着剤（６）の上面に顔料等の化粧用着色材
（７）を塗布した後、前記型枠（１）内にコンクリート
（８）を流し込み、該コンクリート（８）の硬化後、型
枠（１）を取り外すことを特徴とする化粧ブロックの製
造方法。
【請求項２】型枠（１）の表面（３ａ）の所定箇所に
成形された凹状部（２）又は凸状部（２′）の上面（２
ａ）に、顔料等の化粧用着色材（７）とポリビニルアル
コールからなる水溶性接着剤（６）とが混合された混合
剤を塗布した後、前記型枠（１）内にコンクリート
（８）を流し込み、該コンクリート（８）の硬化後、型
枠（１）を取り外すことを特徴とする化粧ブロックの製
造方法。
【請求項３】前記凹状部（２）又は凸状部（２′）の
上面（２ａ）が粗面状である請求項１又は２記載の化粧
ブロックの製造方法。
【請求項４】ブロック表面の所定箇所に局部的な色模
様等を有する化粧用ブロックであって、型枠（１）の表
面（３ａ）の所定箇所に成形された凹状部（２）又は凸
状部（２′）の上面（２ａ）に、水溶性接着剤（６）を
塗布し、更に該水溶性接着剤（６）の上面に顔料等の化
粧用着色材（７）を塗布した後、又は顔料等の化粧用着
色材（７）と水溶性接着剤（６）とが混合された混合剤
を塗布した後、前記型枠（１）内にコンクリート（８）
を流し込み、該コンクリート（８）の硬化後、型枠
（１）を取り外すことにより、ブロック表面の凸部
（９）又は凹部（９′）が色模様に形成されてなること
を特徴とする化粧ブロック。